2020年7月26日日曜日

超リラクゼーションの技術 Vol.3
The Art of Super-Relaxation



最後の重要なポイント;どこに集中するのか?


このテクニックを練習する時、どこに集中すべきなのか?呼吸に。そう、でも体ではどこに?

最初にあなたが集中するのは、動いている肺や横隔膜かもしれない。では、その体の動きにまずは集中しよう。心が落ち着いてきたら、徐々に集中を身体から呼吸そのものへと移していく。呼吸が入る場所は鼻孔だと気付く。より落ち着いてきたら、空気の流れが最も強い鼻孔へと集中してみる。最初それは鼻孔の外側だが、もっと集中が深まったら鼻のもっと奥で呼吸を感じてみよう。そして空気の流れのもっとも強いところを感じよう。それは鼻の上の方?横?それとも下?これは、より明確に自身の心の状態を受け取るのに役立つ。鼻の上部の流れは、高い意識を意味する。下部では、背骨の下向きのエネルギーの流れを意味する。鼻腔の外側では、感情的に反応する傾向を反映している可能性がある。鼻孔の中心では、引きこもる傾向がある。もっと落ち着いてきたら、頭へと呼吸が入る場所に集中しよう。眉間だ。体の本当の集中点である。


呼吸の源はアストラル体にある。アストラルの吸気は上向きの動きに関連しており、ヨガの教えでいうところの「イーダ」を通っている。呼気は下向きの動きに関連しており、「ピンガラ」の神経経路を通る。これらの経路は、魚を食べる人なら魚の2本の小さな神経が脊椎に沿って走っているのを見たことがあるだろう。

イーダを通る上向きのエネルギーの流れは、物理的な呼吸の吸気に関係する。そしてピンガラを通る下向きのエネルギーは呼気に関連する。アストラルな呼吸はこのエネルギーの上下の動きによって完成する。反応プロセスの本質である。エネルギーの上向きの流れが強い時は積極的な反応を表し、故意の吸気でも同様だ。エネルギーの下向きの流れがより強い時(あるいは呼気が吸気よりも強い時)は、ため息として現れ、拒否の感情を表す。吸気が呼気よりも長い時は積極的な反応を意味する(興奮など)。呼気が長い時は、自分の中へ引きこもっている。睡眠時は、呼気が吸気よりも2倍長い。呼気と吸気が同じ長さの時は、心が落ち着いている。



その他のリラクゼーション・テクニック


まず両目を閉じて息を吐く。意識とエネルギーを感覚から解放する。心臓と心拍を感じ、心の目でみる。腕時計のスプリングを優しく触れて止めるように、意思の力で心臓を落ち着かせる。穏やかさを持って、体の中の全て組織の活動を停止する。そして背骨と脳の生命力の流れのスイッチを入れ、五感に繋がる電話を遮断する。脳を聖なるラジオとし、宇宙の音AUMを受信しよう。



AUMを使った超リラクゼーション


平らな椅子に座り、背骨を伸ばす。息を勢いよく吐き出し、そのまま吐き続けながら心の中で1から10まで数える。ゆっくり息を吸い、息を止めて1から10まで数える。10回続ける。そして息を吐き、呼吸のことは忘れる。

左足の指に集中し指ごとに「オウム」と心で唱える。右足でも同様に行う。次に左足裏に集中、次に右足裏に集中しそれぞれで「オウム」と唱える。「オウム」と唱えながら、左右のふくらはぎに集中する。同様に、左右の腿、左右の腰、臍、腹部、肝臓、脾臓、胃、膵臓、心臓、左右の肺、左右の手と腕、首の左側、首の右側、首の前と後ろで行う。

「オウム」と心の中で言いながら、脳下垂体、松果体、延髄、眉間、口、舌と口蓋、左右の鼻孔、左右の目、左右の耳、小脳そして大脳に集中。そして尾骨、仙骨、腰部、胴部、頸部、延髄、そして眉間の第三の目とチャクラの上下へ移動し、「オウム」と心で唱える。そして全身が「オウム」の聖なる音で囲まれたり放たれたりするのを感じてみる。





遍在(あまねく存在する)


おお精霊よ、我が生命と意識を所有と執着から放ちたまえ。汝、我が生命と精神を硬い肉体から解き放ちたまえ。我が意識を五感から、そして呼吸から放ちたまえ。心臓のエネルギーの鍵を放て。
そして、おお精霊よ、生命と意識を背骨に宿したまえ。そしてそれらを無限の宇宙にいる精霊の方へ放ちたまえ。おお、天の川銀河が我が内に浮かび輝くのを見させたまえ。
輝く偏在の鳥を延髄の鳥籠の裏門から脊椎の経路に向かわせ、心臓へと飛び立ちそこで生命力を歌わせたまえ。その呼吸の翼を二つの肺の中へと羽ばたかせよ。そして、おお精霊よ、ついには肉の壁を通り抜け羽ばたかせたまえ。
オウム・・・その響きは両の手に、両の足に、筋肉に!オウム・・・その響きは精霊に!オウム・・・脊椎へと戻りたまえ、心臓へと、筋肉へと戻りたまえ!






2020年7月21日火曜日

超リラクゼーションの技術 Vol.2
The Art of Super-Relaxation



ホン–ソウ集中テクニック


呼吸は生命だ。もし呼吸することなく生きられたら、寿命を長くすることができ、物理的な肉体の中で生きていながら肉体から魂へと意識を向けられるようになる。本当の無呼吸とは、肺に無理をさせて呼吸を抑制したり止めることではない。そうではなく、精神的静寂とリラクゼーションの状態になることで、一定の時間、呼吸がただ不要になるのだ。

このテクニックはいつでも練習が可能だ。どこにいても、背骨をまっすぐ引き上げて座り、深くリラックスしよう。両目を閉じる(あるいは半目にして眉間に視点を定める)。さあ、深い静けさとともに、、体から出たり入ったりする呼吸を制御せず心で見つめよう。息が入って来るときに、右手の人差し指を親指の方へ内側へ動かし、心の中で(舌や唇を動かさず)「ホン」と唱える。息が出ていく時には、人差し指を伸ばして心の中で「ソウ」と唱えよう。(人差し指を動かす目的は、集中しながらより肯定的になるためであり、呼気と吸気を区別するためである)

精神的に呼吸をどのようにも制御しようとしてはならない。それより、体に入り出ていく自然な呼吸の流れを、個別ではなく総体的に感じる呼吸の流れを見つめる沈黙の観察者の冷静な姿勢を取る。

敬意と注意を持って、このテクニックを少なくとも10分間(最初は)練習する。練習は長い程よい。昼夜問わず、正式な瞑想の最中でも暇なときでも、いつでも練習していい。例えば、車に乗っているとき(運転していなければ!)、ベッドに横たわっているときでも構わない。精神的な深い穏やかさを感じさせてくれ、ついには自分は身体ではなく魂なのだと気づかせてくれるだろう。この物理的な肉体から離れたより高みにあると。

正式な瞑想をするには、背中を真っ直ぐにしてアームのない椅子に座ろう。ウールのブランケットで椅子を覆い、背中から足の下まで垂らしておく。顔は東向きに。椅子の背もたれから離れ背筋を伸ばして座ろう。

このホン–ソウのテクニックは、先に述べたように暇なとき(例えば病院の待合室で座っている時など)にも練習可能だ。呼吸しながらそれをただ見つめ「ホン」「ソウ」と唱える。指を動かしたり、目を閉じたり眉間を見つめたりなど、周りの人の注目を集めかねないことはしないでいい。よければ瞬きをしないで目を開けたまま、まっすぐ前かどこか一点を見つめてもいい。可能なら、そして控えめにできるなら、背筋は伸ばし続ける。

ホン–ソウのテクニックの目的は、注意を下界から自由にし、五感から解放することだ。というのも呼吸は魂と体を繋ぐ紐だからだ。人は大気の中に生き、それは魚が水を必要とするように必要なものだ。無呼吸へ高みに上ることで、人は天使の住む光の天空界に入ることができる。冷静に出入りする呼吸を見つめていると、呼吸は自然と遅くなり、最後には心臓や肺、横隔膜の平穏を乱す活動が落ち着いていく。

この驚くべき事実を少し考えてみよう。心臓は通常1日12トンもの血液を送り出している!心臓は、他のほとんどの臓器が最低でも部分的には一時停止する機会を持つ夜でさえ休まない。身体の中でもっともよく働く(働きすぎる)臓器が心臓だ。ホン–ソウのテクニックは、心臓を休ませる科学的な方法で、そのため寿命を延ばす。そして大量の生命の流れ、あるいはエネルギーが全身に分配され、体の細胞全てを生まれ変わらせて老化を防ぐのだ。



リラクゼーションの重要性


眠りの中でわたしたちは感覚的なリラクゼーションを体験する。死は自主的ではないが、完全な体からの魂のリラクゼーションだ。それは心臓の停止の後にやってくる。ホン–ソウによって、心臓がリラックするというところまで到達することができるが、それによって外へと向かう衝動を超え、意識的に死を体験し、死の謎と死への恐怖という感覚を排除する。

このテクニック練習中に注意が散漫すると眠りを誘うことがあり、眠ることさえもある。その一方で、集中していると体の全ての細胞が聖なる生命力でチクチクする感覚をもたらす。

時間があれば、好きなだけ長い時間練習してみるといい。私自身、6歳の頃は一度に7時間練習したものだが、そのおかげで無呼吸の深いトランス状態に達することができた。この練習の間そして後に感じる深い穏やかさを手放さないでおこう。できるだけ長くその平穏につかまっていよう。実際の生活の中でそれを使ってみる。人に対応する時、勉強する時、仕事をする時、考える時。そして、深く根付いた有害な心や感情の癖を取り除こうとする時に、これを使って自己のコントロールをする。状況が必要とするときはいつでも、このテクニックの間と後に感じる穏やかさを思い出してその状態から脱し、内なる穏やかな中心からくる状況を迎え入れよう。そこでは生まれ持った魂の直感が可能な最善の結果を確実にしてくれるだろう。

覚えていて欲しい、このテクニックの正しい練習のためには深い集中力が必要となる。しかしこれは、緊張感が必要だというわけではない。リラックスして、敬意を持って穏やかにこのテクニックを練習しよう。そしてその穏やかさの中に、宇宙のバイブレーションAUM(オウム)を聞き、同化する準備が整ったと感じる。ホン–ソウは偉大なる魂とコンタクトを取るのを助けてくれる。偉大な魂とはあなたの魂としてあなたの中に存在する。そして偉大な魂は振動となって現れ、内なる音色の源である。結果はよいものとなり、深い鎮静はあなたのものだ。長い練習の後には高みにある直感がやってきて、聖なる力の未開の貯水池と通じたあなた自身を見つけることだろう。

せっかちになってはいけない。地道に続けよう。こん練習を毎日の習慣に取り入れ、食事、歯磨き、入浴、睡眠のように生活の一部にしよう。最終的には、あなたの精神的そして肉体的性質全てによい効果をもたらすだろう。

他のものと同じく、最高の結果は1日や数日では得られない。練習だ!このテクニックを練習して、日常の必要な場面で適用しよう。私の経験上、そして私の国の偉大なヨギ達の何世紀もの経験によって言う。あなたもまた、練習を遣り通せば、彼らと同じ素晴らしい体験をすることが可能だということを覚えていて欲しい。










2020年7月17日金曜日

超リラクゼーションの技術 Vol.1
The Art of Super-Relaxation

The Wisdom of Paramhansa Yogananda の抜粋です。
ヨガナンダ氏(1893-1952)は、西洋にヨガを伝えた指導者第一世代の一人です。「自己実現(Self Realization) 」と彼が呼んだ内なる神聖な体験に重点を置き、精神的な覚醒の実際的なアプローチを伝えました。

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超リラクゼーション


人々はよくリラクゼーションの話をするが、それに到達する方法を知っている人は少ない。身体のリラックス法は知っていても精神的なリラックス法は知らない人もいる。超リラクゼーションとは、全身からの意識とエネルギーの完全な自発的離脱のことだ。完全なる精神のリラックスとは、超自然の中の統一体という真の自我と一体となり心を休ませ、二元性という思い違いから意識を解き放つことだ。自分が人間であり、それゆえに神であるという考えに自身を誘導するのだ。




リラクゼーションによる若返り


精神は穏やかであるべきだ。日常の心配事や問題に関しては、心は水面で起こる波の形がひとつとして残らない水のようなものだ。無意識に得られるものは、意識していても得ることができる。瞑想の教えを通して、心臓、肺など全ての内臓で完全なる穏やかさが得られる。リラクゼーションにより筋肉や内臓すべてが動きから解放されると、体内組織の化学変化や分解が一時的に停止する。これが血流を純粋に保つのに役立つのだが、体内で分解があると老廃物は静脈内に廃棄され毒となる。

体内組織の分解が止まれば、静脈血は体内に蓄積しなくなる。これにより心臓が必要とする休息を与えてくれる。浄化するために大量の静脈血を肺に送り込む必要がなくなる。中和し電化した組織に血液や酸素は不要だからだ。つまり、心臓の動きや呼吸は不必要となる。これにより、大量の血液を身体中に送るという毎日の仕事のため心臓に必要とされる生命エネルギーが大量に放出する。このように、何十億もの細胞が休み、意識的に分解されない状態で生きることを可能にする持続的生命エネルギーに依存する。

体の細胞が血液や酸素がなくても生きられる方法を身に付けたら、髄質からやってくる生命エネルギーでどのように生きられるかを実際に理解したということだ。

すべての感覚器からエネルギーがなくなったら、五感への電話は繋がらなくなる。どんな感覚も知性の管理者である脳には届かない。精神は感覚で始まる思考から解き放たれ、無意識の記憶に関連した思考からも解放される。これが、科学的に解放された精神に神への道をつき進ませるのだ。

毎朝、完全な静寂に身を置いて、数分間思考を消してみよう。静かに座り、静寂の喜びに瞑想する。その喜びを神との交信だと考える。瞑想すればするほど、深まる静寂の喜び以上にそのような洗練された喜びを与えてくれるのは他には何もないということに気付くだろう。そのような瞑想での喜びとの交信は神との交信である。まずは神の愛に献身的に深く祈ろう。そして叡智に、幸福に、健康に、繁栄に祈り、具体的なあらゆる合法的望みの成就のために祈るのだ。



身体的なリラクゼーション


身体全体の完全なリラックスのためには、まず全身を優しく緊張させる。そしてリラックスして身体から全てのエネルギーを解放し、そのまま身体を全く動かさず弛緩する。筋肉や手足から動きや緊張を完全になくすことが「リラクゼーション」だ。身体がまるで骨も筋肉もないゼリーのようなものだと想像してみよう。そうすれば、筋肉の完璧なリラクゼーションを得ることができる。



精神的なリラクゼーション


精神的なリラクゼーションとは、完全な精神の休息を意味する。意志の力で眠りに落ちることを練習すればこれに到達できる。体をリラックスして、ちょうど眠りに落ちる直前に感じる眠気のことを考えてみよう。そしてその状態を再現してみる。(これには意思ではなく想像力を使う) ほとんどの人は眠っているときでさえリラックスしていない。だから夢をみる。したがって、意識的な精神のリラクゼーションは、受動的な体のリラクゼーションや睡眠の副産物であるリラクゼーションよりも良いのだ。こうして、夢を見るのか、精神的な映像スクリーンに夢が映らないようにしておくかを選択することができる。

どんなに忙しくても、時には心配事や仕事から心を完全に自由にすることを忘れてはならない。ただ心から立ち去らせる。覚えていて欲しい、あなたは心配事や仕事のために生きているわけではない、それらはあなたが作りあげたものだ。そんなものにあなたを苦しませないで欲しい。

圧倒されるような精神的試練に出会ったら、眠りに落ちてみよう。そうできれば、起きた時に心の緊張が解消され、不安もあなたを掴んでいる力を緩めていることに気付くはずだ。もしお前が死んでも地球は軌道を周り続けるだろうし、事業はいつものように進んでいくだろう、だったら何を心配するのだ?自分にそう話しかけてみよう。自分自身をあまりにも難しく考えると、死があなたを嘲りに来て、物質的な人生の短さとその務めに気づかせるだろう。

精神的なリラクゼーションには、過去や現在の忘れられない不安、絶え間ない義務の意識、事故の恐怖やその他の頭から離れようとしない恐怖、貪欲、欲望、そして不穏な思考や執着などから意思を持って注意を逸らす力が必要だ。精神的リラクゼーションの習得は、忠実な練習とともに可能となる。意思によって全ての思考を心から解き放ち、注意を平穏や内なる満足感に留めることで到達できる。習慣的な瞑想の練習により、不安から平穏へと注意を転ずることができる。

こうした理由により、一様で着実に霊性を高めようと望む修行者は、絶え間ない動きをやめ不穏なく体を静かに保ち、正しい呼吸の練習により静かな呼吸をし続け、自己鍛錬と人とのよい交際により生命力の本質を維持し、そして集中と瞑想の練習とともに心を穏やかにし続けなければならない。


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次回に続きます。


2020年7月14日火曜日

幸福と健康:ヨガを試すもうひとつの理由 
Increased well-being: Another reason to try yoga

ハーバード大学のサイトからです。

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ヨガの身体的そして精神的な問題緩和を促進する力は、やってみる理由として十分である。しかし、そこにはまだ他にもある。始まったばかりの研究においても、習慣的なヨガはよりよい睡眠や体のより深い気付き、体重減少、より深い幸福感など健康や幸福感の増進に関係があるようだ。マインドフルネスを向上することで、同時に共感や感謝、「忘我」などより大きな幸福感に関係があるものを増大させる。早期的エビデンスでは、ヨガが細胞レベルで廊下を遅らせる可能性もあり、おそらくそれはストレスを解消する効果によるものとされる。


これらの結果が素晴らしいのは、習慣的なヨガの練習によって健康をより促進させるポジティブなフィードバック回路が作られ、生活の複数の領域を同時に向上させるということを示唆していることだ。例えば、ヨガは睡眠を向上させるのだが、それが結果的に日中のエネルギーと集中力を与えてくれる。身体的、精神的に気分が良いと、健康的な食事や運動など、よりよい習慣を取り入れようというエネルギーが得られる。これらの変化が結果的に、多くの病気に関連する体重のより適切なコントロールに繋がる。運動は(痛みを緩和するのは言うまでもなく)睡眠の質を向上させ、そしてこのように良いサイクルが続くのだ。



良い睡眠


朝の起床時どのように感じるだろう?リフレッシュしていつでも出かけられる状態だろうか、それともフラフラして不機嫌だろうか?1日の睡眠時間が6時間に満たない米国人は、なんと4人中1人だ。睡眠不足は疲労となり、効率的な仕事や運動、健康的な食事ができなくなる。


時間が経つにすれ、睡眠不足は、心疾患や卒中、糖尿病などを含む多くの慢性病リスクを増加させる。しかし、新しい研究では、ヨガでより早く眠りに落ちることができ、より長く深い睡眠を(薬の副作用なしに)促進することを示している。


質の悪い睡眠の原因となるストレスや不安、興奮などを減らすことにより、ヨガは睡眠を促進する。ある小規模研究では、クンダリニ瞑想と呼吸法を観察した。睡眠障害のある20人が、就寝前に毎晩30分間のヨガを行った。8週間後、被験者らは平均で36分間長く眠るようになり、夜間の覚醒が減った。全体的には、彼らの睡眠の質が11%向上した。


睡眠の問題は加齢に伴って増加する傾向にあるが、60才以上の成人に行った研究では良い結果だった。2年以上毎日ヨガの練習をしていた高齢者35人を調査したところ、ヨガをする人はヨガをしない人と比べて、入眠が10分早く、睡眠時間が1時間多く、朝の起床時にはより休息できたと感じることがわかった。


ヨガは深刻な不眠症にも効果がある。質の良い睡眠を得るための通常の助言に従うことで睡眠の問題を減少させることも可能だが、ある研究の中では、そうした助言を受けただけの人がより早く入眠できたのは28%だったのに比べ、8週間ヨガをした人は37%だった。


研究は「容量反応」効果があると示している。つまり、ヨガを練習すればするほど、睡眠障害を経験する可能性は低くなり、睡眠でより回復することができる。入眠の問題がないとしても、ヨガは睡眠の質を向上させることができるのだ。





(出典)https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/increased-well-being-another-reason-to-try-yoga


2020年7月9日木曜日

脳の健康にヨガが効果:最新研究の体系的再調査 
Yoga Effects on Brain Health: A Systematic Review of the Current Literature


US National Library of Medicine に掲載されている2019年発表の研究調査です。
ここでは、要旨のみ訳しています。
詳細は最下部のリンクからどうぞ。

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ヨガは、米国の成人が実践する補完的な健康法で最も人気のあるものである。インド哲学に起源をもつ古代の精神と身体の実践法だ。ヨガは、身体的なポーズと周期的な呼吸、そして瞑想を組み合わせ、独特の全体観的な精神と肉体の体験を与えてくれる。身体的エクササイズの健康効果はすでに確立されているが、近年では、呼吸法や瞑想法の積極的に意識するという要素が神経学者の間で関心を集めている。

ヨガの身体的肉体的な健康効果に対する科学的証拠は増えつつあるが、この論文は最新のヨガの知識を要約し、MRIやfMRI、SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)で評価した脳の構造や機能に対する効能を記録することを試みている。11の研究を調べ、脳の構造、機能、皮質血流へのヨガの影響を調査した。

まとめると、これらの研究では、海馬、扁桃、前頭前皮質、帯状回皮質、またデフォルト・モード・ネットワークを含む脳内ネットワークなどの構造や機能に対するヨガの良い影響を示している。ヨガなどの行動介入が加齢性及び神経変性的な衰えを緩和する有望な早期的証拠を提供している。特定されている脳領域の多くは、著しい加齢性萎縮を示すことがわかっている。


Credit: Wikimedia Commons




(出典)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6971819/?fbclid=IwAR1jmReeF3b41pDM_akuhGOqIqKBCZqFOF_Knpp_yigQk7_Wz_ptBCDD9NI