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2026年6月21日日曜日

国際ヨガデイ2026
International Day of Yoga 2026

今年も夏至がやってきました。
夏至といえば、国連国際ヨガデイです。

今回は、国連が発表している情報をご紹介します。

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2026年のテーマ:健康的に歳を重ねるためのヨガ


今年12回目を迎えた国際ヨガデイのテーマは、全て年代でのヨガの重要性を強調する「健康的に歳を重ねるためのヨガ」です。ヨガは健康的に歳を重ねるための価値のある実践法であり、それは、高齢になっても活動的で、自立し、社会性を保ち続けるための能力の多くを養うことができるからです。やさしい動きやストレッチ、呼吸法、エクササイズ、そしてマインドフルネスを組み合わせることで、ヨガはバランスや柔軟性、体力、可動性を向上させる一方、精神的なウェルビーイングやストレス管理にも役立ちます。ヨガは、様々な体調や健康状態に適応させられるため、高齢者の多くにとって心身の健康を維持するための行いやすい方法となります。これらの効果は、自立性を促進すること、転倒リスクを下げること、QOLを高めること、人を中心においた健康やウェルビーイングへのアプローチを促進することなど、WHOの「健康長寿の一年」(2021ー2030)の目標のいくつかに役立ちます。




ヨガとは何か、なぜ祝うのか?


ヨガは、インドを起源とする古代からの身体的、精神的、霊的な実践です。「ヨガ」という言葉は、「つなぐ」あるいは「結合する」という意味のサンスクリット語から来ており、身体と意識の結びつきを象徴しています。

現在、世界中で様々なかたちで実践されており、ますます人気が高まり続けています。

その世界的人気を鑑みて、2014年12月11日、国連では6月21日を国際ヨガデイと宣言しました(決議69/131)。

国際ヨガデイは、ヨガを実践することの効果の多くに対する世界中の意識を高めることを目指しています。

国際ヨガデイの制定決議案はインドによって提案され、記録的にも加盟国175カ国から承認されました。当初、第69回総会開会の挨拶の中でナレンドラ・モディ首相によって提案されました。首相の発言はこうでした。「ヨガは私たちの古代からの伝統による非常に貴重な贈り物です。ヨガは、心身の結合、思考と行動の結合を包含し、そのホリスティックなアプローチは健康やウェルビーイングに有益です。ヨガは単なるエクササイズではありません。自身が世界、自然とひとつであるという感覚を見つける方法です」

決議書には「人々が健康的な選択をとり、健康を養うライフスタイルのパターンに従う重要性」が言及されています。この件についてWHOはまた、加盟国に対し市民の運動不足を解消するよう促しています。運動不足は、世界での死因の10位でもトップであり、循環器病やガン、糖尿病などの非伝染性疾病の主なリスク要因となっています。

しかし、ヨガは単なる身体的な活動ではありません。ヨガの最も有名な実践者の一人であるB.K.S.アイアンガー氏の言葉にあるように「ヨガは、日々の生活の中で、バランスの取れた姿勢を維持する方法を養い、行動の質を高めるスキルを与えてくれます」






(出典)https://www.un.org/en/observances/yoga-day

2024年11月15日金曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.3 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb


前回の続き、最終回です。

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1. 同一の印象に集中する

精神を浄化し感覚をコントロールするもうひとつの方法は、例えば海や青い空を見つめるなど、同一の印象に意識を向けることです。不規則な食生活や相入れない質の食べ物が消化機能をショートさせるように、耳障りで過剰な印象によって印象を消化する能力も混乱します。そして消化力を向上させるには断食や、モノ・ダイエット(アーユルヴェーダでお米とムング豆のキチャリを食べるように)が必要であるのと同様に、精神の消化力も自然で同一の印象を取り入れて印象を断つ期間が必要なのかもしれません。


2. 肯定的な印象を作る


五感を制御するもうひとつの方法は、肯定的で自然な印象を作り上げることです。これには数多くのやり方があります。木や花、岩などの自然のものに対して瞑想する、または公的的な印象や思考の宝庫である寺院や聖地などを訪れるなどす。肯定的な印象はまた、お香や花、ギーのランプ、祭壇や礼拝に関する工芸品などを使うことで作り出すことも可能です。



3. 内的な印象を作る 


五感から離れるテクニックは他に、内側にある印象に精神を集中する、すなわち外側の印象から意識を遠ざけることです。想像力を働かせることで自身の内側にある印象は作り出すことができ、肉体の感覚が静まって初めて作用し始める微細な感覚に繋がることもできます。



視覚化すること


視覚化するることは、内側の印象を作り出す最も簡単な方法です。実際に、ヨガの瞑想の実践は、神やグル、自然の美しい景色などを思い浮かべることから始まります。神やその世界を思い浮かべる、または想像した神様に花や宝石をお供えするなど心の中で儀式を行うなどで、より複雑に視覚化することができます。心の中の景色に没頭するアーチストや、音楽を作り上げるミュージシャンも心の中で視覚化しています。これらはみなプラティヤハラなのですが、なぜならこれらは外的印象の精神域をクリアにし、瞑想の基盤となる肯定的な内的印象を作り上げるからです。準備としての視覚化は、ほとんどの瞑想に有用となり、他の霊的な実践に取り入れることもできます。





ラヤ・ヨガ


内なる音や光の流れのヨガであるラヤ・ヨガでは、粗い感覚から身を引いて微細な感覚へと集中します。この内なる音や光へと身をひくことは、精神を変容させる方法のひとつでインドリヤ・プラティヤハラのもうひとつの形でもあります。




プラナをコントロールする


五感のコントロールには、プラナの成長とコントロールが必要となりますが、それは五感がプラナ(生命力)の流れであるからです。プラナが強くなければ、五感をコントロールする力を持つことはできません。プラナが乱れたり混乱していれば、五感もまた乱れたり混乱します。


プラナヤマは、プラティヤハラの準備です。プラナはプラナヤマで集められ、プラティヤハラで内に入ります。ヨガの文献では、体のあらゆる部分からプラナを内にひく方法が述べられています。つま先から始め、頭頂や第3の目、心臓、あるいは他のチャクラなど意識を留めたいと思う場所で終えます。


おそらくプラナ・プラティヤハラの最良の方法は、死のプロセスを心に浮かべることでしょう。生命力であるプラナが体から離れ、足から頭まで全ての感覚が遮断されます。ラマナ・マハリシは、彼がたった17歳の少年の時にこれによって自己実現を果たしました。真我を深く探る前に、彼は自分の体が死にプラナが精神へ、精神が心臓へとと引き込まれるのを心に浮かべました。このような完全で集中したプラティヤハラがなければ、彼の瞑想のプロセスは成功しなかったでしょう。




行動をコントロールする


感覚器(目や耳など)に加えて、私たちはまた(手や舌など)運動器官を持っています。運動器官を制御することなくしては感覚器官をコントロールすることはできません。実際、運動器官は外界と直接関係しています。感覚を通して入ってくる衝動は運動器官を通して現れ、そしてこれがより強い感覚を得たいと想わせるのです。しかし、欲望は終わりがないため、幸福を得るためには、私たちが欲しているものを得ることではなく、外の世界からもう何も必要がなくなった時なのです。


印象の正しい取り込みが感覚器官のコントロールを可能にするように、正しい仕事や正しい行動は運動器官のコントロールを可能にします。これは、カルマ・ヨガで、人生に必要な行動を取ること、そして欲望や自己満足に基づく行動を避けることです。カルマ・ヨガには二段階あり、外に向けた行動や奉仕(セーヴァ)、そして様々な形式の儀式から成る内に向けた行動です。


カルマ・プラティヤハラは、神や人類全体に対する奉仕として行動することで、自分の行いに対する個人的な報酬に関するあらゆる思考を放棄することで実践することができます。バガヴァッド・ギータでは、「あなたの義務は行動することであり、行いに対する報酬を求めることではない」と書かれています。これは一種のプラティヤハラです。それはまた、運動器官のコントロールにつながる禁欲の実践も含まれます。例えば、アサナは手足をコントロールするために使われることがありますが、それは長時間、静かに座る際に必要とされるコントロールです。




精神を引いていく


ヨギたちは、精神は6つめの感覚器であり、他のすべての感覚器を調整する役割を持つといいます。感覚の印象は、精神の気づきがある場所でのみ受け取ることができます。例えば、テーブルからコップを。持ち上げる時に手の動きに合わせて目が見るものを関連づけることで、精神もまた感覚器官や運動器官を調整します。ある意味では、私たちは常にプラティヤハラを実践しているのです。精神の気づきには限界があり、精神を他の印象から遠ざけることである一つの印象に注意を向けることができます。私たちが意識を向ける場所がどこであっても、その他のものは自然に見落としてしまうものなのです。


意識をそこから遠ざけることで、私たちは感覚をコントロールしています。ヨガ・スートラによれば、「感覚がその対象そのものを確認するのではなく精神の本質を再現する時、それはプラティヤハラである」より明確に言えば、それはマノ・プラティヤハラ、つまり感覚を対象物から引いて精神の本質という内面、つまり形のないものへと向けることです。ヨガ・スートラにおいてヴィヤサは、精神は女王蜂のようなものであり、感覚は働き蜂のようなものだと解説しています。女王蜂が向かうところはどこでも他のすべての働きバチが従います。ですから、マノ・プラティヤハラは感覚のコントロールというよりは精神のコントロールなのですが、それは精神がコントロールされれば感覚もまた自然にコントロールされるからです。


不健全な印象が現れた時は、そこから意識的に注意を逸らすことで、マノ・プラティヤハラを実践することができます。これはプラティヤハラの最も高度な形で最も困難です。感覚や運動器官、プラナをコントロールすることに熟達していなければ、機能することは困難です。野生動物のように、プラナや感覚は弱い心を簡単に打ち負かすため、多くの場合、より実際的なプラティヤハラから始める方が良いでしょう。




プラティヤハラとヨガの他の支則


プラティヤハラは、ヨガの全ての支則に関係しています。アサナからサマディに至るまですべての支則にはプラティヤハラの局面があります。例えば、アサナの最も重要な面である座位のポーズでは、感覚器官と運動器官のどちらもがコントロールされています。プラナヤマはプラティヤハラの要素を含んでいて、呼吸を通して注意を内面に引き込みます。ヤマとニヤマは非暴力や知足など様々な原理や実践を含みますが、それは感覚をコントロールするのに役立ちます。言い換えれば、プラティヤハラはヨガの高度な実践のための基礎を与えてくれ、そしてそれは瞑想の基礎となります。プラナのコントロールであるプラナヤマの後、精神とプラナを結びつけることで、肉体という領域から出ていくのです。



プラティヤハラはまた、ダーラナとも関連性があります。プラティヤハラでは、通常の障害となる心の乱れから注意を引いていきます。ダーラナでは、マントラなど特定の対象物にそうした注意を意識的に集中させます。プラティヤハラはマイナスの実践ですが、ダーラナは同じ基本的機能でプラスの局面を持っています。




最も重要な支則


瞑想の実践を何年も行ってきたけれど、期待通りには達していないと感じる人は多いでしょう。ある程度のプラティヤハラのない瞑想を実践しようとするのは、穴の空いた器で水を汲もうとするのに似ています。どんなに水を入れても、それはまた流れていきます。感覚とは心の器の穴のようなものです。穴を閉じなければ、精神は真実の蜜を保つことはできません。瞑想をしたり感覚に耽ったりする人にはプラティヤハラが必要です。


プラティヤハラは、瞑想のために心を準備する様々な方法を与えてくれます。また、心理的な痛みのもとである環境的な障害を避ける手助けとなります。プラティヤハラは、人生をコントロールし、内面の存在を開くための素晴らしいツールです。何人かの偉大なヨギが
「ヨガの最も重要な支則」だと呼んだのも不思議ではありません。私たちは皆、実践にプラティヤハラを含めることを忘れてはならないのです。







2024年10月27日日曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.2 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb


前回の続きです。
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五感の制御


五感の制御、インドリア・プラティヤハラは、プラティヤハラで最も重要とされますが、マス・メディア志向の文化にいる私たちにはあまり耳にしたくないものでしょう。テレビやラジオ、コンピューター、新聞や雑誌、本など常にありとあらゆる刺激により、ほとんどの人が感覚過剰な状態になっています。商業主義の社会は、五感を通して興味を刺激することで機能しています。いつも明るい色や騒がしい音、ドラマチックな感覚を突きつけられています。ますますより多くの感覚的な楽しみにふけるようになっています。そして私たちの社会での娯楽とはとういったものがほとんどです。


問題は、そういった感覚というのは、躾されていない子供のように自分の意思を持ちとても衝動的な性質を持っていることです。五感は何がしたいかを心に伝えます。もし躾しなければ、五感は私たちを支配し、その終わりのない要求が心を乱します。私たちはいつも知覚が働くことに慣れていて、心を静かに保つ方法を見失っています。感覚の世界とその魅力の人質となってしまっています。五感に訴えるものを追い求めて、人生のより高度な目標を忘れています。こうした理由から、プラティヤハラは現代の私たちにとって最も重要なヨガの支則なのでしょう。


昔のことわざ「精神には意思があるが、肉体は弱い」は、五感を正しく制御する方法を学んでいない私たちに当てはまります。インドリア・プラティヤハラは、精神を強くし肉体への依存を減らすためのツールを与えてくれます。そうした制御は抑制(最終的に反発を起こしてしまう)ではなく、正しい調整と動機づけなのです。




印象を正しく受け入れる


プラティヤハラは、印象を正しい受け入れることです。私たちの多くは、何を食べるか誰と居るかに注意を向けますが、五感から入ってくる印象については同様の識別を行いません。個人の生活では決して許さないような印象をマスメディアを通して受け入れています。現実の生活では決して家に入れないような人々が、テレビや映画を通して家の中に入ってくるのを許しているのです!


毎日どんな印象を取り込んでいるのでしょう?それが私たちに影響を及ぼすことなどないと考えられるでしょうか?強い感覚は精神を鈍らせ、鈍った精神によって私たちの行動は無神経で軽率で、暴力的ですらなり得ます。


アーユルヴェーダでは、五感による印象は精神の主な食物です。精神域の背景は、五感の印象に支配されています。これは、精神が最後に聞いた歌や最後に見た映画などの印象を思い出す時に見られます。ジャンクフードが体を不快にするのと同じく、ジャンクな印象は精神を不快にします。ジャンクフードはたくさんの塩や砂糖、スパイスで味つけられていますが、それはほとんどが死んだ食物だからです。同様に、ジャンクな印象は強くドラマチックな印象(セックスや暴力)で現実であるかのように感じさせますが、それは実はそれらがただスクリーンに映し出された色にすぎないからです。


私たちが何者なのかについて、五感の印象の役割は無視することはできません。というのも、印象が潜在意識を築き、その中にある潜在的な傾向を強めるからです。印象をコントロールせずに瞑想をしようとすれば、潜在意識は私たちと闘うこととなり、精神の安定や明快さを作り出すことはできません。




五感から離れる


幸運なことに、私たちは五感の印象の嵐の前でどうすることもできないというわけではありません。プラティヤハラが正しく管理する実際的なツールをたくさん与えてくれます。おそらく印象をコントロールする最も簡単な方法は排除する、つまり五感から入ってくる全てのインプットからしばらく離れることです。断食が肉体に効果があるように、印象を断つことは精神に効果があります。これは、目を閉じて座って瞑想する、通常の五感の嵐から離れた場所(例えば山小屋など)に逃避するなど簡単にできます。


ヨニ・ムードラ(またはシャンムクティ・ムードラ)は、五感を閉じるための最も重要なプラティヤハラのテクニックの一つです。手の指を使って、頭部の感覚器(目、耳、鼻、口)をブロックして、意識とエネルギーを内側へと動かします。プラナヤマの練習をしたすぐ後など、プラナのエネルギーが強い時は短時間で効果があります。(もちろん、酸欠になるほど口や鼻を閉じてはいけません)


五感から離れるもうひとつの方法は、感覚器は開いたまま注意を内側へと引き込むことです。この方法では、実際に感覚器を閉じてしまうことなく、印象の取り込みをやめます。最も一般的な方法はシャムバーヴィ・ムードラで、目を開けたまま座りながら意識を内側に向けますが、いくつかの仏教の瞑想で使われるテクニックです。この感覚を内側に向けることは他の感覚、特に聴覚も同時に行うことができます。日々の生活のまま五感が働いている時でも、精神とコントロールするのに役立ちます。


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次回にまだまだ続きます。


2024年10月25日金曜日

プラティヤハラ:忘れられたヨガの支則 Vol.1 
Pratyahara: Yoga’s Forgotten Limb

ヨガって何でしたっけ?
やせるため、健康のための運動?若々しく綺麗でいるためのストレッチ?
さて、大事な物を忘れてしまっているかもしれません。

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プラティヤハラそのものがヨガと呼ばれるのは、ヨガ・サダナ(日々の鍛錬)の中で最も重要なものだからである ー スワミ・シヴァナンダ







ヨガは、精神修練の広大なシステムで、精神の成長のための手段を与えてくれます。私たちの本質の様々な側面を理解する方法や、そんな本質と私たちの内側や周りに存在するより大きな世界とを調和させる方法を授けてくれます。この素晴らしい精神科学は、私たちの可能性が最大に展開するのを実現する方法を示しています。


この目的を果たすため、伝統的なヨガのシステム(アシュタンガ・ヨガ)は8つの支則を取り入れており、それぞれが役割や機能を持っています。8つがまとまって精神を解放するための完全なシステムを作り上げている。この8支則とは、ヤマ(禁戒)、二ヤマ(勧戒)、アサナ(坐法)、プラナヤマ(調気法)、プラティヤハラ(制感)、ダーラナ(集中)、ディヤナ(瞑想)、そしてサマディ(三昧)です。これらの中で、プラティヤハラが最も知られていないでしょう。ヨガの指導者であっても、どれだけの人がプラティヤハラを明確に示せるでしょうか?プラティヤハラのクラスに出たことがありますか?プラティヤハラについての本をみたことがありますか?重要なプラティヤハラのテクニックのいくつかを思いつきますか?ヨガの実践の中でプラティヤハラを行っていますか?しかし、プラティヤハラを理解しなければ、ヨガの不可欠な部分を欠いていることになります。この側面がなければ、このシステムは機能しないのです。




ヨガの内側と外側の側面



ヨガの外的側面は、正しい生き方、正しい体の使い方、そして生命力を高めることから成っています。これが、ヤマやニヤマ、アサナ、プラナヤマです。ヤマとニヤマは、非暴力や誠実などの価値観や清浄や知足などの実践を通して正しい鼓動の基礎を作ります。アサナは体を強く柔軟にさせ、プラなヤマは生命力を高めてくれます。


ヨガには、瞑想やより高度な意識の開発などの内的側面もあります。これこそがヨガの目的であるダーラナ、ディヤナ、サマディがひとつのプロセスとして形を成したサンヤマで、広い意味では瞑想のことです。


八支則の5段階目として、プラティヤハラは中心に存在します。ヨガの外的側面のひとつだとする人もいれば、内的側面とする人もいます。どちらの分類も正しく、その理由はプラティヤハラがヨガの内外的側面の関係への鍵であるからです。次へどう進むのかを教えてくれます。


アサナから瞑想へと直接に進むことが可能な人はほとんどいません。これは、体から精神の間に何が存在しているのかを見失ったままジャンプしなければいけないからです。この移行を行うためには、まず体と精神を繋いでいる呼吸や五感を制御して正しく開発しなければなりません。ここでプラナヤマとプラティヤハラの出番です。プラナヤマによって生命力と心拍をコントロールし、プラティヤハラによって手に負えない五感を制御します。このどちらもが、瞑想を正しく行うために必要不可欠です。



プラティヤハラとは?



「プラティヤハラ」という言葉は「Prati」と「Ahara」という二つのサンスクリット語から成っています。「Ahara」の意味は「食物」あるいは「外側から自分自身へ取り込むもの」です。「Prati」は「逆らって」や「離れて」を意味する前置詞です。つまり「Pratyahara」とは文字通り「aharaの制御」あるいは「外的影響の統制」という意味です。これはこれまでカメが甲羅の中に引っ込むことに例えられてきました。甲羅は精神で脚は感覚です。一般的に「感覚から離れる」と訳されますが、より多くの意味を含んでいます。


ヨガの考えでは、アハラつまり食物には3つの段階があります。まずひとつめは、体を育むために必要な5要素(土、水、火、風、空)をもたらす物理的な食物です。ふたつめは、精神を育むために必要な微細物質をもたらす五感(聴覚、触覚、視覚、味覚、嗅覚)です。各感覚は、聴覚が空、触覚が風、視覚が火、味覚は水、嗅覚は土というように微細な要素から成っています。みっつめのアハラは私たちの人間関係で、魂を育み私たちのグナ(サットヴァ、ラジャス、タマス:調和、混乱、怠性の根本的質)に影響を与える心の中にある人々です。


プラティヤハラには二面性があります。間違った食物、間違った感覚、間違った人間関係から離れると同時に、正しい食物、正しい感覚、正しい人間関係へと向かっていきます。正しい食生活や正しい人間関係がなければ精神的な印象を制御することはできませんが、プラティヤハラで最も大切なのは、感覚が作る印象から離れ制御することであり、それによって内側へと向かう精神を自由にすることができます。


否定的な感覚から意識を離すことによって、プラティヤハラは精神的な抵抗力を強化します。健康な体が毒素や病原菌に抵抗するのと同じく、健康な精神は否定的な感覚が周囲に影響を与えるようとするのに抵抗します。もし周りの騒音や混乱ですぐに心が乱れてしまうなら、プラティヤハラを実践する必要があります。それがなければ、瞑想することはできません。


プラティヤハラには主に4つの形があります。インドリア・プラティヤハラ(五感の制御)、カルマ・プラティヤハラ(行動の制御)、プラナ・プラティヤハラ(プラナの制御)、そしてマノ・プラティヤハラ(五感から離れる)です。それぞれに特別な方法があります。


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次回に続きます。







2024年3月12日火曜日

心臓の健康へのヨガの5つの効果 
5 Heart-Health Benefits of Yoga

ヨガが高齢者の健康に大きな効果をもたらすことはすでに知られています。
そのひとつは、心臓にとても良いということです。






ヨガが心身に良いのは、柔軟性や体力増強、エネルギーや気分向上などの効果をもたらすからです。また、心臓にも良いというますます多くのエビデンスが出てきています。


何千年も前のインドに起源を持つヨガは、これまで数多くの臨床研究の対象となっており、太陽礼拝やダウンドッグなどに対するエビデンスは強固になってきています。一例を挙げれば、米国心臓学会の2023年アジア会議で発表された研究では、ヨガが心不全患者の循環器機能向上とともに、忍耐力、体力、バランス、そしてQOLを向上させることが認められました。


もし心臓に問題があるのなら、どのレベルのヨガがあなたに適しているのか医師に確認しましょう。もしヨガを始めようと思っている、あるいは健康に不安がある場合は、クラスの前にインストラクターに相談しましょう。インストラクターが、一緒にクラスが受けられるようにコツやバリエーションを教えてくれるはずです。



1. ヨガは体の運動を促す


CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、運動不足は、米国の男女No.1の死因である心臓病の原因になります。


しかし、遅すぎることはありません。研究によれば、ヨガをする人はより活動的で健康的な食事をする傾向が高く、それが心臓を守ってくれています。2018年5月「International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity」で発表された研究では、ヨガを習慣的に実践している若年層はより健康的な食生活を送っており、より中高レベルの運動をより長時間行っているとわかりました。2020年8月の「International Journal of Environmental Research and Public Health」に発表された他の調査では、ストレッチをするエクササイズは、心臓や全身に血液を送り出す動脈硬化を著しく減少させ、中高年層における心機能を向上させることを示しています。


米国心臓協会(AHA)が薦めるのは、総合的な心臓の健康のためには中程度の有酸素運動を少なくとも30分、週に5日以上行うことです。中強程度の筋トレを週に2日以上行うと、より効果が得られるそうです。



2. ヨガがストレス解消に


ストレスがどれほど心臓病に関係しているのかを研究者もはっきりとは確定することはできない一方で、ストレスが心臓病のリスクを上げる習慣や要因を増加させる可能性があります。これには、喫煙や運動不足、過食、高血圧などが含まれます。


ヨガの実践者には、精神衛生の向上、リラックス感の増加、気分の向上などがみられると研究で示されています。心身の実践は、落ち着こうとする神経である副交感神経を調整するのに役立ちます。2020年8月「Stress & Health」で発表された研究では、呼吸法や瞑想をするヨガクラスの参加者のストレス受容減少とマインドフルネスの高まりが示されました。


「ほとんどのストレス解消テクニックでは、呼吸に意識を向けます」ミシガン州ビンガムファームスの「Kahn Center for Cardiac Longevity」の循環器医師ジョエル・カーン博士はそういいます。「全てのヨガで不可欠なもののひとつは、呼吸への気づきとよりマインドフルであることです。つまり、外から見てわかる、あるいはわからないストレス解消の意識付けが、ほとんど全てのヨガクラスに内在しているのです」



3. ヨガが高血圧リスクを下げる可能性も


2021年9月の「Scientific World Journal」で発表の系統的な再調査では、ヨガで高血圧をコントロールできる可能性を示しました。


瞑想や呼吸、ヨガの練習が、高血圧前症の患者における拡張期・収縮期血圧(血圧の最高と最低の値)を下げるとされる数多くの研究を再調査しました。再調査では、体系化されたヨガポーズや呼吸法の「服用量」は確認できなかったものの、高血圧や心臓病を起こす可能性をヨガが減らすことができると研究者らは結論づけました。


「ヨガの生理学的な効果は、神経系の福交換神経を高めることだということはわかっています」コロンビア州のミズーリ医科大学の産科医であり、ヨガの血圧に対する効果の研究を行っているシャミタ・ミスラ医師は述べています。「心拍を下げ、心臓の働きを抑えます。心拍が少なくなればなるほど、そのひとつひとつはより強くなります」



4. ヨガは不整脈を落ち着かせる可能性も


心房性細動は、早かったり不規則に打つ異常な心拍リズムのことで、心不全やその他合併症の原因となります。2022年の「European Society of Cardiology Congress」で発表された研究では、ヨガが心房性細動患者の症状を抑える可能性を示唆しました。研究は、2012年から2017年、538人に対して実施されました。被験者らは、12週間ヨガをしないで、その後16週間毎日、ポーズや呼吸を含めたヨガのセッションに30分参加しました。その16週間の間は、被験者たちの発作の回数が減少しました。


「心房性細動患者の治療の中で、発作回数を減らすのにヨガが役立つ可能性があるかもしれない」ニューヨークのブロンクスにある「Cardiac Wellness Program at Montefiore Medical Center」の創設者であり管理者のロバート・オストフェルド博士はそう述べています。



5. ヨガは共同体意識を促す


心不全など深刻な心臓疾患を経験した患者の多くは、社会からの孤立感を感じたり、うつ状態になったりすることがあります。「外出するのが安全ではない、外出するほど元気でないと感じるのです」オストフェルド博士は言います。「初めて自らの死に向き合っているからでしょう。あるいは、今まで可能だったこと全てができるわけではないという事実に直面したからかもしれません」


ヨガがそれに役立つかもしれないというエビデンスがあります。米国医学協会の機関誌に発表された研究では、メイン州の農村で、循環器リスク要因と行動変化を対象とした共同体プログラムに参加することが、死亡率や入院率の低下と関係があることがわかりました。


ヨガは共同体意識をもたらすことができ、それが鬱や孤独感を和らげます。「ヨガクラスでは、安全な環境の中で、他の人と一緒に流れるように動いて繋がることができます」カーン博士は述べてます。「社会的交流の効果を数値化することは困難ですが、もし健康問題のある人たちが自宅にいるような心地よい環境にいられれば、人はより健康的な選択ができるようになると考えています」


ヨガはまた、特に認知行動療法など通常の治療と組み合わせると鬱症状を緩和することができると、2019年5月に「American Family Physician」に掲載された研究が示しています。また2023年9月に「International Journal of Old People Nursing」で発表された再調査では、60才以上の成人で、鬱や不安症のレベルがヨガで向上することがわかりました。




自分に合ったヨガクラスを選ぶ方法


ヨガクラスを試したくなりましたか?ヨガには多くのスタイルがありますが、ひとつだけにこだわる必要はありません。また、難しい1時間のクラスに飛び込んでもすぐに効果があるというわけでもない、とミスラ博士は言います。
「そんなに長い時間は必要ありません。私の研究では、ただヨガの呼吸を15分行っただけで結果がみられたからです。しかし、有益な結果を得るために何分間のヨガが必要なのかというような情報はありません」


  • ハタヨガは、西洋社会で通常行われているヨガの流派で、身体的なポーズの練習のことを示します。ヴィンヤサ、アイアンガー、アシュタンガなどのヨガがありますが、これらすべてはハタヨガに分類されます。どんな運動でもm始める前に医師に確認しておきましょう。

  • ヴィンヤサ・ヨガは「フローヨガ」とも呼ばれ、呼吸と動きの組み合わせが中心となります。クラスは、パワーヨガやアシュタンガなどペースが速く強度の高いものから、スロー・フローやアライメントを重視したクラスなど健康状態や身体的な制限がある人やビギナーに適したより穏やかなものまであります。

  • ホットヨガは熱した室内で行われます。今は様々なタイプのホットヨガがありますが、最も人気があり最も熱いのがビクラムヨガで、40°Cにまで熱した室内で26のポーズと2つの呼吸法を行います。心臓に何か問題がある人や極度の暑さに敏感な人などは体調を悪化させる恐れがあるので、オストフェルド医師によれば、このヨガは避ける方が良いでしょう。

  • アイアンガーヨガは異なるポーズを通して体のアライメントに注目するタイプのヨガです。他のスタイルのヨガとは異なり、個々人のスキルレベルや体のタイプに適合するよう、椅子やブロック、ベルトなどのプロップスを使います。

  • 「トグロを巻いた蛇」という意味のクンダリニヨガは、呼吸法、チャンティング、音楽、瞑想、そして動きを組み合わせたものです。その目的は「蛇を解」き、背骨の基底部から頭頂までのエネルギーを解いて7つのチャクラ(体内のエネルギーがある場所)を目覚めさせることです。よりスピリチュアルなヨガであるクンダリニは、ストレスや不安を解消するのによい選択となるでしょう。

  • よりゆっくりとしたスタイルの陰ヨガは、同じポーズを5分以上保つので、ビギナーが始めるには難しいかもしれません。またこのスタイルは瞑想的な性格を持っているので、クンダリニヨガよりは少し身体を動かしたいけれどヴィンヤサヨガほど動かないクラスを探している人にはぴったりかもしれません。

  • ゆっくりと穏やかなリストラティブヨガは、呼吸に集中できるような長く保つストレッチで全身を開くことに重点を置いています。様々なポーズで全身をサポートするため、ブロックや枕、クッションなどプロップスが使われます。この安らぎを与えてくれるヨガは、痛みを緩和し精神的な幸福感を高めるのに良い方法です。






2024年1月30日火曜日

伝統的なヨガで筋肉のバランスが崩れる? Vol.2
Does Traditional Yoga Lead to Muscular Imbalance? - Part 2



前回は、ヨガにおける肩の健康に影響を与える解剖学的な隠れた不均衡を探りました。ヨガは完全な「バランスの良い」実践だと言われることが多いのですが、アサナの動きを分析するとそうでもないことがわかります。伝統的なヨガは、肩の「押す」筋肉を強化するにはとてもよい働きをしますが、反対のグループである肩の「引く」筋肉を強化することはありません。ヨガは無数の効果がある素晴らしい活動であることに違いはなく、ヨガの持つこの不均衡は決して欠陥ではありません。それはただ引くための対象を用いないマット上での実践であるというだけです。この押す・引くという動きの不均衡にが結果的にヨギたちの肩の機能的強さのバランスを崩し、長期的な怪我のリスクを高めることもあるのです。

 
幸いにも、ヨギがこの強さのアンバランスを直すために可能な効果的で創造的な方法はたくさんありますが、伝統的なヨガではない他の運動にも目を向ける必要があります。ヨガマットの上で行う押すポーズとのバランスを取るための引く動きを習慣的にやれば、肩に本当に機能的なバランスを取り戻すことができるでしょう。それではここで、ヨガで行う押す動きとのバランスをとるための方法をいくつかご紹介しましょう。




ブランケットを使ったサーフィン


これは私の好きな動きの一つです。とても効果的な肩を引くエクササイズで、ヨガの練習に取り入れやすいです。


ヨガブランケットをヨガマットのサイズくらいに折りたたみ、硬いフローリング(あるいはその他なめらかな面)に置きます。ブランケットの上にうつ伏せになり、手のひらを床に向けて腕を耳の横で前に伸ばします(腕以外の全身をブランケットに乗せて置きます)。息を吐きながら、両手を床にしっかりと置いたまま体を手の方向へ引きます。体とブランケットを前に滑らせながら、左右の肩甲骨を引き寄せましょう。動きの最後には、肘が曲がり両手は胸の横あたりにあるはずです(手首の可動域によって、胸よりも前後するかもしれません)。そこでまた腕を前に伸ばし、てのひらを床に根付かせて繰り返します。







プルヴォッターナサナ(上向きの板のポーズ)


ヨガでこのポーズを好きな人はほとんどいないことに気づいていましたか?これは実際に肩を引く筋肉を使う珍しいアサナだからです!そして、一般的に肩を引く筋肉は肩を押す筋肉よりもかなり弱いため、多くのヨギにとってこのポーズはとても難しいのです。プルヴォッターナサナは、厳密に言えば、自分の方に何かを引くわけではないので肩を引く動きではありませんが、引くための筋肉の一部に効果的です(全ての筋肉ではないにしても)。ヨガの指導者には、この素晴らしいポーズを飛ばすか、クラスに一度くらいしかやらない人が多いです。けれど、ヨガでかなりの肩を押すポーズをすることを考えると、プルヴォッターナサナはできるだけ行った方が良いのです!


まずは、ダンダーサナ(杖のポーズ)で、指を前に向けた手を腰の後ろ20センチあたりに置きます。息を吐きながら、両手両足を床に押して腰を空へと持ち上げます。そのまま5回呼吸してから、ゆっくりと腰を床まで下ろしましょう。




プルヴォッターナサナが辛いと感じるなら、代わりにリバース・テーブルを練習してみましょう。同じポーズですが、膝を曲げて踵を膝の真下に置きます。






レジスタンス・バンドでボート漕ぎをするダンダーサナ


私の解剖学の先生であるジェイソン・レイ・ブラウンは、数年前にヨガに押す・引くの不均衡があることに気づきました。創意に満ちた彼は、クラスにレジスタンスバンドを取り入れて、以下のような運動をシーケンスに入れることにしました。レジスタンスバンドという従来は使われていない補助具を必要とはしますが、どんなヨガクラスにも簡単に組み込むことができます。


ダンダーサナから始めます。レジスタンスバンドを足指の付け根にかけて、バンドの両端を手を持ちます。息を吐いて、肘が後ろの壁の方へ移動するようにバンドをまっすぐ引きます。息を吸って、ゆっくりと前に腕を戻しましょう。筋肉が疲れるまで何度も繰り返します。バンドの硬さによりますが、20ー50回ほどボート漕ぎをします。






ぶら下がりと懸垂


ぶら下がりは、ハンドスタンドなどの逆立ちに対するほぼ完全な補完と言えるでしょう。ハンドスタンドが、両手を地面に置いて行う垂直に押す動きである一方、ぶら下がりは、バーを掴んだ両手でハンドスタンドの逆をするようなものです(垂直に引く動き)。逆立ちを習慣的に練習していなくても、ぶら下がりはヨギにとって(そして体を持つ誰にとっても!)とても良い肩を引く動きであることに違いはありません。


もし、ほとんどの人と同様に、子供のころのジャングルジム以来ぶら下がったことがないのなら、いきなり完全にぶら下がらないことが重要です。肩というのは、体重全てを支えながらぶら下がる動きには適していません。まずは安全に懸命に、怪我をしないでぶら下がれるようになる必要があります。完全なぶら下がりで体重を支えられるほど肩の引く筋肉が強くなってから、何の補助もなく完全な懸垂がマスターできるよう練習してみましょう。




ロック・クライミング


ロック・クライミングは、ヨガの不均衡に対抗するすばらしい活動です。ヨガは、床から体を押して話す動きばかりですが、ロック・クライミングは、登っている岩肌に向かって体を引く動きだけで成り立っています。やったことがない場合、ロープやハーネス、特別な靴などについて知っておいて損はないでしょう。ほとんどのジムでは初心者クラスもあるので、すぐに基本が身に付くはずです。





これらは、肩を引く筋肉を強化するための数えきれないほどある選択肢のほんの一部でしかありません。いくつかを試してみて、ヨガの練習で慣れている押す動きとの違いに気づいてみましょう。多くの場合、体をさまざまな方法で動かせてみればみるほど、同じ動きを繰り返すよりも、ヨガの練習で得ようとしている本当のバランスと健康を養うことができることでしょう。

2024年1月24日水曜日

伝統的なヨガで筋肉のバランスが崩れる? Vol.1 
Does Traditional Yoga Lead to Muscular Imbalance? - Part 1


ヨガを実践する人の多くは、体や心、精神のバランスを作り出す本質的な力がヨガにはあると信じています。ヨガは変化をもたらす素晴らしい実践ですが、アサナには意外にあまりバランスが良くはないものもあります。実際、この不均衡が身体的な怪我の元になる可能性も低くありません。


「バランス」という言葉は、霊的な体験から精神、そして物理的空間での肉体的なバランスと多岐にわたります。けれど、ここで論じようとしているのは、肩の機能的筋肉バランスについてです。ヨガは肉体的に完全にバランスの取れたものだと教わることが多いのですが、解剖学的視点でヨガのアサナを深く調べると、アサナを通して肩のいくつかの筋肉はとても強化される一方で、他の筋肉は全く強化されないということがわかります。この筋肉の不均衡が長期的には怪我や痛みとなって現れます。


幸い、私たちの体は負荷に対して常に適応しているので、筋肉バランスが崩れたままにはなりません。けれど、この問題に気づき理解することが、私たちの肩を健康でバランスの取れた状態にする第一歩となります。






ヨガにおける肩の強さの不均衡


ヨガがどのように体の筋肉の不均衡を作り出すのかを理解するために、2つの解剖学的動きを理解する必要があります。肩を押す動きと肩を引く動きです。
 

肩を押す動きは、何か押して体から遠ざける際に腕を使う動きです。玄関を通ろうと重たい扉を押す、あるいはリビングを掃除する際に掃除機を押すのをイメージしてみてください。肩を押す動きをする時はとても多くの筋肉が共に働くのですが、この動きに関連する主役に焦点を当てましょう。腕を使って何かを遠くへ押す時、主に働く筋肉は胸筋、三角筋前部(肩の前にあります)、三頭筋(上腕の後ろにある筋肉群)、そして前鋸筋(肩甲骨から胸郭の横に広がっています)です。これらの筋肉は、腕の角度や動きと重力との関係によって異なる働きをしますが、「押す」筋肉群はこれら4つの大きな筋肉だと考えることができます。


ヨガの中でよく見られる肩を押す動きの例をいくつか見ていきましょう。ヨガでは、玄関扉や掃除機はありませんが、何度も押す大きな面があります。ヨガマットのしたにある床です。プランク・ポーズは、腕でこの面を遠くへ押すアサナの完璧な例です。ここでの肩の動きをイメージするには、このポーズで腕を使わなければ何が起こるのかを想像するとわかりやすいでしょう。腕の力を全て抜いてしまえば、肘は体重で曲がり、体が重力で床に崩れるでしょう(あまりいい格好ではありませんね!)。けれど、床に崩れないで、肩を押す筋肉群(胸筋、三角筋前部、三頭筋、前鋸筋)を収縮させて床を押すことで、腕を伸ばしたまま床から体を浮かせておくことができます。


その他ヨガでの肩を押す動きは、アドムカ・シュヴァナサナ(下向きの犬のポーズ)、チャトゥランガ・ダンダアサナ(ヨガの腕立て)、アドムカ・ヴルクシャサナ(腕立ち)、バカアサナ(カラスのポーズ)、ヴァシシュタサナ(横向きのプランク)などがあります。
 

押す動きと異なり、肩の引く動きは自身の方へ何かを引く時に起こります。地面の頑固な雑草を引く時、リスを見つけて捕まえたいと追いかけようとしている犬のリーシュを強く引っ張っている時などを考えてみてください。こうした肩を引く動きをしている時に収縮している主な筋肉のことは、肩を押す筋肉群の「拮抗筋」と呼びます。それには、菱形筋、中部僧帽筋(左右の肩の後ろにあります)、二頭筋、上腕筋(腕の前に走る筋肉です)、広背筋(背中の大きな筋肉)があります。ここでも腕の角度や重力との関係性によって、各筋肉の働く強さは異なります。しかし、この全体的な筋肉群が肩を引く筋肉だと考えてください。
 


ヨガでの肩を押す動きについて理解したことを基に、肩を引くヨガの動きがあるか考えてみましょう。この分類に正しく当てはめるには、そのポーズは腕で自身の方に何かを引可なければならないということを忘れないでください。どのポーズでしょうか?思いつきますか?これが引っ掛け問題じゃないかと思ったあなた、正解です!実際は、ヨガでは自分の方に引く何かは存在しません。伝統的なヨガは、自分の体とマット、床、そしてポーズを支えるため(引くためではなく)の様々なプロップスのみで行います。ヨガでは、頑固な雑草や興奮した犬を引くことはありませんし、練習の中で肩を引く動きもないのです。強く肩を押す動きが数多いこと、それを補完する肩を引く動きが全くないことを組み合わせた時、機能的強さのアンバランスが起こるのは自然な結果です。
 

ここで明らかにして置きましょう。引く動きがヨガに全くないのは、ヨガの欠点ではなく手落ちでもないのです。単に床の上のマットで全て行う練習での動きだという事実だけなのです。けれど、ヨガがバランスの良い完全な長期の健康とウェルネスの実践だと表現されるため、多くの人たちは主な運動法としてヨガを選ぶのです。そういった意味では、ヨガは実際にはその目標を果たしてはいません。
 

ありがたいことに、「ヨガの肩」に本当に機能的なバランスを取り戻すための方法は、伝統的ヨガの境界を超えて動きのレパートリーを増やす必要はあるものの、数多く存在します。次回の記事では、ヨガマットの上でも外においても、肩の強さの不均衡に対処するクリエイティブな方法をご紹介しましょう!


2023年8月31日木曜日

クンダリニとは?どう使えば豊かな人生を過ごせるか? 
What is Kundalini & How to Use it to Meet the Fullness of Life



ずっと長くヨガを実践している人も、ヨガを始めたばかりの人も、「クンダリニ」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?クンダリニといえば大抵は、呼吸法やチャンティング、同じ動きを繰り返す、そして最も特徴的である白い装束を着て行う現代のクンダリニ・ヨガを思い浮かべるでしょう。しかし、ヨガにおけるクンダリニの概念は、いわゆるクンダリニ・ヨガのスタイルのはるか昔から存在しています。


以下の記事では、クンダリニの歴史やそれが何なのか、そのユニークな質や効果、また現代のクンダリニ・ヨガとクンダリニ・シャクティの違いを探りましょう。クンダリニに関しては、さまざまな考え方や観点があり、ここに書かれた情報は、クンダリニに関してほんの表面に触れているに過ぎないということを念頭に置いておくようにしてください。





クンダリニの歴史


クンダリニが初めて言及されたのは、紀元前1000ー500年のウパニシャッドの中と言われており、身体的なアサナが書かれたハタヨガ・プラディピカのずっと前です。クンダリニ・エネルギーの概念は、ヴェーダやタントラ、ヒンズーのシステムにまでわたり、しばしば聖なる無限の力という意味のクンダリニ・シャクティと言われます。ヒンズー教ではクンダリニは女神とされ、その力は、背骨の根本にあるムーラダーラ・チャクラでとぐろを巻いて眠っているとされます。クンダリニはまた、15世紀にサンスクリット語で書かれたハタヨガ・プラディピカで、全てのヨガの目標となる最も重要なものとされています。
 
 

『扉が鍵によって開くが如く、ヨギは解脱への扉をクンダリニによって開く』 
(第3章105節)



現代のヨガが発展しても、クンダリニの概念はヨガの多くの流派で中心的なテーマとなり続け、1968年には、シーク教の伝道師であるヨギ・バージャンによって「クンダリニ・ヨガ」と名付けられ、ヨガのスタイルのひとつとして広まるまでとなりました。







クンダリニとは?


クンダリニは、内に秘めた見えない力を表している最も需要で力強いエネルギーだと言われ、精神の限界を超えたところに存在する知られざる偉大な領域のことを示します。「クンダル」とは「とぐろを巻いた」、「イニ」は「力」の意味であるので、つまりクンダリニとは「背骨の根本でとぐろを巻く眠れるエネルギー」という意味になります。クンダリニ・シャクティは、私たちひとりひとりが内に持っている全ての意識のエネルギーそのものとして見ることができます。多くの場合、3.5周巻いた蛇として描かれるこのパワフルなエネルギーは、マントラやムードラ、アサナ、プラナヤマなど肉体的、精神的なヨガの実践によって目覚めさせることができます。クンダリニ・シャクティが目覚めると、エネルギー体のチャクラ(エネルギーの渦)を通して上って精神の目覚めに至り、選択や気づき、豊な人生を生きるより大きな機会として現れます。








クンダリニのもつ5つの質


クンダリニ・シャクティに触れ始めると、より無限のエネルギー源へと近づきます。これによって、見えない力の完全性や広大さなど特別な性質を体現するのです。その性質とは以下の通りです。


1.ギヤナ・シャクティ:無限の知識と洞察
 これを体現すると、困難への解決策がより多く得られ、楽に生きられる。


2.イッチャ・シャクティ:意志と決意
 これを体現すると、物事を最後まで見通す意志が持てる。


3.アーナンダ・シャクティ:自己実現と真の喜び
 これを体現すると、より多くの喜びや満足感が日々の生活にもたらされる。


4.チット・シャクティ:全体性への気づき
 これを体現すると、より広い洞察と自己認識を得られる。


5.クリヤ・シャクティ:自発的な正しい行動
 これを体現すると、正しい時に正しい行いをすることで、
 自然に欠陥なく流れるための行動が可能になる。



クンダリニに重点を置いたヨガを実践することで、より多くの可能性やより大きな潜在的な力、そしてより多くの能力を包括した人生への扉を開くことができます。ハタヨガ・プラディピカには、幸せになるための可能性を大きくする、そして人生の真の目的により気づくためにクンダリニ・シャクティを目覚めさせることがすべてのヨガのゴールであると書かれています。




以下は、内なるクンダリニ・シャクティに近づくためのいくつかの実践法です。




クンダリニを目覚めさせる4つのヒント


  • 力強いハタヨガで、腹部にあり火(アグニ)をおこしましょう。おへその中心は下位のチャクラを司るので、ここから始めてクンダリニが上昇する流れを妨げるすべての障害を取り除きます。

  • 片鼻の呼吸などプラナヤマの実践を通して、プラナへの感覚を養い中心にあるエネルギー経路(シュシュムナ・ナディ)を浄化しましょう。

  • 忘我、謙遜、感謝などバクティ、つまり祈りの要素を練習に取り入れましょう。日記を書いたり、ただ落ち着いて自分が大きな存在の一部であることを思い出す時間を毎日取りましょう。

  • 瞑想や自問を通して精神の明晰さや気づきを養いましょう。


クンダリニの覚醒について覚えておくべきことは、クンダリニ・シャクティを目覚めさせるために特別にクンダリニ・ヨガを練習する必要はないということです。どんなヨガを選んだとしても、クンダリニのエネルギーの目覚めを促すヨガには様々な形があります。





クンダリニ・シャクティとクンダリニ・ヨガ


クンダリニ・シャクティがヨガ哲学に組み込まれた概念であるとともに、クンダリニ・ヨガは大変人気のある練習法ですが、この二つを区別し大きく異なる点を理解することは重要です。


クンダリニ・シャクティは、私たちがそれぞれ内に持つ意識の本質であり、より高度な気づきの入り口である一方で、クンダリニ・ヨガは、そのエネルギーを覚醒させる様々なテクニックを用いた組織だった実践法です。指導者から指導者へと伝えられてきたシーケンスやクリヤを使います。クンダリニ・シャクティは、クンダリニ・ヨガの上にある傘のようなものだと見ると良いでしょう。伝統的ハタヨガとその主題を共有してはいますが、自身の科学やテクニックに従っています。サンスクリット語を用いた伝統的なヨガとは異なり、現代のクンダリニ・ヨガのマントラはグルムキ(シーク教の聖典にある言葉)で唱えられます。クンダリニ・ヨガは独特の体験と豊かな教養をもたらし、現代の西洋社会でとても人気のあるヨガスタイルのひとつとなっています。




結論


この記事でお伝えした内容は、その奥深く豊かな歴史とヨガの実践と哲学全体に対するクンダリニ・シャクティの重要性についてのほんの一部にすぎません。心に留めていただきたいのは、習慣的なアサナや瞑想、プラナヤマ、そして自問が、自身の幸福感や気づき、人生の充実感を高める最も有効なツールのひとつとなり得るということです。つまり、クンダリニの覚醒のために試みていることや他の精神的実践などは、過去の聖者らが昔々に共有してくれたものと等しいのです。この地球、この宇宙、そして皆それぞれとの命の調和を真に理解することです。クンダリニを目覚めさせるということは、自身と生きとし生けるもの全てへの無償の愛を目覚めさせるということなのです。



2023年8月1日火曜日

ヨガで自身の「エッジ」を探るもう一つの方法 
An Alternative to Exploring Your "Edge" in Yoga



「エッジ」:深く確かめるようよく促される(あるいは生徒を促す)、ヨガポーズのほんの一部

 

探求することには、その価値があります。私たちを強くしてくれる挑戦と、器用さを証明するための過ぎた挑戦との違いの見極め方を身につけることは、私たちのヨガの実践や人生をより賢明なものにしてくれる終わりのない課題です。そして多くの場合、そのエッジ(限界、制限)は、感覚の強弱はもちろん、気づきの中にも豊かさに満ちています。意識が明確になっていくのは、私たちの生理的能力の限界に近づく中で危険だと感じるせいかもしれません。


上向きの鳩のポーズで脚をできるだけ胸に近く引き寄せている時、前後開脚で最大域まで脚をストレッチしている時、またはプランクポーズを長い時間ホールドして体力の限界に近づいている時、練習へ最も判断力が必要となるこんな質問を自身に投げかけているかもしれません。「これで大丈夫?」「呼吸は、一番キツイと感じているる体の部分にどう影響するんだろう?」


こうした質問はもう十分だと言う考えに行き着くでしょう。ここでもう十分な感覚を感じている、それとももっとやりたい(そして安全にできそう)? けれど、この同じ判断をポーズの他の段階に応用したら何が起こるでしょうか?


もしいつも全速力で走っていたら、目的地だけに集中している旅人のように、貴重な情報や機会を途中で見逃すかもしれません。そして時には、さまざまな理由からポーズの限界は避けたいと思うでしょう。


例えば、気楽にやりたい時や脆弱な部分にマインドフルである時、感覚が快適な範囲内に収まっている必要があるでしょう。アライメントに集中している時、そのアサナでの能力の限界にいれば、姿勢を直すことは難しくなると気づくでしょう。また、筋肉をできるだけ深くストレッチすることは必ずしも柔軟性を証明するわけではないと気づくかもしれません。どんなに努力しても執拗に硬いままかもしれません。あるポーズでエッジに近づいている時、壁に向かって全力で走っているかのように感じるかもしれません。そしてその壁は消えるどころか少しも遠ざからないと。


こうしたことに見覚えがあるなら、ポーズのエッジに向ける興味と同様の好奇心を、ポーズでストレッチを感じ始める最初の地点に向けてみるアプローチがいいかもしれません。ポーズの最初をより意識すれば、全体としてのアサナにまた関心を持てたり、最もきつい地点に着く前に先に気づいたり先に調整したり、安定させたりできるでしょう。このアプローチ法はおそらくは、長期間にわたる緊張をほぐしたり、エッジを少しだけ広げるのに役立ったり、同じエッジだけれどより楽に到達できるようになるかもしれません。


感覚の始まりに意識を向けることのもうひとつの効果は、ポーズでできるだけ深く遠くへ行きたいという欲を無くすこともできるかもしれないということです。早い段階に長く留まるのに十分なほど豊かだとかも確認できるかもしれません。それも構わないのです。いつもエッジまで行く必要はありません。ポーズそのものでない時もあるかもしれませんが、それは深めるよう促された自分への気づきです。


この意識の変化を探りたいなら、いくつかの提案があります。ポーズを普段通りやってみて、どれくらい深めているか何を感じるかに気づきましょう。そして元に戻ってからもう一度やってみます。アライメントや筋肉の動きだけでなく呼吸にも、詳細にポーズを意識しながらもう一度始めましょう。本当にゆっくりとポーズに入っていき、そしてストレッチの兆しをかんじたらすぐに止まってそこに留まります。そこで2回呼吸したら、もっと深めたいのかもう十分感じているのか判断しましょう。


下記は、このアプローチを座位の開脚の前屈に当てはめたものです。例えば焚き木のポーズやパスチモッターサナなど好きなポーズでやってもいいし、どんなポーズ、どんなシーケンスでも構いません。最後の我慢できる地点ではなく最初に感じる地点を探るようにしてみましょう。


始める前に、より自由にハムストリングスを動かせるけるように、心地が良いと感じられる動きのある練習でウォームアップしておきましょう。










ウパヴィシュタコナサナ(座位の開脚の前屈)


Step 1:  いつものエッジに気づく


脚を大きく開いて座り、両手は腰の近くに、背骨を頭頂に向かって引き上げながら伸ばします(背中が丸まるなら、伸ばせるように、ブランケット1、2枚の上に座り、両手は腰より後ろにしてやや後方に傾きましょう)。そして、心地よい範囲で深く前屈し、両手は腰の横か両脚の間の床に置きます。(前腕を下ろすのは、自分でコントロールできる時だけにしましょう)


エッジに直面した時、何を感じるか、そしてどんな質問があなたにとって適切かに気づきましょう。「これで大丈夫?」「思った通りの姿勢になっている?」「正確にはどこで何を感じている?」「まだ呼吸できている?」「呼吸は、一番キツイと感じているる体の部分にどう影響するんだろう?」「ここで十分だと感じているのか、もっとやりたいと思っている?」



数呼吸の後、上半身を起こして両脚を閉じ、小さく動かしましょう。



Step 2: マインドフルにもう一度


ではもう一度始めます。座位から両足を開きますが、今度はあまり広くせずストレッチをまだ感じない程度に開きます。ストレッチ感を少なくするため、そして背骨を伸ばすため、両手を腰の数センチ(それ以上でも)後ろに置きます。坐骨を根付かせ、両掌か指先、拳で押し下げて、背骨を伸ばして胸を持ち上げましょう。


両脚に普段よりも意識を向けましょう。足首を曲げ、踵で押し下げ、つま先を天井に向けます。膝関節も天井に向けられるかみてみましょう。踵は遠くへ、足の甲は股関節の方向へ伸ばします。



こうした動きを丁寧に行うとどう感じるかに気づきます。使っていると感じる部分に気づきます。呼吸に気づき、息を深くかつ楽に吸い込んだり吐き出したりし、呼吸が筋肉の動きや背骨の長さにどう変化をもたらすのかを見守ります。



Step 3: 感覚の始まりを見つける


ゆっくりと動いて、呼吸にしっかりと寄り添い続け、ストレッチがまさに始まる気配を見出します。脚や足のアライメントや力を保ったまま、両手を歩かせて少し腰へ近づけるか傍へ移動し、より直立の姿勢になります。




まだストレッチを感じなければ(内腿、脚の背中側、背中など)、両手を今ある場所で押し下げて胸をもう一度持ち上げ、体をやや前に傾けてもいいでしょう。





(ここでストレッチを感じない場合だけ、両脚の間のマットへ両手を歩かせましょう。)
釣り人の我慢強さで、感覚の方へと急がずどんな感覚がやってくるかを見て、それを待ちながら景色の美しさを楽しみましょう。
  

ストレッチの始まりを見つけたら、一旦停止します。そこに感じられる全てを感じます。脚と足の動きをもう一度確かめて、もう一度坐骨を根付かせもう一度背骨を伸ばしましょう。呼吸します。


エッジで必要だとわかった質問を自分に投げかけましょう。「これで大丈夫?」「思った通りの姿勢になっている?」「正確にはどこで何を感じている?」「まだ呼吸できている?」「呼吸は、一番キツイと感じているる体の部分にどう影響するんだろう?」「ここで十分だと感じているのか、もっとやりたいと思っている?」



Step 4: 新しいエッジに気づく


さて、どこへ向かえば良いのでしょう?


意識を十分に呼び起こしていれば、もっと早い段階でポーズのここでいいと感じられるかもしれませんし、なんとなく過ぎていた場所も興味深く感じるようになるかもしれません。もしそうなら、その場所にとどまって、呼吸やそこにある感覚を味わいましょう。


けれど、1、2回呼吸をした後にストレッチの感覚が消えていき、もう少し先にいきたいと思ったら、もっと背骨を前に傾けましょう(前屈時に胴体を長く保ちつづけるために体の横においた両手を押してもいいですし、両手や前腕を両脚の間の床に下ろしても良いでしょう)。前回と同じエッジが見つかりましたか?同じ感覚がしますか?何か新しいものはあるでしょか?


準備ができたら、両手を使って上半身を起こし両脚を揃えます。シャヴァサナやあなたの好きなポーズでリラックスしましょう。





ポーズを深く探ると、まだまだいろんな段階があることに気づくかもしれません。エッジでもなく、感覚の始まりでもないけれど、少し立ち止まってみたい場所。どんなポーズにも、エッジに向かう途中の楽に動ける場所など数えきれないほどの側面があって、その全てに意識を向ける価値があります。



この練習を、何か目標に向かっている時にいつも立ちはだかる人生の壁のようだと感じるかもしれません。次回は、そこへとまっすぐ走り出す前に、少し下がってよく見極めたいと思うかもしれません。それは誰にもわかりません。あなたが壁だと思っていたのは、広い地平線のほんの小さな場所にすぎないとわかるかもしれません。そこはあなたが楽しんでダンスできる大きく開けた場所に囲まれているのかもしれません。

 



2022年9月22日木曜日

エンボディ・ヨガ:ヨガで「体の声を聞く」3つの方法 
Embodied Yoga: 3 Ways to "Listen To Your Body" in Yoga



「体の声を聞きましょう」

なんらかのヨガを練習していたり、今日の健康ムーブメントに注目している人なら、きっとこんな言葉を聞いたことがあるでしょう。こう言って(大抵の)ヨガのインストラクターは、より「エンボディ(訳注:「体現する」「統合する」などの意味があります)」するように促します。「エンボディ」するヨガとは何なのでしょう?どんな感じがするのでしょう?そして、どんな体験なのでしょう?より満足感があって効果のあるヨガの練習のその先に、なぜ、マットの外での日常生活にまで視野を広げていく必要があるのでしょうか?


エンボディすること(エンボディメント)によって、心の状態や体に対するイメージが良くなる、消化力、睡眠の向上など、数えきれないほどの包括的な健康効果を得ることができます。研究が示しているのは、よりセルフケアへと促す効果があり、自己免疫や摂食障害などの困難な症状にも対処する手助けとなります。またエンボディすることで、自分自身とより深く繋がり、より心を健康にする満足感が得られる方法で自分の肌より外側の世界とも繋がることができるようになります。




「エンボディ」しない(切り離す)という危険


その一方で、エンボディしないことは、世の中の景気にとっては良い行動に繋がるかもしれません。けれど、調和の取れた人間として(体や心や魂)はあまり良くないと言えるでしょう。例えば、メディアやポップカルチャーの大騒ぎ、飽食、アルコールなどの濫用は、体に対する気づきが欠けることが元になっているかもしれません。


実際に、そういった商業指向の行動によって、 私たちは現代社会の影響力の狭間でどんどんエンボディメントから離れてしまっています。そういった点において、完璧主義や仕事主義、利己主義とよく合うのです。ですから、エンボディするというのは実は怖く感じるものです。トラウマを持っている場合は、エンボディしないことは、ひとつの生きる戦略ともなります。21世紀に生きる私たちにとって、必ずしも自然にできるというものではないのです。


エンボディするヨガ


あなたのヨガの先生は、おそらく最善の意図を持って「体の声を聞きましょう」と言っているはずです。けれど、時にそれは、真のエンボディメントへ入るには全く不適当である場合もあります。では、真に外側と繋がるために内側と繋がれるよう、より近くそしてより深く近づく方法をいくつか探っていきましょう。



 

1.呼吸を通したエンボディ・ヨガ:友達でレポーターで、そして先生


呼吸はいろんな役割をしてくれます。本当の友達だと私は考えています。深刻な呼吸疾患がない限り、呼吸はいつもずっと、私たちが忘れている時でさえ、そこにいてくれます。前に繋がった時からかなり時間が経っていても、その場所でまたすぐに繋がることができます。呼吸はレポーターで、呼吸が伝える情報をどう解釈するのかを知っていれば、私たちの心や体の中で何が起こっているのかを知ることができます。同様に、呼吸は先生です。今のコンディションや自分をケアするために何が必要かについてたくさんのことを教えてくれます。


流れるようにいろんなヨガのポーズをしたり、ひとつのポーズに止まってそこに何があるのかを見る時、呼吸はこうしたこと以上の働きをします。例えば、呼吸が短く不安定に、浅くなったりし始めていませんか?それは、体の能力以上の練習をしているせいかもしれません。体と心は密接につながっています。短く不安定で浅い呼吸は、自律神経の闘争逃走反応のサインです。体と心が脅威を感じ取って、安全でいられるように反応しているのです。
 

その反対に、ヨガクラスで、呼吸が深く、スムーズで律動的だと感じたことはありますか?そのポーズや動きはおそらくあなたの体がまさに必要としているものでしょう。その練習は、真剣に取り組み続けるための十分なやりがいがあるとともに、ストレス反応を刺激するほどは強くはないということです。



呼吸のメッセージに応える


呼吸からこうしたサインを受け取り、適切に反応できている時、それがエンボディしているということです。それはどう見えるのでしょうか。こうしたサインにエンボディして反応するとはどういうことでしょうか?呼吸が短く不安定で浅い時は、基本的に体はポーズを変えてほしいと伝えています。あるいは、子供のポーズ(バラサナ)や他の休息のポーズで休んだ方がいいのかもしれません。


呼吸が深くスムーズで律動的な時は、そう、おそらく練習や体について何かを学べたはずです。本当にあなたの役に立つのが何かを、より理解したでしょう。それらは時によって変化することもあります。練習や体は流動的で、進化していくものです。例えば、あるシーケンスの練習をしていて呼吸が短く不規則になったからと言って、明日、あるいは来週、来年もそうだとは限りません。その逆もあります。エンボディしたヨガを練習するには、そうした変化とともに流動的に調和し気づくことが必要でもあるのです。




2.脳よ、黙って!:別の形の知性へと目盛りを上げていく


さて、ダンスは芸術的でありながら教育的でもあると私は考えています。人生の3分の2をダンサーとして過ごしてきた私は、ヨガの練習との関係性に興味を持ち続けています。「考えすぎないで」「色々考えるのをやめて」と、先生や振付師から数えきれないほど言われてきました。現在は指導者として、難しい振付や技術を教えるときに、「とにかくやるだけで考えないで。でないと、できないわよ」というようなことをよく言います。


私の先生が目指したもの、そして今私が生徒に対して目指すところは、異なる種類の知性、つまり体の知性を感じ取るよう促すことです。私たちの脳には、時折後ろに下がって、体が一番理解していることを体にさせる必要があります。「ニューエイジ」的な話ではありません。私たちの心臓周り(「心を聞く」)、そして消化管(「直感(心肝)に従う」)には高レベルの神経組織があることが、生体医化学によって裏づけられ始めています。


裏づけの薄いレベルになりますが、体と密に接している人には「筋肉の記憶」があります。時間をかければ、考えないで動けるように筋肉や筋膜を訓練することができるのです。エンボディするヨガの練習で、この体のユニークな知恵である「内受容感覚」を見出すことができます。そして、外の世界とつながって、より体の感覚や空間的な体験「固有受容感覚」が得られるのです。



マインドフルネスで心のお喋りをゆっくりに


明らかに、生活の中では考えること論理的であることが必要がありますが、体や心、精神にとっては多くの雑音を生むことにもなります。その雑音が静まったとき、聞いて求められる値、価値のある多くの知恵がそこにあります。どうすれば、脳を黙らせて他の知性の声を聞くことができるのでしょう?ポーズそのものよりもずっと古代のヨガに答えがあるのは間違いありません。心のお喋りを流し去るための道具を与えてくれるのは、瞑想の実践です。
 

マインドフルネスでは、今体験していることへのひとつ以上の局面に意識を向けることが、心のおしゃべりを消すために役立ちます。例えば、実践中に買い出しのリストについてあれこれ考えていたり、気恥ずかしかったやりとりを何度も思い返したりすることがあるでしょう。これは全くよくあることで、自分を戒める必要はありません。ただそこにいて、そうする、ですよね?


それでは、ローランジ(アンジャネアサナ)でストレッチの感覚に注意を向けることはできますか?胸を骨盤の方へやわらげて、顎を髪の毛一本分だけ上げるとか、徐々に自分のポーズを洗練させると、どんな感じがするでしょう?息を吸い込むときにほんのちょっとだけ背筋を伸ばせますか?そして、息を吐くときにもうちょっとだけ安定感を感じられるでしょうか
?まだ買い出しのことを考えているでしょうか?私たちの体は、ちょっと意識を向けて声を聞くだけで、とても多くの奇跡を与えてくれます。




 

3. エンボディするヨガ:スピードを落として休む


最近の「Yogaland」ポッドキャストのエピソードで、アンドレア・フェレッティとジェイソン・クランデルが、スピードを落とすことのメリットについて議論していました。体の知性に意識を向けるのと同様、それは、雑音の中を通り抜けそれまで聞こえなかったものを受け取るのに役立ちます。具体的にクランデルが語ったのは、心を静かにするようにと言われるリラクゼーションのポーズ、シャヴァサナの間に、精神が明晰になったり問題の解決法が見つかったりする現象でした。


けれど、それを批判はしませんでした。むしろ、スピードを落とすことのメリットだと関連づけていました。私は、その例は体の知性をより表すものだと思います。エンボディして練習して休息を得ると、高度な知恵や創造性、真実の間に立ちはだかるものへと、心がダイアルを下げるのに役立つのです。


けれど、そういったものと繋がるのにシャヴァサナを待つ必要はありません。練習のどんな時でも、もっとゆっくり動いて安定感をも得ることが可能です。刺激や困難は減り、片足のバランスポーズやプレッツェルのように手足を組むポーズに挑戦しているときには気づけなかった運動感覚の情報を認識することができるでしょう。エンボディするヨガとは、「体の声を聞く」という言葉が表現できる以上に、より深く体の声を聞くということなのです。


 

エンボディするヨガ:スピードを落とし、一旦停止し、見るプロセス


本当に見るには、スピードを落とし、一旦停止し、聞こうとしているものにしっかり向きあう必要があります。私たちが聞くもの、学ぶものは、本当に育み成長を助けるような練習へと導いてくれます。見た目のいいポーズが目的ではありません、と先生が言うのを聞いたことがあるかもしれません。それで何を学ぶかが重要なのです。私たちが生徒として本当に準備できた時、体は教えてくれるのです。それがエンボディするヨガなのです。

2022年4月8日金曜日

月の満ち欠けに同期したヨガをするには vol.2
How to Sync Your Yoga Practice with the Phases of the Moon

 前回からの続きです。

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三日月(新月と上弦の月の間)


三日月にアップルビーが薦めるのは、新たな習慣を構築し新たな可能性に体を開くのに集中することです。


「体内の感情を解放する優しいヒップオープニングが、この時期には効果的でしょう」


三日月の実践法:
  • 体力強化を取り入れる
  • 少しエネルギッシュな動きで心身の成長を促してみる
  • 足で立ち、立位ポーズをより長く組み合わせる
  • 熱を作るプラナヤマを行う

三日月に最適のポーズ:
  • ダンダヤマナ・ジャヌシルシャサナ(立位の頭を膝につけるポーズ)
  • ウトゥカタサナ(椅子のポーズ)
  • ヴィラバドラサナI、II、III(戦士のポーズI、II、III)

テーマ:
  • 火と熱
  • 体力強化
  • 開く



上弦の月


上弦の月は半月です。新月の1週間後にあたり、満月の1週間前。クレイグによれば、体のエネルギーがまさに放出され始める時です。


「この時期は、自身や社会のために新しい何かを作り上げる決意に満ちていて、新しい形を実現させるという目標を達成するために最大の努力ができる時です」


上弦の月の実践法:
  • 体に熱を作る力強く火のようなフローを行う
  • 新月で立てた目標を実現させるよう行動を始める
  • 力強いバックベンドや胸を開くポーズを取り入れて、新たな成長を促す

上弦の月に最適のポーズ:
  • ナヴァサナ(船のポーズ)
  • アルダ・チャンドラサナ(三日月のポーズ)
  • ブジャンがサナ(コブラのポーズ)

テーマ:
  • 強さ、成長、努力
  • 障害を取り除く
  • 個性



上弦の月と満月の間


満月の直前の時期です。体と心の潜在能力を最大に広げるのに最適な時です。


上弦の月と満月の間の実践法:
  • 月のエネルギーが最大になる間の練習はおすすめ
  • ダイナミックで有酸素的、ダンスのような動きを取り入れる

上弦の月と満月の間の最適のポーズ
  • 太陽礼拝
  • 月礼拝
  • ウシュトラサナ(ラクダのポーズ)
  • ダンダヤマナ・ダヌラサナ(立位の弓のポーズ)
  • ヴィパリタ・ヴィラダドラサナ(天を仰ぐ戦士のポーズ)

テーマ:
  • 身体的な動き
  • エネルギー
  • 解放性



満月


クレイグによれば、満月は頂点、「たっぷり充電された」エネルギーを象徴しています。
「また、太陽の陽と月の陰のエネルギーが調和しているので、バランスの時期でもあります」

そのため、内省には理想的になります。アップルビーによれば、これまでの月の周期を振り返って、もう一度目標を見定める時です。

アシュタンガでは、満月の日は練習を休みます。


満月の実践法:
  • エネルギーが高まっている間、瞑想や内省に集中する
  • この時期はリストラティブや陰ヨガを行う

満月に最適のポーズ:
  • バッダコナサナ(合蹠のポーズ)
  • バラサナ(子どものポーズ)
  • シャヴァサナ(尸のポーズ)
  • ヨガ・ニードラ

テーマ:
  • 取り除く、解放する、手放す
  • 女性的な癒しのエネルギー
  • 気づきと理解



満月と下弦の月の間


この時期には「落ち着きがなく、時には不安を感じることもあります」とクレイグは言います。スピードを落として内側に向いていくのに最適な時です。


満月と下弦の月の間の実践法:
  • エネルギーを少し取り戻しつつスピードを落として月のエネルギーを感じるような陰陽クラスを試してみる
  • ポーズ間の移行をマインドフルに
  • 内に集中する

満月と下弦の月の間の最適なポーズ:
  • カマトカラサナ(ワイルド・シング)
  • ダヌラサナ(弓のポーズ)
  • エカ・パダ・ラジャカポタサナ(ハトの王のポーズ)

テーマ:
  • 内省
  • スピードを落とす
  • 内側を見る



下弦の月


下弦の月は、満月の後の1週間と新月の1週間前あたりです。月の周期に身を委ねて次の満月の新たな決意のために過去を精算していきます。


けれど、下弦の月は、目標にややお別れをしながらも、マインドフルな練習で最後にもう一度受け止めるのに良い時期です。



下弦の月の実践法:
  • れまでの月の周期を通して培ったエネルギーを使って、ゆっくりと広がるような、マインドフルなフローを行なってみる
  • より多くの陰の要素を取り入れ始める

下弦の月に最適のポーズ
  • チャクラヴァカサナ(キャット・カウ)
  • ウパヴィスタ・コナサナ(開脚のポーズ)
  • パリヴリッタ・アルダ・チャンドラサナ(反転した三日月のポーズ)

テーマ:
  • 身を委ねる
  • 受け入れる
  • お別れする



逆三日月


新月に戻る前、月の周期の最後の段階です。クレイグが言うように、熟考・瞑想の時期です。

内的な現実は、夢や覚めている間のビジョンを通して現れます。新たな目標が現れる豊かな基盤となります」

また、「最後の周期で得た知恵を消化し理解する」のに良い時期でもあります。

この時期はまた「暗い」「香油のような」段階とも言われます。


逆三日月の実践法:
  • 低いエネルギーのフローやレストラティブなヨガで、ゆっくりと行う
  • 陰ポーズでしっかりと解放させるため、プロップスで体を支持する
  • 消化に集中する練習をしてみる

逆三日月に最適のポーズ:
  • スプタ・マツエンドラサナ(横たわったツイスト)
  • シャヴァサナ(尸のポーズ)
  • プロップスを使うスプタ・カポタサナ(横たわったハトのポーズ)

テーマ:
  • 消化
  • 休息と回復
  • 未来のための内省と顕在





最後に


ヨガは、心身を宇宙の自然なリズムに合わせることです。ヨガの練習をより深めたいと思うなら、あなたのエネルギーを月の周期に同期させることがよい始まりとなるかもしれません。





2022年4月4日月曜日

月の満ち欠けに同期したヨガをするには Vol.1
How to Sync Your Yoga Practice with the Phases of the Moon


ヨガは、身体的なワークアウトを遥かに超える古代の実践法です。マットの上で過ごす時間をより深める方法のひとつは、月の満ち欠けに同調することです。


ヨガの伝統には、数多くの実践法や教え、そして月に関連する知識に満ちています。ヨガポーズの多くは、月の満ち欠けに当てはまっています。


アシュタンガの伝統では、心身を自然のリズムに効果的に合わせるには、月の周期を通して身体的な実践を理想的に変化させます。


それでは、月とヨガがどのようにつながっているのか、また、月の満ち欠けと実践をどうリンクさせるかを見ていきましょう。



ヨガと月の関係とは?


ハタヨガは、ヨガの中で最もよくあるタイプのヨガの一つです。「ハタ」という言葉はより「強い意志を持つ」と訳されますが、サンスクリット語の「太陽(ハ)」と「月(タ)」とも訳されます。


ハタヨガのこの解釈は、ヨガによって、内側にある両極のエネルギーのバランスを取ることができることを指しています。火のような活動的な太陽のエネルギーは「男性的」と表現され、一方で安らかで反射するような月のエネルギーは「女性的」だと考えられています。



実践と月の周期をリンクさせる


月の満ち欠けを尊重することは、多くの実践者が今も継続する古代ヨガの伝統です。


ヨガアラインアンス登録シニアヨガティーチャーのルイーザ・クレイグは、LKYヨガスクールのディレクターでもあります。


「始まりから維持、そして解放という命の自然な周期があります」クレイグは言います。「月の満ち欠けなど自然周期のリズムに合わせることで、その周期の元である内なる叡智を活用することができます。ヨガは自己実現であり、月の周期とつながれば自身の本質に意識を向けることになります。」


クレイグは、科学的な裏付けはさまざまではあるものの、実際に月の周期には私たちのエネルギーレベルに影響力を持っていると信じています。


「月の引力が潮の干満に影響を与えているのと同様に、その60%が水である人間の体にも影響を与えています」と彼女は言います。


ヨガティーチャーのパール・アップルビーもまた、月の満ち欠けに沿ったヨガを実践しています。


「月のそれぞれ異なる段階により意識を向けるようになれば、本当に自分の感情を理解しヨガをより発展させることに役立ちます。言い換えれば、月の周期を通して変化する自身のエネルギーとリンクさせるために実践を変えていくことが、自身と自然界との関係性をより理解するのに役立つのです」



科学が示すもの


科学的には、月の周期は地球からみて8段階があると言われています。地球の周りの軌道を約27日で回る間に月の見かけの形は変化し、太陽光の反射が増減しています。


いくつかの研究によれば、月と人体には関連性がある可能性があります。


2013年の大学生による研究では、新月と満月には、心拍と血圧が低くなることがわかりました。


しかし、月の満ち欠けと人の生理機能に関する研究の多くは様々です。これはまた女性の生理周期についても同様です。


2006年の再調査では、月の引力がマウスの神経ホルモン分泌に関係があるかもしれないと示唆されましたが、2021年には、女性の生理周期と月の満ち欠けには関連がないということがわかりました。


しかし、2021年の同じ研究とその他の研究では、月の満ち欠けと睡眠の関連性がわかりました。

科学の意見は様々ではありますが、それでもヨガを月とリンクさせることは、月とその神秘に敬意を表する有意義な方法と言えるでしょう。







ヨガを月と同期させるヒント


アップルビーとクレイグからの、月の周期に沿ったヨガの提案です。


新月


新月は変化と再生の時です。「次の創造的な周期のために種をまくスペースをとる」のに良い時間となります」とクレイグは言います。


アシュタンガでは、新月の日は実践を全て控えます。それ以外の伝統でも、リストラティブや優しい陰の練習などが好まれます。


新月の実践法:
  • 次の月周期のための決意に集中する
  • ゆっくりと瞑想的なヨガを行う
  • 視点を変えて新しい始まりを思い浮かべることに集中する
  • アジュナ・チャクラ(第三の目)の実践を取り入れてみる

新月によいポーズ:
  • シルシャアサナ(ヘッドスタンド)
  • タダアサナ(山のポーズ)
  • ヴィパリタ・カラニ(両脚を壁に上げるポーズ)
  • 木のポーズや、他のバランスポーズ(戦士のポーズIII、踊り子のポーズ、ワシのポーズ)

テーマ:
  • 新しい始まり
  • 目標をたてる
  • 優しい動き


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2022年3月10日木曜日

体重を減らすためのヨガ:カロリーを燃やすだけではない効果 
Yoga for weight loss: Benefits beyond burning calories

ハーバード医大のサイトからです。
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どんなに努力してもなかなか体重が減らないのは、肥満が、多くの原因をかかえる複雑な疾患だからです。家族に体重関連の問題を持つ人は、体重管理について同様の問題を持つ可能性が高くなります。また、極端な加工食品や砂糖、脂肪の多い食生活や運動不足もまた体重増加に関係します。ストレスや精神的な状態を治療するための薬など、睡眠不足、ホルモン変化なども全て、体重の増加のさらなる原因となります。



過剰な体重を減らす方法はたくさんありますが、これだけという方法はありません。体重を減らしたい、キープしたいなら、ヨガが良いでしょう。ヨガはストレス解消になり、気分を向上させ、気を紛らすために食べることをやめたり、サポートしてくれるコミュニティを作ることなどに役立つという研究結果がありますが、これらは全て体重を減らしたりキープするのに役立ちます。


ヨガはまた、カロリーを燃やすのにも役立ち、筋肉量を増やしハリを与えます。ヨガはかんせつの痛みを減少させる可能性もあり、それによって、日々の活動や運動がしやすくなるでしょう。


体重増加に影響するストレスの管理にヨガが役立つ

ヨガは、体と心、感情を結ぶという意味のサンスクリット語「Yuj」に由来しています。ヨガとは、体重増加の原因の多くを改善させる心と体の全体的な実践法なのです。


ストレスを身体の痛みや不眠として、あるいは精神的に体験し、不安や苛立ちを感じる人もいるでしょう。ストレスはコルチゾールというホルモンを増加させます。コルチゾールは、腹部の脂肪を増やし、筋肉量を減少、脂肪や糖分の多い食べ物に対する強い欲求の原因となり、つまりは肥満へとつながる可能性があるのです。


ヨガは、ストレスとコルチゾールのレベルを下げ、気分を高め、不安や鬱を緩和し、睡眠を向上するのに役立ち、また高血圧や糖尿病など慢性疾患を緩和し、体重増加の原因となり得る薬服用の必要性を減らします。


ヨガは、過剰な体重のための応急処置ではありませんが、隠れた原因に働きかけるられるかもしれません。その効果は、摂取カロリー対消費カロリーということだけにとどまりません。




ヨガで食習慣に関するマインドフルネスが向上


午後9時を過ぎてアイスクリームが無性に食べたくなったり、ポテトチップスを食べるのが止められなくなったりする時、こうした行動が体重を減らす機会を失くしているということをほとんどの人が知っています。誰もが、野菜や全粒の穀物、脂肪の少ないタンパク質などを食べることが健康にも体重にも良いということをわかっています。こうした知識は必要ではありますが、健康的な食習慣を守るためには不十分のようです。


ヨガの効果の一つは、体に対するマインドフルネスや体の感覚への気づきが向上することです。このことから、ヨガは「動く瞑想」と呼ばれるのです。研究によれば、ヨガのマインドフルネスの恩恵を得るために、正式な座法で行う瞑想をする必要はないとわかっています。


ヨガは、マインドフルネスを向上することで、気を紛らわすために食べること、ストレスから食べること、無茶食いなどを減らします。こうした食習慣は、体重を減らすための努力を無駄にし、罪悪感や羞恥心の負のスパイラルの原因となり、多くの場合は諦めてしまいます。


2015年に発表された研究によれば、ヨガを実践することで、脂肪の摂取を減らし野菜や全粒の穀物の摂取を増やすなど、より健康的な食事につながることがわかっています。


結論:最善のダイエットプランは、長期間にわたって続けられるものであること。そして、マインドフルネスを向上させることで、ヨガで、より健康的な食べ物を選べるようになります。



ヨガのコミュニティはあなたを受け入れてサポートしてくれる


ジムに行くのは気が引けるし、大きめの身体の人にとっては場違いに感じるかもしれません。それに反して、ヨガの文化は、優しさとサポート、そして自己受容の文化です。


ヨガの先生や上級者たちが、より健康的なライフスタイルを過ごすための手本となり新しい生徒たちにやる気を与えます。研究によれば、社会的なネットワークは体重に変化をもたらす行動に影響を与えます。ヨガのネットワークが健康的な行動を促進し、そういったコミュニティに属していることが体重を減らすための有意義な変化を起こす可能性に繋がります。こうしたタイプのコミュニティは、他のエクササイズではなかなか見つけにくいものです。


ヨガをするには、安全で心地よい環境を見つけなければなりません。暖かく迎え入れてくれるヨガのグループは、あなたの自尊心や自信を向上するのに役立つでしょう。プレッシャーを感じるようなものでなく、あなたと同じレベルの実践者が他にもいる自分のためになると感じる地元のスタジオを見つけましょう。先生たちは、身体的に限界がある人やビギナーのために、ポーズを変更してくれるはずです。気に入ったインストラクターやクラスを見つけるまでに、いくつか違うクラスを試す必要があるかもしれません。一回やってみただけであきらめないでください!


地元にスタジオがなくても、YouTubeやInstagramなどで全てのレベルのオンラインクラスが存在します。体が大きいのがどんなものかを理解しているインストラクターもいます。そして誰もを受け入れ、どんな体も肯定する姿勢で、ヨガは単に「痩せ細った人」のためではないと教えてくれます。ヨガがどのようにして、体重の問題や鬱、無茶食いを克服するのに役立ったかという気持ちが高まるような話をしてくれる人もいるでしょう。もしあなたがビギナーなら、ヨガを始めるためにちょっとだけ勇気を持って申し込んでみましょう。


ヨガの効果は、あなたの体の形やサイズにかかわらず、多岐にわたります。ヨガの練習に慣れるまで数週間、数ヶ月かかるかもしれませんが、長続きする効果を得るには、何度も練習するのが鍵です。









(出典)https://www.health.harvard.edu/blog/yoga-for-weight-loss-benefits-beyond-burning-calories-202112062650

2021年12月17日金曜日

ヨガポーズの魅力の影にある気まずい真実 
The Uncomfortable Truths Behind Our Fascination with Yoga Poses



ヨガはポーズの見た目を完成させるものではない、という概念について。
ヨガといえばエクササイズという認識が広いと思いますが、ある意味それでもいいのかなとも思います。それぞれの解釈でそれぞれのやり方で。その気になれば哲学を深めるもよし、体の健康維持のためでもよし、見た目を追求するもよし。ただ、その人のヨガを誰かに押し付けたり、エゴを大きくしすぎないことは大切かもしれません。
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ヨガと聞けば、おそらく体のエクササイズのことだと思うでしょう。伝統的なヨガの指導者たちは、ずっとヨガ的な精神性を称賛してきましたが、それでもなおヨガといえばポーズだと米国(訳注:日本でも)では考えられています。


ポーズは、基本的なヨガの実践における導入部として素晴らしいものですが、精神的な理解への唯一の道だというわけではありません。ポーズは、子供たちに瞑想の準備をさせる素晴らしい方法です。ヴィンヤサのヨガクラスは、実は、子供たち、特に少年たちのエネルギー維持のために開発されたものです。
 

最初にマットの上に立つ時は、年齢がどうであれ誰もがヨガの旅では幼い子供です。ポーズは、信心を超えた精神性という中心的な要素への導入です。時には、悟りへの道に旅立つのに必要なのは、単に体を動かして呼吸とつながるということなのです。


アメリカ人にとってポーズは、その世界観にあっているので理解しやすいのだと思います。アメリカ人は、他の何よりも身体的な美に価値を見出すので、身体的な鍛錬に身を捧げることに価値を感じます。


それと同様に、ポーズを取ることは、生まれてからずっと養ってきた慣れ親しんだものです。身体的な健康が究極の財産であり、身体の衰えはそうした大切なものの終わりを告げるものです。


けれど、身体を完璧な状態に保つ本当の目的は何なのでしょうか?年を取らないため?時を止めるため?けれど、年を重ねる能力は人生の最高潮(クレシェンド)です。年を取ることは、最も鮮やかな瞬間で、最も深いものです。あなたは、年を重ねるために存在しているのです。私は、年を重ねる能力とは、謙虚さと優雅さをもって年をとることだと思っています。年を重ね、そのプロセスを楽しむこと。手を広げて年を取ることを迎え入れること。身体の状態やポーズに執着することは、年を取らないでいようとすることと同じです。


実は、ポーズはそんなに重要ではないのですが、ヨガ業界によれば、ヨガの確固とした実践とは、「エクソシスト」のリンダ・ブレアみたいに背骨を反らして、山の崖っぷちで逆立ちをし続けなければならないのです。一般的な考えでは、より多くのポーズを知っているほどヨガが上手で、ヨガが上手であればあるほどうまく生きられると言われます。そんな風に体を捻じ曲げられれば、良い人間であり、おそらく他の人よりも良い人間なのです。けれど、それがヨガなのでしょうか?他の誰かよりも良い人間であることが?


そんなことは全くありません。どうやって他の人よりも良い人間になれるというのでしょう?そんなものはありません。そしてそれこそが、ヨガ業界が物事をダメにしている部分です。なぜなら、ヨガは誰かよりも上になろうとするものでは決してないからです。それは、優位性です。優位性とは、周りの人よりも良くあってより多くを得るということです。
 

資本主義は優位性の子供であり、資本主義のおかげで、私自身を含めた多くの人がヨガについて耳にした唯一の原因でもあります。けれど、ヨガは、資本主義が大声を上げ始める以前からありましたし、資本主義が定義できるものを超えて存在しています。そして、どれほどたくさんのポーズを練習しようと、逆さになったりプレッツェルみたいに曲がったりしようと、最終的には全く同じ結論を描くことになるでしょう。どんなヨガポーズも、あなたを他の誰かよりも良くするものなどありません。


根本的に、ポーズをマスターすることは議論に値しないのです。ポーズは、完璧になるためではありません。結局、あなたは、ポーズを取ったり練習したりする以前にすでに完全であり、その真実は変わりません。


ヨガポーズをとりつかれたように練習すること、特に同じポーズを何度も何度も練習することは、痒みをかきむしったりかさぶたを剥がすようなものだと、私は考えています。正直にいえば、私はポーズを自傷行為として行っていました。太陽礼拝や深いバックベンド、逆転ポーズなどを、ベッドが血に染まるまで爪を噛むのと同じ理由で行っていました。なぜなら、自分を傷つけるのが心地良いからです。


ヘッドスタンドやスプリット、車輪ポーズなどをやり続けたかったのは、私が真実を知っている証拠だと感じられたからです。まるでガールスカウトのバッジのように、まるで額に付いた金の星かのように、練習の写真を欲しがっていました。ママ、見て、今日、学校で至福に至る方法を見つけたわ。どうすれば大丈夫かわかった。生き方がわかった、正しくやる方法がわかったわ。


どんなに腹筋が締まったとしても、何らかの精神的な報いは常に地平線にあります。ポーズは体を疲弊させ、精神を今の瞬間に落ち着かせることができます。ヨガポーズが身体をボコボコにやっつけた時、精神は(やっと)休むことができます。筋肉や骨、靭帯が共に働いて、全ての真実のコンセントにつなぐように、そして全身がひとつになった時に初めて、自分自身の内側を見ることが可能になるのです。けれど、ヨガの道とは、死、つまり、避けることの出来ない崩壊の最終段階への準備です。それは、予防策ではなく、永遠の旅とその行先に、完全に存在する道なのです。


どう言うわけか、体はかつて動いていたようには徐々に働かなくなります。そして、皮膚に皺や弛みができ、その根底にあるものに気付かされます。そして、その避けることのできない報いから得た知恵は、常に、浅はかな栄光や身体的特徴に優るのです。


ポーズは、特に複雑である必要はありません。正直に言って、本当に知っておかなければならないのは一つだけ、座るポーズです。実際に、今、やってみましょう。座って静かになりましょう。脚は必要ないので、脚を組む必要はありません。仰向けに横たわっても構わないので、真っ直ぐ座る必要もありません。今は快適ですか?いいですね。では、このポーズを保ってみましょう。


心が早っていますか?息を止めていますか?ソワソワしますか?話したくてたまりませんか?昨日のことが心配?今日この後の予定について考えていませんか。


おそらくは。恐怖。結局、あなたは人間であり、そうした諸々は完全に普通のことです。時間を止めようとしないでください。ただ、今ここにいましょう。ただ、自分自身の目撃者となりましょう。


今この瞬間へと呼吸するのが、ヨガポーズの機能の全てです。全てのポーズのたった一つの目的は、止めている呼吸やソワソワや、心の中で耳障りに響きわたるノイズの目撃者となることです。そして、私の経験では、こうしたことを全て行うには、胡座を組んでやるのも難しく、シルクドソレイユのコントーショニストを真似するのも無理です。


けれど、ポーズがヨガの最重要ポイントではないからといって、意味がないわけではありません。集中を体に向けている時は、自分自身を今この瞬間へと結びつけています。今以外に向かう場所はありません。ポーズに取り組むことは素晴らしく、多くを教えてくれます。ポーズの練習は、本当に良い暗喩のようなもので、本当に良い暗喩のように、全てのポーズは表面で見えているよりも実際はより深いのです。

2021年11月22日月曜日

アサナは何のため? 
What is the Purpose of Asana?

今回の記事は、ヨガポーズ、アサナに関するQ&Aです。
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Q:私は、これまで様々な先生のヨガクラスを受けてきました。先生達が教えているのは基本的には同じエクササイズで、「ハタヨガ」だとか「アサナ」だと言います。先生達の多くは、アサナは体に良いだけでなく、精神を開く方法でもあるという印象を持っていて、アサナがクンダリニを目覚めさせると言う人もいます。私は、こうしたポーズと精神性にどう関係があるのかわかりません。何かを見落としているのでしょうか?アサナが精神的な成長にどのように役立つのでしょう?


A:アサナについては、本来、考えられ教えられていた方法と、現在教えられているものとの間にはとても大きな違いがあります。古代では、目的は瞑想であり、アサナは、できるだけ気を散らすことなく長時間座って瞑想できるよう、心と体の能力を高める方法でした。体が健康で、精神が内に向かって一点に集中している時にのみ、人は人生の内なる局面を見つけることができるのです。この自己発見が、精神的修養の真髄です。


自己発見のプロセスで、修行者は、体と呼吸、呼吸と精神、精神と魂の間にある繋がりを見出します。しかし今日では、体の健康を高めるために「ヨガ」クラスに行く人がほとんどで、アサナは、ほとんどのクラスで体に関することに対処する方法として教えられ、体や呼吸、精神、魂のこの内なる繋がりに注意を向けることはほとんどありません。ヨガは、結びつきの道であり、ヨガの実践は、自身の異なる局面間の繋がりがあることに気づかせてくれるものです。肉体的なレベルのアサナはヨガではなく、精神的な成長にはほとんど役に立ちません。


例えば、ブラナヤマ(呼吸法)の実践は、精神を内側へと集中させ、精神の変容を支配する力を得るための最も確実な方法のひとつだと言われています。アサナを呼吸法から切り離すのは、現代のやり方です。プラナヤマのないアサナの教えというのは、どんな聖典にもありません。しかし、現代の指導者の中には、アサナを教える際にプラナヤマの方法を伝えない人が多く存在していますが、それでも自分たちが教えているものをハタヨガと呼んでいます。こうした種類のアサナの実践は健康を促進するでしょうが、精神の明晰さを高めることはできず、すなわち精神的な目覚めが生じることもありません。


言い換えれば、あなたの言うクラスはハタヨガクラスではありません。聖天によれば、ハタヨガとは、体の健康と精神の明晰さ、そして霊的な輝きへの完全なる道です。ハタヨガの実践とは、アサナ(ポーズ)、プラナヤマ(呼吸法)、集中、そして瞑想を組み合わせたものです。ハタという言葉自体が、その目的を示しています。ハは「太陽」タは「月」です。つまりハタヨガとは、陰陽のエネルギーのバランスを取る能力を得る実践なのです。ハタヨガの実践により、自身の陰陽や男女の性、受動能動の局面のバランスを取ることで、精神と体の調和した状態が作り上げられるのです。肉体的なポーズに呼吸や瞑想の訓練を組み合わせなければ、こうした調和状態になれると考えることはできません。そして、この内なる調和がなければ、内側そして外側の世界の両方から沸き起こる気を散らすものや邪魔するものに抗う時間とエネルギーが、膨大な無駄となるのです。




Q:ヨガとはアサナと同じ意味で、瞑想は別のものだと考えていました。アサナはハタヨガの一部にすぎず、プラナヤマや瞑想が伴わなければアサナの実践だけではハタヨガではないということですが、なぜ、現代ではアサナと瞑想との繋がりがなくなったのでしょうか?


A:私は、生活のあらゆる場面にヨガが浸透している環境で育ちました。ヨガをはっきりとした道や修練ではなく、生き方だと考えていました。ヨガを実践しながら大人になりましたが、26歳でアメリカに来て初めて、そのことに気づきました。どんな種類のヨガをしていたのかと尋ねられた時、その意味がわかりませんでした。私にとってヨガはヨガでした。総合的な知識とそれにもっぱら集中することから、一部を切り離すというテクニックには馴染みがなかったのです。もう一つ私が驚いたことは、肉体的なポーズに焦点を当てていることでした。常に、プラナヤマや瞑想とともにポーズを実践してきたからです。


1時間やそれ以上の体系的な体のストレッチは、心が落ち着くと共に活力を得られます。その効果はすぐに現れて明らかです。呼吸や体のエネルギーの流れに働きかけた効果、つまりプラナヤマの効果の一つですが、長く続きます。こうした効果は力強いですが、とても微細です。それよりも微細なのが瞑想によって得られる効果です。ヨガが西洋にもたらされた時、ポーズを普及させるのは容易でした。人々の、体に働きかけるという概念を理解する準備ができていたからです。しかし、呼吸や精神に働きかけるという概念を受け入れるほどではありません。ですから、アサナはすぐに市場に広まりましたが、プラナヤマや瞑想のより微細な実践はほとんど広まりません。そうして、アサナの実践は、瞑想から切り離され、それだけで洗練されていき、多くの人々の間で、アサナがヨガの同意語となったのです。彼らは瞑想がヨガの欠かすことのできないテクニックだということを知らないのです。


ヨガと瞑想に違いがあると考えることは、無知からきています。聖典には、別の実践だとは決して書かれていません。実際、最も権威のあるヨガスートラは、ヨガは精神の変化をコントロールすることだと定義しています。そのコントロールする力を得るテクニックこそがヨガのテクニックなのです。そして、すべての解説者らの言う通り、完全にバランスの取れた精神状態とその状態へ至る道のどちらもがヨガなのです。





Q: 実際には、何がハタヨガを精神的なものにするのですか?


A:ハタヨガを精神的な道へと変える初めの一歩は、生活の中に「ヤマ」と「ニヤマ」を取り入れることです。ヤマとは、非暴力、誠実、禁欲、不盗、不貪の実践のことです。これら5つの原則は、不健康な生き方をしないために役立ちます。ニヤマとは、5つの守るべきことで、清浄、知足、鍛錬、自己探求、神への降伏で、健康的に生きるために役立ちます。これらの10の原則とともにアサナやプラナヤマを実践することで、内から外へ、そして外から内へと自分自身を変化させ始めるのです。


ハタヨガを精神的な道へと変化させる次のステップは、聖なる音やシンボルへの瞑想です。これによって、自分自身と神を繋ぐことができます。精神的な結果を目指して実践を行って初めて、精神的なものとなり得ます。精神的なものへの瞑想は精神的な実践です。ただ一点に集中する力念力を目指すような瞑想はそうではありません。精神的なゴールを目指すには、精神的な方法で行わなければなりません。


ハタヨガのアサナという部分は、自身を体へと導いてくれます、プラナヤマによって、エネルギー鞘へ近づくことができます。集中するテクニックによって、精神を統一できるようになります。しかし、これらの修養が必ずしも精神的な目覚めにつながるというわけではありません。


瞑想の全てが精神的というわけではありません。水に瞑想すれば、穏やかで集中した精神を養うことができるでしょう。火に瞑想すれば、力強い精神を養い、エネルギーのレベルを向上させることができます。特定のマントラに瞑想すれば、透視力や他者を癒すような特別な力を得ることもできます。しかし、ヨガの実践でこうした特別な能力を得られたとしても、まだ本当の自分には辿り着けないかもしれません。


精神を内に向けることは簡単ではありません。世界の魅惑や誘惑は力強く、心は一つのものから次のものへと走り続ける癖があります。一点に集中する能力を養えたとしても、内に向かって内なる神を求める理由を見つけられないでしょう。


この世の体験や物質は束の間のものに過ぎず、内にある命の源は永遠であることを、心に納得させなければなりません。聖なる存在との関係性は永遠で、内なる神を抱くことで受ける喜びはどんな感覚的な喜びをも凌ぎます。こうした理解のみが、私たちの精神を内へと向けるきっかけとなり得るのです。そうした動機をもった瞑想は、精神統一を養うだけでなく、心を内側へと向かわせてくれます。そうして内への旅、一歩進むたびに価値を言い出せる旅が始まるのです。

2021年10月15日金曜日

陰ヨガが柔軟な人にも良い理由 
Why Flexible People Can Still Benefit from Yin Yoga



陰ヨガは一般的に、受動的なストレッチだとみなされますが、おそらくはそのためにより柔軟な人には効果のないヨガだと考える人もいます。陰ヨガの目的が、可動域を広げるためだとするなら、そうかもしれません。けれど、幸いなことに、陰ヨガは柔軟性を高めるだけではありません。


その他にも、陰ヨガには、とても柔らかい人でも得られる4つの利点があります。



1. コラーゲン合成


陰ヨガの対象となるのは結合組織や筋膜で、骨や筋肉、臓器、神経、血管、リンパ管などを囲んで包み込み、繋ぎ、互いに浸透しあっています。筋膜は適応性が高く、その場所の状態で必要となることへ常に反応しています。


ですから、陰ヨガのポーズは、筋膜をストレッチするというよりは、微細だけれど持続的な「ストレス」(圧迫や捻り、回転力なども含む)をも筋膜に与えています。これは、筋膜内の繊維芽細胞と呼ばれる特別な細胞を刺激し、ストレスの方向にコラーゲン繊維を新しく築いているようです。コラーゲン繊維は、軟組織の構造や強度を支え、体の各部分をひとつに繋いでいます。


この適応性は、筋膜だけに特有というではありません。筋トレで筋肉が強化されたり、カーディオトレーニングで心肺機能が高まったりすることはご存知でしょう。ですから、柔軟な人には、すでに柔らかい組織を弱めるのではなく、筋膜を強化し弾力性を高めることが陰ヨガには可能です。その鍵となるのは、深いストレッチではなく、感覚が持続するような優しい陰ポーズを行うことです。


柔軟な人が、深いストレッチではなく微細で持続する「ストレス」
を優先したバタフライポーズをするためには、膝の下にブロックを
置き、両手を床に置いて腕を伸ばし背骨を支える。



2. 水和反応


筋膜へのかすかなストレスには、筋膜層の液体を一時的に絞り出すなどの複数のフローオン効果があります。上記のように線維芽細胞をも刺激した結果コラーゲン合成が起こり、ヒアルロン酸という化学物質が作られます。保水力の高いヒアルロン酸は、周囲の組織から水分子を集めて筋膜へと戻し、陰ヨガを終えても数時間続く加水(再水和)を始めます。


スポンジを水中に浸けるのを思い描いてください。スポンジを絞ったり、捻ったり、引っ張ると残留した液体が出ていき、再度スポンジを満たしていく新しい水のスペースが作られます。


筋膜の健康的な機能に、良い水和(加水)が不可欠なのには、次の主な理由があります。

• 水和によって、筋膜層間がより滑らかに動くようになり、体表と体組織の間にある動きや血流が活発になり、炎症や癒着の可能性を下げます。


• 水には、圧迫に対する素晴らしい耐性があるため、しっかり水和している体組織は、日々の動きに対してより強くより弾力性を持ちます。水分に満たされたシステムの構造的な強さを思い描くには、水の足りていない植物を想像するとわかりやすいでしょう。葉の重さで茎がうなだれているところに、水をやるとすぐにまたピンと立ち上がります。


ツイストの優しい圧力で、陰ヨガの後も何時間も続く再水和の
プロセスが始まる。





3. リラクゼーション反応


生理学的には、陰ヨガは、心拍数や呼吸、瞳孔の拡張、筋肉の緊張など無意識あるいは付随意の体のプロセスを制御している自律神経のバランスを整える効果があります。自律神経には2種類あります。交感神経は、闘争逃走反応を刺激し、感じ取った脅威に対して素早く明確に行動を促します。副交感神経はリラクゼーション反応を司り、日々の生活ではこちらが優勢であることが理想的です。血液を筋肉から消化器官、生殖器官、そして免疫系の臓器へと流す働きをします。


現代の生活はとても「陽」だということに異議を唱える人は少ないでしょう。行動していることを重要視し、途切れのない刺激に晒されています。今日の猛烈なペースの生活では、私たちの生態が意図しているよりもずっとSNSの方が活発であり、この崩れたバランスが私たちの体や心の健康に反映されているのに多くの人が気づいています。


陰ヨガは、交感神経を鎮静させるのに必要な、健康を取り戻す静寂を見出すための時間と場所を与えてくれます。陰ヨガポーズで、本当に休めるように体を支えられれば、警戒心が解かれて心拍数、血圧が下がる一方で、免疫や消化、再生機能が向上するのを感じられるでしょう。


大きな可動域を持つ人は、どんなポーズでも筋膜へのストレスを感じることはないでしょう。けれど、ただ静寂の中へと落ち着いていくことで、神経系への鎮静効果を得ることができるのです。

とても柔軟な人がバナナサナの大きなストレッチを感じないとしても、
静寂の中で休むことで神経系の大きな効果を得ることができる。




4. エネルギーの流れ


同じ土地の道路地図と天気図が全く異なって見えるのと同様に、体の西洋的な見解と東洋的なエネルギー体モデルは、無理なく共存しています。陰ヨガでいうエネルギー体とは、中医学から来ていて、「経絡」という特別な経路を通ると考えられている生命力の「気」で成り立っています。


中医学では、陰ヨガポーズで作られた体のストレスは、経絡を通る気の流れを刺激すると考えられています。お腹を圧迫するポーズは、腹部の臓器を圧迫することで胃の経絡にエネルギーを与え、健康的な消化を支えると考えられます。背骨に沿って伸展するポーズは、胸腰筋膜やハムストリングスに優しいストレスをかけるだけでなく、膀胱の経絡の内省的な質を高めて落ち着かせます。


西洋世界では、物理的な体のようにエネルギー体のことを身近に感じられないかもしれません。けれど、照明のスイッチを点ける時に、その効果を得るために電気の流れを見たり理解する必要はありません。同じように、陰ヨガ後の感覚の違いを感じるために中医学をしっかり理解する必要もありません。とても柔軟な人であっても、気の流れをよくする陰ヨガの効果が十分に得られるでしょう。


プロップスを用いたキャタピラー・ポーズは、柔軟な人が内観し元気を
取り戻すことのできる素晴らしいポーズ。中医学によれば、このポーズは
膀胱の経絡の内省的質を高める。




特に可動域の広い人がこの効果を高める鍵は、それぞれのポーズで以下の3つの原則に従うことです。


• ポーズの深さを緩めます。いつもの深さまでいくのではなく、ゆっくりとそれぞれのポーズに入り、最初に感覚を感じるところで止まります。それは、いつものポーズの50%程度の深さになるかもしれません。リストラティブヨガと異なり、目的はいくらかの感覚を感じることですが、大切なのは「いくらかの」ということです。


• リラックスできる場所を見つけましょう。新しいバージョンのポーズを掴んだら、時間をかけて、筋肉ができるだけしっかりとリラックスできるような姿勢をとります。床と体の間の空間を埋めるためにプロップスを使ったり、腕や壁にもたれてもいいでしょう。あるいは、座位の前屈をする代わりに、床に横たわって壁に脚をあげるというような、違うバージョンのポーズになるかもしれません。


• 静寂の中に留まりましょう。陰ヨガで対象とする組織である筋膜には、とても適応性があります。置いた場所の必要性に絶え間なく反応します。けれど、その反応はゆっくりで段階的です。ゆっくりと反応する筋膜に働きかけるため、リラックスした同じ姿勢で、少なくとも2分間は留まる必要があります。





陰ヨガが、もう少し柔軟になりたいという人に役立つのは疑いようもありません。けれど、陰ヨガにはまた、しっかりと水和し、弾性と回復力のある軟組織を維持し、現代生活の絶え間ない刺激から神経のバランスを取り戻し、エネルギーの流れを調整する力があります。とても柔軟な人でも、陰ヨガを繊細に行うことでその効果を得ることが可能です。ポーズに深く入りすぎず、リラックスできる姿勢を見つけ、そこで辛抱強く静かに留まります。その鍵は、どんなヨガにもあてはまるように、何をするかではなく、どのようにするかということなのです。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/why-flexible-people-can-still-benefit-from-yin-yoga

2021年9月8日水曜日

体重を減らすのに役立つヨガの3つの大きな側面 
3 Big Ways Yoga Can Help With Your Weight Loss Goals

今回は、Everyday Health からの記事です。
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マットの上でカロリーを燃焼すると言うだけではない。習慣的なヨガの実践によるストレス解消の効果が体重のコントロールにも役立つ可能性があると、専門家らは言う。




ヨガには、筋肉の強化から睡眠の質の向上、ストレスの緩和など多くの健康効果があります。痩せるのにも効果があるのでしょうか?


ヨガは、いくつかの方法で体重を減らすのに役立ちますが、それはマットの上でカロリーを燃焼させるということだけではない、とオハイオ州にあるクリーブランド・クリニック・センターのヨガ・プログラム・マネージャーであるジュディ・バーは言います。彼女は、国際ヨガセラピスト協会とヨガ・アライアンスの資格を持っています。


ジュディによれば「ヨガは、正しく行えば、ライフスタイルの変化をもたらす」つまり、運動量が増えて感情的な食べ方をしなくなります。また、ストレス管理に効果があり、体重の維持にも役立つと彼女は言います。


彼女は、一緒にヨガを実践してきた人たちが痩せたのを見てきたし、自身の研究の結果もそうだと言います。


2013年7月の American Journal of Lifestyle Medicine に掲載された共同発表では、ヨガの体重減少効果を評価する多数の研究を再調査しました。


そのデータによって、ヨガは多くの点において、体重の現象や維持に関係があることがわかりました。ヨガ・セッション中のエネルギー消費、腰痛や関節痛緩和によるエクササイズの促進、マインドフルネスの高まり、気分の向上やストレスの緩和、また、体や満足感、食習慣への関心の深まりなどです。


その他、2016年の Yoga in Prevention and Therapy の特集になった研究では、ヨガを通して痩せたと報告した成人20人のインタビューから収集したデータを分析しています。参加者らの答えから、研究者らは、以下の5つの点が体重減少に役立ったと結論付けました。健康的な食事への変化、ヨガのコミュニティや文化の影響、身体的な変化、精神的な変化、そしてヨガの体重減少が今までの体重減少とは異なるという確信です。


体重を減らそう、維持しようとしているなら、バーたちの言うように、以下のような3つの方法でヨガが役立つかもしれません。




1. マインドフルな食事


ボストンのハーバード医大の准教授であり、ヨガアライアンスの研究ディレクターであるサット・ビル・シン・カールサ博士によれば、ヨガは、ただマットの上で筋肉を強化しているだけではありません。


長い間ポーズを保っている時、体がどう感じているかにつながっている、とカールサ博士は言います。インストラクターは、呼吸を観察したり心や体が何を伝えようとしているかに注意を向けるよう言いますが、それがマインドフルネスを学び実践する方法です。


そして、マットの上でマインドフルネスを実践することは、マインドフルな食習慣を実践することにも役立ちます。マインドフルな食事とは、空腹の合図を認識して過食を制限することです。時間が経つにつれ(そして実践を重ねるうちに)、自身を満たしエネルギーを与えてくれる食べ物がどれなのか、負の効果を持つもの(だるくなったり膨満感を感じるなど)がどれなのかに注意を向けるようになります。そして、そうした食事や痩せる食事法にこだわり、全体的に健康的な食物を選ぶという行動こそが全てだと、博士は言います。


カールサ博士は、2015年7月 International Journal of Yoga で発表された、ヨガが、より多くの新鮮な野菜、全粒穀物、大豆加工品を摂り、特に脂肪を減らすという食習慣の変化に関係しているという調査に注目しています。


また、2015年 Journal of Sport and Exercise Psychology に掲載された研究では、ヨガや有酸素運動を習慣的に行なっている159名の女性のデータを分析しています。有酸素運動をしている人に比べて、ヨギは乱れた食習慣をしている人が特に少ない傾向にありました。


「ここがヨガの素晴らしいところです。ただ運動しているだけでななく、体のサインを聞くということです」




2. ストレス管理


ヨガは慢性ストレスを下げるのに役立ちます。ストレス、特に管理されていない慢性ストレスは、多くの面で体重増加に関係しています。ヨガは、慢性的なストレスレベルを下げるのに役立ちます。


ブレスワーク(呼吸法)や瞑想は、ヨガの実践の基礎です。そして、どちらもエネルギーを増大し、気分を向上させ、ストレスレベルを下げる、とチャールストンの南カリフォルニア医大の准教授であるスンダール・バラスブラマニアン学術博士は言います。彼の研究の中心は、ヨガの呼吸法がどのように慢性病などに悩む人々の健康を促進するかです。(バラスブラマニアン博士はまた、国際ヨガセラピスト協会認定のヨガセラピストであり、ヨガの呼吸法のコースのある PranaScience Institute の創立者でもあります)


「ストレスは、コルチゾールを引き上げ、ストレスによる食べすぎや睡眠障害を引き起こすので、痩せるのを困難にします」とバラスブラマイン博士は説明します。深い呼吸は、ストレスを解消し、体重の減少をより困難にする(あるいは体重増加の原因となる)こうした負の効果を逆転するのに役立ちます。


バラスブラマニアン氏によれば、「呼吸のエクササイズに反応して、体内で生理学的な変化が起こります。マインドフルネスのエクササイズが、体内コルチゾール分泌量を減少させることが、研究でわかっています」


2017年12月 Psychoneuroendocrinology 誌に発表された再調査では、ヨガが、夜間や起床時のコルチゾールレベル、安静時の心拍数とコルチゾールレベルを下げる可能性があるという42の研究のデータを分析しています。



3. 筋肉を増やす


筋肉量を増やすことは、ヨガが体重を減らしたり維持するのに役だつもう一つの側面です。


「筋肉強化といえば、ウェイトトレーニング室でバーベルを上げなければならないと考えるでしょう。ヨガでは、抵抗力として自分の体重を使います。全てが動かせるバランスを保つため、全身が働きます」国際ヨガセラピスト協会とヨガアライアンスの認定インストラクターで、ノースカロライナのダラムにある Duke Integrative Medicine のヨガセラピストであるキャロル・クルコフは言います。


プランク・ポーズを保持するのを思い浮かべてください。肩やコア、腰、脚の筋肉を使って体を支えています。プランクからダウンドッグへ移行するかもしれません。前腕や肩、背中を筋肉群を活性させるでしょう。これら筋肉がカロリーを燃焼します、とクルコフは言います。


2016年6月に Preventive Medicine で発表された2000人以上が参加した30の試験のレビューでは、ヨガが、健康な成人のウェスト・ヒップ比を下げ、また過体重や肥満の人のBMI(体格指数)を下げると結論づけています。


他の研究でも、もっとゆっくりとしたレストラティブなヨガのクラスによって、過体重や肥満の人の空腹時血糖値が改善(代謝が完全した兆候)されることがわかっています。




ヨガを体重減少プランに取り入れるには?


痩せるプランにヨガを取り入れようと考えるなら、専門家らが、下記のような始め方のヒントを挙げてくれました。


始めはゆっくり。 ヨガを(どんなエクササイズでも)始めるコツは、まずは体験することから始めることです。バーによれば、初心者は、「ホット」「ビクラム」「パワー」「フロー」などの言葉の入った激しい早く動くスタイルのヨガは避けたほうがいいと言います。安全に柔軟性や体力をつけるために、怪我なく簡単についていけるスタイルのヨガを選びましょう。ビギナー向けのクラスなら、ポーズを詳しく説明してくれることも多いはずです。


必要に応じて調整を。 体が鈍っていたり、かなりの体重を落とそうとしているなら、必要に応じたヨガを選びましょう。また、最初はできないポーズがたくさんあって調整が必要かもしれません。クルコフは、関節や膝、腰に問題を抱えている人たちに、座ったまま快適に行えるようチェア・ヨガを教えています。自分のニーズにあうようエクササイズやポーズをどう緩和すればいいのかを、インストラクターに尋ねられるように、生配信や対面のクラスを探しましょう。


自分にぴったりのスタイル、クラス、インストラクターを見つけましょう。ぴったりのものを見つけるまでは、いろんなスタイルやインストラクターのクラスを上kなければならないかもしれないとカールサは言います。呼吸法や瞑想にフォーカスしたクラスもあります。動きの強化に焦点をあてたものもあります。早いテンポで動くものや、ゆっくりとしたものもあります。「もっとも大事なのは、続けられるヨガをすることです。そうすれば、練習を続けることができるし、長期にわたる効果も得られるでしょう」


他のエクササイズも取り入れて。 ほとんどのスタイルのヨガは、筋肉を強化するものですが、全てのクラスが循環機能のワークアウトをするというわけではありません。そこで、定期的なヨガに、ウォーキングやジョギング、自転車など心拍数をあげるような有酸素運動を組み合わせましょう、とバーは言います。カールサは、ラケットボールのような他のスポーツをヨガとともに行なっています。クルコフが勧めるのは、動的な回復として優しいスタイルのヨガです(他の強負荷のワークアウトをする人にもおすすめです)。


継続しましょう。スブラマニアンによれば、ヨガの実践は、ゆっくりと築き上げていかなければならない習慣です。痩せるためにどんなヨガを選んだとしても、一度で効果がある、というわけではありません。週に一回やそれ以上続けられるような楽しめるものを選んで、続けて、結果を見てみましょう。


プロのアドバイスを聞きましょう。痩せるプランにどうやってヨガを取り入れていいかわからない?もし痛みがあるなら、不快な症状があるなら、ヨガを始めるのがしんどいと感じるなら、かかりつけ医にアドバイスを聞いてみましょう。統合医療の経験のある医師なら、あなたにあったプログラム作りを手助けしてくれるでしょう。あるいは、ヨガの知識があって患者にあったリハビリ・プログラムを行える訓練を受けた理学療法士を紹介してくれるかもしれません。


2021年6月21日月曜日

ヨガの国際デー:ヨガとは何なのか、なぜ祝うのか? 
International Day of Yoga: What is Yoga and why do we celebrate it?

夏至の今日は、国連の国際ヨガの日です。
ヨガの日って何?

以下は、国連のサイトから引用しました。

ちなみに今年は、ニューヨークの国連からSNSなどで配信があるようです。
日本時間は、夜の9時30分から11時までです。
(https://media.un.org/en/webtv/)
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ヨガは、古代の肉体的、精神的、霊的な実践法で、その起源はインドにあります。「ヨガ」という言葉は、「つなぐ」「結ぶ」などの意味をもつサンスクリット語から由来しており、身体と意識の結合を象徴しています。


今日では、世界中でさまざまな形で実践されており、その人気はますます高まり続けています。


その世界的な人気を受け、2014年12月11日、国連は決議69/131により、6月21日を国際ヨガの日と定めました。


ヨガの国際デーの目的は、ヨガの実践による多くの効能について、世界中の意識を高めることです。


ヨガの国際デーの決議草案はインドによって提出され、175の加盟国から承認されました。最初の提案を行ったのはナレンドラ・モディ印首相で、69回総会の開会挨拶にてこう述べました。「ヨガは、我々の古代からの伝統からの計り知れない価値のあるギフトです。ヨガは、心身、思考や行動の結合を包括しており、そのホリスティックなアプローチは、私たちの健康や幸福にとって有益です。ヨガは単なるエクササイズではなく、自分自身、世界、自然との調和の意識を発見するための方法なのです」

 
決議では、「より健康に良い選択を行いそして望ましい健康を促進する生活様式の型に従っている個人や人々の重要性」と言及しています。これに関し、WHOもまた、加盟国に各国市民の運動不足を解消させるよう促してきています。運動不足は、世界での死因の上位10位に入り、循環器病や癌、糖尿病など否伝染性疾病の主なリスク要因です。


しかし、ヨガは単なる運動ではありません。最も有名なヨガ実践者の一人である故B.K.S.アイアンガーの言葉にはこうあります。「ヨガは、日々の生活でバランスの取れた姿勢を維持するすべを育み、人の行動する能力スキルを与えます」








(出典) https://www.un.org/en/observances/yoga-day