2020年7月21日火曜日

超リラクゼーションの技術 Vol.2
The Art of Super-Relaxation



ホン–ソウ集中テクニック


呼吸は生命だ。もし呼吸することなく生きられたら、寿命を長くすることができ、物理的な肉体の中で生きていながら肉体から魂へと意識を向けられるようになる。本当の無呼吸とは、肺に無理をさせて呼吸を抑制したり止めることではない。そうではなく、精神的静寂とリラクゼーションの状態になることで、一定の時間、呼吸がただ不要になるのだ。

このテクニックはいつでも練習が可能だ。どこにいても、背骨をまっすぐ引き上げて座り、深くリラックスしよう。両目を閉じる(あるいは半目にして眉間に視点を定める)。さあ、深い静けさとともに、、体から出たり入ったりする呼吸を制御せず心で見つめよう。息が入って来るときに、右手の人差し指を親指の方へ内側へ動かし、心の中で(舌や唇を動かさず)「ホン」と唱える。息が出ていく時には、人差し指を伸ばして心の中で「ソウ」と唱えよう。(人差し指を動かす目的は、集中しながらより肯定的になるためであり、呼気と吸気を区別するためである)

精神的に呼吸をどのようにも制御しようとしてはならない。それより、体に入り出ていく自然な呼吸の流れを、個別ではなく総体的に感じる呼吸の流れを見つめる沈黙の観察者の冷静な姿勢を取る。

敬意と注意を持って、このテクニックを少なくとも10分間(最初は)練習する。練習は長い程よい。昼夜問わず、正式な瞑想の最中でも暇なときでも、いつでも練習していい。例えば、車に乗っているとき(運転していなければ!)、ベッドに横たわっているときでも構わない。精神的な深い穏やかさを感じさせてくれ、ついには自分は身体ではなく魂なのだと気づかせてくれるだろう。この物理的な肉体から離れたより高みにあると。

正式な瞑想をするには、背中を真っ直ぐにしてアームのない椅子に座ろう。ウールのブランケットで椅子を覆い、背中から足の下まで垂らしておく。顔は東向きに。椅子の背もたれから離れ背筋を伸ばして座ろう。

このホン–ソウのテクニックは、先に述べたように暇なとき(例えば病院の待合室で座っている時など)にも練習可能だ。呼吸しながらそれをただ見つめ「ホン」「ソウ」と唱える。指を動かしたり、目を閉じたり眉間を見つめたりなど、周りの人の注目を集めかねないことはしないでいい。よければ瞬きをしないで目を開けたまま、まっすぐ前かどこか一点を見つめてもいい。可能なら、そして控えめにできるなら、背筋は伸ばし続ける。

ホン–ソウのテクニックの目的は、注意を下界から自由にし、五感から解放することだ。というのも呼吸は魂と体を繋ぐ紐だからだ。人は大気の中に生き、それは魚が水を必要とするように必要なものだ。無呼吸へ高みに上ることで、人は天使の住む光の天空界に入ることができる。冷静に出入りする呼吸を見つめていると、呼吸は自然と遅くなり、最後には心臓や肺、横隔膜の平穏を乱す活動が落ち着いていく。

この驚くべき事実を少し考えてみよう。心臓は通常1日12トンもの血液を送り出している!心臓は、他のほとんどの臓器が最低でも部分的には一時停止する機会を持つ夜でさえ休まない。身体の中でもっともよく働く(働きすぎる)臓器が心臓だ。ホン–ソウのテクニックは、心臓を休ませる科学的な方法で、そのため寿命を延ばす。そして大量の生命の流れ、あるいはエネルギーが全身に分配され、体の細胞全てを生まれ変わらせて老化を防ぐのだ。



リラクゼーションの重要性


眠りの中でわたしたちは感覚的なリラクゼーションを体験する。死は自主的ではないが、完全な体からの魂のリラクゼーションだ。それは心臓の停止の後にやってくる。ホン–ソウによって、心臓がリラックするというところまで到達することができるが、それによって外へと向かう衝動を超え、意識的に死を体験し、死の謎と死への恐怖という感覚を排除する。

このテクニック練習中に注意が散漫すると眠りを誘うことがあり、眠ることさえもある。その一方で、集中していると体の全ての細胞が聖なる生命力でチクチクする感覚をもたらす。

時間があれば、好きなだけ長い時間練習してみるといい。私自身、6歳の頃は一度に7時間練習したものだが、そのおかげで無呼吸の深いトランス状態に達することができた。この練習の間そして後に感じる深い穏やかさを手放さないでおこう。できるだけ長くその平穏につかまっていよう。実際の生活の中でそれを使ってみる。人に対応する時、勉強する時、仕事をする時、考える時。そして、深く根付いた有害な心や感情の癖を取り除こうとする時に、これを使って自己のコントロールをする。状況が必要とするときはいつでも、このテクニックの間と後に感じる穏やかさを思い出してその状態から脱し、内なる穏やかな中心からくる状況を迎え入れよう。そこでは生まれ持った魂の直感が可能な最善の結果を確実にしてくれるだろう。

覚えていて欲しい、このテクニックの正しい練習のためには深い集中力が必要となる。しかしこれは、緊張感が必要だというわけではない。リラックスして、敬意を持って穏やかにこのテクニックを練習しよう。そしてその穏やかさの中に、宇宙のバイブレーションAUM(オウム)を聞き、同化する準備が整ったと感じる。ホン–ソウは偉大なる魂とコンタクトを取るのを助けてくれる。偉大な魂とはあなたの魂としてあなたの中に存在する。そして偉大な魂は振動となって現れ、内なる音色の源である。結果はよいものとなり、深い鎮静はあなたのものだ。長い練習の後には高みにある直感がやってきて、聖なる力の未開の貯水池と通じたあなた自身を見つけることだろう。

せっかちになってはいけない。地道に続けよう。こん練習を毎日の習慣に取り入れ、食事、歯磨き、入浴、睡眠のように生活の一部にしよう。最終的には、あなたの精神的そして肉体的性質全てによい効果をもたらすだろう。

他のものと同じく、最高の結果は1日や数日では得られない。練習だ!このテクニックを練習して、日常の必要な場面で適用しよう。私の経験上、そして私の国の偉大なヨギ達の何世紀もの経験によって言う。あなたもまた、練習を遣り通せば、彼らと同じ素晴らしい体験をすることが可能だということを覚えていて欲しい。










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