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2026年3月12日木曜日

休息、退避と復活のための
シンプルなリストラティブヨガ 
A Simple Restorative Sequence for Rest, Refuge, and Renewal

今日の記事は、自分でできるリストラティブなヨガのシーケンスです。


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自身を取り戻す


私が初めてヨガクラスに参加したのは、マンハッタン中心で社長室長として働いていた頃です。それは90年代初めで、まだカセットテープをどれくらい再生したのかがわかる古いタイプのテープ・カウンターがあって、ボタンを押すとカウンターの数字がゼロになりました。ヨガのクラスが終わるたび、私のカウンターがまるで「0000」にリセットされたように感じたものです。そのリセットとは、毎日積もっていく精神的な残り物を解き放つこと、目の前で起こる事件が何であれ距離を取ること、仕事で体の蓄積された緊張を和らげること、明晰さ、軽さを取り戻すことなどです。注意を動きに集中し呼吸を意識して感じることで、心がはっきりとそこに存在するのを感じ、また始める準備ができたのです。


今、体内のテープカウンターをリセットする能力がこれまで以上に必要となっています。私たちは、20年前のマンハッタン中心などよりとても速いスピードでずっと効率的に動く、どんどん加速する世界に住んでいます。ずっと続く終わりのない刹那の内容や、そのスピードとコミュニケーションの量は心をかき乱します。そしてそれは遅くなることも消えることもありません。


デバイスを通して世界と交流する日々の中を進むうちに、心と感覚の認識は物理的な世界から遠ざかっていきます。抽象化された現実に何時間もぶっ通しで過ごすことでバランスが崩れれば、心、神経、そして体の全てのシステムの機能に、どうなるかよくわかってもいない様な大きな犠牲を強いることになると私は考えています。


ですので、自身をリセットする、速度を落とすために時間を取る、自分自身を取り戻す、習慣的にストレスを解消することの重要性は、バランス感覚と調和の維持のためにより不可欠なものになってきています。それは私たちのウェルビーイングに極めて必要です。スクリーンの世界から距離をとるための時間を優先するのが必要なだけでなく、体とエネルギーが自身の存在と統合しているという感覚を取り戻すための信頼できる効果的な方法が必要です。


ヨガの実践はもちろん、自身を取り戻すために最も良い方法のひとつです。約1時間ほどはチャット、SMS、メールなどを遮断できる(願わくは)最後の砦です。よりパワフルなのは、ヨガの実践は、心のエネルギーを体、呼吸へ、有機的で物質的な存在である物理的な現実へと戻してくれます。自然な感覚的で本能的な性質を呼び起こします。心のよりどころを作り、感覚が休まる場所を与え、外向きの動きを少しの間休む機会を与えてくれます。明確さ、バランス、調和の感覚を取り戻します。心を体に向け、しばらくそこに居続ける価値はより貴重になっていくばかりです。


ほんのちょっと外の世界のとのつながりを断つことで、呼吸、気づき、精神的な存在という私たちが持っている最も力強く滋養の高い再生の源に実際につながる機会を作ることができます。活力を取り戻し、育まれ、支えられて、新しい日々と出会うのです。



アサナ・シーケンス:リストラティブな練習


アライメントに基づくプラクティスでは、リストラティブ・ヨガとは、プロップスを使うことで体が支えられて快適であり、リラクゼーションや穏やかさ、心の静けさを促進するヨガのことを指します。リストラティブなプラクティスの目的は能動的なストレッチや強化ではなく、副交感神経の弛緩反応を引き出すため、むしろ努力はせず安心感や解放感を高めることです。そのため、体は完全に支えられて快適な状態で、長い時間ポーズを保ちます。



技術的なポイント


• リストラティブな練習で最も重要なことは、心地よいことです。リラックスできるよう、プロップスの支えを調整したり変更したりしましょう。

• 快適に支えられたら、体をしっかりと解放しましょう。

• ポーズの全ての場面でマインドフルでありましょう。時間をかけて丁寧にプロップスを用意します。ポーズに入る時出る時はゆっくりと移行します。

• 呼吸と体の微かな感覚に集中して、意識を内側へ向けます。

• シンプルに呼吸を観察してもいいですし、役立つなら、深いレベルのリラクゼーションに入りながら精神に集中するための意識的な呼吸をしてもいいでしょう。




必要なプロップス:


- ボルスター 1
(または2-3枚の硬めのブランケット。ブランケットはボルスターのように重ね折ります)

- ヨガストラップ 1

- ブロック 1

- ブランケット 2〜3


始める前に時間をとって、この練習を自分への愛の贈り物だと意識的に捧げ受け取ります。再生のための時間と場所を作った感謝の気持ちで臨みます。心を開いて、しっかりとポーズを味わいましょう。




シーケンス


1. 安楽座で頭上で両手を組む(スカーサナでのバッダングリヤーサナ):5ー15秒経ったら、組み方を変えて繰り返します。

2. 安楽座で鷲のポーズの腕(スカーサナでのガルーダサナ・アーム):5ー15秒経ったら、組み方を変えて繰り返します。

3. 安楽座でのツイスト(パリヴリッタ・スカーサナ):5ー15秒経ったら、左右の向きを変えて5ー15秒。

4. 横たわった合蹠のポーズ(スプタ・バッダコナサナ):10ー15分間。

5. 支えられたシンプルな座位のツイスト(サーランバ・バーラドヴァージャサナ):右側で5ー7分間、それから左で5ー7分間。

6. 支えのある子どものポーズ(サーランバ・バラサナ):頭を右に向けて2ー3分間、そして左で2ー3分間。

7. 床、またはブランケットやボルスターの上の脚上げ(ヴィパリタ・カラニ):10ー15分間。

8. ボルスターやブロック、脚の周りのストラップなど支えのある橋のポーズ(サーランバ・セツ・バンダーサナ):5ー10分間。

9. 屍のポーズ(シャヴァサナ):5ー10分間。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/a-simple-restorative-sequence-for-rest-refuge-and-renewal/

2026年1月9日金曜日

ヨガと認知症 Vol.2 
Yoga and Dementia

前回からの続きです。

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認知症の方にヨガを指導する際の秘訣


SPECALの黄金律


1. 直接的な質問をしない


「認知症の方の対応でひとつだけ覚えておくとすれば、直接的な質問をしない、ということです」とペニーさんは言います。ヨガティーチャーもそうでない人も、「今朝はどうですか?」から「今、三角のポーズをしたいですか?」まで、情報を得ようとしたり、思いやりを示したり、関係性を築き始めようとして質問をします。けれど、認知症の人は質問されると、それに応えるために必要な事実情報がわからないことで、急に苦痛を感じてしまいます。


「その人のアルバムにある今日のページには多くの事実が欠けていて、そのため簡単な質問であっても答えるのが難しいのです。結局は、三角のポーズをしたいかどうかは、三角のポーズとは何なのかなどアルバムの中の事実情報に依存します。さらに複雑なのは、今した質問が保存されないことです」その場合、答えを待っているというあなたの期待した表情そのものもより深い混乱の原因となり得ます。「どちらにとってもあっという間に困難な日になってしまう可能性があります」ペニーさんはそう認めました。


しかしながら、認知症の生徒と会話するのは不可欠であるため、例えばあなたが言ったことをすぐに理解できる方法で普通に会話するとか、もし会話を始めたら相槌を打つなど他の方法を試しましょう。「まるで釣り人が擬似餌を変えるように」ペニーさんは勧めました。「魅力を感じたら魚は来ます」また彼女の「質問のない質問テクニック」を試すこともできます。例えば「今、三角のポーズをするのはいい感じかしら?」といった感じです。「多分」とか「・・かしら」とか、「・・するのもいいかも」など生徒を困らせない方法で参加を促しましょう。



2. 専門家(つまり認知症の生徒)の声を聞いて学ぶ


「生徒の声を聞いてそこから学ぶ必要があります。彼らが話し始めたらすぐ、自分は話すのをやめてその話や質問を聞けば、それは金の粒のようなもので、どんな言葉を使うべきなのか、彼らは何が知りたいのか、何を話したがっているのかなど、とても価値のあるヒントが得られます」ペニーさんは述べました。


また、認知症患者の介護者から、ペニーさんが言う「最高の出来事」を聞くことができるかもしれません。彼らが最も話したがる体験であり、彼らのアルバムの一番好きなページです。(もし介護者からは何も聞いたことがなければ、そうした記憶を質問のない質問テクニックで聞き出してみましょう)


こうした話をするときは、あなたの生徒は馴染みのあるしっかりとした土台の上にいます。あなたの生徒が不安そうだったり自信をなくしたように見えたとき、また彼らとただ繋がりを強くしたいと思ったときはいつでも、大好きな話の中でよく使うキーワードを言ってそのお話に導きましょう。






例えば、あなたが「ずっとインドに行きたいと思っています」と言ったら、インドに旅行した時の大好きな話しを急に始めるかもしれません。(しかし、『あなたが以前したインド旅行は楽しそうでしたね』など直接的な旅行の話には注意しましょう。あなたにその話をした事実は記憶していないかもしれず、どうして個人的な情報を知っているのか不思議に思って困ることになる可能性があります。『だれでも自分のことを知られすぎている感じたり、アルバムの中にあなたの情報が見つけられないと不安に思うものです!』ペニーさんは注意を促しました。)



3. 否定しない


認知症の生徒は、時々事実に反する内容を言うこともあります。ペニーさんによれば、それを正さない方がいいです。「『それは正しいか間違いか』という質問でなく、『誰のアルバムについて話しているか』です。話している時は自分のアルバム、自分の体験に基づいています。だから彼らが選んだ写真について議論しないでください。注意深く聞いてそこから始めます」


例えば今やったばかりなのに、生徒が「まだ肩回しをしていない」と言ったら、否定しないで彼女の言う通りまた肩回しをしましょう。


(もし、例えば『逆立ち(あるいは体の能力を超えたポーズ)をしましょう』などと生徒に不適切だったりかなり危険なことを提案されたら、彼らではなく自分自身の能力不足のせいにして一旦休憩を促すことをペニーさんは勧めました。「本心から、先に進む前に少し休憩しようと言うことに全く問題はありません。逆立ちをする提案などはきっと時系列的に記憶されていないことをふまえて、休憩のあとは全く新しい章が始められます。このように認知症患者の障害に前向きに対応しましょう」)





さらに・・


4. 複雑な言葉による指示ではなく、実演やジェスチャーを最大限に活用


私たち指導者が実演をするのは大抵はほんのちょっとだけで、多くを長く細かい指示を言葉で伝えます。「足指の付け根とかかとに向かって根付かせて、膝関節は2番目の足指先に向けて。今度は背骨を伸ばして頭頂へと持ち上げて。肩は後ろへ回します・・」いうように。


直近の事実情報の記憶がどんどん不確かになっていく困難認知症の生徒には、もっと単純な方法が必要です。たくさんの指示を与える代わりに、「足で下に押して」など動きを身振りで伝えながらできるだけ簡単なフレーズを使います。


可能なときはいつも実演し、連帯感を作るための視線を合わせることを優先し、ジェスチャーを使いましょう。「ジェスチャーは1000の言葉を伝えます」とペニーさんは言いました。
「ジェスチャーは気もちを伝え、それが新しい写真すべてに保存されますが、言葉は事実であり言った後からすぐに消えてしまいがちです」おそらく「胸を引き上げて」とか「頭頂へ持ち上げて」という意味の言葉の指示に代わるエネルギーにあふれたジェスチャーがあるでしょう。


もし、より細かいアライメントを整えなければ安全とはいえないポーズがあれば、そのポーズは省きましょう。



5. 良いニュースだけ伝える


あなたの認知症の生徒が通常通りに事実情報を記憶できないと感じたなら、否定的な情報を伝えれば落ち着いて見えても不安にさせるかもしれないことは理解できるでしょう。ペニーさんは例を挙げました。「あなたがクラスに遅れて、事故渋滞のために時間がかかったと説明します。まあ、認知症でない人は理解します。『ああ、渋滞ね、あなたが無事に来れてよかった』と思うでしょう。けれど認知症の人は事故のところだけ記憶して、後で不安が引き起こされて『誰が事故にあった?何があった?誰が?何をするべき?』と自問するかもしれません。これは良い写真ではありません。あなたが到着したら心から笑顔で『ああ着いてよかった!』とただ言って練習を始める方がずっといいのです」


あなたの生徒はやる気があるふりに気づくかもしれないので、状況の中で肯定的な面を見るようにするのが大切で、それが自然にあなたの感情に影響します。否定的なニュースや沈んだ感情で認知症の人を困らせないでください。「結局のところ、あなたが遅刻してひどい事故を見たとしても、無事に到着して生徒と会えたら嬉しいでしょう?」


悪いニュースを伝えないのは事実と違う話を作っていると思うかもしれませんが、ぺニーさんが言うには「彼らはもう一生分も悪いニュースを聞いてきたんです!」認知症であるためにすでに耐えている困難のことを忘れないでください。余計なストレスを避ける理由がわかるでしょう。あなたが見た自動車事故やニュースで見た大災害のことは話さないでください。クラスの間ずっと、今練習している部屋の中も外の広い世界も、全ては大丈夫だというサインを出してください。「『大丈夫』という信頼感は記憶されて説明のない不安よりもずっと役に立ちます」ペニーさんは確認しました。


6. 惜しみなく賞賛を送る


ヨガの間はずっと「これ上手ですね!」などと褒め言葉を散りばめましょう。2、3種類の褒め言葉があればより良いです。「完璧!すごい!最高!」


「認知症の診断は、生徒のウェルビーイングを左右します。記憶力の変化に直面しているという明白な兆候があり、それは不安に感じさせるものです」ペニーさんは言います。「自信が低いとき、認知症の人はアルバムの中を探るのが特に難しくなります。自信の低さが、認知症前のアルバムから役に立つ組み合わせを見つける能力が下がることに繋がります」あなたにはヨガティーチャーとして、生徒にうまくやっていると感じさせることで、彼らの自信や自尊心を引き上げる力があります。


ペニーさんが指摘したのは、良いニュースだけを伝えるのと同様に「親切にするのと上に立った態度をとるのとの間には小さな違いがあります」重要なのは本心からということ。信じられないほど困難な状況であなたの生徒はよくやっているということに気づき、何度も心から賞賛を与えてください。ペニーさんは言います「いつも筋の通った事実が記憶されるわけではありませんが、ずっと感情は記憶し続けていて、新しい事実の記憶が小さくなるにつれて感情のスペースが大きくなります。事実よりも感情により依存しているので、そのためあなたの不誠実さにはすぐ気づくのです」



7. 言葉とジェスチャーで生徒との関係を築く


ペニーさんは彼女の言うところの「私たち」関係を築くことを推奨しています。「あなたと生徒はここで一緒にいて、二人ともヨガクラブのメンバーだという印象を作ってください」この連帯感を、「私たち」「一緒にしましょう」などの言葉やフレーズを使って、そしてしっかり目を見て、彼らのジェスチャーやポーズを真似て、彼らの発言や提案に熱心に耳を傾けましょう。


もし生徒がポーズをしたがったら、ポーズをやめたいと思ったら、水を飲むために休みたがったら、賛成してください。「私もそう思っていたところです!」



8. 生徒を専門家として扱う


「ふさわしい話し方をする必要があります。彼らよりもいくらか能力が低いと考えてください。可能な限り、生徒をティーチャーだとしてください」ペニーさんは助言します。


自尊心を上げるために、生徒から受ける指示や確認は快く受け入れましょう。例えば、「三角のポーズはこんな感じかしら」と言ったらきっと「そう!」「その通り!」などコメントが帰ってくるでしょう。


「側から見たら誰が教えていて誰が教わっているのかわからないかもしれません」ペニーさんは言います。もしやろうとしているポーズを生徒がやろうとしなかったら、そんなときは、忘れましょう。彼女のやっている形を真似して、そのリードについて行きましょう。それもまた生徒の肯定感や二人の連帯感を築くのに役立つかもしれません。「そこから、その良い感情を踏み台にして、まるで独り言を言うかように変えることをさりげなく提案します」例えば、指示したり質問するのではなく、「それはいいポーズですね。肩をもうちょっと後ろに回したらどうなるかしら」と言えるかもしれません。


9. 異なる言葉、ジェスチャー、戦略を試して何がベストかを探る


会話や練習の間、いろいろ試して何に効果があって何にないかに気をつけましょう。会話を始めるのに良い天気の話は効果がない?あなたのお母さんや夫がヨガをしてくれたらいいのにという話は?会話は続きましたか?一歩下がるのは効果がありませんか?もう一方の足を前に出すとポーズに入れますか?生徒がシャヴァサナでじっとしていられませんか?肩に手をおいたら少しは長く休んでいられそうですか?質問をするのでなく、どんなときどんなことがうまくいってうまくいかないのかを観察してください。「できるだけ早く見つけられたら、最悪を最小限に最高を最大限にすることができます」ペニーさんは勧めます。


10. 生徒のウェルビーイングを高めるものは何でも喜んで繰り返すことを学ぶ


ヨガティーチャーは、新しいクラスを作ろうと大抵の場合は考えますが、認知症の生徒を教えるなら新しいものを考える重荷から解放されます。新しいポーズを教えるのではなく、よく知っているものを尊重します。


“One of the joys of working with individuals with dementia is that they will never tire of the repetition of what they enjoy,” assured Penny. The shoulder rolls they enjoy will delight them 「認知症の人に対応する際の喜びのひとつは、彼らが楽しんでいることを何度繰り返しても決して飽きないところです」楽しんでいる肩回しに何度でも何度でも大喜びします。ハッピーベイビーのポーズを「死んだ虫」と呼んで彼らが大笑いしたら、毎回大笑いします。生徒から肯定的なリアクションを引き出す言葉を見つけたら、繰り返し同じものを使い続けましょう。


11. 可能性を信じる


本当に効果があることは何かといえば、生徒の手を握ることです。手を握りましょう。好きなポーズがシャヴァサナだけだったら、ヨガクラスはそれに集中させましょう。もし生徒が本当にやりたいことは、お茶を飲みながら好きな話しすることなら、一緒にお茶を飲んで興味をもって喜んで話を聞きましょう。できる限り、ヨガクラスとは何かというあなたの概念を広げることになるにしても、彼らに寄り添いましょう。ペニーさんが言うように「SPECALのヨガは、SPECALを知らないひとにとっては『伝統的な』ヨガには見えないかもしれません。けれど、それは無駄なセッションというわけではありません。反対に、SPECALの基準で測れば、生徒のウェルビーイングを高めるものであるので成功なのです」


認知症の生徒とのヨガクラスの終わりには、新しいポーズも覚えていないし、膝とつま先の向きを合わせるのがうまくなりもしていないかもしれません。汗をかいたかどうか、最後のシャヴァサナでリラックスできたかどうかもわかりません。けれど、生徒の自己肯定感、自立性、社会的快適性、安心感に対して、価値のある貢献ができるはずです。「彼らの声を聞いて、『私たち』関係性の中で一緒に練習することを探ることで、持続的な方法で彼らの生活の質を高められるのです」ペニーさんはそう締めくくりました。「それが値段のつけられない非常に価値のあるもので、SPECALのすべてのケアが目指すところなのです」








2025年12月29日月曜日

ヨガと認知症 Vol.1 
Yoga and Dementia



現在アメリカ人の500万人がアルツハイマー病を患っており、高齢者の三分の一が亡くなる際にアルツハイマーなどの認知症にかかっています。近年、認知症は全体的に減少しましたが、アメリカの人口でこの障害に最もかかりやすい世代である90歳以上の数が最も急速に伸びているため、今後の罹患数は増えることが予想されます。


近年の研究では、ストレスを軽減し記憶機能を向上させるヨガの可能性が、老人ホームで暮らす人々の認知機能を改善することを示唆しています。瞑想とヨガを使ったある多面的プログラムでは、記憶機能をいくらか取り戻すことに成功しています。また、英国の小規模試験プログラムでは、認知症患者が優しいヨガを介護人と一緒に行うことで、より行いやすくまた参加者に受け入れられやすいことが分かりました。


ヨガの効果を考えれば、ヨガは認知症の家族や友人、患者に良いのではと考える人もいるでしょう。


「そうかもしれないし、そうでないかもしれません」と電話インタビューでペニー・ガーナー氏は言いました。ペニーさんは、英国バーフォードの中核的研究拠点にあるコンテンテッド・デメンシア・トラストの創設者であり医療ディレクターです。


この施設は、統合されて開発改良されたペニーさんの「SPECAL(スペックル)法」を用いており、現在ロンドンのキングスカレッジで科学的に研究されています。SPECALという頭字語が初めて使用されたのは約27年前で、ペニーさんがアルツハイマー病と関連する認知症のための特別な早期ケアを開発し始めたころです。ヨガが認知症患者に良いかもしれないしそうでないかもしれない、というペニーさんの言葉を理解するには、この手法の中核にある類似点をまず理解する必要があります。それは、「SPECALフォトアルバム」というものであり、通常の記憶がどのように機能しているかの概念、歳をとると何が起こるのかということ、そして認知症によって起こるある変化についてです。



SPECALフォトアルバム ー 記憶の象徴


この進行性の障害の、基本的に記憶システムに新しい出来事を保存する際の問題だというペニーさんの洞察は、1970年代にアルツハイマー病を患った母親の介護を通して得られました。「私たちは記憶システムを持って生まれます。それがフォトアルバムで、体験したものは全て写真として自身のアルバムに無意識に保存されます。このアルバムは、私たちの基準点であり大切な資産です。今何をしていたかが全て保存され続け、事実やそれに関する感情が含まれます。「ええっと」という度に、私たちは「アルバムを見てみよう」としているのだとペニーさんは説明しました。


「いつも自身のアルバムを参照して、光速でこの簡単に繋がれるデータベースから情報を取り出して、今何を、誰と、どこで、いつ、なぜしているのかの意味を理解するのです。そうやって今ここで何が起きているかのスピードについて行っている訳です。歳をとると、アルバムの写真を無意識に取り出したり保管するプロセスは変わりませんが、必要な時にアクセスする速さが遅くなります。遅くなることは普通のことで認知症とは関係がありません」そうペニーさんは指摘しました。「しかし認知症患者には、新しいタイプの写真が現れるのです。この新しい写真は、日常生活で今起きたことに関係のある現実は含まれないのですが、それに関連する感情だけは感じます。この認知症に関連した写真を『ブランク』と呼んでいます。まず、ブランクは現実の情報が途切れたほんの数秒に現れますが、ランダムで散発的に、そしてより頻繁にブランクが起こるようになり、やがて認知症と診断され、アルバムの半分が感情だけの写真となり、ブランクの長いリボンとなっていきます」


認知症患者は理性を失っているわけでもなく、少し前の現実を判断する能力を失っているわけでもないと、ペニーさんは強調しました。「アルバムのずっと昔のページは、現実もその時の感情もとても理性的に開くことができて、今日見たことをちゃんと説明することができます」


SPECAL法は、この対処手法でプラスに効果を出すことを探っています。その人にとってどの古い写真が最も卓に立つのかに注目し、そうした古い写真と毎日の日課との間に有用なリンクを作るのです。SPECALが尊重するのは、その人の過去の活動や体験を試すことであり、新しい活動には挑戦しません。「私たちのモットーのひとつは『新しいことは何も無い!』」だとペニーさんは言います。「新しい活動をするには順序立った新しい現実が必要ですが、認知症患者の新しい現実の保存機能はどんどん損なわれて行くことがわかっています」


何か新しいことを日課に取り入れると、自分のアルバムに役立つものをあまり見つけられないことの多い認知症患者は、自問して不安になってしまう傾向があります。「答えのない自問は疲弊しますし恐怖です」認知症の人は苦痛が起こる前にこう感じているのだろうとペニーさんは述べました。「ええっと、自分のアルバムを見てみよう、確かめなきゃ、私はどこにいる?どれくらいここにいる?どうやってここに来た?おやまあ、今していることの情報があまりない、本当に不安になってしまう、知ってるはずだけど・・?」






「鳩の群れに猫を投げ入れるようなことはしていないと願います」ペニーさんは続けました。「けれど、認知症患者が初めてヨガをしようとしたら、ヨガクラスですることは彼らのアルバムに筋が通るものは何一つないのです。今日の現実という情報のいくつかは今日のページにばらばらの順番で保存されます。認知症が進行するに従ってそれも少なくなっていきます。そして、少し時間が経って確認しても意味が通らなくなってしまいます。今の体験の内容が明確とは程遠いものになるのです」


「認知症にもかかわらずヨガの体験を楽しめる人を見つけることはできないという意味ではありません。けれど、ヨガをしたいという気持ちは、認知症患者自身から出てこなければなりません。楽しめたかどうかがはっきりとわかっていなくても、ヨガをした後も『あれをもっとやりたいからあの場所に戻りたい』と言うようであるべきです。患者からしか知ることができないこと、つまり患者と患者が記憶している感情に導かれない限り、うまく行うためにはあるべきでない余計なプレッシャーを与えてしまうことになります」


ヨガに効果がると介護人が確信していたら?「そうですね、ヨガをすべきなのは介護人のほうでしょう。けれどヨガは、認知症になる前にヨガをしていた人にとってはとても良い考えかもしれません。つまり、ヨガの写真がすでにアルバムに入っていたら、認知症以前の場所にあるものを参照することができるからです」


当初ベビーブーマー世代のアメリカ人に広く行われていたヨガは、それ以降ますます人気となり認知症になる可能性のある人の写真アルバムの大切な部分となっているかもしれません。ペニーさんによれば、そうした生徒たちにとって、特にウェルビーイングを高める技術に精通している指導者や仲間がいれば、人生を通してヨガを練習することには価値があるでしょう。



認知症の生徒のためのヨガへのアプローチ


もし長期間ヨガを実践してきた認知症の人から、もう一度練習をしたいと言われたらどこから始めればいいでしょう?


最初のステップは目標を明らかにすることです。「認知症を克服するという目標はありえません」ペニーさんは助言しました。「認知症はすでにそこにあります。それよりも、どのように寄り添えるかです。何がプラスで何がマイナスか。私たちの目標は、彼らの状況にかかわらず、生涯を通して24時間週7日間ウェルビーイングを維持することです。そしてそれは可能です」


SPECAL法が目指すところは、オリバー・ジェームズ氏によって Contented Dementia という本の中でより明らかにされていますが、ペニーさんが考えているウェルビーイングの要素、すなわち全ての人間に不可欠であり認知症患者の介護者がとても注意深く認識する必要があることを養うことです。価値があるという感覚(自己肯定感)、自立性(決断能力とそれが行われるのを目撃する)、社会的快適性(他者とのつながり)、そして安心感(基本的に全ては大丈夫だという信頼感)です。


「これらウェルビーイングの4要素がきっちりとあるべき場所にあれば、人は自信を持つことができます。その自信によって最大の能力が引き出されます」とペニーさんは述べました。(注:この4要素は、患者中心の認知症ケア分野の先駆者であるトム・キットウッドさんとの1990年代初期に行われた対話に基づいています)


以下のSPECAL法にから得られる助言は、認知症患者個人や患者グループに対応するヨガインストラクターに対応するためのものです。ペニーさんは、全参加者がSPECALの方針に馴染みがあるのでなければ、認知症患者が通常のグループに参加すること、またその生徒のために作った練習に介護者が参加することもお勧めはできないと言います。


というのは、認知症はさまざまな身体的要求を伴い、アプローチよりも内容が懸念されるからです。身体的に兼好でハタヨガの立位ポーズをたくさんすることができる人もいるでしょう。また運動により制限があったり空間的関係性に困難がある人もいるでしょう。そうした人にはリストラティブヨガやチェアヨガの方が良いかもしれません。以下の8番で説明しているように、「ヨガ」という概念を広げるような、認知症患者らの提案に敏感にオープンでありながら、彼らの能力を尊重した練習を作り、彼らが導いていくようにすることが重要です。


ペニーさんは、SPECALの基本原理である(以下の)3つの黄金律は、直感に反したものかもしれないと認めています。彼女の言うように「『根底を覆せと言われている!』と思うかもしれません。しかし、私たちには認知症患者の言葉を学ぶ必要があります。その人を変えようというわけではありません。彼らとどう関わるかを変えることができ、それこそが私たちが人のためにただすべきことです」



認知症患者に対応できるヨガティーチャーとは?


ペニーさんによれば、より高度なヨガの訓練を受ける必要はありませんが、SPACAL写真アルバムや3つの黄金律、以下のコツなどに精通した人であり、Contented Dementia Trust などによるコースを使ってSPECAL基本原理の理解をより深めた人が適していると言えるでしょう。また、認知症患者とのさまざまな交流のなかでその理解を練習に活かしていける経験を持つ必要もあります。



「SPECALのアプローチを基本理念を理解するには、ヨガの範疇外で開発し実践する必要があります。そうすることでのみ、ヨガティーチャーはそうした基本原理を、長期間慣れ親しんだヨガの練習を続けたいと思っている認知症患者に、最もうまく適用する方法を考慮できるのです」



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次回に続きます

2025年9月13日土曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.1 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis


今回は、骨関節炎を患った著者の記事です。
痛みや腫れの緩和法やヨガポーズについて書かれています。
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振り返れば、あの腕の痛みを感じたのはラッキーだったと実感します。それはゆっくりではありましたが、最初の一年で容赦なく段々とひどくなっていき、とうとう水の入ったコップを持ち上げることもできなくなって病院へ行きました。検査をした医師は、同じ位置で繰り返し行う癖が原因で筋肉が緊張し続けてしまい、痙攣を起こしているのだと言いました。医師の説明では、筋肉が痙攣するのは普通の動きが摩擦となって関節が過度に摩耗してしまうとのことでした。そして今起こっていることは、骨関節炎の初期だと私に伝えたのです。



関節炎とは文字通り関節の炎症です。それにはさまざまなタイプがあります。私が直面している骨関節炎は摩耗する種類です。これまでのところ最もよくあるタイプの関節炎で、多くの場合は老化の自然な一部だと考えられています。アメリカの高齢者の85%が骨関節炎を患っています。大抵は、健診や患者情報で見つかったり、レントゲンで関節内の影、骨の劣化やカルシウムの堆積が見られて診断されることが多いです。骨に影響がある一方で、多くの場合は骨関節炎は筋肉から起こり始めます。


私たちの体が動けるのは、筋肉が収縮・弛緩して関節が屈曲・伸展するからです。この同じ収縮・弛緩が血流を作って関節機能の健康を維持します。弛緩するたびに、筋肉代謝に不可欠な栄養たっぷりの新鮮な血流が細胞に運ばれます。収縮のたびに、筋肉細胞から古い血液が押し出されて、細胞代謝の老廃物を取り除きます。筋肉が痙攣すると血流が減ってこうした老廃物が細胞内にとどまります。血流不足とその結果の毒素の蓄積こそが炎症を引き起こし、それが骨関節炎へとつながるのです。



よりはっきりした骨関節炎の兆しが現れると、筋肉の痙攣によって関節内が狭まって滑らかな軟骨に圧力がかかり、それが骨の末端を覆います。筋肉の痙攣と合わさって、関節が腫れて硬直、動きが制限され、この状況が改善されなければストレスと摩擦により滑らかだった軟骨がでこぼこになります。そして、その部分を強化しようとして、体はでこぼこ部分で脆くなった骨にカルシウムを溜めていきます。そうするうちに関節内は絶えず狭まって、続く摩擦で痛みが強くなり、関節の劣化によってより痛みが増します。長期の関節炎は、やがて関節の変形を引き起こし、永久的に動かせなくなります。ついには、我慢できない痛みが何年も続いた後、外科手術(骨の融合か関節のリプレイス)だけが痛みのない生活へ戻る最後の望みとなるかもしれません。



けれど、必ずしもそうなるというわけではありません。私の場合、私の骨関節炎は早期発見できたため治る可能性があると医師に伝えられ安心しました。そして、すぐに次の方法を始めるよう勧められました。筋肉の痙攣の原因となる習慣的な繰り返す動きや位置を見つけて止めること、腕や肩の筋肉をリラックスさせるため優しいストレッチをして血流を増やすこと、腫れと痛みを緩和するため抗炎症剤を2週間飲むこと。以前したヨガのケガで、やさしいストレッチも抗炎症剤のどちらもが、血流を増やして腫れを緩和し治癒を促すことがわかっていました。ですから、医師の3つの推奨と問題の原因を見つけて取り去ることが、私の1番の目的となりました。



シャーロック・ホームズの気持ちを着込んで、自分の毎日の日課や癖を入念に調べました。原因となる癖になっていた動きは小さく無意識で、とても普通だったので、見つけるまで時間がかかりました。けれどある日、電話をしている間、片方の腕でもう一方の腕を支えていることに気づきました。指を上に向けたまま手首をしっかりと曲げて、もう一方の肘を支えていたのです。また、この同じ姿勢でいろんな動作をしていることにも気付きました。そうして長い間手首を強く曲げた状態で1日を過ごしていること、これが犯人だと気づいたのです。



この繰り返す動きをただ止めれば原因を取り除くことができて、そのうち炎症も痛みも少なくなるとわかっていました。が、時間をかけずに早く治したかったので、体の治癒プロセスを強化する概念やテクニックを取り入れて、ホリスティックなアプローチをすることにしました。そうした結果、とてもよい結果を得ました。もし痛みがあったり、すでに骨関節炎だと診断されているのなら、こうした方法が役に立つことを願っています。





骨関節炎を緩和するコツ


自然の抗炎症剤で、腫れや痛みが緩和します。
プリムローズやサーモンオイルの錠剤、生の生姜やにんにくを食べるかカプセルで飲む、エキナセア、ゴールデンシール、レッドクローバー、ナツシロギク、ユッカなど。ターメリックやシナモン、生姜など抗炎症効果があり血流を促すスパイスを料理にふんだんに使う。



温めたゴマ油で辛い部分をマッサージします。特に関節の痛みを和らげてくれます。
お風呂に入る前に体にオイルを擦りこんでみましょう。そして睡眠中に関節に染み込んでいくように寝る前に少しオイルをつけます。温めたごま油やひまし油で10-20分パックすることでも、痛みを和らげるオイルが関節に染み込みやすくなります。


毎日食べるもの全てが、骨関節炎の状態に影響します。私たちの体は、健康を取り戻し維持するため定期的な水分補給が必要です。少なくともコップ8杯の水(できれば蒸留水)とジュースやハーブティを。私たちの体は、3-5人分の新鮮な果物(柑橘やトマトは避けましょう)、少なくとも3人分の生野菜(ピーマン、じゃがいも、ナス以外)が必要となります。毎日のカロリー摂取の40-55%を、体のエネルギーレベルを維持してくれる全粒の穀物で摂りましょう。特に重要な食べ物は、卵や玉ねぎ、アスパラガス、緑の葉野菜、玄米、魚などです。コーヒーなどのカフェイン、赤身の肉、砂糖を使用したもの、塩、コーラ類、漂白した小麦粉、タバコ、唐辛子、パプリカ、ジャンクフードは避けましょう。



サプリメントで治癒を早められる可能性もあります。コエンザイムQ10は、組織に送り込む酸素を増やし結合組織の修復に重要です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の組み合わせで、軟骨の再生に役立つ可能性もあります。



ビタミンのサプリメントもまた役立ちます。亜鉛とビタミンC、バイオフラボノイドは治癒を促し、炎症を制御、腫れを緩和します。ビタミンEは強い抗酸化物質で関節の動きを助けます。ビタミンBは治癒を助けます。鉄の入っていないビタミンのサプリメントを摂り、酵素やブロッコリ、芽キャベツやカリフラワー、魚、ライ豆、えんどう豆などを摂りましょう。



筋肉の痙攣の原因となっているであろう無意識で繰り返す動きや位置を、探偵のように探し出しましょう。体をどう使っているかを意識し、筋肉のあるグループをその反対のグループを犠牲にして、いつどこで使っているのかを特定しましょう。



血流は筋肉や関節の健康に不可欠です。数時間おきに症状のある関節を最大可動域の2割程度で回して血流を増やしましょう。こうした動きは小さすぎて効果がないように思うかもしれませんが、実際は強力な治癒力となります。



優しいストレッチは血流を増やし、疲れや筋肉にいつもある緊張を緩和します。また、長期間の筋肉痙攣の結果に失われた通常の可動域を取り戻します。覚えていてほしいのは、ストレッチの際に関節に負荷をかけすぎないこと、痛みを感じないことです。


ヨガポーズを練習しましょう。以下のポーズは、手や背骨、股関節の骨関節炎に対処するための一例です。こうした緩和したポーズは、関節の制限をやさしく取り除き、可動域を最大まで戻します。時間をかけて、優しいけれど根気よく、呼吸をしながら行いましょう。






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ポーズの練習法は、次回にご紹介します。







2025年8月29日金曜日

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.2 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


キルタン・クリヤの実践法


キルタン・クリヤは何千年も実践されてきた12分間の歌うエクササイズです。呼吸、歌やチャンティング、指の動き(ムードラ)、心に思い浮かべるなどいくつかの動きが組み合わされています。ですので、多面性のある多感覚のエクササイズで、脳全体を使って脳内血流を増加します。


姿勢:椅子に心地よく座り、両足をぴったりと床につける
または、足を組んで床に座っても良いですが、高齢者は床に座りたがらないかもしれません。重要なのは心地よいこと、背骨が自然な湾曲のみを残してまっすぐにして座ることです。

両目:目は閉じます

チャントやマントラ:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」の音を使います。続けて言うと古代の言葉で「真我」あるいは「最高の自己」という意味になります。
メロディーは、みんなよく知っている「メリーさんの羊」の最初の4音で歌います。つまり「メーリさんの♪」までです。

指の動き、ムードラ:親指で他の指に順番に触れます。両手で同時に同じ形を作ります。
• 「さぁ」の時は、親指と人差し指をつけます
• 「たぁ」の時は、親指と中指をつけます
• 「なぁ」の時は、親指と薬指をつけます
• 「まぁ」の時は、親指と小指をつけます
常に人差し指から始めて、中指、薬指、小指と続けて逆行しません。





心に思い浮かべる:エネルギーが頭上から頭頂の中心に降りてきてくるのを思い浮かべます。そして、頭の中に真っ直ぐおりたら、方向が垂直に変わって眉間の鼻のちょうど上の一点(いわゆる第3の目)へと進むのをイメージします。つまり、エネルギーはL字にたどっていくのを思い浮かべるのです。まるでほうきのようにすうっと流れるのをイメージできるかもしれません。




順序:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」と歌いながら、両手の指でそれぞれムードラを作りましょう。同時に、その音が頭頂から流れてL字に額の中心から出ていくのを思い浮かべます。

1. 2分間、声を出して歌います

2. 次の2分間、ささやき声で歌います

3. 次の4分間、心の中で歌います

4. そしてささやき声で2分間、声を出して2分間、合計12分間歌いましょう

エクササイズを終えるには、とても深く息を吸って、両手を頭の上に伸ばし、弧を描くようにゆっくりとおろしながら息を吐きます。




脳全体を活性化


ヨギ・バジャンによるクンダリニ・ヨガの伝統では、キルタン・クリヤが持つ効果にはいくつかのメカニズムがあります。キルタン・クリヤのチャンティングで舌を使うことは、口蓋の84のツボを一定の順序と組み合わせで刺激し、視床下部や松果体、脳そのものに信号を送っていると考えられています。また、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなど脳の重要な化学物質が増加することで脳のシナプスを若返らせる可能性もあります。


また、指先や唇、舌にある密集した神経末端は、脳の運動野、感覚野での高レベルの表現に関連しています。ですから、音を組み合わせて指先を使うと、脳の特定の部分が活性化します。私たちの最新の発表では、キルタン・クリヤの各面で脳の異なる部分が刺激されていることがわかりました。キルタン・クリヤで思い描くことがどのような効果をもたらすのかが謎でした。今では、この思い浮かべるテクニックで、身体的レベルでもより大きな面においても、脳の後頭葉が実際に活性化していることがわかっています。そしてまた、目的を持つことがアルツハイマー病予防効果を持つことも示されてきているのです。



(出典)www.alzheimersprevention.org

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.1 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


アルツハイマー病と予防財団(Alzheimer’s Research and Prevention Foundation (ARPF))が発表した白書からの抜粋です。
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アルツハイマー病予防の4つの柱


これまでのところ、アルツハイマー病に効果のある薬を発見するのは困難だと考えられています。そのため、ARPFの予防プログラムにある4つの柱が極めて重要となります。

4つの柱とは以下の4つで、それぞれが認知機能低下のリスクを下げるとされています。

(1)野菜中心の地中海ダイエット
(2)ストレスの管理、特にヨガや瞑想
(3)心身のエクササイズ
(4)精神的な健康


ここでは、「キルタン・クリヤ」という手法に注目していきます。



アルツハイマー病予防の新しい側面


我々のヨガ瞑想は、アルツハイマー病予防として素晴らしく「キルタン・クリヤ」という歌うエクササイズ、シンプルな12分間のヨガ瞑想は以下のような効果を持ちます。

• 記憶障害を逆転させる
• エネルギーレベルを上げる
• 睡眠の質を向上する
• 有益な遺伝子を上方調整する
• 炎症性の遺伝子を下方調整する
• 患者と介護者のストレスを軽減する
• 心理的、精神的な幸福感を向上する
• 脳の構造上重要な部分を活性化する
• 細胞老化を遅らせる若返り酵素であるテロメラーゼを43%増加させる(これまでの記録では最大)
• 副作用がなく費用もかからない




キルタン・クリヤで脳内血流が改善


キルタン・クリヤの正式な研究は2003年に始まりました。
当時、私たちはキルタン・クリヤの脳への影響を調べるため、脳のスキャン研究の準備をしました。


左:実践前、 右:実践後


上図はキルタン・クリヤの前後の脳画像です。左の脳は、容量が小さく上部に凹みがあるのが見えるでしょうか。この凹みは血流不足を意味します。健康な脳の画像とは言えません。ご覧の通り、実践後の画像の脳は左右対称で若々しく、エネルギーや血液が左右対称に流れています(血流増加は、脳内の関係性がより強いことを意味し、新しい脳細胞生産の可能性があります)。これは健康な脳です。


下の画像は、後帯状回(PCG)で、エピソード記憶検索に重要な構造です。PCGはアルツハイマー病が進行するなかで最初に機能低下が起こる場所です。キルタン・クリヤによってPCGへの血流が促されていること、それがリスク低下という議論では非常に重要な要素なのです。





研究によって、脳の改善、脳細胞間の連結の向上、そして新しい脳細胞の成長さえも可能であると示されてきました(神経可塑性、神経細胞形成)。では、キルタン・クリヤを毎日行えば、アルツハイマー病になるリスクは劇的に減らせるのでしょうか?


ヨガや瞑想は、精巧な身体運動や精神的刺激ですので、こうした効果を持つと考えるのは疑いなく無理なことではありません。


また、アルツハイマー病のリスクとその進行の速さの両方に、脳血流減少との関係があるという堅固なエビデンスがあります。






記憶障害を改善


次の研究群は、ペンシルベニア医科大学で行われました。
まずは、コントロールグループと比較し、8週間後の被験者に記憶障害の改善が見られました。この結果は2010年のアルツハイマー病ジャーナルで発表されています。
下のスキャン画像では、劇的な向上が見られます。


プログラム前後における前頭葉の変化
(実践前:左図および上図、実践後:右図および下図)



患者が初めてキルタンクリヤを行った時と比較して、8週間後には前頭葉の矢印部分の活動に大きな増加があり、注意力や集中力などに著しい向上がありました。

他に著しい変化が見られたのが前帯状回(ACG)で、ストレスのバランスをとるのに重要な脳の部分です。

このスキャンで前頭葉の強化が見られた部分は、前頭葉前野皮質(PFC)です。こうした向上は早期の記憶障害、または軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー病への進行をくいとめる効果が期待されます。





気分や幸福感を高める


私たちの研究では、キルタン・クリヤの実践をした被験者において、以下のプラスの結果が見られました。

• 鬱の減少:鬱スケールにおいて65%の被験者に向上が見られた。鬱は認知機能低下のリスク要因の可能性があります。

• また、私たちの公表した研究では、気分やエネルギー、精神的な幸福感の上昇が示されました。

他の瞑想や精神的な幸福感の研究では、大幅なトレーニングと長い瞑想時間が必要としているため、これはとても重要と言えます。私たちの研究では、毎日たった12分間のキルタン・クリヤをするだけでよいからです。





脳や身体、遺伝子にアンチ・エイジングの効果


以上の研究だけでなく、キルタン・クリヤを長期間実践すれば、脳への深いアンチ・エイジング効果があるという研究もあります。



ストレス軽減、テロメラーゼ増加、鬱の軽減


ARPFはまた、UCLAにて認知症の家族の世話でストレスを抱えている39人を対象に、リラクゼーションのテープを使った12週間のキルタン・クリヤの効果において、コントロール・グループとの比較研究を終了しています。この研究の革新的な結果は以下のグラフで見て取れます。





私たちの研究では、キルタン・クリヤは以下の効果があると示されています。

• 記憶力を改善
• 炎症を軽減
• ストレスレベルを下げる
• 心理的、精神的な幸福感が深まる
• 鬱を軽減
• エネルギーを増加
• テロメラーゼを活性化

テロメラーゼの活動を劇的に増加


キルタン・クリヤを実践した被験者でみられたテロメラーゼの43%増加幅は、どの研究と比較しても最大でした。テロメラーゼが短いことは、アルツハイマー病(および寿命の短さ)と関連があります。





炎症性遺伝子を下方制御


キルタン・クリヤの12週間の実践後の被験者において、疾病の原因となる炎症遺伝子の下方制御、炎症誘発性核因子(NF)-kB の活動減少が見られました。慢性の炎症というのは、アルツハイマー病やその他の認知症、また記憶障害のリスク因子である循環器病など主な疾病でよく見られます。

19の健康促進遺伝子を上方調整


この有益な上方調整効果には、免疫グロブリン関係の転写が含まれ、それによって免疫機能が強化され、病気と戦う天然型インターフェロンが活性化されます。

この研究は、ライフスタイルで悪い遺伝子を打ち負かすことが可能だと私たちに伝えています。これは「エピジェネチックス、後成的遺伝学」と呼ばれています。「エピ」とは外部の意味で、ライフスタイルによって「悪い遺伝子」を書き換えることができ、つまりあなたのDNAに囚われているわけでないという事実を指摘しています。ライフスタイルで遺伝的な傾向を阻止することが可能なのです。



キルタン・クリヤによるストレス軽減が非常に重要


研究によれば、認知機能低下は急性・慢性両方のストレスによって引き起こされ、その結果、海馬の脳細胞を死滅するホルモンであるコルチゾールのレベルが上昇します。これまで見てきた通り、キルタン・クリヤはストレスを軽減しコルチゾールレベルを下げます。

認知機能低下においてあまり評価されていない原因のひとつは、「幼少期有害体験」とも言われる幼少期のストレスであり、中年期の記憶障害や不安症、鬱を増加させることがわかってきています。


極めて重要な神経伝達物質や脳内化学物質を補う


シナプスでの神経伝達機能の減少は、アルツハイマー病の特徴です。ヨガや瞑想、キルタン・クリヤは、明らかに神経伝達物質を自然に強化する方法であり、私たちの研究で見られた良い結果の多くで重要な役割を担っています。



睡眠を改善


睡眠障害はアルツハイマー病の危険因子です。キルタン・クリヤで、より深くより良質な眠りに入りやすくなります。





心理的、精神的な健康を高める


キルタン・クリヤは、精神的、心理的に健康な状態を促進し、それによって脳が健康になります。精神的に健康な状態とは、自立、個人の成長、良好な人間関係、人生の目的、などより良い質の生活に関係しています。



目的を明確にする


人生に目的を持つことは、アルツハイマー病予防につながります。瞑想者は、よりはっきりとした目的、そして心理的、精神的な健康という局面を喜んで探します。



精神的な健康が重要なわけ


精神的な健康は、心の平穏を得るための4つの特徴を持っています。

1.忍耐力は、習慣的なヨガや瞑想を根気強く実践することに繋がり、それによって個人の能力を養うことができます。忍耐力を養えば、自身が「流れ」の中にいて自身を世界に委ねることができるようになり、スピードを落としてより人生を楽しむことができます。

2.受容は、自己認知と自己賛美をもたらします。また、寛容さをももたらし、自身や他人の失敗を目にしながらも、そうした失敗の向こう側を見てそのままを受け入れることができます。これが許しにつながって、脳や免疫、細胞機能に毒となる怒りを解き放ちます。また、精神的な気付きをより高い状態へと引き上げます。

3. 哀れみは思いやりをもたらし、それが共感へとつながって、健康的な感情やコミュニケーションを促します。哀れみはまた、明確さや責任感、恐れることなく自身でいる勇気を養い、精神的な成長の次の段階である「身を委ねる」ための道筋となります。

4.身を委ねる:「ストレッチに身を委ねましょう」とヨガの練習で言われます。この場合、身を委ねているストレッチは私たちの魂であり精神です。自身の魂に身を委ねた時、自分への報酬など考えることなく、他者の役に立つため犠牲になれる強さを得ます。これはヨガでは「セーヴァ」といい、真の幸福と静穏をもたらします。静穏は心の平穏と、「それ(神)」はどこにでもあるという普遍の愛の感覚を与えてくれます。これは、脳寿命に究極に重要であり、多くの人が「悟り」と呼ぶものです。精神的な健康は、つまりは、命の最も純粋な局面であり、多くの場合初めて、心の平穏を見つけさせてくれるものなのです。






2025年5月8日木曜日

アーユルヴェーダのスーパーフード:ギーの持つ消化や免疫などの効能 
The Ayurvedic Superfood: Ghee Benefits for Digestion, Immunity, and Beyond


アーユルヴェーダの文献には、精製したギーバターは1000以上もの治療的性質を持つと言われてきました。それを受けてインドでスーパーフードと考えられてきたギーは、今や最新の研究に基づいたスーパーフードです。ギーは酪酸の最も豊かな食料源で、牧草で育てられたギーバターには、穀物で育てられたものに比べて健康的な代謝を向上させることで最もよく知られる共役リノール酸(必須脂肪酸であるリノール酸の異性体の混合物)が5倍多く含まれています。



ペンタデカン酸C15とは何か、どのようにギーの健康効果を高めるのか


精製ギーを称賛する理由がまたひとつ新しい研究で示唆されました。ペンタデカン酸C15です。近年、この奇数鎖脂肪酸の健康効果が見つかってきています。主として牛や数種の魚など反芻する動物の腸内で作られるこの脂肪酸は、その量がとても少ないためあまり注意を向けられてきませんでした。この脂肪酸はギーの中にも見つかっています。今日では、ペンタデカン酸の効能について言及する研究が数多く存在し、ほんの少量で長期にわたる健康や長寿の効果が得られることを示唆しています。




ペンタデカン酸C15によるギーの効能


この奇数鎖飽和脂肪酸の効能は、ペンタデカン酸C15という名前の通り、炭素の数(15)にあると考えられています。効能は以下の通りです。

  • 免疫を高める
  • 心臓の健康をサポートする
  • 肝機能をサポートする
  • 健康的な血糖値をサポートする
  • 赤血球を強化する
  • 代謝や脂質をサポートする
  • 細胞の健康的な老化をサポートする


対照的に、偶数鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸C16は、炎症や血糖値、心臓の疾患などの原因となります。その鍵は、脂肪酸鎖の中の炭素数にあり、ペンタデカン酸C15はほんの少量でも生物学的に活性しているという事実にあります。


アーユルヴェーダには「微細であればあるほどより力強い」という古いことわざがあります。体内の数え切れない機能を調整している腸内のバクテリアは目に見えません。渡り鳥の移動や季節を司る昼夜のサーカディアンリズムもまた目に見えません。ですから、最も効果のある脂肪酸のひとつがほんの少量で癒しの効果があることは驚くことではないのです。



C15の効能を裏付ける研究


体が老化するプロセスのひとつとして、AMPKと呼ばれる酵素が減少しますが、これが減少するとエネルギーレベルが下がり始めます。AMPKは、私たちの細胞内にあるエネルギーを作るミトコンドリアにグルコースを届けています。ペンタデカン酸は、AMPKを刺激してミトコンドリアへグルコースを提供するのを促し、細胞エネルギーの生産を増加させたりレベルを高めたります。


その他の研究でも、奇数鎖脂肪酸(ペンタデカン酸C15など)の高い人に比べて値が低い人は、死亡率が高く全体的に不健康であることを示されています。健康的な血中の鉄分レベル、血糖、コレステロール、正しい炎症反応に加えて、ミトコンドリアのエネルギー生産の回復や機能的なAMPKプロセスをもサポートします。


また、C15は生物学的に活性である代謝物を作るために体内で使われます。代謝物のひとつがペンタデカノイルカルニチンで、CB1やCB2受容体を活性化するとされますが、気分や睡眠、健康的な免疫反応、痛みのレベルなどを調整します。研究では、このC15由来の代謝物はまた、体内のストレス軽減受容体を活性化することでストレスを和らげることが示されています。また、この代謝物にはヒスタミン受容体を抑制する能力があり、季節性の刺激物への(アレルギー)反応が健康的であるようサポートします。



ギー・バターは健康に役立つ?






最後に、C15と魚油(EPA)を比較した研究では、C15の方が安全であり、より広い効果もあることがわかりました。また、かなり少ない量でも効果が見られました。気分の栄養によるサポート、不健康な細胞や望ましくないバクテリアの増殖防止においては、C15が魚油と同様の効果があることが研究者らによって発見されています。




C15を食事に取り入れる方法は?


全ての無加工の乳製品には、ペンタデカン酸C15がほんの少量含まれていますが、牛乳の脂肪酸を凝縮し乳糖(ラクトース)を全て除去しているのは、牧草で育てたオーガニックの牛乳をゆっくりと熱して作ったギーバターなのです。この脂肪酸の凝縮プロセスによって、ギーのペンタデカン酸C15の量は、ほんの少量からより癒す力があるレベルまでに変化しています。


ギーの作り方

無塩バター450g

バターを中火にかける。バターが溶けてから12分間ほど火にかけ続ける。バターが煮えて表面に泡が出てきます。kの泡に薬用効果が含まれています。火を弱火にしてギーが黄金色になるのを待つ。ギーに水を一滴垂らしてみて、弾ける音がしたら出来上がりです。火からおろして冷ます。濾し器でこして室温で保存する。




超健康のための超油脂:ギーの効果を取り入れる


牧草で育てた牛から搾った牛乳で作ったオーガニック・ギーの力強い性質全てを考えてみれば、なぜアーユルヴェーダの文献がこれが最も癒しの効果のある食品だとあがめる理由がより理解できるようになるでしょう。





(出典) https://yogainternational.com/article/view/the-ayurvedic-superfood-ghee-benefits-for-digestion/

2025年1月30日木曜日

お腹の慢性的な不具合を治す方法 
Quick Tips to Relieve Chronic Digestive Distress

今回の記事は、消化についてです。
アーユルヴェーダでは、食べることと消化することをとても重視しています。
なぜなら、それが体と心を作る源だからです。

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「一億円当選したところで、お腹の調子が悪ければ幸せになんてなれない」私のヨガの先生はリトリートの度にこの言葉を繰り返します。そして、宝くじに当たる人はとても少ないですが、いつもつらい胃腸の症状に悩む人はとても多いのです。


一億人以上のアメリカ人が、逆流性食道炎や過敏性腸症候群、消化器の潰瘍、憩室炎などの消化器官の問題を抱えています。こうした症状は辛いものです。大抵は複雑でわかりにくく、臭いおならや突然トイレに駆け込むなど恥ずかしい症状もあります。


こうした問題の原因を探りおそらく永続的に解消するために、古代の叡智は私たちに、消化の本当の土台を深く探りなさいと伝えます。アーユルヴェーダではその土台をアグニ(火)と呼んでいます。


強いアグニは、生命力、免疫、明晰さ、そして気分までも向上させます。理想的に、維持されている時には、食べた物はすぐに精力的な燃料へと分解されます。


この燃料は肝臓で同化され体のあらゆる層や組織に送られます。アーユルヴェーダでは、最深層に栄養が行き渡っていると、私たちは活気やエネルギーを感じると言われています。気分が良くなるのです。

この良い気分はその他のレベルにおいても健康的な消化とつながっています。


腸は「第二の脳」とも呼ばれ、セロトニン生成の90%を担い、1億以上のニューロンを司ります。消化がうまく働くと、セロトニンが処理されて腸内神経が刺激され、心の状態に影響します。よい消化は文字通り、生物化学的にもそれ以上にも幸福感を与えてくれ流のです。


アーユルヴェーダでは、アグニが弱ると食べ物が一部しか消化されず、肝臓が詰まって、毒素が組織内にできてしまいます。そうなると、疲労や倦怠感、不機嫌、うつ状態などになったり、または膨満感やガス、便秘、差し込みなど不快感が起こります。


「腸の痛み」は不快なものです。しかし深層部の消化力にエネルギーを与えなさいという警鐘かもしれないのです。


アグニを高めるためにアーユルヴェーダが薦めるライフスタイル:

  • 食事は規則正しく、食物がしっかり消化できるよう各食事は4-6時間空ける
  • 自然に近い状態で、栄養価が高く消化に良い自然食品を選ぶ
  • 季節と体調に合ったスパイスと食べ物を組み合わせる
  • 生活のあらゆる面でストレスを減らすようリラックスする
  • 特に食事の時は「ながら」をしないで集中する
  • 食物アレルギーが疑われるなら、除去食を試してみる。卵や乳製品、小麦、とうもろこしなどよくあるアレルゲンを21日間断つ。ひとつづつ食事に戻したとき消化に問題が起これば、それが問題を起こすその食品を断つべきだというサイン。
  • 毎朝、塩とレモンを入れたお湯を飲む。
  • そしてアグニサラなどヨガのテクニックを練習する。


特別なサポートが必要なこともある
ライフスタイルを実践していても十分で無い場合、現代の生活に合わせたハーブや伝統的な食品で消化を助けることができます。弱ったアグニを活性するには・・


消化酵素を増やす
酵素とは食べ物を燃料へと変えるタンパク質触媒です。私たちの体が繰り返しリサイクルしている消化にとても重要な物で、酵素の量が寿命を決めるという栄養士もいます。

歴史的に私たちは、生の食物、特に生の乳製品、肉、野菜などから酵素を得てきました。今日では、生の乳製品や肉は明らかに問題が多く、また生野菜は消化が良くありません。その代わりに、酵素が豊富で扱いやすい食物を摂ることができます。そのなかでもローハニーは最高です。発酵させたケフィアやキャベツ、コンブチャ(紅茶キノコ)も良いでしょう。


ハーブの苦味で食事を始める
苦味は味覚です。コーヒーや甘くないチョコレート、ルッコラなどの葉野菜の味です。また、ハーブの多くも苦味を持ちます。ハーブの苦味は伝統的に、消化液を刺激するため食事の15ー30分前に摂られてきました。正しい時間に正しい場所へ正しい酵素と液体を得るためです。今日でも、この同じ苦味で熱く弱った消化力を改善することができます。リンドウやオオグルマ、ノコギリソウ、ニガヨモギなど冷やすハーブを含むお酒を試してみてください。冷たく弱った消化力に悩んでいるなら、ウイキョウや陳皮、生姜など温める効果のあるものを試しましょう。



体によい菌を摂る
腸内は500ー1000種類の役立つバクテリアが共生していて、消化プロセスを助けています。塩素で殺菌された水や大量の加工食品、抗生物質やストレスなどによって、こうしたバクテリアが死ぬと体によくないバクテリアが増えて膨満感や便秘、痛みなどの原因となります。本当の牛乳から作った自然で新鮮なヨーグルトは、腸内フローラをもう一度取り戻す良い方法の一つです。入手できない時は、プロバイオティクスのサプリを試しましょう。信頼できるものを選ぶようにしてください。よいプロバイオティクスは、菌が生きられるように冷蔵しておく必要があります。



プレバイオティクスを試す
他の生物と同様、腸内フローラも生きるためには栄養が必要です。腸内フローラに栄養を与えるハーブや食べ物のことを最近では「プレバイオティクス」と呼び、消化プロセスでもほとんど損なわれることがありません。たんぽぽや牛蒡、オオグルマの根などのハーブを試しましょう。幸運なことに、いくつかのプレバイオティクスハーブの苦味は肝臓に良い効果があります。



肝臓を守る
肝臓は、栄養を吸収したり毒素を浄化するなど30以上の機能を担っています。よく働かせるためには、きれいに保ち栄養を与え続けなければなりません。伝統的に、初春の野草が解毒や肝臓を整えるために使われてきました。今日では、たんぽぽの葉を春の習慣に取り入れることで自然のプロセスを再生することができます。牛蒡やたんぽぽ、ナカバギシギシなどを煎じた物、アルコール抽出したものなどもまた、肝臓を優しく浄化し栄養を与えます。


慢性の消化不良を抱えたまま、ずっと暮らしていくべきではありません。人生の一大事(例えば宝くじに当たるとか!)だけでなく、春に咲く花々や温かいそよ風などささやかな楽しみにさえも影を落とします。賢く健康を促進していけば、ゼロから強い消化力を築き、辛い症状をなくしていくことができます。


これらの浄化と強化法で、より軽く明るい日々を過ごせますように。そして人生がより素晴らしいものになりますように。





(この記事は症状や補完的な治療の一般的な情報であり、専門家による助言ではありません。新しい治療や食事法、運動などを始める前には必ずご自身の医師や資格のある医療従事者にご相談ください。)







(出典)

2024年12月20日金曜日

ガヤトリ・マントラ:歴史、意味、効果について 
Gayatri Mantra: History, Meaning, & Benefits


薄明かりの朝や夕暮れは、私たちを自身の内側へと呼び戻してくれる時間です。「おお、夜と夜明けという2つの聖なる力よ、2隻の船のように我らを向こう岸まで連れて行っておくれ」とヴェーダが唄うのはそのためです。古代、熱心な探究者らは朝早く起きて沐浴し、儀式を行い、マントラを唱え、瞑想のため座りました。そして夕方には、また瞑想の時間をとって1日の疲れを洗い流したのです。今日においてもヨガの実践者の間では、朝夕の移り変わりの時間は今も伝統的な瞑想の時間です。


この昼間と夜の移り代わりに行われる瞑想は、サンディヤ瞑想と呼ばれます(サンスクリット語でサンディヤとは繋ぎ目のことです)。ヴェーダの時代から始まったサンディヤ瞑想は、今も世界中で見ることができます。これらの瞑想は、何百万人の日常生活に信仰や内省を与えています。早朝の光が風景を照らし暗闇を一掃するように、サンディヤ瞑想は精神を浄化し、啓蒙し、養うのです。







ヴェーダの象徴性


サンディヤの霊的なテーマは、ヴェーダのシンボルを通して伝えられています。ヴェーダは聖歌を通して、実態のない真実を疑う余地のない宇宙としてあがめています。太陽や月、風、火、雨を称賛し、それらを人間の母や、娘、姉妹、兄弟、父として普遍的に表し、鍋や扉、車輪などの人による発明品を宇宙の真実の現れだと認識しています。


言い換えれば、私たちの住む宇宙は最高度の真実そのものであるが、人生の出来事や夢によって覆い隠されているのだと、ヴェーダは語ります。私たちが見ているのは全体の、つまり1日の周期、季節の移り変わり、生と死、種まきと収穫のうちのほんの一部です。これは、現れていない全体の一部が表れている姿であり、見えないものの見える一部分なのです。


しかし、海を見たとたん、地球の海の明らかな果てしなさに驚嘆する感覚が現れるのと同様に、夜明けごと夕暮れごと、生と死が訪れるたび、私たちは見えない全体への脅威の念にしばし心が溢れてしまうものです。そうして、見えるものの中の見えないものの広範性、現れているものの中の現れていないものは、リグ・ヴェーダにこう記されているのです。


リグ・ヴェーダ:
聖者の4分の3は天に上り、4分の1はここにまた現れる。その後は、すべての場所に広がる。命あるもの命なきものどちらの世界にも。(Rig Veda 10.90.4)



こうした節は道標であり、この宇宙の広大さの中に現れる時、無限の真実が啓示されます。しかし、ヴェーダではそれほど単純には考えてはいません。真実のシンボルは常に変化し続け重なり合うと認識しています。例えば、昼間の光はアディティア(太陽)の産物である一方、夜の光はアグニ(火)の産物です。ですからアディティアとアグニは兄弟と表現されます。同様に、光の強さは、宇宙の光と人間の人格にある知性のどちらにも象徴されます。ですから、言葉の光とは、太陽の光あるいは知性の力のどちらの意味ともなるでしょう。


ですから、最高の真実はひとつの象徴には制限されず、またどのような自然の力にも具現されません。ヴェーダで根源的に崇められる太陽神でも月神でも雷神でもありません。これらは宇宙の儀式の単なる「司祭」であり、人生の普遍のリズムという形で私たちの眼前でくり広げられる儀式に過ぎないのです。私たちはみな、神も人も、この儀式の一部であり果たすべき役割があるのです。




ガヤトリ・マントラ


では、この考えを個人としてどのようにシェアできるでしょうか?その答えは、ヴェーダの啓示全体の総合的な知恵を包括しているガヤトリ・マントラです。リグヴェーダ(3.62.10)で、ガヤトリ・マントラはガヤトリ韻律(24音節を8音節ずつ3行に分ける)で書かれており、それにちなんで名付けられています。しかし、ガヤトリとはまた「歌い手を守る女性(gaiが「歌う」、traiが「守る」)」という意味もあります。ですから、ガヤトリは神聖なる母の名前であり、子どもを守り自己実現へと導く存在なのです。
ガヤトリ・マントラは次のように書かれています。


Tat savitur varenyam
bhargo devasya dhimahi
dhiyo yo nah prachodayat


しかし、マントラを瞑想で唱える時は、初めに1行追加します。この行は Om の音で始まり、maha vyahritis(「偉大なる言葉」;bhur, bhuvah, svah)という3つの短い音が続きます。ですから、瞑想で使われる完全なマントラは以下です。


Om bhur, bhuvah, svah
tat savitur varenyam
bhargo devasya dhimahi
dhiyo yo nah prachodayat



チャーンドーギヤ・ウパニシャッドでは、最初の行の重要性が説明されています。それによれば、かつて宇宙の神であるプラジャパティが、地と空と天という三つの世界でできた自然を考えていました。そして深い集中によりそれらを導く基本的な力 ー 地を制する火(アグニ)、空を制するヴァーユ(生命力)、そして天空を制するアディティア(太陽)ー を見つけることができました。


プラジャパティは再度深い集中をその3つの「種」である音、導く力に向けて、それらの真髄を得ました。火からはリグ・ヴェーダの節を、生命力からヤジュール・ヴェーダを、そして太陽からはサーマ・ヴェーダを得たのです。


彼はまた集中を、今度は3つのヴェーダに向け、リグ・ヴェーダからは bhuh の音節を、ヤジュール・ヴェーダからは bhuvah の音節を、そしてサーマ・ヴェーダからは svah の音節を得ました。したがって、3つの maha vyahritis は、ヴェーダの真髄であり、火と生命力と太陽の種であり、また地と空と天の種の音なのです。


最後にプラジャパティは3つの vyahritis にまとめて集中し、深い集中を通してひとつの純粋な音である Om の音節を得ました。Om とは「全てはこれである」という意味です。


ガヤトリ・マントラの次の2行は、太陽光、エネルギー、純潔、超越、啓蒙、哀れみ(全てのための太陽光)という概念を崇めています。


tat savitur varenyam 
bhargo devasya dhimahi


これは「私たちは自身の中に呼び起こし、聖なる太陽の存在というその驚くべき真実に瞑想する」と訳されます。


最後の行(dhiyo yo nah prachodayat)では調子が変わります。ここは請願であり、精神の明晰さと直感的な気づきを求めています。マントラは「お導きください」と求めています。この最終行の本質は、最初と最後の言葉に含まれています。最後の言葉 prachodayat の意味は「お導きください、ご誘導ください、道を示してください」。最初の言葉 dhiyah (dhiyo) の意味は単に「思考」ですが、より重要なのは、精神のより高みにある直感的な見通す力を意味していることです。マントラは、精神の最も素晴らしい力である直感的な能力が「聖なる太陽の存在というその驚くべき真実」で導かれるよう求めています。ですから、ガヤトリ・マントラの完全な訳は以下となります。


オウム
万物の3つそれぞれの面において
我らは自身の中に呼び起こし、
聖なる太陽の存在というその驚くべき真実に瞑想する。
我らの内なる見通す力を導きたまえ


ガヤトリは祈りでありマントラでもあります。マントラとしては、太陽に象徴されるより高みにある意識を実現するため、一連の音として瞑想者によって使われます。祈りとしては、神に導きを請うものです。「我が精神に道を示したまえ」と嘆願するのです。この祈りのなかには、霊的な哲学が精巧に説明されています。bhargah (太陽の精神)が、サヴィトリ(太陽の存在)であり、またスーリヤ(太陽)の内なる存在であると示します。祈りとしてのガヤトリは、純粋意識の無限の光である tat を求めるものなのです。


しかし、この純粋意識とは何なのでしょうか?ヴェーダは、純粋意識はより高い天にあり(それによって万物に行き渡っている)、また全ての人間にも存在します。意識は気づきの光です。


さあ、天に上に輝く光は、全ての場所に満ち、どこにも行き渡り、
下にも世界の最も遠い場所にまでも届く。
これは人の中に輝いている光と全く同じ光である。 
(チャーアンドーギャ・ウパニシャッド 3.13.7)


マントラと祈りという二つの役割により、ガヤトリは心を浄化し気づくという素晴らしい力を招いてれくるのです。




サンディヤ瞑想


ガヤトリ・マントラを練習したいなら、朝か夕方、あるいは朝夕に時間をとりましょう。(日の出や日の入りと全く同時に瞑想する必要はありません)。簡単に練習する方法は次のとおりです。


心地よい姿勢で座ります。リラックスした呼吸で、少しの間、鼻腔に流れる呼吸を感じます。心が落ち着いて集中してくるでしょう。


今度は、金色の太陽のような球体をイメージし、その金色の光を自分の中に移していきます。眉間から中へ、そしてその光を胸の中心のあたりへとゆっくりと下ろしていきます。そこで、太陽の金色の光線が身体中に心の中へと広がっていくのを感じましょう。


少し時間をとって、ヴェーダの予言者らに感謝します。そして、胸の中心であるアナハタ・チャクラにある金色の球体の中心で、ガヤトリ・マントラを心の中で繰り返し始めます。胸にある意識が内側にある太陽と溶け合うように、そしてその声が太陽の核から流れ出るかのように暗唱します。そこから、音節の音を自身のすべてに反響させましょう。


マントラを自然だと思われるだけ回数を繰り返します。長時間の練習にはマーラ(マントラの繰り返しを数えるための108個のビーズの数珠)を使うこともできます。自身の中に音を響き渡らせましょう。内なる存在のすべてに満たしましょう。


練習を重ねるにつれ、毎日のガヤトリのリズムが静かな喜びと共にあなたの朝と夕を明るくするでしょう。マントラによって、苦しみの場所から立ち上がり、精神的な確信を取り戻すことができます。毎日の穏やかな練習と気分の高揚、それこそ精神が必要としていることです。そのどちらもをガヤトリ・マントラで得ることができるでしょう。






2024年7月1日月曜日

マルハナバチの呼吸の練習 5つの方法 
5 Ways to Practice Bhramari


「息を吐きながら、雌ミツバチの音をだしましょう」バンガロール郊外にあるスワミ・ヴィヴェーカーナンダのアシュラムでのクラスに参加していた時、サリーに身を包んだインストラクターが優しく穏やかに言いました。同じ年の後半、ロッキー山脈の会議でもまたハチの羽音のプラナヤマをロッド・ストライカーと共に行う機会がありました。標高が高かったせいなのか、それともその日のストライカーの教え方が良かったのか、その日はこの古代のブラマリの練習はどういうわけか私の身に染み込んできました。穏やかさと明瞭さを感じ、クラスが終わっても長い間私の中でその音が共鳴し続けました。そうして毎日練習するようになり、今では数年になります。ブラマリによって音波の物理的な振動に敏感になり、全く思いがけないことに、それまであまりやろうとしなかったチャンティングをやりたいと思うようになったのです。



ブラマリの効果


ブラマリは安全で容易に習得できる実践で、とてつもない癒しの可能性を持っています。他のプラナヤマと同様、その力は自律神経(ANS)に対するいくらかの効果にあります。吸気よりも呼気を長くすることで、自律神経の鎮静の副交感神経が活性化されます。心配や不安(ラジャが強い)に伴う鬱に悩まされる人にとって、この実践は数呼吸のうちに心を落ち着かせ始めることができます。ブラマリの絶え間ないぶうんという音は、感情的な苦痛を増加させる頭の中の終わりのないループを消し去ってくれ、瞑想するには心が『忙しすぎる」人にとって有益な出発点となります。




始めましょう


床や椅子の上で心地よい姿勢で座ります。床に座る場合は、太腿が降りて腰椎が自然な曲線を保つのに必要な支えを骨盤の下におきます。椅子の方が良ければ、太腿が下向きになって両足が平らに床に付くよう、少し前に移動して座面の端に座りましょう。(足が床に付かなければ、2つのヨガブロックの上に載せます)


常に力とくつろぎとのバランスを取ります。穏やかな音量で羽音を出しますが、無理に出そうとはしません。顔の筋肉を緩め、上下の唇は軽く触れた状態で、顎の力を抜き、上下の歯は少し離しておきます。羽音の音を心地よい範囲で長く吐いて、息を切らさないようスムーズに息を吸います。不安を感じ始めたら、無理をせず普通の呼吸に戻りましょう。





基本のブラマリ


心地良く座りそっと目を閉じます。1、2回呼吸をして落ち着き、心の状態に気づきます。準備ができたら息を吸って、それから息を吐き切って喉から中低音でハミング音を出します。音の波が舌や歯、鼻腔を優しく振動するのに気づきます。音が頭全体に振動しているのをイメージしましょう(実際に振動しています)。この練習を6回繰り返してから、目を閉じたまま、普通の呼吸に戻りましょう。何か変化があったかに注意をむけます。




無音のブラマリ


もう一度、1、2回呼吸におちついて準備します。基本のブラマリを6回行います。6回終わったら、無音のブラマリにうつります。吐く息ごとに羽音を出していることをイメージします。6回行いましょう。顔や鼻腔に振動の感覚が感じられるかに注意を向けます。




シャンムキ・ムードラのブラマリ(バリエーション




ブラマリの効果を強める方法のひとつは、シャンムキ・ムードラです。ブラマリは、プラティヤハラを促し五感を内に向かわせるので、外的な五感へのインプットを指でいくらか遮断することでその効果を高めることができます。まずは簡単なバージョンを試しましょう。親指で耳珠(耳の入口の軟骨の出っ張り)を押し、外耳道を閉じます。中低音のブラマリを6回繰り返しましょう。終わったら、手を下ろして普通の呼吸をします。




シャンムキ・ムードラのブラマリ(伝統的)





背筋を伸ばして座り、両手を顔に、親指は耳珠、人差し指は目頭に軽く触れ、中指は鼻の横、薬指は唇の上方、そして小指はその下におきます。眼球にはほとんど圧力がかからないように気をつけましょう。中低音のブラマリをさらに6回行い、両手を下ろして効果に意識を向けます。もし不安や鬱、閉所恐怖症などがあれば、シャンムキ・ムードラでくつろぐことはできないでしょうから、やらない方が良いでしょう。





高音のブラマリ


音を出している時は、感じようと感じまいと、頭のてっぺんからつま先まで文字通り振動しています。異なる高さの音は異なる周波数で振動しています。ベースの音や低い音はゆっくりと振動し、高い音は1秒に何千回という速さで振動します。


リラックスして座る姿勢に戻ったら、目を閉じて数回普通に呼吸をします。次に、シャンムキ・ムードラをして、あるいはせずに高音のブラマリを6回行いましょう。どこに振動を感じるかに意識を向けます。おそらく、低音と比べて頭の高い位置に振動を感じるでしょう。高音のほうがより刺激を感じるでしょうか?さまざまな音程、音量の音を試して結果を比べてみましょう。







ブラマリの処方


ブラマリの治療に応用できる可能性を科学的に研究したものはとても少ないのですが、ヨガの伝統は、うまく選んだ音には力強く健康によい効果があることを教えてくれます。ブラマリの音波が甲状腺に直接的な効果はないとわかったとしても、その効果はより調和のとれた神経系、穏やかな心、気づきの高まりなどが含まれることでしょう。このように、今ブラマリを終えたばかりの状態で、また背筋をのばして座りオームなどよく知ったチャントを数回唱えてみて全く新しい様子で聞こえてくるかどうかを見てみましょう。


音が共鳴する場所と同様に、異なる音程や音量のエネルギー的効果もまた、特定の状況で最もどのブラマリに最も効果があるのかを示唆してくれることでしょう。
  • 不眠:静かで低い音を、シャンムキ・ムードラをしながら行うと神経や心を落ち着かせることが可能かもしれません。
  • 副鼻腔感染や鼻詰まり:より強力な中高音程の音が通路を開くのにより良い選択かもしれません。
  • 甲状腺の問題:中音程でジャランダーラ・ムードラ(顎で閉める)を使いながら喉に音波を送る。
  • ストレス:無音バージョンを試しましょう。仕事中や外出中などで周囲の誰もがもあなたが何をしているのかに気づきません。







2024年5月16日木曜日

溢れるエネルギーを!エネルギーを高める5つの自然な方法 
Supercharge Me! 5 Natural Energy Boosters

季節の変わり目、特に今年の春は暑かったり寒かったりが激しくて疲れやすいですね。体力を保ち健康でいるためにはどうすればいいのでしょうか?

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あなたは、恋人たちや聖人、赤ちゃん、ヨギ、そして妊娠中のお母さんが同じ輝きを発していることに気づいたことはありますか?彼らの肌は輝き、微笑んでいて、いつも目がキラキラしています。文字通り、生命力を放っています。アーユルヴェーダでは、活気に満ちた人には、健康や創造性、ウェルビーイング、精神力などを促す3つ必要不可欠な要素のひとつであるオージャスの量が多意図されています。オージャスは命の精髄で、体組織の純粋な本質であり、幸福感と免疫力の源です。


古代のアーユルヴェーダの文献には、健康的なオージャスがあれば幸せに100歳まで生きられると書かれています。しかし、オージャスが枯渇すると老化や病気に脆弱になり、早死にすることさえもあります。


では、十分なオージャスがあるかどうかどのようにわかるのでしょう?体に見られる兆候は、明るく綺麗な目、艶のある髪、艶のある肌、そして薔薇色の頬などです。また心や感情のサインはといえば、前向きのエネルギー、活力、喜び、明晰な心、共感力などです。もし肌の乾燥、手足の冷え、便秘、不安、頭がはっきりしない、後ろ向きな考え、孤独感、疲労などがあるなら、オージャスが枯渇しているのだとわかります。


多くの人にとってオージャスを増やすことは可能です。以下は、爽快な気分で輝くための5つのヒントです。




1.  オージャスのための食事をとる


太陽の光で実った新鮮な自然食品には、活気を与えてくれるエネルギーを含んでいます。過度に加工した食品、精製した食品、アルコール、刺激物を避けて、オージャスの多い食事をとりましょう。

  • 果物;アボカド、リンゴ、バナナ、デーツ、いちじく、アプリコット
  • 野菜:緑の葉野菜、レタス、パセリ、アルファルファの芽、オクラ、さつまいも、山芋、ルバーブ、ほうれん草、カブ、クレソン、ズッキーニ
  • 穀物:アマランサス、バスマティライス、オートミール、全粒小麦
  • 豆類:ムングダル、大豆、豆乳、豆腐
  • 乳製品:山羊のチーズ、カッテージチーズ、新鮮なヨーグルト、ギー
  • ナッツ類:アーモンド、ブラジルナッツ、黒グルミ、ヘーゼルナッツ、松の実、ピスタチオ、胡桃




2. アーモンドミルクを飲む


アーモンド10個を一晩水につけます。朝になったら薄皮を剥きます。アーモンドをカップ1の牛乳、カルダモンのパウダーをひとつまみ、ひき立ての黒胡椒をひとつまみ、蜂蜜を小さじ1と一緒にブレンダーに入れます。高速で5分間ブレンダーにかけて、いただきましょう。アーモンドと牛乳、蜂蜜はオージャスがたっぷり入っているので、これを飲めば栄養とエネルギーを得ることができます。




3. 自分自身を養う


健康的でバランスの取れたライフスタイルを始めると、活気に満ちた感覚をすぐに感じ始めるでしょう。それは、どうしてでしょうか?なぜなら、ストレスはオージャスを枯渇し、リラクゼーションはオージャスを満たすからです。以下はおアーユルヴェーダのライフスタイルに関するヒントです。


  • 習慣的な運動をする(やりすぎないで)
  • いつのも時間に就寝して、約8時間の睡眠をとり、毎日同じ時間に起きる
  • 自然や芸術に触れて心に栄養を与える
  • 愛する人と一緒に過ごす
  • マルチタスク、過度な刺激、過度なセックス、慢性疲労、強い風、激しい温度を避ける



4. ヨガや瞑想をする


習慣的なアサナやプラナヤマ、瞑想は活力を高めます。瞑想が初めてなら、ソウハムのマントラで行う瞑想を試してみましょう。


両目を閉じて数分間の間深く呼吸します。それから、第3の目に意識を集めて、吸う息とともに心の中で「ソウ」と言い、吐く息とともに心の中で「ハム」と言います。このマントラを呼吸に合わせて5分以上繰り返しましょう。この瞑想をすると、オージャスが増大し気分が高まります。



5. セルフマッサージをする


毎晩就寝前に、少量の温かいオーガニックで無精製のオイルを体全体にすり込みます。耳や鼻腔など体の開口部は特に注意しましょう。そして温かいお風呂に浸かってから自然素材の石鹸でこすり洗いします。この栄養を与える習慣によって筋肉が柔らぎ、赤ちゃんのように眠れるでしょう。自分のプラクリティ(体質)がわかっているならそれに合ったオイルを選ぶことができますが、そうでなければドーシャテストを受けて下のようにマッサージしましょう。

  • ヴァータ体質: セサミ、アーモンド、ブリンガラジ(アメリカタカサブロウ)のオイルなど暖かく重いオイルを使います
  • ピッタ体質:オリーブ、ひまわり、ココナッツ、ギーなど冷やす自然油を使います
  • カパ体質:マスタード、アマニ、紅花など軽いオイルを使います


オージャスの精神的側面


聖人らによれば、プラナヤマや精神的な修練、タントリックの技術などを通して自らのオージャスを精神力へと変容させることが可能です。この力のあるエネルギーは、悟りを開いたヨギの頭の後ろにオーラや後光という形で目にすることができます。もしそんな人に会う稀有な機会があれば、彼らが言葉を発しなくとも愛や哀れみが胸元から出ているのが感じられると気づくでしょう。それこそがオージャスの精神的な面の現れなのです。








(出典)https://yogainternational.com/article/view/supercharge-me-5-natural-energy-boosters/

2024年3月27日水曜日

足裏の英知:アーユルヴェーダの足マッサージの効能 
Sole Wisdom: The Benefits of Ayurvedic Foot Massage

今回は足のオイルマッサージについてです。
アーユルヴェーダでは、ハーブエキスの入ったオイルを使うことが多いのですが、手に入りやすい太白ごま油(透明のごま油)やココナツオイル(寒い時期、冷え性の人は避けましょう)などを使ってもいいでしょう。アレルギーの可能性のある人は、まずは少量を皮膚にのせてみて確認してみてください。

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多くの精神的伝統では心身はつながっていると信じられていますが、足裏もまたつながっていると考えられています。世界中の信者らが彼らの指導者の足に触れたり、洗ったり、キスをして愛や敬意を示します。ヴィシュヌ神の足跡は、アジアの至るところの寺院や聖地で崇拝されています。そして古代エジプトでは、死者の魂を肉体から解放するため、葬儀人がミイラにする時に死者の足裏を取り除いていました。



古代中国やインド、エジプトなどの伝統治療法でもまた、足裏は全身の健康を写す鏡の役割をすると考えられていました。今日では、米国足病学協会がこの知恵を踏襲し以下のように述べています。「関節炎や糖尿病、神経や血流障害などの初期症状は足に表れることがある。したがって足の病は、より深刻な医学的問題の最初の兆候である可能性がある」



扁平足だったり、単に1日の終わりに足裏の痛みや疲れがあったりする時は、5分間の時間を取ってアーユルヴェーダの足マッサージをしてみましょう。ストレスや疲労を緩和するだけでなく、免疫を活性化し、感情のや3つのドーシャのバランスを取ることができます。自分の足裏を意識しながらケアすることで、心身と魂の健康を基礎が作られます。アーユルヴェーダのエキスパートであるヴァンサント・ラド氏のご厚意による転載、シャノン・セクストン氏の Sleep Better Tonight! 6 Bedtime Rituals からの抜粋である以下の手順を参考にしてください。




  • 椅子やベッドに座り、温めたセサミオイルやブラフミオイル、ジャタマンシオイルなどを両手で擦り合わせます。手のひらや指先を交互に使い、頭皮に小さな円を描くように2分間マッサージします。それから、両足へと移りましょう。


  • さらにオイルを足して右足の足首から爪先まで、小さな丸い動きでマッサージします。そして、足首から踵へ、そして足裏へ。


  • 手の親指で足の甲のスネの付け根辺りを押します。優しくゆっくりと足の親指の方へ滑らせましょう。


  • スネの付け根まで戻り、手の親指を足の人差し指まで滑らせます。中指、薬指、小指にもこの動きを繰り返しましょう。


  • 右足首を左膝に乗せ、右手を右足の甲に置いて手足の指どうしを組み、足を内側、外側へ動かして、そして回しましょう。


  • 組んだ指を放し、右手の親指で足裏の内側を足の親指から踵まで押していきます。


  • 手の親指を足裏の外側にも、足の小指から踵まで滑らせます。


  • こぶしを作って足裏を小さな円でマッサージします。それぞれの足指を、関節を鳴らすかのようにゆっくりと外側に向かって引っ張りましょう。


  • この一連の手順を左足でも繰り返します。



マッサージが終わったら、温めた塩水をバケツに入れて両足を5分間浸し、ストレスや緩んだ毒素を引き出します。木綿のソックスを履き、枕にタオルを置いて眠りましょう。(朝は、長めのシャワーを浴びます。シャンプーで髪についたオイルを洗い流しましょう)













2024年3月12日火曜日

心臓の健康へのヨガの5つの効果 
5 Heart-Health Benefits of Yoga

ヨガが高齢者の健康に大きな効果をもたらすことはすでに知られています。
そのひとつは、心臓にとても良いということです。






ヨガが心身に良いのは、柔軟性や体力増強、エネルギーや気分向上などの効果をもたらすからです。また、心臓にも良いというますます多くのエビデンスが出てきています。


何千年も前のインドに起源を持つヨガは、これまで数多くの臨床研究の対象となっており、太陽礼拝やダウンドッグなどに対するエビデンスは強固になってきています。一例を挙げれば、米国心臓学会の2023年アジア会議で発表された研究では、ヨガが心不全患者の循環器機能向上とともに、忍耐力、体力、バランス、そしてQOLを向上させることが認められました。


もし心臓に問題があるのなら、どのレベルのヨガがあなたに適しているのか医師に確認しましょう。もしヨガを始めようと思っている、あるいは健康に不安がある場合は、クラスの前にインストラクターに相談しましょう。インストラクターが、一緒にクラスが受けられるようにコツやバリエーションを教えてくれるはずです。



1. ヨガは体の運動を促す


CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、運動不足は、米国の男女No.1の死因である心臓病の原因になります。


しかし、遅すぎることはありません。研究によれば、ヨガをする人はより活動的で健康的な食事をする傾向が高く、それが心臓を守ってくれています。2018年5月「International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity」で発表された研究では、ヨガを習慣的に実践している若年層はより健康的な食生活を送っており、より中高レベルの運動をより長時間行っているとわかりました。2020年8月の「International Journal of Environmental Research and Public Health」に発表された他の調査では、ストレッチをするエクササイズは、心臓や全身に血液を送り出す動脈硬化を著しく減少させ、中高年層における心機能を向上させることを示しています。


米国心臓協会(AHA)が薦めるのは、総合的な心臓の健康のためには中程度の有酸素運動を少なくとも30分、週に5日以上行うことです。中強程度の筋トレを週に2日以上行うと、より効果が得られるそうです。



2. ヨガがストレス解消に


ストレスがどれほど心臓病に関係しているのかを研究者もはっきりとは確定することはできない一方で、ストレスが心臓病のリスクを上げる習慣や要因を増加させる可能性があります。これには、喫煙や運動不足、過食、高血圧などが含まれます。


ヨガの実践者には、精神衛生の向上、リラックス感の増加、気分の向上などがみられると研究で示されています。心身の実践は、落ち着こうとする神経である副交感神経を調整するのに役立ちます。2020年8月「Stress & Health」で発表された研究では、呼吸法や瞑想をするヨガクラスの参加者のストレス受容減少とマインドフルネスの高まりが示されました。


「ほとんどのストレス解消テクニックでは、呼吸に意識を向けます」ミシガン州ビンガムファームスの「Kahn Center for Cardiac Longevity」の循環器医師ジョエル・カーン博士はそういいます。「全てのヨガで不可欠なもののひとつは、呼吸への気づきとよりマインドフルであることです。つまり、外から見てわかる、あるいはわからないストレス解消の意識付けが、ほとんど全てのヨガクラスに内在しているのです」



3. ヨガが高血圧リスクを下げる可能性も


2021年9月の「Scientific World Journal」で発表の系統的な再調査では、ヨガで高血圧をコントロールできる可能性を示しました。


瞑想や呼吸、ヨガの練習が、高血圧前症の患者における拡張期・収縮期血圧(血圧の最高と最低の値)を下げるとされる数多くの研究を再調査しました。再調査では、体系化されたヨガポーズや呼吸法の「服用量」は確認できなかったものの、高血圧や心臓病を起こす可能性をヨガが減らすことができると研究者らは結論づけました。


「ヨガの生理学的な効果は、神経系の福交換神経を高めることだということはわかっています」コロンビア州のミズーリ医科大学の産科医であり、ヨガの血圧に対する効果の研究を行っているシャミタ・ミスラ医師は述べています。「心拍を下げ、心臓の働きを抑えます。心拍が少なくなればなるほど、そのひとつひとつはより強くなります」



4. ヨガは不整脈を落ち着かせる可能性も


心房性細動は、早かったり不規則に打つ異常な心拍リズムのことで、心不全やその他合併症の原因となります。2022年の「European Society of Cardiology Congress」で発表された研究では、ヨガが心房性細動患者の症状を抑える可能性を示唆しました。研究は、2012年から2017年、538人に対して実施されました。被験者らは、12週間ヨガをしないで、その後16週間毎日、ポーズや呼吸を含めたヨガのセッションに30分参加しました。その16週間の間は、被験者たちの発作の回数が減少しました。


「心房性細動患者の治療の中で、発作回数を減らすのにヨガが役立つ可能性があるかもしれない」ニューヨークのブロンクスにある「Cardiac Wellness Program at Montefiore Medical Center」の創設者であり管理者のロバート・オストフェルド博士はそう述べています。



5. ヨガは共同体意識を促す


心不全など深刻な心臓疾患を経験した患者の多くは、社会からの孤立感を感じたり、うつ状態になったりすることがあります。「外出するのが安全ではない、外出するほど元気でないと感じるのです」オストフェルド博士は言います。「初めて自らの死に向き合っているからでしょう。あるいは、今まで可能だったこと全てができるわけではないという事実に直面したからかもしれません」


ヨガがそれに役立つかもしれないというエビデンスがあります。米国医学協会の機関誌に発表された研究では、メイン州の農村で、循環器リスク要因と行動変化を対象とした共同体プログラムに参加することが、死亡率や入院率の低下と関係があることがわかりました。


ヨガは共同体意識をもたらすことができ、それが鬱や孤独感を和らげます。「ヨガクラスでは、安全な環境の中で、他の人と一緒に流れるように動いて繋がることができます」カーン博士は述べてます。「社会的交流の効果を数値化することは困難ですが、もし健康問題のある人たちが自宅にいるような心地よい環境にいられれば、人はより健康的な選択ができるようになると考えています」


ヨガはまた、特に認知行動療法など通常の治療と組み合わせると鬱症状を緩和することができると、2019年5月に「American Family Physician」に掲載された研究が示しています。また2023年9月に「International Journal of Old People Nursing」で発表された再調査では、60才以上の成人で、鬱や不安症のレベルがヨガで向上することがわかりました。




自分に合ったヨガクラスを選ぶ方法


ヨガクラスを試したくなりましたか?ヨガには多くのスタイルがありますが、ひとつだけにこだわる必要はありません。また、難しい1時間のクラスに飛び込んでもすぐに効果があるというわけでもない、とミスラ博士は言います。
「そんなに長い時間は必要ありません。私の研究では、ただヨガの呼吸を15分行っただけで結果がみられたからです。しかし、有益な結果を得るために何分間のヨガが必要なのかというような情報はありません」


  • ハタヨガは、西洋社会で通常行われているヨガの流派で、身体的なポーズの練習のことを示します。ヴィンヤサ、アイアンガー、アシュタンガなどのヨガがありますが、これらすべてはハタヨガに分類されます。どんな運動でもm始める前に医師に確認しておきましょう。

  • ヴィンヤサ・ヨガは「フローヨガ」とも呼ばれ、呼吸と動きの組み合わせが中心となります。クラスは、パワーヨガやアシュタンガなどペースが速く強度の高いものから、スロー・フローやアライメントを重視したクラスなど健康状態や身体的な制限がある人やビギナーに適したより穏やかなものまであります。

  • ホットヨガは熱した室内で行われます。今は様々なタイプのホットヨガがありますが、最も人気があり最も熱いのがビクラムヨガで、40°Cにまで熱した室内で26のポーズと2つの呼吸法を行います。心臓に何か問題がある人や極度の暑さに敏感な人などは体調を悪化させる恐れがあるので、オストフェルド医師によれば、このヨガは避ける方が良いでしょう。

  • アイアンガーヨガは異なるポーズを通して体のアライメントに注目するタイプのヨガです。他のスタイルのヨガとは異なり、個々人のスキルレベルや体のタイプに適合するよう、椅子やブロック、ベルトなどのプロップスを使います。

  • 「トグロを巻いた蛇」という意味のクンダリニヨガは、呼吸法、チャンティング、音楽、瞑想、そして動きを組み合わせたものです。その目的は「蛇を解」き、背骨の基底部から頭頂までのエネルギーを解いて7つのチャクラ(体内のエネルギーがある場所)を目覚めさせることです。よりスピリチュアルなヨガであるクンダリニは、ストレスや不安を解消するのによい選択となるでしょう。

  • よりゆっくりとしたスタイルの陰ヨガは、同じポーズを5分以上保つので、ビギナーが始めるには難しいかもしれません。またこのスタイルは瞑想的な性格を持っているので、クンダリニヨガよりは少し身体を動かしたいけれどヴィンヤサヨガほど動かないクラスを探している人にはぴったりかもしれません。

  • ゆっくりと穏やかなリストラティブヨガは、呼吸に集中できるような長く保つストレッチで全身を開くことに重点を置いています。様々なポーズで全身をサポートするため、ブロックや枕、クッションなどプロップスが使われます。この安らぎを与えてくれるヨガは、痛みを緩和し精神的な幸福感を高めるのに良い方法です。






2023年10月18日水曜日

心臓病の原因は高コレステロールでなく炎症かも Vol.2
Inflammation, Not High Cholesterol, May Cause Heart Disease

前回からの続きです。

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心臓発作の警告サイン


心臓発作は突然で強いものもあります。「映画の心臓発作」と呼ばれ、誰の目にも明らかなものです。しかし、ほとんどの心臓発作はゆっくりと始まり、軽い痛みや不快感を伴います。発作に見舞われた人は多くの場合、何があったのかわからず、長い間助けを呼びません。心臓発作が起きていることを示すサインは以下です。


胸の痛み
ほとんどの心臓発作で、胸の中心に痛みを感じ数分間続きます。あるいは、痛みが消えたり戻ってきたりします。不快な圧迫感、締め付け、膨満感、痛みとして感じられます。


上半身の他の部分の痛み
腕や背中、首、顎、胃の痛みや不快感という症状もあります。


胸の痛みを伴うまたは伴わない息切れ


その他サインの可能性として、冷や汗やめまい、立ちくらみなどがあります。男性に比べて女性はやや、息切れやめまい、吐き気、背中痛や顎の痛みを感じる場合が多いです。



より複雑なことに・・・


もしあなたが中年男性で、高コレステロールというリスク要素があるなら、あるいはLDL値が高いことを知っているなら、注目してください。最近、「悪玉」コレステロールには、パターンAとパターンBの二つの味があることが発見されました。軽く、ふわふわして完全に大丈夫なLDL-Aは心臓疾患に全く危険を及ぼさないが、小さく硬いBは「悪い奴」だと、心臓科の専門であるジョニー・ボウデン博士は言います。パターンBのLDLは、内皮に留まって酸化し動脈プラークとなります。ですから、AとBの割合を知ることが心臓疾患のリスクを明らかにすることに役立ち、パターンBのLDLを減らす必要があるシグナルかもしれません。もちろん、LDL酸化に繋がり、動脈プラーク形成を起こす炎症を促すリスク要素を最低限にする必要はあります。




何ができるのか


医師や研究者らが心臓疾患の複雑な原因について明らかにできることは今後もないかもしれませんが、あなたの心臓を守るために今すぐ行動するのを止めるべきではありません。それが大きな変化を伴う人もいるでしょうが、すでに健康的なライフスタイルを送っている私たちにとっては少しだけ付け加えるだけで良いでしょう。



リスク要因を減らす


私たちの健康を損ねる慢性疾患と同様、心臓病は食事や運動の良くない選択、喫煙や過度な飲酒など疑問のある習慣などが原因で発症します。ほとんどの人はそれを既に知っているというでしょうが、この知識に基づいて食事を改善し、心臓病のリスク要因を減らすために行動するのがまず第一歩です。そして、あなたの心臓に闘うチャンスを与えるあまり知られていない手段に講じることも考えてみましょう。


1. インシュリン・レベルを下げる
医師らは糖尿病予防のためこれをしろと言いますが、高インシュリンはまた、動脈の炎症に繋がる生化学的連鎖反応を引き起こし心臓疾患の原因にもなり得ます。高インシュリンはまた、腹部の脂肪蓄積を(例のスペア・タイヤですね)促します。インシュリンを下げるには、食べる糖分を制限します。栄養士のボウデンが「脂肪よりもっと大きなダメージを与え炎症させる物質」と呼ぶところの、精製粉のパン、パスタ、短粒米、じゃがいも、インスタントのオートミールなど高血糖の炭水化物を避けなければなりません。


2. 口内環境を整える
習慣的な歯磨きやフロスは単に歯を守ったり息をきれいにするだけではありません。数多くの研究で、不健康な歯茎と心臓疾患の関係性がわかってきています。もっとも深刻な歯茎の疾患である歯周炎は、循環器疾患のリスクを30%以上も増加させます。



3. ストレスレベルを下げる
体内の慢性的なストレスが、自然な闘争逃走症候群として副腎からのコルチゾールを絶え間なく分泌させます。このコルチゾールや他の関連したホルモンが、動脈を収縮させ血圧を上げ、心拍を上げ、血中の凝固を促します。研究では、瞑想や祈り、ヨガ、バイオフィードバックなど心身のテクニックがストレスレベルを下げ心臓発作リスクを軽減すると示しています。

 

サプリメントを使う


心臓に良くない炎症性の食べ物や、フリーラジカルを誘発する環境的な毒素、汚染物質などに対抗するため、抗酸化物質のビタミンや抗炎症性のサプリを取り入れましょう。


ビタミンC、E
これらの強力な抗酸化物質はまた、動脈硬化を軽減しプラーク形成を防ぎます。


CoQ10
すべての細胞に存在する油性の栄養素コエンザイムQ10は、フリーラジカルを強力に排除し、LDL酸化を防ぎます。


NAC
正式な名前は「NアセチルLシステイン」です。NACはシステインの一種で、体内で最も重要な抗酸化物質のひとつであるグルタチオンを増加させます。


ALA
ALA(アルファ脂肪酸)は、それ自体が抗酸化物質であるだけなく、体内のビタミンCやE、グルタチオンをリサイクルするのに役立ちます。ALAはまた、亜麻仁や亜麻仁油にも含まれます。


オメガ3 
これらの重要な脂肪酸は炎症を抑え、血栓の防ぎ、心臓発作の死亡率をも下げるとされています。


ヨガを続ける
オハイオとジョージアの州立大学での研究で、ヨガで、慢性炎症のマーカーとなるサイトカイン・インターロイキン6のレベルが下がることがわかりました。また数多くの研究で、ヨガが主にコルチゾールを下げ中枢神経のバランスをとることにより、血圧(心臓疾患のもう一つのリスク要素)を下げることが示されています。



もちろんヨガの専門家が信じるのは、心臓疾患とは検査結果だけではありません。自分の体、心、精神とのつながりが切れた状態だとみなしています。そして、心臓によい環境を作るには、アサナ、プラナヤマ、瞑想、無私の奉仕といった実践要素をすべてを組み合わせるべきだとしています。その方法が以下です。



体の全可動域まで動かす様々なポーズを含んだ継続的な練習に取り組みましょう。後屈は胸郭を開いて心配機能を高め、立位ポーズは脚を強化し全身をストレッチします。前屈では安定感を得られエネルギーを取り戻し自律神経を落ち着かせます。ツイストは内臓をマッサージし全身の血流を高めます。


感情や心の状態をよく観察しましょう。血圧は、当然ながら勝手に上がるものではありません。20年以上前、ディーン・オーニッシュ医学博士と彼の研究チームが、感情的なストレスや孤立感、敵対心、自己批判などが、高コレステロールや酸化LDL、トリグリセリドレベルやニコチンと同様に心臓疾患に関係があると世界に証明しました。彼らはまた、ヨガや瞑想、グループサポートなどのライフスタイルの変化が病気を緩和することを示し、医療関係者を驚かせました。


ウッジャイ呼吸(勝利の呼吸)やナディ・ショーダナ(片鼻呼吸)などのプラナヤマを日課に取り入れて不安や動揺を減らしましょう。ただし、高血圧の人はクンバカ(呼吸を止めること)はやめておきましょう。


高血圧の緩和になるレストラティブヨガやチャンティング、マントラ瞑想などを実践しましょう。肉体としての心臓を落ち着かせ、感情的な心も落ち着かせられます。



心臓の健康に良いレストラティブヨガ


神経を落ち着かせ平衡状態を取り戻すため、以下のポーズを日課に取り入れましょう。高血圧のばあいは、頭立ちなど支持のない逆転ポーズは避けましょう。もし時間がなくてひとつのポーズだけをするなら、シャヴァアーサナ(屍のポーズ)やヴィパリタカラニ(両脚を壁に立てかけるポーズ)で、最大の効果を得ることができます。

  1. 頭を支えたアドムカ・シュヴァナーサナ(ダウンドッグ)
  2. 支えに体を沈み込ませるバラアサナ(子供のポーズ)
  3. たくさんの支えを使ったスプタ・バッダコナアサナ(仰向きの合蹠のポーズ)
  4. 仙骨を上げたヴィパリタ・カラニ(両足を壁に立てかけるポーズ)



必須脂肪酸を摂る3つの方法


ヴェジタリアン(あるいは単に水銀汚染や持続可能性を懸念する人)は、植物からだけでも必須脂肪酸を摂ることができます。


  • 大麻油や亜麻仁油にはアルファ・リノレン酸(ALA)が含まれており、体内で魚油にある必須脂肪酸に変化します。大麻油は亜麻仁油よりも味が良く、オメガ6とオメガ3の比率が3対1と理想的です。また、大麻油にはガンマ・リノレン酸(GLA)も含まれており、炎症を抑え肌の健康を向上させます。どちらのオイルも熱が加わると分解されてすぐに異臭がするので、開封後は冷蔵し1-3ヶ月内に消費しましょう。

  • くるみは、オメガ3に加えて心臓によい一価不飽和脂肪、また特に心臓によい小麦由来でないビタミンEを含んでいます。くるみの薄皮にも重要なフェノール酸、タンニン、フラボノイドが含まれているので、やや苦味はありますが一緒に食べましょう。

  • 微細藻類には、ALAとともにDHAやEPAが豊富に含まれており、オメガ3の必須脂肪酸が摂れます。魚は藻類を食べて脂肪内にオメガ3を蓄えます。微細藻類は今、魚油と同様に心臓に効果(英国栄養ジャーナルより)のあるサプリとして販売されています。




食べるべきもの


伝統的に、地中海周辺国であるスペインやギリシャ、イタリアの人々、特に中国や日本のアジア圏の人々は、欧米よりも心臓疾患の数が少なく、また寿命も長い傾向にあります。なぜでしょう?それは、伝統的な食事にあります。マリナーラソースに大豆は入っていませんし、中華鍋にオリーブ油は使われませんが、どちらの食事にも飽和脂肪や硬化脂肪が少なく健康的なオイルが多く含まれており、魚や野菜が中心です。心臓疾患の予防前線の共同著者である心臓病学者スティーブン・T・シナトラ医学博士とジェームス・C・ロバーツ医学博士は、アジア圏と地中海圏の食事を組み合わせた食事法(PAM diet)を提案しています。




抗酸化物質が豊富な果物や野菜

これらは、LDLコレステロール分子を酸化させ体内の炎症を引き起こすフリーラジカルと戦います。ここでのヒントは、自分の好きなものを食べるということです。


食べるべきもの:ブルベリーやブラックベリー、チェリー、赤い葡萄、いちごなど鮮やかな色の果物、ケールやほうれん草、芽キャベツ、ブロッコリーなどの緑の濃い野菜、ビーツや赤パプリカなどイキイキとした赤い野菜は抗酸化物質が高濃度で含んでいます。また玉ねぎは、LDLを酸化を防ぐケルセチンという特別なフラボノイドが豊富です。抗酸化飲料はないのかって?適量の赤ワイン(レスベラトールを含みます)や、炎症に関係する酵素をブロックする緑茶はどうでしょうか?



ナッツや種など

良質の必須脂肪酸、タンパク質、食物繊維が豊富で、狩猟採集時代の主食であったこれらには、吸収した食物コレステロールを減少させるのに役立つ植物ステロール(植物油)も含まれています。

食べるべきもの:生のアーモンド、くるみ、ピーカンナッツ、ブラジルナッツ、ひまわりの種。



低GIの穀物

これらの食物には、高GIの穀物に比べて多くの食物繊維が含まれおり、消化に時間がかかるため、血糖値を安定させインシュリンの劇的な増加を起こしにくくします。食物繊維はまた、消化器官を浄化し過剰なコレステロールを吸い取ります。実際に、1日に食物繊維を10g多く摂取すると心臓病リスクが29%下がるという研究があります。


食べるべきもの:黒パンやスペルと麦のパン、バルガー(トルコの麦料理)、玄米やワイルドライス、大麦、オーツ麦、キノア、ひえ、そば。



オメガ3脂肪酸

コーン油、サフラワー油、サンフラワー油での加工食品には炎症の原因となるオメガ6脂肪酸が過剰に含まれており、こうした商品を好んで摂取することで体内のオメガ6とオメガ3の比率が悪くなります。健康となる3対1から、20対1にまでなることもあります。オメガ6の多いポリ不飽和植物油や加工食品を避け、オメガ3を増やしましょう。


食べるべきもの:冷たい海にいる魚(サーモン、サバ、鰯など)、大麻油や亜麻仁油、大豆、海藻など。



ビールや乳製品を飲むのなら少しに

この食品が含む不飽和脂肪は、毎日消費するには多すぎます。また、動脈の損傷を促すホモシステインとなるメチオニンが多く含まれています。

食べるべきもの:代わりに魚を摂取することで脂肪の少ないタンパク質が得られ、炎症を抑えるオメガ3を摂取、また動物性の食物を全く摂らないことで問題を排除することができます。



にんにく

地中海料理やアジア料理で多く使われるニンニクには、長い薬効の歴史があります。植物栄養素の中でも、LDLを下げて良いコレステロールを増やすアリシンを含んでいます。また血圧を下げ血小板の粘性を下げます。


使い方:生のニンニクをみじん切りにして15分置き、栄養分を放出させます。最大の効果を得るには、1日に5房ほど食べる必要があります。



オリーブ油をたくさん

古代ギリシャでは、オリーブの木は素晴らしい癒しの力があると考えられており、オリーブの実から採れるオメガ9脂肪酸が豊富な一課不飽和油は、心臓発作リスクを減らし血圧を下げます。


使い方:エキストラ・バージンオイルを使いましょう。加工が最低限で、精製されておらず、酸化していません。



大豆

どんな形状であっても、大豆はHDLを増やしてLDLや血圧を下げます。

食べるべきもの:枝豆など丸大豆や、テンペなど発酵した大豆、たまり醤油、豆乳、豆乳ヨーグルト。









2023年10月16日月曜日

心臓病の原因は高コレステロールでなく炎症かも Vol.1
Inflammation, Not High Cholesterol, May Cause Heart Disease


今回の記事は、コレステロールと心臓疾患についてです。
予防のために何を理解すべきなのか、何ができるのかをみていきましょう。
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一般的に、ヨガの実践者は心臓が健康なグループに入ります。ヨガは、体への習慣的な運動と心へのストレス緩和のテクニックを与えてくれます。喫煙する人は少なく、アルコールを飲む人でもその量は適度です。そしてほとんどの人は、マイケル・ポランが彼の著書「食べ物が守る力」で述べている率直なアドバイスに従っているでしょう。「食べ物を食べよう。食べ過ぎないで。主に植物を」


では、どうして心臓病について心配しなければならないのでしょう?第一には、病気にならない人は誰もいないし、米国で多い死因は心臓病だからです。第二に、健康診断に行ってコレステロールが高いとスタチンを処方されてしまった知り合いが誰にでも一人はいるからです。そして最後に、コレステロールが心臓病の主な原因ではないかもしれない(現在、研究者らは炎症が原因としている)ことを知る必要があるからです。つまり、私たちは長い間間違ったボールに目を向けていたということです。


コレステロールに注目し始めたのは約60年前、米国心臓協会が冠動脈疾患の原因が「バターとラード、牛肉、卵」だと宣言した時です。医療界が、血液のコレステロール・レベルを上げる食べ物に含まれる高レベルの飽和脂肪であり、過剰なコレステロールが動脈を閉塞させるという考え方を取り入れたのは間も無くでした。低脂肪の食事とコレステロールを低下させる投薬が劇的に増加した50年がすぎた現在、その概念は、ほとんどの医療関係者や消費者の頭の中にしっかりと確立されたのです。


そろそろ、それを見直す時期ではないでしょうか?「コレステロールの重大な俗説:コレステロール値低下が心臓病を予防できない訳(スタチンフリーに効果)」の共同著者(スティーブン・シナトラ医学博士著)で栄養士のジョニー・ボウデン博士は、「コレステロール値を下げて心臓病を予防しようとするのは、マクドナルドの巨大な食事からピクルスを取り除いてカロリーを減らそうとしているようなものだ」と述べています。65歳以上の男性、そして全年齢の女性で、冠動脈疾患を判断するのにコレステロール値を見るのは事実上意味がありません。そして、おかしなことに、ちょっと下がって大局をみれば、低いコレステロールは、予防どころかより病気の原因となる可能性があります。



敵を知る


医師らはめったに認めないのですが、高コレステロールの人は実のところ長生きです。少なくとも6つの研究で、コレステロール値が低いほど死亡率が高いことがわかっています。実際、米国の死因の全てを見ると、コレステロール値の高い人には癌が少なく、消化器官や呼吸器官の疾患で亡くなるリスクが低く、自動車事故や自殺も少ないのです。驚くことに、コレステロールによる防御は、深刻な心臓病にまで及びます。米国と欧州での研究では、心臓病患者でコレステロールレベルが高い人は、低レベルの人たちよりも長寿でした。


私たちの体がコレステロールを必要としているのは、脳細胞生成という何よりも重要な役割があるからであり、研究では低すぎる値(160以下)が鬱や攻撃性、脳出血、認知障害などと関係があるとされており、これらは全て事故や自殺の死亡率が高いことを説明しているのではないでしょうか。



高コレステロールの悪評


コレステロールを議論するには、まず肝臓が1日に約800ー1000mgのコレステロールを生成していることを知ることから始めるべきでしょう。これらは体が健康を保つために必要な量です。しかし、食べるものからコレステロールを追加摂取すると(動物由来の食物には全てコレステロールが含まれます)、体はその余分に対処するまで生成を抑えます。また、脂肪を消化し、細胞粘膜を強化・修復し、神経を隔離し、ビタミンDを合成し、性生活を制御するものの含めたホルモンを生成するのを助けるため体はこの柔らかでドロッとしたステロールを必要としています。


コレステロールは脂肪のような物質なので、水性の血液に溶けたり細胞に直接流れ込んだりはできません。そのかわりに、リポタンパク質という特別な乗り物に乗せてもらう必要があります。おそらく私たちが良く聞くのはLDL(低比重リポタンパク)とHDL(高比重リポタンパク)の2つでしょう。科学者らが発見しているのは、LDLが必要な場所にコレステロールを運び、より重いHDLが動脈壁をもすくい取って余分なコレステロールの掃除係として働き、それらを処理し排出するため肝臓に戻すということです。


この文脈からみれば、HDLもLDLも体の日々の活動で重要な機能を果たしているため、どちらも「善玉」コレステロールと呼べます。しかしながら、コレステロールが心臓疾患の原因だという議論の初期では、HDLだけが血中コレステロール・レベルを下げるため善玉だという扱いを受けました。一方LDLは、フラミンガム心臓研究の研究者らが心臓疾患の「限界危険要素」だと位置付けたため「悪玉」と烙印を押されました。


体が作る極めて重要な物質が死をもたらす可能性があるというのは想像し難いのですが、「悪玉コレステロール」という烙印はそう言及しており、LDLレベルをできるだけ下げる意図でのLDLコレステロール薬の全面戦争が勃発しました。この前提は、体がLDLを不可欠としていることを見落としているだけでなく(LDL無しでは細胞は必要なコレステロールを得られない)、重要な事実を見ぬふりをしています。LDLが「悪玉」になるのは、電子のひとつが放たれることでフリーラジカルが酸化(本質的に不安定化)した時だけです。それは動脈壁にくっついて炎症連鎖を起こし心臓発作の原因となる血栓につながるのです。



おそらくは、まだ他にも


高コレステロール論理(脂質仮説と呼ばれます)への最も的を得た乖離は、おそらく心臓発作を起こした人すべてのうち半分になる人のコレステロールが正常値だという不都合な真実です。ほとんどの人は、50%というその数字に注目し、コレステロール以外の何かがこの明らかな矛盾の原因となるのではないかと思うでしょう。


数えきれない研究によって、脂肪仮説が心臓疾患を深刻に単純化しすぎていること、心臓疾患の予防には抗酸化物質の果す役割を完全に軽視していることがわかっています。1990年代のリヨン食事心臓研究では、心臓発作で回復した人1グループを米国心臓協会認定の低脂肪、高炭水化物、抗コレステロールの食環境におき、他のグループを野菜、果物、ナッツ類、魚、オリーブ油を主にしたいわゆる地中海ダイエットとよばれる食環境に置きました。研究の結果、どちらのグループも同等のコレステロール値でしたが、地中海ダイエットのグループは2度目の心臓発作を起こした人が大幅に少なく、胸の痛み(不安定性狭心症)や心臓疾患を起こした人もかなり少数でした。どうしてでしょうか?果物や野菜に見られる抗酸化物質や魚に含まれるオメガ3脂肪酸の抗酸化作用に関係があるのではないかと研究者らは考えています。


そして、フランスのパラドックスがあります。フランス人はリッチで高コレステロールの食事を大胆に奔放に食べている様子ですが平均的な全コレステロールのレベルはおよそ250のあたりにとどまり、先進国では最も心臓疾患の件数が少ない国だという不思議な事実のことです。このパラドックスを研究している研究者たちはまた、新鮮な野菜や果物の摂取、そして特にレスヴェラトロールなど赤ワインの強力な抗酸化物質に注意を向けています。


それでは、抗酸化物質は体内でどんな役割をしているのでしょう?抗酸化物質は炎症を抑えます。そして、最近の研究などでは、炎症が心臓疾患の発症や心臓発作に重要な役割を果たしていることが確認されたようです。それはどのようにでしょうか?では動脈の中を覗いてみましょう。高血圧や高血糖の食事からくる血糖スパイク、喫煙の毒素、環境汚染や殺虫剤などの何らかが、動脈の表面を覆う細胞一枚の厚さである内皮を傷つけます。LDLは、おそらくは傷ついた細胞を修復しようとその傷にとどまり、そして血中のフリーラジカルによって酸化します。免疫細胞が傷を治そうと集まり、炎症はさらに悪化します。指を切った場所の周りが赤くなるのを考えてみてください。体は大きくなる「汚染」を止めようと、硬く繊維質の蓋をしますが、この蓋が動脈プラークです。このプラークが安定している時、炎症は治まって蓋はそのまま残りますが、このプラークが悪さをするのは動脈を狭めることだけです。一方で、不安定なプラークは、破裂して血栓を作り出すことがあり、結果的に狭まった動脈を堰き止めて心臓発作を引き起こすのです。


炎症のある心臓障害なのかを調べるため、医師らは数多くの血液検査に頼ります。こうした安価の検査は、症状が起こる前であっても心臓疾患の見つけるのに重要な役割を果たしています。


では、こぞって検査に行くべきなのでしょうか?おそらく、心臓疾患のリスク要因をいくつか持っていない限りは必要ないでしょう。特にストレスの多いライフスタイルや、過剰な体重、高血糖などです。簡単に言えば、炎症を引き起こすライフスタイルを送っているなら必要でしょう。しかし、まずは気持ちを新たにして、心臓の健康のために何をするべきか、何を食べるべきかをみていきましょう。






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次回に続きます。