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2025年8月29日金曜日

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.2 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


キルタン・クリヤの実践法


キルタン・クリヤは何千年も実践されてきた12分間の歌うエクササイズです。呼吸、歌やチャンティング、指の動き(ムードラ)、心に思い浮かべるなどいくつかの動きが組み合わされています。ですので、多面性のある多感覚のエクササイズで、脳全体を使って脳内血流を増加します。


姿勢:椅子に心地よく座り、両足をぴったりと床につける
または、足を組んで床に座っても良いですが、高齢者は床に座りたがらないかもしれません。重要なのは心地よいこと、背骨が自然な湾曲のみを残してまっすぐにして座ることです。

両目:目は閉じます

チャントやマントラ:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」の音を使います。続けて言うと古代の言葉で「真我」あるいは「最高の自己」という意味になります。
メロディーは、みんなよく知っている「メリーさんの羊」の最初の4音で歌います。つまり「メーリさんの♪」までです。

指の動き、ムードラ:親指で他の指に順番に触れます。両手で同時に同じ形を作ります。
• 「さぁ」の時は、親指と人差し指をつけます
• 「たぁ」の時は、親指と中指をつけます
• 「なぁ」の時は、親指と薬指をつけます
• 「まぁ」の時は、親指と小指をつけます
常に人差し指から始めて、中指、薬指、小指と続けて逆行しません。





心に思い浮かべる:エネルギーが頭上から頭頂の中心に降りてきてくるのを思い浮かべます。そして、頭の中に真っ直ぐおりたら、方向が垂直に変わって眉間の鼻のちょうど上の一点(いわゆる第3の目)へと進むのをイメージします。つまり、エネルギーはL字にたどっていくのを思い浮かべるのです。まるでほうきのようにすうっと流れるのをイメージできるかもしれません。




順序:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」と歌いながら、両手の指でそれぞれムードラを作りましょう。同時に、その音が頭頂から流れてL字に額の中心から出ていくのを思い浮かべます。

1. 2分間、声を出して歌います

2. 次の2分間、ささやき声で歌います

3. 次の4分間、心の中で歌います

4. そしてささやき声で2分間、声を出して2分間、合計12分間歌いましょう

エクササイズを終えるには、とても深く息を吸って、両手を頭の上に伸ばし、弧を描くようにゆっくりとおろしながら息を吐きます。




脳全体を活性化


ヨギ・バジャンによるクンダリニ・ヨガの伝統では、キルタン・クリヤが持つ効果にはいくつかのメカニズムがあります。キルタン・クリヤのチャンティングで舌を使うことは、口蓋の84のツボを一定の順序と組み合わせで刺激し、視床下部や松果体、脳そのものに信号を送っていると考えられています。また、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなど脳の重要な化学物質が増加することで脳のシナプスを若返らせる可能性もあります。


また、指先や唇、舌にある密集した神経末端は、脳の運動野、感覚野での高レベルの表現に関連しています。ですから、音を組み合わせて指先を使うと、脳の特定の部分が活性化します。私たちの最新の発表では、キルタン・クリヤの各面で脳の異なる部分が刺激されていることがわかりました。キルタン・クリヤで思い描くことがどのような効果をもたらすのかが謎でした。今では、この思い浮かべるテクニックで、身体的レベルでもより大きな面においても、脳の後頭葉が実際に活性化していることがわかっています。そしてまた、目的を持つことがアルツハイマー病予防効果を持つことも示されてきているのです。



(出典)www.alzheimersprevention.org

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.1 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


アルツハイマー病と予防財団(Alzheimer’s Research and Prevention Foundation (ARPF))が発表した白書からの抜粋です。
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アルツハイマー病予防の4つの柱


これまでのところ、アルツハイマー病に効果のある薬を発見するのは困難だと考えられています。そのため、ARPFの予防プログラムにある4つの柱が極めて重要となります。

4つの柱とは以下の4つで、それぞれが認知機能低下のリスクを下げるとされています。

(1)野菜中心の地中海ダイエット
(2)ストレスの管理、特にヨガや瞑想
(3)心身のエクササイズ
(4)精神的な健康


ここでは、「キルタン・クリヤ」という手法に注目していきます。



アルツハイマー病予防の新しい側面


我々のヨガ瞑想は、アルツハイマー病予防として素晴らしく「キルタン・クリヤ」という歌うエクササイズ、シンプルな12分間のヨガ瞑想は以下のような効果を持ちます。

• 記憶障害を逆転させる
• エネルギーレベルを上げる
• 睡眠の質を向上する
• 有益な遺伝子を上方調整する
• 炎症性の遺伝子を下方調整する
• 患者と介護者のストレスを軽減する
• 心理的、精神的な幸福感を向上する
• 脳の構造上重要な部分を活性化する
• 細胞老化を遅らせる若返り酵素であるテロメラーゼを43%増加させる(これまでの記録では最大)
• 副作用がなく費用もかからない




キルタン・クリヤで脳内血流が改善


キルタン・クリヤの正式な研究は2003年に始まりました。
当時、私たちはキルタン・クリヤの脳への影響を調べるため、脳のスキャン研究の準備をしました。


左:実践前、 右:実践後


上図はキルタン・クリヤの前後の脳画像です。左の脳は、容量が小さく上部に凹みがあるのが見えるでしょうか。この凹みは血流不足を意味します。健康な脳の画像とは言えません。ご覧の通り、実践後の画像の脳は左右対称で若々しく、エネルギーや血液が左右対称に流れています(血流増加は、脳内の関係性がより強いことを意味し、新しい脳細胞生産の可能性があります)。これは健康な脳です。


下の画像は、後帯状回(PCG)で、エピソード記憶検索に重要な構造です。PCGはアルツハイマー病が進行するなかで最初に機能低下が起こる場所です。キルタン・クリヤによってPCGへの血流が促されていること、それがリスク低下という議論では非常に重要な要素なのです。





研究によって、脳の改善、脳細胞間の連結の向上、そして新しい脳細胞の成長さえも可能であると示されてきました(神経可塑性、神経細胞形成)。では、キルタン・クリヤを毎日行えば、アルツハイマー病になるリスクは劇的に減らせるのでしょうか?


ヨガや瞑想は、精巧な身体運動や精神的刺激ですので、こうした効果を持つと考えるのは疑いなく無理なことではありません。


また、アルツハイマー病のリスクとその進行の速さの両方に、脳血流減少との関係があるという堅固なエビデンスがあります。






記憶障害を改善


次の研究群は、ペンシルベニア医科大学で行われました。
まずは、コントロールグループと比較し、8週間後の被験者に記憶障害の改善が見られました。この結果は2010年のアルツハイマー病ジャーナルで発表されています。
下のスキャン画像では、劇的な向上が見られます。


プログラム前後における前頭葉の変化
(実践前:左図および上図、実践後:右図および下図)



患者が初めてキルタンクリヤを行った時と比較して、8週間後には前頭葉の矢印部分の活動に大きな増加があり、注意力や集中力などに著しい向上がありました。

他に著しい変化が見られたのが前帯状回(ACG)で、ストレスのバランスをとるのに重要な脳の部分です。

このスキャンで前頭葉の強化が見られた部分は、前頭葉前野皮質(PFC)です。こうした向上は早期の記憶障害、または軽度認知障害(MCI)からアルツハイマー病への進行をくいとめる効果が期待されます。





気分や幸福感を高める


私たちの研究では、キルタン・クリヤの実践をした被験者において、以下のプラスの結果が見られました。

• 鬱の減少:鬱スケールにおいて65%の被験者に向上が見られた。鬱は認知機能低下のリスク要因の可能性があります。

• また、私たちの公表した研究では、気分やエネルギー、精神的な幸福感の上昇が示されました。

他の瞑想や精神的な幸福感の研究では、大幅なトレーニングと長い瞑想時間が必要としているため、これはとても重要と言えます。私たちの研究では、毎日たった12分間のキルタン・クリヤをするだけでよいからです。





脳や身体、遺伝子にアンチ・エイジングの効果


以上の研究だけでなく、キルタン・クリヤを長期間実践すれば、脳への深いアンチ・エイジング効果があるという研究もあります。



ストレス軽減、テロメラーゼ増加、鬱の軽減


ARPFはまた、UCLAにて認知症の家族の世話でストレスを抱えている39人を対象に、リラクゼーションのテープを使った12週間のキルタン・クリヤの効果において、コントロール・グループとの比較研究を終了しています。この研究の革新的な結果は以下のグラフで見て取れます。





私たちの研究では、キルタン・クリヤは以下の効果があると示されています。

• 記憶力を改善
• 炎症を軽減
• ストレスレベルを下げる
• 心理的、精神的な幸福感が深まる
• 鬱を軽減
• エネルギーを増加
• テロメラーゼを活性化

テロメラーゼの活動を劇的に増加


キルタン・クリヤを実践した被験者でみられたテロメラーゼの43%増加幅は、どの研究と比較しても最大でした。テロメラーゼが短いことは、アルツハイマー病(および寿命の短さ)と関連があります。





炎症性遺伝子を下方制御


キルタン・クリヤの12週間の実践後の被験者において、疾病の原因となる炎症遺伝子の下方制御、炎症誘発性核因子(NF)-kB の活動減少が見られました。慢性の炎症というのは、アルツハイマー病やその他の認知症、また記憶障害のリスク因子である循環器病など主な疾病でよく見られます。

19の健康促進遺伝子を上方調整


この有益な上方調整効果には、免疫グロブリン関係の転写が含まれ、それによって免疫機能が強化され、病気と戦う天然型インターフェロンが活性化されます。

この研究は、ライフスタイルで悪い遺伝子を打ち負かすことが可能だと私たちに伝えています。これは「エピジェネチックス、後成的遺伝学」と呼ばれています。「エピ」とは外部の意味で、ライフスタイルによって「悪い遺伝子」を書き換えることができ、つまりあなたのDNAに囚われているわけでないという事実を指摘しています。ライフスタイルで遺伝的な傾向を阻止することが可能なのです。



キルタン・クリヤによるストレス軽減が非常に重要


研究によれば、認知機能低下は急性・慢性両方のストレスによって引き起こされ、その結果、海馬の脳細胞を死滅するホルモンであるコルチゾールのレベルが上昇します。これまで見てきた通り、キルタン・クリヤはストレスを軽減しコルチゾールレベルを下げます。

認知機能低下においてあまり評価されていない原因のひとつは、「幼少期有害体験」とも言われる幼少期のストレスであり、中年期の記憶障害や不安症、鬱を増加させることがわかってきています。


極めて重要な神経伝達物質や脳内化学物質を補う


シナプスでの神経伝達機能の減少は、アルツハイマー病の特徴です。ヨガや瞑想、キルタン・クリヤは、明らかに神経伝達物質を自然に強化する方法であり、私たちの研究で見られた良い結果の多くで重要な役割を担っています。



睡眠を改善


睡眠障害はアルツハイマー病の危険因子です。キルタン・クリヤで、より深くより良質な眠りに入りやすくなります。





心理的、精神的な健康を高める


キルタン・クリヤは、精神的、心理的に健康な状態を促進し、それによって脳が健康になります。精神的に健康な状態とは、自立、個人の成長、良好な人間関係、人生の目的、などより良い質の生活に関係しています。



目的を明確にする


人生に目的を持つことは、アルツハイマー病予防につながります。瞑想者は、よりはっきりとした目的、そして心理的、精神的な健康という局面を喜んで探します。



精神的な健康が重要なわけ


精神的な健康は、心の平穏を得るための4つの特徴を持っています。

1.忍耐力は、習慣的なヨガや瞑想を根気強く実践することに繋がり、それによって個人の能力を養うことができます。忍耐力を養えば、自身が「流れ」の中にいて自身を世界に委ねることができるようになり、スピードを落としてより人生を楽しむことができます。

2.受容は、自己認知と自己賛美をもたらします。また、寛容さをももたらし、自身や他人の失敗を目にしながらも、そうした失敗の向こう側を見てそのままを受け入れることができます。これが許しにつながって、脳や免疫、細胞機能に毒となる怒りを解き放ちます。また、精神的な気付きをより高い状態へと引き上げます。

3. 哀れみは思いやりをもたらし、それが共感へとつながって、健康的な感情やコミュニケーションを促します。哀れみはまた、明確さや責任感、恐れることなく自身でいる勇気を養い、精神的な成長の次の段階である「身を委ねる」ための道筋となります。

4.身を委ねる:「ストレッチに身を委ねましょう」とヨガの練習で言われます。この場合、身を委ねているストレッチは私たちの魂であり精神です。自身の魂に身を委ねた時、自分への報酬など考えることなく、他者の役に立つため犠牲になれる強さを得ます。これはヨガでは「セーヴァ」といい、真の幸福と静穏をもたらします。静穏は心の平穏と、「それ(神)」はどこにでもあるという普遍の愛の感覚を与えてくれます。これは、脳寿命に究極に重要であり、多くの人が「悟り」と呼ぶものです。精神的な健康は、つまりは、命の最も純粋な局面であり、多くの場合初めて、心の平穏を見つけさせてくれるものなのです。






2025年7月14日月曜日

高齢者のためのヨガ:ヨガで転倒リスクが減少 
Yoga for Seniors: How Practice Can Reduce the Risk of Falling

今回は、医師でありヨガティーチャーである著者が指導者に向けて書いた記事です。
いくつかの研究結果についても書かれていますので、指導者でなくても、こんな効果があるんだ!ヨガって役立つんだ!という風に感じていただければ嬉しいです。

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「外傷病室1に患者、外傷病室1に患者、急行せよ!」私の仕事ではこんな緊急の知らせがいつでも起こります。


救急医として対応する患者は様々ですが、高齢の患者でとても多いのが転倒で怪我をしてくる人です。65歳を過ぎた3分の1以上の人が一年に一回以上転倒しています。


転倒は、筋力や姿勢への意識の低下、薬の副作用、認知力低下、鬱など様々なリスク要因よって起こります。


こうした患者らは、腰や長骨の骨折、脳の負傷による急激な精神状態の変化、皮膚の裂傷、その他命を脅かす怪我などをしてやってきます。


こうした転倒は多くの場合、患者らの体力や体の安定性、可動性、そして全体的な健康状態を維持するための基本的な介入がいくつかあれば防止できたであろうものです。


悲しいことに、骨折や頭の出血は転倒後にしばしば起こる症状の単なる始まりに過ぎません。転倒の結果、体の固定やストレス、転倒による心理的影響などが多くの場合、高齢者に数多くの問題をもたらすことになります。肺炎や創傷感染などの二次感染で治癒が遅れ、脳損傷や身体障害は患者の自立性の多くを失うことにつながります。この全体的な機能低下によって、何度も転倒を繰り返し、続く怪我、生活の質の低下、そして時には死をもたらすこともあります。


私たちはヨガの専門家として、あまりにもよく起こる高齢者の転倒の根本原因のいくつかに取り組むという類稀なポジションにあります。体力やバランスのトレーニングの効果は、もちろん、医学文献の中でも頻繁に言及されています。ヨガに特有の呼吸法やリラクゼーションにこうしたトレーニングを加えれば、身体的強さや安定性、また健康で幸福であるという感覚を与え、生活の質を高める方法を提供することが可能です。
  

特定の症状のある患者を治療する時、同職者たちが見つけた同様の患者に効果的な治療法を知るために最新の医学論文を調べることがしばしば役立っています。論文を吟味することは良いことだと考えてはいますが、研究によって効力や妥当性がとても様々で、医学論文を注意深く読むことに慣れていなければ、お粗末な研究方法で導かれた見せかけの「良い」結果に簡単に迷わされてしまうことになります。医師もヨガの指導者も、患者の治療プランを決める前に医療専門家が信頼する同様のエビデンスを利用して欲しいと思っています。


 

高齢者のためのヨガの効果


高齢者の転倒の防止法についての研究はかなり多く存在します。特にヨガを対象にした研究は比較的数が少なく、ざっと見たところ現段階では研究対象の人数がとても少ないという批判が大きいことがわかりました。それでも、高齢者にヨガを勧めるには、下記の論文がやくだつのではないかと思います。少なくとも、提供しているのはただのヨガクラス以上のものだということに気づいてください。実際に、次の転倒を防止する仲間に加わっているかもしれないのですから!


2013年の Journal of Gerontology (老人病学ジャーナル)掲載の Tiedemann らによる論文では、それまでヨガや太極拳をしたことのない平均年齢68歳「地域在住者(老人ホームなど施設に住んでいない人)」54人に任意のコントロールテストを行いました。対象者は、ポーズを説明した小冊子を受け取ったグループと、12週間週2回ヨガクラスに出席したグループとに分けられました。コントロールグループには教育用小冊子が配布されましたがクラスには参加しませんでした。12週間後の介入グループは、座位から立位への移動時に敏捷性がより上がり、片足のバランスがより良くなり、歩行もより速くより自信に満ちて歩けるようになりました。中心とされたヨガポーズは、タダアサナ(山のポーズ)、ヴィラバドラアサナ(戦士のポーズ)I、ヴィラバドラアサナ(戦士のポーズ)II、ヴィラバドラアサナ(戦士のポーズ)III、アルダチャンドラサナ(半月)、ヴルクシャサナ(木のポーズ)、アドムカシュヴァナサナ(下向きの犬のポーズ)、シャヴァサナ(尸のポーズ)です。


計画においてはややロバストではないものの同様の結果が出た研究は、2014年に Journal of Alternative and Complementary Medicine で発表されたケリー氏らによるもので、平均年齢72歳の地域在住者という同様の被験者の、週2回ハタヨガに参加させ12週間後の効果を分析しました。この研究は任意抽出でななく(従って前記のものよりはロバストではない)被験者グループの『ビフォアフター」効果を観察した事前事後テストスタイルの研究でした。ヨガポーズは、ウォームアップの肩回し、かかと上げ、そしてバッダコナサナ(合蹠のポーズ)です。結果は同様で、可動性、姿勢のコントロール、歩行速度が向上したと述べられています。


他のメタ分析(共通の結果を調べるために一連の同様の研究を評価するという研究)では、高齢者において特にヨガが他の身体活動関連の介入方法に比べ優れているという、より控えめな証拠を示しています。パテル氏らのメタ分析では、1950年から2010年までの研究を調べ、様々な状況における高齢者を対象した関連研究を18見つけ出しました。このメタ分析では、被験者の健康感、有酸素的な健康、体力などがヨガで向上したことが示唆されています。
 

ヨガの指導者の行動がこうした人々の転倒防止に役立っているのかを証明する完璧な研究はないと理解した上で、ヨガが高齢者の体力や安定性、調整力、そして幸福感を達成する助けとなるのではないかという論理的証拠がますます増えてきていると考えています。今まで聞いたことのあるどんな薬よりもいいと思っていますし、間違いなく、防止可能な転倒から起こる怪我や身体障害や死よりは良いと思っています。


この年齢層を対象にし続けて欲しいですし、高齢者に参加可能なヨガクラスを提供することで、高齢者の健康や幸福を向上させられることはとても重要な貢献であると気づいていて欲しいのです。最も意味のある変化をもたらすものは、新しい薬や即効性のある治療法ではなく、小さくても毎日の目的を持った誠意ある行動だと。これがヨガだと。



幸運を。ナマステ、美しきヨギたちよ!

2025年5月8日木曜日

アーユルヴェーダのスーパーフード:ギーの持つ消化や免疫などの効能 
The Ayurvedic Superfood: Ghee Benefits for Digestion, Immunity, and Beyond


アーユルヴェーダの文献には、精製したギーバターは1000以上もの治療的性質を持つと言われてきました。それを受けてインドでスーパーフードと考えられてきたギーは、今や最新の研究に基づいたスーパーフードです。ギーは酪酸の最も豊かな食料源で、牧草で育てられたギーバターには、穀物で育てられたものに比べて健康的な代謝を向上させることで最もよく知られる共役リノール酸(必須脂肪酸であるリノール酸の異性体の混合物)が5倍多く含まれています。



ペンタデカン酸C15とは何か、どのようにギーの健康効果を高めるのか


精製ギーを称賛する理由がまたひとつ新しい研究で示唆されました。ペンタデカン酸C15です。近年、この奇数鎖脂肪酸の健康効果が見つかってきています。主として牛や数種の魚など反芻する動物の腸内で作られるこの脂肪酸は、その量がとても少ないためあまり注意を向けられてきませんでした。この脂肪酸はギーの中にも見つかっています。今日では、ペンタデカン酸の効能について言及する研究が数多く存在し、ほんの少量で長期にわたる健康や長寿の効果が得られることを示唆しています。




ペンタデカン酸C15によるギーの効能


この奇数鎖飽和脂肪酸の効能は、ペンタデカン酸C15という名前の通り、炭素の数(15)にあると考えられています。効能は以下の通りです。

  • 免疫を高める
  • 心臓の健康をサポートする
  • 肝機能をサポートする
  • 健康的な血糖値をサポートする
  • 赤血球を強化する
  • 代謝や脂質をサポートする
  • 細胞の健康的な老化をサポートする


対照的に、偶数鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸C16は、炎症や血糖値、心臓の疾患などの原因となります。その鍵は、脂肪酸鎖の中の炭素数にあり、ペンタデカン酸C15はほんの少量でも生物学的に活性しているという事実にあります。


アーユルヴェーダには「微細であればあるほどより力強い」という古いことわざがあります。体内の数え切れない機能を調整している腸内のバクテリアは目に見えません。渡り鳥の移動や季節を司る昼夜のサーカディアンリズムもまた目に見えません。ですから、最も効果のある脂肪酸のひとつがほんの少量で癒しの効果があることは驚くことではないのです。



C15の効能を裏付ける研究


体が老化するプロセスのひとつとして、AMPKと呼ばれる酵素が減少しますが、これが減少するとエネルギーレベルが下がり始めます。AMPKは、私たちの細胞内にあるエネルギーを作るミトコンドリアにグルコースを届けています。ペンタデカン酸は、AMPKを刺激してミトコンドリアへグルコースを提供するのを促し、細胞エネルギーの生産を増加させたりレベルを高めたります。


その他の研究でも、奇数鎖脂肪酸(ペンタデカン酸C15など)の高い人に比べて値が低い人は、死亡率が高く全体的に不健康であることを示されています。健康的な血中の鉄分レベル、血糖、コレステロール、正しい炎症反応に加えて、ミトコンドリアのエネルギー生産の回復や機能的なAMPKプロセスをもサポートします。


また、C15は生物学的に活性である代謝物を作るために体内で使われます。代謝物のひとつがペンタデカノイルカルニチンで、CB1やCB2受容体を活性化するとされますが、気分や睡眠、健康的な免疫反応、痛みのレベルなどを調整します。研究では、このC15由来の代謝物はまた、体内のストレス軽減受容体を活性化することでストレスを和らげることが示されています。また、この代謝物にはヒスタミン受容体を抑制する能力があり、季節性の刺激物への(アレルギー)反応が健康的であるようサポートします。



ギー・バターは健康に役立つ?






最後に、C15と魚油(EPA)を比較した研究では、C15の方が安全であり、より広い効果もあることがわかりました。また、かなり少ない量でも効果が見られました。気分の栄養によるサポート、不健康な細胞や望ましくないバクテリアの増殖防止においては、C15が魚油と同様の効果があることが研究者らによって発見されています。




C15を食事に取り入れる方法は?


全ての無加工の乳製品には、ペンタデカン酸C15がほんの少量含まれていますが、牛乳の脂肪酸を凝縮し乳糖(ラクトース)を全て除去しているのは、牧草で育てたオーガニックの牛乳をゆっくりと熱して作ったギーバターなのです。この脂肪酸の凝縮プロセスによって、ギーのペンタデカン酸C15の量は、ほんの少量からより癒す力があるレベルまでに変化しています。


ギーの作り方

無塩バター450g

バターを中火にかける。バターが溶けてから12分間ほど火にかけ続ける。バターが煮えて表面に泡が出てきます。kの泡に薬用効果が含まれています。火を弱火にしてギーが黄金色になるのを待つ。ギーに水を一滴垂らしてみて、弾ける音がしたら出来上がりです。火からおろして冷ます。濾し器でこして室温で保存する。




超健康のための超油脂:ギーの効果を取り入れる


牧草で育てた牛から搾った牛乳で作ったオーガニック・ギーの力強い性質全てを考えてみれば、なぜアーユルヴェーダの文献がこれが最も癒しの効果のある食品だとあがめる理由がより理解できるようになるでしょう。





(出典) https://yogainternational.com/article/view/the-ayurvedic-superfood-ghee-benefits-for-digestion/

2024年9月12日木曜日

ストレッチの本当の意味とは? 
Stretching: What Does It Really Mean?


バーベルを頭の上に持ち上げるのに必要なのは何かと尋ねたら、ほとんどの人が筋肉と骨、関節だと答えるでしょう。マラソンを走るのには何が必要かと尋ねたら、心臓と肺、脚だと答えるでしょう。そしてダンスや体操に求められるのは何かと尋ねたら、強さと優雅さ、そして敏捷性と答えます。けれど、柔軟性を高めるのにもっとも大切なのは何かと尋ねると、おそらくキョトンとするだけかもしれません。それでも、ハタヨガを練習している私たちは柔軟性を高めることが最大の挑戦のひとつだとわかっています。体が固まっていればどんなに簡単なポーズでも難しく、そのためインストラクターは常にストレッチをするよう勧めるのです。けれど、ストレッチとは正確にはどういうことでしょうか?


まずストレッチとは、柔軟性を高めようとして、軟骨の制限や、関節包、腱や靭帯を緩めたり、骨格の制限を解放することではありません。軟骨の制限とはゴム製のパッキンのようなものでほんの少ししか動きません。関節包は骨膜関節のツルツルした表面を覆って防御していて、それを緩めようとすると不安定になる危険性があります。骨と骨を繋いでいる靱帯はたった4%伸びただけで裂け始めます。固定されたため異常に短くなっているのでなければ、伸ばすことは到底良い考えではありません。筋肉の腹と骨を繋いでいる腱は、知られているでしょうが、靱帯を同様の構造をしていてあまり伸びません。


私たちができるのは、神経と筋肉の腹、つまり関節を通り越し手足を縦方向に走る二種類の柔らかな解剖学的組織を伸ばすことです。そしてこれらはまさに、ハタヨガで十分な柔軟性を得るために伸ばすべき二つの組織なのです。




筋肉群


筋肉は関節の可動域を必要なだけ改善するためほんの少し伸ばす必要があり、そしてこれが適切な変化の機会を与えてくれます。しかし、筋肉をストレッチする時は各筋繊維を対応しているのでしょうか、それとも結合組織繊維に対応しているのでしょうか?対応しているのは両方です。


実験結果で示されているのは、ギプスで筋肉がストレッチされた位置で固定されていると、その筋繊維は、ルコメアという小さな収縮単位を追加することで長くなっていきます。同様に、収縮状態でギプスで固定されると、サルコメアがなくなって筋繊維は短くなります。


柔軟性を高めるためには、筋繊維の長さを伸ばすだけでは不十分です。その筋肉内部や周りの結合組織の調和した広がりもまた必要で、それには表面の筋膜(一束の筋繊維を覆う結合組織)や個々の繊維を包んでいるものも含まれます。そしてこれが、時間をかけたストレッチで起こっていることです。結合組織は徐々に筋繊維につられていき、筋肉全体が伸ばされ、柔軟性が高まります。ハタヨガのストレッチは、これを引き起こす安全で効果的な方法です。そしてもし何もかもを硬く締めたい時にするべきことは、ストレッチをやめることだけです。筋繊維は短くなり、結合組織は後に続きます。



神経


抹消神経はまた別の話です。神経はストレッチには敏感ですが、ストレッチを制限するための十分な強さをも持っています。神経がストレッチに順応できるのは、ただ周りの組織を通る曲がりくねった経路をとっているからです。そして、各神経繊維は神経そのものを包含する結合組織の中をあちこちと走っているからです。体のストレッチをしている間、周りの組織を通る神経経路全体がまずまっすぐになり、ストレッチが続くにつれて曲がりくねった神経内の個々の繊維もまたまっすぐになります(周りにある結合組織には、神経繊維を傷つけずさらなる約10-15%のストレッチに対応できるほどの弾性があります)。


そうした神経鞘に包まれない神経は全くもって傷つきやすく、ストレッチだけでなくトラウマや緊張した筋肉、骨、靱帯の間の圧迫にも弱いのです。その防御力は完全ではないにしても、神経繊維が安全である10-15%以上のストレッチという極端な場合にもこうした神経鞘は適応が可能です。初期の警告サインは痺れ、過敏、チクチクした痛みなどで、それを無視すると感覚や運動の欠陥が生じることがあります。怪我から守るのにもっともよいのは、気づきと忍耐、つまり神経ストレッチが問題となりうる理由への気づきと、小さな症状が現れてもゆっくりと取り組む忍耐です。



実践しよう


では、筋肉がストレッチにどのように反応するかを見るために、片足首を曲げた座位の前屈をしてみましょう。まず、床に座って片方の脚を前に伸ばし、もう一方の脚を会陰の方向に引きます。腿はお互いが約90度になるようにし、両脚の真ん中あたりに向いておきましょう。次に、型通りにこのポーズに入るため、背骨を45度捻って伸ばした脚の方に向き、両手を頭上にあげたり股関節から曲げようとせずに前屈します。伸ばした脚の腿や足の方へ柔軟性に合わせて両手を下ろします。このポーズを約30秒したあと、ゆっくりと股関節から腰へと起き上がります。最後に、頭と首を持ち上げます。反対の脚で繰り返しましょう。






この片足への前屈はいくつかの意味で有益です。一つ目は、片方の膝を曲げることで片方のハムストリングスだけをストレッチできます。二つ目は、両側の内転筋をある程度ストレッチしていますが、前屈した方は膝が伸びているのでより強いストレッチになります。これは片側の内転筋に働きかけることのできる最良のポーズのひとつです。最後に、骨盤が45度に傾いた前屈は背中のストレッチよりも股関節や腰への負担が小さく、ビギナーにとってより効果の高いポーズとなります。



このポーズに慣れてきたら、バリエーションを試しましょう。また最初の姿勢になって右膝を伸ばします。今度は右足の方に手を伸ばさないで左の肘で左膝を押します。(ほとんどの生徒はここで右臀部が床から浮きますが、それで構いません)次に手を伸ばして両腿の真ん中の床へと右手をスライドします。そして内転筋の伸長をいくらか解くために左側へ3分の2のところへ手を伸ばします。そして最後に、右側から3分の1の場所でストレッチを深めます。






最後に、このポーズを探求したのち、もとのポーズまでもどってまっすぐ右足の方へと手を伸ばしましょう。より深く前に行けるのに気づくでしょう。ハムストリングスの抵抗は先ほどと同じくらいですが、伸ばした膝からずらしたストレッチがそちら側の内転筋を伸ばしたのです。より深く手が届いた距離が、最初のポーズにおけるあなたの限界に内転筋がどれほど貢献していた大体の長さです。





これらのポーズを1分間ほどホールドすると、主に神経系に働きかけていることになり、筋肉が弛緩していきます。しかし全身の力を緩めて忍耐強くより長時間ホールドすると、やがてサクロメアが徐々に内転筋やハムストリングスに増えていき、そのあとから結合組織が続き、そして長くなった筋肉と結合組織がより深い前屈を可能にしていくのです。末梢神経に関してはチクチクした痛みがなければ問題がないと考えられますが、もしそんな症状があるなら長くなった筋肉に順応するまでもう少し時間がかかるかもしれません。



注意:柔軟性を高めるには、受動的なストレッチに加えて立位ポーズなど強化エクササイズを含んだバランスの取れたポーズを常に心がけて下さい。妥協点を見つけてください。1、2箇所の筋肉だけ(例えば内転筋とかハムストリングスとか)を伸ばそうとしたら、体のバランスは崩れ、変えてしまった新しい状況に馴染むことができずすぐに怪我をすることになる恐れがあります。体全体をみて取り組み、全体的により強くより柔軟になることが大切です。




最終的な分析


研究では、筋肉の長さが長時間のストレッチで伸びること、長引く収縮で短くなることを確実に示しています。また、筋肉、神経どちらも包んでいる結合組織は過度にストレッチされていまうこともはっきりとしています。しかし、この方程式にはもうひとつの要素があります。神経系は筋肉の弛緩と緊張のどちらに対しても中心的な役割を果たしており、それによってストレッチや制限を促進しています。では、結局動きを制限しているのは、神経系の能動的な役割と結合組織の受動的な役割どちらなのでしょうか?普段の動きの中では神経刺激が筋細胞を刺激し続けるため、確かなことは一方からしかわかりません。深い麻酔にかかっている時、つまり骨格筋細胞全て(呼吸に必要なもの以外)を神経系が刺激していない時の可動域を調べることです。


これについては研究が終わっています。手術室にいる人は誰でも、麻酔されている患者の筋肉はとても緩く関節が外れてしまわない様にする必要があることを知っています。そしてそれは、目覚めている時には極端に硬直している患者にも起こります。では、セラピストが関節周りの可動域を大きくするために麻酔を使って柔軟性高めることは可能でしょうか?答えは、神経系の防御がなければ、筋繊維や結合組織の繊維、そして神経などの組織は裂けてしまうということです。これは、結合組織が限界までストレッチすることがあるとしても、日常生活で実際的な制限をかけているのは神経系だということを証明しています。限界に達した時、神経系は痛みや震え、力が入らないことなどによってやりすぎだと警告をしてくれますが、もっとも重要なことは組織が裂かれてしまう前に警告が出されていることです。





脳と筋肉のつながり


脳の小さな部分である小脳は、筋肉の緊張や調整、バランスをコントロールしています。自己受容体からの神経繊維は大脳皮質(意識的な思考や感情に関連した脳の部分)に向かっています。ですから、脳には継続的に感覚の流れがあり、脳からは継続的に意識的、無意識的な運動インパルスが流れています。


柔軟であることの長期的な利益は、筋肉を締め付けている結合組織をストレッチする能力によりますが、その能力は防衛反応を緩めることができるかにかかっており、つまり精神的にリラックスする能力に関係があります。


あなたの心の状態と感情の強さの方が、筋肉の抵抗よりも克服することが難しいのだと気づいておくことが不可欠なのです。










(出典)https://yogainternational.com/article/view/stretching-what-does-it-really-mean/

2024年6月17日月曜日

呼吸の長さが重要:ブラマリ呼吸のHRVに対する効果 
Breath Length Matters: Research Reveals Bhramari's Impact on HRV


ブラマリ呼吸(マルハナバチの呼吸)は、心拍数を下げる、注意や睡眠の質、自律神経や肺機能が向上する、そして心拍変動(HRV)が向上するなど、複数のよい効果があることがこれまでの研究で示されてきました。


心拍変動とは、心臓の健康や体のストレスに適応力を図る効果的な方法です。一般的にHRVが高いと心臓や自律神経の働きが良い状態で、逆にHRVが低いとストレスや隠れた病気があることもあります。


最近まで、ブラマリ呼吸において異なる呼吸の長さがHRVの変化量にどう関係するのかの理解には意見の相違がありました。



新しい研究

ヨガ国際ジャーナルに発表された最近の研究では、4つの長さで(8、10、12、14秒)ブラマリ・プラナヤマを3分間行い、被験者118人のHRVへの影響を調べました。呼吸の長さは、以下の呼気吸気の比率に分けられました。

  • 3秒吸気, 5秒呼気 (計8秒)
  • 4秒吸気, 6秒呼気 (計10秒)
  • 4秒吸気, 8秒呼気 (計12秒)
  • 5秒吸気, 9秒呼気 (計14秒)



結果は、ブラマリ呼吸でHRVが最大になるのは呼吸が12-14秒の呼吸時でした。こうした長い呼吸が、8-10秒呼吸時よりもHRVの範囲を有効にやや向上させたのです。


「最適な呼吸の長さはたった10秒だと示した直近のエビデンスとは異なる発見である」と研究者は結論づけています。


こうした研究は、ハミングの効果、またはマントラの練習における呼吸の長さがHRVに与える効果などを探るさらなる研究を促すことになるでしょう。




では、あなた自身にとっては?




どんなものでもブラマリ呼吸を適切に練習することで、日々のストレスにより素早く落ち着きを持って適応することができます。HRVやストレス管理の力を向上したいなら、この研究で行なわれた比率のん12-14秒の呼吸を試してみましょう。心臓の健康を向上するだけでなく、以下の効果も得ることができるでしょう。
  • より質の良い睡眠
  • より健康な肺
  • より上手にストレスを処理
  • 今ここに焦点をあてる


この研究が示したように、ブラマリ呼吸の効果はたった3分間で体験することができます。練習する準備はできましたか?


https://yogainternational.com/article/view/breath-length-matters-research-reveals-bhramaris-impact-on-hrv/

2024年3月12日火曜日

心臓の健康へのヨガの5つの効果 
5 Heart-Health Benefits of Yoga

ヨガが高齢者の健康に大きな効果をもたらすことはすでに知られています。
そのひとつは、心臓にとても良いということです。






ヨガが心身に良いのは、柔軟性や体力増強、エネルギーや気分向上などの効果をもたらすからです。また、心臓にも良いというますます多くのエビデンスが出てきています。


何千年も前のインドに起源を持つヨガは、これまで数多くの臨床研究の対象となっており、太陽礼拝やダウンドッグなどに対するエビデンスは強固になってきています。一例を挙げれば、米国心臓学会の2023年アジア会議で発表された研究では、ヨガが心不全患者の循環器機能向上とともに、忍耐力、体力、バランス、そしてQOLを向上させることが認められました。


もし心臓に問題があるのなら、どのレベルのヨガがあなたに適しているのか医師に確認しましょう。もしヨガを始めようと思っている、あるいは健康に不安がある場合は、クラスの前にインストラクターに相談しましょう。インストラクターが、一緒にクラスが受けられるようにコツやバリエーションを教えてくれるはずです。



1. ヨガは体の運動を促す


CDC(米国疾病予防管理センター)によれば、運動不足は、米国の男女No.1の死因である心臓病の原因になります。


しかし、遅すぎることはありません。研究によれば、ヨガをする人はより活動的で健康的な食事をする傾向が高く、それが心臓を守ってくれています。2018年5月「International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity」で発表された研究では、ヨガを習慣的に実践している若年層はより健康的な食生活を送っており、より中高レベルの運動をより長時間行っているとわかりました。2020年8月の「International Journal of Environmental Research and Public Health」に発表された他の調査では、ストレッチをするエクササイズは、心臓や全身に血液を送り出す動脈硬化を著しく減少させ、中高年層における心機能を向上させることを示しています。


米国心臓協会(AHA)が薦めるのは、総合的な心臓の健康のためには中程度の有酸素運動を少なくとも30分、週に5日以上行うことです。中強程度の筋トレを週に2日以上行うと、より効果が得られるそうです。



2. ヨガがストレス解消に


ストレスがどれほど心臓病に関係しているのかを研究者もはっきりとは確定することはできない一方で、ストレスが心臓病のリスクを上げる習慣や要因を増加させる可能性があります。これには、喫煙や運動不足、過食、高血圧などが含まれます。


ヨガの実践者には、精神衛生の向上、リラックス感の増加、気分の向上などがみられると研究で示されています。心身の実践は、落ち着こうとする神経である副交感神経を調整するのに役立ちます。2020年8月「Stress & Health」で発表された研究では、呼吸法や瞑想をするヨガクラスの参加者のストレス受容減少とマインドフルネスの高まりが示されました。


「ほとんどのストレス解消テクニックでは、呼吸に意識を向けます」ミシガン州ビンガムファームスの「Kahn Center for Cardiac Longevity」の循環器医師ジョエル・カーン博士はそういいます。「全てのヨガで不可欠なもののひとつは、呼吸への気づきとよりマインドフルであることです。つまり、外から見てわかる、あるいはわからないストレス解消の意識付けが、ほとんど全てのヨガクラスに内在しているのです」



3. ヨガが高血圧リスクを下げる可能性も


2021年9月の「Scientific World Journal」で発表の系統的な再調査では、ヨガで高血圧をコントロールできる可能性を示しました。


瞑想や呼吸、ヨガの練習が、高血圧前症の患者における拡張期・収縮期血圧(血圧の最高と最低の値)を下げるとされる数多くの研究を再調査しました。再調査では、体系化されたヨガポーズや呼吸法の「服用量」は確認できなかったものの、高血圧や心臓病を起こす可能性をヨガが減らすことができると研究者らは結論づけました。


「ヨガの生理学的な効果は、神経系の福交換神経を高めることだということはわかっています」コロンビア州のミズーリ医科大学の産科医であり、ヨガの血圧に対する効果の研究を行っているシャミタ・ミスラ医師は述べています。「心拍を下げ、心臓の働きを抑えます。心拍が少なくなればなるほど、そのひとつひとつはより強くなります」



4. ヨガは不整脈を落ち着かせる可能性も


心房性細動は、早かったり不規則に打つ異常な心拍リズムのことで、心不全やその他合併症の原因となります。2022年の「European Society of Cardiology Congress」で発表された研究では、ヨガが心房性細動患者の症状を抑える可能性を示唆しました。研究は、2012年から2017年、538人に対して実施されました。被験者らは、12週間ヨガをしないで、その後16週間毎日、ポーズや呼吸を含めたヨガのセッションに30分参加しました。その16週間の間は、被験者たちの発作の回数が減少しました。


「心房性細動患者の治療の中で、発作回数を減らすのにヨガが役立つ可能性があるかもしれない」ニューヨークのブロンクスにある「Cardiac Wellness Program at Montefiore Medical Center」の創設者であり管理者のロバート・オストフェルド博士はそう述べています。



5. ヨガは共同体意識を促す


心不全など深刻な心臓疾患を経験した患者の多くは、社会からの孤立感を感じたり、うつ状態になったりすることがあります。「外出するのが安全ではない、外出するほど元気でないと感じるのです」オストフェルド博士は言います。「初めて自らの死に向き合っているからでしょう。あるいは、今まで可能だったこと全てができるわけではないという事実に直面したからかもしれません」


ヨガがそれに役立つかもしれないというエビデンスがあります。米国医学協会の機関誌に発表された研究では、メイン州の農村で、循環器リスク要因と行動変化を対象とした共同体プログラムに参加することが、死亡率や入院率の低下と関係があることがわかりました。


ヨガは共同体意識をもたらすことができ、それが鬱や孤独感を和らげます。「ヨガクラスでは、安全な環境の中で、他の人と一緒に流れるように動いて繋がることができます」カーン博士は述べてます。「社会的交流の効果を数値化することは困難ですが、もし健康問題のある人たちが自宅にいるような心地よい環境にいられれば、人はより健康的な選択ができるようになると考えています」


ヨガはまた、特に認知行動療法など通常の治療と組み合わせると鬱症状を緩和することができると、2019年5月に「American Family Physician」に掲載された研究が示しています。また2023年9月に「International Journal of Old People Nursing」で発表された再調査では、60才以上の成人で、鬱や不安症のレベルがヨガで向上することがわかりました。




自分に合ったヨガクラスを選ぶ方法


ヨガクラスを試したくなりましたか?ヨガには多くのスタイルがありますが、ひとつだけにこだわる必要はありません。また、難しい1時間のクラスに飛び込んでもすぐに効果があるというわけでもない、とミスラ博士は言います。
「そんなに長い時間は必要ありません。私の研究では、ただヨガの呼吸を15分行っただけで結果がみられたからです。しかし、有益な結果を得るために何分間のヨガが必要なのかというような情報はありません」


  • ハタヨガは、西洋社会で通常行われているヨガの流派で、身体的なポーズの練習のことを示します。ヴィンヤサ、アイアンガー、アシュタンガなどのヨガがありますが、これらすべてはハタヨガに分類されます。どんな運動でもm始める前に医師に確認しておきましょう。

  • ヴィンヤサ・ヨガは「フローヨガ」とも呼ばれ、呼吸と動きの組み合わせが中心となります。クラスは、パワーヨガやアシュタンガなどペースが速く強度の高いものから、スロー・フローやアライメントを重視したクラスなど健康状態や身体的な制限がある人やビギナーに適したより穏やかなものまであります。

  • ホットヨガは熱した室内で行われます。今は様々なタイプのホットヨガがありますが、最も人気があり最も熱いのがビクラムヨガで、40°Cにまで熱した室内で26のポーズと2つの呼吸法を行います。心臓に何か問題がある人や極度の暑さに敏感な人などは体調を悪化させる恐れがあるので、オストフェルド医師によれば、このヨガは避ける方が良いでしょう。

  • アイアンガーヨガは異なるポーズを通して体のアライメントに注目するタイプのヨガです。他のスタイルのヨガとは異なり、個々人のスキルレベルや体のタイプに適合するよう、椅子やブロック、ベルトなどのプロップスを使います。

  • 「トグロを巻いた蛇」という意味のクンダリニヨガは、呼吸法、チャンティング、音楽、瞑想、そして動きを組み合わせたものです。その目的は「蛇を解」き、背骨の基底部から頭頂までのエネルギーを解いて7つのチャクラ(体内のエネルギーがある場所)を目覚めさせることです。よりスピリチュアルなヨガであるクンダリニは、ストレスや不安を解消するのによい選択となるでしょう。

  • よりゆっくりとしたスタイルの陰ヨガは、同じポーズを5分以上保つので、ビギナーが始めるには難しいかもしれません。またこのスタイルは瞑想的な性格を持っているので、クンダリニヨガよりは少し身体を動かしたいけれどヴィンヤサヨガほど動かないクラスを探している人にはぴったりかもしれません。

  • ゆっくりと穏やかなリストラティブヨガは、呼吸に集中できるような長く保つストレッチで全身を開くことに重点を置いています。様々なポーズで全身をサポートするため、ブロックや枕、クッションなどプロップスが使われます。この安らぎを与えてくれるヨガは、痛みを緩和し精神的な幸福感を高めるのに良い方法です。






2023年10月18日水曜日

心臓病の原因は高コレステロールでなく炎症かも Vol.2
Inflammation, Not High Cholesterol, May Cause Heart Disease

前回からの続きです。

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心臓発作の警告サイン


心臓発作は突然で強いものもあります。「映画の心臓発作」と呼ばれ、誰の目にも明らかなものです。しかし、ほとんどの心臓発作はゆっくりと始まり、軽い痛みや不快感を伴います。発作に見舞われた人は多くの場合、何があったのかわからず、長い間助けを呼びません。心臓発作が起きていることを示すサインは以下です。


胸の痛み
ほとんどの心臓発作で、胸の中心に痛みを感じ数分間続きます。あるいは、痛みが消えたり戻ってきたりします。不快な圧迫感、締め付け、膨満感、痛みとして感じられます。


上半身の他の部分の痛み
腕や背中、首、顎、胃の痛みや不快感という症状もあります。


胸の痛みを伴うまたは伴わない息切れ


その他サインの可能性として、冷や汗やめまい、立ちくらみなどがあります。男性に比べて女性はやや、息切れやめまい、吐き気、背中痛や顎の痛みを感じる場合が多いです。



より複雑なことに・・・


もしあなたが中年男性で、高コレステロールというリスク要素があるなら、あるいはLDL値が高いことを知っているなら、注目してください。最近、「悪玉」コレステロールには、パターンAとパターンBの二つの味があることが発見されました。軽く、ふわふわして完全に大丈夫なLDL-Aは心臓疾患に全く危険を及ぼさないが、小さく硬いBは「悪い奴」だと、心臓科の専門であるジョニー・ボウデン博士は言います。パターンBのLDLは、内皮に留まって酸化し動脈プラークとなります。ですから、AとBの割合を知ることが心臓疾患のリスクを明らかにすることに役立ち、パターンBのLDLを減らす必要があるシグナルかもしれません。もちろん、LDL酸化に繋がり、動脈プラーク形成を起こす炎症を促すリスク要素を最低限にする必要はあります。




何ができるのか


医師や研究者らが心臓疾患の複雑な原因について明らかにできることは今後もないかもしれませんが、あなたの心臓を守るために今すぐ行動するのを止めるべきではありません。それが大きな変化を伴う人もいるでしょうが、すでに健康的なライフスタイルを送っている私たちにとっては少しだけ付け加えるだけで良いでしょう。



リスク要因を減らす


私たちの健康を損ねる慢性疾患と同様、心臓病は食事や運動の良くない選択、喫煙や過度な飲酒など疑問のある習慣などが原因で発症します。ほとんどの人はそれを既に知っているというでしょうが、この知識に基づいて食事を改善し、心臓病のリスク要因を減らすために行動するのがまず第一歩です。そして、あなたの心臓に闘うチャンスを与えるあまり知られていない手段に講じることも考えてみましょう。


1. インシュリン・レベルを下げる
医師らは糖尿病予防のためこれをしろと言いますが、高インシュリンはまた、動脈の炎症に繋がる生化学的連鎖反応を引き起こし心臓疾患の原因にもなり得ます。高インシュリンはまた、腹部の脂肪蓄積を(例のスペア・タイヤですね)促します。インシュリンを下げるには、食べる糖分を制限します。栄養士のボウデンが「脂肪よりもっと大きなダメージを与え炎症させる物質」と呼ぶところの、精製粉のパン、パスタ、短粒米、じゃがいも、インスタントのオートミールなど高血糖の炭水化物を避けなければなりません。


2. 口内環境を整える
習慣的な歯磨きやフロスは単に歯を守ったり息をきれいにするだけではありません。数多くの研究で、不健康な歯茎と心臓疾患の関係性がわかってきています。もっとも深刻な歯茎の疾患である歯周炎は、循環器疾患のリスクを30%以上も増加させます。



3. ストレスレベルを下げる
体内の慢性的なストレスが、自然な闘争逃走症候群として副腎からのコルチゾールを絶え間なく分泌させます。このコルチゾールや他の関連したホルモンが、動脈を収縮させ血圧を上げ、心拍を上げ、血中の凝固を促します。研究では、瞑想や祈り、ヨガ、バイオフィードバックなど心身のテクニックがストレスレベルを下げ心臓発作リスクを軽減すると示しています。

 

サプリメントを使う


心臓に良くない炎症性の食べ物や、フリーラジカルを誘発する環境的な毒素、汚染物質などに対抗するため、抗酸化物質のビタミンや抗炎症性のサプリを取り入れましょう。


ビタミンC、E
これらの強力な抗酸化物質はまた、動脈硬化を軽減しプラーク形成を防ぎます。


CoQ10
すべての細胞に存在する油性の栄養素コエンザイムQ10は、フリーラジカルを強力に排除し、LDL酸化を防ぎます。


NAC
正式な名前は「NアセチルLシステイン」です。NACはシステインの一種で、体内で最も重要な抗酸化物質のひとつであるグルタチオンを増加させます。


ALA
ALA(アルファ脂肪酸)は、それ自体が抗酸化物質であるだけなく、体内のビタミンCやE、グルタチオンをリサイクルするのに役立ちます。ALAはまた、亜麻仁や亜麻仁油にも含まれます。


オメガ3 
これらの重要な脂肪酸は炎症を抑え、血栓の防ぎ、心臓発作の死亡率をも下げるとされています。


ヨガを続ける
オハイオとジョージアの州立大学での研究で、ヨガで、慢性炎症のマーカーとなるサイトカイン・インターロイキン6のレベルが下がることがわかりました。また数多くの研究で、ヨガが主にコルチゾールを下げ中枢神経のバランスをとることにより、血圧(心臓疾患のもう一つのリスク要素)を下げることが示されています。



もちろんヨガの専門家が信じるのは、心臓疾患とは検査結果だけではありません。自分の体、心、精神とのつながりが切れた状態だとみなしています。そして、心臓によい環境を作るには、アサナ、プラナヤマ、瞑想、無私の奉仕といった実践要素をすべてを組み合わせるべきだとしています。その方法が以下です。



体の全可動域まで動かす様々なポーズを含んだ継続的な練習に取り組みましょう。後屈は胸郭を開いて心配機能を高め、立位ポーズは脚を強化し全身をストレッチします。前屈では安定感を得られエネルギーを取り戻し自律神経を落ち着かせます。ツイストは内臓をマッサージし全身の血流を高めます。


感情や心の状態をよく観察しましょう。血圧は、当然ながら勝手に上がるものではありません。20年以上前、ディーン・オーニッシュ医学博士と彼の研究チームが、感情的なストレスや孤立感、敵対心、自己批判などが、高コレステロールや酸化LDL、トリグリセリドレベルやニコチンと同様に心臓疾患に関係があると世界に証明しました。彼らはまた、ヨガや瞑想、グループサポートなどのライフスタイルの変化が病気を緩和することを示し、医療関係者を驚かせました。


ウッジャイ呼吸(勝利の呼吸)やナディ・ショーダナ(片鼻呼吸)などのプラナヤマを日課に取り入れて不安や動揺を減らしましょう。ただし、高血圧の人はクンバカ(呼吸を止めること)はやめておきましょう。


高血圧の緩和になるレストラティブヨガやチャンティング、マントラ瞑想などを実践しましょう。肉体としての心臓を落ち着かせ、感情的な心も落ち着かせられます。



心臓の健康に良いレストラティブヨガ


神経を落ち着かせ平衡状態を取り戻すため、以下のポーズを日課に取り入れましょう。高血圧のばあいは、頭立ちなど支持のない逆転ポーズは避けましょう。もし時間がなくてひとつのポーズだけをするなら、シャヴァアーサナ(屍のポーズ)やヴィパリタカラニ(両脚を壁に立てかけるポーズ)で、最大の効果を得ることができます。

  1. 頭を支えたアドムカ・シュヴァナーサナ(ダウンドッグ)
  2. 支えに体を沈み込ませるバラアサナ(子供のポーズ)
  3. たくさんの支えを使ったスプタ・バッダコナアサナ(仰向きの合蹠のポーズ)
  4. 仙骨を上げたヴィパリタ・カラニ(両足を壁に立てかけるポーズ)



必須脂肪酸を摂る3つの方法


ヴェジタリアン(あるいは単に水銀汚染や持続可能性を懸念する人)は、植物からだけでも必須脂肪酸を摂ることができます。


  • 大麻油や亜麻仁油にはアルファ・リノレン酸(ALA)が含まれており、体内で魚油にある必須脂肪酸に変化します。大麻油は亜麻仁油よりも味が良く、オメガ6とオメガ3の比率が3対1と理想的です。また、大麻油にはガンマ・リノレン酸(GLA)も含まれており、炎症を抑え肌の健康を向上させます。どちらのオイルも熱が加わると分解されてすぐに異臭がするので、開封後は冷蔵し1-3ヶ月内に消費しましょう。

  • くるみは、オメガ3に加えて心臓によい一価不飽和脂肪、また特に心臓によい小麦由来でないビタミンEを含んでいます。くるみの薄皮にも重要なフェノール酸、タンニン、フラボノイドが含まれているので、やや苦味はありますが一緒に食べましょう。

  • 微細藻類には、ALAとともにDHAやEPAが豊富に含まれており、オメガ3の必須脂肪酸が摂れます。魚は藻類を食べて脂肪内にオメガ3を蓄えます。微細藻類は今、魚油と同様に心臓に効果(英国栄養ジャーナルより)のあるサプリとして販売されています。




食べるべきもの


伝統的に、地中海周辺国であるスペインやギリシャ、イタリアの人々、特に中国や日本のアジア圏の人々は、欧米よりも心臓疾患の数が少なく、また寿命も長い傾向にあります。なぜでしょう?それは、伝統的な食事にあります。マリナーラソースに大豆は入っていませんし、中華鍋にオリーブ油は使われませんが、どちらの食事にも飽和脂肪や硬化脂肪が少なく健康的なオイルが多く含まれており、魚や野菜が中心です。心臓疾患の予防前線の共同著者である心臓病学者スティーブン・T・シナトラ医学博士とジェームス・C・ロバーツ医学博士は、アジア圏と地中海圏の食事を組み合わせた食事法(PAM diet)を提案しています。




抗酸化物質が豊富な果物や野菜

これらは、LDLコレステロール分子を酸化させ体内の炎症を引き起こすフリーラジカルと戦います。ここでのヒントは、自分の好きなものを食べるということです。


食べるべきもの:ブルベリーやブラックベリー、チェリー、赤い葡萄、いちごなど鮮やかな色の果物、ケールやほうれん草、芽キャベツ、ブロッコリーなどの緑の濃い野菜、ビーツや赤パプリカなどイキイキとした赤い野菜は抗酸化物質が高濃度で含んでいます。また玉ねぎは、LDLを酸化を防ぐケルセチンという特別なフラボノイドが豊富です。抗酸化飲料はないのかって?適量の赤ワイン(レスベラトールを含みます)や、炎症に関係する酵素をブロックする緑茶はどうでしょうか?



ナッツや種など

良質の必須脂肪酸、タンパク質、食物繊維が豊富で、狩猟採集時代の主食であったこれらには、吸収した食物コレステロールを減少させるのに役立つ植物ステロール(植物油)も含まれています。

食べるべきもの:生のアーモンド、くるみ、ピーカンナッツ、ブラジルナッツ、ひまわりの種。



低GIの穀物

これらの食物には、高GIの穀物に比べて多くの食物繊維が含まれおり、消化に時間がかかるため、血糖値を安定させインシュリンの劇的な増加を起こしにくくします。食物繊維はまた、消化器官を浄化し過剰なコレステロールを吸い取ります。実際に、1日に食物繊維を10g多く摂取すると心臓病リスクが29%下がるという研究があります。


食べるべきもの:黒パンやスペルと麦のパン、バルガー(トルコの麦料理)、玄米やワイルドライス、大麦、オーツ麦、キノア、ひえ、そば。



オメガ3脂肪酸

コーン油、サフラワー油、サンフラワー油での加工食品には炎症の原因となるオメガ6脂肪酸が過剰に含まれており、こうした商品を好んで摂取することで体内のオメガ6とオメガ3の比率が悪くなります。健康となる3対1から、20対1にまでなることもあります。オメガ6の多いポリ不飽和植物油や加工食品を避け、オメガ3を増やしましょう。


食べるべきもの:冷たい海にいる魚(サーモン、サバ、鰯など)、大麻油や亜麻仁油、大豆、海藻など。



ビールや乳製品を飲むのなら少しに

この食品が含む不飽和脂肪は、毎日消費するには多すぎます。また、動脈の損傷を促すホモシステインとなるメチオニンが多く含まれています。

食べるべきもの:代わりに魚を摂取することで脂肪の少ないタンパク質が得られ、炎症を抑えるオメガ3を摂取、また動物性の食物を全く摂らないことで問題を排除することができます。



にんにく

地中海料理やアジア料理で多く使われるニンニクには、長い薬効の歴史があります。植物栄養素の中でも、LDLを下げて良いコレステロールを増やすアリシンを含んでいます。また血圧を下げ血小板の粘性を下げます。


使い方:生のニンニクをみじん切りにして15分置き、栄養分を放出させます。最大の効果を得るには、1日に5房ほど食べる必要があります。



オリーブ油をたくさん

古代ギリシャでは、オリーブの木は素晴らしい癒しの力があると考えられており、オリーブの実から採れるオメガ9脂肪酸が豊富な一課不飽和油は、心臓発作リスクを減らし血圧を下げます。


使い方:エキストラ・バージンオイルを使いましょう。加工が最低限で、精製されておらず、酸化していません。



大豆

どんな形状であっても、大豆はHDLを増やしてLDLや血圧を下げます。

食べるべきもの:枝豆など丸大豆や、テンペなど発酵した大豆、たまり醤油、豆乳、豆乳ヨーグルト。









2023年10月16日月曜日

心臓病の原因は高コレステロールでなく炎症かも Vol.1
Inflammation, Not High Cholesterol, May Cause Heart Disease


今回の記事は、コレステロールと心臓疾患についてです。
予防のために何を理解すべきなのか、何ができるのかをみていきましょう。
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一般的に、ヨガの実践者は心臓が健康なグループに入ります。ヨガは、体への習慣的な運動と心へのストレス緩和のテクニックを与えてくれます。喫煙する人は少なく、アルコールを飲む人でもその量は適度です。そしてほとんどの人は、マイケル・ポランが彼の著書「食べ物が守る力」で述べている率直なアドバイスに従っているでしょう。「食べ物を食べよう。食べ過ぎないで。主に植物を」


では、どうして心臓病について心配しなければならないのでしょう?第一には、病気にならない人は誰もいないし、米国で多い死因は心臓病だからです。第二に、健康診断に行ってコレステロールが高いとスタチンを処方されてしまった知り合いが誰にでも一人はいるからです。そして最後に、コレステロールが心臓病の主な原因ではないかもしれない(現在、研究者らは炎症が原因としている)ことを知る必要があるからです。つまり、私たちは長い間間違ったボールに目を向けていたということです。


コレステロールに注目し始めたのは約60年前、米国心臓協会が冠動脈疾患の原因が「バターとラード、牛肉、卵」だと宣言した時です。医療界が、血液のコレステロール・レベルを上げる食べ物に含まれる高レベルの飽和脂肪であり、過剰なコレステロールが動脈を閉塞させるという考え方を取り入れたのは間も無くでした。低脂肪の食事とコレステロールを低下させる投薬が劇的に増加した50年がすぎた現在、その概念は、ほとんどの医療関係者や消費者の頭の中にしっかりと確立されたのです。


そろそろ、それを見直す時期ではないでしょうか?「コレステロールの重大な俗説:コレステロール値低下が心臓病を予防できない訳(スタチンフリーに効果)」の共同著者(スティーブン・シナトラ医学博士著)で栄養士のジョニー・ボウデン博士は、「コレステロール値を下げて心臓病を予防しようとするのは、マクドナルドの巨大な食事からピクルスを取り除いてカロリーを減らそうとしているようなものだ」と述べています。65歳以上の男性、そして全年齢の女性で、冠動脈疾患を判断するのにコレステロール値を見るのは事実上意味がありません。そして、おかしなことに、ちょっと下がって大局をみれば、低いコレステロールは、予防どころかより病気の原因となる可能性があります。



敵を知る


医師らはめったに認めないのですが、高コレステロールの人は実のところ長生きです。少なくとも6つの研究で、コレステロール値が低いほど死亡率が高いことがわかっています。実際、米国の死因の全てを見ると、コレステロール値の高い人には癌が少なく、消化器官や呼吸器官の疾患で亡くなるリスクが低く、自動車事故や自殺も少ないのです。驚くことに、コレステロールによる防御は、深刻な心臓病にまで及びます。米国と欧州での研究では、心臓病患者でコレステロールレベルが高い人は、低レベルの人たちよりも長寿でした。


私たちの体がコレステロールを必要としているのは、脳細胞生成という何よりも重要な役割があるからであり、研究では低すぎる値(160以下)が鬱や攻撃性、脳出血、認知障害などと関係があるとされており、これらは全て事故や自殺の死亡率が高いことを説明しているのではないでしょうか。



高コレステロールの悪評


コレステロールを議論するには、まず肝臓が1日に約800ー1000mgのコレステロールを生成していることを知ることから始めるべきでしょう。これらは体が健康を保つために必要な量です。しかし、食べるものからコレステロールを追加摂取すると(動物由来の食物には全てコレステロールが含まれます)、体はその余分に対処するまで生成を抑えます。また、脂肪を消化し、細胞粘膜を強化・修復し、神経を隔離し、ビタミンDを合成し、性生活を制御するものの含めたホルモンを生成するのを助けるため体はこの柔らかでドロッとしたステロールを必要としています。


コレステロールは脂肪のような物質なので、水性の血液に溶けたり細胞に直接流れ込んだりはできません。そのかわりに、リポタンパク質という特別な乗り物に乗せてもらう必要があります。おそらく私たちが良く聞くのはLDL(低比重リポタンパク)とHDL(高比重リポタンパク)の2つでしょう。科学者らが発見しているのは、LDLが必要な場所にコレステロールを運び、より重いHDLが動脈壁をもすくい取って余分なコレステロールの掃除係として働き、それらを処理し排出するため肝臓に戻すということです。


この文脈からみれば、HDLもLDLも体の日々の活動で重要な機能を果たしているため、どちらも「善玉」コレステロールと呼べます。しかしながら、コレステロールが心臓疾患の原因だという議論の初期では、HDLだけが血中コレステロール・レベルを下げるため善玉だという扱いを受けました。一方LDLは、フラミンガム心臓研究の研究者らが心臓疾患の「限界危険要素」だと位置付けたため「悪玉」と烙印を押されました。


体が作る極めて重要な物質が死をもたらす可能性があるというのは想像し難いのですが、「悪玉コレステロール」という烙印はそう言及しており、LDLレベルをできるだけ下げる意図でのLDLコレステロール薬の全面戦争が勃発しました。この前提は、体がLDLを不可欠としていることを見落としているだけでなく(LDL無しでは細胞は必要なコレステロールを得られない)、重要な事実を見ぬふりをしています。LDLが「悪玉」になるのは、電子のひとつが放たれることでフリーラジカルが酸化(本質的に不安定化)した時だけです。それは動脈壁にくっついて炎症連鎖を起こし心臓発作の原因となる血栓につながるのです。



おそらくは、まだ他にも


高コレステロール論理(脂質仮説と呼ばれます)への最も的を得た乖離は、おそらく心臓発作を起こした人すべてのうち半分になる人のコレステロールが正常値だという不都合な真実です。ほとんどの人は、50%というその数字に注目し、コレステロール以外の何かがこの明らかな矛盾の原因となるのではないかと思うでしょう。


数えきれない研究によって、脂肪仮説が心臓疾患を深刻に単純化しすぎていること、心臓疾患の予防には抗酸化物質の果す役割を完全に軽視していることがわかっています。1990年代のリヨン食事心臓研究では、心臓発作で回復した人1グループを米国心臓協会認定の低脂肪、高炭水化物、抗コレステロールの食環境におき、他のグループを野菜、果物、ナッツ類、魚、オリーブ油を主にしたいわゆる地中海ダイエットとよばれる食環境に置きました。研究の結果、どちらのグループも同等のコレステロール値でしたが、地中海ダイエットのグループは2度目の心臓発作を起こした人が大幅に少なく、胸の痛み(不安定性狭心症)や心臓疾患を起こした人もかなり少数でした。どうしてでしょうか?果物や野菜に見られる抗酸化物質や魚に含まれるオメガ3脂肪酸の抗酸化作用に関係があるのではないかと研究者らは考えています。


そして、フランスのパラドックスがあります。フランス人はリッチで高コレステロールの食事を大胆に奔放に食べている様子ですが平均的な全コレステロールのレベルはおよそ250のあたりにとどまり、先進国では最も心臓疾患の件数が少ない国だという不思議な事実のことです。このパラドックスを研究している研究者たちはまた、新鮮な野菜や果物の摂取、そして特にレスヴェラトロールなど赤ワインの強力な抗酸化物質に注意を向けています。


それでは、抗酸化物質は体内でどんな役割をしているのでしょう?抗酸化物質は炎症を抑えます。そして、最近の研究などでは、炎症が心臓疾患の発症や心臓発作に重要な役割を果たしていることが確認されたようです。それはどのようにでしょうか?では動脈の中を覗いてみましょう。高血圧や高血糖の食事からくる血糖スパイク、喫煙の毒素、環境汚染や殺虫剤などの何らかが、動脈の表面を覆う細胞一枚の厚さである内皮を傷つけます。LDLは、おそらくは傷ついた細胞を修復しようとその傷にとどまり、そして血中のフリーラジカルによって酸化します。免疫細胞が傷を治そうと集まり、炎症はさらに悪化します。指を切った場所の周りが赤くなるのを考えてみてください。体は大きくなる「汚染」を止めようと、硬く繊維質の蓋をしますが、この蓋が動脈プラークです。このプラークが安定している時、炎症は治まって蓋はそのまま残りますが、このプラークが悪さをするのは動脈を狭めることだけです。一方で、不安定なプラークは、破裂して血栓を作り出すことがあり、結果的に狭まった動脈を堰き止めて心臓発作を引き起こすのです。


炎症のある心臓障害なのかを調べるため、医師らは数多くの血液検査に頼ります。こうした安価の検査は、症状が起こる前であっても心臓疾患の見つけるのに重要な役割を果たしています。


では、こぞって検査に行くべきなのでしょうか?おそらく、心臓疾患のリスク要因をいくつか持っていない限りは必要ないでしょう。特にストレスの多いライフスタイルや、過剰な体重、高血糖などです。簡単に言えば、炎症を引き起こすライフスタイルを送っているなら必要でしょう。しかし、まずは気持ちを新たにして、心臓の健康のために何をするべきか、何を食べるべきかをみていきましょう。






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次回に続きます。


2023年4月28日金曜日

健康のための断食 Vol.3
Fasting for Health: What Are the Benefits?

 前回からの続き、最終回です。

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断食の証明されている健康への効果


要約すると、証明されている断食の健康効果は以下です。

  • 体脂肪の減少を促進
  • 血糖値を下げる
  • 2型糖尿病やインシュリン耐性を緩和
  • 血中コレステロールを下げる
  • 炎症を抑える
  • オートファジーを活性化する
  • 神経変性疾患を防ぐ
  • 腫瘍の成長を防いだり遅らせる
  • 化学療法の毒性作用を和らげる
  • 老化プロセスを遅らせる
  • エネルギーや精神的明晰さ、集中力を高める
  • 食べ物に対する強い欲求を抑える
  • 腸内微生物叢のバランスを整え、腸の幹細胞再生を刺激することで消化機能を改善する



断食の取り入れ方


断食に興味があるなら、さまざまな方法がありそれぞれに健康への効果があります。あなたに合った断食法を試して探してみましょう。始める前にファン博士の本を読むことをお勧めします。

以下のような方は断食をしないよう留意してください。
  • 妊娠中、授乳中の女性
  • 18際以下の子供
  • 栄養不良あるいは低体重(BMI18.5未満)の人
  • 摂食障害の病歴を持つ人

糖尿病1、2型、痛風、胃食道逆流疾患、または何か薬を服用している場合、医療専門家の管理のもとで断食を行うことをファン博士は薦めています。

もしあなたが妊娠可能な年齢の女性で断続的な断食に興味があるなら、専門家らが薦めるのはゆっくりと始めて毎日は絶食しないことです。ホルモンバランスや月経周期に気をつけて、もし断食が合わないと思ったらやめましょう。




断食のタイプ


  • 断続的な絶食:  1日に12〜20時間絶食をし、必要なカロリーを食べる時間の間に摂る

  • 24時間の絶食: 1日に一度だけ食べ、その食事で1日のカロリーを摂ります。1週間に2回24時間絶食をすると良いという専門家もいます。

  • 1日おきの絶食: 1日おきに絶食する方法ですが、絶食の日も500〜600カロリーを食べるのは構いません。

  • 5:2ダイエット: これは、1週間に5日間は普通に食べ、あとの2日は500〜600カロリーだけを摂る方法です。

    (注: 絶食の日にも500〜600カロリーをとってもいいのは、単に体重を減らすためにこれらの断食をする人に合わせやすいようにです)


  • 36時間の絶食: ファン博士は、この断食を2型糖尿病患者に使っています。博士が薦めるのは、週に3回の36時間断食を望ましい結果が得られるまで続け、その状態が維持できるよう個人に合わせた絶食法を行なっていくことです。36時間の絶食は、最終日に朝食をぬけば42時間まで容易に延ばすことができます。


  • より長期間の絶食: これは丸2日間(48時間)以上の絶食です。48時間絶食だけを行うことを、ファン博士は一般的には薦めていません。というのも空腹感に関しては最初の48時間が最もきついからです。最初の二日間が過ぎると空腹感は消えていき、多くの人は幸福感を感じたと報告しています。


48時間絶食をわざわざしなくていいもうひとつの理由は、体は2日間のうちに貯蔵したグリコーゲンを燃焼させるからです。一旦グリコーゲンが使い果たされると、ケトーシス状態に入りオートファジーがピークに達します。これが、免疫をリセットするには3日に一度の絶食が推奨される理由です。


信じ難いかもしれませんが、ファン博士の報告によると、7ー14日間の絶食は2日間の絶食と難しさはそんなに変わりません。なぜなら、最初の2日間が最もきついからです。深刻な2型糖尿病患者の血糖値を素早く改善し内臓のさらなる損傷を防止するために、ファン博士は多くの場合7ー14日間の絶食をおこなっています。



私の個人的な絶食体験


私が断続的断食を初めて6ヶ月になり、もう以前の食事には戻るなんて考えられません。多くの人と同様、夜間の9時間ほどの絶食だけをしていました。8:30 とか 9:00pmあたりに軽いおやつを食べ、6:00amに飲むお茶にはハチミツを大きなスプーンいっぱい入れていました。ただ夜のおやつと朝のドリンクの甘味料をなくすだけで、絶食時間は12時間になりました。その後数ヶ月試してみて、自分の体に合っているのは14ー16時間の絶食だということに落ち着きました。


断続的断食の効果を私が感じたのは、食べたいという強い欲求が劇的に減ったこと、空腹感が全体的に小さくなったこと、消化がよくなり、何キロか脂肪が減りました。食べ物への欲求が減ったことが最大の変化でした。人生で初めて、感情や低血糖、架空の空腹感から食べ物をつまむことがなくなりました。今では、何を食べるかについて完全に合理的に決めることができますし、最も健康的に食べ物と関われるようになりました。


断食を始める時は、適応するための時間をとること、体が必要としているものに注意すること、そして浮き沈みに準備することが大切です。そしてもし本当に食べなければならないと感じたら、食べてください!


また、断食の効果を最大にするには、食べる時間の間は何でもかんでも食べて良いという訳でないことを理解するのも大切です。健康的な食事をしましょう。砂糖の摂取をできる限り減らし、加工されていない無添加食品を食べ、健康的な油分(アボカドやナッツ類、種類、ココナツ油やエキストラバージンのオリーブ油など)を取り入れましょう。


では、3日間の断食をしたことがあるかって?しました!断続的な断食を4ヶ月続けた後、もう少し長い断食をする準備ができたと感じたからです。最初の36時間は簡単でしたが、2日目と3日目は厳しかったです。その後はとても快適だったので、また断食するのが楽しみです。




長期の断食をするなら、下記を強くお勧めします。
  • まずは断続的な断食で快適になってからにしましょう
  • 断食中は高品質の電解質と海塩を摂りましょう
  • 下調べをしましょう:始める前にファン博士の本や同様の本を読みましょう
  • 病歴や持病のある人は医師に相談しましょう
  • 自分をあまり追い詰めないようにしましょう。食べる必要のある時は食べましょう!









2023年3月11日土曜日

健康のための断食 Vol.2
Fasting for Health: What Are the Benefits?

前回からの続きです。
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2型糖尿病、癌、アルツハイマー病、自己免疫疾患のための断食の効果


2型糖尿病は、高い血糖値によって起こります。血糖値が長い間、高レベルにありすぎると体がインシュリンを過剰に生成し、それがインシュリン耐性の原因となります。インシュリン耐性とは、過剰なインシュリンに長い間さらされることで、体がインシュリンへの反応をやめてしまうことです。


2型糖尿病が世界で最も急激に増えている病気である理由は明白です。私たちが、あまりに頻繁にあまりに多く食べて血糖値とインシュリンのレベルがいつも高い状態にあるからです。2型糖尿病患者にとって、食事を変えることが最も効果のある治療です。


絶食すると自然にインシュリンレベルが下がり、すぐに2型糖尿病は回復します。2型糖尿病や糖尿病予備軍の方には、こうした症状を断食で治療する専門家であるファン博士の本がお勧めです。2型糖尿病の場合は、断食は医師の監視下において行うようにしてください。


断食は癌患者の方へ様々な効果があります。
まずは、オートファジーによって、癌化する可能性のある細胞が自然に体から取り除かれ癌を予防します。

次に、断食によって、ブドウ糖に依存する腫瘍の成長が制限されます。トーマス・シーフライド博士やヴァルター・ロンゴ博士など一流の科学者らは、癌予防として誰もが定期的に断食すべきだと勧めています。

3つ目には、断食にはがん治療の副作用を防ぐ効果があることがわかっています。断食も「断食のような食事」のどちらも、正常な細胞の化学療法への耐性を高めますが、がん細胞の耐性はそうではありません。断食後、正常で健康な細胞がより強くなり、がん治療の影響を受けにくくなる一方で、断食に適応できないがん細胞は弱まり、化学療法で壊れやすくなります。


アルツハイマー病においては、オートファジーが弱まることがわかっています。通常、オートファジーのプロセスで、脳内に蓄積されアルツハイマー病の原因となるアミロイド・ベータ・タンパク質を取り除きます。オートファジーが弱まると、こうしたタンパクが、記憶や認知に関わる脳の部分における神経結合を最終的には破壊してしまいます。動物実験では、断続的な絶食がアルツハイマー病を防ぐことが示されています。


また、断食によってインシュリンレベルを下げることでも、アルツハイマー病を防ぐことができます。アルツハイマー病は、今では3型糖尿病だと呼ぶ医師や科学者もいますが、それは脳内でのインシュリン耐性に関係があるからです。2型糖尿病は、アルツハイマー病を発症する主な危険因子のひとつだということが研究で示されています。


断食が免疫を強めることを考えると、自己免疫疾患の予防や治療の助けとなることは理にかなっているでしょう。これについての研究は初期段階で、まだ100以上の自己免疫疾患を調査する必要があります。断食は、腸管内菌叢に複数の効果を示していますが、腸管内菌叢は、多くの場合自己免疫疾患で影響を受ける免疫システムの重要な部分です。現在、多発性硬化症やリューマチ性関節炎に断食が効くという可能性が示唆されています。橋本病やクローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患の治療に断食を取り入れている人もいますが、これらへの断食の効果に対する研究はほとんどありません。



                                                 




アスリートのトレーニングのための断食の効果


アスリートの皆さんは、断食には効果があるのか、そして安全なのだろうかと思っているでしょう。実際、周期的な断食によって体はより効果的に脂肪を燃焼させるように訓練されるため、アスリートには大きな利点です。アスリートが「壁にぶつかった」と感じる時というのは、エネルギーとして貯蔵されたグリコーゲンを使い切っていて、体が貯めた脂肪を素早く使えていないということです。



『断食状態の運動は、脂肪を燃焼させるよう筋肉が訓練されます。限られた貯蔵グリコーゲンに頼る代わりに、貯蔵脂肪からほとんど制限のないエネルギーを使うことができます。筋肉は、可能なエネルギー源なら何にでも適応します。断食でグリコーゲンが枯渇した時、筋肉はより効率的に脂肪を燃焼するようになります。脂肪燃焼に特化したタンパク質の量が増え、エネルギーのための脂肪分解が高まります。断食状態のトレーニング後には、筋肉繊維に利用可能な脂肪の増加が見られます。これらすべては、筋肉が 糖ではなく脂肪を燃焼するようになったサインです』 
ー ジェイソン・ファン博士(The Complete Guide to Fasting, Page 244 )


断食を始めるにあたり、体が脂肪燃焼に適応していく間はパフォーマンスが下がることにアスリート達は気づくでしょう。これは「脂肪適応」と呼ばれるものです。ファン博士によれば、このパフォーマンス低下期間は約2週間続きますが、それは現在の食事法や断食や運動の種類など人によって異なります。


蓄積された脂肪の燃焼に加え、アスリートの断食には他に二つの大きな利点があります。まずは、断食はアドレナリンを増やすため、断食中にはより激しいトレーニングをすることができます。第二に、断食が成長ホルモンを刺激するので、よりリカバリーが早くなり筋肉増強が高まります。例えば、ある研究ではたった二日間の断食で成長ホルモンが5倍になったことが示され、また、たった24時間の断食でも成長ホルモンレベルが基準値の2000%に上がったという研究もあります。



出産期女性の断食への良い点と悪い点


ほとんど全ての断続的な断食に関する臨床研究が、男性や更年期以降の女性を対象に行われてきました。一般的に、ホルモンバランスや月経周期に対する悪い影響への懸念のため、更年期の前の女性は研究の対象から外されています。


更年期前の女性でも体重減少のために断食をする人もいて、成功しています。インターネット上で多くの「ビフォアフター」画像を見ることができます。けれど、断食によってホルモンバランスや月経周期に著しい悪影響があったことを報告する女性たちもまた同様に多く存在します。更年期前の女性に対する管理された研究がこれまで行われていないため、なぜ安全に断食できる人もいればできない人もいるのかの原因については推測するしかありません。おそらく、全体的な健康状態や、減らす必要のある過剰な体重がどれくらいなのか、毎日の絶食時間、全体的なカロリー摂取量などが含まれると考えられます。


私の推測では、全体的なカロリー摂取量が大きな要因だと思います。断食とカロリー制限は、実際のところ別ものです。毎日の絶食をしながらも、食べる時間に通常のカロリー量を摂ることができます。これによって、体重の劇的な減少なしにインシュリンの減少や脂肪燃焼へと体を慣らすことなどの絶食の効果が得られます。長期間カロリー制限を行うと、体は「飢餓モード」になりホルモンバランスや月経周期を乱す可能性があります。


反対に、妊娠率という面で、更年期前の女性の絶食の効果もあります。まず、断続的絶食は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の中で、その症状であるインシュリンレベルを下げ、体重を減らし、炎症を鎮静し、ストレス削減、そして不安症や鬱を緩和する方法のひとつとして広まってきています。これらの効果は、現在では研究によって証明されているものもあります。


次に、断続的絶食で体重を減らすことができます。体重過多や肥満は、さまざまな面において妊娠への悪影響を及ぼします。インシュリンレベルや血糖値の上昇、PCOSのリスク、妊娠に必要な性ホルモンの減少、無排卵(卵巣からの排卵がないこと)のリスク上昇などです。


三つ目には、高年齢の女性の妊娠率を高める可能性があります。2008年のハーバード医科大学での研究で、メスのマウスの妊娠率がカロリー制限によって著しく上がることが示されました。生後12か月を超えるマウス(マウスの妊娠という面では末期)にカロリー制限をしたところ、普通に食事させていたマウスよりも卵子の異常染色体が減少していました。また、
カロリー制限したマウスは通常のマウスよりも、人工的に卵巣を刺激して時により多くの卵子を生成していて、そのマウスたちの卵子は受精の際に胎芽へとより発達しやすくなり、子供たちの生存率が劇的に高くなったのです。


また、ミミズなどの虫は飢餓状態では繁殖を止める(驚くにはあたりません)という研究もあります。しかし虫の体は、飢餓の間に存在している卵を破壊してしまい、もう一度食べ始めると幹細胞から健康な卵を再生するのです。その研究では、飢餓によって、虫は通常よりも15倍長く繁殖できるようになりました。また、飢餓の虫はそうでないもの達よりも3倍長くいきました。


この結果により今、熱く議論されているのは、ヒトに卵巣幹細胞は存在するのか?ということです。


1951年以降、女性は、その後の卵子をすべて持って生まれたてくると信じてきました。しかし身体の成長研究では、ヒトを含む哺乳類が、年をとるとともに新しい卵子を作ることのできる卵巣幹細胞を持っていることが示唆されています。もしこれが本当なら、成熟、あるいは未熟な卵子を破壊してしまう放射線治療や骨髄移植などを経た女性達でも、なぜその後の妊娠が可能ののかを説明することができます。


絶食が免疫システムを新しくするのと同様に、女性の卵子供給も新しくするのかもしれません。断食がオートファジーを誘発するなら、古く壊れた卵子も再生するよう体にスイッチが入るのかもしれません。そしてまた食事を再開すると卵巣幹細胞が刺激されて新しく健康な卵子が作られるのかもしれません。それが、虫の研究で起こったことです。人間にも同様のプロセスが起こるのでしょうか。それはまだわかりません。


常識が示すように、もし妊娠率を高めるために断食をしようとしているなら、妊娠する前に試すべきだと専門家は薦めています。カロリー不足時は体が妊娠しないように働く可能性が高いため、妊娠しようとしながらの断食は非生産的だからです。




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またまた、次回に続きます。





2023年3月4日土曜日

健康のための断食 Vol.1
Fasting for Health: What Are the Benefits?

今回はファスティング(断食)についての記事です。
多くの断食の合宿やワークショップがありますが、どんな効果があるのでしょう?
デメリットはないのでしょうか?

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1月のとある水曜日の朝、気分が悪くて目が覚めました。喉が痛く、いつもと違って疲れていて、体が何かと戦っているのが感じられました。それまで3年間も病気なんかしなかったのに!どうして風邪ひいてしまったんだろう、と思いました。

自宅でCOVIDのテストをしてみましたが、幸いなことに陰性でした。けれど、4日経っても風邪の症状は良くなりませんでした。あきらめて彼にん風邪薬を買ってきてと頼みました。彼は眉を上げながらこう言いました「3年間病気なんかしてないわと自慢してるからこうなったんだよ」はい、あなたの言う通りです。



斬新な案:健康のための断食


その日遅くに Facebook をスクロールしていたら、あるポストが目につきました。「3日間の
断食で全免疫再生が可能」そのとき気弱になっていた私は、見出しにすっかり魅了されました。3日間何にも食べないということさえ考えるほど、気分がよくなるならなんでもやるという気分だったのです。


それまで断食などしたことはなかったし、食事を抜いたこともありませんでした。忙し過ぎて食事を忘れるタイプの人間でもありません。そんな人たちを理解することなんてなかったのです。


けれど、その確かな研究に基づいた記事はとても興味深く、ここでご紹介するに至ったのです。1日中 Google した結果、取り憑かれたように栄養について読んでいたのに、この研究には今まで出会ったことがないことに驚きました!(おそらくだれも3日間の絶食なんてしたくないからでしょうね?)





健康のための絶食について知る


5日目の朝、ずいぶん気分が良くなっていました。その午後、前の週にCOVIDが陰性だった親しい友人の一人が陽性になりました。もう一度、自宅でテストしてみたところ・・・なんと陽性。結局ずっと COVID だったのです。ワクチンのブースト接種までしていてものすごく感謝しました。もし接種していなかったらもっともっと大変だったでしょうから。

それでもまだ断食についてもっと知りたいと思い、まずはジェイソン・ファン博士の「断食の完全ガイド」を読み始めました。読み始めると止められなくなりました。数日間の断食をどうやって行うかについてのもっとシンプルなガイドだと思っていたのですが、それ以上のことが書かれていました。一番心に残ったのは、何を食べるかと同様に食べる時間が重要だということです。

ここでお伝えしたいのは、
  • 断食がなぜ食事と同様に自然なことなのか
  • 断食中には体で何が起こるのか
  • 2型糖尿病、癌、アルツハイマーへの断食の効果
  • 断食のアスリートへの効果
  • 出産可能年齢の女性の絶食に対する賛否
  • 絶食の証明されている健康への効果
  • 絶食を取り入れる方法


絶食は食事と同様に自然なこと


以前、断続的な絶食についての研究を読んだことがあり、2型糖尿病の人や体重を減らしたい人に大きな健康効果があることを理解していました。断続的な絶食はインシュリン・レベルを素早く自然に下げるのです。けれど、私個人がそれから恩恵を受けるとは考えたことがなく、またやりたいとも思っていませんでした。空腹でいることが大嫌いだし、お腹が好きすぎると頭が少しくらくらして不安に感じることが多いのです。


断続的絶食になじみのない人にとっては、他の健康への効果の中でもインシュリンを下げたり体重を減らすためには、食事のタイミングを変えることです。食べない時間を、例えば午後7時から午前7時まで、1日12時間、あるいは14、16、18、20時間作るのです。あなたの全てのカロリーは日中の「摂取時間帯」に使われます。12時間絶食なんて簡単に聞こえるかもしれませんが、夜間のおやつを控えたり朝のコーヒーに砂糖を入れないなど結構大変なのです!



食べることがより食べることを招く


ファン博士の本を読んですぐに理解したのですが、私が頻繁に食べたくなる理由は頻繁に食べていたからだということです。頻繁なカロリーのインプットに体が依存するよう慣らしていため、食べない時間が長くなったとき、体はどうしていいのかわからなくなってしまっていました。体が、本来そうであるべき脂肪燃焼モードにうまくシフトしないのです。私は「代謝的に柔軟」ではありませんでした。


後でご説明しますが、各食事の間の食べない時間をより長くすると、体は効率良く貯めた脂肪のエネルギー変換するようになります。多くの人とって、この変換はすぐには起こりません。脂肪燃焼が効率良くなる体になるには数週間かかります。そしてそれは、断続的な絶食のタイミングや、食べる食べ物の種類などによって様々に変わります。



祖先は健康のために絶食していた


健康に気を配る人の多くは、人類が進化してきた時とできるだけ同じ食生活を送りたいと思うでしょう。今の健康問題が現代的な食生活の結果からくるものが多いため、「旧石器時代」の原始的な食事をすればその問題は解決するはずだと考えるというわけです。


つまり、原始的な食事をするということは断続的な絶食を毎日の習慣にするということなのです。数時間、時には数日の絶食は常に私たち人類の一部でした。私たちの体は絶食の時間で、解毒したり、壊れた細胞を修復したり、インシュリンレベルを下げたり、貯めた脂肪を使ったりします。私たちの多く、そして私がしているように、ずっと食べ続けるというのは人間にとって普通ではないのです。



精神的な実践としての健康のための絶食


農耕の発展により絶食しなくてもよくなってからも、多くの文化や宗教では、健康のためや精神的な実践法として絶食を続けてきました。今日では、ギリシャ正教や仏教、イスラム教、ヒンズー教など、世界中の宗教の実践者らが定期的に断食をしています。ヒポクラテスやプルタルコス、プラトン、アリストテレスなど古代の医師や学者らもまた健康のための絶食を勧めています。パラケルススやベンジャミン・フランクリン、マーク・トウェインもそうでした。


ファン博士が指摘するのは、1970年台までほとんどの人は1日に12-14時間食べずに過ごし、食事の間のおやつも食べませんでした。けれど今のアメリカ人は、継続的に食べることが健康に一番良いという誤解のため、1日平均5-6回も食べています。



絶食すると体内で何が起こるのか?


私たちが食べると、膵臓がインシュリン・ホルモンを出します。インシュリンは、食べた食物をブドウ糖に変換してすぐにエネルギーとして使い、残りはグリコーゲンや脂肪として貯蔵します。


食べる回数が多いと、インシュリン・レベルは高いままで、血糖値レベルもずっと高くなります。インシュリン・レベルが高いままだと、エネルギーとして常にブドウ糖を使い続け、余剰のエネルギーをグリコーゲンや脂肪として貯蔵し続け、ためた脂肪は全く燃やさないままになります。


貯めた脂肪を燃やすためには、インシュリン・レベルを下げる必要があります。それは、しばらく食べないでいるときに起こります。体内に貯蔵したグリコーゲンは約24ー36時間止まり、その後でやっと体が貯めた脂肪をエネルギーとして燃やし始めるのです。



ケトダイエットと脂肪燃焼


流行りの「ケトダイエット」の仕組みは、こうです。1、2日の断食の後、私たちの体は完全にケトーシス状態に入ります。ケトーシス状態では、低いインシュリンレベルのためエネルギーになる脂肪の分解が刺激されます。貯め込まれた脂肪は脂肪酸に分解され、体のほとんどの組織でエネルギーとして使われます。体もまた、こうした脂肪酸でケトン体を作り、これが脳でエネルギーとして使われます。


絶食した時、体内では他にも有益なことが起こります。アドレナリンが増えて代謝が早まり、エネルギーが増えます。成長ホルモンの生成が増え、筋肉量が保たれて老化を緩やかにします。そして、脳由来神経栄養因子の生成が増えて、アルツハイマーやパーキンソン病、ハンチトン病などの神経変性病の進行を遅らせます。



オートファジーとは?


絶食時にはまたオートファジーが起こります。2016年、日本の細胞生物学者である大隅良典氏は、オートファジーの発見でノーベル賞を受賞しています。


オートファジーとは、傷ついたり病気になった細胞を体が再生することです。絶食すると、これらの傷ついたり病気になった細胞を維持するエネルギーが十分に入ってこないので、体はこうした細胞を分解して新しい細胞の成分としてリサイクルします。そうして作られた新しい細胞がリサイクルされた細胞と入れ替わっていくのです。


これには免疫細胞も含まれます。古くなって傷ついた白血球は絶食するとリサイクルされるので、絶食中には白血球の数は減少します。そしてまた食べ始めると、より効果的に病気から守ってくれるよう適切に機能できる新しい白血球を再生するよう幹細胞が刺激されます。このように、絶食の中で免疫が再生されていきます。





食べ続けるとオートファジーが働かなくなる


ブドウ糖やインシュリン、タンパク質のレベル上昇により、オートファジーのプロセスは止まります。ですから、常に食べ続けている時にオートファジーは起こりません。動物実験により、絶食後約24時間でオートファジーが始まり、約48時間後にピークに達し始めることがわかっています。


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次回に続きます。








2022年5月26日木曜日

ヨガと骨の健康に関する新しい研究 
New Research on Yoga and Bone Health


カルシウムやビタミンDをたっぷり摂って、そしてヨガをする?骨粗しょう症や骨減少の治療や予防に関しては、より頻繁にヨガがいいと耳にするようになったかもしれません。その理由のひとつは、「Topics of Geriatric Rehabilitation」に発表されたローレン・フィッシュマン博士による10年来の研究の結果のおかげでしょう。





フィッシュマン博士らは、12ポーズ、つまり、ヴルクシャサナ(木のポーズ)、トリコナサナ(三角のポーズ)、ヴィラバドラサナII(戦士のポーズII)、パールシュヴァコナサナ(側面伸展のポーズ)、パリヴリッタ・トリコナサナ(回転した三角のポーズ)、仰向きの手を足につけるポーズのバリエーション2種(スプタ・パダングシュタサナ)、座位のツイスト2種、そしてシャヴァアサナ(屍のポーズ)の効果について研究しました。参加者は、全てのポーズを約12分間で終えるよう、DVDを使って行いました。


インターネットで募った741人のうち、227人が毎日あるいは1日おきにヨガを日課とし、そそれらの人たちを「完全に準拠」「やや準拠」と研究の対象としました。残った参加者のうち89%が女性で、年齢の平均は68歳でした。参加者の80%以上が、それまでに骨粗しょう症や骨減少と診断されたことがありました。


研究者らは、研究開始時と10年後の参加者の骨ミネラル濃度(BMD)データを収集しました。


その結果は?とても勇気づけられるものでした!「完全に準拠」「やや準拠」の参加者227人の、脊椎、骨盤、大腿骨の骨ミネラル濃度に向上が見られました。「ヨガに関連した深刻な怪我は、全く見つからず報告もなかった。ヨガ実践者においては、骨の質的な向上があったと思われる」と研究者は述べています。


もちろん、より多くの研究は必要ではありますが、それでも、これらの結果は希望に満ちており、おそらくヨガ実践者らがこれからも毎日マットの上に立つもうひとつの理由になることでしょう。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/new-research-on-yoga-and-bone-health

2021年12月10日金曜日

忘れっぽい?集中力と注意力を高める神経科学者推奨のエクササイズ 
Forgetful Much? Try This Neuroscientist’s Simple Exercise to Boost Focus and Attention



神経科学者で「Peak Mind」 の著者であるアミーシュ・ジャア博士は、このところマインドフルネス界のジョン・カバット・ジンみたいに大きな注目を集め話題になっていますが、ある朝、目覚めると歯に感覚がないことに気づいてショックを受けました。そう、まるで局所麻酔したかのように歯が痺れていたのです。多忙でストレスの多い生活が原因で注意危機に陥っており、博士自身が脳科学ラボで研究している「注意システム」により注意を向ける警鐘となりました。

「注意は、大きな能力です」ジャア博士は言います。「注意力の調整することで、日々の生活を理解し、考え、感じ、記憶を味わい、将来を夢見ることができます」

ジャア博士によれば、私たちには3つの高度に調整された「注意システム」があり、脳の中で指揮者のように働いて、後で見つけ出すことのできる考えや経験を蓄えている作業記憶システムを連携させています。




注意が失われる原因は?


わかっているのは、ジャア博士のように昼夜を問わず忙しくしていると、私たちの注意システムはひどく劣化する可能性があるということです。博士の仕事は、高ストレスの教授や研究者で、またTEDのスピーカーで、母で、そして今では新進の作家であり、彼女の多忙な生活をとても優秀な指揮者のように管理しています。もちろん、忙しいと感じていましたが、ほとんどの場合は平気でした。注意システムは、それを変えてくれと懇願していたのです。

注意について、もうひとつショックだったことは、ある日の夕食後、ソファで横たわってリラックしていた時のことでした。幼い息子が「ワンプって何?」と尋ねたのですが、何のことがわからなかったのです。ワンプという名前の生き物が出てくるセウス博士の「One Fish, Two Fish, Red Fish, Blue Fish」を何百回も読んだことがあるのにも関わらずです。

研究者であるジャア博士はすぐに、同じような症状の人が大勢いることを発見しました。私たちは、注意を払わないでいるために、人生の半分を失っているのです。




幸い、ラボや軍の兵舎、消防士のような前線で働く人々とともに行ってきた彼女の研究により、マインドフルネス(ヨガのような活動を含む)が注意システムを元に戻すのに役立つ可能性があることがわかりました。




注意システムを理解する


「注意システム」は3つのサブシステムから成っていて、「ワンプ」に満ちた複雑な人生の中で私たちがうまく機能するよう共に働いています。

  1. 懐中電灯
    注意を集中する時、それがどの点であっても、それは頭の中で明るく強調され顕著になります。例えば、クラスのためにヨガマットが必要だとしましょう。部屋を歩き回ってあなたのマットの色や形、テクスチャを探すと、ほら、あった。ありがとう、懐中電灯さん。


  2. 投光照明
    懐中電灯が狭い範囲で集中するなら、投光照明は広い範囲で多くを照らします。マットが見つかったので、車を運転してヨガクラスに行きます。投光照明は、道路を見て、止まれの標識に注意し、スピードに注目し、歩行者や自転車に気をつけ続けます。何かを探しているわけではなく、注意を集中する必要のあるものに反応していつでも懐中電灯をさっと取り出せる準備ができているのです。


  3. ジャグラー
    ジャグラーは、瞬間ごとに行動を指揮し、監督し、処理します。ジャア博士が言うように「ジャグラーが、行動とともに何をするかという目的を確実にします。つまり、ジャグラーが、行動が順調に果たされるよう頭の中で目的を保ち続けます。(駐車場に車を停めてメールをチェックしている時、ジャグラーが、あなたのスクロールしている手を止めてクラスに行かせようとする)」



注意に注意を払う


作業記憶によって、脳内のこれら3つのサブシステムがそれぞれの役割を調整されています。「作業記憶とはメモ帳のようなものです。脳内の一時的「作業領域」であり、そこで懐中電灯や投光照明、ジャグラーの情報をとても短い時間(数秒から長くても1分)で処理されます」ジャア博士は言います。

注意を払う時は(懐中電灯や投光照明、ジャグラーであっても)いつでも、処理される情報は、作業記憶内に一時的に保存されます。共に、注意と作業記憶システムは意識的な経験で形作られ、そうした情報を日々の生活を送る中で用いることができるのです。

「注意というのはパワフルです。が、揺るぎないというわけではありません」ジャア博士は言います。

脳は、サバンナでガゼルを狩るには懐中電灯、危険を察知するには投光照明、ジャグラーを満足させるために夕食を持って帰るなど、作業記憶のメモ帳の3つのサブシステム間で素早く揺れるようになっています。この能力がサバンナで不可欠である一方、そのせいで激しい「注意市場経済」(宣伝文句や警報、「ニュース速報」の点滅など)の脆い餌食にになります。




注意が最も消耗するのは


けれど、Appleに怒りをぶつける前に、知っておいてください。携帯電話は問題の一端に過ぎません。僧たちは、紀元400年から心の動揺全てを避けようとしていて、それがとても困難なことだと気づいています。
 
注意が最も消耗されるのは、実は、思考や感情、後悔、心配、欲望、予定など、忙しさが煮立った大鍋のような頭の中なのです。「注意は常に、居てほしい場所から引き離されて、それが真実から最も遠いものであっても心がより『関係があり』『緊急』だと決めたものへと移ります」博士は言います。そんなストレスや、沈んだ気分、恐れだけでなく、注意の質が下がり、ああ!すっかり忘れてた!と言うことになるのです。

ジャア博士の研究(そして、彼女の歯が痺れた体験)から、注意に影響を与えるのはストレスの多い体験だけではないことがわかっています。「やるべきことが多すぎると感じたり、心の明晰さや集中力の変化に気づき始めるかもしれません」その結果、ワンプのページ全部が隠れてしまい、心の中の買い物リストが消え、年金をもらい始めるずっと前から「何話してったっけ」の瞬間がやってきます。

大きな能力をケアする方法のひとつは、マルチタスクしようとしないことです(代わりにひとつのタスクを)。けれど、もちろん、ストレッサーの多くは避けられません。仕事、子供の世話、夕食の準備などが一気に直撃します。

ストレスの原因のひとつも諦めるつもりのない博士は、その強力な懐中電灯の光線を注意システムの理解に向けました。マインドフルネス瞑想を毎日行うこと、「今この瞬間に注意を落ち着けて、何が起こっているのか、何が起こるのかの物語を論じることなく体験すること」が、心の曇りを晴らし、心を整理し、心の集中力を強め、それによってより人生を体験することができるのです。




プレッシャー下でマインドフルに


毎日20分のマインドフルネスを続けるうちに、博士は歯の感覚を取り戻しただけでなく、よりその瞬間を感じ、より効果的に体により落ち着けるようになりました。「自分が有能だという感覚やコントロールできている、困難に向き合ってそれを乗り越えられるという自信を感じました」

「自分自身を行動指向で、結果主義、高い目標にぎりぎりまで挑む競争的な野心家だと考えていたので、これで得られたことは驚きでした。もっと強く求める、より早く良く考える、より多く行動するということではない心の使い方を、初めて体験しました。それは、人生のその瞬間を感じる、受け入れる、好奇心を持つことでした」

ジャア博士は、私たちは考えることや行動することにまとまって慢性的に中毒になっていると考えています。その状態にあるというモードには、簡単にはなれません。しかし彼女の研究では、マインドフルネス瞑想が、より効果的に考えたり行動したりするのに役立つと示唆されています。

「Peak Mind とは、考えたり行動することを優先しない状態です。注意のどちらのモードをも制御します。集中しながら受け入れられる、このバランスによって、注意に関する困難を乗り越え突破できるのです」




STOP の実践法


博士は、著書 Peak Mind の中で、パフォーマンスを最大にする毎日の集中と注意システム喚起を通して注意コントロールを取り戻すことに的を絞った、12分間の脳トレ・プログラムを開発しています。

マインドフルネスが初めての方や、毎日の12分間脳トレをするのはまだ無理だという方に博士が推奨するのは、以下の STOP を1日に数回行い、いつでも注意がどこにあるのかへの気づきを高めることです。

  • S(Stop) = この瞬間にしていることを止める

  • T (Take a breath)= 呼吸をする

  • O (Observe)= 心の中や周囲で起きていること(思考、感情、身体感覚)を観察し、それに引き込まれることなく気づく。ただ観察し、身を任せ、そして受け入れる。

  • P(Proceed)= より集中し、より明確に続ける

博士が1日を通して注意を払うことでマインドフルネスを実践し始めた頃、心がバッタのように常にあちこち飛び跳ねてちっとも集中できないことに気づきました。「一日中、どんなに心が彷徨っているかにショックを受けました!」マインドフルネスを毎日2ヶ月行った後、劇的な変化を感じました。生きていると強く感じたのです。

現在、ジャア博士は、Peak Mind の毎日の練習と20年間の脳研究のおかげで、人生を豊かに生きられるようになっただけでなく、集中力、そして不思議なワンプのように消えていく人生の半分を取り戻すため、毎日数分間の脳トレを広めるため皆さんの注意を惹きつける使命に取り組んでいます。

2021年10月25日月曜日

心の健康のためのヨガ 
Yoga for better mental health

ハーバード大学のサイトからです。
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心を落ち着かせ集中させる呼吸の練習や瞑想に重点をおいてるヨガに、不安や鬱の緩和など精神的な効果があるのは驚くことではない。もっと驚くべきことは、実際に脳の働きをよくするということだろう。



脳を活発に


ウェイト・リフティングをすると、筋肉は強く大きくなる。ヨガをすると、脳細胞は新たな繋がりを作り、機能だけでなく脳の構造をも変化させ、その結果として学習や記憶などの認知機能が向上する。ヨガは、記憶や注意、認識、思考、言語などで重要な役割をする脳の部分を強化する。脳がウェイト・リフティングをしていると想像してみるといい。


MRIのスキャンや脳のイメージング・テクノロジーを使った複数の研究では、ヨガを習慣的に行っている人の大脳皮質(情報処理を司る脳領域)と海馬(学習と記憶に関わる脳領域)は、ヨガをしない人と比較すると、より厚いことが示された。脳のこうした領域は年を取ると一般的に収縮するものだが、ヨガをしない人よりヨガの高齢の実践者はその収縮が少ない。これは、ヨガが老化に伴う記憶やその他の認知機能の低下を防止する可能性があることを示唆している。


また研究によれば、ヨガと瞑想によって、論理的思考や決断力、学習、反応時間、知的鋭敏さのテストでの正確さなど実行機能が向上する可能性があると示されている。



気分が向上


どんなエクササイズでも、行うことで、ストレスホルモンのレベルが下がり、エンドルフィンなど気持ちの良くなる物質の生成が増え、より酸素を含んだ血液が脳に送られて気分が向上する。しかし、ヨガにはそれ以上の効果があるかもしれない。不安の減少や気分の向上に関係するガンマ・アミノ酪酸(GABA)という脳内物質のレベルを上げることで気分がよくなるのだ。


瞑想もまた、感情をコントロールする脳の部分である辺縁系の活動を減少させる。感情的な反応が下がると、ストレスの多い状況に直面した時の反応が和らげることができる。


鬱や不安の治療の中心は、長い間、薬や話し合い療法である。しかし、ヨガのような補完的アプローチにも効果があり、また、ヨガはその他の補完治療に匹敵している。


「Aging and Mental Health」誌で発表された15の研究の再調査では、高齢者の鬱や不安に対する様々なリラクゼーションのテクニックの効果を調べた。ヨガに加えて、マッサージ療法、漸進的筋弛緩法、ストレス管理、音楽鑑賞などが行われた。これら全てにいくらかの効果があった一方で、ヨガと音楽が鬱、不安のどちらにも最も効果的だった。またヨガの効果は長期に持続するようであった。


ヨガがPTSD(心的外傷後ストレス障害)の緩和に役立つことが、多くの小規模研究でわかっている。ヨガだけで用いられることはないが、侵入性記憶や感情喚起を緩和し、穏やかで安定した呼吸をもたらすのに役立つ付加的な治療として使用される。深くゆっくりとした呼吸は、副交感神経を活性化するのに役立つので、より落ち着いた状態になるのだ。










(
出典)https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/yoga-for-better-mental-health

2021年10月21日木曜日

ヨガで姿勢を正せるか? 
Can yoga fix your posture?

柔軟性と体のアライメントに焦点をあてるヨガは、姿勢を正すことができるのでしょうか?



ヨガには様々な効果があると知られていますが、柔軟性やマインドフルネスを高めながら、姿勢を直すことができるのでしょうか?その場凌ぎのホームオフィスで長時間の作業をしていたり、ずっとスマホを見ていて首が痛くなったりしたことのある人は、おそらく姿勢を正したいと思っているのではないでしょうか?


クリーブランド・クリニックでは、立っている時、座っている時、横たわっている時に保っている体の位置を姿勢と定義しています。私たちの毎日の動きや活動が、体のアライメントに影響し、関節や筋肉にストレスを与え、時には痛みの原因になります。ありがたいことに、体のアライメントの問題の解決や凝り固まった体をほぐすのに、全てのタイプのヨガが役に立つ可能性を持っています。


腰痛を持っているなら、姿勢を正すことが痛みの根本原因をなくすことはできないかもしれませんが、筋肉の緊張をやわらげることはできるでしょう。腰痛が数週間続いている、あるいは怪我が深刻であったら、エクササイズを始める前に医師に相談してください。



ヨガで姿勢を正せるか?


どんなエクササイズも姿勢を向上するのに役立つ可能性がありますが、ヨガのようなエクササイズは特に有効かもしれません。「Journal of Physical Therapy Science」に掲載された研究では、50ー79歳の女性80人に、毎週の集中的なヨガポーズ・プログラムを行ったところ、その他の従来のエクササイズよりも背骨の柔軟性向上に役立つことがわかりました。


シカゴにある Bloom Yoga Studio のオーナーでありヨガアライアンスの役員であるケリー・マイヨルカは、ヨガだけでは姿勢は直らないが、確実に役に立つだろうと考えています。彼女によれば「ヨガは、姿勢を向上したい人誰にでも効果があります。というのも、健康的な背骨のアライメントを見出すのに不可欠な体幹の強化に役立つとても多くのポーズがあるからです。また、ヨガのマインドフルネスの練習によって、自己認識が高まり、椅子の上で猫背になっていたり、デバイスを使っている時に頭を前に突き出していることに気づきやすくなるでしょう」



あなたの姿勢にはどのタイプのヨガが最適?


Yoga and breath–work teacher Geraldine Joaquim told Live Science that body alignment is integral to all yoga poses but cites some specific yoga for back pain poses that can help the shoulders and upper back specifically:ヨガとブレスワークの指導者であるジェラルディン・ホアキムによれば、体のアライメントにはすべてのヨガポーズが欠かせないけれど、特に肩や上半身のためのポーズが腰痛に効果があると言います。


  • 猫のポーズでは、胸を前後に動かして、上半身の柔軟性を高め、背骨をストレッチし伸ばします。
  • 橋のポーズは、背骨を支えている筋肉を強化するのに役立ちます。
  • 下向きの犬のポーズは、腰痛を緩和することができ、胸と肩を開くことで筋肉を強化し、それによって椎骨をまっすぐに脊柱を整えることができます。
  • 両脚を前に伸ばし、足首を曲げ背中を伸ばして床に座る杖のポーズなどの座位のポーズでは、胸や背中の筋肉を強化し、同時に脚をストレッチ、腹部を強化します。

ホアキムによれば、「陰ヨガは特に姿勢のために良いです。ゆっくりと動くヨガで、他のヨガが注目するような筋肉ではなく、深部にある結合組織(靭帯、関節、筋膜)に焦点を当てています。陰ヨガは、ポーズをより長く維持し、呼吸を使ってリラックスすることを通して、柔軟性や血流を高め、筋肉の再生を助けます。けれど、実際、ヨガの練習のほとんどは、自然に姿勢を向上させるでしょう」



姿勢をよくするためにどう寝ればいいの?


人生の3分の1は、寝ている(あるいは寝ようとしている)ので、日中の座り方や動き方と同様に、寝る姿勢は重要です。けれど、完璧な眠る姿勢というのはあるのでしょうか?Acorn Health 臨床部長であり British Chiropractic Association (BCA)のメンバーであるカイロプラクターのフィリッパ・オークリーによれば、「最も理想的な睡眠時の姿勢のひとつは、首を支える枕と膝の間の枕を使って横向きに寝ることです。通常、首や上半身の伊民に繋がるのでお腹を下にして寝ないようにと言いますが、この姿勢で眠らないとしっかりと熟睡できない人も多くいます。そういう場合は、この姿勢でいられるように、より多くの枕や異なる枕が必要かもしれません」


「私の一番のアドバイスは、どう寝ているかについてあまり心配しすぎないことです。一晩中、寝返りし続けていますから。私たちが眠るのは回復し癒すためであり、眠り方を心配していると、深く良い眠りができなかったり、元気を取り戻す効果を得られなくなる可能性があります」


腰痛やコリで目が覚めるなら、いろんな姿勢を試してみましょう。



長年の悪い姿勢は直せる?


姿勢の「良い」「悪い」には、医学的な統一見解が存在しないと聞くと驚く人もいるでしょう。National Library of Medicine の2012年の研究では、欧州4カ国の理学療法士295人がもつ座位の認識について調査しました。


猫背から垂直まで9つの選択肢から、回答者に完璧な姿勢を選択してもらいました。85%が、2つのうちの1姿勢を選びましたが、この2つはかなり異なっていて、ひとつは腰椎の曲線が他方より小さく、上背部がよりまっすぐでした。総合的に、「正しい」背骨の位置は何なのか、最良の座位の姿勢とは何なのかについて、意見の相違がありました。


BCAのフィリッパ・オークリーは、正しいと考えている姿勢にしようと悪い姿勢になるのが
、実は痛みの原因だと言います。「『良い姿勢』を保とうと心配して、腹筋を引いて腰を反らし、体に力を入れると、実は、より痛みが増します。悪いと考えられている姿勢をやめることに心配しすぎないこと、よく動かすことに集中することが必要です。特に、多くの人が、1日の多くの時間を同じ姿勢で作業していますから」


「痛みを軽減・緩和するために、毎日の習慣的な運動を取り入れることが重要です。長時間デスクに座って働いているなら、定期的に立ち上がって動き回ったり深呼吸したりしましょう。カイロプラクターは、セルフケアの一貫として、運動しやすくすっきりできるよう、痛みを緩和したり関節や筋肉の可動性を向上をお手伝いします」


2021年9月8日水曜日

体重を減らすのに役立つヨガの3つの大きな側面 
3 Big Ways Yoga Can Help With Your Weight Loss Goals

今回は、Everyday Health からの記事です。
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マットの上でカロリーを燃焼すると言うだけではない。習慣的なヨガの実践によるストレス解消の効果が体重のコントロールにも役立つ可能性があると、専門家らは言う。




ヨガには、筋肉の強化から睡眠の質の向上、ストレスの緩和など多くの健康効果があります。痩せるのにも効果があるのでしょうか?


ヨガは、いくつかの方法で体重を減らすのに役立ちますが、それはマットの上でカロリーを燃焼させるということだけではない、とオハイオ州にあるクリーブランド・クリニック・センターのヨガ・プログラム・マネージャーであるジュディ・バーは言います。彼女は、国際ヨガセラピスト協会とヨガ・アライアンスの資格を持っています。


ジュディによれば「ヨガは、正しく行えば、ライフスタイルの変化をもたらす」つまり、運動量が増えて感情的な食べ方をしなくなります。また、ストレス管理に効果があり、体重の維持にも役立つと彼女は言います。


彼女は、一緒にヨガを実践してきた人たちが痩せたのを見てきたし、自身の研究の結果もそうだと言います。


2013年7月の American Journal of Lifestyle Medicine に掲載された共同発表では、ヨガの体重減少効果を評価する多数の研究を再調査しました。


そのデータによって、ヨガは多くの点において、体重の現象や維持に関係があることがわかりました。ヨガ・セッション中のエネルギー消費、腰痛や関節痛緩和によるエクササイズの促進、マインドフルネスの高まり、気分の向上やストレスの緩和、また、体や満足感、食習慣への関心の深まりなどです。


その他、2016年の Yoga in Prevention and Therapy の特集になった研究では、ヨガを通して痩せたと報告した成人20人のインタビューから収集したデータを分析しています。参加者らの答えから、研究者らは、以下の5つの点が体重減少に役立ったと結論付けました。健康的な食事への変化、ヨガのコミュニティや文化の影響、身体的な変化、精神的な変化、そしてヨガの体重減少が今までの体重減少とは異なるという確信です。


体重を減らそう、維持しようとしているなら、バーたちの言うように、以下のような3つの方法でヨガが役立つかもしれません。




1. マインドフルな食事


ボストンのハーバード医大の准教授であり、ヨガアライアンスの研究ディレクターであるサット・ビル・シン・カールサ博士によれば、ヨガは、ただマットの上で筋肉を強化しているだけではありません。


長い間ポーズを保っている時、体がどう感じているかにつながっている、とカールサ博士は言います。インストラクターは、呼吸を観察したり心や体が何を伝えようとしているかに注意を向けるよう言いますが、それがマインドフルネスを学び実践する方法です。


そして、マットの上でマインドフルネスを実践することは、マインドフルな食習慣を実践することにも役立ちます。マインドフルな食事とは、空腹の合図を認識して過食を制限することです。時間が経つにつれ(そして実践を重ねるうちに)、自身を満たしエネルギーを与えてくれる食べ物がどれなのか、負の効果を持つもの(だるくなったり膨満感を感じるなど)がどれなのかに注意を向けるようになります。そして、そうした食事や痩せる食事法にこだわり、全体的に健康的な食物を選ぶという行動こそが全てだと、博士は言います。


カールサ博士は、2015年7月 International Journal of Yoga で発表された、ヨガが、より多くの新鮮な野菜、全粒穀物、大豆加工品を摂り、特に脂肪を減らすという食習慣の変化に関係しているという調査に注目しています。


また、2015年 Journal of Sport and Exercise Psychology に掲載された研究では、ヨガや有酸素運動を習慣的に行なっている159名の女性のデータを分析しています。有酸素運動をしている人に比べて、ヨギは乱れた食習慣をしている人が特に少ない傾向にありました。


「ここがヨガの素晴らしいところです。ただ運動しているだけでななく、体のサインを聞くということです」




2. ストレス管理


ヨガは慢性ストレスを下げるのに役立ちます。ストレス、特に管理されていない慢性ストレスは、多くの面で体重増加に関係しています。ヨガは、慢性的なストレスレベルを下げるのに役立ちます。


ブレスワーク(呼吸法)や瞑想は、ヨガの実践の基礎です。そして、どちらもエネルギーを増大し、気分を向上させ、ストレスレベルを下げる、とチャールストンの南カリフォルニア医大の准教授であるスンダール・バラスブラマニアン学術博士は言います。彼の研究の中心は、ヨガの呼吸法がどのように慢性病などに悩む人々の健康を促進するかです。(バラスブラマニアン博士はまた、国際ヨガセラピスト協会認定のヨガセラピストであり、ヨガの呼吸法のコースのある PranaScience Institute の創立者でもあります)


「ストレスは、コルチゾールを引き上げ、ストレスによる食べすぎや睡眠障害を引き起こすので、痩せるのを困難にします」とバラスブラマイン博士は説明します。深い呼吸は、ストレスを解消し、体重の減少をより困難にする(あるいは体重増加の原因となる)こうした負の効果を逆転するのに役立ちます。


バラスブラマニアン氏によれば、「呼吸のエクササイズに反応して、体内で生理学的な変化が起こります。マインドフルネスのエクササイズが、体内コルチゾール分泌量を減少させることが、研究でわかっています」


2017年12月 Psychoneuroendocrinology 誌に発表された再調査では、ヨガが、夜間や起床時のコルチゾールレベル、安静時の心拍数とコルチゾールレベルを下げる可能性があるという42の研究のデータを分析しています。



3. 筋肉を増やす


筋肉量を増やすことは、ヨガが体重を減らしたり維持するのに役だつもう一つの側面です。


「筋肉強化といえば、ウェイトトレーニング室でバーベルを上げなければならないと考えるでしょう。ヨガでは、抵抗力として自分の体重を使います。全てが動かせるバランスを保つため、全身が働きます」国際ヨガセラピスト協会とヨガアライアンスの認定インストラクターで、ノースカロライナのダラムにある Duke Integrative Medicine のヨガセラピストであるキャロル・クルコフは言います。


プランク・ポーズを保持するのを思い浮かべてください。肩やコア、腰、脚の筋肉を使って体を支えています。プランクからダウンドッグへ移行するかもしれません。前腕や肩、背中を筋肉群を活性させるでしょう。これら筋肉がカロリーを燃焼します、とクルコフは言います。


2016年6月に Preventive Medicine で発表された2000人以上が参加した30の試験のレビューでは、ヨガが、健康な成人のウェスト・ヒップ比を下げ、また過体重や肥満の人のBMI(体格指数)を下げると結論づけています。


他の研究でも、もっとゆっくりとしたレストラティブなヨガのクラスによって、過体重や肥満の人の空腹時血糖値が改善(代謝が完全した兆候)されることがわかっています。




ヨガを体重減少プランに取り入れるには?


痩せるプランにヨガを取り入れようと考えるなら、専門家らが、下記のような始め方のヒントを挙げてくれました。


始めはゆっくり。 ヨガを(どんなエクササイズでも)始めるコツは、まずは体験することから始めることです。バーによれば、初心者は、「ホット」「ビクラム」「パワー」「フロー」などの言葉の入った激しい早く動くスタイルのヨガは避けたほうがいいと言います。安全に柔軟性や体力をつけるために、怪我なく簡単についていけるスタイルのヨガを選びましょう。ビギナー向けのクラスなら、ポーズを詳しく説明してくれることも多いはずです。


必要に応じて調整を。 体が鈍っていたり、かなりの体重を落とそうとしているなら、必要に応じたヨガを選びましょう。また、最初はできないポーズがたくさんあって調整が必要かもしれません。クルコフは、関節や膝、腰に問題を抱えている人たちに、座ったまま快適に行えるようチェア・ヨガを教えています。自分のニーズにあうようエクササイズやポーズをどう緩和すればいいのかを、インストラクターに尋ねられるように、生配信や対面のクラスを探しましょう。


自分にぴったりのスタイル、クラス、インストラクターを見つけましょう。ぴったりのものを見つけるまでは、いろんなスタイルやインストラクターのクラスを上kなければならないかもしれないとカールサは言います。呼吸法や瞑想にフォーカスしたクラスもあります。動きの強化に焦点をあてたものもあります。早いテンポで動くものや、ゆっくりとしたものもあります。「もっとも大事なのは、続けられるヨガをすることです。そうすれば、練習を続けることができるし、長期にわたる効果も得られるでしょう」


他のエクササイズも取り入れて。 ほとんどのスタイルのヨガは、筋肉を強化するものですが、全てのクラスが循環機能のワークアウトをするというわけではありません。そこで、定期的なヨガに、ウォーキングやジョギング、自転車など心拍数をあげるような有酸素運動を組み合わせましょう、とバーは言います。カールサは、ラケットボールのような他のスポーツをヨガとともに行なっています。クルコフが勧めるのは、動的な回復として優しいスタイルのヨガです(他の強負荷のワークアウトをする人にもおすすめです)。


継続しましょう。スブラマニアンによれば、ヨガの実践は、ゆっくりと築き上げていかなければならない習慣です。痩せるためにどんなヨガを選んだとしても、一度で効果がある、というわけではありません。週に一回やそれ以上続けられるような楽しめるものを選んで、続けて、結果を見てみましょう。


プロのアドバイスを聞きましょう。痩せるプランにどうやってヨガを取り入れていいかわからない?もし痛みがあるなら、不快な症状があるなら、ヨガを始めるのがしんどいと感じるなら、かかりつけ医にアドバイスを聞いてみましょう。統合医療の経験のある医師なら、あなたにあったプログラム作りを手助けしてくれるでしょう。あるいは、ヨガの知識があって患者にあったリハビリ・プログラムを行える訓練を受けた理学療法士を紹介してくれるかもしれません。