ラベル アナトミー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル アナトミー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026年6月14日日曜日

腸腰筋リリースのための8ポーズ Vol.1 
8 Poses for Iliopsoas Release

編集注記:下記は、ヨガ実践者や指導者に向けた一般的な推奨を意図したものです。医療従事者による個々の助言の代替にはなりません。


ヨガや理学療法には、腸腰筋(腰筋と腸骨筋とで成る筋肉)を緩めようとしてくる方もいます。座りがちなライフスタイルが原因で、腸腰筋が硬くなることがあります。この筋肉は、ハムストリングスと同様、長時間の座位による影響を特に受けやすい場所です。腸腰筋は、股関節や背骨を繰り返し屈曲することで両脚やコアを使う活動(そしてヨガポーズ)に反応して硬くなるため、この筋肉を繰り返し収縮する必要のあるスポーツでも硬くなることがあります。


座位や動きが腸腰筋に与える影響と、以下の8つのポーズがどのように腸腰筋を緩め始めるかを理解するために、まずはこの筋肉の場所と役割を見ていきましょう。



腸腰筋の場所と役割


腸腰筋は、両脚を後方へ繋いでいる唯一の筋肉です。腰のあたりから始まる大腰筋は骨盤のくぼみを通って、腸骨のすぐ内側で腸骨筋を拾い上げています。(小腰筋は、腰椎に始まり大腰筋の前を通って恥骨弓の先端に入りますが、一般的にはあまり注目されません。大腰筋と比較して小さく弱いというだけでなく存在しない人も多いためです:人種によってその割合は異なりますが日本人の場合は半数程度といわれています)


結合した大腰筋と腸骨筋は、その後、小転子という丸い突出部で大腿骨の内側上端に繋がります。
 


腸腰筋の役割は、姿勢において腰を支えることですが、おもな働きは股関節の屈曲にあります。収縮することで、他のどの股関節屈筋(大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋など)よりも強く腿を背骨の方向へ動かします。また、収縮して背骨を腿に近づけることで背骨を屈曲するのも助けます。


ヨガにおいては、船のポーズ(ナヴァサナ)、椅子のポーズ(ウトカタサナ)、立位あるいは仰向けに横たわった状態で両脚をあげるなど、腸腰筋が収縮して腿と胴体が近づきます。例えば、橋のポーズ(セツバンダ・サルヴァンガサナ)やバッタのポーズ(シャラバサナ)など、拮抗筋である臀筋が収縮して股関節が伸展する時には、腸腰筋は伸びます。踊り子のポーズ(ナタラジャサナ)やローランジでは、後方の脚に繋がった股関節は伸展し、腸腰筋が長くなります。


腸腰筋はまた、歩いたり走ったりする時にも重要です。収縮して前方の脚を前に出したり、伸びて後方の脚を伸展させたりします。



腸腰筋が硬くなる仕組み


座っている時、腸腰筋は短いまま動いていません。この位置にあまりにも馴染んでしまうと、立った時に長くなる方法を「忘れて」しまうのです。また、腹筋運動やダンスなど、両脚を使うどんなスポーツにおいても使いすぎで腸腰筋が硬くなることもあります。腸腰筋を収縮する動きやポーズ(船のポーズや腹筋運動、両脚上げ、座位ポーズなど)の多いヨガの練習を、腸腰筋をストレッチするカウンター・ポーズ(後屈やランジなど)なしで行うこともまた腸腰筋を硬くすることがあります。さらに、恐怖やストレスが腸腰筋の硬さに関係するという医療従事者もいます。


これらの要素の組み合わせで硬くなった腸腰筋は、腰を前に引っ張って骨盤を前傾させることにより、脊柱の過度前弯を生み出す可能性があります。ウエストの横や腰の痛み、股関節の前の痛み(パキっという音を伴うことも)、(片側の引きがより強いときは)両脚の長さの差異などとして、この硬さを感じることがあります。腸腰筋の硬さはまた、股関節屈曲を制限することで歩幅が狭くなることもあり、歩くことや走ることを必要とする活動でのパフォーマンスに影響を与える可能性もあります。さらに仙腸関節の機能障害を起こす場合もあります。


腸腰筋の硬さは、呼吸にも影響することがあります。骨盤の過度な傾きは呼吸機能に悪影響を及ぼすようですが、骨盤をニュートラルの位置から前傾させる要因のひとつは、硬くなった腸腰筋です。腸腰筋を緩めることで、骨盤の前傾や過度な腰椎前弯を小さくできれば、より深い呼吸を吸い込めるかもしれません。


以下のシーケンスは、PNF(固有受容性神経筋促通法)というテクニックを使って腸腰筋の硬さを緩めようとしたもので、ストレッチの前に対象の筋肉を収縮してから弛緩させるものです。PNFにより、ストレッチ後すぐに可動域が広がるのを感じられる人もいます。


もうひとつの効果:膝を曲げて股関節を伸展するポーズ(ローランジなど)を練習すると、腸腰筋が硬い時に硬くなりやすい大腿四頭筋のストレッチにもなります。


もし腸腰筋をストレッチしすぎて弱くなっている時、つまり股関節が後傾しがちで腰椎の曲線が平らな場合は、ここにあるストレッチよりは腸腰筋を強化する運動をした方が良いでしょう。



腸腰筋リリースのシーケンス


以下の練習では、ブロック、ブランケット、ストラップを用意します。7番での腸腰筋マッサージには、5キロ以下のダンベルやテニスボール、マッサージボールなどが役立ちます。

1. 横隔膜を使った吸気


まず呼吸に意識を向けることが、練習の間、横隔膜を使った呼吸を維持するために重要となります。


仰向けに横たわります。片手をお腹に、そして心地よければ片手を手のひらをマットの方に向けて腰の下におきます。(肩がつらい場合は、長方形に折りたたんだブランケットを横にして腰の下におくとそのあたりに意識を向けやすくなります)


呼吸をしながら、お腹だけでなくウェスト周りすべてが広がったりしぼんだりするのをイメージします。息を吸い込むたびに、お腹や腰、ウェストの横を広げてみましょう。息を吐き出しながら、お腹や腰、ウェストを引き込みます。





体内で繋がっている構造を視覚化します。吸気のための主な筋肉である横隔膜は、腸腰筋としっかり繋がっています。腱でできた構造が横隔膜の下部と大腰筋の先端を覆っている筋膜とを結合しています。さらに、大腰筋は脊椎の下部(T12、L1、L2,、L3,、L4)から始まっていて、それと並んで横隔膜と腰椎(L1ーL3)をつなぐ腱があります。息を吸い込む時に腸腰筋の緊張を横隔膜がマッサージしている、息を吐き出すときに圧迫を解放しているのを想像しましょう。


そのまま1、2分経ったら、このように広げ続けながら、横隔膜呼吸の能動的な練習を始めましょう。



2. 仰向きの膝を胸に寄せるポーズ


次の動きでは、腸腰筋はゆっくりと収縮させます。筋肉を収縮してから弛緩することで、そこに意識を向けることができます。そしてPNF原理によれば、筋肉を収縮してから弛緩することでより深いリリースを促進します。


青向きに横たわり、両脚を伸ばして比較的ニュートラルの位置におきます(つま先は上方へ向ける)。左脚を伸ばしたまま、右脚をゆっくりと持ち上げ右膝を胸に寄せます。右手は右腿の上に置いておきます。


腿を自分の方へ寄せながら、腸腰筋を使うため右手をで腿を遠くへ押し拮抗させます。理想的には、押しながらも脚はあまり動かさないでおきましょう。そのまま腿と手を強く押し合わせながら3回呼吸し、腸腰筋が収縮している間、ウェストの右内側の深いところで感じるすべての感覚に気づきます。




右脚を床におろし前に伸ばしてリラックスさせ、右腕を体の横でリラックスさせて3回呼吸します。ウェストの右側に沿って伸びている感覚を感じるか注意を向けます。


左右の違いに注意しながら、脚を変えます。右側と同じ強さで、左腿を左手に(そして左手を左腿に)押しながら腸腰筋を収縮することはできるでしょうか?
それから左脚を伸ばして左腕を体の横で解放支えて、腹式呼吸3回する間リラックスしましょう。


今度は両膝を胸の方へ曲げて、両手で両膝を遠くへ押して3回呼吸し、左右の腸腰筋が収縮うするのを促します。そして、両脚を伸ばして(少なくとも)3回呼吸し、両手で両膝を優しく押し下げましょう。腿はマットの方へ下ろします。





3. 支えのある橋のポーズのバリエーション


ブロックを近くに置いておきます。以下のポーズは、股関節を伸展させることで腸腰筋をリリースする方法を探ります。しかしながら、以腸腰筋がかなり硬い場合や、下のポーズで腰の内湾が大きくなるだけの場合、2番でご紹介したPNFストレッチを繰り返してください。


1. 両膝を曲げて仰向けに横たわり、両足は坐骨から10センチほど離れた床におきます。


2. 腰を持ち上げて低めの橋のポーズになり、ブロックを水平に中間の高さで仙骨の下に差し込みます。


3. 左足を床に置いたまま、右膝を胸に引き込みます。右脚は動かさず、片手か両手で右膝を遠くへ押して3呼吸します。


4. 右脚をゆっくりと伸ばし、かかとはマットに下ろします。右手で腿を下方に押し、今度はその圧力に抵抗しないでおきましょう。右脚をリラックスしながら、右の腿を地面に下ろします。



このまま数回深呼吸して、ウェストの右側に沿って伸びる感覚に注意を向けます。

そして右膝を曲げ、右足をマットの上に戻したら、左右を替えてその違いに注目します。


左側も終わったら、左足をマットに戻してから両脚を閉じたまま(あるいは平行で少し開いて)伸ばし、かかとを通って遠くへ伸ばします。両手は腿の上に置いて優しく押し下げます。腰は吐き出すたびに広げるようにし、反りすぎないように気をつけます。このまま数呼吸、あるいは心地よければ数分とどまります。(両脚を一度に伸ばすのが強すぎると感じたり、腰が辛いと感じる場合は、このステップは飛ばしましょう)




ポーズから出るには、両膝を曲げて両足を床に着けます。腰を持ち上げてブロックを外します。背中を休ませて2-3回呼吸し、背骨をニュートラルに戻します。もし腰に緊張を感じたら、両脚を左右に軽く振ります。


この橋のポーズのバリエーションが簡単にできるようになったら、同様(あるいは少し強め)のストレッチをベッドやセラピーテーブルの端に腰を置いて横たわったストレッチを練習することもできます。片膝を引き込みながら、もう一方の脚は床に向かって伸ばし、伸ばした脚の腿を徐々に下げていきます。


ーーーーーーーーー

2026年1月23日金曜日

マラーサナ(スクワット)でわかる体のこと 
What Your Malasana (Squat) Can Tell You About Your Body


マラーサナ:ポーズ


「花輪のポーズ」ともいわれる深いスクワットであるマラーサナは、苦手な人とそうでない人がどうしているのでしょう?その答えはシンプルで、人は、関節の構造や強さ、弱さ、硬い場所、動きやすい場所などそれぞれ異なる体つきをしているからです。多くの関節や筋肉群を使う複雑なポーズであるマラーサナでは、ポーズでどう見えるかどう感じるかには多くの要因があるのです。ありがたいことに、マラーサナをよく観察することで自身の体の制限や強さを知ることができ、そして練習やポーズを深めるためにその情報を使うことができるということです。


考えてみてください、毎日スクワットをする文化のある場所に住んでいなければ、最初マラーサナはとても変に感じることでしょう。心地よく感じるまでには長い時間がかかるかもしれません。けれど、毎日スクワットの動き(椅子から立ち上がる、車に乗り込む、床の何かを拾う)をしていたら、このポーズは極めて重要です。残念なことに、西洋(そして東洋でもますます)社会では椅子に依存していて、それが悪い姿勢の癖とともにマラーサナをますます難しくさせています。赤ちゃんたちがいかに完璧にスクワット(マラーサナ)しているかに気づいたことがありますか?私たちはその能力をいつ失ってしまったのでしょう?どうしたら取り戻せるのでしょう?


まずは、このポーズでは何が必要かを検討してみましょう。マラーサナでは、足首、膝、腰、股関節、背骨の可動性と安定性などが必要で、全身の構造が試されます。深いスクワットをするには、適切な閉鎖性運動連鎖(荷重)、つまり足首の背屈、膝と股関節の屈曲、腰椎と骨盤の協働した動き、背骨の軸上伸展、肩のわずかな屈曲が必要なのです。
 

この複雑性ゆえに、マラーサナはとても有効でもあります。このポーズをよく見ることで、股関節や膝関節、足首、肩、背骨の左右の対称な機能的運動性を評価できます。体つきによって、このポーズが比較的簡単であったりより困難でありえることを覚えておいてください。マラーサナは、胴体が長く脚が短い人にはよりやりやすい傾向があり、胴体が短く長い脚の人にとっては長い練習が必要となるかもしれません。




マラーサナをやってみましょう


最初に、鏡の前でマラーサナをしてみましょう。まずは股関節よりやや広めに足を開き、つま先を少しだけ外に向けます(位置は後でいつでも調整が可能です)。では、心地よい範囲でできるだけ腰を下げましょう。かかとが少し持ち上がるかもしれませんが、構いません。下げ続けてみてください。けれど無理は禁物です。両肘を膝の内側に入れて、両手を合わせ、肘を使って膝を開き、できる限り背骨を伸ばします。胴体の長さによって、ひじは内腿の上か下に来るでしょう。後ろに倒れそうに感じるかもしれませんし、実際倒れたかもしれません。大丈夫です、後でこれがどういう意味かを探りましょう。


気づく


はじめに、どう感じましたか?どこでそれを感じましたか?では、鏡に映った自分のポーズを時て、もう少し気づいてみましょう。踵は持ち上がっていますか?踵が上がっていても大丈夫ですがいずれは降ろす方向へ練習しましょう。足首は内側に回転していますか?土踏まずは潰れていませんか?つま先が過度に外側に向いて(向こうとして)いませんか?次に、膝はどう見えて感じていますか?内側に倒れていますか?片方がもう一方よりも内側に入っていますか?片方の股関節の方が地面に近いですか?片方に傾いていますか?そして体を横から見てみます。背骨はまっすぐか、反っているか、あるいは前に丸まっていますか?尾骨が過度に巻いていませんか?これら全てに気づいてみましょう。


 

どういう意味なのか?


足:
最初から始めましょう。足はどうなっていますか?かかとが上がっていたら、大抵の場合はアキレス腱やふくらはぎ、特にヒラメ筋(ふくらはぎ下部の深層筋)の制限を意味します。マラーサナでは膝が屈曲していて、ヒラメ筋は膝関節を超えていないからです。(ふくらはぎのより表層の筋肉である腓腹筋は膝関節を超えているため、ヒラメ筋のように伸びてはいません)


かかとを下ろすために足首の関節で補うことがあり、土踏まずの内側が下がったりつま先が過度に外側へ向きます。これらは、(股関節の)ハムストリングスや、梨状筋(股関節を回線する深層筋で時に坐骨神経痛の原因となります)が硬い、あるいは中臀筋が弱いことを示しています。あるいは、稀ではありますが、過去の怪我や手術などで足首関節自体に制限があることもあります。



膝:
膝が内側に入る(股関節が内側に回転している)場合、臀筋が弱い、内転筋(内腿)が弱い、あるいは腸脛靭帯(股関節から膝にかけて脚の外側に沿っている筋膜)が硬いのかもしれません。過度に腰が反っているなら(特に腰を下げたとき)、弱い体幹を補うための股関節屈筋が硬いのかもしれません。背骨が前かがみになっているなら、脊柱起立筋が弱い、胸椎やハムストリングスが硬いのかもしれません。


対称性:
左右の片方に傾いている(あるいは股関節の片方がより高い、片方の膝がより内側に倒れている)ときは、痛みを防ぐ保護機構や足首、膝、股関節の可動域の左右対称性など、安定性に問題があることを示している可能性があります。これは下半身に怪我をしたことのある人に特によくみられます。また、片方の肩が高くなることも稀ではありません。通常は利き腕の方が硬く、あまり動きません。



これらの組織にどう対処すればいいか?


このポーズをよりやりやすくする最も簡単な方法は、踵の下にサポート(丸めたタオルやブランケットなど)を置くことです。かかとが地面に本当に近いなら、足をもう少し開いたり少しだけつま先を外に向けてみて、踵が下りるかみてみましょう。ただし無理はせず、かかとを上げたままにしても構いません。ここでも股関節の実際の構造が関係しているので、スタンスを広げたり狭めたりして、自身に理想的なマラーサナを見出しましょう。みんなにぴったり合うサイズはありません。けれど、つま先は外に向きすぎないようにしましょう。足の土踏まずが落ち込んだり膝が内側に入る原因になるからです。膝が足首の中心線に並び続けるよう目指してください。



その他マラーサナで気をつけること


踵が下りたら、足の内側にある土踏まずが落ち込まないように、臀筋を使って両足の外側により体重をかけます。これによって以下を確実にすることに役立ちます。

1)足首や足がより安全な位置に

2)膝がつま先を同じ方向に向いている(捻れていない)

3)股関節が外旋し(股関節、膝、つま先全てが同じ方向を向くために)、膝が内側に倒れていない


両足を通っている強い土台が、骨盤底筋と下腹部(ウディヤナ・バンダとムーラ・バンダ)を引き上げるのに役立ちます。肘を使って、膝を開くのを促します。同時に、胸を上前に持ち上げて、背中の上部を引き上げ(胸椎の伸展)、背骨が伸びているのを感じながら尾骨を「伸ばし」ましょう。この動きによって、背骨の中心あたりが伸び、胸郭の底あたりと横隔膜(ウディヤナ・バンダ)が持ち上がっているのを感じます。


おまけ:あごを少し引いて首の後ろ(ジャランダーラ・バンダ)を伸ばし、より長く背骨を伸ばします。


このポーズを長く続けていてよくみられるのが、すねの前にある筋肉(前脛骨筋)が疲れ始めることで、特にかかとが床に下りているときです。というのもこの筋肉は、後ろに倒れないよう、ふくらはぎの緊張の反対方向へ引いているからです。心配は要りません。練習を続けていると、ふくらはぎが解放されて前脛骨筋が強くなり、長くこのポーズがとれるようになります。


それでも、かかとを床に下ろすと後ろに倒れてしまうなら、深くスクワットする時は何か(ドアノブやキッチンカウンターなど)を掴んでみましょう。これで、後ろに倒れるのを心配することなく、足首や膝、股関節、背骨、また肩が機能的に動くのを可能にしてくれるでしょう。または、ブロックの上に座ることもできますが、体重はできる限り両足に乗せ続けます。


マラーサナで左右が非対称な場合は、つまり体が傾いていたり水平でなかったら、必要なサポート(股関節の下にブロックやブランケット、小さな椅子)を使って、腰が床と並行になるまで、また、傾いた方が正しいアライメントになるまで股関節を持ち上げましょう。

 
マラーサナを練習することは気づきになります。感じていること、どこに感じているかに注意しましょう。今まで気づかなかった非対称性に気づくかもしれません。練習を続けていれば、マラーサナが新しい好きなポーズになっているかもしれません。ついには、ヨガの練習以外でも、1日の間により多くの回数このポーズをしていることに気づくかもしれません!








2025年11月27日木曜日

股関節のためのヨガ Vol.2 
Help for the Hips


前回の続きです。他のアサナを見ていきましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーー


ランジ・ポーズのバリエーション(バナラサナ)




ランジやそのバリエーションは、骨盤の位置を正したり腰痛などに良いポーズです。股関節を屈曲するための腸腰筋は、背骨の下方と骨盤をつなぎ腿の骨まで続いています。多くの場合この筋肉は硬くなっていて、左右の一方がより弱かったり柔軟であったりして、骨盤や両脚、背骨の位置関係を乱します。ランジのバリエーションでは、腸腰筋とともに大腿四頭筋も伸ばすことができます。


椅子から90㎝ほど離れて立ち、左足を椅子の座面にのせます。左膝を曲げて体重を両脚の間にかけながら背骨を垂直に保ちます。両手を左膝に置きます。右膝は伸ばしたまま踵を床におろし、足先は前に向けておきます
ゆっくりと股関節の屈曲を深め、床の方へ骨盤を下げます。そのままリラックスして呼吸します。そして反対側でも行います。





次に、まずは四つ這いになり、左足を前に両手の間に出して足指が手指と並行になるようにおきます。右脚は体の後ろへと伸ばし、膝と足の甲は床に下ろします。左膝は床に垂直になるよう足首と脛の真上に保ちます。骨盤を下げて両腿を反対方向へと伸ばし、胸を前斜め上へと押します。次は、右つまさきを立てましょう。右膝を持ち上げて伸ばし、かかとは体から離すように押します。右膝を持ち上げて、骨盤を床に下げながら左腿を前に、右腿は後ろへと押します。そのまま呼吸をしたら、反対側で繰り返します。



腿の付け根を開くポーズ


以下は、誰にとってもきついストレッチです。全てのバリエーションにおいて、重力と両脚の重みを使って内腿と腿の付け根をストレッチし、リラックスしながら骨盤の重みを床へと手放します。





うつ伏せに寝て顎を床につけます(あるいは額を組んだ腕に休ませます)。両膝を曲げてできるだけ開きましょう。そして足の裏どうしをつけます。骨盤を持ち上げたり膝の位置を替えたりしないよう、内腿と股関節まわりの筋肉をリッラクスさせます。両足を床の方へ下ろしますが、足の裏はつけたままにしておきます。ポーズをしながら深くリラックスして呼吸し、脚の重みで内腿と腿の付け根を優しく開きましょう。


次に、膝をもう少し曲げて足首を交差させます。もう一度、股関節や腿の付け根、骨盤の緊張を解きましょう。ストレッチが強くなったことに気づきましょう。それから足首の交差を変えます。左右どちらも準備ができたと感じるまでポーズを保ちましょう。





バタフライのポーズ(バッダコナサナ)




バタフライのポーズは、苦手とする生徒が多いのですが、それは内腿が固いためです。この筋肉をストレッチするには、背中を壁に預けて床に座るのが良い方法です。骨盤の後ろと背骨の根本をできるだけ壁に近づけておき、頭頂に向かって伸びます。膝を曲げて足先のあたりを手で掴み、床に向かって膝を下ろしましょう。それから手のひらを使って、鼠蹊部から膝までの内腿をしっかりとマッサージします。最後に腿と膝を、できる範囲で、もう少し床に向かって両手で注意深く押しましょう。このポーズを保ちながら、息が全身に流れるように、滑らかで均等に呼吸をしましょう。よければ、股関節から前屈してよりストレッチを深めることもできます。



壁際での腿のストレッチ


このストレッチは、座位の開脚ポーズに似ていますが、腰や内腿が硬い人や、開脚する際に垂直に座るのが困難な人に特に良いポーズです。背骨と腰を床で支えながら、重力で両脚を開いて内転筋群を優しくストレッチします。


まずは、片方のお尻の外側を壁につけて床に座り、両手を後方の床におきます。




ポーズに入るには、後ろにもたれて両膝を胸に引いて両足を上げます。そして体を回して、尾骨が壁の近くに頭頂が壁から遠くなるように横たわりましょう。両脚を壁で垂直に伸ばし、背中は床に休ませます。頭の後ろで両手を組んで頭と首を支え、肘は開きます。そして両脚を横方向に開き、壁に預けておきます。リラックスして両脚が重力に引かれるままにし、内腿をストレッチします。膝裏が辛くならないようにし、不快感を感じたら少し膝を曲げましょう。よりストレッチするには、背骨を伸ばし尾骨を壁に押し、両脚の後ろ全体を伸ばして骨盤から離すように踵で蹴り、脚を回転させずに膝と踵をしっかりと壁につけておきます。おポーズに集中しながら呼吸し、回数を重ねるに従って徐々にポーズを保つ時間を伸ばし、より深くリラックスしましょう。


ポーズから出るには、両脚を壁で揃え、膝を曲げて胸に近づけ、足の裏を壁ですべらせて下ろします。リラックスし、両脚と背中を休ませて、膝の内側に緊張を解きます。最後に、片方に寝返りをうってポーズを終えましょう。








2025年11月17日月曜日

股関節のためのヨガ Vol.1 
Help for the Hips

アサナの練習をすることで、理想的には心身のバランスと心の穏やかさを得られ、健康で幸せでいられるようなります。しかし練習を重ねていくと、体のある部分に「行き詰まり」を感じることもあります。そうした症状がよく現れるのが、特に瞑想やプラナヤマの座位の姿勢を練習する人にとっては、股関節や骨盤の辺りです。また股関節は、体重を支え全身を構造的に安定させている一方で、歩く、走る、ジャンプする、前屈みになる、座るを同時に可能にしていますが、それを考えればそこに問題が生じるのも不思議ではありません。骨盤は上半身全体の基盤であり、体内全てが健康的に機能するには骨盤を調整することが不可欠です。現状を評価して、股関節や骨盤周りのバランスと柔軟性を得られるよう練習を調整するために、少し解剖学を見てみましょう。






骨盤、脊椎下部、股関節は上半身の重みを支えており、胴体と両脚の関係を安定させ、歩く、走る、ねじる、あらゆる方向へ曲げるために必要な体系を形作っています。骨盤と脊椎下部は仙骨の左右にある仙腸関節で繋がっていて、比較的あまり動きません。この半固定された構造により、背骨の下端をしっかりと支え、多くの場合は脊椎下部と骨盤は一体で機能しています。


それに比べ、腿は骨盤と球関節で繋がっており、体の中で最も動く関節です。これによって股関節での広範囲の動きが可能になっています。腿は、前後左右に動かせることができ、また内外に回転させることもできます。そうした異なる機能を包含するこの場所に想像できるように、柔軟性と強度に多くの筋肉群が関係しています。腿裏のハムストリングス、前の大腿四頭筋、内腿の内転筋、後ろと横にある外転筋、回転筋、そして股関節屈筋(腸腰筋)、これらは骨盤の奥深くにあり、骨盤との関連で腿を動かせます。最後に、腹筋が体の前を支えて骨盤と脊椎下部の正しい位置関係を保っています。


股関節はあらゆる方向に定期的なエクササイズをしなければ、大抵は、凝り、痛み、慢性的な筋肉の短縮が起こります。以下のエクササイズは、この部分を強化して開くよう考えられています。股関節の動きにくさとともに、ハムストリングスや腰の凝りがある場合は、その辺りも一緒に動かす必要があるでしょう。筋肉が硬くなるのは多くの場合は弱い筋肉を補っていることを覚えておいてください。強化エクササイズを含んだ包括的なプログラムの方が、特定の一部分をストレッチするよりも、より早く筋肉バランスをとり戻し正常な可動域を得ることができます。


以下のポーズは、股関節の柔軟性制限への対処法です(ハムストリングス以外)。流れに沿う場所があるならば、これらのポーズのいくつか、あるいは全てを、毎日のアサナのどこかに取り入れてみてください。例えば、立位ポーズに体側を伸ばすポーズをする、あるいは三角形のポーズ(トリコナサナ)の代わりにするなど。腿の付け根のストレッチをうつ伏せのポーズに取り入れるなどです。いつも同様、定期的な練習は不可欠です。




体側を伸ばすポーズ (パールシュヴァコナサナ)


立位ポーズは、股関節や骨盤に良いポーズです。強さや柔軟性を養い、意識がポーズでの動きと統合するからです。このポーズでは、股関節の深い場所の可動域が高まり、四頭筋など脚や骨盤の筋肉が強化、体側全体に沿った筋肉がストレッチされ、胸が開きます。






両足を脚の長さ程度に開いて立ちます。右足を外に90度開き、左足はやや内側へ、股関節と胸は前に向けます。息を吸い込んで、両腕を手のひらを下にして肩からまっすぐ外に伸ばし、両肩を広げたまま耳から遠ざけるよう下げます。息を吐き出して、右膝をちょうど足首の真上にくるまで曲げます。ポーズを安定させて、呼吸をリラックスさせましょう。


胴部は前に向けたまま、息を吐き出し、背筋を伸ばして右へ曲げ、右前腕を膝にのせて、左手のひらを上に向けながら左腕を頭と並行に挙げます。そして、尾骨を少し引き込み肩甲骨を内側に引くことで胸と腹部をより開きます。両足をしっかりと床に押し付け、左かかとから左指先まで伸ばします。安定させるため、右膝は足首の真上に置き、左足の外側で床を押しましょう。


ポーズを深めるには、内腿どうしを遠ざけるように伸ばします。それから右腕を膝から離して、手を右足の外側の床に置きます。左腰を伸ばした脚や腕と一直線になるまで下げて、左側全体のストレッチを深めましょう。右腕と右脚を近づけたまま、胸郭と腹部を回して開き、胸を骨盤から離れるよう持ち上げます。左腕を伸ばし、左肩を開き、首を長く、まっすぐ前を見るか頭を回して上を見ます。そして、ポーズをしながら集中して安定した呼吸をし、そのまま3-5回呼吸するか、準備ができたと思ったらポーズを終えます。右足の指の付け根を押し、胴体を持ち上げ、脚を伸ばします。左右の足の位置を替えて、反対側で繰り返しましょう。



ーーーーーーーーーーーーー

次回に続きます。


2025年11月13日木曜日

2分で骨盤底筋を整える 
Tone Your Pelvic Floor (in 2 Minutes)



骨盤底筋は解剖学の中でも軽視されやすい場所です。調子よく活性されている時は、恥骨と尾骨の間を薄く覆っているこの筋肉は、おどろくほど様々な面で健康を支えています。膀胱機能の向上、規則正しい大腸の動き、痔の予防や緩和、生殖機能のバランスを整える、交感神経を鎮めるなどです。しかし、骨盤底筋が弱くなると、時と重力に負けて、次第に多くの問題が起こるようになります。





シンプルなエクササイズ



骨盤底の筋肉は、他の筋肉と同様、定期的に繰り返し使いながら、強化したり整える必要があります。以下のエクササイズはそうしたものです。

  1. 仰向きに横たわって、骨盤の近くに両足を置きます。身体と呼吸をリラックスさせて目を閉じます。

  2. 骨盤底に意識を向けます。恥骨と鼻骨の間にある筋肉を、尿道と肛門の括約筋、その間にある会陰も含めて全て収縮させます。(男性は会陰の中心を収縮、女性は子宮頸部も収縮しましょう)息を吸い込んでリラックスします。

  3. 息を吐き出し、エクササイズを繰り返します。できるだけ深く強く締めましょう。息を吸い込んで解放します。25回繰り返しましょう。呼吸が途切れないよう、そして顎や腹部、内腿など体の他の部分はリラックスし続けるよう確認します。

  4. できるだけ長く収縮を保ったまま普通の呼吸を続けて、終わります。

  5. もし疲れを感じたら可能な範囲で練習し、25回の収縮が楽にできるまで徐々に回数を増やしていきましょう。



練習する時間


筋力を維持するため、週に4回は練習しましょう。一度テクニックをマスターしたら、歯医者の待合室や、信号待ちの間、つまらない会議の間など、空いた時間に練習できます。やがては、ヨガポーズや呼吸法、瞑想を深めるために骨盤底筋を使うことができるようになるでしょう。



次の段階へ


強靭で柔軟な骨盤底は、霊的、精神的、肉体的にも生命力の貯蔵庫を支える基盤です。ヨガを練習している人は、このエクササイズがムーラ・バンダ(根元の鍵)の準備だと気づくでしょう。ムーラ・バンダはアーパナ(心身にある生命力の下向きの流れ)をコントロールするための微細な実践です。マスターすれば、心の安定が得られ直感や創造性が目覚めます。







https://yogainternational.com/article/view/tone-your-pelvic-floor-in-2-minutes/

2025年7月7日月曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.2 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain

前回の続きです。

ーーーーーーーーーーーーー 


手術は必要?


特に前回やったような親指エクササイズをしている間、親指を持ち上げて伸ばす時にどんなふうに動くかを観察しましょう。左右の親指を持ち上げた時、おそらくそれぞれが反対の方向に向いているでしょう。親指を前に伸ばして下ろすと、母指内転筋が活性化してもっと並行になるはずです。左右の親指がどうしても離れる場合は、ゴムバンドで繋ぎ合わせて、持ち上げて伸ばします。腱膜瘤が痛まないよう親指の付け根の間に何か挟むと良いでしょう。


腱膜瘤が進行し、足指の屈筋と伸展筋がもはや交差するほど脇に引っ張られている場合は、エクササイズでゴムバンドを使っても、親指の反りが直せないこともあります。その結果、親指を持ち上げた時、こうした筋肉は弓矢を引くようにより横の方へとただ引かれるだけであまり効果がありません。その場合、特に足の筋肉を効果的にストレッチしたり働かせようとすると痛みが強くなる時は、手術が必要なのかもしれません。




立位ポーズを再認識する


足指エクササイズは、ハタヨガの立位ポーズの練習では特に効果的で重要です。ヴィラバドラサナ(戦士のポーズ)1、2やパールシュヴァコナサナ(体側を伸ばすポーズ)など前足の膝を曲げて足首をまっすぐにするアサナでは、効果的な動きをするとてもよい機会となります。





戦士のポーズのように前脚の膝を曲げた立位ポーズでは、前脚のすねを垂直に保ち(膝関節がかかとを通り越えない)、重心をかかとの中心に置いて、足の親指と小指をむかって伸ばしながら、引き上げて広げる練習をします。


これによって、足の内外の端でアーチが強化されて、足指が整います。膝をゆっくりと曲げたり伸ばしたりしながらこれを練習していると、足のこの動きによって膝が正しい軌道を通り、特に小指側に維持していると股関節の緊張が解放されるでしょう。


トリコナサナ(三角形のポーズ)やパールシュヴォッタナサナ(三角前屈)の前足など足首を伸展した立位ポーズでもまた、足指の付け根を地面に着けたまま親指に向かってより強く伸ばす必要があるため、親指を伸ばして床につけることが試されます。このポーズは、腱膜瘤への圧迫がかなり少なくなるので痛みが小さく、膝を曲げたポーズよりもかなり快適でしょう。そして、膝関節をロック(過伸展)しない限り、力強い動きが膝関節や足の親指の筋肉にも大きな効果があります。膝は小さな「マイクロベンド」を保ちながら、足を働かせましょう。





アルダ・チャンドラサナ(半月のポーズ)など片足でバランスを取るポーズは、最も難しいポーズです。腱膜瘤のある人にとって特別に難しいのは、膝をロックすることと土踏まずが潰れている傾向があるためです。腱膜瘤によって足の骨が安定しないため、足はとても不安定でぐらつき、ポーズを安定させようと膝をロックしてしまうことが多く必要な足の働きを妨げます。この癖に負けずに、膝関節を少しだけ曲げて、かかとに体重を移すために足指を持ち上げ続けるよう練習しましょう。これが土踏まずのアーチを強化して膝のロックを防ぎ、バランスを取るためにできるだけ足指を広げることにつながります。足の親指と小指を伸ばすエクササイズは特に難しいですが効果的です。片足でバランスを取る時、足をどう使うかが膝の健康にとても深く関わっているということに気づくでしょう。



ヨガポーズでの足の働かせ方


アドムカ・シュヴァアサナ(下向きの犬のポーズ)では、足指を指先に向かって伸ばしながらアーチを強く引き上げなければなりません。いつもの通り、膝がロックしないよう小さく曲げ続け、地面からかかとを浮かせておきます。これによって、ふくらはぎやハムストリングスをストレッチしたまま、足を強化することができます。





ウルドヴァムカ・シュヴァナアサナ(上向きの犬のポーズ)やブジャンガサナ(コブラのポーズ)などでは、特に足の親指に沿って後方へ伸ばし(鎌足にならないで、足の内側ラインを並行に)、床に向かって小指を下ろしをおろすことで、足首の前がストレッチされ足指の伸展筋が強化されます。足指の爪全てを(特に親指と小指)まっすぐそして軽く床に押し下げ足を側からせましょう。


セツバンダアサナ(橋のポーズ)は、腿と足を並行に保ったまま土踏まずを強く働かせるポーズです。ここに書かれた通り足を働かせた場合、ときおり生徒に指示されるように足を内側に回転させる必要はありません。土踏まずと足指を働かせながら足の内側を地面にしっかりつけていれば、足が外側に離れていくことはないからです。


最後に忘れてはいけないのは、座位の前屈が、腱膜瘤に体重がかかることで感じる痛みなしに足を働かせるよい機会であることです。ヨガブロックを足の裏につけてブロックのまわりにストラップをかけ、床に立っているように足が動かせるようにします。足指の付け根(特に親指)をブロックに押し付け、足指を働かせている間もブロックを並行に保ちます。









最後に、ハタヨガの基本的なポーズは、痛い腱膜瘤の進行を効果的に予防したり、遅くしたり、止めたりすることのできる、足の完全なワークアウトの機会を与えてくれます。それにはちょっとした努力や気づきが必要ですが、腱膜瘤の兆候が(まだ)現れていなくても、その練習には効果があります。ちょっとしたウォームアップと土踏まずと愛指のワークアウトによって、ヨガは足の健康と幸せを与えてくれるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/9-poses-to-prevent-bunions-relieve-bunion-pain/



2025年7月4日金曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.1 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain


腱膜瘤はよくみられる足の症状で、放置すると変形して痛みが生じることもあります。医療科学では、腱膜瘤を進行性の病気だと見做し、主な原因は遺伝にあるとしています。しかし、より大きな視点から見れば、窮屈な靴であったり、ストレッチやマッサージの不足、あるいは足を正しく使えていないことが原因です。幸いなことに、足のウォームアップやエクササイズ、適したヨガポーズなどにより、遺伝的要素で起こる腱膜瘤の進行を遅らせたり、放置したり合わない靴による腱膜瘤の形成を止めたり、その痛みの緩和を助けることは可能です。腱膜瘤が無い場合であっても、こうしのエクササイズにより痛みや疲労を減少させ、足を強く健康的に保つことができます。



腱膜瘤は どのように形成されるか


腱膜瘤(突き出た骨質のこぶ)の原因の多くは、母指球にある骨がジグザグになることです。親指が他の指の方向へ曲がる一方で、中足骨(足首と足指をつなぐ骨)が外へ向いて不快感が起こったり、中足骨頭が石灰化することもあります。これは多くの場合、足の土踏まずの崩れとともに起こります。それぞれの問題が他の問題をより増幅させます。土踏まずの崩れは腱膜瘤の形成を早めますし、腱膜瘤そのものも土踏まずを潰して中足骨をより変形させます。腱膜瘤は、歩くことでかかる圧迫による痛みや炎症を起こしたりと、より深刻な問題となりえます。


骨の形や足をひとつにまとめている靭帯の強さを決めるのは遺伝子であるため、原因のひとつは遺伝です。足の親指の中足骨頭が異常に丸まっていたり出っ張っていると、指がより内側に向きやすくなります。中足骨の反対側にはくさび状骨があり、中足骨が外側へ動く原因になるような形で付いていることもあります。


腱膜瘤が原因で、バランスポーズで足が不安定になったりぐらぐらしたりします。多くの場合、ポーズを安定させるために膝がロックされ、足の働きを阻害します。


しかし、遺伝だけが原因ではありません。きつい靴をはくと、足を外に回転させて歩く癖と相まって、親指の中足骨に圧迫がかかり土踏まずの靭帯が弱まる一方で、歩くたびに横へ押しやられた親指自体が内に向きます。その結果、足裏の内転筋(特に母指内転筋)が硬くなって親指が他の指の方へ引かれ、指がひとつにぶつかり合ってしまいます。引く力に抵抗して親指がまっすぐになるよう作られた母趾外転筋は弱くなって過伸展し、腱膜瘤がほとんど抑制されることなく進行していきます。


このように腱膜瘤(そして腱膜瘤形成を促す筋肉のアンバランス)で、親指が歪み足の構造が弱まって私たちを悩ませることになります。足の親指の力を支える役目を果たしている筋肉に注目し、親指をもとの場所に戻す方法を見ていきましょう。



土踏まずを働かせる


長母趾伸筋        前脛骨筋



前脛骨筋は、足の親指から土踏まずの前部分を通っています。この筋肉に運動をさせる方法のひとつは、足指をギュッと丸めて足でナプキンを摘み上げることです。ナプキンを持ち上げるために足首が屈曲し足が反転(横に返る)するとともに、親指の付け根にある筋肉が働くのを感じるでしょう。それが、前脛骨筋です。


また、親指の付け根を床につけたまま母指球の後ろから土踏まずを意図的に引き上げ、親指を持ち上げることで、前脛骨筋を働かせることができます。


土踏まずの引き上げは、足を反転させずに母趾急を床につけたまま、前脛骨筋からもたらされます。親指をもとに戻す筋肉を強化するためには、この筋肉を働かせたまま、母趾球を下ろしつづける必要があります。これをやり遂げるには、以下のエクササイズが役立つでしょう。



フットマッサージで自分にご褒美を


足裏の硬さは、腱膜瘤形成の一因であり足指がつる原因です。このようにくっついたままでは、土踏まずを強化したり足指を働かせたりするのは、不可能ではないにしても困難です。ですから、まずは内転筋を解くフット・マッサージから始めるべきです。







これらの筋肉を解くには、足指の付け根を手の親指を使ったり、テニスボールやゴルフボールを転がしましょう。足親指の付け根から始め、土踏まずの内側までマッサージします。足の小指側に沿って、そして足裏で硬さを感じる場所を全てマッサージしましょう。


次に、足指の可動性を取り戻すため、指の間にスペースを作る必要があります。足裏を手のひらで覆って、手の指を足指の間にできるだけ差し込んで、「ヨガの握手」で前後に動かし足指を緩めます。




これに慣れたら、上向きの握手(足指と手指を足裏から上向きに組ませる)と下向きの握手(足指と手指を足裏から下向きに組ませる)を交互に行なって、ストレッチの効果を高めましょう。


ウォームアップが終わったら、足指一本ずつ掴みかかとから優しく引き離します。足指をポキポキ言わせることが目的ではありませんが、ポキポキ音は解放されたことを示します。




鍵となる筋肉の強化


次に、床か椅子の上に両足を並行に膝を曲げて座ります。足指の付け根と内かかとを地面に付けたまま、すべての足指を持ち上げます。親指の付け根からだけでなく、かかとの前にある足裏の中心からも土踏まずがどの程度持ち上げられるかを見てみましょう。


もちろん、ただ足指を持ち上げること自体が大変だと気づくかもしれません。筋膜の覆いは、足首の前からすねの前へと上へ延びていて、足指をすねの方へ伸展する筋肉のための滑車のように働きます。足首が硬いと、筋膜がこうした伸展筋の動きを制限し、足指を持ち上げることを難しくしています。ヴァジュラサナ(稲妻のポーズ・正座)やヴィラーサナ(英雄のポーズ・くずした正座)などで、足首の前にあるこの筋膜をストレッチすることができ、伸展筋が解放され足指の可動性を取り戻すことができます。



足指が動くようになったら、こちらを試しましょう。全ての足指を持ち上げてから、小指を挙げたまま親指だけ伸ばして床に下ろします。この動きが最初のトレーニングとなり、腱膜瘤に対抗する鍵となります。そのためには・・・

  • 土踏まずを持ち上げ続けましょう。足の内側にある筋肉群を強化するのに必要な抵抗が得られます。親指の付け根と内かかとを床に下ろして土踏まずを強く保ち、足がめくれないようにしましょう。

  • 親指を前に伸ばしてボタンを押し下げるかのように、親指を伸ばしましょう。これは、つま先を丸めてただ床を押すのとは全く違います。何度か親指を持ち上げたり伸ばしたりすると、内かかとから土踏まずを通って親指に繋がる筋肉(母趾外転筋)が疲れ始めるのを感じるでしょう。そこが、対象となる筋肉です。




足全体を強化するためには、全ての足指を挙げてから、小指だけを伸ばして床に下ろします。


これによって、小指からすねの外そして腿の外側に沿って走る筋肉群に効き、足の小指側のアライメントを強化し、健康的な土踏まずを築き安定させることができます。小指側の足や足首が弱く硬いと、多くの場合、膝の過伸展、足の回内、土踏まずの崩れを伴います。足首やすねの外側をこうして強化することで、特に扁平足の人は、膝のために役立ちます。


最後のエクササイズとして、足指の中3本を持ち上げて広げ、親指と小指のみを伸ばして床に下ろします。




これによって、足の前にある横向きのアーチが作られ、また足の内外端が強く働き、内側と外側のアーチのバランスが取れて力強くなります。


この最後のエクササイズは、足の四隅(親指の付け根、小指の付け根、内かかと、外かかと)がしっかり元の位置に戻っていくように感じるかもしれません。かかとの骨と足指が四隅で正しく並んでいると、まるで四輪が正しく並んだ自動車を運転するように、歩くなど全身する動きにおいて足は正しく機能するのです。


こうした足指エクササイズは、ヨガポーズの多くに取り入れることができ、全身のアライメントをより良くし、足のアーチの弾性と土台の強さの両方を高めることができ、また膝や股関節にもさらに効果をもたらします。腱膜瘤のある人は、こうしたエクササイズによって進行を遅らせたり、止めることも可能です。腱膜瘤がなくても、これらの動きによって、足から膝、股関節へと全てをしっかりと使うことができ、関節の健康を高めることができます。


ーーーーーーー

2025年2月25日火曜日

パササナ(投げ輪のポーズ)のシーケンス Vol.2
A Sequence for Pasasana (Noose Pose)

 前回の続きです。

ーーーーーーーーーーー


4. マリチアサナ 3


ダンダアサナで、右脚を曲げて右足先を左腿内側の会陰近くに置きます。左脚はしっかり伸ばしておきます。右手を体の後ろにまわして少し肘を曲げます。肘で体側を押さないでください。体のエネルギーの流れだけでなく肩の動きも阻害します。息を吸い込んで、左腕を頭の方へ伸ばし、背すじを伸ばします。息を吐き出し、ツイストし、左わきの下の外側を右膝の外側へおきます。わきの下と膝の間はできるだけ近づけて、より曲げた脚の方へ腹部が移動するようにします。




今度は、立位ポーズのように脚を使いましょう。前腕が床と並行になるように手首の内側を床の方に向け、それから右へ捻ります。腕の骨を力強く後方へ引き、上背部をやや後屈します。保持してから、吸う息で解放し、反対側も行いましょう。


5. アルダ・マツエンドラアサナ


このポーズでは、手や腕を組む段階に進んでいきます。背中で肩を安定させて腕の骨頭を後ろへ引くことで、力強い背中側の腕組みを維持します。




ダンダアサナから、左膝を曲げて左足先を右脚の下へ滑らせて、左足先を右股関節の外側におきます。右足先は、左膝の外側の床へおきましょう。股関節の外側をしっかりと下ろします。息を吸い込んで、両脚をギュッと揃え、左膝と右足先どうしで押し合い、左腕を上げて背筋を伸ばします。息を吐き出して捻ります。


左手を左の膝頭の周りに置きます。左肘で少し右脚を押してより深く捻りましょう。右腕は体の後ろに置いて両わきから背筋を伸ばします。ホールドして、解放、そして反対側でも繰り返します。



6. マリチアサナ3(手を組む)


マリチアサナ3のこのバリエーションは、膝とわきの下のすきまがなくなるまで捻れるようになったら行いましょう。そうでなければ、最初のバリエーションをただ繰り返すようにしてください。腕と脚のすきまがほとんどなくなったら、両脚を使いながら左肘を脇へ広げて腕を内側に回転させます。左手を右の脛の前に滑らせましょう。アルダ・マツエンドラサナでしたように、右手をウエストラインの背中側へ回します。右手首の内側を床の方に向けて、両手を組みましょう。右踵は床に向かって押し続けます。右踵の内側を左膝内側へとアイソメトリックに引き込んで、右股関節の外側が下りるようにしましょう。それから、背筋を伸ばし、腕の骨を引き込んで、捻りましょう。保持して、解放し、反対側でも続けます。




7. パリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナ(手を組む)


これは、最初に練習したパリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナのより深いバリエーションです。今は手を組むことができないなら、無理しないでください。ゆっくり時間をかけましょう。体の声を聞いて、愛情を持って注意して対応しましょう。前回のパリヴリッタ・パールシュヴァコナアサナの指示に沿って入ります。両脚と体の背中側全てを強く保ちましょう。





右肘を開いて右前腕を左腿の下に通らせて脚の内側に沿って安定させます。左肩を背中に回して、腕の骨頭を後方へ下げ、左腕をウェストラインで曲げて、マリチアサナ3でやったように背中側で手を組みます。上背部で後屈し、両腕を安定して後方へ下げます。右の内腿を床から離すように引き上げ、右踵を床へ回し下ろして、より深く捻ります。保持して、解放、反対側で繰り返します。



8. マラアサナ


両足をそろえます。前屈して、30cmほど前の床に両手を置きます。足指の付け根に乗って体重を両手に移動し、股関節を踵に近づけて、脇の下の方へ両膝を開きます。前方へ屈んだら、踵を床に下ろします。踵が床に着かなければ、安定感を得るためにブランケットやタオルを折って踵の下におきましょう。もし可能なら、両足は離したり外に向けたりせず、そうでなければ調整しましょう。




両腕を体の前へしっかりと伸ばし、背筋を伸ばしながら頭をできるだけ床に近づけます。今度は、肘の内側を内へまわして横に向け、腕を内側へ回しながらわきの下を脚の下の方へとできるだけ下げましょう。


今度は、両肩を耳の方へしばらくの間すくめます。それから一方の腕を脛の下へと伸ばし、やや内回転させながら背中へと伸ばしましょう。反対側の腕も同じようにします。この「ベルトを締める」動きを何度か行ってポーズを深めます。保持して、両脚をしっかりと合わせ、背中をたっぷり伸ばすよう背中に呼吸を入れます。解放します。



ピーク・ポーズ

9. パササナ(バリエーション1)


壁の横に折りたたんだブランケットをおきます。ブランケットに踵をのせてタダアサナで立ちます。壁から前腕の長さの距離くらい離れましょう。息を吸って胸を持ち上げます。息を吐いて膝を曲げてスクワットします。今度は息を吸って、立位ポーズのように両足に力を入れて背筋を伸ばし、息を吐いて捻って、右わきの下の外側を左膝の外側へおきます。肩と膝の隙間を無くしましょう。





右手を右肩の高さで壁に置きます。必ず左肘を曲げたまま、左腕を壁に置きましょう。息を吸って両脚をぴったりと着け、背骨を伸ばして、息を吐き切り、壁の方へ捻ります。左手をアイソメトリックに床へと引き、背中の左肩甲骨に力をより感じるまで続けます。その力を保ったまま、右腕を左膝に押し付けて、もっと尾骨を引き、上背部の後屈をしながらより深く捻ります、保持、解放してから反対側で繰り返します。



10. パササナ(バリエーション2)


左肩と右脚の間の隙間をなくすことができたら、この手を組むバリエーションに進みましょう。前のポーズの指示すべてを繰り返します。左腕を内回転して、もう一度引きを横に広げましょう。左手を右脛の周りに伸ばし、前腕を左脛の前と左腿の外側あたりにスライドさせます。最後には、両脚の周りに回して組むことができるかもしれません。





右腕の骨を後方へ下げ、右腕をウェストラインで曲げて、手首の内側は下に向けたまま、背中で両手を組みます。両膝どうしをしっかりとつけて、股関節外側を働かせ、背骨を伸ばし、腕の骨を下げて、そして捻ります。保持、解放、そして反対側で繰り返します。




初めて試した時にこのポーズができる人はとても少ないです。練習が長期間続く努力を必要とするのと同様に、この難しポーズは、忍耐強く献身的な繰り返しを通してのみ可能となります。




準備ができたら、足の下のブランケットをよけて取り組んだ要素全てを取り入れ、
最後のポーズを練習しましょう。



このような深い股関節屈曲の後は、鼠蹊部のストレッチや腸腰筋のリリース、体をニュートラルに戻ることがとても効果的です。ですので、セツ・バンダ・サルヴァンガアサナで、体の前が伸びるよう脚の骨を通してストレッチして、この練習を締めましょう。スプタ・ヴィラアサナやワイパーのポーズもまた同様の効果があります。シャヴァアサナで時間をかけて心地よく休みましょう。

2025年2月12日水曜日

ゴムカアサナからより多くを得るために 
Get More From Your Gomukhasana


ゴムカアサナ(牛の顔のポーズ)は複雑なポーズです。股関節の屈曲、外旋と内転、そして肩の屈曲ともう一方の肩の伸展、内転を通して、股関節と肩を深く開きながら胸を開きます。その複雑性のおかげで、ゴムカアサナには上半身にも下半身にも多くの効果があり、姿勢や機能運動を改善したり、肩を深く開いたり手を組んだりする他のポーズ、エーカ・パダ・ラジャカポタアサナ(片足の鳩王のポーズ)など深く股関節を開くポーズなどへの準備になります。



ゴムカアサナの対象となる部分(肩・胸・股関節)は、特に長時間座っている人にとって
は、問題が起こりやすい箇所です。臀筋の上に一日中、受動的に座っていることでそれが弱く硬くなり、タイピングや食事、車の運転、腕で何かを押す動き、メールを打つ動きなどにより胸と肩(特に三角筋前部)は硬くなります。ゴムカアサナは、いくつかの調整をすれば、こうした問題すべてに対処できる素晴らしい方法です。






ゴムカアサナの入り方


では最初から始めましょう。まず四つ這いになり、右脚を前に引いて右膝を左膝のすぐ前で交差させます。今度は左足を右方向へと開き、両踵が腰よりも広い幅にして置きましょう。両手を後方へ歩かせて、床の方へと腰を下ろします。先に左の股関節が下りるので、右も下ろしましょう。ゆっくりと動いてください。両方のお尻を下ろすことが難しい場合は、左脚(下の方)を前に伸ばすか、ブランケットの上に座りましょう。



左かかとの上には座らないで、両方の坐骨が床(やブランケットなど)にしっかりと着くようにしてください。右膝を左膝の上に重ねてみましょう。でも、無理はしないでください。完全に重ならなくても大丈夫です。背筋を伸ばして座り、骨盤から離すように胸郭を持ち上げます。腰が曲がらないよう(前屈みにならないよう)に気をつけて、骨盤を前傾し、坐骨は後方へと伸ばします。そうすることで、体幹の筋肉とのつながりを見失わないようにします。お腹は優しく引き上げて、腰が反りすぎたり胸郭が前に突き出ないようにしましょう。胸を持ち上げて、頭頂まで背筋を伸ばします。



ポーズの上半分を作るには、右腕をまっすぐ上げて左腕を体の脇でまっすぐ下げます。両方の肘を曲げ、右の手のひらと左の手の甲の両方を背中に着けます。指先どうしを着けてみましょう(無理しないで)。もし届かなければ、ストラップやタオルなどを使ってつなぎ、両手はただ背中に休ませておきます。指先を這わせて近づけた時にポーズに何が起こるのかに気づきましょう。顎はあまり上げたり下げたりしないように、床と並行に保ち、首の後ろ全部を長くします。



ほとんどの人はゴムカアサナは上げた方の腕が重要だと思っていますが、実際には下方の腕により焦点を当てて、肩の回旋腱板(特に肩甲下筋)や菱形筋などを強化し、周知の通り固くなった胸筋と前部三角筋をストレッチすることで、肩により多くの効果を得ることができます。そのためには、上がりやすい右肩を上げずに両肩を床と並行にする必要があります。
両肩を揃えることで、両手を繋ごうと背骨を横に曲げることなく、肩甲体をストレッチすることができます。次に、左(下方)の肩を後方へ回転させながら肩甲骨どうしをやさしく寄せましょう。これによって左三角筋前部、つまりこのテクノロジーに囲まれた世界に住む私たちの多くが硬くなってしまっている部分のストレッチが深まります。これをするには、両手をもっと離す必要があるかもしれませんが、長期的にはより効果的です。このポーズをホールドして、呼吸しましょう。



顎のまわりをリラックスして、頭頂に向かって背筋を伸ばしてみます。このポーズによって、肺に力強い呼吸がもっと入ってくるのを感じましょう!背骨と胸郭のまとまりを保つため体幹を使い続けるのを忘れないでください。



ゴムカアサナの素晴らしいところは、上半身と下半身の要素をどちらも選ぶことができることです。どちらか片方を選んで、体のその部分を開くことに本当に集中することもできます。股関節のストレッチを強めるには、例えば、背骨をまっすぐに保ったまま股関節で前屈(対象としている股関節の可動域を狭めることになるため背骨を丸めないようにしましょう)し、坐骨を後方へ放つことに集中します。



上半身の要素は、特にデスクの前や椅子の上に長くいる人にとって、一日中取り入れられる素晴らしいストレッチです。毎日何回か休憩時間にこのストレッチをすることで、姿勢が大きく改善するだけでなく肺により多くの酸素を取り込めるためエネルギーレベルも改善されるでしょう。



ゴムカアサナはまた、他の多くのポーズの効果的な準備になるポーズでもあります。上半身の要素は、ウッティタ・パルシュヴァコナアサナ(体側を伸ばすポーズ)やシュヴァルガ・ドヴィジャサナ(極楽鳥のポーズ)などの手を組むポーズの準備となります。下半身の要素では、鳩のポーズやベイビークレードル、エーカパダ・ガラヴァアサナ(飛ぶ鳩のポーズ)、アグニシュタンバアサナ(薪のポーズ)などの股関節を深く開くポーズの準備に役立ちます。




こうしたちょっとした微調整に意識を向けて、ゴムカアサナで股関節と肩の可動域が前よりも良くなって、より深い練習へと誘ってくれるのを確かめましょう!



2024年9月12日木曜日

ストレッチの本当の意味とは? 
Stretching: What Does It Really Mean?


バーベルを頭の上に持ち上げるのに必要なのは何かと尋ねたら、ほとんどの人が筋肉と骨、関節だと答えるでしょう。マラソンを走るのには何が必要かと尋ねたら、心臓と肺、脚だと答えるでしょう。そしてダンスや体操に求められるのは何かと尋ねたら、強さと優雅さ、そして敏捷性と答えます。けれど、柔軟性を高めるのにもっとも大切なのは何かと尋ねると、おそらくキョトンとするだけかもしれません。それでも、ハタヨガを練習している私たちは柔軟性を高めることが最大の挑戦のひとつだとわかっています。体が固まっていればどんなに簡単なポーズでも難しく、そのためインストラクターは常にストレッチをするよう勧めるのです。けれど、ストレッチとは正確にはどういうことでしょうか?


まずストレッチとは、柔軟性を高めようとして、軟骨の制限や、関節包、腱や靭帯を緩めたり、骨格の制限を解放することではありません。軟骨の制限とはゴム製のパッキンのようなものでほんの少ししか動きません。関節包は骨膜関節のツルツルした表面を覆って防御していて、それを緩めようとすると不安定になる危険性があります。骨と骨を繋いでいる靱帯はたった4%伸びただけで裂け始めます。固定されたため異常に短くなっているのでなければ、伸ばすことは到底良い考えではありません。筋肉の腹と骨を繋いでいる腱は、知られているでしょうが、靱帯を同様の構造をしていてあまり伸びません。


私たちができるのは、神経と筋肉の腹、つまり関節を通り越し手足を縦方向に走る二種類の柔らかな解剖学的組織を伸ばすことです。そしてこれらはまさに、ハタヨガで十分な柔軟性を得るために伸ばすべき二つの組織なのです。




筋肉群


筋肉は関節の可動域を必要なだけ改善するためほんの少し伸ばす必要があり、そしてこれが適切な変化の機会を与えてくれます。しかし、筋肉をストレッチする時は各筋繊維を対応しているのでしょうか、それとも結合組織繊維に対応しているのでしょうか?対応しているのは両方です。


実験結果で示されているのは、ギプスで筋肉がストレッチされた位置で固定されていると、その筋繊維は、ルコメアという小さな収縮単位を追加することで長くなっていきます。同様に、収縮状態でギプスで固定されると、サルコメアがなくなって筋繊維は短くなります。


柔軟性を高めるためには、筋繊維の長さを伸ばすだけでは不十分です。その筋肉内部や周りの結合組織の調和した広がりもまた必要で、それには表面の筋膜(一束の筋繊維を覆う結合組織)や個々の繊維を包んでいるものも含まれます。そしてこれが、時間をかけたストレッチで起こっていることです。結合組織は徐々に筋繊維につられていき、筋肉全体が伸ばされ、柔軟性が高まります。ハタヨガのストレッチは、これを引き起こす安全で効果的な方法です。そしてもし何もかもを硬く締めたい時にするべきことは、ストレッチをやめることだけです。筋繊維は短くなり、結合組織は後に続きます。



神経


抹消神経はまた別の話です。神経はストレッチには敏感ですが、ストレッチを制限するための十分な強さをも持っています。神経がストレッチに順応できるのは、ただ周りの組織を通る曲がりくねった経路をとっているからです。そして、各神経繊維は神経そのものを包含する結合組織の中をあちこちと走っているからです。体のストレッチをしている間、周りの組織を通る神経経路全体がまずまっすぐになり、ストレッチが続くにつれて曲がりくねった神経内の個々の繊維もまたまっすぐになります(周りにある結合組織には、神経繊維を傷つけずさらなる約10-15%のストレッチに対応できるほどの弾性があります)。


そうした神経鞘に包まれない神経は全くもって傷つきやすく、ストレッチだけでなくトラウマや緊張した筋肉、骨、靱帯の間の圧迫にも弱いのです。その防御力は完全ではないにしても、神経繊維が安全である10-15%以上のストレッチという極端な場合にもこうした神経鞘は適応が可能です。初期の警告サインは痺れ、過敏、チクチクした痛みなどで、それを無視すると感覚や運動の欠陥が生じることがあります。怪我から守るのにもっともよいのは、気づきと忍耐、つまり神経ストレッチが問題となりうる理由への気づきと、小さな症状が現れてもゆっくりと取り組む忍耐です。



実践しよう


では、筋肉がストレッチにどのように反応するかを見るために、片足首を曲げた座位の前屈をしてみましょう。まず、床に座って片方の脚を前に伸ばし、もう一方の脚を会陰の方向に引きます。腿はお互いが約90度になるようにし、両脚の真ん中あたりに向いておきましょう。次に、型通りにこのポーズに入るため、背骨を45度捻って伸ばした脚の方に向き、両手を頭上にあげたり股関節から曲げようとせずに前屈します。伸ばした脚の腿や足の方へ柔軟性に合わせて両手を下ろします。このポーズを約30秒したあと、ゆっくりと股関節から腰へと起き上がります。最後に、頭と首を持ち上げます。反対の脚で繰り返しましょう。






この片足への前屈はいくつかの意味で有益です。一つ目は、片方の膝を曲げることで片方のハムストリングスだけをストレッチできます。二つ目は、両側の内転筋をある程度ストレッチしていますが、前屈した方は膝が伸びているのでより強いストレッチになります。これは片側の内転筋に働きかけることのできる最良のポーズのひとつです。最後に、骨盤が45度に傾いた前屈は背中のストレッチよりも股関節や腰への負担が小さく、ビギナーにとってより効果の高いポーズとなります。



このポーズに慣れてきたら、バリエーションを試しましょう。また最初の姿勢になって右膝を伸ばします。今度は右足の方に手を伸ばさないで左の肘で左膝を押します。(ほとんどの生徒はここで右臀部が床から浮きますが、それで構いません)次に手を伸ばして両腿の真ん中の床へと右手をスライドします。そして内転筋の伸長をいくらか解くために左側へ3分の2のところへ手を伸ばします。そして最後に、右側から3分の1の場所でストレッチを深めます。






最後に、このポーズを探求したのち、もとのポーズまでもどってまっすぐ右足の方へと手を伸ばしましょう。より深く前に行けるのに気づくでしょう。ハムストリングスの抵抗は先ほどと同じくらいですが、伸ばした膝からずらしたストレッチがそちら側の内転筋を伸ばしたのです。より深く手が届いた距離が、最初のポーズにおけるあなたの限界に内転筋がどれほど貢献していた大体の長さです。





これらのポーズを1分間ほどホールドすると、主に神経系に働きかけていることになり、筋肉が弛緩していきます。しかし全身の力を緩めて忍耐強くより長時間ホールドすると、やがてサクロメアが徐々に内転筋やハムストリングスに増えていき、そのあとから結合組織が続き、そして長くなった筋肉と結合組織がより深い前屈を可能にしていくのです。末梢神経に関してはチクチクした痛みがなければ問題がないと考えられますが、もしそんな症状があるなら長くなった筋肉に順応するまでもう少し時間がかかるかもしれません。



注意:柔軟性を高めるには、受動的なストレッチに加えて立位ポーズなど強化エクササイズを含んだバランスの取れたポーズを常に心がけて下さい。妥協点を見つけてください。1、2箇所の筋肉だけ(例えば内転筋とかハムストリングスとか)を伸ばそうとしたら、体のバランスは崩れ、変えてしまった新しい状況に馴染むことができずすぐに怪我をすることになる恐れがあります。体全体をみて取り組み、全体的により強くより柔軟になることが大切です。




最終的な分析


研究では、筋肉の長さが長時間のストレッチで伸びること、長引く収縮で短くなることを確実に示しています。また、筋肉、神経どちらも包んでいる結合組織は過度にストレッチされていまうこともはっきりとしています。しかし、この方程式にはもうひとつの要素があります。神経系は筋肉の弛緩と緊張のどちらに対しても中心的な役割を果たしており、それによってストレッチや制限を促進しています。では、結局動きを制限しているのは、神経系の能動的な役割と結合組織の受動的な役割どちらなのでしょうか?普段の動きの中では神経刺激が筋細胞を刺激し続けるため、確かなことは一方からしかわかりません。深い麻酔にかかっている時、つまり骨格筋細胞全て(呼吸に必要なもの以外)を神経系が刺激していない時の可動域を調べることです。


これについては研究が終わっています。手術室にいる人は誰でも、麻酔されている患者の筋肉はとても緩く関節が外れてしまわない様にする必要があることを知っています。そしてそれは、目覚めている時には極端に硬直している患者にも起こります。では、セラピストが関節周りの可動域を大きくするために麻酔を使って柔軟性高めることは可能でしょうか?答えは、神経系の防御がなければ、筋繊維や結合組織の繊維、そして神経などの組織は裂けてしまうということです。これは、結合組織が限界までストレッチすることがあるとしても、日常生活で実際的な制限をかけているのは神経系だということを証明しています。限界に達した時、神経系は痛みや震え、力が入らないことなどによってやりすぎだと警告をしてくれますが、もっとも重要なことは組織が裂かれてしまう前に警告が出されていることです。





脳と筋肉のつながり


脳の小さな部分である小脳は、筋肉の緊張や調整、バランスをコントロールしています。自己受容体からの神経繊維は大脳皮質(意識的な思考や感情に関連した脳の部分)に向かっています。ですから、脳には継続的に感覚の流れがあり、脳からは継続的に意識的、無意識的な運動インパルスが流れています。


柔軟であることの長期的な利益は、筋肉を締め付けている結合組織をストレッチする能力によりますが、その能力は防衛反応を緩めることができるかにかかっており、つまり精神的にリラックスする能力に関係があります。


あなたの心の状態と感情の強さの方が、筋肉の抵抗よりも克服することが難しいのだと気づいておくことが不可欠なのです。










(出典)https://yogainternational.com/article/view/stretching-what-does-it-really-mean/

2024年4月12日金曜日

腰痛のためのヨガ:すべきこと、してはいけないこと 
Yoga for Lower Back Pain: Learn the Do's and Don'ts

今回の記事は米国のヨガセラピストである著者による腰痛のお話です。
ーーーーーーーーーーー







孫がいる銀行員のカレンは53歳、最近までしつこい腰痛に悩まされていました。筋弛緩薬を6ヶ月、オピオイドを2ヶ月服用したものの、まだほとんどの時間腰痛を感じていました。「姿勢が悪いまま」の長時間のデスクワークや赤ちゃんの抱っこなどが原因のひとつだろうと気づいたカレンは、お昼休みに散歩をするとちょっとだけ楽になることに気づきました。そんなとき、坐骨神経痛が緩和したという同僚にリラックスヨガを勧められたのです。カレンは試すことにして、火曜の夕方の腰痛クラスに申し込みました。


そのクラスは、米国内科学会が最近発表した「腰痛治療のための臨床ガイドライン」に従ったものでした。様々な腰痛の非侵襲的治療を見直し、投薬では痛みのレベルが小・中程度しか改善しないことがわかり、米国内科学会は以下のように勧めています。痛みの発症から12週間以内の場合はまず「加温しながらの(中程度のエビデンス)マッサージや鍼、脊椎整復術(低程度のエビデンス)など投薬以外の治療」を試してみること。そしてカレンのように慢性腰痛の場合は「運動、総合的なリハビリ、鍼、マインドフルネスのストレス緩和(中程度のエビデンス)、太極拳、ヨガ、運動調節エクササイズ、段階的リラクゼーション、筋電図整体自己制御法、低レベルレーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、脊椎整復術(低程度のエビデンス)など投薬以外の治療」が推奨されています。研究では、こうした副作用の低い方法であまり効果が見られない場合に限り、抗炎症薬を使うよう勧めています。


カレンには、ヨガが手頃で始めやすかったので、今では週2回クラスに参加しています。カレンは、ヨガセラピーと腰痛のトレーニングを受けた指導者が医師や理学療法士とともに行っていることが気に入っているようです。治療的なヨガクラスは他のクラスよりもやや高額であることが多いのですが、ちょっと多めに払う価値があるのだろうとカレンは感じています。またヨガだけでなく、温水プールの水泳を始めたり、ストレスや痛みの対処に役立つよう作られた毎日20分のヴィパッサナー瞑想を始めました。この新しい習慣を初めて数週間が経った頃、腰の不快感がずっと楽になり始め、痛みを感じることなく孫娘を抱き上げられるようになってきました。毎日がとても楽しくなったとカレンは言います。



ヨガセラピストとして、他のどんな症状よりも腰痛に取り組んできましたし、私の腰痛クラスは一番人気のあるクラスでもあります!以下は、カレンに伝えたシンプルな「べし・べからず集」で、他の慢性腰痛の方々にもシェアしました。(すべてのヨガクラスが腰痛を持つ人に適しているわけではないことを覚えておいてください。どんな動きを避けるべきかをあなたの医師や理学療法士を話し合った上で、腰痛の知識を持つ先生の治療的なクラスを探して、あなたの痛みや怪我、禁忌をヨガの先生に知っておいてもらいましょう)





🔸腰椎の自然な曲線を失くさないで



長時間オフィスの椅子に座り続けると促される悪い姿勢、つまり前屈みや背骨を丸めた姿勢は背中に負担をかけます。ほとんどのヨガポーズをしているとき、そして日中の生活の中で、座っていようが立っていようが、重要なのは腰の自然な前弯を保つことです。後頭部と骨盤の後ろを一直線に保ち(頭を前後に倒さないで)、肩は開いて腰の真上に重ねます。ヨガの先生が「背中をまっすぐに」と呼びかけたとしても(大抵の場合は腰を丸めたり反らしすぎて自然な背骨の曲線をなくなるのを防ぐため)、完全に平らな背中を作ろうとしているわけでありません。背骨の自然な曲線とは、腰椎がやや前弯、胸椎がやや後弯、そして頸椎がやや前弯している状態で、衝撃を吸収するので背骨の健康のためにとても大切です。ですから、曲線をなくさないでください!



🔸背中を強化するため座位・立位でのより良い姿勢を練習する


背筋を伸ばして座る練習をしましょう。椅子の上、または折り畳んだブランケットやヨガボルスターなどの補助具を使って床に座り、腰椎の自然な曲線を維持することを意識をします。座るときはいつでも、この新しい姿勢になりましょう。座るとき立つときは、体幹を使って下腹と骨盤底をやや持ち上げ、背骨を上に伸ばし「背を高く」してみましょう。



🔸立つとき歩くときは足先を外に向けないで


ほとんどの人にとって、外向きの足が梨状筋(坐骨神経痛の原因)の短くなる原因となり、また梨状筋が短いために足が外向きになっていることもあります。この深部にある股関節回旋筋が固まると、腸腰筋(腰椎から腿の骨頭に走る筋肉)もまた硬くなり腰痛の原因になります。

固まった梨状筋をストレッチするには、仰向きの鳩のポーズをしましょう。仰向きに横たわって片方の膝を胸の中心に向けて抱えます。あるいは片方の足首を反対側の立てた膝の上に載せて4の字にしてストレッチしましょう。腸腰筋が硬いときは、ヨガブロックを骨盤の下に置いた支えのあるブリッジポーズをするか、ハイ・ランジやロー・ランジ(アンジャネヤサナ)で骨盤をやや前に倒すと良いでしょう。



🔸両足は並行に


つま先が外に向いているなら、踵がつま先の真後ろにくるように踵を動かしましょう。足の人差し指がお互いに並行であること、そして膝の向きが足の中心と一致しているようにします。立っている時も歩いている時も座っている時も、この姿勢でいましょう(山のポーズでも立ち机で仕事をしている時もどんな時も)。



🔸脚を伸ばした立位の前屈から立ち上がるときは背中を丸めない


背中を丸めて立ち上がると背骨の前の椎間板を圧迫して腰椎を悪化させます。



🔸前屈から立ち上がるときは膝を少し曲げる


体幹(骨盤底と下腹部)を使って胴体を引き上げましょう。



🔸体幹の強さを忘れないで


ヨガのシーケンスは、強さよりもストレッチに焦点を当てたものが多いです。ストレッチは背筋の強張りを緩和するのに良く、マルジャリヤサナ(キャット&カウ)、バラサナ(子供のポーズ)、アーナンダ・バラサナ(ハッピーベイビー)など背中のストレッチが含まれるポーズやあおむけのツイストなどは心地が良いかもしれません。しかしこうしたポーズは、背中の健康に大切な体幹の強化にはなりません。背中側を強化するには、体の前を支えるバランスも必要です。ですから、背中の健康には、腹部と背部の強化を含んだポーズが重要なのです。

腹筋の強化には、パリプルナ・ナヴァサナ(船のポーズ)、ウトカタサナ(椅子のポーズ)、プランクや上腕のプランク、ヴァシシュタサナ(サイドプランク)が、そして背筋の強化にはシャラバサナ(バッタのポーズ)やヴィラバドラサナIII(戦士のポーズIII)などのポーズがあります。腹筋と背筋を鍛えると、より良い背骨のアライメントを作ることができ、そうしたタイプのポーズは、背中の健康に焦点をあてたヨガクラスでよく行われます。






背中をケアするということは、健康的な姿勢や動きの習慣を築くこと、そして背骨を支えるのに必要な筋肉の強化をする姿勢や運動を練習することです。今日、医療専門家らは、急性・慢性腰痛の治療にはこうした方法を投薬よりも推奨し始めています。ですので、もし腰痛があるなら、薬はやめて(医師に確認してから)、背筋を伸ばして座り、より気づきをもって動き、体力作りのためマットに立ち、緊張を解くヨガをして、やっかいな痛みを鎮めて痛みのない動きをもう一度楽しみましょう。

2024年2月29日木曜日

腰椎狭窄症のためのヨガ Vol.2
A Yoga Sequence for Lumbar Spinal Stenosis


前回からの続きです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

6. 壁ぎわのマウンテンポーズ



プロップスを使うと自分自身をより認識することができ、ニュートラルな背骨がどうなのか明確に理解しやすくなります。


壁に背中を向けて、両足を壁から数センチ離し腰幅で立ちます。湾曲のある腰や首の後ろはそっと壁から離しておきますが、お尻、背中の真ん中や上方、肩甲骨、後頭部は全て壁につけておきましょう。


肩甲骨を壁につけるには、腕をロボットのように、肘を脇腹の横で直角に曲げて上腕の後ろを壁に押し付けます。両肩をすくめ、後ろへまわし、それから下方へそして寄せるように動かせます。


もしこのニュートラルなアライメントが不快に感じるなら、腰が平らに壁につくまで膝を曲げて前に歩きましょう。




腕はロボットまま、あるいは体の横で力を抜くかして数呼吸します。両足は地面に根付かせて、頭頂に向かって背すじを伸ばし、この姿勢を後でできるように相互関係を覚えておきましょう。
 


7. 戦士のポーズ1のバリエーション




戦士のポーズ1などで前屈みになって腰椎を屈曲すると、狭窄症の症状緩和になるかもしれませんが、より垂直の姿勢では腸腰筋をストレッチできます。LSSの症状の原因であることの多い腰椎の前弯は、腸腰筋を伸ばすことで予防したり緩和することができます。


マットの前方に戻ります。左足を根付かせて右足を後ろへ大きく一歩下げます。足の幅は腰幅にして、右足の親指はマットの右前角の方向に向けましょう。


左膝を曲げて腰が平らになるまで体を左脚の方へ倒し、両手を左腿の膝に近い場所におきます(心地よさを感じるためにもっと前に倒れなければならない時は、前腕を膝に乗せます)。


ここで数呼吸し、胸を前に開くか、あるいは両手を左腰の方に歩かせてより垂直な姿勢になってみましょう。
(もし背骨を垂直にして快適であれば、 伝統的な戦士のポーズ1をしても良いでしょう。両腕を前方に、そして快適な範囲で高く伸ばします。)ここで数呼吸、そして右足を前に揃えて左側も行います。



8. マハ・ムードラ(偉大なる封印)ポーズのバリエーション





3箇所全てのバンダ(体の鍵)を練習して、股関節を自由に動かせながらコアを優しく促しましょう。背中を丸めたツイストは、LSS患者にとって圧迫を感じるので、ストラップを使うこのバーションで背すじを伸ばして行いましょう。


両脚を前に伸ばして床に座ります。右膝を右の方に曲げて、右足の裏を左腿の内側に付けます。膝が不快感を感じる場合は、右腿の下にブロックやブランケットをおきましょう。


左足にストラップをかけて(あるいは両手を左腿の両側の床に置きます。どちらも背筋を伸ばすのに役立ちます)、背骨をまっすぐに起こしたまま胸をそっと左に回し、頭頂に向かって引き上げることに注目します。(もちろん、不快感を感じない程度までツイストするようにしましょう。ツイストを緩める必要がある時は、胸は右すねの方向に向けましょう。)


息を吐きながら、骨盤底筋とお腹を引き上げて、ムーラバンダとウッディヤナバンダを締めましょう。ジャランダーラバンダには、胸を上げ、顎は(心地よい範囲で)胸骨の方へ引きます。息を吸いながら力を抜いて、次の吐く息でまた引き締めます。これを数呼吸おこない、それから右脚を伸ばして左側に移りましょう。




9. 風抜きのポーズから半分の風抜きのポーズ
(アパナサナからアルダアパナサナ)




この膝を胸につけるポーズは腰椎の屈曲を優しく促します。片脚を伸ばすことで、腸腰筋を優しくストレッチできます。硬くなった腸腰筋が腰の前弯を強めて症状を悪化させることがあるため、LSS患者には大切なストレッチです。


仰向けに横たわって両膝を胸に引きます。両手は膝か脛の上に置いて、腰を平らにしましょう。ここで数呼吸します。


左膝を抱えたまま、ゆっくりと、右のかかとをマットに滑らせて右脚を前に伸ばします。腰に前弯アーチができない範囲で、右脚をできるだけまっすぐに伸ばしましょう。右腿を地面に向かって下ろしながら、数呼吸します。そして右脚を引いて、左に移りましょう。
 


10. ボルスターやブランケットを使った横向きのシャヴァサナ




LSSの人は、仰向きに寝るよりも横向きに寝た方が心地よいと気づくかもしれません。


ブランケットを途中まで巻いて、マットの真ん中におきます。平らな面の上に腰、巻いた面にウエストが乗るよう、横向きに寝ます。


胎児のように丸くなり、巻いたブランケットがウェストを支えて(腰椎が床に着かないように)最も快適な姿勢になるよう左右どちらかを向きます。ブランケットをもう一枚(あるいはブロック)下にある耳の下に、ボルスターをすねの間に挟みます。両腕は曲げて、上の腕を下の腕にのせてリラックスさせ、体の前におきましょう。


ここで数分休みます。腰のあたりのリラックスした感覚に意識を向けて、それから全身の感覚を感じ、心と体のつながりを深めましょう。


日常に戻る準備ができたら、徐々に体を覚醒させていき、ボルスターをよけて心地よい座位に起き上がります。広がりや穏やかさが大きくなったかどうか、自身の練習の効果に気づきます。そして意識を、今ここに存在するこの感覚にできるだけ長く向け続けましょう。

2024年2月26日月曜日

腰椎狭窄症のためのヨガ Vol.1
A Yoga Sequence for Lumbar Spinal Stenosis



編集註:下記はヨガの実践者や指導者のための一般的な助言を目的としています。医療従事者による個別の助言の代替ではありません。ヨガの指導者は自身の役割の範囲にとどまるべきであり、生徒に対して診断や治療、医学的アドバイスを行わないようにしてください。





以下の腰椎狭窄症(LSS、脊柱管の狭窄)のためのヨガは、症状のリスクを最小限にしつつ効果を最大限にするよう作られています。


The Back Pain Secret: The Real Cause of Women’s Back Pain and How to Treat It の著者である理学療法士のビル・リーフ氏は、狭窄症の人がヨガをするに当たって、コアの強化や前屈、腸腰筋のストレッチなどを、背骨をニュートラルな状態で優しく動かすことが効果的であると言います。背骨の極端な動きはできるだけ避けるべきであり、その他禁忌事項ややった方がいいことなどはこの記事をご参照ください。


しかしながら、狭窄症をもつ人は誰でも、医師にどんな動きが推奨されるのかを明確に指示してもらうことが大変重要です。「狭窄症は背骨の複数箇所で起こることもあるので、みんなが同じように反応するわけではありません。あなたの医師や理学療法士から情報を得ることが最も大切です」とリーフ氏は言います。


ポーズとのつながりを感じ、今体験している感覚を感じられるようにゆっくりと行いましょう。「痛みやピリピリ感、痺れを感じたらすぐに止めましょう」  





以下の練習では、壁やストラップ、ボルスター、ブランケット2枚を使います。またブロックがあると良いでしょう。



1. チャイルドポーズ




チャイルドポーズでは、腰椎は優しく屈曲していて、多くの人で狭窄症の緩和になる姿勢です。「制御された部分的な屈曲です」急に動く深い前屈よりも安全に行うことができます。


四つ這いから、膝を開いて足の親指同士をくっつけます。
心地よいところまでお尻を下ろしていき、両手は前に歩かせます。ここで数回深呼吸します。



2. キャット&カウのバリエーション




キャット&カウは、背骨の柔軟性を高め、骨盤を動かす筋肉を強化します。このバリエーションでは「心地よければやや猫のアーチを作り腰椎を丸めますが、牛の後屈ではなくニュートラルに保ちましょう」背骨の伸展がLSSの症状を悪化させることが多いからです。


四つ這いになります。息を吸いながら背骨をいつもの「牛」ではなくニュートラルな形にし、腰椎の曲線は優しく、そして頭頂から尾骨の先までを遠くへと伸ばします。
息を吸いながら背骨を丸め、腿の方向を見ます。

毎回背骨を後屈ではなくニュートラルに戻しながら、この動きを数呼吸繰り返します。



3. プランクポーズ




プランクはコアを強化し、それが腰椎を支えるのに役立ちます。


四つ這いから、背骨をニュートラルに保ち、肩は手首の上にして頭頂を前方へ伸ばして、右足を後ろまで下げます。  つまさきを立てて、右かかとに向かって伸ばしましょう。


ここで数呼吸します。強度が強すぎる場合はそこで方向を入れ替えます。右膝を下ろして左足を下げましょう。あるいはもっと強度をあげるために・・・


左足を右足の横に下げ、腰幅にして両踵を後ろへ、頭頂は前へと伸ばしましょう。プランクのまま数呼吸し、吐く息でお腹を上に内側に引き込み、あとはマットへ両膝を下ろします。



4. ダウンドッグのバリエーション





下向きの犬のポーズでは、四肢は背骨の伸展と連携しています。やや穏やかな屈曲がLSSの症状を緩和するので、尾骨を天井に引き上げて腰をそらすのではなく、このポーズで腰を平らにしておく方が良いでしょう。


四つ這いから腰を後方へ引き上げ、最初は膝を曲げて行い、そのあと踵をマットに近づけるように心地よい範囲で脚を伸ばしていきます。(通常のダウンドッグよりスタンスが短いほうー腰が平らかやや丸い状態ーが楽な場合はそのようにしましょう)ここで数呼吸します。


 
5. 前屈からマウンテンポーズ





制御した前屈は大抵の場合、LSSの症状を緩和しますし、両手を腿から歩かせて起き上がる移行は腰椎にストレスをかけません。


ダウンドッグから前に歩いて、両手をブロックやすねにあるいは腿に置き(自由に膝を曲げましょう)、ここがいいという安心感を感じる場所まで移動しましょう。


両足で地面を押し下げ、心地よい範囲で膝を曲げ、両手を腿から上へ歩かせて背骨を伸ばして立ちましょう。




ーーーーーーーーーーーーーーー
次回に続きます。








(出典)

2024年2月3日土曜日

ヨガクラスで腰痛を防ぐ5つのヒント 
5 Tips for Preventing Back Pain in Yoga Class



多くの成人にとって腰痛はよくある問題ですが、世界的にも腰痛は身体障害の主な原因でもあります。腰痛の原因や治療法を人々が探し続けるにしたがい、ヨガが再度注目されています。2017年「Annals of Internal Medicine(内科論文集)」で発表された研究では、医師の腰痛治療は、薬を処方する前にヨガなどのエクササイズを薦めるべきだと書かれています。


しかし、他の運動などと同様に、ヨガにもリスクはあります。ヨガで腰痛を防ぐ(怪我ではなく癒しを得る)5つの方法をご紹介しましょう。


1. 繋がる


さまざまなバージョンの「Dry Bones(乾いた骨、つま先の骨は足の骨に繋がってる、といった歌詞」という古い歌がありますが、ご存知の方も多いかもしれません。私は、ヨガクラスでこの歌詞の一部を使って、全ては繋がっているということをみんなに思い出してもらいます。ミシェル・エドワーズは著書 YogAlign の中で、人体を全体的に見る重要性について述べています。「体の全ての部位は全身に影響するため、体の前側の短縮や収縮は体の後ろ側にとてつもなく大きなストレスや牽引を与えます。体はそれぞれ繋がり合っています。他の部位に影響を与えることなくどこかを動かすことはできません」


体はひとつのシステムであり、それぞれの部分の集まりではないと認識することが練習の中で腰痛を防ぐ基本となります。エドワーズが特に問題とするのは、背中の健康と「シックスパックの腹筋」との関係です。彼女が言うには、固まった腹筋で体の前面が縮まると背中の痛みや筋力の低下につながり、そのためにバランスが崩れて腰痛を引き起こします。腰痛には腹筋運動というよりは、解剖学的に理解されたアサナや深い呼吸の練習、そして活動的なライフスタイルを続けることでマインドフルに体幹を作り上げることを薦めると彼女は言います。


エドワーズはまた、彼女のクラスに全身のマッサージを取り入れています。私は、大抵クラスの初めに彼女の「足指組み」と足裏マッサージをして、生徒たちにすべては繋がっている(そして体の後ろ側の筋膜は足裏から背中に繋がっていて頭骨までずっと通っている)からだと思い出してもらい、足をケアすることは腰の健康にもよいと伝えます。数分間そうして左右の足をマッサージしてから、右手で左足指を組んで指どうしを握り合って足指を強くします。これをまた反対側の足でも繰り返します。


練習するときは、繋がっているということを頭に入れることが腰痛を防ぐために不可欠なのです。




2. 自身の限界を知る


亡きT.K.V.デシカチャー氏は、現代の最も尊敬されるヨガ指導者の一人で、いまも彼の教えは何千もの生徒や指導者たちに影響を与え続けています。彼の最も素晴らしいヨガへの功績のひとつは、自身の練習を作り上げることを強調したことです。著書 The Heart of Yoga の中でデシカチャーはこう述べています。「自身の原点を認識し受け入れることを学ばなければ、アサナに不可欠な性質を見出すことはできない」自身の限界を見つける大切な第一歩は原点を知ることなのです。


Living Yogaで「A Nonviolent Approach to Extending Your Limits(自身の限界を越えるための非暴力的アプローチ)」と題されたエッセイの中でケン・ダイヒウォルドは、自身の限界を探る重要性について考察しています。限界にとどまり続けない一方でそれを越えることが悪影響になることもあり得ます。ダイヒウォルドはそうした限界のことを、ある意味「自己破壊と自己改善のの微妙な差」と定義しています。練習での腰痛など他のどんな痛みでも避けるには、自分がどこにいるのかから始め、その場所を尊重し、そしてマインドフルに自分の限界を探求することが必要です。


実際には、マットの上でどんな鋭い痛みをも避けることが、自分の限界を超えない確実de
最も明確な方法だと言えます。そしてデシカチャーは、練習の一体感を保つのに呼吸が有益な方法になりうると信じていました。彼はウッジャイ呼吸(「音を出す呼吸」「海の呼吸」とも言われます)の提案者です。「練習の中で、穏やかで均等、かつ静かな音が維持することが難しいなら、それはもう自分の限界を過ぎてしまっている」限界の内側にとどまるためのツールとして呼吸を使いましょう。背中を守り、障害続けられる練習にむかって進みましょう。



3. 補助具をたくさん使う


私が主に教えているのは優しくレストラティブなスタイルのヨガです。クラスを始める時はたいてい、練習の中でより心地よくできる場所を探るよう生徒たちに尋ねます。「もっとスピードを落とせるのはどこでしょう?和らげられるでしょうか?」私はそう聞きます。全身そして特に背中をいたわる素晴らしい方法は、ヨガの補助具をうまく使うことです。


ヨガクラスの間、どこで補助具を使うかを生徒と先生が伝え合うことが理想的です。けれど、補助具を使うことが正しいポーズに役立つかは見た目ではわからないポーズが二つあります。一つ目は、呼吸の練習をしたり集中したりできるよう、多くのクラスで始めにやる足を組んだスカアサナ(安楽座)というポーズです。けれど、安楽座が安楽でなかったらどうでしょう?もしそうなら、お尻の下に折り畳んだブランケットを置いたり、ブロックやボルスターの上に座ってみましょう。補助具を使ってもまだスカアサナが心地よくなければ、ヴァジュラサナ(稲妻のポーズ、正座)を試しましょう。股関節と腰とは複雑に関係しているので、多くの人にとってスカアサナで必要となる股関節の外旋を避けることが腰に優しい座り方になります。もうひとつは、ほとんどの人がヨガの練習で数分以上を過ごす休息のポーズ、シャヴァサナです。これは私が生徒にぜひ補助具を使って欲しいと薦めるところです。この最後の至福のポーズに辿り着いて背中にただ緊張感を感じるだけなんてがっかりですよね。まっすぐに横たわって腰に痛みや緊張感があることに気づいたら、大きいボルスター(あるいは折りたたんだブランケット2枚)を両膝の下に置いてみましょう。これを試した後は、ほとんどの生徒がいわゆる普通のシャヴァサナではなく、腰にもっと心地よい姿勢を選んでいるようです。



4. 前屈に気を付ける


ヨガ界では前屈についてはやや異論が多く、腰痛や怪我の原因となるという人もいれば、誰もがすべきヨガの練習だと信じる人もいます。またここで、デシカチャーの言葉が鍵となるようです。「ヨガの練習は、誰にでも合うように作り上げるべきである」前屈はあなたの練習に合っていますか?どうしてそうなんでしょう?あなたの体が必要としているものにぴったり合った前屈をするにはどうすればいいのでしょう?例えば、今は前屈をする時間を短くする、あるいは前屈をするときはいつも膝を曲げるなどでしょうか。


ジュリー・グッドメスタッドは、私が頼りにしているヨガ解剖学と前屈の専門家です。ヨガジャーナルの解剖学コラムでは、「前屈は素晴らしくリラックスでき内省的なポーズである一方で、特に脚の裏側が硬い人には腰のストレスや怪我となり得ます」と彼女は書いています。


私自身の練習では、立位でも座位でもたっぷりと膝を曲げることが、私のしつこい腰痛をマットの上でも外でも和らげてくれています。再度デシカチャーの引用です。「前屈を強めようとして腕の筋肉を使うべきではない」


ここでもまた、前屈にどう体が反応するか実験してみましょう。前屈が良くないと感じるなら、数週間やめておくか、腰の健康や軽さに影響があるかを注意深く検討して、最も優しいものから少しずつ行なっていきましょう。前屈での腰の痛みや引かれる感覚は、ポーズを調整するか他のポーズをする時だという強い指標になります。また、呼吸が前屈でストレスを受けるようであれば、あなたの体がもう一度考えてみてちょうだいと伝えているのかもしれません、最後に、ヨガの先生にあなたの前屈を分析してもらうようにお願いすることが、あなたの腰を守り癒す洞察になるかもしれません。



5. マットの上でも外でも「養うように」動く


私のヨガの教え方や練習にとても影響を与えたもののひとつが、ケイティ・ボウマンが「養う動き(nutritious movement)」と呼ぶ概念です。生体力学者ボウマンは、健康や幸福への全体的アプローチの提唱者です。毎朝1時間ヨガをすることはとても良いことですが、その日の後の時間のためにどのように動くでしょうか?座りがちでしょうか、よく動く方でしょうか?マインドフルに動くのでしょうか、体や姿勢の悪い癖を強めるのでしょうか?ヨガは腰痛のたったひとつの解決法というわけではなく、パズルの1ピースのようなものだと考えるのがより現実的なアプローチだと私は思います。また、腰痛が再発したときのたったひとつの解決法というよりは、より広い心身の鍛錬の1ピースだと考えて練習のプレッシャーをやや緩めるといいように思います。マットの外で過ごす23時間をよりマインドフルに「養うように」動くと、マットの上でも痛みを感じることが少なくなります。



ヨガ哲学の「アヒムサ(非暴力)」を念頭において、私たちは、より大きな全体像の一部として腰痛を防ぐ方法を探ることができます。より高みにあるものの役に立つ力を与えてくれる癒しのヨガを作り上げるのです。ヨガクラスで腰痛を防ぐことで、これから何年間も続けれられる練習が確実にできます。



慢性の腰痛はありますか?
ここでヨガクラスで腰痛を防ぐ方法を見つけられたでしょうか?









(出典)https://yogainternational.com/article/view/5-tips-for-preventing-back-pain-in-yoga-class/

2024年1月30日火曜日

伝統的なヨガで筋肉のバランスが崩れる? Vol.2
Does Traditional Yoga Lead to Muscular Imbalance? - Part 2



前回は、ヨガにおける肩の健康に影響を与える解剖学的な隠れた不均衡を探りました。ヨガは完全な「バランスの良い」実践だと言われることが多いのですが、アサナの動きを分析するとそうでもないことがわかります。伝統的なヨガは、肩の「押す」筋肉を強化するにはとてもよい働きをしますが、反対のグループである肩の「引く」筋肉を強化することはありません。ヨガは無数の効果がある素晴らしい活動であることに違いはなく、ヨガの持つこの不均衡は決して欠陥ではありません。それはただ引くための対象を用いないマット上での実践であるというだけです。この押す・引くという動きの不均衡にが結果的にヨギたちの肩の機能的強さのバランスを崩し、長期的な怪我のリスクを高めることもあるのです。

 
幸いにも、ヨギがこの強さのアンバランスを直すために可能な効果的で創造的な方法はたくさんありますが、伝統的なヨガではない他の運動にも目を向ける必要があります。ヨガマットの上で行う押すポーズとのバランスを取るための引く動きを習慣的にやれば、肩に本当に機能的なバランスを取り戻すことができるでしょう。それではここで、ヨガで行う押す動きとのバランスをとるための方法をいくつかご紹介しましょう。




ブランケットを使ったサーフィン


これは私の好きな動きの一つです。とても効果的な肩を引くエクササイズで、ヨガの練習に取り入れやすいです。


ヨガブランケットをヨガマットのサイズくらいに折りたたみ、硬いフローリング(あるいはその他なめらかな面)に置きます。ブランケットの上にうつ伏せになり、手のひらを床に向けて腕を耳の横で前に伸ばします(腕以外の全身をブランケットに乗せて置きます)。息を吐きながら、両手を床にしっかりと置いたまま体を手の方向へ引きます。体とブランケットを前に滑らせながら、左右の肩甲骨を引き寄せましょう。動きの最後には、肘が曲がり両手は胸の横あたりにあるはずです(手首の可動域によって、胸よりも前後するかもしれません)。そこでまた腕を前に伸ばし、てのひらを床に根付かせて繰り返します。







プルヴォッターナサナ(上向きの板のポーズ)


ヨガでこのポーズを好きな人はほとんどいないことに気づいていましたか?これは実際に肩を引く筋肉を使う珍しいアサナだからです!そして、一般的に肩を引く筋肉は肩を押す筋肉よりもかなり弱いため、多くのヨギにとってこのポーズはとても難しいのです。プルヴォッターナサナは、厳密に言えば、自分の方に何かを引くわけではないので肩を引く動きではありませんが、引くための筋肉の一部に効果的です(全ての筋肉ではないにしても)。ヨガの指導者には、この素晴らしいポーズを飛ばすか、クラスに一度くらいしかやらない人が多いです。けれど、ヨガでかなりの肩を押すポーズをすることを考えると、プルヴォッターナサナはできるだけ行った方が良いのです!


まずは、ダンダーサナ(杖のポーズ)で、指を前に向けた手を腰の後ろ20センチあたりに置きます。息を吐きながら、両手両足を床に押して腰を空へと持ち上げます。そのまま5回呼吸してから、ゆっくりと腰を床まで下ろしましょう。




プルヴォッターナサナが辛いと感じるなら、代わりにリバース・テーブルを練習してみましょう。同じポーズですが、膝を曲げて踵を膝の真下に置きます。






レジスタンス・バンドでボート漕ぎをするダンダーサナ


私の解剖学の先生であるジェイソン・レイ・ブラウンは、数年前にヨガに押す・引くの不均衡があることに気づきました。創意に満ちた彼は、クラスにレジスタンスバンドを取り入れて、以下のような運動をシーケンスに入れることにしました。レジスタンスバンドという従来は使われていない補助具を必要とはしますが、どんなヨガクラスにも簡単に組み込むことができます。


ダンダーサナから始めます。レジスタンスバンドを足指の付け根にかけて、バンドの両端を手を持ちます。息を吐いて、肘が後ろの壁の方へ移動するようにバンドをまっすぐ引きます。息を吸って、ゆっくりと前に腕を戻しましょう。筋肉が疲れるまで何度も繰り返します。バンドの硬さによりますが、20ー50回ほどボート漕ぎをします。






ぶら下がりと懸垂


ぶら下がりは、ハンドスタンドなどの逆立ちに対するほぼ完全な補完と言えるでしょう。ハンドスタンドが、両手を地面に置いて行う垂直に押す動きである一方、ぶら下がりは、バーを掴んだ両手でハンドスタンドの逆をするようなものです(垂直に引く動き)。逆立ちを習慣的に練習していなくても、ぶら下がりはヨギにとって(そして体を持つ誰にとっても!)とても良い肩を引く動きであることに違いはありません。


もし、ほとんどの人と同様に、子供のころのジャングルジム以来ぶら下がったことがないのなら、いきなり完全にぶら下がらないことが重要です。肩というのは、体重全てを支えながらぶら下がる動きには適していません。まずは安全に懸命に、怪我をしないでぶら下がれるようになる必要があります。完全なぶら下がりで体重を支えられるほど肩の引く筋肉が強くなってから、何の補助もなく完全な懸垂がマスターできるよう練習してみましょう。




ロック・クライミング


ロック・クライミングは、ヨガの不均衡に対抗するすばらしい活動です。ヨガは、床から体を押して話す動きばかりですが、ロック・クライミングは、登っている岩肌に向かって体を引く動きだけで成り立っています。やったことがない場合、ロープやハーネス、特別な靴などについて知っておいて損はないでしょう。ほとんどのジムでは初心者クラスもあるので、すぐに基本が身に付くはずです。





これらは、肩を引く筋肉を強化するための数えきれないほどある選択肢のほんの一部でしかありません。いくつかを試してみて、ヨガの練習で慣れている押す動きとの違いに気づいてみましょう。多くの場合、体をさまざまな方法で動かせてみればみるほど、同じ動きを繰り返すよりも、ヨガの練習で得ようとしている本当のバランスと健康を養うことができることでしょう。