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2026年6月18日木曜日

腸腰筋リリースのための8ポーズ Vol.2 
8 Poses for Iliopsoas Release



前回からの続きです。
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4. 横向きに寝た腸腰筋ストレッチ


背中側から足首を掴むことが難しい場合はストラップを傍に置いておきましょう。


1. 右側を下に横たわり、膝を腰の高さで心地よく曲げ、背骨は自然な形を保ち、骨盤の背中側と後頭部を一直線上に並べます。右腕を枕のようにして頭の右側をのせます。(他に、ブロックやボルスター、実際の枕を頭の下に置いてもいいでしょう)


2. 左脚を曲げたまま、腰の反りが大きくならない程度まで後ろへ下げます。左足首を左手で掴むか、ストラップをかけましょう。


3. 左足首を掴んだまま3回呼吸し、左膝を胸に引き込もうとしつつ、左脚が動かないよう左手で優しく後方へ押し返します。


4. 今度は、左足首に手かストラップを置いたまま、左脚をリラックスさせます。左手をゆっくりと優しく後方へ押し続けながら、3回呼吸します。このストレッチの最初よりも、左脚をもう少し後方へ下げることができる(腰椎の湾曲を強めることなく)と気づくかもしれません。

足首を解放し、両膝をつけて、寝返りを打って左右を替えます。



5. ローランジでのサイドベンド(任意)


膝に痛みや過敏がある場合は、ブランケットで膝の裏側に当て布をするといいかもしれません。(ランジそのもので痛みが起こらなくても、慢性の膝痛のある多くの人にとって可能な限り膝蓋骨への圧力を減らすことは良いことです。)


1. 両手で起き上がって四つ這いになります。右足を両手の間に、踵が膝下に来るよう前に出します。


2. 右手をウェストに置いて、左手は左腿の上におきます。(手を腿に置くのが難しい場合はブロックを持ってそのブロックを腿に押します)左腿を左手で後方に押しながら、腿を手の方へ、そして左膝でマットを前方へと動かそうとしてみましょう。そのまま3回しっかりと呼吸します。


3. 今度は力を抜いて、リラックスしたランジになります。深く入れそうなら、前の膝を足首よりもっと前に出すというより、後ろの膝をもっと後ろに下げます。そのまま3回呼吸しましょう。あるいは・・・


4. ・・・左腕を左耳の横に持ち上げて、左の腸腰筋のストレッチを大きくするよう右へ倒れて、3回呼吸します。



両手を右足の左右どちらかに移動し、足をさげて四つ這いに戻り、反対側も行います。




6. 戦士のポーズ1でのサイドベンド(任意)


1. 四つ這いから、右足を両手の間に出します。起き上がって左膝を伸ばし、左足を床に置いて爪先をマットの左角に向けます。両手を腰にして上体を垂直に起こします。背骨を伸ばして胸をヨガマットの前に向かって前方に向けます。


2. 左手を左腿に、右手は右腰におきます。ローランジの時と同様、左手(かブロック)で左腿を後方へ押し、その動きを左腿で抵抗しながら、(脚を曲げずに)腿を手に押し付け、左足でマットを前に動かそうとします。このまま3回呼吸しましょう。


3. 左脚と左手の力を抜きます。左腕を頭上にあげて腸腰筋を伸ばし3回呼吸します。または・・


4. ・・・右へサイドベンドして腸腰筋のストレッチを大きくし、数呼吸します。





上体を戻したら、両手を右足の左右どちらかに下ろします。足を下げて四つ這いに戻り、左右を替えます。




7. 腸腰筋をマッサージする


軽いケトルベル(500g程度のダンベル)、テニスボール、マッサージボールなどを用意しましょう。


注意:このマッサージ・テクニックをヨガティーチャーが生徒にするのはお勧めできません。腸腰筋は混乱させたくない敏感な構造の近くにあるため、他の人への腸腰筋マッサージは手を使うことの訓練を受けたセラピスト(マッサージ・セラピスト、理学療法士mカイロプラクターなど)によって行うべきだからです。


しかし、内面の気づきレベルの高いヨガ・ティーチャーや経験豊かな生徒の多くは、腸腰筋のセルフ・マッサージを安全に行うことができるでしょう。注意して続けることが重要で、解剖学的ランドマークや感覚に注意を向けながら以下の指示に従ってください。手の下に鼓動を感じたり、腿の前が震えているのを感じたら、それは動脈や神経を圧迫している兆候です。


腸腰筋マッサージですぐに、あるいはあとで痛みが増すようであれば、この実践はやめておきましょう。また、痛みや可動域に改善が全くみられないようであれば、これを続けずに、医師や理学療法士に相談しましょう。


このマッサージに効果がると感じた人は、左右1ー5分ずつ行います。1日に1回、長時間座ったあとや運動の後、または毎日のヨガの練習に取り入れてみましょう。


1. 仰向けに横たわります。左脚をのばしたまま右膝を曲げて、腸腰筋をリラックスし、右足を座骨から10cmほど離れた床の上に置きます。


2. 骨盤右上の内側(右の上前腸骨棘のやや内側)に両手を置きます。息を吐きながら、指で下にやさしく、理想的には腸腰筋を、押します。幅5cmもない円柱状の筋肉を探します。痛みや脈、痺れがないことを確認します。(腸腰筋が硬いと、手触りが柔らかいかもしれません。このマッサージでは、許容できる範囲の不快感を感じる人は多くいます。)


3. 腸腰筋を見つけたことを確認するため、右脚を胸に引き上げます。指の下に強い筋肉の収縮を感じるはずです。


4. 右足を下ろして、手の圧迫は維持します。あるいは・・・


5.・・・テニスボールやマッサージボールを腸腰筋の上に置くか、ボールの上に軽いケトルベルを置いて圧力をやや強くすることもできます。(荷重を増やさなくても十分な感覚があれば、先へ進みます)


6. 手を動かすのではなく、右脚を左右にゆっくりと揺らして数呼吸します。(腸腰筋が収縮するため、脚は持ち上げないでください。)


7. 腸腰筋への圧迫を解放して右脚を伸ばし、そして右腕を頭上に伸ばして腸腰筋を伸ばしましょう。


右腕を頭上にして右脚を伸ばしたまま数呼吸リラックスしたら、左右を入れ替えます。


8. 骨盤の傾きと腿の下にブランケットを置いた下向きのシャヴァサナ


巻いたブラケットを腿の下に置くと、最初は骨盤が大きく前傾する(腸腰筋が短くなる)かもしれません。しかし、ここで推奨している収縮リラックスのストレッチで腸腰筋は長くなり、この練習の間も後も骨盤をよりニュートラルな位置に楽に置けるようになります。


ブランケットを巻いて(あるいは幅の狭い円柱のボルスター)をマットの中央あたりに水平におきます。(端まで巻いたブランケットで腰椎が不快なほど湾曲するようであれば、ブランケットは一部だけ巻きましょう。)お腹を下にして横たわり、骨盤の骨の3-5cm下にブランケットを置き、額は重ねた手の上で休ませます。





両腿をマットの方に押し下げ、骨盤を後傾させて腸腰筋を収縮し、3回呼吸します。そして、リラックスし、骨盤を前傾の方へ戻して3回呼吸します。腰の湾曲を強めないため、息を吸うたびに腰を広げ、息を吐き出すたびに少しお腹を引き上げることを忘れないでください。




この骨盤の前後傾の動きを10回続けます。それから、5分(か、それ以上)の間、腿の下にブランケットを置いたまま完全にリラックスします。




日常における腸腰筋への対処


腸腰筋が硬いなら、走ったり歩いた後やこの筋肉を繰り返し収縮させるような運動の後、上記のポーズでリリースしましょう。また、股関節屈曲が必要なヨガポーズを相殺する練習に取り入れましょう。


おそらく最も重要なのは、長時間座った時は休憩すること、腸腰筋を含む腰の筋肉全ての疲労を防ぎため腰のサポートを使うことです。持続的なマインドフルネスを通して、ウェストや腰に感じている不快感が徐々に楽になっていくこと、腰の過剰な湾曲が小さくなっていること、そして歩き方が大きく軽くなっていることに気づくかもしれません。









2025年11月27日木曜日

股関節のためのヨガ Vol.2 
Help for the Hips


前回の続きです。他のアサナを見ていきましょう。

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ランジ・ポーズのバリエーション(バナラサナ)




ランジやそのバリエーションは、骨盤の位置を正したり腰痛などに良いポーズです。股関節を屈曲するための腸腰筋は、背骨の下方と骨盤をつなぎ腿の骨まで続いています。多くの場合この筋肉は硬くなっていて、左右の一方がより弱かったり柔軟であったりして、骨盤や両脚、背骨の位置関係を乱します。ランジのバリエーションでは、腸腰筋とともに大腿四頭筋も伸ばすことができます。


椅子から90㎝ほど離れて立ち、左足を椅子の座面にのせます。左膝を曲げて体重を両脚の間にかけながら背骨を垂直に保ちます。両手を左膝に置きます。右膝は伸ばしたまま踵を床におろし、足先は前に向けておきます
ゆっくりと股関節の屈曲を深め、床の方へ骨盤を下げます。そのままリラックスして呼吸します。そして反対側でも行います。





次に、まずは四つ這いになり、左足を前に両手の間に出して足指が手指と並行になるようにおきます。右脚は体の後ろへと伸ばし、膝と足の甲は床に下ろします。左膝は床に垂直になるよう足首と脛の真上に保ちます。骨盤を下げて両腿を反対方向へと伸ばし、胸を前斜め上へと押します。次は、右つまさきを立てましょう。右膝を持ち上げて伸ばし、かかとは体から離すように押します。右膝を持ち上げて、骨盤を床に下げながら左腿を前に、右腿は後ろへと押します。そのまま呼吸をしたら、反対側で繰り返します。



腿の付け根を開くポーズ


以下は、誰にとってもきついストレッチです。全てのバリエーションにおいて、重力と両脚の重みを使って内腿と腿の付け根をストレッチし、リラックスしながら骨盤の重みを床へと手放します。





うつ伏せに寝て顎を床につけます(あるいは額を組んだ腕に休ませます)。両膝を曲げてできるだけ開きましょう。そして足の裏どうしをつけます。骨盤を持ち上げたり膝の位置を替えたりしないよう、内腿と股関節まわりの筋肉をリッラクスさせます。両足を床の方へ下ろしますが、足の裏はつけたままにしておきます。ポーズをしながら深くリラックスして呼吸し、脚の重みで内腿と腿の付け根を優しく開きましょう。


次に、膝をもう少し曲げて足首を交差させます。もう一度、股関節や腿の付け根、骨盤の緊張を解きましょう。ストレッチが強くなったことに気づきましょう。それから足首の交差を変えます。左右どちらも準備ができたと感じるまでポーズを保ちましょう。





バタフライのポーズ(バッダコナサナ)




バタフライのポーズは、苦手とする生徒が多いのですが、それは内腿が固いためです。この筋肉をストレッチするには、背中を壁に預けて床に座るのが良い方法です。骨盤の後ろと背骨の根本をできるだけ壁に近づけておき、頭頂に向かって伸びます。膝を曲げて足先のあたりを手で掴み、床に向かって膝を下ろしましょう。それから手のひらを使って、鼠蹊部から膝までの内腿をしっかりとマッサージします。最後に腿と膝を、できる範囲で、もう少し床に向かって両手で注意深く押しましょう。このポーズを保ちながら、息が全身に流れるように、滑らかで均等に呼吸をしましょう。よければ、股関節から前屈してよりストレッチを深めることもできます。



壁際での腿のストレッチ


このストレッチは、座位の開脚ポーズに似ていますが、腰や内腿が硬い人や、開脚する際に垂直に座るのが困難な人に特に良いポーズです。背骨と腰を床で支えながら、重力で両脚を開いて内転筋群を優しくストレッチします。


まずは、片方のお尻の外側を壁につけて床に座り、両手を後方の床におきます。




ポーズに入るには、後ろにもたれて両膝を胸に引いて両足を上げます。そして体を回して、尾骨が壁の近くに頭頂が壁から遠くなるように横たわりましょう。両脚を壁で垂直に伸ばし、背中は床に休ませます。頭の後ろで両手を組んで頭と首を支え、肘は開きます。そして両脚を横方向に開き、壁に預けておきます。リラックスして両脚が重力に引かれるままにし、内腿をストレッチします。膝裏が辛くならないようにし、不快感を感じたら少し膝を曲げましょう。よりストレッチするには、背骨を伸ばし尾骨を壁に押し、両脚の後ろ全体を伸ばして骨盤から離すように踵で蹴り、脚を回転させずに膝と踵をしっかりと壁につけておきます。おポーズに集中しながら呼吸し、回数を重ねるに従って徐々にポーズを保つ時間を伸ばし、より深くリラックスしましょう。


ポーズから出るには、両脚を壁で揃え、膝を曲げて胸に近づけ、足の裏を壁ですべらせて下ろします。リラックスし、両脚と背中を休ませて、膝の内側に緊張を解きます。最後に、片方に寝返りをうってポーズを終えましょう。








2025年11月17日月曜日

股関節のためのヨガ Vol.1 
Help for the Hips

アサナの練習をすることで、理想的には心身のバランスと心の穏やかさを得られ、健康で幸せでいられるようなります。しかし練習を重ねていくと、体のある部分に「行き詰まり」を感じることもあります。そうした症状がよく現れるのが、特に瞑想やプラナヤマの座位の姿勢を練習する人にとっては、股関節や骨盤の辺りです。また股関節は、体重を支え全身を構造的に安定させている一方で、歩く、走る、ジャンプする、前屈みになる、座るを同時に可能にしていますが、それを考えればそこに問題が生じるのも不思議ではありません。骨盤は上半身全体の基盤であり、体内全てが健康的に機能するには骨盤を調整することが不可欠です。現状を評価して、股関節や骨盤周りのバランスと柔軟性を得られるよう練習を調整するために、少し解剖学を見てみましょう。






骨盤、脊椎下部、股関節は上半身の重みを支えており、胴体と両脚の関係を安定させ、歩く、走る、ねじる、あらゆる方向へ曲げるために必要な体系を形作っています。骨盤と脊椎下部は仙骨の左右にある仙腸関節で繋がっていて、比較的あまり動きません。この半固定された構造により、背骨の下端をしっかりと支え、多くの場合は脊椎下部と骨盤は一体で機能しています。


それに比べ、腿は骨盤と球関節で繋がっており、体の中で最も動く関節です。これによって股関節での広範囲の動きが可能になっています。腿は、前後左右に動かせることができ、また内外に回転させることもできます。そうした異なる機能を包含するこの場所に想像できるように、柔軟性と強度に多くの筋肉群が関係しています。腿裏のハムストリングス、前の大腿四頭筋、内腿の内転筋、後ろと横にある外転筋、回転筋、そして股関節屈筋(腸腰筋)、これらは骨盤の奥深くにあり、骨盤との関連で腿を動かせます。最後に、腹筋が体の前を支えて骨盤と脊椎下部の正しい位置関係を保っています。


股関節はあらゆる方向に定期的なエクササイズをしなければ、大抵は、凝り、痛み、慢性的な筋肉の短縮が起こります。以下のエクササイズは、この部分を強化して開くよう考えられています。股関節の動きにくさとともに、ハムストリングスや腰の凝りがある場合は、その辺りも一緒に動かす必要があるでしょう。筋肉が硬くなるのは多くの場合は弱い筋肉を補っていることを覚えておいてください。強化エクササイズを含んだ包括的なプログラムの方が、特定の一部分をストレッチするよりも、より早く筋肉バランスをとり戻し正常な可動域を得ることができます。


以下のポーズは、股関節の柔軟性制限への対処法です(ハムストリングス以外)。流れに沿う場所があるならば、これらのポーズのいくつか、あるいは全てを、毎日のアサナのどこかに取り入れてみてください。例えば、立位ポーズに体側を伸ばすポーズをする、あるいは三角形のポーズ(トリコナサナ)の代わりにするなど。腿の付け根のストレッチをうつ伏せのポーズに取り入れるなどです。いつも同様、定期的な練習は不可欠です。




体側を伸ばすポーズ (パールシュヴァコナサナ)


立位ポーズは、股関節や骨盤に良いポーズです。強さや柔軟性を養い、意識がポーズでの動きと統合するからです。このポーズでは、股関節の深い場所の可動域が高まり、四頭筋など脚や骨盤の筋肉が強化、体側全体に沿った筋肉がストレッチされ、胸が開きます。






両足を脚の長さ程度に開いて立ちます。右足を外に90度開き、左足はやや内側へ、股関節と胸は前に向けます。息を吸い込んで、両腕を手のひらを下にして肩からまっすぐ外に伸ばし、両肩を広げたまま耳から遠ざけるよう下げます。息を吐き出して、右膝をちょうど足首の真上にくるまで曲げます。ポーズを安定させて、呼吸をリラックスさせましょう。


胴部は前に向けたまま、息を吐き出し、背筋を伸ばして右へ曲げ、右前腕を膝にのせて、左手のひらを上に向けながら左腕を頭と並行に挙げます。そして、尾骨を少し引き込み肩甲骨を内側に引くことで胸と腹部をより開きます。両足をしっかりと床に押し付け、左かかとから左指先まで伸ばします。安定させるため、右膝は足首の真上に置き、左足の外側で床を押しましょう。


ポーズを深めるには、内腿どうしを遠ざけるように伸ばします。それから右腕を膝から離して、手を右足の外側の床に置きます。左腰を伸ばした脚や腕と一直線になるまで下げて、左側全体のストレッチを深めましょう。右腕と右脚を近づけたまま、胸郭と腹部を回して開き、胸を骨盤から離れるよう持ち上げます。左腕を伸ばし、左肩を開き、首を長く、まっすぐ前を見るか頭を回して上を見ます。そして、ポーズをしながら集中して安定した呼吸をし、そのまま3-5回呼吸するか、準備ができたと思ったらポーズを終えます。右足の指の付け根を押し、胴体を持ち上げ、脚を伸ばします。左右の足の位置を替えて、反対側で繰り返しましょう。



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次回に続きます。


2025年9月13日土曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.1 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis


今回は、骨関節炎を患った著者の記事です。
痛みや腫れの緩和法やヨガポーズについて書かれています。
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振り返れば、あの腕の痛みを感じたのはラッキーだったと実感します。それはゆっくりではありましたが、最初の一年で容赦なく段々とひどくなっていき、とうとう水の入ったコップを持ち上げることもできなくなって病院へ行きました。検査をした医師は、同じ位置で繰り返し行う癖が原因で筋肉が緊張し続けてしまい、痙攣を起こしているのだと言いました。医師の説明では、筋肉が痙攣するのは普通の動きが摩擦となって関節が過度に摩耗してしまうとのことでした。そして今起こっていることは、骨関節炎の初期だと私に伝えたのです。



関節炎とは文字通り関節の炎症です。それにはさまざまなタイプがあります。私が直面している骨関節炎は摩耗する種類です。これまでのところ最もよくあるタイプの関節炎で、多くの場合は老化の自然な一部だと考えられています。アメリカの高齢者の85%が骨関節炎を患っています。大抵は、健診や患者情報で見つかったり、レントゲンで関節内の影、骨の劣化やカルシウムの堆積が見られて診断されることが多いです。骨に影響がある一方で、多くの場合は骨関節炎は筋肉から起こり始めます。


私たちの体が動けるのは、筋肉が収縮・弛緩して関節が屈曲・伸展するからです。この同じ収縮・弛緩が血流を作って関節機能の健康を維持します。弛緩するたびに、筋肉代謝に不可欠な栄養たっぷりの新鮮な血流が細胞に運ばれます。収縮のたびに、筋肉細胞から古い血液が押し出されて、細胞代謝の老廃物を取り除きます。筋肉が痙攣すると血流が減ってこうした老廃物が細胞内にとどまります。血流不足とその結果の毒素の蓄積こそが炎症を引き起こし、それが骨関節炎へとつながるのです。



よりはっきりした骨関節炎の兆しが現れると、筋肉の痙攣によって関節内が狭まって滑らかな軟骨に圧力がかかり、それが骨の末端を覆います。筋肉の痙攣と合わさって、関節が腫れて硬直、動きが制限され、この状況が改善されなければストレスと摩擦により滑らかだった軟骨がでこぼこになります。そして、その部分を強化しようとして、体はでこぼこ部分で脆くなった骨にカルシウムを溜めていきます。そうするうちに関節内は絶えず狭まって、続く摩擦で痛みが強くなり、関節の劣化によってより痛みが増します。長期の関節炎は、やがて関節の変形を引き起こし、永久的に動かせなくなります。ついには、我慢できない痛みが何年も続いた後、外科手術(骨の融合か関節のリプレイス)だけが痛みのない生活へ戻る最後の望みとなるかもしれません。



けれど、必ずしもそうなるというわけではありません。私の場合、私の骨関節炎は早期発見できたため治る可能性があると医師に伝えられ安心しました。そして、すぐに次の方法を始めるよう勧められました。筋肉の痙攣の原因となる習慣的な繰り返す動きや位置を見つけて止めること、腕や肩の筋肉をリラックスさせるため優しいストレッチをして血流を増やすこと、腫れと痛みを緩和するため抗炎症剤を2週間飲むこと。以前したヨガのケガで、やさしいストレッチも抗炎症剤のどちらもが、血流を増やして腫れを緩和し治癒を促すことがわかっていました。ですから、医師の3つの推奨と問題の原因を見つけて取り去ることが、私の1番の目的となりました。



シャーロック・ホームズの気持ちを着込んで、自分の毎日の日課や癖を入念に調べました。原因となる癖になっていた動きは小さく無意識で、とても普通だったので、見つけるまで時間がかかりました。けれどある日、電話をしている間、片方の腕でもう一方の腕を支えていることに気づきました。指を上に向けたまま手首をしっかりと曲げて、もう一方の肘を支えていたのです。また、この同じ姿勢でいろんな動作をしていることにも気付きました。そうして長い間手首を強く曲げた状態で1日を過ごしていること、これが犯人だと気づいたのです。



この繰り返す動きをただ止めれば原因を取り除くことができて、そのうち炎症も痛みも少なくなるとわかっていました。が、時間をかけずに早く治したかったので、体の治癒プロセスを強化する概念やテクニックを取り入れて、ホリスティックなアプローチをすることにしました。そうした結果、とてもよい結果を得ました。もし痛みがあったり、すでに骨関節炎だと診断されているのなら、こうした方法が役に立つことを願っています。





骨関節炎を緩和するコツ


自然の抗炎症剤で、腫れや痛みが緩和します。
プリムローズやサーモンオイルの錠剤、生の生姜やにんにくを食べるかカプセルで飲む、エキナセア、ゴールデンシール、レッドクローバー、ナツシロギク、ユッカなど。ターメリックやシナモン、生姜など抗炎症効果があり血流を促すスパイスを料理にふんだんに使う。



温めたゴマ油で辛い部分をマッサージします。特に関節の痛みを和らげてくれます。
お風呂に入る前に体にオイルを擦りこんでみましょう。そして睡眠中に関節に染み込んでいくように寝る前に少しオイルをつけます。温めたごま油やひまし油で10-20分パックすることでも、痛みを和らげるオイルが関節に染み込みやすくなります。


毎日食べるもの全てが、骨関節炎の状態に影響します。私たちの体は、健康を取り戻し維持するため定期的な水分補給が必要です。少なくともコップ8杯の水(できれば蒸留水)とジュースやハーブティを。私たちの体は、3-5人分の新鮮な果物(柑橘やトマトは避けましょう)、少なくとも3人分の生野菜(ピーマン、じゃがいも、ナス以外)が必要となります。毎日のカロリー摂取の40-55%を、体のエネルギーレベルを維持してくれる全粒の穀物で摂りましょう。特に重要な食べ物は、卵や玉ねぎ、アスパラガス、緑の葉野菜、玄米、魚などです。コーヒーなどのカフェイン、赤身の肉、砂糖を使用したもの、塩、コーラ類、漂白した小麦粉、タバコ、唐辛子、パプリカ、ジャンクフードは避けましょう。



サプリメントで治癒を早められる可能性もあります。コエンザイムQ10は、組織に送り込む酸素を増やし結合組織の修復に重要です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の組み合わせで、軟骨の再生に役立つ可能性もあります。



ビタミンのサプリメントもまた役立ちます。亜鉛とビタミンC、バイオフラボノイドは治癒を促し、炎症を制御、腫れを緩和します。ビタミンEは強い抗酸化物質で関節の動きを助けます。ビタミンBは治癒を助けます。鉄の入っていないビタミンのサプリメントを摂り、酵素やブロッコリ、芽キャベツやカリフラワー、魚、ライ豆、えんどう豆などを摂りましょう。



筋肉の痙攣の原因となっているであろう無意識で繰り返す動きや位置を、探偵のように探し出しましょう。体をどう使っているかを意識し、筋肉のあるグループをその反対のグループを犠牲にして、いつどこで使っているのかを特定しましょう。



血流は筋肉や関節の健康に不可欠です。数時間おきに症状のある関節を最大可動域の2割程度で回して血流を増やしましょう。こうした動きは小さすぎて効果がないように思うかもしれませんが、実際は強力な治癒力となります。



優しいストレッチは血流を増やし、疲れや筋肉にいつもある緊張を緩和します。また、長期間の筋肉痙攣の結果に失われた通常の可動域を取り戻します。覚えていてほしいのは、ストレッチの際に関節に負荷をかけすぎないこと、痛みを感じないことです。


ヨガポーズを練習しましょう。以下のポーズは、手や背骨、股関節の骨関節炎に対処するための一例です。こうした緩和したポーズは、関節の制限をやさしく取り除き、可動域を最大まで戻します。時間をかけて、優しいけれど根気よく、呼吸をしながら行いましょう。






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ポーズの練習法は、次回にご紹介します。







2025年8月29日金曜日

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.2 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


キルタン・クリヤの実践法


キルタン・クリヤは何千年も実践されてきた12分間の歌うエクササイズです。呼吸、歌やチャンティング、指の動き(ムードラ)、心に思い浮かべるなどいくつかの動きが組み合わされています。ですので、多面性のある多感覚のエクササイズで、脳全体を使って脳内血流を増加します。


姿勢:椅子に心地よく座り、両足をぴったりと床につける
または、足を組んで床に座っても良いですが、高齢者は床に座りたがらないかもしれません。重要なのは心地よいこと、背骨が自然な湾曲のみを残してまっすぐにして座ることです。

両目:目は閉じます

チャントやマントラ:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」の音を使います。続けて言うと古代の言葉で「真我」あるいは「最高の自己」という意味になります。
メロディーは、みんなよく知っている「メリーさんの羊」の最初の4音で歌います。つまり「メーリさんの♪」までです。

指の動き、ムードラ:親指で他の指に順番に触れます。両手で同時に同じ形を作ります。
• 「さぁ」の時は、親指と人差し指をつけます
• 「たぁ」の時は、親指と中指をつけます
• 「なぁ」の時は、親指と薬指をつけます
• 「まぁ」の時は、親指と小指をつけます
常に人差し指から始めて、中指、薬指、小指と続けて逆行しません。





心に思い浮かべる:エネルギーが頭上から頭頂の中心に降りてきてくるのを思い浮かべます。そして、頭の中に真っ直ぐおりたら、方向が垂直に変わって眉間の鼻のちょうど上の一点(いわゆる第3の目)へと進むのをイメージします。つまり、エネルギーはL字にたどっていくのを思い浮かべるのです。まるでほうきのようにすうっと流れるのをイメージできるかもしれません。




順序:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」と歌いながら、両手の指でそれぞれムードラを作りましょう。同時に、その音が頭頂から流れてL字に額の中心から出ていくのを思い浮かべます。

1. 2分間、声を出して歌います

2. 次の2分間、ささやき声で歌います

3. 次の4分間、心の中で歌います

4. そしてささやき声で2分間、声を出して2分間、合計12分間歌いましょう

エクササイズを終えるには、とても深く息を吸って、両手を頭の上に伸ばし、弧を描くようにゆっくりとおろしながら息を吐きます。




脳全体を活性化


ヨギ・バジャンによるクンダリニ・ヨガの伝統では、キルタン・クリヤが持つ効果にはいくつかのメカニズムがあります。キルタン・クリヤのチャンティングで舌を使うことは、口蓋の84のツボを一定の順序と組み合わせで刺激し、視床下部や松果体、脳そのものに信号を送っていると考えられています。また、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなど脳の重要な化学物質が増加することで脳のシナプスを若返らせる可能性もあります。


また、指先や唇、舌にある密集した神経末端は、脳の運動野、感覚野での高レベルの表現に関連しています。ですから、音を組み合わせて指先を使うと、脳の特定の部分が活性化します。私たちの最新の発表では、キルタン・クリヤの各面で脳の異なる部分が刺激されていることがわかりました。キルタン・クリヤで思い描くことがどのような効果をもたらすのかが謎でした。今では、この思い浮かべるテクニックで、身体的レベルでもより大きな面においても、脳の後頭葉が実際に活性化していることがわかっています。そしてまた、目的を持つことがアルツハイマー病予防効果を持つことも示されてきているのです。



(出典)www.alzheimersprevention.org

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.1 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


アルツハイマー病と予防財団(Alzheimer’s Research and Prevention Foundation (ARPF))が発表した白書からの抜粋です。
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アルツハイマー病予防の4つの柱


これまでのところ、アルツハイマー病に効果のある薬を発見するのは困難だと考えられています。そのため、ARPFの予防プログラムにある4つの柱が極めて重要となります。

4つの柱とは以下の4つで、それぞれが認知機能低下のリスクを下げるとされています。

(1)野菜中心の地中海ダイエット
(2)ストレスの管理、特にヨガや瞑想
(3)心身のエクササイズ
(4)精神的な健康


ここでは、「キルタン・クリヤ」という手法に注目していきます。



アルツハイマー病予防の新しい側面


我々のヨガ瞑想は、アルツハイマー病予防として素晴らしく「キルタン・クリヤ」という歌うエクササイズ、シンプルな12分間のヨガ瞑想は以下のような効果を持ちます。

• 記憶障害を逆転させる
• エネルギーレベルを上げる
• 睡眠の質を向上する
• 有益な遺伝子を上方調整する
• 炎症性の遺伝子を下方調整する
• 患者と介護者のストレスを軽減する
• 心理的、精神的な幸福感を向上する
• 脳の構造上重要な部分を活性化する
• 細胞老化を遅らせる若返り酵素であるテロメラーゼを43%増加させる(これまでの記録では最大)
• 副作用がなく費用もかからない




キルタン・クリヤで脳内血流が改善


キルタン・クリヤの正式な研究は2003年に始まりました。
当時、私たちはキルタン・クリヤの脳への影響を調べるため、脳のスキャン研究の準備をしました。


左:実践前、 右:実践後


上図はキルタン・クリヤの前後の脳画像です。左の脳は、容量が小さく上部に凹みがあるのが見えるでしょうか。この凹みは血流不足を意味します。健康な脳の画像とは言えません。ご覧の通り、実践後の画像の脳は左右対称で若々しく、エネルギーや血液が左右対称に流れています(血流増加は、脳内の関係性がより強いことを意味し、新しい脳細胞生産の可能性があります)。これは健康な脳です。


下の画像は、後帯状回(PCG)で、エピソード記憶検索に重要な構造です。PCGはアルツハイマー病が進行するなかで最初に機能低下が起こる場所です。キルタン・クリヤによってPCGへの血流が促されていること、それがリスク低下という議論では非常に重要な要素なのです。





研究によって、脳の改善、脳細胞間の連結の向上、そして新しい脳細胞の成長さえも可能であると示されてきました(神経可塑性、神経細胞形成)。では、キルタン・クリヤを毎日行えば、アルツハイマー病になるリスクは劇的に減らせるのでしょうか?


ヨガや瞑想は、精巧な身体運動や精神的刺激ですので、こうした効果を持つと考えるのは疑いなく無理なことではありません。


また、アルツハイマー病のリスクとその進行の速さの両方に、脳血流減少との関係があるという堅固なエビデンスがあります。






記憶障害を改善


次の研究群は、ペンシルベニア医科大学で行われました。
まずは、コントロールグループと比較し、8週間後の被験者に記憶障害の改善が見られました。この結果は2010年のアルツハイマー病ジャーナルで発表されています。
下のスキャン画像では、劇的な向上が見られます。


プログラム前後における前頭葉の変化
(実践前:左図および上図、実践後:右図および下図)



患者が初めてキルタンクリヤを行った時と比較して、8週間後には前頭葉の矢印部分の活動に大きな増加があり、注意力や集中力などに著しい向上がありました。

他に著しい変化が見られたのが前帯状回(ACG)で、ストレスのバランスをとるのに重要な脳の部分です。

このスキャンで前頭葉の強化が見られた部分は、前頭葉前野皮質(PFC)です。こうした向上は早期の記憶障害、または軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー病への進行をくいとめる効果が期待されます。





気分や幸福感を高める


私たちの研究では、キルタン・クリヤの実践をした被験者において、以下のプラスの結果が見られました。

• 鬱の減少:鬱スケールにおいて65%の被験者に向上が見られた。鬱は認知機能低下のリスク要因の可能性があります。

• また、私たちの公表した研究では、気分やエネルギー、精神的な幸福感の上昇が示されました。

他の瞑想や精神的な幸福感の研究では、大幅なトレーニングと長い瞑想時間が必要としているため、これはとても重要と言えます。私たちの研究では、毎日たった12分間のキルタン・クリヤをするだけでよいからです。





脳や身体、遺伝子にアンチ・エイジングの効果


以上の研究だけでなく、キルタン・クリヤを長期間実践すれば、脳への深いアンチ・エイジング効果があるという研究もあります。



ストレス軽減、テロメラーゼ増加、鬱の軽減


ARPFはまた、UCLAにて認知症の家族の世話でストレスを抱えている39人を対象に、リラクゼーションのテープを使った12週間のキルタン・クリヤの効果において、コントロール・グループとの比較研究を終了しています。この研究の革新的な結果は以下のグラフで見て取れます。





私たちの研究では、キルタン・クリヤは以下の効果があると示されています。

• 記憶力を改善
• 炎症を軽減
• ストレスレベルを下げる
• 心理的、精神的な幸福感が深まる
• 鬱を軽減
• エネルギーを増加
• テロメラーゼを活性化

テロメラーゼの活動を劇的に増加


キルタン・クリヤを実践した被験者でみられたテロメラーゼの43%増加幅は、どの研究と比較しても最大でした。テロメラーゼが短いことは、アルツハイマー病(および寿命の短さ)と関連があります。





炎症性遺伝子を下方制御


キルタン・クリヤの12週間の実践後の被験者において、疾病の原因となる炎症遺伝子の下方制御、炎症誘発性核因子(NF)-kB の活動減少が見られました。慢性の炎症というのは、アルツハイマー病やその他の認知症、また記憶障害のリスク因子である循環器病など主な疾病でよく見られます。

19の健康促進遺伝子を上方調整


この有益な上方調整効果には、免疫グロブリン関係の転写が含まれ、それによって免疫機能が強化され、病気と戦う天然型インターフェロンが活性化されます。

この研究は、ライフスタイルで悪い遺伝子を打ち負かすことが可能だと私たちに伝えています。これは「エピジェネチックス、後成的遺伝学」と呼ばれています。「エピ」とは外部の意味で、ライフスタイルによって「悪い遺伝子」を書き換えることができ、つまりあなたのDNAに囚われているわけでないという事実を指摘しています。ライフスタイルで遺伝的な傾向を阻止することが可能なのです。



キルタン・クリヤによるストレス軽減が非常に重要


研究によれば、認知機能低下は急性・慢性両方のストレスによって引き起こされ、その結果、海馬の脳細胞を死滅するホルモンであるコルチゾールのレベルが上昇します。これまで見てきた通り、キルタン・クリヤはストレスを軽減しコルチゾールレベルを下げます。

認知機能低下においてあまり評価されていない原因のひとつは、「幼少期有害体験」とも言われる幼少期のストレスであり、中年期の記憶障害や不安症、鬱を増加させることがわかってきています。


極めて重要な神経伝達物質や脳内化学物質を補う


シナプスでの神経伝達機能の減少は、アルツハイマー病の特徴です。ヨガや瞑想、キルタン・クリヤは、明らかに神経伝達物質を自然に強化する方法であり、私たちの研究で見られた良い結果の多くで重要な役割を担っています。



睡眠を改善


睡眠障害はアルツハイマー病の危険因子です。キルタン・クリヤで、より深くより良質な眠りに入りやすくなります。





心理的、精神的な健康を高める


キルタン・クリヤは、精神的、心理的に健康な状態を促進し、それによって脳が健康になります。精神的に健康な状態とは、自立、個人の成長、良好な人間関係、人生の目的、などより良い質の生活に関係しています。



目的を明確にする


人生に目的を持つことは、アルツハイマー病予防につながります。瞑想者は、よりはっきりとした目的、そして心理的、精神的な健康という局面を喜んで探します。



精神的な健康が重要なわけ


精神的な健康は、心の平穏を得るための4つの特徴を持っています。

1.忍耐力は、習慣的なヨガや瞑想を根気強く実践することに繋がり、それによって個人の能力を養うことができます。忍耐力を養えば、自身が「流れ」の中にいて自身を世界に委ねることができるようになり、スピードを落としてより人生を楽しむことができます。

2.受容は、自己認知と自己賛美をもたらします。また、寛容さをももたらし、自身や他人の失敗を目にしながらも、そうした失敗の向こう側を見てそのままを受け入れることができます。これが許しにつながって、脳や免疫、細胞機能に毒となる怒りを解き放ちます。また、精神的な気付きをより高い状態へと引き上げます。

3. 哀れみは思いやりをもたらし、それが共感へとつながって、健康的な感情やコミュニケーションを促します。哀れみはまた、明確さや責任感、恐れることなく自身でいる勇気を養い、精神的な成長の次の段階である「身を委ねる」ための道筋となります。

4.身を委ねる:「ストレッチに身を委ねましょう」とヨガの練習で言われます。この場合、身を委ねているストレッチは私たちの魂であり精神です。自身の魂に身を委ねた時、自分への報酬など考えることなく、他者の役に立つため犠牲になれる強さを得ます。これはヨガでは「セーヴァ」といい、真の幸福と静穏をもたらします。静穏は心の平穏と、「それ(神)」はどこにでもあるという普遍の愛の感覚を与えてくれます。これは、脳寿命に究極に重要であり、多くの人が「悟り」と呼ぶものです。精神的な健康は、つまりは、命の最も純粋な局面であり、多くの場合初めて、心の平穏を見つけさせてくれるものなのです。






2025年7月7日月曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.2 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain

前回の続きです。

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手術は必要?


特に前回やったような親指エクササイズをしている間、親指を持ち上げて伸ばす時にどんなふうに動くかを観察しましょう。左右の親指を持ち上げた時、おそらくそれぞれが反対の方向に向いているでしょう。親指を前に伸ばして下ろすと、母指内転筋が活性化してもっと並行になるはずです。左右の親指がどうしても離れる場合は、ゴムバンドで繋ぎ合わせて、持ち上げて伸ばします。腱膜瘤が痛まないよう親指の付け根の間に何か挟むと良いでしょう。


腱膜瘤が進行し、足指の屈筋と伸展筋がもはや交差するほど脇に引っ張られている場合は、エクササイズでゴムバンドを使っても、親指の反りが直せないこともあります。その結果、親指を持ち上げた時、こうした筋肉は弓矢を引くようにより横の方へとただ引かれるだけであまり効果がありません。その場合、特に足の筋肉を効果的にストレッチしたり働かせようとすると痛みが強くなる時は、手術が必要なのかもしれません。




立位ポーズを再認識する


足指エクササイズは、ハタヨガの立位ポーズの練習では特に効果的で重要です。ヴィラバドラサナ(戦士のポーズ)1、2やパールシュヴァコナサナ(体側を伸ばすポーズ)など前足の膝を曲げて足首をまっすぐにするアサナでは、効果的な動きをするとてもよい機会となります。





戦士のポーズのように前脚の膝を曲げた立位ポーズでは、前脚のすねを垂直に保ち(膝関節がかかとを通り越えない)、重心をかかとの中心に置いて、足の親指と小指をむかって伸ばしながら、引き上げて広げる練習をします。


これによって、足の内外の端でアーチが強化されて、足指が整います。膝をゆっくりと曲げたり伸ばしたりしながらこれを練習していると、足のこの動きによって膝が正しい軌道を通り、特に小指側に維持していると股関節の緊張が解放されるでしょう。


トリコナサナ(三角形のポーズ)やパールシュヴォッタナサナ(三角前屈)の前足など足首を伸展した立位ポーズでもまた、足指の付け根を地面に着けたまま親指に向かってより強く伸ばす必要があるため、親指を伸ばして床につけることが試されます。このポーズは、腱膜瘤への圧迫がかなり少なくなるので痛みが小さく、膝を曲げたポーズよりもかなり快適でしょう。そして、膝関節をロック(過伸展)しない限り、力強い動きが膝関節や足の親指の筋肉にも大きな効果があります。膝は小さな「マイクロベンド」を保ちながら、足を働かせましょう。





アルダ・チャンドラサナ(半月のポーズ)など片足でバランスを取るポーズは、最も難しいポーズです。腱膜瘤のある人にとって特別に難しいのは、膝をロックすることと土踏まずが潰れている傾向があるためです。腱膜瘤によって足の骨が安定しないため、足はとても不安定でぐらつき、ポーズを安定させようと膝をロックしてしまうことが多く必要な足の働きを妨げます。この癖に負けずに、膝関節を少しだけ曲げて、かかとに体重を移すために足指を持ち上げ続けるよう練習しましょう。これが土踏まずのアーチを強化して膝のロックを防ぎ、バランスを取るためにできるだけ足指を広げることにつながります。足の親指と小指を伸ばすエクササイズは特に難しいですが効果的です。片足でバランスを取る時、足をどう使うかが膝の健康にとても深く関わっているということに気づくでしょう。



ヨガポーズでの足の働かせ方


アドムカ・シュヴァアサナ(下向きの犬のポーズ)では、足指を指先に向かって伸ばしながらアーチを強く引き上げなければなりません。いつもの通り、膝がロックしないよう小さく曲げ続け、地面からかかとを浮かせておきます。これによって、ふくらはぎやハムストリングスをストレッチしたまま、足を強化することができます。





ウルドヴァムカ・シュヴァナアサナ(上向きの犬のポーズ)やブジャンガサナ(コブラのポーズ)などでは、特に足の親指に沿って後方へ伸ばし(鎌足にならないで、足の内側ラインを並行に)、床に向かって小指を下ろしをおろすことで、足首の前がストレッチされ足指の伸展筋が強化されます。足指の爪全てを(特に親指と小指)まっすぐそして軽く床に押し下げ足を側からせましょう。


セツバンダアサナ(橋のポーズ)は、腿と足を並行に保ったまま土踏まずを強く働かせるポーズです。ここに書かれた通り足を働かせた場合、ときおり生徒に指示されるように足を内側に回転させる必要はありません。土踏まずと足指を働かせながら足の内側を地面にしっかりつけていれば、足が外側に離れていくことはないからです。


最後に忘れてはいけないのは、座位の前屈が、腱膜瘤に体重がかかることで感じる痛みなしに足を働かせるよい機会であることです。ヨガブロックを足の裏につけてブロックのまわりにストラップをかけ、床に立っているように足が動かせるようにします。足指の付け根(特に親指)をブロックに押し付け、足指を働かせている間もブロックを並行に保ちます。









最後に、ハタヨガの基本的なポーズは、痛い腱膜瘤の進行を効果的に予防したり、遅くしたり、止めたりすることのできる、足の完全なワークアウトの機会を与えてくれます。それにはちょっとした努力や気づきが必要ですが、腱膜瘤の兆候が(まだ)現れていなくても、その練習には効果があります。ちょっとしたウォームアップと土踏まずと愛指のワークアウトによって、ヨガは足の健康と幸せを与えてくれるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/9-poses-to-prevent-bunions-relieve-bunion-pain/



2025年7月4日金曜日

腱膜瘤の予防・痛みを緩和する9つのポーズ Vol.1 
9 Poses to Prevent Bunions & Relieve Bunion Pain


腱膜瘤はよくみられる足の症状で、放置すると変形して痛みが生じることもあります。医療科学では、腱膜瘤を進行性の病気だと見做し、主な原因は遺伝にあるとしています。しかし、より大きな視点から見れば、窮屈な靴であったり、ストレッチやマッサージの不足、あるいは足を正しく使えていないことが原因です。幸いなことに、足のウォームアップやエクササイズ、適したヨガポーズなどにより、遺伝的要素で起こる腱膜瘤の進行を遅らせたり、放置したり合わない靴による腱膜瘤の形成を止めたり、その痛みの緩和を助けることは可能です。腱膜瘤が無い場合であっても、こうしのエクササイズにより痛みや疲労を減少させ、足を強く健康的に保つことができます。



腱膜瘤は どのように形成されるか


腱膜瘤(突き出た骨質のこぶ)の原因の多くは、母指球にある骨がジグザグになることです。親指が他の指の方向へ曲がる一方で、中足骨(足首と足指をつなぐ骨)が外へ向いて不快感が起こったり、中足骨頭が石灰化することもあります。これは多くの場合、足の土踏まずの崩れとともに起こります。それぞれの問題が他の問題をより増幅させます。土踏まずの崩れは腱膜瘤の形成を早めますし、腱膜瘤そのものも土踏まずを潰して中足骨をより変形させます。腱膜瘤は、歩くことでかかる圧迫による痛みや炎症を起こしたりと、より深刻な問題となりえます。


骨の形や足をひとつにまとめている靭帯の強さを決めるのは遺伝子であるため、原因のひとつは遺伝です。足の親指の中足骨頭が異常に丸まっていたり出っ張っていると、指がより内側に向きやすくなります。中足骨の反対側にはくさび状骨があり、中足骨が外側へ動く原因になるような形で付いていることもあります。


腱膜瘤が原因で、バランスポーズで足が不安定になったりぐらぐらしたりします。多くの場合、ポーズを安定させるために膝がロックされ、足の働きを阻害します。


しかし、遺伝だけが原因ではありません。きつい靴をはくと、足を外に回転させて歩く癖と相まって、親指の中足骨に圧迫がかかり土踏まずの靭帯が弱まる一方で、歩くたびに横へ押しやられた親指自体が内に向きます。その結果、足裏の内転筋(特に母指内転筋)が硬くなって親指が他の指の方へ引かれ、指がひとつにぶつかり合ってしまいます。引く力に抵抗して親指がまっすぐになるよう作られた母趾外転筋は弱くなって過伸展し、腱膜瘤がほとんど抑制されることなく進行していきます。


このように腱膜瘤(そして腱膜瘤形成を促す筋肉のアンバランス)で、親指が歪み足の構造が弱まって私たちを悩ませることになります。足の親指の力を支える役目を果たしている筋肉に注目し、親指をもとの場所に戻す方法を見ていきましょう。



土踏まずを働かせる


長母趾伸筋        前脛骨筋



前脛骨筋は、足の親指から土踏まずの前部分を通っています。この筋肉に運動をさせる方法のひとつは、足指をギュッと丸めて足でナプキンを摘み上げることです。ナプキンを持ち上げるために足首が屈曲し足が反転(横に返る)するとともに、親指の付け根にある筋肉が働くのを感じるでしょう。それが、前脛骨筋です。


また、親指の付け根を床につけたまま母指球の後ろから土踏まずを意図的に引き上げ、親指を持ち上げることで、前脛骨筋を働かせることができます。


土踏まずの引き上げは、足を反転させずに母趾急を床につけたまま、前脛骨筋からもたらされます。親指をもとに戻す筋肉を強化するためには、この筋肉を働かせたまま、母趾球を下ろしつづける必要があります。これをやり遂げるには、以下のエクササイズが役立つでしょう。



フットマッサージで自分にご褒美を


足裏の硬さは、腱膜瘤形成の一因であり足指がつる原因です。このようにくっついたままでは、土踏まずを強化したり足指を働かせたりするのは、不可能ではないにしても困難です。ですから、まずは内転筋を解くフット・マッサージから始めるべきです。







これらの筋肉を解くには、足指の付け根を手の親指を使ったり、テニスボールやゴルフボールを転がしましょう。足親指の付け根から始め、土踏まずの内側までマッサージします。足の小指側に沿って、そして足裏で硬さを感じる場所を全てマッサージしましょう。


次に、足指の可動性を取り戻すため、指の間にスペースを作る必要があります。足裏を手のひらで覆って、手の指を足指の間にできるだけ差し込んで、「ヨガの握手」で前後に動かし足指を緩めます。




これに慣れたら、上向きの握手(足指と手指を足裏から上向きに組ませる)と下向きの握手(足指と手指を足裏から下向きに組ませる)を交互に行なって、ストレッチの効果を高めましょう。


ウォームアップが終わったら、足指一本ずつ掴みかかとから優しく引き離します。足指をポキポキ言わせることが目的ではありませんが、ポキポキ音は解放されたことを示します。




鍵となる筋肉の強化


次に、床か椅子の上に両足を並行に膝を曲げて座ります。足指の付け根と内かかとを地面に付けたまま、すべての足指を持ち上げます。親指の付け根からだけでなく、かかとの前にある足裏の中心からも土踏まずがどの程度持ち上げられるかを見てみましょう。


もちろん、ただ足指を持ち上げること自体が大変だと気づくかもしれません。筋膜の覆いは、足首の前からすねの前へと上へ延びていて、足指をすねの方へ伸展する筋肉のための滑車のように働きます。足首が硬いと、筋膜がこうした伸展筋の動きを制限し、足指を持ち上げることを難しくしています。ヴァジュラサナ(稲妻のポーズ・正座)やヴィラーサナ(英雄のポーズ・くずした正座)などで、足首の前にあるこの筋膜をストレッチすることができ、伸展筋が解放され足指の可動性を取り戻すことができます。



足指が動くようになったら、こちらを試しましょう。全ての足指を持ち上げてから、小指を挙げたまま親指だけ伸ばして床に下ろします。この動きが最初のトレーニングとなり、腱膜瘤に対抗する鍵となります。そのためには・・・

  • 土踏まずを持ち上げ続けましょう。足の内側にある筋肉群を強化するのに必要な抵抗が得られます。親指の付け根と内かかとを床に下ろして土踏まずを強く保ち、足がめくれないようにしましょう。

  • 親指を前に伸ばしてボタンを押し下げるかのように、親指を伸ばしましょう。これは、つま先を丸めてただ床を押すのとは全く違います。何度か親指を持ち上げたり伸ばしたりすると、内かかとから土踏まずを通って親指に繋がる筋肉(母趾外転筋)が疲れ始めるのを感じるでしょう。そこが、対象となる筋肉です。




足全体を強化するためには、全ての足指を挙げてから、小指だけを伸ばして床に下ろします。


これによって、小指からすねの外そして腿の外側に沿って走る筋肉群に効き、足の小指側のアライメントを強化し、健康的な土踏まずを築き安定させることができます。小指側の足や足首が弱く硬いと、多くの場合、膝の過伸展、足の回内、土踏まずの崩れを伴います。足首やすねの外側をこうして強化することで、特に扁平足の人は、膝のために役立ちます。


最後のエクササイズとして、足指の中3本を持ち上げて広げ、親指と小指のみを伸ばして床に下ろします。




これによって、足の前にある横向きのアーチが作られ、また足の内外端が強く働き、内側と外側のアーチのバランスが取れて力強くなります。


この最後のエクササイズは、足の四隅(親指の付け根、小指の付け根、内かかと、外かかと)がしっかり元の位置に戻っていくように感じるかもしれません。かかとの骨と足指が四隅で正しく並んでいると、まるで四輪が正しく並んだ自動車を運転するように、歩くなど全身する動きにおいて足は正しく機能するのです。


こうした足指エクササイズは、ヨガポーズの多くに取り入れることができ、全身のアライメントをより良くし、足のアーチの弾性と土台の強さの両方を高めることができ、また膝や股関節にもさらに効果をもたらします。腱膜瘤のある人は、こうしたエクササイズによって進行を遅らせたり、止めることも可能です。腱膜瘤がなくても、これらの動きによって、足から膝、股関節へと全てをしっかりと使うことができ、関節の健康を高めることができます。


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2025年6月10日火曜日

関節に焦点を当てた関節炎のためのヨガ・シーケンス Vol.2
A Joint-Focused Yoga Sequence for Arthritis


前回からの続きです。
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7. 膝を胸につけるポーズ(アパナサナ)と膝の回転



このポーズは、腰まわりを優しくストレッチし股関節を動かしやすくします。


青向きで横たわり、両膝を胸に引き込んで数呼吸します。




それから、手を左右の膝に置き手を使ってお互いの膝が離れるように回しながら数呼吸します。そして、両膝が近づくように回しながら数呼吸しましょう。






8. ハムストリングスのストレッチ(スプタ・パダングシュタサナ)と
ヨガストラップを使った脚の回転


このポーズは、ハムストリングスやふくらはぎだけでなく、股関節内外転筋をストレッチし、足首や膝、腰の柔軟性を高めます。


もし床に置いた脚を伸ばすと腰に負担がかかるようなら、足の裏を床において脚を曲げたままにしておきましょう。


仰向けで横たわったまま、両脚を前に伸ばします。右膝を胸に引き込み、右足の裏の周り(土踏まずの先の方、指の付け根のあたり)にストラップをかけます。ストラップの端をそれぞれの手で持ち、つま先が右肩の方向に向くよう、右脚をかかとから天井に向けて伸ばします。何度か右脚を曲げ伸ばししてから、できるだけまっすぐ延ばして数呼吸しましょう。





それから、ストラップを右手で持ち、右脚を一方向へ回します。そして数呼吸反対に回して、もう一方の脚でも行います。






9. 橋のポーズ(セツバンダ・サルヴァンガサナ)





橋のポーズでは、ハムストリングスと臀筋を使いながら大腿四頭筋をストレッチし、股関節と膝の可動性を高めます。また、まっすぐな姿勢を保つ脊柱起立筋を強化します。全体重が股関節や膝を通して両足にかかる立位のポーズとは異なり、橋のポーズでは、体重のいくらかを支えるために肩を使います。


仰向けに横たわって両膝を曲げ、足の裏を床に向けてかかとを膝の真下か少し前に置きます。両肘を肋骨の横で直角に曲げて、前腕は床から垂直、手のひらを内に向けて指を天井の方へ向けておきましょう。息を吸い込みながら、両足(床につけたまま)、上腕、肩の背中側で下方へ押し、腰と胸を持ち上げます。息を吐き出しながら、背中をリラックスして床に下ろしましょう。橋のポーズを、さらに1、2回繰り返します。



10. 膝のワイパーと合蹠のポーズ(スプタ・バッダコナサナ)



これらのポーズは、次の座位瞑想の準備のため、腰を緩め股関節を動きやすくするのに役立ちます。


床に仰向けに横たわり、両腕を横に開いて、膝は曲げて両足を肩幅程度に開きます。ここで息を吸い込んでから、息を吐き出しながら、右足の外側と左足の内側を転がして両膝を右へと下ろします。


息を吸い込みながら、両膝を真ん中に戻します。息を吐き出しながら、膝を左に下ろします。息を吸って真ん中に戻し、この動きをさらに何度か繰り返しましょう。





そして、両足を閉じます。息を吸い込みながら、両膝を心地の良い範囲で開いて、足の裏どうしを付けます。息を吐き出しながら、膝を元通り合わせて、もう一度足の裏をマットに着けます。この動きを数回繰り返します。それから、膝を開いて足の裏どうしを付けたまま数呼吸の間時間をとりましょう。






11. 座位の瞑想




マインドフルネス瞑想は、物事に対処する技術を高め、リウマチ性関節炎に時として伴う鬱症状を改善すると考えられています。ここにご紹介する変更を加えた安楽座でより心地よく座れるかもしれませんが、椅子に座ったり横たわる方がより心地良いと感じる人もいるでしょう。


足首や膝、股関節にかかる重みを減らすため、折り畳んで壁ぎわに水平に置いた数枚のブランケット(あるいはボルスター)に座ります。ブランケットは高く重ねて膝が骨盤の前の骨よりも下になるようにし、壁が体を支えられる程度の距離に座ります。骨盤の後ろ側、背中全体、そして頭の後ろが全てリラックスできて心地よく壁にもたれられる位置です。(もし後頭部が壁に届かなければ、後ろに下げるのは心地よくできる範囲にします。)両手を膝の上に、手のひらを上あるいは下に向けて(または好きなムードラで)置きます。


目を閉じるかそっと視線を落とし、今の瞬間へ意識を向けて、まずは今の瞬間の周囲のことに気づきます。周りの音、時刻、温度など。それから、今の瞬間の内側へと意識を引き込みます。呼吸の動き、思考や感情の揺らぎなど。心地が悪い部分に気付き、それでも体の多くの部分が心地よいことにも気付きます。このリラックスしたマインドフルネスを数分間続けます。練習を重ねるごとに、徐々に瞑想の時間を長くしてみましょう。



12. 「スノー・エンジェル(雪の上に人型を作る)」





瞑想の静けさの後の気持ち良いこの動きは、肩と股関節の内外転の筋肉を強化します。手足を床でスライドさせて行うこともできますが、ここでは摩擦を減らすためにブランケットを使っています。このポーズで頭を床に下ろしたり次の仰向けのポーズになった時に、首の後ろ側が心地悪いほど詰まって顎が天井に持ち上がる場合は、頭の下にも折り畳んだブランケットをおきましょう。


マットの上で仰向けで横たわり、両脚を閉じてかかとを折り畳んだブランケットの上へ、両腕は手のひらを上にして(それぞれの手の甲の下に折り畳んだブランケットを置いて)体のわきに置いておきます。

息を吸い込みながら、まるで新雪に人型をつけるように動きます。両脚はつま先を上に向けたまま床で大きく開き、両腕は手のひらを上に向けたまま横に開いたり耳の横まで上げたりします。呼吸とともに動かしながら、これをゆっくりと数呼吸行います。






13. シャヴァアサナ






ブランケットに両手やかかとを預けたままシャヴァサナでリラックスし、途切れることなく数分間、深く楽な呼吸を続けます。リラックスしている間、暖かさや安らぎが全身を満たすのをイメージしましょう。


起き上がって動き始めてからも、今この瞬間に留まり感じた感覚の名残りに寄り添ってみましょう。












2025年6月4日水曜日

関節に焦点を当てた関節炎のためのヨガ・シーケンス Vol.1
A Joint-Focused Yoga Sequence for Arthritis


注: 以下はヨガ実践者や指導者のための一般的な助言を与えることを目的としています。医療従事者による個人への助言の代替ではなく、ヨガの指導者はその範囲にとどまるべきです。つまり、生徒に対して診断や治療、医学的な助言をしようとはしないでください。



ヨガにおいて関節炎と向き合う場合の最優先事項は、そうした関節にかかる負担を減らすことです。ただ動きを減らすというだけではなく、もっと複雑なことです。



「The Back Pain Secret: The Real Cause of Women’s Back Pain and How to Treat It(腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の原因と対処法)」の著者である理学療法士のビル・リーフ氏によれば、関節の動きが減れば減るほど、「時間とともに」維持できる可動域は狭くなるのです。「関節周りの筋肉が短くなって、動きを制限」するようになります。


関節リウマチや変形性関節炎の患者の多くは、可動域を維持し痛みを軽減するのに、罹患した関節をストレッチしたり強化したりすることで恩恵を受けることができます。「一般的に変形性関節炎は股関節や膝関節に現れます、関節リウマチは手足のより小さな関節に影響を与えることが多いです」関節炎はまた特に腰など背中にも現れることもあります」とリーフ氏は付け加えます。


以下のシーケンスは関節炎に優しく穏やかで、床から立ち上がったり座ったりの動き(膝に関節炎のある人には不可能あるいは不快である可能性がある)を最小にし、両手への荷重を無くし(関節炎は手や手首に現れることが多い)、バランスを取るためのサポートを使用(膝や股関節の関節炎の人にとってバランスを取ることは困難)しています。荷重を減らす、つまり足や膝、股関節へのストレスを緩和するために、壁や補助具を使うことをお勧めします。


リーフ氏が関節炎の人に推奨するのは、このシーケンスを週に数回行うこと、罹患している関節に最も効果的なポーズを書き留めて毎日練習することです。


「全てのポーズは不快を軽減するためであり、増加させてはいけません。痛みではなく、穏やかな伸びを感じる点までストレッチしてください。 もし不快感が増すようなら、ルーチンを控えましょう」


関節炎の方はまた、主治医医に十分な検査をしてもらい、信頼できる診断、また個々人にあった治療の提言を得ましょう。それには、ヨガの練習をする際に圧迫を制限できるよう関節を固定することも含まれるかもしれません。



🟠 練習法


始める前に、入浴や温かいシャワーを浴びる、サウナやスチームバスに入る、温湿布をする、歩いたりサイクリングマシンに乗るなどしてウォーミングアップをしましょう。シーケンス前にそうすることで、より動きやすくなります。壁、ヨガストラップ、ブランケットやバスタオル4、5枚が必要です。


もし重ねたブランケットに立ったり座ったりするのが不快であれば、椅子を使いましょう。最初の5ポーズはまっすぐ座ったままでも練習できます。椅子のポーズ(5番)では、上半身を前に倒して両腕を上へ伸ばし、少しだけ椅子の端から腰を持ち上げましょう。瞑想(11番)でも、よければ椅子に座って行うこともできます。



1. 山のポーズ(タダアサナ)のツイスト




リーフ氏によれば、この優しいツイストは「肩や肘、股関節、膝をゆるめて、関節のスペースを広げます」また、動きをなめらかにするには、「まず視線を動かしてから、胴体、そして体の他の部分を動かすようにしましょう」


足をおおよそ並行に股関節幅に開いた山のポーズで立ち、耳は肩の上に、肩は股関節の上に、股関節は踵の上にと並べます。腕は、手のひらを内側に向けて体のわきに置いておきます。つま先と膝の向きを揃えたまま、胴体から右へ、そして左へと捻りましょう。腕は揺れるままにしておきます。この動きを、深く優しい呼吸を数回分繰り返します。



2. 肩の回転




この動きは、三角筋や胸筋をストレッチすることで肩関節を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を肩の高さ位で開きます。両手は緩く握って、親指側を上に向け、親指をリラックスさせます(あるいは、快適で行えるほどの柔軟性があるなら、親指を後ろ向きに回して肩の外旋を深めます)。


体の他の部分を安定させたまま、深く数呼吸しながら、ゆっくりと両腕を一方向に動かし大きな円を描きます。そして反対方向へもう数呼吸動かしてから体のわきへと下ろしましょう。



3. 手首の回転




この動きは、手首の屈筋や伸筋などの筋肉を強化することで、手首を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を体のわきに下ろし、手をもう一度ゆるく握り、親指をリラックスして前に向けます。両腕を動かさないで、両手首をゆっくりと一方向へ回し2、3回呼吸してから、反対方向へ回しながら数呼吸しましょう。



4. 両手のグーパー





このエクササイズは、手の関節をストレッチし強化するのに役立ちます。


両手でグーを作る時に腕はさまざまな位置になることがあるでしょうが、肩の高さで並行に腕を前に伸ばすと、腕を優しく強化することができます。


山のポーズから、両腕を肩の高さで体の前に持ち上げて、親指側を天井に向けてゆるく握り(親指はリラックスさせて上に乗せる)、手首は自然な向きにしておきます(前腕から手の甲までが直線になるよう)。息を吸って、手首を自然な向きにしたまま両手を開き、指を大きく広げます。息を吐いて、手首はそのままゆっくりと手を握って拳を作ります。この動きを、呼吸とともに数回繰り返してから、腕を体のわきでリラックスさせましょう。



5. 椅子のポーズ(ウトゥカタサナ)と壁際のかかと上げ


このポーズはハムストリングス、四頭筋、臀筋、腓腹筋を強化し、股関節や膝、足首の可動性を促進します。股関節や膝、足にかかる荷重を最小にし、かかとを上げる際のバランスを補助するために壁を使います。


壁から30cmほど離れて立ち、背中と臀部を壁にもたれかけます。(後頭部も壁についていることが理想です。ですが、そうすることで下顎が不快なほど持ち上がるようであれば、下顎を床と並行に、そして首の後ろを長くしたまま、心地よく行えるまで後頭部を壁から離してください)。両手を腰に置きます。膝を曲げて足を前に歩かせながら、腰を壁でスライドさせ、辛いけれど安定させられる程度まで膝を曲げたところで止まります。リーフ氏は「最初な数センチしか曲げられないでしょうが、そのうち四頭筋が強くなると、90度まで曲げられるようになるかもしれません」




より強度を得るには、両腕を頭上に上げます(あるいは心地のよいところまで)。そのまま数呼吸します。





それからまっすぐ立って、壁にもたれて1、2呼吸のあいだ休みます。


壁を使って椅子のポーズに戻ります。今度は、ふくらはぎを強化するため、膝を曲げたまま両かかとを持ち上げられるか試してみましょう。




ひと呼吸ごとに両踵を持ち上げるところから始め、そのあと徐々に数呼吸へと延ばしていきましょう。


かかとをおろして、両脚への荷重を減らすため、壁に背中を滑らせながら立ちあがります。




6. 壁際のランナーのストレッチ


これは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)、アキレス腱のストレッチで、足首の可動性を促進します。後ろの膝を曲げたバリエーションでは、ストレッチをヒラメ筋へと繋げます。


壁に向かって立ちます。30cmほど離れて立ち、両手を壁に胸の高さ位で置きます。左足を後ろへ60〜90cm下げます。両足先は壁に向けておきましょう。背骨を伸ばしたまま(股関節から曲がり背中は丸めない)で上体を斜め前に倒し、後方の踵を地面に着けまま、左ふくらはぎの筋肉にストレッチを感じるまで肘を曲げます(ストレッチを感じなければ、左足をもう少し下げます)。そのまま数呼吸します。





今度は、左足の中心と直線に並べたまま左膝を曲げます。左足の指の付け根で根付かせて、左踵を後方へと下げます。このまま数呼吸しましょう。




ポーズから出て、反対側で繰り返します。


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2024年9月12日木曜日

ストレッチの本当の意味とは? 
Stretching: What Does It Really Mean?


バーベルを頭の上に持ち上げるのに必要なのは何かと尋ねたら、ほとんどの人が筋肉と骨、関節だと答えるでしょう。マラソンを走るのには何が必要かと尋ねたら、心臓と肺、脚だと答えるでしょう。そしてダンスや体操に求められるのは何かと尋ねたら、強さと優雅さ、そして敏捷性と答えます。けれど、柔軟性を高めるのにもっとも大切なのは何かと尋ねると、おそらくキョトンとするだけかもしれません。それでも、ハタヨガを練習している私たちは柔軟性を高めることが最大の挑戦のひとつだとわかっています。体が固まっていればどんなに簡単なポーズでも難しく、そのためインストラクターは常にストレッチをするよう勧めるのです。けれど、ストレッチとは正確にはどういうことでしょうか?


まずストレッチとは、柔軟性を高めようとして、軟骨の制限や、関節包、腱や靭帯を緩めたり、骨格の制限を解放することではありません。軟骨の制限とはゴム製のパッキンのようなものでほんの少ししか動きません。関節包は骨膜関節のツルツルした表面を覆って防御していて、それを緩めようとすると不安定になる危険性があります。骨と骨を繋いでいる靱帯はたった4%伸びただけで裂け始めます。固定されたため異常に短くなっているのでなければ、伸ばすことは到底良い考えではありません。筋肉の腹と骨を繋いでいる腱は、知られているでしょうが、靱帯を同様の構造をしていてあまり伸びません。


私たちができるのは、神経と筋肉の腹、つまり関節を通り越し手足を縦方向に走る二種類の柔らかな解剖学的組織を伸ばすことです。そしてこれらはまさに、ハタヨガで十分な柔軟性を得るために伸ばすべき二つの組織なのです。




筋肉群


筋肉は関節の可動域を必要なだけ改善するためほんの少し伸ばす必要があり、そしてこれが適切な変化の機会を与えてくれます。しかし、筋肉をストレッチする時は各筋繊維を対応しているのでしょうか、それとも結合組織繊維に対応しているのでしょうか?対応しているのは両方です。


実験結果で示されているのは、ギプスで筋肉がストレッチされた位置で固定されていると、その筋繊維は、ルコメアという小さな収縮単位を追加することで長くなっていきます。同様に、収縮状態でギプスで固定されると、サルコメアがなくなって筋繊維は短くなります。


柔軟性を高めるためには、筋繊維の長さを伸ばすだけでは不十分です。その筋肉内部や周りの結合組織の調和した広がりもまた必要で、それには表面の筋膜(一束の筋繊維を覆う結合組織)や個々の繊維を包んでいるものも含まれます。そしてこれが、時間をかけたストレッチで起こっていることです。結合組織は徐々に筋繊維につられていき、筋肉全体が伸ばされ、柔軟性が高まります。ハタヨガのストレッチは、これを引き起こす安全で効果的な方法です。そしてもし何もかもを硬く締めたい時にするべきことは、ストレッチをやめることだけです。筋繊維は短くなり、結合組織は後に続きます。



神経


抹消神経はまた別の話です。神経はストレッチには敏感ですが、ストレッチを制限するための十分な強さをも持っています。神経がストレッチに順応できるのは、ただ周りの組織を通る曲がりくねった経路をとっているからです。そして、各神経繊維は神経そのものを包含する結合組織の中をあちこちと走っているからです。体のストレッチをしている間、周りの組織を通る神経経路全体がまずまっすぐになり、ストレッチが続くにつれて曲がりくねった神経内の個々の繊維もまたまっすぐになります(周りにある結合組織には、神経繊維を傷つけずさらなる約10-15%のストレッチに対応できるほどの弾性があります)。


そうした神経鞘に包まれない神経は全くもって傷つきやすく、ストレッチだけでなくトラウマや緊張した筋肉、骨、靱帯の間の圧迫にも弱いのです。その防御力は完全ではないにしても、神経繊維が安全である10-15%以上のストレッチという極端な場合にもこうした神経鞘は適応が可能です。初期の警告サインは痺れ、過敏、チクチクした痛みなどで、それを無視すると感覚や運動の欠陥が生じることがあります。怪我から守るのにもっともよいのは、気づきと忍耐、つまり神経ストレッチが問題となりうる理由への気づきと、小さな症状が現れてもゆっくりと取り組む忍耐です。



実践しよう


では、筋肉がストレッチにどのように反応するかを見るために、片足首を曲げた座位の前屈をしてみましょう。まず、床に座って片方の脚を前に伸ばし、もう一方の脚を会陰の方向に引きます。腿はお互いが約90度になるようにし、両脚の真ん中あたりに向いておきましょう。次に、型通りにこのポーズに入るため、背骨を45度捻って伸ばした脚の方に向き、両手を頭上にあげたり股関節から曲げようとせずに前屈します。伸ばした脚の腿や足の方へ柔軟性に合わせて両手を下ろします。このポーズを約30秒したあと、ゆっくりと股関節から腰へと起き上がります。最後に、頭と首を持ち上げます。反対の脚で繰り返しましょう。






この片足への前屈はいくつかの意味で有益です。一つ目は、片方の膝を曲げることで片方のハムストリングスだけをストレッチできます。二つ目は、両側の内転筋をある程度ストレッチしていますが、前屈した方は膝が伸びているのでより強いストレッチになります。これは片側の内転筋に働きかけることのできる最良のポーズのひとつです。最後に、骨盤が45度に傾いた前屈は背中のストレッチよりも股関節や腰への負担が小さく、ビギナーにとってより効果の高いポーズとなります。



このポーズに慣れてきたら、バリエーションを試しましょう。また最初の姿勢になって右膝を伸ばします。今度は右足の方に手を伸ばさないで左の肘で左膝を押します。(ほとんどの生徒はここで右臀部が床から浮きますが、それで構いません)次に手を伸ばして両腿の真ん中の床へと右手をスライドします。そして内転筋の伸長をいくらか解くために左側へ3分の2のところへ手を伸ばします。そして最後に、右側から3分の1の場所でストレッチを深めます。






最後に、このポーズを探求したのち、もとのポーズまでもどってまっすぐ右足の方へと手を伸ばしましょう。より深く前に行けるのに気づくでしょう。ハムストリングスの抵抗は先ほどと同じくらいですが、伸ばした膝からずらしたストレッチがそちら側の内転筋を伸ばしたのです。より深く手が届いた距離が、最初のポーズにおけるあなたの限界に内転筋がどれほど貢献していた大体の長さです。





これらのポーズを1分間ほどホールドすると、主に神経系に働きかけていることになり、筋肉が弛緩していきます。しかし全身の力を緩めて忍耐強くより長時間ホールドすると、やがてサクロメアが徐々に内転筋やハムストリングスに増えていき、そのあとから結合組織が続き、そして長くなった筋肉と結合組織がより深い前屈を可能にしていくのです。末梢神経に関してはチクチクした痛みがなければ問題がないと考えられますが、もしそんな症状があるなら長くなった筋肉に順応するまでもう少し時間がかかるかもしれません。



注意:柔軟性を高めるには、受動的なストレッチに加えて立位ポーズなど強化エクササイズを含んだバランスの取れたポーズを常に心がけて下さい。妥協点を見つけてください。1、2箇所の筋肉だけ(例えば内転筋とかハムストリングスとか)を伸ばそうとしたら、体のバランスは崩れ、変えてしまった新しい状況に馴染むことができずすぐに怪我をすることになる恐れがあります。体全体をみて取り組み、全体的により強くより柔軟になることが大切です。




最終的な分析


研究では、筋肉の長さが長時間のストレッチで伸びること、長引く収縮で短くなることを確実に示しています。また、筋肉、神経どちらも包んでいる結合組織は過度にストレッチされていまうこともはっきりとしています。しかし、この方程式にはもうひとつの要素があります。神経系は筋肉の弛緩と緊張のどちらに対しても中心的な役割を果たしており、それによってストレッチや制限を促進しています。では、結局動きを制限しているのは、神経系の能動的な役割と結合組織の受動的な役割どちらなのでしょうか?普段の動きの中では神経刺激が筋細胞を刺激し続けるため、確かなことは一方からしかわかりません。深い麻酔にかかっている時、つまり骨格筋細胞全て(呼吸に必要なもの以外)を神経系が刺激していない時の可動域を調べることです。


これについては研究が終わっています。手術室にいる人は誰でも、麻酔されている患者の筋肉はとても緩く関節が外れてしまわない様にする必要があることを知っています。そしてそれは、目覚めている時には極端に硬直している患者にも起こります。では、セラピストが関節周りの可動域を大きくするために麻酔を使って柔軟性高めることは可能でしょうか?答えは、神経系の防御がなければ、筋繊維や結合組織の繊維、そして神経などの組織は裂けてしまうということです。これは、結合組織が限界までストレッチすることがあるとしても、日常生活で実際的な制限をかけているのは神経系だということを証明しています。限界に達した時、神経系は痛みや震え、力が入らないことなどによってやりすぎだと警告をしてくれますが、もっとも重要なことは組織が裂かれてしまう前に警告が出されていることです。





脳と筋肉のつながり


脳の小さな部分である小脳は、筋肉の緊張や調整、バランスをコントロールしています。自己受容体からの神経繊維は大脳皮質(意識的な思考や感情に関連した脳の部分)に向かっています。ですから、脳には継続的に感覚の流れがあり、脳からは継続的に意識的、無意識的な運動インパルスが流れています。


柔軟であることの長期的な利益は、筋肉を締め付けている結合組織をストレッチする能力によりますが、その能力は防衛反応を緩めることができるかにかかっており、つまり精神的にリラックスする能力に関係があります。


あなたの心の状態と感情の強さの方が、筋肉の抵抗よりも克服することが難しいのだと気づいておくことが不可欠なのです。










(出典)https://yogainternational.com/article/view/stretching-what-does-it-really-mean/