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2025年9月13日土曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.1 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis


今回は、骨関節炎を患った著者の記事です。
痛みや腫れの緩和法やヨガポーズについて書かれています。
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振り返れば、あの腕の痛みを感じたのはラッキーだったと実感します。それはゆっくりではありましたが、最初の一年で容赦なく段々とひどくなっていき、とうとう水の入ったコップを持ち上げることもできなくなって病院へ行きました。検査をした医師は、同じ位置で繰り返し行う癖が原因で筋肉が緊張し続けてしまい、痙攣を起こしているのだと言いました。医師の説明では、筋肉が痙攣するのは普通の動きが摩擦となって関節が過度に摩耗してしまうとのことでした。そして今起こっていることは、骨関節炎の初期だと私に伝えたのです。



関節炎とは文字通り関節の炎症です。それにはさまざまなタイプがあります。私が直面している骨関節炎は摩耗する種類です。これまでのところ最もよくあるタイプの関節炎で、多くの場合は老化の自然な一部だと考えられています。アメリカの高齢者の85%が骨関節炎を患っています。大抵は、健診や患者情報で見つかったり、レントゲンで関節内の影、骨の劣化やカルシウムの堆積が見られて診断されることが多いです。骨に影響がある一方で、多くの場合は骨関節炎は筋肉から起こり始めます。


私たちの体が動けるのは、筋肉が収縮・弛緩して関節が屈曲・伸展するからです。この同じ収縮・弛緩が血流を作って関節機能の健康を維持します。弛緩するたびに、筋肉代謝に不可欠な栄養たっぷりの新鮮な血流が細胞に運ばれます。収縮のたびに、筋肉細胞から古い血液が押し出されて、細胞代謝の老廃物を取り除きます。筋肉が痙攣すると血流が減ってこうした老廃物が細胞内にとどまります。血流不足とその結果の毒素の蓄積こそが炎症を引き起こし、それが骨関節炎へとつながるのです。



よりはっきりした骨関節炎の兆しが現れると、筋肉の痙攣によって関節内が狭まって滑らかな軟骨に圧力がかかり、それが骨の末端を覆います。筋肉の痙攣と合わさって、関節が腫れて硬直、動きが制限され、この状況が改善されなければストレスと摩擦により滑らかだった軟骨がでこぼこになります。そして、その部分を強化しようとして、体はでこぼこ部分で脆くなった骨にカルシウムを溜めていきます。そうするうちに関節内は絶えず狭まって、続く摩擦で痛みが強くなり、関節の劣化によってより痛みが増します。長期の関節炎は、やがて関節の変形を引き起こし、永久的に動かせなくなります。ついには、我慢できない痛みが何年も続いた後、外科手術(骨の融合か関節のリプレイス)だけが痛みのない生活へ戻る最後の望みとなるかもしれません。



けれど、必ずしもそうなるというわけではありません。私の場合、私の骨関節炎は早期発見できたため治る可能性があると医師に伝えられ安心しました。そして、すぐに次の方法を始めるよう勧められました。筋肉の痙攣の原因となる習慣的な繰り返す動きや位置を見つけて止めること、腕や肩の筋肉をリラックスさせるため優しいストレッチをして血流を増やすこと、腫れと痛みを緩和するため抗炎症剤を2週間飲むこと。以前したヨガのケガで、やさしいストレッチも抗炎症剤のどちらもが、血流を増やして腫れを緩和し治癒を促すことがわかっていました。ですから、医師の3つの推奨と問題の原因を見つけて取り去ることが、私の1番の目的となりました。



シャーロック・ホームズの気持ちを着込んで、自分の毎日の日課や癖を入念に調べました。原因となる癖になっていた動きは小さく無意識で、とても普通だったので、見つけるまで時間がかかりました。けれどある日、電話をしている間、片方の腕でもう一方の腕を支えていることに気づきました。指を上に向けたまま手首をしっかりと曲げて、もう一方の肘を支えていたのです。また、この同じ姿勢でいろんな動作をしていることにも気付きました。そうして長い間手首を強く曲げた状態で1日を過ごしていること、これが犯人だと気づいたのです。



この繰り返す動きをただ止めれば原因を取り除くことができて、そのうち炎症も痛みも少なくなるとわかっていました。が、時間をかけずに早く治したかったので、体の治癒プロセスを強化する概念やテクニックを取り入れて、ホリスティックなアプローチをすることにしました。そうした結果、とてもよい結果を得ました。もし痛みがあったり、すでに骨関節炎だと診断されているのなら、こうした方法が役に立つことを願っています。





骨関節炎を緩和するコツ


自然の抗炎症剤で、腫れや痛みが緩和します。
プリムローズやサーモンオイルの錠剤、生の生姜やにんにくを食べるかカプセルで飲む、エキナセア、ゴールデンシール、レッドクローバー、ナツシロギク、ユッカなど。ターメリックやシナモン、生姜など抗炎症効果があり血流を促すスパイスを料理にふんだんに使う。



温めたゴマ油で辛い部分をマッサージします。特に関節の痛みを和らげてくれます。
お風呂に入る前に体にオイルを擦りこんでみましょう。そして睡眠中に関節に染み込んでいくように寝る前に少しオイルをつけます。温めたごま油やひまし油で10-20分パックすることでも、痛みを和らげるオイルが関節に染み込みやすくなります。


毎日食べるもの全てが、骨関節炎の状態に影響します。私たちの体は、健康を取り戻し維持するため定期的な水分補給が必要です。少なくともコップ8杯の水(できれば蒸留水)とジュースやハーブティを。私たちの体は、3-5人分の新鮮な果物(柑橘やトマトは避けましょう)、少なくとも3人分の生野菜(ピーマン、じゃがいも、ナス以外)が必要となります。毎日のカロリー摂取の40-55%を、体のエネルギーレベルを維持してくれる全粒の穀物で摂りましょう。特に重要な食べ物は、卵や玉ねぎ、アスパラガス、緑の葉野菜、玄米、魚などです。コーヒーなどのカフェイン、赤身の肉、砂糖を使用したもの、塩、コーラ類、漂白した小麦粉、タバコ、唐辛子、パプリカ、ジャンクフードは避けましょう。



サプリメントで治癒を早められる可能性もあります。コエンザイムQ10は、組織に送り込む酸素を増やし結合組織の修復に重要です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の組み合わせで、軟骨の再生に役立つ可能性もあります。



ビタミンのサプリメントもまた役立ちます。亜鉛とビタミンC、バイオフラボノイドは治癒を促し、炎症を制御、腫れを緩和します。ビタミンEは強い抗酸化物質で関節の動きを助けます。ビタミンBは治癒を助けます。鉄の入っていないビタミンのサプリメントを摂り、酵素やブロッコリ、芽キャベツやカリフラワー、魚、ライ豆、えんどう豆などを摂りましょう。



筋肉の痙攣の原因となっているであろう無意識で繰り返す動きや位置を、探偵のように探し出しましょう。体をどう使っているかを意識し、筋肉のあるグループをその反対のグループを犠牲にして、いつどこで使っているのかを特定しましょう。



血流は筋肉や関節の健康に不可欠です。数時間おきに症状のある関節を最大可動域の2割程度で回して血流を増やしましょう。こうした動きは小さすぎて効果がないように思うかもしれませんが、実際は強力な治癒力となります。



優しいストレッチは血流を増やし、疲れや筋肉にいつもある緊張を緩和します。また、長期間の筋肉痙攣の結果に失われた通常の可動域を取り戻します。覚えていてほしいのは、ストレッチの際に関節に負荷をかけすぎないこと、痛みを感じないことです。


ヨガポーズを練習しましょう。以下のポーズは、手や背骨、股関節の骨関節炎に対処するための一例です。こうした緩和したポーズは、関節の制限をやさしく取り除き、可動域を最大まで戻します。時間をかけて、優しいけれど根気よく、呼吸をしながら行いましょう。






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ポーズの練習法は、次回にご紹介します。







2025年8月29日金曜日

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.2 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


キルタン・クリヤの実践法


キルタン・クリヤは何千年も実践されてきた12分間の歌うエクササイズです。呼吸、歌やチャンティング、指の動き(ムードラ)、心に思い浮かべるなどいくつかの動きが組み合わされています。ですので、多面性のある多感覚のエクササイズで、脳全体を使って脳内血流を増加します。


姿勢:椅子に心地よく座り、両足をぴったりと床につける
または、足を組んで床に座っても良いですが、高齢者は床に座りたがらないかもしれません。重要なのは心地よいこと、背骨が自然な湾曲のみを残してまっすぐにして座ることです。

両目:目は閉じます

チャントやマントラ:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」の音を使います。続けて言うと古代の言葉で「真我」あるいは「最高の自己」という意味になります。
メロディーは、みんなよく知っている「メリーさんの羊」の最初の4音で歌います。つまり「メーリさんの♪」までです。

指の動き、ムードラ:親指で他の指に順番に触れます。両手で同時に同じ形を作ります。
• 「さぁ」の時は、親指と人差し指をつけます
• 「たぁ」の時は、親指と中指をつけます
• 「なぁ」の時は、親指と薬指をつけます
• 「まぁ」の時は、親指と小指をつけます
常に人差し指から始めて、中指、薬指、小指と続けて逆行しません。





心に思い浮かべる:エネルギーが頭上から頭頂の中心に降りてきてくるのを思い浮かべます。そして、頭の中に真っ直ぐおりたら、方向が垂直に変わって眉間の鼻のちょうど上の一点(いわゆる第3の目)へと進むのをイメージします。つまり、エネルギーはL字にたどっていくのを思い浮かべるのです。まるでほうきのようにすうっと流れるのをイメージできるかもしれません。




順序:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」と歌いながら、両手の指でそれぞれムードラを作りましょう。同時に、その音が頭頂から流れてL字に額の中心から出ていくのを思い浮かべます。

1. 2分間、声を出して歌います

2. 次の2分間、ささやき声で歌います

3. 次の4分間、心の中で歌います

4. そしてささやき声で2分間、声を出して2分間、合計12分間歌いましょう

エクササイズを終えるには、とても深く息を吸って、両手を頭の上に伸ばし、弧を描くようにゆっくりとおろしながら息を吐きます。




脳全体を活性化


ヨギ・バジャンによるクンダリニ・ヨガの伝統では、キルタン・クリヤが持つ効果にはいくつかのメカニズムがあります。キルタン・クリヤのチャンティングで舌を使うことは、口蓋の84のツボを一定の順序と組み合わせで刺激し、視床下部や松果体、脳そのものに信号を送っていると考えられています。また、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなど脳の重要な化学物質が増加することで脳のシナプスを若返らせる可能性もあります。


また、指先や唇、舌にある密集した神経末端は、脳の運動野、感覚野での高レベルの表現に関連しています。ですから、音を組み合わせて指先を使うと、脳の特定の部分が活性化します。私たちの最新の発表では、キルタン・クリヤの各面で脳の異なる部分が刺激されていることがわかりました。キルタン・クリヤで思い描くことがどのような効果をもたらすのかが謎でした。今では、この思い浮かべるテクニックで、身体的レベルでもより大きな面においても、脳の後頭葉が実際に活性化していることがわかっています。そしてまた、目的を持つことがアルツハイマー病予防効果を持つことも示されてきているのです。



(出典)www.alzheimersprevention.org

2025年5月8日木曜日

アーユルヴェーダのスーパーフード:ギーの持つ消化や免疫などの効能 
The Ayurvedic Superfood: Ghee Benefits for Digestion, Immunity, and Beyond


アーユルヴェーダの文献には、精製したギーバターは1000以上もの治療的性質を持つと言われてきました。それを受けてインドでスーパーフードと考えられてきたギーは、今や最新の研究に基づいたスーパーフードです。ギーは酪酸の最も豊かな食料源で、牧草で育てられたギーバターには、穀物で育てられたものに比べて健康的な代謝を向上させることで最もよく知られる共役リノール酸(必須脂肪酸であるリノール酸の異性体の混合物)が5倍多く含まれています。



ペンタデカン酸C15とは何か、どのようにギーの健康効果を高めるのか


精製ギーを称賛する理由がまたひとつ新しい研究で示唆されました。ペンタデカン酸C15です。近年、この奇数鎖脂肪酸の健康効果が見つかってきています。主として牛や数種の魚など反芻する動物の腸内で作られるこの脂肪酸は、その量がとても少ないためあまり注意を向けられてきませんでした。この脂肪酸はギーの中にも見つかっています。今日では、ペンタデカン酸の効能について言及する研究が数多く存在し、ほんの少量で長期にわたる健康や長寿の効果が得られることを示唆しています。




ペンタデカン酸C15によるギーの効能


この奇数鎖飽和脂肪酸の効能は、ペンタデカン酸C15という名前の通り、炭素の数(15)にあると考えられています。効能は以下の通りです。

  • 免疫を高める
  • 心臓の健康をサポートする
  • 肝機能をサポートする
  • 健康的な血糖値をサポートする
  • 赤血球を強化する
  • 代謝や脂質をサポートする
  • 細胞の健康的な老化をサポートする


対照的に、偶数鎖飽和脂肪酸のパルミチン酸C16は、炎症や血糖値、心臓の疾患などの原因となります。その鍵は、脂肪酸鎖の中の炭素数にあり、ペンタデカン酸C15はほんの少量でも生物学的に活性しているという事実にあります。


アーユルヴェーダには「微細であればあるほどより力強い」という古いことわざがあります。体内の数え切れない機能を調整している腸内のバクテリアは目に見えません。渡り鳥の移動や季節を司る昼夜のサーカディアンリズムもまた目に見えません。ですから、最も効果のある脂肪酸のひとつがほんの少量で癒しの効果があることは驚くことではないのです。



C15の効能を裏付ける研究


体が老化するプロセスのひとつとして、AMPKと呼ばれる酵素が減少しますが、これが減少するとエネルギーレベルが下がり始めます。AMPKは、私たちの細胞内にあるエネルギーを作るミトコンドリアにグルコースを届けています。ペンタデカン酸は、AMPKを刺激してミトコンドリアへグルコースを提供するのを促し、細胞エネルギーの生産を増加させたりレベルを高めたります。


その他の研究でも、奇数鎖脂肪酸(ペンタデカン酸C15など)の高い人に比べて値が低い人は、死亡率が高く全体的に不健康であることを示されています。健康的な血中の鉄分レベル、血糖、コレステロール、正しい炎症反応に加えて、ミトコンドリアのエネルギー生産の回復や機能的なAMPKプロセスをもサポートします。


また、C15は生物学的に活性である代謝物を作るために体内で使われます。代謝物のひとつがペンタデカノイルカルニチンで、CB1やCB2受容体を活性化するとされますが、気分や睡眠、健康的な免疫反応、痛みのレベルなどを調整します。研究では、このC15由来の代謝物はまた、体内のストレス軽減受容体を活性化することでストレスを和らげることが示されています。また、この代謝物にはヒスタミン受容体を抑制する能力があり、季節性の刺激物への(アレルギー)反応が健康的であるようサポートします。



ギー・バターは健康に役立つ?






最後に、C15と魚油(EPA)を比較した研究では、C15の方が安全であり、より広い効果もあることがわかりました。また、かなり少ない量でも効果が見られました。気分の栄養によるサポート、不健康な細胞や望ましくないバクテリアの増殖防止においては、C15が魚油と同様の効果があることが研究者らによって発見されています。




C15を食事に取り入れる方法は?


全ての無加工の乳製品には、ペンタデカン酸C15がほんの少量含まれていますが、牛乳の脂肪酸を凝縮し乳糖(ラクトース)を全て除去しているのは、牧草で育てたオーガニックの牛乳をゆっくりと熱して作ったギーバターなのです。この脂肪酸の凝縮プロセスによって、ギーのペンタデカン酸C15の量は、ほんの少量からより癒す力があるレベルまでに変化しています。


ギーの作り方

無塩バター450g

バターを中火にかける。バターが溶けてから12分間ほど火にかけ続ける。バターが煮えて表面に泡が出てきます。kの泡に薬用効果が含まれています。火を弱火にしてギーが黄金色になるのを待つ。ギーに水を一滴垂らしてみて、弾ける音がしたら出来上がりです。火からおろして冷ます。濾し器でこして室温で保存する。




超健康のための超油脂:ギーの効果を取り入れる


牧草で育てた牛から搾った牛乳で作ったオーガニック・ギーの力強い性質全てを考えてみれば、なぜアーユルヴェーダの文献がこれが最も癒しの効果のある食品だとあがめる理由がより理解できるようになるでしょう。





(出典) https://yogainternational.com/article/view/the-ayurvedic-superfood-ghee-benefits-for-digestion/

2024年5月16日木曜日

溢れるエネルギーを!エネルギーを高める5つの自然な方法 
Supercharge Me! 5 Natural Energy Boosters

季節の変わり目、特に今年の春は暑かったり寒かったりが激しくて疲れやすいですね。体力を保ち健康でいるためにはどうすればいいのでしょうか?

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あなたは、恋人たちや聖人、赤ちゃん、ヨギ、そして妊娠中のお母さんが同じ輝きを発していることに気づいたことはありますか?彼らの肌は輝き、微笑んでいて、いつも目がキラキラしています。文字通り、生命力を放っています。アーユルヴェーダでは、活気に満ちた人には、健康や創造性、ウェルビーイング、精神力などを促す3つ必要不可欠な要素のひとつであるオージャスの量が多意図されています。オージャスは命の精髄で、体組織の純粋な本質であり、幸福感と免疫力の源です。


古代のアーユルヴェーダの文献には、健康的なオージャスがあれば幸せに100歳まで生きられると書かれています。しかし、オージャスが枯渇すると老化や病気に脆弱になり、早死にすることさえもあります。


では、十分なオージャスがあるかどうかどのようにわかるのでしょう?体に見られる兆候は、明るく綺麗な目、艶のある髪、艶のある肌、そして薔薇色の頬などです。また心や感情のサインはといえば、前向きのエネルギー、活力、喜び、明晰な心、共感力などです。もし肌の乾燥、手足の冷え、便秘、不安、頭がはっきりしない、後ろ向きな考え、孤独感、疲労などがあるなら、オージャスが枯渇しているのだとわかります。


多くの人にとってオージャスを増やすことは可能です。以下は、爽快な気分で輝くための5つのヒントです。




1.  オージャスのための食事をとる


太陽の光で実った新鮮な自然食品には、活気を与えてくれるエネルギーを含んでいます。過度に加工した食品、精製した食品、アルコール、刺激物を避けて、オージャスの多い食事をとりましょう。

  • 果物;アボカド、リンゴ、バナナ、デーツ、いちじく、アプリコット
  • 野菜:緑の葉野菜、レタス、パセリ、アルファルファの芽、オクラ、さつまいも、山芋、ルバーブ、ほうれん草、カブ、クレソン、ズッキーニ
  • 穀物:アマランサス、バスマティライス、オートミール、全粒小麦
  • 豆類:ムングダル、大豆、豆乳、豆腐
  • 乳製品:山羊のチーズ、カッテージチーズ、新鮮なヨーグルト、ギー
  • ナッツ類:アーモンド、ブラジルナッツ、黒グルミ、ヘーゼルナッツ、松の実、ピスタチオ、胡桃




2. アーモンドミルクを飲む


アーモンド10個を一晩水につけます。朝になったら薄皮を剥きます。アーモンドをカップ1の牛乳、カルダモンのパウダーをひとつまみ、ひき立ての黒胡椒をひとつまみ、蜂蜜を小さじ1と一緒にブレンダーに入れます。高速で5分間ブレンダーにかけて、いただきましょう。アーモンドと牛乳、蜂蜜はオージャスがたっぷり入っているので、これを飲めば栄養とエネルギーを得ることができます。




3. 自分自身を養う


健康的でバランスの取れたライフスタイルを始めると、活気に満ちた感覚をすぐに感じ始めるでしょう。それは、どうしてでしょうか?なぜなら、ストレスはオージャスを枯渇し、リラクゼーションはオージャスを満たすからです。以下はおアーユルヴェーダのライフスタイルに関するヒントです。


  • 習慣的な運動をする(やりすぎないで)
  • いつのも時間に就寝して、約8時間の睡眠をとり、毎日同じ時間に起きる
  • 自然や芸術に触れて心に栄養を与える
  • 愛する人と一緒に過ごす
  • マルチタスク、過度な刺激、過度なセックス、慢性疲労、強い風、激しい温度を避ける



4. ヨガや瞑想をする


習慣的なアサナやプラナヤマ、瞑想は活力を高めます。瞑想が初めてなら、ソウハムのマントラで行う瞑想を試してみましょう。


両目を閉じて数分間の間深く呼吸します。それから、第3の目に意識を集めて、吸う息とともに心の中で「ソウ」と言い、吐く息とともに心の中で「ハム」と言います。このマントラを呼吸に合わせて5分以上繰り返しましょう。この瞑想をすると、オージャスが増大し気分が高まります。



5. セルフマッサージをする


毎晩就寝前に、少量の温かいオーガニックで無精製のオイルを体全体にすり込みます。耳や鼻腔など体の開口部は特に注意しましょう。そして温かいお風呂に浸かってから自然素材の石鹸でこすり洗いします。この栄養を与える習慣によって筋肉が柔らぎ、赤ちゃんのように眠れるでしょう。自分のプラクリティ(体質)がわかっているならそれに合ったオイルを選ぶことができますが、そうでなければドーシャテストを受けて下のようにマッサージしましょう。

  • ヴァータ体質: セサミ、アーモンド、ブリンガラジ(アメリカタカサブロウ)のオイルなど暖かく重いオイルを使います
  • ピッタ体質:オリーブ、ひまわり、ココナッツ、ギーなど冷やす自然油を使います
  • カパ体質:マスタード、アマニ、紅花など軽いオイルを使います


オージャスの精神的側面


聖人らによれば、プラナヤマや精神的な修練、タントリックの技術などを通して自らのオージャスを精神力へと変容させることが可能です。この力のあるエネルギーは、悟りを開いたヨギの頭の後ろにオーラや後光という形で目にすることができます。もしそんな人に会う稀有な機会があれば、彼らが言葉を発しなくとも愛や哀れみが胸元から出ているのが感じられると気づくでしょう。それこそがオージャスの精神的な面の現れなのです。








(出典)https://yogainternational.com/article/view/supercharge-me-5-natural-energy-boosters/

2024年3月29日金曜日

アーユルヴェーダ的 春の過ごし方  Vol.1
Ayurveda Tips for Spring


季節の移り変わりに心と体を準備する


冬から春に変わる時期は、ワクワクする祝福の時です。動物も植物も昆虫も冬の眠りから出てきて、成長と可能性の季節へと目覚めます。アーユルヴェーダでは、春への移り変わりの時期は、最適に目覚めた状態で元気に過ごすため心を整理整頓して体を活性化する時期です。


春の性質は、暖かく、潤い、優しく、そして油分に満ちています。暖かさのおかげで、冬に蓄積した雪や氷は溶け始めます。同様に、蓄積された体内のカパ(潤滑や持続のエネルギーの維持に関わる心身の力)もまた液体となって流れ始めます。また、花々が花粉を落として甘い香りを放ち、多くの人が花粉症やアレルギーを起こします。


鼻水、鼻詰まりや喘息、アレルギーがあるなら、また、けだるさや貪欲、執着を感じるなら、おそらくあなたのカパが過剰になっているのでしょう。こうした症状を起こさないためには、カパを減らす養生法をするのが最も良い方法です。伝統的な以下の方法を試して、最高の春を楽しみましょう。




ジュースで活性化する


人参やビーツ、ブロッコリ、パセリ、リンゴ、ザクロ、ベリーなどの新鮮な果物や野菜で作ったジュースを飲んだり、夜に小さじ一杯のトリファラ(アーユルヴェーダの混合ハーブ)を一杯のお白湯で飲んで腸をきれいに保ちましょう。また、3ー10日間のパンチャカルマの浄化を試しても良いでしょう。


浄化と若返りの方法であるパンチャカルマは、季節の移り変わりの体をサポートし免疫を強化すると言われています。




カパを減らす活力を与えてくれるハーブを摂る


ショウガ

抗炎症と抗菌の特性を持つショウガは、消化を助ける完璧なスパイスであり、春の免疫をサポートする抗酸化物質も含まれます。
 

黒胡椒

サンスクリット語でピパリと呼ばれる黒胡椒は、かつては「黒い金」と言われていました。
骨の健康や傷の回復、代謝を助けるマグネシウムを豊富に含んでいます。


トリカトゥ

トリカトゥは、ピッパリ、ショウガ、黒胡椒を混ぜた伝統的なアーユルヴェーダの混合ハーブで、消化の火であるアグニと解毒プロセスを刺激するために使われます。
 

クトゥキ

クトゥキは、肝臓を助けるインドのハーブとして知られています。一般的に消化のために使われますが、肌の艶を良くするなど多くの効果があるとされています。
 

プナルナヴァ

プナルナヴァは「取り戻すもの」という意味で、過剰になったカパを取り除いてバランスをとり、全体的な健康感を促すために使われます。



アクティブに過ごす


夜明け以降に寝続けるのはカパ・ドーシャのバランスを崩すとアーユルヴェーダでは言われています。早起きをして朝の散歩をしたり、太陽礼拝や魚、船、バッタ、ライオン、ラクダ、のポーズや逆立ちなどの活力を与えるアサナで体を元気にしましょう。
 

バスティリカ、カパラバティ、ブラマリなどのプラナヤマを試してみましょう。





2023年10月16日月曜日

心臓病の原因は高コレステロールでなく炎症かも Vol.1
Inflammation, Not High Cholesterol, May Cause Heart Disease


今回の記事は、コレステロールと心臓疾患についてです。
予防のために何を理解すべきなのか、何ができるのかをみていきましょう。
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一般的に、ヨガの実践者は心臓が健康なグループに入ります。ヨガは、体への習慣的な運動と心へのストレス緩和のテクニックを与えてくれます。喫煙する人は少なく、アルコールを飲む人でもその量は適度です。そしてほとんどの人は、マイケル・ポランが彼の著書「食べ物が守る力」で述べている率直なアドバイスに従っているでしょう。「食べ物を食べよう。食べ過ぎないで。主に植物を」


では、どうして心臓病について心配しなければならないのでしょう?第一には、病気にならない人は誰もいないし、米国で多い死因は心臓病だからです。第二に、健康診断に行ってコレステロールが高いとスタチンを処方されてしまった知り合いが誰にでも一人はいるからです。そして最後に、コレステロールが心臓病の主な原因ではないかもしれない(現在、研究者らは炎症が原因としている)ことを知る必要があるからです。つまり、私たちは長い間間違ったボールに目を向けていたということです。


コレステロールに注目し始めたのは約60年前、米国心臓協会が冠動脈疾患の原因が「バターとラード、牛肉、卵」だと宣言した時です。医療界が、血液のコレステロール・レベルを上げる食べ物に含まれる高レベルの飽和脂肪であり、過剰なコレステロールが動脈を閉塞させるという考え方を取り入れたのは間も無くでした。低脂肪の食事とコレステロールを低下させる投薬が劇的に増加した50年がすぎた現在、その概念は、ほとんどの医療関係者や消費者の頭の中にしっかりと確立されたのです。


そろそろ、それを見直す時期ではないでしょうか?「コレステロールの重大な俗説:コレステロール値低下が心臓病を予防できない訳(スタチンフリーに効果)」の共同著者(スティーブン・シナトラ医学博士著)で栄養士のジョニー・ボウデン博士は、「コレステロール値を下げて心臓病を予防しようとするのは、マクドナルドの巨大な食事からピクルスを取り除いてカロリーを減らそうとしているようなものだ」と述べています。65歳以上の男性、そして全年齢の女性で、冠動脈疾患を判断するのにコレステロール値を見るのは事実上意味がありません。そして、おかしなことに、ちょっと下がって大局をみれば、低いコレステロールは、予防どころかより病気の原因となる可能性があります。



敵を知る


医師らはめったに認めないのですが、高コレステロールの人は実のところ長生きです。少なくとも6つの研究で、コレステロール値が低いほど死亡率が高いことがわかっています。実際、米国の死因の全てを見ると、コレステロール値の高い人には癌が少なく、消化器官や呼吸器官の疾患で亡くなるリスクが低く、自動車事故や自殺も少ないのです。驚くことに、コレステロールによる防御は、深刻な心臓病にまで及びます。米国と欧州での研究では、心臓病患者でコレステロールレベルが高い人は、低レベルの人たちよりも長寿でした。


私たちの体がコレステロールを必要としているのは、脳細胞生成という何よりも重要な役割があるからであり、研究では低すぎる値(160以下)が鬱や攻撃性、脳出血、認知障害などと関係があるとされており、これらは全て事故や自殺の死亡率が高いことを説明しているのではないでしょうか。



高コレステロールの悪評


コレステロールを議論するには、まず肝臓が1日に約800ー1000mgのコレステロールを生成していることを知ることから始めるべきでしょう。これらは体が健康を保つために必要な量です。しかし、食べるものからコレステロールを追加摂取すると(動物由来の食物には全てコレステロールが含まれます)、体はその余分に対処するまで生成を抑えます。また、脂肪を消化し、細胞粘膜を強化・修復し、神経を隔離し、ビタミンDを合成し、性生活を制御するものの含めたホルモンを生成するのを助けるため体はこの柔らかでドロッとしたステロールを必要としています。


コレステロールは脂肪のような物質なので、水性の血液に溶けたり細胞に直接流れ込んだりはできません。そのかわりに、リポタンパク質という特別な乗り物に乗せてもらう必要があります。おそらく私たちが良く聞くのはLDL(低比重リポタンパク)とHDL(高比重リポタンパク)の2つでしょう。科学者らが発見しているのは、LDLが必要な場所にコレステロールを運び、より重いHDLが動脈壁をもすくい取って余分なコレステロールの掃除係として働き、それらを処理し排出するため肝臓に戻すということです。


この文脈からみれば、HDLもLDLも体の日々の活動で重要な機能を果たしているため、どちらも「善玉」コレステロールと呼べます。しかしながら、コレステロールが心臓疾患の原因だという議論の初期では、HDLだけが血中コレステロール・レベルを下げるため善玉だという扱いを受けました。一方LDLは、フラミンガム心臓研究の研究者らが心臓疾患の「限界危険要素」だと位置付けたため「悪玉」と烙印を押されました。


体が作る極めて重要な物質が死をもたらす可能性があるというのは想像し難いのですが、「悪玉コレステロール」という烙印はそう言及しており、LDLレベルをできるだけ下げる意図でのLDLコレステロール薬の全面戦争が勃発しました。この前提は、体がLDLを不可欠としていることを見落としているだけでなく(LDL無しでは細胞は必要なコレステロールを得られない)、重要な事実を見ぬふりをしています。LDLが「悪玉」になるのは、電子のひとつが放たれることでフリーラジカルが酸化(本質的に不安定化)した時だけです。それは動脈壁にくっついて炎症連鎖を起こし心臓発作の原因となる血栓につながるのです。



おそらくは、まだ他にも


高コレステロール論理(脂質仮説と呼ばれます)への最も的を得た乖離は、おそらく心臓発作を起こした人すべてのうち半分になる人のコレステロールが正常値だという不都合な真実です。ほとんどの人は、50%というその数字に注目し、コレステロール以外の何かがこの明らかな矛盾の原因となるのではないかと思うでしょう。


数えきれない研究によって、脂肪仮説が心臓疾患を深刻に単純化しすぎていること、心臓疾患の予防には抗酸化物質の果す役割を完全に軽視していることがわかっています。1990年代のリヨン食事心臓研究では、心臓発作で回復した人1グループを米国心臓協会認定の低脂肪、高炭水化物、抗コレステロールの食環境におき、他のグループを野菜、果物、ナッツ類、魚、オリーブ油を主にしたいわゆる地中海ダイエットとよばれる食環境に置きました。研究の結果、どちらのグループも同等のコレステロール値でしたが、地中海ダイエットのグループは2度目の心臓発作を起こした人が大幅に少なく、胸の痛み(不安定性狭心症)や心臓疾患を起こした人もかなり少数でした。どうしてでしょうか?果物や野菜に見られる抗酸化物質や魚に含まれるオメガ3脂肪酸の抗酸化作用に関係があるのではないかと研究者らは考えています。


そして、フランスのパラドックスがあります。フランス人はリッチで高コレステロールの食事を大胆に奔放に食べている様子ですが平均的な全コレステロールのレベルはおよそ250のあたりにとどまり、先進国では最も心臓疾患の件数が少ない国だという不思議な事実のことです。このパラドックスを研究している研究者たちはまた、新鮮な野菜や果物の摂取、そして特にレスヴェラトロールなど赤ワインの強力な抗酸化物質に注意を向けています。


それでは、抗酸化物質は体内でどんな役割をしているのでしょう?抗酸化物質は炎症を抑えます。そして、最近の研究などでは、炎症が心臓疾患の発症や心臓発作に重要な役割を果たしていることが確認されたようです。それはどのようにでしょうか?では動脈の中を覗いてみましょう。高血圧や高血糖の食事からくる血糖スパイク、喫煙の毒素、環境汚染や殺虫剤などの何らかが、動脈の表面を覆う細胞一枚の厚さである内皮を傷つけます。LDLは、おそらくは傷ついた細胞を修復しようとその傷にとどまり、そして血中のフリーラジカルによって酸化します。免疫細胞が傷を治そうと集まり、炎症はさらに悪化します。指を切った場所の周りが赤くなるのを考えてみてください。体は大きくなる「汚染」を止めようと、硬く繊維質の蓋をしますが、この蓋が動脈プラークです。このプラークが安定している時、炎症は治まって蓋はそのまま残りますが、このプラークが悪さをするのは動脈を狭めることだけです。一方で、不安定なプラークは、破裂して血栓を作り出すことがあり、結果的に狭まった動脈を堰き止めて心臓発作を引き起こすのです。


炎症のある心臓障害なのかを調べるため、医師らは数多くの血液検査に頼ります。こうした安価の検査は、症状が起こる前であっても心臓疾患の見つけるのに重要な役割を果たしています。


では、こぞって検査に行くべきなのでしょうか?おそらく、心臓疾患のリスク要因をいくつか持っていない限りは必要ないでしょう。特にストレスの多いライフスタイルや、過剰な体重、高血糖などです。簡単に言えば、炎症を引き起こすライフスタイルを送っているなら必要でしょう。しかし、まずは気持ちを新たにして、心臓の健康のために何をするべきか、何を食べるべきかをみていきましょう。






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次回に続きます。


2023年4月28日金曜日

健康のための断食 Vol.3
Fasting for Health: What Are the Benefits?

 前回からの続き、最終回です。

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断食の証明されている健康への効果


要約すると、証明されている断食の健康効果は以下です。

  • 体脂肪の減少を促進
  • 血糖値を下げる
  • 2型糖尿病やインシュリン耐性を緩和
  • 血中コレステロールを下げる
  • 炎症を抑える
  • オートファジーを活性化する
  • 神経変性疾患を防ぐ
  • 腫瘍の成長を防いだり遅らせる
  • 化学療法の毒性作用を和らげる
  • 老化プロセスを遅らせる
  • エネルギーや精神的明晰さ、集中力を高める
  • 食べ物に対する強い欲求を抑える
  • 腸内微生物叢のバランスを整え、腸の幹細胞再生を刺激することで消化機能を改善する



断食の取り入れ方


断食に興味があるなら、さまざまな方法がありそれぞれに健康への効果があります。あなたに合った断食法を試して探してみましょう。始める前にファン博士の本を読むことをお勧めします。

以下のような方は断食をしないよう留意してください。
  • 妊娠中、授乳中の女性
  • 18際以下の子供
  • 栄養不良あるいは低体重(BMI18.5未満)の人
  • 摂食障害の病歴を持つ人

糖尿病1、2型、痛風、胃食道逆流疾患、または何か薬を服用している場合、医療専門家の管理のもとで断食を行うことをファン博士は薦めています。

もしあなたが妊娠可能な年齢の女性で断続的な断食に興味があるなら、専門家らが薦めるのはゆっくりと始めて毎日は絶食しないことです。ホルモンバランスや月経周期に気をつけて、もし断食が合わないと思ったらやめましょう。




断食のタイプ


  • 断続的な絶食:  1日に12〜20時間絶食をし、必要なカロリーを食べる時間の間に摂る

  • 24時間の絶食: 1日に一度だけ食べ、その食事で1日のカロリーを摂ります。1週間に2回24時間絶食をすると良いという専門家もいます。

  • 1日おきの絶食: 1日おきに絶食する方法ですが、絶食の日も500〜600カロリーを食べるのは構いません。

  • 5:2ダイエット: これは、1週間に5日間は普通に食べ、あとの2日は500〜600カロリーだけを摂る方法です。

    (注: 絶食の日にも500〜600カロリーをとってもいいのは、単に体重を減らすためにこれらの断食をする人に合わせやすいようにです)


  • 36時間の絶食: ファン博士は、この断食を2型糖尿病患者に使っています。博士が薦めるのは、週に3回の36時間断食を望ましい結果が得られるまで続け、その状態が維持できるよう個人に合わせた絶食法を行なっていくことです。36時間の絶食は、最終日に朝食をぬけば42時間まで容易に延ばすことができます。


  • より長期間の絶食: これは丸2日間(48時間)以上の絶食です。48時間絶食だけを行うことを、ファン博士は一般的には薦めていません。というのも空腹感に関しては最初の48時間が最もきついからです。最初の二日間が過ぎると空腹感は消えていき、多くの人は幸福感を感じたと報告しています。


48時間絶食をわざわざしなくていいもうひとつの理由は、体は2日間のうちに貯蔵したグリコーゲンを燃焼させるからです。一旦グリコーゲンが使い果たされると、ケトーシス状態に入りオートファジーがピークに達します。これが、免疫をリセットするには3日に一度の絶食が推奨される理由です。


信じ難いかもしれませんが、ファン博士の報告によると、7ー14日間の絶食は2日間の絶食と難しさはそんなに変わりません。なぜなら、最初の2日間が最もきついからです。深刻な2型糖尿病患者の血糖値を素早く改善し内臓のさらなる損傷を防止するために、ファン博士は多くの場合7ー14日間の絶食をおこなっています。



私の個人的な絶食体験


私が断続的断食を初めて6ヶ月になり、もう以前の食事には戻るなんて考えられません。多くの人と同様、夜間の9時間ほどの絶食だけをしていました。8:30 とか 9:00pmあたりに軽いおやつを食べ、6:00amに飲むお茶にはハチミツを大きなスプーンいっぱい入れていました。ただ夜のおやつと朝のドリンクの甘味料をなくすだけで、絶食時間は12時間になりました。その後数ヶ月試してみて、自分の体に合っているのは14ー16時間の絶食だということに落ち着きました。


断続的断食の効果を私が感じたのは、食べたいという強い欲求が劇的に減ったこと、空腹感が全体的に小さくなったこと、消化がよくなり、何キロか脂肪が減りました。食べ物への欲求が減ったことが最大の変化でした。人生で初めて、感情や低血糖、架空の空腹感から食べ物をつまむことがなくなりました。今では、何を食べるかについて完全に合理的に決めることができますし、最も健康的に食べ物と関われるようになりました。


断食を始める時は、適応するための時間をとること、体が必要としているものに注意すること、そして浮き沈みに準備することが大切です。そしてもし本当に食べなければならないと感じたら、食べてください!


また、断食の効果を最大にするには、食べる時間の間は何でもかんでも食べて良いという訳でないことを理解するのも大切です。健康的な食事をしましょう。砂糖の摂取をできる限り減らし、加工されていない無添加食品を食べ、健康的な油分(アボカドやナッツ類、種類、ココナツ油やエキストラバージンのオリーブ油など)を取り入れましょう。


では、3日間の断食をしたことがあるかって?しました!断続的な断食を4ヶ月続けた後、もう少し長い断食をする準備ができたと感じたからです。最初の36時間は簡単でしたが、2日目と3日目は厳しかったです。その後はとても快適だったので、また断食するのが楽しみです。




長期の断食をするなら、下記を強くお勧めします。
  • まずは断続的な断食で快適になってからにしましょう
  • 断食中は高品質の電解質と海塩を摂りましょう
  • 下調べをしましょう:始める前にファン博士の本や同様の本を読みましょう
  • 病歴や持病のある人は医師に相談しましょう
  • 自分をあまり追い詰めないようにしましょう。食べる必要のある時は食べましょう!









2023年3月11日土曜日

健康のための断食 Vol.2
Fasting for Health: What Are the Benefits?

前回からの続きです。
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2型糖尿病、癌、アルツハイマー病、自己免疫疾患のための断食の効果


2型糖尿病は、高い血糖値によって起こります。血糖値が長い間、高レベルにありすぎると体がインシュリンを過剰に生成し、それがインシュリン耐性の原因となります。インシュリン耐性とは、過剰なインシュリンに長い間さらされることで、体がインシュリンへの反応をやめてしまうことです。


2型糖尿病が世界で最も急激に増えている病気である理由は明白です。私たちが、あまりに頻繁にあまりに多く食べて血糖値とインシュリンのレベルがいつも高い状態にあるからです。2型糖尿病患者にとって、食事を変えることが最も効果のある治療です。


絶食すると自然にインシュリンレベルが下がり、すぐに2型糖尿病は回復します。2型糖尿病や糖尿病予備軍の方には、こうした症状を断食で治療する専門家であるファン博士の本がお勧めです。2型糖尿病の場合は、断食は医師の監視下において行うようにしてください。


断食は癌患者の方へ様々な効果があります。
まずは、オートファジーによって、癌化する可能性のある細胞が自然に体から取り除かれ癌を予防します。

次に、断食によって、ブドウ糖に依存する腫瘍の成長が制限されます。トーマス・シーフライド博士やヴァルター・ロンゴ博士など一流の科学者らは、癌予防として誰もが定期的に断食すべきだと勧めています。

3つ目には、断食にはがん治療の副作用を防ぐ効果があることがわかっています。断食も「断食のような食事」のどちらも、正常な細胞の化学療法への耐性を高めますが、がん細胞の耐性はそうではありません。断食後、正常で健康な細胞がより強くなり、がん治療の影響を受けにくくなる一方で、断食に適応できないがん細胞は弱まり、化学療法で壊れやすくなります。


アルツハイマー病においては、オートファジーが弱まることがわかっています。通常、オートファジーのプロセスで、脳内に蓄積されアルツハイマー病の原因となるアミロイド・ベータ・タンパク質を取り除きます。オートファジーが弱まると、こうしたタンパクが、記憶や認知に関わる脳の部分における神経結合を最終的には破壊してしまいます。動物実験では、断続的な絶食がアルツハイマー病を防ぐことが示されています。


また、断食によってインシュリンレベルを下げることでも、アルツハイマー病を防ぐことができます。アルツハイマー病は、今では3型糖尿病だと呼ぶ医師や科学者もいますが、それは脳内でのインシュリン耐性に関係があるからです。2型糖尿病は、アルツハイマー病を発症する主な危険因子のひとつだということが研究で示されています。


断食が免疫を強めることを考えると、自己免疫疾患の予防や治療の助けとなることは理にかなっているでしょう。これについての研究は初期段階で、まだ100以上の自己免疫疾患を調査する必要があります。断食は、腸管内菌叢に複数の効果を示していますが、腸管内菌叢は、多くの場合自己免疫疾患で影響を受ける免疫システムの重要な部分です。現在、多発性硬化症やリューマチ性関節炎に断食が効くという可能性が示唆されています。橋本病やクローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患の治療に断食を取り入れている人もいますが、これらへの断食の効果に対する研究はほとんどありません。



                                                 




アスリートのトレーニングのための断食の効果


アスリートの皆さんは、断食には効果があるのか、そして安全なのだろうかと思っているでしょう。実際、周期的な断食によって体はより効果的に脂肪を燃焼させるように訓練されるため、アスリートには大きな利点です。アスリートが「壁にぶつかった」と感じる時というのは、エネルギーとして貯蔵されたグリコーゲンを使い切っていて、体が貯めた脂肪を素早く使えていないということです。



『断食状態の運動は、脂肪を燃焼させるよう筋肉が訓練されます。限られた貯蔵グリコーゲンに頼る代わりに、貯蔵脂肪からほとんど制限のないエネルギーを使うことができます。筋肉は、可能なエネルギー源なら何にでも適応します。断食でグリコーゲンが枯渇した時、筋肉はより効率的に脂肪を燃焼するようになります。脂肪燃焼に特化したタンパク質の量が増え、エネルギーのための脂肪分解が高まります。断食状態のトレーニング後には、筋肉繊維に利用可能な脂肪の増加が見られます。これらすべては、筋肉が 糖ではなく脂肪を燃焼するようになったサインです』 
ー ジェイソン・ファン博士(The Complete Guide to Fasting, Page 244 )


断食を始めるにあたり、体が脂肪燃焼に適応していく間はパフォーマンスが下がることにアスリート達は気づくでしょう。これは「脂肪適応」と呼ばれるものです。ファン博士によれば、このパフォーマンス低下期間は約2週間続きますが、それは現在の食事法や断食や運動の種類など人によって異なります。


蓄積された脂肪の燃焼に加え、アスリートの断食には他に二つの大きな利点があります。まずは、断食はアドレナリンを増やすため、断食中にはより激しいトレーニングをすることができます。第二に、断食が成長ホルモンを刺激するので、よりリカバリーが早くなり筋肉増強が高まります。例えば、ある研究ではたった二日間の断食で成長ホルモンが5倍になったことが示され、また、たった24時間の断食でも成長ホルモンレベルが基準値の2000%に上がったという研究もあります。



出産期女性の断食への良い点と悪い点


ほとんど全ての断続的な断食に関する臨床研究が、男性や更年期以降の女性を対象に行われてきました。一般的に、ホルモンバランスや月経周期に対する悪い影響への懸念のため、更年期の前の女性は研究の対象から外されています。


更年期前の女性でも体重減少のために断食をする人もいて、成功しています。インターネット上で多くの「ビフォアフター」画像を見ることができます。けれど、断食によってホルモンバランスや月経周期に著しい悪影響があったことを報告する女性たちもまた同様に多く存在します。更年期前の女性に対する管理された研究がこれまで行われていないため、なぜ安全に断食できる人もいればできない人もいるのかの原因については推測するしかありません。おそらく、全体的な健康状態や、減らす必要のある過剰な体重がどれくらいなのか、毎日の絶食時間、全体的なカロリー摂取量などが含まれると考えられます。


私の推測では、全体的なカロリー摂取量が大きな要因だと思います。断食とカロリー制限は、実際のところ別ものです。毎日の絶食をしながらも、食べる時間に通常のカロリー量を摂ることができます。これによって、体重の劇的な減少なしにインシュリンの減少や脂肪燃焼へと体を慣らすことなどの絶食の効果が得られます。長期間カロリー制限を行うと、体は「飢餓モード」になりホルモンバランスや月経周期を乱す可能性があります。


反対に、妊娠率という面で、更年期前の女性の絶食の効果もあります。まず、断続的絶食は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の女性の中で、その症状であるインシュリンレベルを下げ、体重を減らし、炎症を鎮静し、ストレス削減、そして不安症や鬱を緩和する方法のひとつとして広まってきています。これらの効果は、現在では研究によって証明されているものもあります。


次に、断続的絶食で体重を減らすことができます。体重過多や肥満は、さまざまな面において妊娠への悪影響を及ぼします。インシュリンレベルや血糖値の上昇、PCOSのリスク、妊娠に必要な性ホルモンの減少、無排卵(卵巣からの排卵がないこと)のリスク上昇などです。


三つ目には、高年齢の女性の妊娠率を高める可能性があります。2008年のハーバード医科大学での研究で、メスのマウスの妊娠率がカロリー制限によって著しく上がることが示されました。生後12か月を超えるマウス(マウスの妊娠という面では末期)にカロリー制限をしたところ、普通に食事させていたマウスよりも卵子の異常染色体が減少していました。また、
カロリー制限したマウスは通常のマウスよりも、人工的に卵巣を刺激して時により多くの卵子を生成していて、そのマウスたちの卵子は受精の際に胎芽へとより発達しやすくなり、子供たちの生存率が劇的に高くなったのです。


また、ミミズなどの虫は飢餓状態では繁殖を止める(驚くにはあたりません)という研究もあります。しかし虫の体は、飢餓の間に存在している卵を破壊してしまい、もう一度食べ始めると幹細胞から健康な卵を再生するのです。その研究では、飢餓によって、虫は通常よりも15倍長く繁殖できるようになりました。また、飢餓の虫はそうでないもの達よりも3倍長くいきました。


この結果により今、熱く議論されているのは、ヒトに卵巣幹細胞は存在するのか?ということです。


1951年以降、女性は、その後の卵子をすべて持って生まれたてくると信じてきました。しかし身体の成長研究では、ヒトを含む哺乳類が、年をとるとともに新しい卵子を作ることのできる卵巣幹細胞を持っていることが示唆されています。もしこれが本当なら、成熟、あるいは未熟な卵子を破壊してしまう放射線治療や骨髄移植などを経た女性達でも、なぜその後の妊娠が可能ののかを説明することができます。


絶食が免疫システムを新しくするのと同様に、女性の卵子供給も新しくするのかもしれません。断食がオートファジーを誘発するなら、古く壊れた卵子も再生するよう体にスイッチが入るのかもしれません。そしてまた食事を再開すると卵巣幹細胞が刺激されて新しく健康な卵子が作られるのかもしれません。それが、虫の研究で起こったことです。人間にも同様のプロセスが起こるのでしょうか。それはまだわかりません。


常識が示すように、もし妊娠率を高めるために断食をしようとしているなら、妊娠する前に試すべきだと専門家は薦めています。カロリー不足時は体が妊娠しないように働く可能性が高いため、妊娠しようとしながらの断食は非生産的だからです。




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またまた、次回に続きます。





2023年3月4日土曜日

健康のための断食 Vol.1
Fasting for Health: What Are the Benefits?

今回はファスティング(断食)についての記事です。
多くの断食の合宿やワークショップがありますが、どんな効果があるのでしょう?
デメリットはないのでしょうか?

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1月のとある水曜日の朝、気分が悪くて目が覚めました。喉が痛く、いつもと違って疲れていて、体が何かと戦っているのが感じられました。それまで3年間も病気なんかしなかったのに!どうして風邪ひいてしまったんだろう、と思いました。

自宅でCOVIDのテストをしてみましたが、幸いなことに陰性でした。けれど、4日経っても風邪の症状は良くなりませんでした。あきらめて彼にん風邪薬を買ってきてと頼みました。彼は眉を上げながらこう言いました「3年間病気なんかしてないわと自慢してるからこうなったんだよ」はい、あなたの言う通りです。



斬新な案:健康のための断食


その日遅くに Facebook をスクロールしていたら、あるポストが目につきました。「3日間の
断食で全免疫再生が可能」そのとき気弱になっていた私は、見出しにすっかり魅了されました。3日間何にも食べないということさえ考えるほど、気分がよくなるならなんでもやるという気分だったのです。


それまで断食などしたことはなかったし、食事を抜いたこともありませんでした。忙し過ぎて食事を忘れるタイプの人間でもありません。そんな人たちを理解することなんてなかったのです。


けれど、その確かな研究に基づいた記事はとても興味深く、ここでご紹介するに至ったのです。1日中 Google した結果、取り憑かれたように栄養について読んでいたのに、この研究には今まで出会ったことがないことに驚きました!(おそらくだれも3日間の絶食なんてしたくないからでしょうね?)





健康のための絶食について知る


5日目の朝、ずいぶん気分が良くなっていました。その午後、前の週にCOVIDが陰性だった親しい友人の一人が陽性になりました。もう一度、自宅でテストしてみたところ・・・なんと陽性。結局ずっと COVID だったのです。ワクチンのブースト接種までしていてものすごく感謝しました。もし接種していなかったらもっともっと大変だったでしょうから。

それでもまだ断食についてもっと知りたいと思い、まずはジェイソン・ファン博士の「断食の完全ガイド」を読み始めました。読み始めると止められなくなりました。数日間の断食をどうやって行うかについてのもっとシンプルなガイドだと思っていたのですが、それ以上のことが書かれていました。一番心に残ったのは、何を食べるかと同様に食べる時間が重要だということです。

ここでお伝えしたいのは、
  • 断食がなぜ食事と同様に自然なことなのか
  • 断食中には体で何が起こるのか
  • 2型糖尿病、癌、アルツハイマーへの断食の効果
  • 断食のアスリートへの効果
  • 出産可能年齢の女性の絶食に対する賛否
  • 絶食の証明されている健康への効果
  • 絶食を取り入れる方法


絶食は食事と同様に自然なこと


以前、断続的な絶食についての研究を読んだことがあり、2型糖尿病の人や体重を減らしたい人に大きな健康効果があることを理解していました。断続的な絶食はインシュリン・レベルを素早く自然に下げるのです。けれど、私個人がそれから恩恵を受けるとは考えたことがなく、またやりたいとも思っていませんでした。空腹でいることが大嫌いだし、お腹が好きすぎると頭が少しくらくらして不安に感じることが多いのです。


断続的絶食になじみのない人にとっては、他の健康への効果の中でもインシュリンを下げたり体重を減らすためには、食事のタイミングを変えることです。食べない時間を、例えば午後7時から午前7時まで、1日12時間、あるいは14、16、18、20時間作るのです。あなたの全てのカロリーは日中の「摂取時間帯」に使われます。12時間絶食なんて簡単に聞こえるかもしれませんが、夜間のおやつを控えたり朝のコーヒーに砂糖を入れないなど結構大変なのです!



食べることがより食べることを招く


ファン博士の本を読んですぐに理解したのですが、私が頻繁に食べたくなる理由は頻繁に食べていたからだということです。頻繁なカロリーのインプットに体が依存するよう慣らしていため、食べない時間が長くなったとき、体はどうしていいのかわからなくなってしまっていました。体が、本来そうであるべき脂肪燃焼モードにうまくシフトしないのです。私は「代謝的に柔軟」ではありませんでした。


後でご説明しますが、各食事の間の食べない時間をより長くすると、体は効率良く貯めた脂肪のエネルギー変換するようになります。多くの人とって、この変換はすぐには起こりません。脂肪燃焼が効率良くなる体になるには数週間かかります。そしてそれは、断続的な絶食のタイミングや、食べる食べ物の種類などによって様々に変わります。



祖先は健康のために絶食していた


健康に気を配る人の多くは、人類が進化してきた時とできるだけ同じ食生活を送りたいと思うでしょう。今の健康問題が現代的な食生活の結果からくるものが多いため、「旧石器時代」の原始的な食事をすればその問題は解決するはずだと考えるというわけです。


つまり、原始的な食事をするということは断続的な絶食を毎日の習慣にするということなのです。数時間、時には数日の絶食は常に私たち人類の一部でした。私たちの体は絶食の時間で、解毒したり、壊れた細胞を修復したり、インシュリンレベルを下げたり、貯めた脂肪を使ったりします。私たちの多く、そして私がしているように、ずっと食べ続けるというのは人間にとって普通ではないのです。



精神的な実践としての健康のための絶食


農耕の発展により絶食しなくてもよくなってからも、多くの文化や宗教では、健康のためや精神的な実践法として絶食を続けてきました。今日では、ギリシャ正教や仏教、イスラム教、ヒンズー教など、世界中の宗教の実践者らが定期的に断食をしています。ヒポクラテスやプルタルコス、プラトン、アリストテレスなど古代の医師や学者らもまた健康のための絶食を勧めています。パラケルススやベンジャミン・フランクリン、マーク・トウェインもそうでした。


ファン博士が指摘するのは、1970年台までほとんどの人は1日に12-14時間食べずに過ごし、食事の間のおやつも食べませんでした。けれど今のアメリカ人は、継続的に食べることが健康に一番良いという誤解のため、1日平均5-6回も食べています。



絶食すると体内で何が起こるのか?


私たちが食べると、膵臓がインシュリン・ホルモンを出します。インシュリンは、食べた食物をブドウ糖に変換してすぐにエネルギーとして使い、残りはグリコーゲンや脂肪として貯蔵します。


食べる回数が多いと、インシュリン・レベルは高いままで、血糖値レベルもずっと高くなります。インシュリン・レベルが高いままだと、エネルギーとして常にブドウ糖を使い続け、余剰のエネルギーをグリコーゲンや脂肪として貯蔵し続け、ためた脂肪は全く燃やさないままになります。


貯めた脂肪を燃やすためには、インシュリン・レベルを下げる必要があります。それは、しばらく食べないでいるときに起こります。体内に貯蔵したグリコーゲンは約24ー36時間止まり、その後でやっと体が貯めた脂肪をエネルギーとして燃やし始めるのです。



ケトダイエットと脂肪燃焼


流行りの「ケトダイエット」の仕組みは、こうです。1、2日の断食の後、私たちの体は完全にケトーシス状態に入ります。ケトーシス状態では、低いインシュリンレベルのためエネルギーになる脂肪の分解が刺激されます。貯め込まれた脂肪は脂肪酸に分解され、体のほとんどの組織でエネルギーとして使われます。体もまた、こうした脂肪酸でケトン体を作り、これが脳でエネルギーとして使われます。


絶食した時、体内では他にも有益なことが起こります。アドレナリンが増えて代謝が早まり、エネルギーが増えます。成長ホルモンの生成が増え、筋肉量が保たれて老化を緩やかにします。そして、脳由来神経栄養因子の生成が増えて、アルツハイマーやパーキンソン病、ハンチトン病などの神経変性病の進行を遅らせます。



オートファジーとは?


絶食時にはまたオートファジーが起こります。2016年、日本の細胞生物学者である大隅良典氏は、オートファジーの発見でノーベル賞を受賞しています。


オートファジーとは、傷ついたり病気になった細胞を体が再生することです。絶食すると、これらの傷ついたり病気になった細胞を維持するエネルギーが十分に入ってこないので、体はこうした細胞を分解して新しい細胞の成分としてリサイクルします。そうして作られた新しい細胞がリサイクルされた細胞と入れ替わっていくのです。


これには免疫細胞も含まれます。古くなって傷ついた白血球は絶食するとリサイクルされるので、絶食中には白血球の数は減少します。そしてまた食べ始めると、より効果的に病気から守ってくれるよう適切に機能できる新しい白血球を再生するよう幹細胞が刺激されます。このように、絶食の中で免疫が再生されていきます。





食べ続けるとオートファジーが働かなくなる


ブドウ糖やインシュリン、タンパク質のレベル上昇により、オートファジーのプロセスは止まります。ですから、常に食べ続けている時にオートファジーは起こりません。動物実験により、絶食後約24時間でオートファジーが始まり、約48時間後にピークに達し始めることがわかっています。


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次回に続きます。








2022年8月29日月曜日

毒素にうんざり?おうちでのデトックス法 
Tired of Toxins? How to Detox (at Home)




このところずっと怠く眠く感じて少し憂鬱なのですが、なぜだかわかりません。どこが悪いのでしょうか?


アーユルヴェーダによれば、倦怠感や眠気、憂鬱はアグニが低いことの表れです。アグニとはサンスクリット語の「火」という意味の言葉です。一般的には、太陽神経叢つまりみぞおちにある消化力を表します。アグニの仕事は、消化を助け、食べ物の栄養を吸収し、皮膚や肝臓、腎臓などの浄化の臓器が老廃物を体外に排出するのを助けます。しかし、アグニはそれだけではありません。私は、小さなだるまストーブに例えるのが好きです。私たちの住処(体)の中心です。消化は、免疫や活力、精神の明晰さなどと同じく、それに依存しているのです。


アグニが強い時は、健康的な食欲や、寒い天候への強い耐性、豊かなエネルギー、風邪やインフルエンザや他の病気に対する抵抗力を持つことができます。しかしアグニが弱いと、膨満感や消化不良、便秘や下痢、内臓の冷え、免疫低下、疲労感や全身の活力低下などが起こります。また、アグニが低い時には、食べ物を効率的に代謝することができず、消化不良からアーマ(未消化の残余物、あるいは毒素)が作られてしまいます。アーユルヴェーダの視点では、これが問題のもとになると考えられています。




体をデトックスして活性化させるにはどうすればいいの?


アグニを強化には4つの簡単な方法があります。有酸素運動、アグニを対象としたハタヨガの練習、健康的な食事、そして解毒のハーブです。


➢ ヨガと有酸素運動


理想的には、毎日運動する方が良いでしょう。けれど、30分間の運動を週に5、6回以上行うことがおすすめです。水泳や自転車、ダンスなど、心拍が上がるような、楽しめるものを選びましょう。また、アグニ・サラ(腹部の締め付けや引き上げ)、捻りのポーズ、前屈後屈、脚上げ、腹筋運動など太陽神経叢や消化の火を強化するハタヨガをしましょう。しかし、ハタヨガの練習を、毎日の義務のひとつにしてしまわないようにしましょう。ハタヨガは、呼吸と共に動くものであり、今に存在して身を委ねるものです。精神的な修養の準備であるべきで、他のエクササイズとは異なります。


自分の能力や使える時間の量に合わせて、持続可能な運動のスケジュールを立てましょう。例えば、私は平日の朝は10ー15分間のヨガをして、昼食時に45分間散歩、そして就寝前に落ち着いて瞑想できるようなヨガを少し行います。あなたには、あなた自身に合った練習法が必要となるでしょう。



➢ 健康的な食事


三つ目に、全粒の穀物や果物、豆類、または少量のオリーブ油やバター、ギー(精製バター)で調理した野菜(生野菜は消化しにくい)などの、新鮮で栄養のあるものを食べましょう。消化の火を燃やすため、食事の時にジンジャーティーを啜ったり、生姜やニンニク、シナモン、クローブ、バジル、オレガノ、胡椒、唐辛子など温める辛味のハーブで味付けをしましょう。


目的は、気分が良くなるような食べ方をする事です。ですから、食べる時に食べ物があなたにどんな影響を与えているかに気づきましょう。満足して元気になりますか?それとも疲れた感じがしますか?


もし怠さを感じたら、消化の火の能力を超えないように食事を少なくしてみましょう。ため息をつきながら「ああ疲れた、ひと眠りしなくちゃ!」と言ってしまうような食事はやめましょう。


思い出してみてください、アグニは火です。火に薪をくべすぎたり、大きな重く湿った薪を入れれば、火はくすぶって消えてしまうかもしれません。同様に、食べすぎたり、間違った食べ方をすれば消化の火はくすぶってしまいます。グルテンのある穀物(小麦など)、肉、乳製品、脂っこいものには、強い消化の火が必要です。こうした食べ物はとても栄養があるかもしれませんが、アグニが弱い時はすぐにアーマを作り出します。アーマはクリームチーズのような質を持っています。重く、濃厚で、粘性があります。アーマは体の弱い部分に蓄積されますが、それは人によって異なります。例えば、膝関節に溜まる(こわばりとなります)人もいれば、心臓まわりの血管を詰まらせる(心臓病になります)人もいます。簡単に言えば、どこであれアーマがあれば、すぐに病気や不健康な状態になるのです。


これを予防するには、2、3週間、小麦や乳製品を減らし(あるいは完全に避ける)、脂っこいものや揚げ物を止め、代わりにキノアや黍などの軽い穀物を食べましょう。そして、1、2週間、どう感じるかを観察します。私の患者の多くは、より軽く、明晰で精力的になったと言っています。彼らのアグニの負担が減って、より明るく燃えるようになったからです。



➢ 解毒のハーブ


最後のヒントは、腸を浄化する事ですが、これはちょっとした食事の変更や解毒のハーブの助けがあれば簡単に行えます。もし、定期的なお通じがない、あるいはあまり質の良くないものをたくさん食べているとしたら、その結果生じたアーマが腸の壁にくっついているかもしれません。これが栄養の吸収を妨げ、老廃物の排泄をも妨げます。この状態が自家中毒と呼ばれる健康状態を起こす事もあります。つまり、腸に溜まった毒素が体内組織に溶け出し始めている状態です。これが、頭痛や疲労感、ニキビや蕁麻疹、吹き出物といった発疹など不快な副作用の原因となります。


毎日のお通じのため、より多くの食物繊維と水を取り入れましょう。サイリウムというハーブ(水溶性で小さなタワシのように働く)をお勧めします。腸壁に溜まったアーマを取り除くのに役立ちます。トリファラというアーユルヴェーダのハーブ・ミックスも良いでしょう。トリファラを便秘薬と考える人もいますが、実際には腸の強壮剤です。腸壁を整え、腸の働きを最適な状態にします。便秘や下痢なら、トリファラで排泄器官を正常に戻すことができます。アーユルヴェーダの文献では、トリファラのことを「アーマを取り除くコテ」と表現しています。腸から毒素を引き出して体の外へ流し出す助けとなります。


こうしたハーブは誰でも摂ることができます。複数を同時に摂取するように、患者さんに指示することもあります。春や秋の健康維持のため、6-8週間、夜にトリファラを朝にサイリウムを、などです。


朝のサイリウムは、ティースプーンに一杯だけ(もっと多く摂る指示が瓶に書いてあったとしても)使います。2カップ以上の水やジュースに混ぜてすぐに(どろっとする前に)飲みます。サイリウムの殻は、その重さの100倍の水を吸収します。ですから、たくさん水を一緒に飲むことが重要となります。そうでないと、特に便秘気味の人は、繊維が体の水を吸い取ってしまうでしょう。ティースプーン一杯のサイリウムで、快適だけれどあまり効果がない時は、量を倍にしてみましょう。けれど、お腹が張ったり便秘になったら、分量を減らすかもっと水の量を増やしましょう。(注意:サイリウムと一緒に薬やビタミン剤を飲まないでください。繊維で包まれてしまうと吸収されなくなります)


夜のハーブとしては、ティースプーン一杯のトリファラの粉を、カップ一杯の沸騰したお湯に溶かして6ー8時間以上置きます。正確に時間を測るため、正午、あるいは朝出かける前に準備しましょう。このお茶を、固形物をカップの底に沈めたまま、就寝時に空腹状態で飲みます。アーユルヴェーダの理想では、ハーブは味わわなければなりません。味にもかすかな薬効があるからです。けれど、トリファラの味が好きではないなら、かわりにカプセルやタブレットを、パッケージの指示通りに飲んでもいいでしょう(通常、1日2回2錠、空腹時にお白湯で飲みます)。


もし、体内に多くのアーマがある場合は、発疹や頭痛、お通じなどトリファラの解毒反応が起こるかもしれません。その場合は、量を半分に減らします。でも心配しないでください。解毒反応は悪い兆候ではありません。体が蓄積したアーマを取り除くのを助けているのです。穏やかに少しずつ解毒するのが良いでしょう。






では、最初の質問の答えです。
体内のアーマを浄化し、エクササイズやハタヨガ、食事やハーブで代謝を活性化させることで、アグニを強化し、より明晰で活発、生命力に溢れていると感じられるでしょう。


2022年3月31日木曜日

この春を健康に過ごす4つのヒント 
4 Tips to Stay Healthy This Spring


春は、ひだまりと喜び、愛と創造性の時、季節の王様です。母なる大地が目を覚まして芽を吹かせ、エネルギーは高まり、全てが花咲き、色とりどりになります。私たちはエネルギーをより感じ、こどもたちが遊び鳥たちが歌う戸外で過ごす時間が増えます。春はお祝いの季節です。


春の性質は、温かく、湿り気があり、優しくそして肥沃です。その温かさは、冬の間に溜まった雪や氷を溶かし始めます。同様に、体内のカパ(潤滑やエネルギーの維持に関係のある心身の力)が解けて流れ始めます。そのせいで、多くの人が春風邪をひくのです。また、花々が花粉や甘い香りを放つので、多くの人が花粉症やアレルギーに悩みます。


鼻水や喘息、鼻詰まり、アレルギーがあるなら、または気だるく、貪欲、執着しているように感じるなら、おそらくカパが過剰になっています。こうした症状を防ぐ最善の方法は、カパを減らす養生法を行うことです。下記の伝統あるヒントを試して、ぜひ春を存分に楽しみましょう。




1. 春のデトックス


週に一度、ニンジン、ビーツ、ブロッコリ、パセリ、林檎、ザクロ、ベリー類など新鮮な果物や野菜でジュース断食をしてみましょう。そして、腸をきれいに保つため夜にお白湯でトリファラ(アーユルヴェーダのミックスハーブ)を摂ります。また、評判の良いアーユルヴェーダ・クリニックで、3〜10日のパンチャカルマを受けるのも良いでしょう。浄化と回復の養生法であるパンチャカルマは、体を解毒し、体内組織を浄化、そして免疫を強化します。そして、資格のある医師の指導のもと、個人に合わせたラサヤナ(アーユルヴェーダの回復セラピー)を行えば、体が軽く活発に感じることでしょう。



2. 滋養のあるハーブ


春のカパを減らすのに良いハーブには、生姜、黒胡椒、トリカトゥ、クトゥキ、プナルナヴァがあります。ウェブや地元の健康食品店などで探してみてください。



3. 活動的に


太陽が上がった後に寝ていると、カパ・ドーシャのバランスを崩します。代わりに、早起きして朝の散歩をしましょう。そして、元気の出る太陽礼拝、魚のポーズ、船のポーズ、弓のポーズ、バッタのポーズ、ライオン、キャメル、ヘッドスタンドやショルダースタンドなど春のヨガを行いましょう。いつものハタヨガとともに、バストリカ(火の呼吸)、カパラバティ(頭を輝かせる呼吸)、ブラマリなどのエネルギーを活性させるプラナヤマをしましょう。



4. 自分に合った食事


春は、アグニ(消化の火)は弱くなります。ですから、アグニの強い冬よりも食べる量を減らすことをアーユルヴェーダでは勧めています。カパが優位な体質の人は、特に減らしましょう。

軽く温まる食事を


苦味、辛味、渋味のあるものが春に適した食べ物です。黄エンドウ豆、赤レンズ豆、ひよこ豆、インゲン豆、大豆製品などの豆類、大麦、蕎麦、とうもろこし、キビ、オーツ麦などの穀類などの自然食品を味わいましょう。野菜は、ブロッコリーやカブ、ほうれん草、オクラ、アスパラガス、アーティチョーク、玉ねぎなどを、ニンニクや生姜、黒胡椒、唐辛子などのスパイスと摂ります。タンポポやリーフレタスなどの春の葉野菜のサラダはカパを減らします(が、ヴァータ優位体質の人はこれらを少なめに食べるようにしましょう)。また、梨やプラム、リンゴ、ザクロ、ルバーブなども適度な量で摂るとよいでしょう。


消化によい飲み物


アグニを強く保つため、クミン、コリアンダー、フェンネルパウダーを同量入れたお茶を飲みましょう。あるいはホームメードのラッシーを作りましょう。ヨーグルトと水1対4の量にしてローストしたクミンシード小さじ4分の1を合わせ、クリーム状になるまで混ぜます。


冷たく重い食べ物は避ける


柑橘類、アイスクリーム、ポテトチップスなど、酸味、甘味、塩味のある食べ物はカパ・ドーシャを増やすので避けるべきです。また、乳製品や冷やした飲み物も減らしましょう。これらは消化力を弱めます。


もっとハチミツを


アーユルヴェーダによれば、ハチミツは熱を作るので春のカパのバランスを整えます。甘味料として使ったり、小さじ一杯のハチミツをカップ一杯のお湯で溶かして自分へのご褒美としましょう。




(出典)https://yogainternational.com/article/view/4-tips-to-stay-healthy-this-spring

2022年2月28日月曜日

アグニ・サラ入門 Vol.2
Guide to Agni Sara

 前回の続きです。


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禁忌

アグニ・サラは、生理中や妊娠中、あるいは、裂孔ヘルニア、潰瘍、心臓疾患、高血圧などの場合は避けてください。避妊リングを使用している方には不快感があるかもしれません。これは空腹時に、つまり通常の食事の後は3時間あけるようにしてください。

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アシュヴィニ・ムードラ


次に、うつ伏せになって組んだ腕の上に心地よく額をを休ませます。息を吸う時に腹部が床を押しているのを感じましょう。息を吐きながら、左右のお尻を引き寄せて、できるだけ強く深く収縮します。息を吸い込んで、解放します。前回のように、上半身は穏やかにリラックスしておきましょう。たっぷりと深く呼吸します。この動きを5回以上繰り返しましょう。


それから、さっきのようにお尻を締めながら、息を吐く時に、括約筋と骨盤底も引き上げましょう。息を吸い込んで、やわらげて解放し、十分にリラックスします。括約筋と骨盤底(会陰)を働かせながら、これを5回以上繰り返します。何度か息をして休んでから、チャイルドポーズで、骨盤底、臀部、腰、下腹部に意識を向けたまま1、2回息をしましょう。







四つ這いで骨盤を傾ける


今度は、四つ這いになり、股関節の真下に両膝、肩の真下に両手を置きます。すねと足の甲を下に押して、腿の骨を中心線から遠ざけるように押します。息を吐いて、尾骨を下げ、下腹部を引き込み、お腹をくぼませます。上半身は動かさず安定させておきます。これは、背骨を動かすキャット・ポーズではありません!骨盤だけを動し、胸と上半身は動かしません。息を吸い込んで、恥骨を腿の間に引き込み、尾骨を持ち上げ、坐骨を開いて持ち上げます。下腹部にたっぷり息を吸います。そして、息を吐いて、おへそと腹壁を背骨に向かって締めながら、尾骨を下方に丸めます。5回繰り返しましょう。




次の段階は、骨盤を傾けたり回したりせずに、腹部を締めたり緩めたりします。息を吐いて、骨盤底や下腹部を収縮し、そして息を吸って骨盤底をゆるめて柔らくリラックスさせ、下腹部を大きく膨らませましょう。数回繰り返して、深く強く、骨盤底と腹部の動きを切り離しましょう。それから、踵に座ってチャイルドポーズになり、穏やかな呼吸を1、2回下腹部や背中へと行います。








A & P (アクンチャナ・プラサラナ)


それでは、骨盤底や内腿、下腹部、腰が目覚めたところで、アグニ・サラの練習を始めましょう。骨盤幅よりやや広く両足を開いて心地よく立ちます。両膝を曲げて両手を腿におきましょう。少し前に屈んで腕に胴体の重みを預けて、腰椎を支えている腹部の深層筋をリラックスさせましょう。首の後ろを伸ばして顎を引き、下腹部を見下ろします。




まずは息を吐きだしてお腹をくぼませ、尾骨をひき、括約筋と骨盤底を引き締め上げましょう。それから、息を吸ってやわらげ、尾骨を後方へ伸ばして恥骨を腿の間に下ろし、骨盤がまた大腿骨の上でやや回転するようにしましょう。骨盤の動きを切り離し、背中の他の部分はじっとしておきます。何度か繰り返してから、腹部や骨盤底をより引き締め、骨や外側の動きを少なくしていきましょう。息を吐いて骨盤底やお腹を収縮し、骨盤は動かさないでおきます。5回繰り返しましょう。息を吐いて、腹部を背骨に向かって引き込み、骨盤底と臀部、内腿を引き締めます。息を吸ってやわらげ、しっかりとリラックスしましょう。これがアクンチャナ・プラサラナ(A&P)です。アサナの初心者であったり、少し落ち着かない、やりにくいという場合は、これをしばらく練習しましょう。A&Pがしなやかで滑らかに行えるようになれば、アグニ・サラは楽にできるでしょう。




アグニ・サラ


アグニ・サラの完全な練習をするために、もう少し調整をしましょう。それには、腹筋の連続的な収縮と解放が必要です。まずは骨盤底とお腹の一番下の部分(恥骨のすぐ上)を、吐きながら引き締めます。そして、下腹部を収縮させて引き上げましょう。吐き続けて上腹部を収縮します。腹壁全体が強く収縮して引き上げられたら、完全に息を吐き出し、横隔膜を肋骨の下に吸い上げます。


お臍の上にある腹壁上部を解放して、すぐに横隔膜をゆるめ、息を吸いましょう。そして下腹部を解放し、息を吸い続けて、吸い切った時に骨盤底を解放します。止まらずに、息を吐いて骨盤底とお腹の下の方を引き上げます。息を吐き続けながら、下腹部を締めます。吐き続けて、上腹部を締めて横隔膜を引き上げます。そして、横隔膜をゆるめ、息を吸いながら、上腹部を解放してから下腹部、最後に骨盤底を解放しましょう。





横隔膜が肋骨の下へ動くのを感じなくても心配要りません。スムーズに深く、波のように収縮させることに集中し、下腹部を引き締めたまま吐く息を吸う息へと変えていきます。ここが重要なポイントです。息を吸ってお腹の上の方を緩める時も、下腹部と骨盤底を締めて引き上げ続けます。横隔膜は、下腹部や骨盤底とは無関係に働かせられることに気付きましょう。


基本的な練習ができるようになったら、より深く体に意識を引き込みましょう。より深く感じられるほど、より良いのです。前後は中心に向かって引き込まれ、中心は力強く上へ動きます。力強い気づきによって、腿や臀部にある活力の貯蔵庫から、エネルギーを中心へと向かわせ、背骨を通って上へと引き上げます。また、体が必要としているところへと意識が移ることにも気づくでしょう。そのようにして、必要と感じる場所へとエネルギーを向けましょう。背骨のこわばった場所、詰まって冷たく動かない場所、へとエネルギーや意識を移すことができ、内側から外へ軽さと暖かさを感じることができます。動きをクリエイティブにしても良いでしょう。両腕を真ん中へと振り下ろして頭上に振り上げたり、片方にツイストします。そして、この動きをアサナや、プラナヤマ、瞑想に取り入れます。


アグニ・サラの訓練は時間がかかるので、毎日の練習が必要です。胃腸が空っぽである早朝が最適の時間です。また、食前、就寝前、アサナの練習の間も可能です。まずは5ー10回、あるいは体力や能力に応じて快適に行える回数から始めましょう。40-50回の繰り返しを、1日に1回以上行いましょう。





その次は?


アグニ・サラは、腰椎を支え、脚や骨盤を胸、首、頭と統合することで、全ての姿勢に力を与えます。この活力とアライメントを、座位のバランスポーズに取り入れましょう。


まずは、腿の骨が骨盤からまっすぐ伸びるように、両足を数センチ離して床に置き、座りましょう。両手を骨盤の近く後方の床に置きます。両手両足を床に押して、背骨が骨盤底からまっすぐ引き上がるのを感じます。背骨の前方を持ち上げましょう。会陰と恥骨の上にある下腹部が引き上がるのを感じます。この背骨のニュートラルな姿勢は、アグニ・サラで使われる腹部の深層筋で保たれています。楽で締め付けない呼吸を続けましょう。





もう少し挑戦するには、片方ずつ手を床から持ち上げて、まずは両膝の下に移動し、最後には、背骨のアライメントを変えずに両脚の横まで持ち上げます。背中が曲がったり、引き上げ続けられない場合は、両手を床に置いたままより内側へと持ち上げて、少しずつ両手の重みを緩めていき、両腕で体重を支えないようにしましょう。意識を下腹部に向けたままで、スムーズで安定した、無理のない呼吸を続けます。顎や肩を和らげましょう。そのまま5呼吸しますが、アライメントが維持できるところまでにしておきます。数回繰り返しましょう。





そして、膝を緩めて、瞑想やプラナヤマの座位になりましょう。そして、違いを感じます。力を抜いて、意識を呼吸へ向け、呼吸が下腹部や骨盤底の引き締まりに支えられていることを感じます。あなたは今、喜びにあふれた瞑想や効果的なプラナヤマ、人生のあらゆる面における活力や安定性を得る道を歩んでいるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/guide-to-agni-sara


2022年2月21日月曜日

アグニ・サラ入門 Vol.1
Guide to Agni Sara

今回はアグニ・サラの練習法についてです。
以下の注意事項を読んでから行ってください。

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禁忌


アグニ・サラは、生理中や妊娠中、あるいは、裂孔ヘルニア、潰瘍、心臓疾患、高血圧などの場合は避けてください。避妊リングを使用している方には不快感があるかもしれません。これは空腹時に、つまり通常の食事の後は3時間あけるようにしてください。


プラナ(体の微細なエネルギー)に働きかけるあらゆる実践と同様、あまりにも速すぎることは変化をもたらすのではなく負の傾向を強める可能性があります。行った後に、怒ったりイライラしたりぼんやりしてしまわないよう、穏やかで元気に感じられるようにしましょう。通常は熱を感じます。熱は体の中心奥深くから湧き上がり、内臓や微細エネルギーの経路を浄化します。ジョギングやテニスなどの有酸素運動で得られる熱とは全く異なる質を持っています。

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ヨガにはクラクラしそうなほど数多くの実践法があるので、こんな風に思うこともあるでしょう。一番大事なのは何?本当に必要な練習は何?少ない時間で一番効果を得るにはどうしたらいい?こうした質問への答えは一人ひとりで異なりますが、ハタヨガには欠かせない実践がいくつかあります。そのひとつがアグニ・サラです。プラナヤマの要素とアサナの訓練を組み合わせたアグニ・サラは、ハタヨガの真髄です。ハタの最終的な目的は、点在する本能的な生命エネルギーを集めて、それを自分の内面を旅するために利用することですが、アグニ・サラはまさにそれを可能にしてくれるものです。


アグニ・サラは、腹部と骨盤底の深い収縮で、腹部の内臓、そして体内の本能的な生命力を制御し活動させる意識の中心(チャクラ)を対象としています。つまり、身体的な健康だけでなく、生命力や感情にも影響を与えることができます。最終的には、精神的な成長と変化を促進します。言葉の意味としては、「アグニ」は火を意味し、消化や識別、変化を起こす要素的な質で、「サラ」は本質を意味します。


ヨガの秘教的な解剖学では、それぞれのチャクラは、全身の機能に特定の働きをすると考えられています。最も根底にあるチャクラは「地」要素の特徴を持ち安定性を象徴しており、身体的な存在の基礎となっています。「水」は、骨盤の中心にある第二チャクラの要素です。感情的な流動性、私たちの周囲の世界を味わう欲望を象徴しています。「火」であるアグニは、おへそのあたりに存在する要素で、体と心をつなげるエネルギーであるプラナの中心です。さまざまな種類のプラナを通して腹部の中心と共に働き、身体に栄養を与えて持続させます。


これらの3つのチャクラの活動を考えれば、アグニ・サラが、体の主な生理学的機能に素晴らしい効果をもたらすのは驚くことではありません。第一に、骨盤底や腹壁の筋肉組織を強化し、すなわち、腹部の内臓を正しい位置に維持します。それにより、内臓にかかる下向きの重力に抵抗することができ、誰にでも起こりうる腹部の筋肉や結合組織の緩みにも抵抗できます。体内では、アグニ・サラは、消化器官や排泄器官を整えて活性化し、浄化します。病気の多くが消化管の不調から起こるため、アグニ・サラを習慣的に行えば、その効果の範囲は広大です。


アグニ・サラは、その他の臓器が健全に機能するのにも役立ちます。下腹部の腹壁の収縮は膀胱をマッサージし、骨盤底の収縮が排尿を制御するのに使われる筋肉を強化します。腹部に蓄えられがちなリンパ液は腹壁の動きで上方へ圧迫され、それが健康的な免疫機能を活性化させます。アグニ・サラは、生殖器など腹部の臓器への血流を促進します。つまり、この重要な練習によって、腹部の生理学的機能の全てが強化されるのです。


アグニ・サラは、身体的な効果に加えて微細な変化をも伴います。アグニ・サラにより活力が高まると、感情的には不安が減り困難に直面しても安定したままでいることができます。習慣的に練習をすることで、より感情の苦悩にうまく対処できるようになり、やる気や精神的な自信が高まります。アグニ・サラは、身体的エネルギーだけでなく、精神的、感情的なエネルギーの枯渇を防ぎ、また、全ての面において私たち自身の活力を維持してくれます。


こうしたかすかな効果を感じる鍵は、実践に向ける気づきを次第に洗練させていくことです。最初は、ポーズの機能的仕組みに働きかけることで十分でしょう。それが、自身の体への理解のはっきりとした変化につながります。しかし徐々に、アグニ・サラは、エネルギーの上方への強い動きと意識の内面に向かう動きを、産みだします。肉体の強さがより活発なエネルギーにつながり、そうして、バランスの良い安定した精神が現れるのです。


この効果を得るためには、体系的に働きかけなければなりません。基本的な練習でも難しいかもしれませんが、それは、集中しなければ、下腹部の深層筋を分離したり使ったりするこはほとんどないからです。ですから、両脚上げや腹筋運動などに慣れてるとしても、対象としているのが弱く反応しにくい場所のため、アグニ・サラはやや難しいと思うかもしれません。そこで、まずは神経と心と筋肉組織を訓練する練習から始めましょう。この準備によって、下腹部の深層筋にアクセスすることができます。それから、実際のアグニ・サラへと進んでいきましょう。




横たわった骨盤底を傾ける


仰向けに横たわり、両足は数センチ離して床に置き、手のひらを下にして腕を床に置いておきます。両足で床を踏み込み、内腿が活性するのに気づきます。顔や顎、お腹をやわらげます。無理のない均等な呼吸をし、呼吸を深く体の中へ送ります。背中を和らげて床に下ろし、意識を骨盤やお腹に向けます。そして、深くゆっくりと吐き出して、あらゆる腹筋を収縮させます。たっぷりと息を吸い込みながらお腹をやわらげ、膨らませます。そしてまた、強く深く吐き出して、ゆっくりと下腹部やおへそを背骨に向かって引き込み、腰を床に押し付けて、お腹を空っぽにします。息を吸い込んで収縮をやめて、またお腹が空気で満たされるとともに腰が自然に床から離れるままにします。


繰り返しながら、深く呼吸して、ゆっくりと穏やかに行い、腿や脚を床に安定させます。骨盤は優しく前後させ、大腿骨の骨頭あたりで回転させるように気をつけてください。息を吐きながら、尾骨を両腿の間から持ち上げ、腰椎を床に下ろします。息を吸いながら、恥骨を腿の間に下ろし、尾骨を床に向かって下げて、腰椎を解放します。次は、筋肉と軟組織に意識を向けましょう。息を吐いて、収縮し、引き締めて、下腹部を引き上げます。恥骨と尾骨の間のスペースを感じて、そこを締めたり緩めたりします。これが骨盤底で、骨盤内にある臓器を支えています。


それでは、骨盤を動かさず安定させて、腹部と骨盤底だけを収縮し、より微細な練習を行いましょう。胸や顎、顔、をして腕をリラックスさせます。両脚を通して優しく地面とつながり、骨盤を安定させ続けます。5回繰り返しましょう。






この動きのエネルギーを感じながら、体の背中側に意識を向けましょう。気づきを内側に向かわせて、動きに少しだけ勢いを足しましょう。女性は、膣に沿って引き上げて、できるだけ深く行い、そしてできるだけリラックスしましょう。エネルギーを感じられるよう、少し強めに引き締めて収縮させましょう。







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次回に続きます。



2022年1月24日月曜日

甲状腺のためのヨガ:喉を刺激し不調を予防する5つのエクササイズ
Yoga for thyroid: 5 exercises to stimulate the throat, prevent disorders



1月は「甲状腺認知月間」で、世界中の甲状腺患者や甲状腺の研究治療に携わっている人に捧げられています。甲状腺は、体内全ての細胞、組織、内臓に影響を与えるホルモンを作り出している、つまり、体が正しく働くため大きな役割を果たしている首に存在する小さな腺です。

米国甲状腺協会によれば、甲状腺疾患を持つ人の60%がその症状に気づいていません。そのため、甲状腺に影響を与える様々な健康状態について啓蒙するため甲状腺認識月間が必要となっています。今日では高血圧や肥満から起こる誰もが知るものとなった甲状腺疾患を緩和する手段や解決法を知ってもらうことが必要なのです。

甲状腺障害は、男性よりも女性に多いと考えられています。甲状腺障害の主な要因のひとつはストレスの多いライフスタイルにあります。以下の5つのヨガポーズを甲状腺障害の補完治療として、喉を刺激し、障害を予防、そして自然に治療することで元気を取り戻しましょう。


どんなヨガも始める前に医師に相談することが大切です。以下のエクササイズは今あなたが受けているいかなる治療や投薬の代替ではありません。補完としてのみ行うようにしてください。






1. サルヴァンガサナ(肩立ちのポーズ)




方法:
仰向けで横たわります。両脚を上にゆっくりと90度まで持ち上げます。お尻を持ち上げて両脚を頭の方向に伸ばします。次に、両脚、お腹、胸を持ち上げて一直線にしてみましょう。

両手のひらを背中に置いて支えにし、顎は胸に引きます。心地よい範囲で、できるだけ長くこのポーズを保ってみましょう。15秒から1分間は保ってみましょう。。


効果:
このポーズには、肩や首のストレッチ、脚や臀部の引き締め、甲状腺や腹部の内臓の刺激など数えきれない効果があります。甲状腺機能低下症、亢進症の両方によいとされ、ストレスや更年期症状の緩和を助けます。




2. マツヤサナ(魚のポーズ)




方法: 
床に両脚を伸ばして仰向けに横たわり、両手は腿の傍に置きます。手のひらは肩の近くに置いておきます。息を吸って、手のひらで床を押し肩と頭を持ち上げ、頭頂を床に下ろします。

背中をそらして、合掌した手を上げておきます。両脚を45度の角度まで持ち上げます。このポーズを10秒保ってから下ろしましょう。


効果:
このエクササイズには、胸やお腹、股関節屈筋、首のストレッチなど多くの効果があります。また、コミュニケーションと自己表現に関連する喉のチャクラ、そして叡智や知識と結びついている頭頂のチャクラという体の重要な二つの部分を刺激します。


注意:
首や背中の怪我、頭痛のある時はこのポーズは避けましょう。





3. ウシュトラサナ(ラクダのポーズ)




方法:
ヨガマットの上に膝まずき、両膝と両足を揃えます。骨盤を前に押し出して後方に倒れます。

頭と背骨を、無理なくできるところまで後方に曲げていきます。両手を足に置き、体、背中の筋肉をリラックスさせ、数秒間保ってから元に戻りましょう。


効果:
肩や背中のストレッチと強化、股関節の伸展や股関節屈筋の深いストレッチなど、ウシュトラサナは、胸を開いて呼吸を促進させるだけでなく、腹部を広げて消化や排泄を促します。首をストレッチし甲状腺の血流を増加させることで甲状腺を刺激、脊椎を緩める、腰痛の緩和、姿勢の改善や腿の脂肪を減少させるなどの効果があります。




4. ブジャンガサナ(コブラのポーズ)



方法:
お腹を下にして横たわります。両手のひらを胸の横に置き、腕は体に寄せて肘を後ろに下げます。息を吸って額、首、両肩を持ち上げます。

両腕の力を使って胴体を引き上げます。自然に呼吸しながら前を見ましょう。お腹が床についているのを確認します。このポーズを5秒間保ちます。ゆっくりとうつ伏せに戻りましょう。両腕を体の脇に置いて、頭を横に向けて休みます。


効果: 
このブジャンガサナという横たわった後屈ポーズは、背骨、臀筋、胸、腹部、肩、肺を強化し、血流を促し、体内のストレスを解消します。甲状腺の機能を高め、首や喉をストレッチすることで甲状腺機能低下症に悩む人に良いとされます。




5. シャヴァアーサナ(屍のポーズ)





方法:
仰向けに横たわり、両脚を伸ばして両腕を体の横にリラックスさせておきます。そっと目を閉じて、両足の先を心地よい自然な幅に開いておき、両腕は体から少し離してに沿わし手のひらを上にして休ませます。

自然に呼吸し、全身を地面に重く下ろし、意識をつま先に集中します。それから、意識を、つま先から頭の頂点まで、体、臓器、細胞のそれぞれの部分へと解き放ち始めましょう。心が逸れてしまった時は、そっと体に戻します。

眠ってしまわないように気をつけながら、目が奥の方へ下りていき、顎が緩むのを感じます。意識を回りの音へと向け、最も遠くの音から最も近い音までを見つけてみます。

リラックスして感じられたら、意識をそっと体に戻し、目を閉じたまま指先や足先を細かく動かし、ポーズを終えましょう。両膝を引き込んでゆっくりと片側へ寝返り、安楽座(あぐら)で座ります。その心地よい座位でしばらく休んだ後、そっと目を開けて意識をゆっくりと外側へと向けます。



効果:
深い呼吸を伴うシャヴァアーサナは、どんなヨガポーズよりも神経をリラックスさせ、すぐに体温を下げます。甲状腺機能低下症、亢進症の両方にとてもよい効果があり、夜眠れない亢進症患者のための仮眠のような効果もあり、ストレスを解消、細胞を再生し、体をリラックスさせ、そして妊娠中の女性が薬を使うことなく自身を癒すのにも役立ちます。










(出典)https://www.hindustantimes.com/lifestyle/health/yoga-for-thyroid-5-exercises-to-stimulate-the-throat-prevent-disorders-101642059191365.html


2021年12月26日日曜日

リラクゼーションのテクニック:呼吸のコントロールでストレス反応を鎮静 
Relaxation techniques: Breath control helps quell errant stress response



「闘争逃走反応」という言葉は、ストレス反応としても知られています。これは、危険に対峙するか、それとも避けるかという体の準備です。適切に喚起されれば、ストレス反応のおかげで多くの困難に立ち向かうことができます。しかし、問題となるのは、例えば金銭的な困難や交通渋滞、仕事に対する不安や人間関係など、それほどまでには重要でない日々の出来事によって絶え間なく反応し続ける時です。


健康の問題はすべて同じところに行き着きます。主な例は、心臓疾患の大きな原因となる高血圧です。ストレス反応はまた、免疫機能を抑圧し、風邪などの病気に罹りやすくなります。また、ストレスが溜まると、不安症や鬱にも関連する場合があります。ストレスの全ての原因を避けることはできませんし、避けるべきでもありません。しかし、それらにより健康的に反応する方法を養うことは可能です。そのひとつは、1970年にハーバード医科大学で心臓病学者のハーバート・ベンソン博士によって最初に開発されたテクニックで、リラクゼーション反応を喚起することです。リラクゼーション反応は、瞑想やヨガ、漸進的筋弛緩法など多くの方法で誘因することのできる深い休息の状態です。


リラクゼーション反応を喚起するいくつかのテクニックに共通する特徴は、呼吸への集中です。まずは深く呼吸することを学びましょう。



深い呼吸の効果


深い呼吸は、横隔膜呼吸、腹式呼吸などとも呼ばれます。深く呼吸すると、空気が鼻を通ってたっぷりと肺に入り、下腹部が膨らみます。


多くの人にとって、深い呼吸は不自然だと感じるでしょう。これにはいくつかの理由があります。一つには、私たちの文化では、呼吸にあまり良い身体的イメージを持たないことです。平らなお腹が魅力的だと考えられていているので、女性も男性も腹筋を引きこんだままにしがちです。それが深い呼吸を邪魔し、徐々に浅い「胸式呼吸」が普通になり、緊張や不安が増加します。


浅い呼吸は、横隔膜の可動域を制限します。肺の下部は酸素を十分に取り込めません。そうして呼吸が短く不安に感じるのです。


深い腹式呼吸は、十分な酸素交換を促します。つまり、入ってくる酸素と出ていく二酸化炭素の効果的な交換です。驚くほどのことではありませんが、それによって心拍数が下がったり血圧が安定したりします。



呼吸の集中の練習


呼吸への集中により、ゆっくりとした深い呼吸に集中し、気を散らすような考え事や感覚から離れることができます。お腹を引き込み続けがちな人には特に役立ちます。


まずは第一歩。静かで心地よい場所を探して、座るか横たわります。最初は普通に呼吸します。そして深い呼吸をしてみましょう。鼻からゆっくりと吸い込んで、肺を満たしながら、胸と下腹部を大きくしましょう。お腹を十分に膨らませます。今度は、口から(より自然に感じるなら鼻からでも)ゆっくりと吐き出します。


実際に呼吸に集中します。上の呼吸ができるようになったら、コントロールした呼吸を習慣的に練習します。心地よく座って目を閉じ、深い呼吸と共に、役に立つイメージや、集中できる言葉やリラックスできるフレーズに集中しましょう。



リラクゼーション反応の誘引法


ストレスへの反応を少なくするのに役立つテクニックがいくつかあります。呼吸への集中は、下記のほとんど全てに役立ちます。

  • 漸進的筋弛緩法
  • マインドフルネス瞑想
  • ヨガ、太極拳、気功
  • 祈りの言葉
  • 誘導イメージ療法



習慣的に行う


どのリラクゼーション法が自分に最適なのかみてみたいでしょう。気に入ったものがあまりうまくいかない時や色々やってみたい時は、別のものもあります。下記のコツも役立つかもしれません。

  • 心地よく静かに座る(あるいは横たわる)ことのできる特別な場所を選ぶ
  • あまり一所懸命にしない。おそらく緊張が高まるだけでしょう
  • そして、受け身にもなりすぎない。リラクゼーション反応を引き起こす鍵は、意識をストレスの原因から深く穏やかなリズムへと移すこと。そして、必ず集中する焦点を持つこと
  • 毎日の習慣にしてその感覚を定着させるために。毎日1、2回同じ時間に練習してみる
  • 毎日10-20分間程度は練習してみる







(出典)https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response

2021年6月17日木曜日

喜びに満ちた心を作る9つの実践 
Nine Practices to Create a Joyful Mind

今回の記事では、アーユルヴェーダのディナチャリヤ(日課)についてです。
騙されたと思って、一度試してみて、その変化を体験するのもいいかもしれません。
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ヨガ哲学では、意識について語られます。意識を上げて、より今の瞬間に存在できるような実践法を伝えてくれるヨガの文献が参考にされます。これは確かによい考えのように聞こえますし、実は、そんなに難しいことでもありません。ただ、時間と努力、そして静かでいる力を必要としますが、どれも費用もかからず簡単に手に入れられるものばかりです。では、なぜ、誰もが、意識を上げてくれる喜びの列車に乗って至福を感じられるわけではないのでしょうか?

  

全ての事がらを、私たちの心は受け入れる必要があります。ヨガやアーユルヴェーダの文献が伝えているのは、私たちの本質はサットヴァ、つまり明確さとバランスであり、私たちの心は本質的に喜びだということです。これは難しい概念かもしれません。結局のところ、心の本質が喜びだとは感じられない可能性があるのです!
 


生物学的モデルによれば、私たちの脳の最大の仕事は、有機的組織(つまりあなた自身)を生かし続けることです。生き残るための行動は、しばしば喜びとはとうてい感じられないものもあります。時には、幸福への欲望と生きるづける必要が調和していないと感じることもあります。こうして、喜びの必要性を犠牲にして、生きることに大切なエネルギーと注意を注ぎ始めることになります。



このふたつの課題は、分ける必要はありません。ヨガの練習を通して、適応力や回復力を築いて、生存するために必要なものを養いながら、本質的な喜びの気づきを作り上げることができます。例えば、深いリラクゼーションを練習している時はまた、神経系(回復)をサポートしエネルギーを保存しているわけですが、これは疲れずに変化していく(適応)のに役立ちます。アーユルヴェーダの実践では、毎日の日課(ディナチャリヤ)が、自身をサポートしてくれる同じことをして毎日を始めることを伝えています。感謝とともに起き、舌をスクレーピングし、レモンを入れた白湯を飲み、複式呼吸の練習をし、そして体にオイルを塗布して入浴します。この日課が、サポートを安定させてくれるものとなり、次に何が起きるのかが分かっているため、決断の疲労が少なくなり、適応力と回復力を養うのに役立つのです。これによって、毎朝、築いていくものの上にしっかりとした土台を作り、ストレスを軽減し、より多くの喜びとともに毎日を過ごせるようになります。



この練習の目的は、この瞬間の自分がどうであるかだけが重要だという、限られた偽りの概念から離れることです。15年前の自分の写真を見てください。同じ人物でしょうか?同じようですが、実際はそうではありません。


ヨガやアーユルヴェーダ、西洋心理学など、どんな学派を見ても、基本的な教義は同じです。あなたの心と体は繋がっていて、どちらも変化し無限の可能性に満ちている、と。あなたの意識に何を与えてきたか、過去の体験からどのように教訓を得てこられたかが、人生の瞬間瞬間の認識を変える鍵となります。こうした不確定要素とともに働きかけ始めれば、心を味方につけることができるでしょう。



簡単な理論でしょう?どのようにしてこうした考えを日々の生活に取り入れることができるかについての全ての助言は、ヨガスートラやチャラカ・サムヒタ(アーユルヴェーダの先駆的書物)、attachment theory (執着の理論:ジョン・ボウルビーとメアリー・エインスワースの、人間関係を示したモデル)、そして現代の心理学から得ることができます。



それは、すべて「心を味方につけておく」こと、自分自身のプロセスを見るためのスペースを得ることです。この距離が、私たちの思考や行動パターンを作り上げた経験を評価するための、より広い視野を与えてくれ、そして最終的に、より深い理解と意識へと導いてくれます。



より適応力を持ち、よりマインドフルでゆったりとした毎日を過ごすために、私のいうところの「小さな拠り所」である日課で、自身を調整する必要があります。朝の日課を作ることで、「モーニングタイム」と呼ばれる「目覚めのカオス(混沌)」のから決断に疲労することなく、安定性とくつろぎを持つ方向へと進めるようになるでしょう。これらの簡単に取り入れられるものの中から、あなたに合ったものを、ひとつ、ふたつ、あるいは3つほど朝の日課に取り入れみてましょう。さあ、始めましょう!




健康的な心のパターンを作るためのシンプルな(時には難しい)9の実践



  1. 夜明けとともに起きる

  2. 浄化と栄養を与える日課を作る(ディナチャリヤ)

  3. 毎朝、老廃物をしっかりと排出するために必要な時間を取る。急ぐとプロセスを妨げます!

  4. 栄養のあるオイルで調理した栄養のある食事を、1日3回食べる

  5. 深いリラクゼーションや瞑想を行う、自然の中を静かに散歩する

  6. ほぼ毎晩同じ時間に就寝する(できれば午後10-11時の間)

  7. 毎日、軽く汗をかくくらい体を動かす

  8. 自分よりも偉大な何かに感謝する。毎日に、人々に、そしてあなたの最も大切なものに。

  9. 心にある欲望、内なる情熱に気づき、その衝動を探求する!


これらの実践は、私の心を味方につけておける頼りになる実践です。こうした毎日の行動で精神的な印象(サムスカラ)を築くと、より多くのプラナ(生命力)、テージャス(識別力)、そしてオージャス(深い活力)を、日々の生活のもたらすことができます。脳に新しい神経の通り道やパターンが作られ始め、それがゆっくりと着実に、心の明確さとバランス、そして最終的には喜びへと繋がっていくのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/nine-practices-to-create-a-joyful-mind

2021年3月1日月曜日

ストレッチが癌を減らす可能性があるという新研究 
New Research Suggests that Stretching May Reduce Cancer



ストレッチの最も良い方法はどのようなものかという研究は数多く存在するが、解剖学的の全ての場所における、良い、あるいは通常の可動域で動かすことが重要だと同意する専門家がほとんどだ。だから研究の相互評価のなかで、運動が癌患者にも効能があるということを知っても驚くに値しないだろう。先月、Scientific Reports誌が、マウスの乳がんモデルにおいてストレッチが腫瘍の成長を減少させるという研究を掲載した。研究の結論は以下の通り。



癌に対する自然免疫を増大させ、1次的・2次的な癌予防に役立つ、投薬以外の治療の開発がますます関心を集めている。最近の研究では、毎日10分間の穏やかなストレッチが局部結合組織の炎症と繊維症を減少させることが示された。間質内の素因が、腫瘍の微環境に影響を与える可能性がある。66個体の雌マウスに、マウスの初期乳癌細胞を第三乳房脂肪体に注入した。マウスは任意に抽出し、ストレッチするものとしないものに分け、4週間毎日10分間治療した。最終的に腫瘍体積は、ストレッチ・グループで、その他の治療をせずストレッチしなかったグループと比較して52パーセント縮小した。ストレッチ・グループでは、細胞毒性免疫反応が活性化され、抗炎症性メディエーター(Specialized pro-resolving mediator; SPM)のレベルが上昇した。これらの結果は、免疫枯渇、炎症解消と腫瘍成長の関係性を示唆する。ストレッチは、投薬以外の穏やかな治療介入となり、癌の治療や予防に重要な要素となりうる。



著者が述べていることの重要性に気づいただろうか?乳癌においては、毎日10分間ストレッチするだけで十分で、癌細胞を対象とした特定の免疫物質が増加するだけでなく、免疫系枯渇の主なマーカーであるPD-1(programmed death recepter-1) のレベルをも減少する。(注意:免疫系の増大は常に注意が必要)




炎症が病気の原因


間質結合組織内の繊維症や瘢痕組織は、ねじ曲がった足場のように働き、癌が根をはって組織層に「結合」し、血液供給や栄養源に侵入し、それによって成長し続けさせてしまう。あなたの組織や存在がハイジャックされたと考えるといい。

かなり前から、癌は、循環器病や糖尿病、関節炎など多くの病気と同じ分類にあるということがわかっている。共通点は何だろう?そう、答えは「炎症」だ。また、炎症は、そのものの性質により、最終的には100パーセントの確率である程度の繊維症を引き起こすことがわかっている。

その病名がどうであれ、繊維症は根本において、我が国(米国)の死因の第一番目とみなされており、残念ながら一般の人だけでなく医療の世界においてもそうであるという事実を忘れてはならない。

常に最も注目を集めている癌研究は乳癌だ。神経学者のヘレン・ランジュバン医師が、ハーバードの Osher Center Integrative Medicine にて講演したのは、彼女のラボで実験したマウスモデルの乳癌に対するストレッチの効果である。ランジュバン医師は、筋膜と全ての病気の関係性が、これまで誰も思いつきもしなかったほど大きいということを語るますます増えつつある科学者たちのひとりだ。ストレッチされた腫瘍が、ストレッチされなかった検体よりも半分以下に小さくなることを、これ以外にどう説明できるだろう?

 

ヨガを含む代替医療が、炎症を減少する可能性


こういう風に考えてみよう。あなたの癌を従来通りに治療すると決めたとしても、抗炎症食(特に「ワールブルク効果」を理解しているなら)、ストレッチやヨガ、飛び跳ねる(トランポリン)、グラウンディング(別名「アース」)などなど簡単なことをただ付け足すこともできると知ることは素晴らしいことではないだろうか。

これらの共通点はなんだろう?これらは皆、体内の炎症の度合いを下げるのだ。

ランジュバン医師の話を聞いてみたい人は、以下をどうぞ。(英語)












2021年2月26日金曜日

ヨガは神経システムにどのように影響を与えるのか 
How Yoga Affects Our Nervous System


神経システムについて、その素晴らしさ、そしてどのようにヨガがよい影響を与えるのかについて耳にしたことがあるかもしれません。神経システムを落ち着かせ穏やかに調整するのに役立つヨガの特別なテクニックについて聞いたこともあるかもしれません。もしかすると、神経システムの詳細についても聞いたことがあるかもしれません。


しかし、この複雑なシステムとそれがもたらすことについて本当に理解しているでしょうか?実際のところ、神経科学者でさえ神経システムを完全には理解できてはいない一方で、基本的な局面についてわかっているところもあり、ヨガが、それを調整するのに役立つというエビデンスも増えてきています。



神経システムとは?


人間の神経システムは、並外れて複雑で、その大部分は未知の部分ですが、運動を起こすため電気的・化学的エネルギーを発し、脅威を察知し、消化を行い、心拍を調整し、呼吸を行い、思考する、など多くのことに関わっています。


神経システムは大きくふたつの分けられますが、多くの人が考えているのとは異なり、交感神経と副交感神経ではありません。 そうではなく、中枢神経系と末梢神経系です。


中枢神経系は脳と脊椎を含みます。末梢神経系は、中枢神経系意外の神経組織であり、神経繊維や神経節(ニューロン細胞の塊)を含みます。


末梢神経系はさらに、自律神経系(呼吸などの不随意機能をコントロールします)と、体神経系(歩くなどの随意機能をコントロール)に分けられます。



自律神経系とは?


不随意機能の中枢として、自律神経系はさらに、交感神経(「逃走闘争」部分)と副交感神経(「休息消化」部分)、そして腸神経系(内臓部分)に分けられます。


ヨガは全ての神経系に影響を与える可能性がありますが、ヨガの指導者や実践者はまず交感神経と副交感神経に注意を向けがちなのは、それらが実践によってより直接影響力のある部分だからです。



副交感神経とは?


交感神経系は、多くの場合「逃走闘争」反応に関連付けられます。これの部分は、体が危険の可能性に警戒する役割を持っています。


私たちが危険を察知すると、心拍が上がり、瞳孔が開き、呼吸数が上がって、新鮮な酸素の多い血液を脳に送ります。私たちの体はまた、呼吸や心拍、感情など全てを調整する神経伝達物質やエピネフリン、ノルエピネフリンなどのホルモンを送り出します。消化器官は、ほとんど働きをやめ、大切な酸素が豊富な血液を骨格筋に送ります。こうした様々なことが、ほとんど一瞬で起こります。こうした変化が、究極的には脅威と闘うかその場から逃げる準備をするのです。これが、交感神経反応が自動車のアクセルペダルと類似している理由です。アクセルをいっぱいまで踏み込むと、全力で前へ走り出すのです。


しかし、私たちの体はとても賢く、交感神経系も生活スタイルの変化に飲み込まれたりはしません。例えば、体は生死を分ける脅威へのストレスと大切な会議のストレスをうまく区別しません。つまり、うるさい上司という脅威を、私たちの体はライオンに襲われる脅威と同じように受け止めるのです。


さらに、こういったストレスは慢性化します。毎晩、帰宅した後にもしょっちゅう送られてくる仕事のメールで、交感神経状態のままになり、慢性的に心身にストレスを受け続け、やがてはストレスに関連した病気だらけになってしまうのです。さらに、慢性ストレスによって内分泌系に刺激ホルモンをもっと作るよう信号を送り、体内のストレス反応の周期が継続されていくことになります。


しかし、ヨガの世界での悪い評判にもかかわらず、交感神経系は、実は私たちが完全であるために不可欠な部分です。危険と直面した時に安全を確保するためだけではなく、体全体のバランスをとるという複雑な基盤の重要な一部なのです。


実際、ヨガの練習の時は、交感神経系が活性化しています。より動的でより速いペースのフローやより長いホールド(より困難な)は、交感神経反応を刺激します。チャトランガへジャンプバックする時、心拍数が上がります。逆立ちのポーズで止まると、血液を骨格筋へと流す準備をします。ウォリアー3でバランスを取ると、神経伝達物質が多量に分泌され、活力を与えるホルモンが血管の中を流れます。この神経系の活性化はまた、ランニングなどの激しい運動をする時にも起こります。


つまり、交感神経系を刺激することは、実際は、全く健康的で普通のことなのです。  



副交感神経系とは?


副交感神経系は、多くの場合、「休息と消化」反応と言われます。自律神経のこの部分は、交感神経反応を抑制します。


「ブレーキ」と呼ばれることの多い副交感神経系は、心拍数を下げ、消化を刺激し、呼吸速度を下げ、血流を四肢から生命維持に必要な内臓へと戻し、アセチルコリンなどの穏やかにする神経伝達物質を分泌させます。


この神経系はまた、ヨガの実践では崇められており、過剰にストレスを受けた体や心をリラックスするのに役立つためです。リストラティブヨガなどの実践を、特にリラックスのために、より穏やかな状態になるように行います。


しかし、この神経系がヨガの世界では一般的によいものだと見えると言って、常に副交感神経系を活性化させる必要があるというわけではありません。交感神経と副交感神経の両方の間を、ごく自然に揺れ動くことができるのが健康です。そして、この揺れ動きを心拍数の変化で計測することが可能です。



心拍数の変異性


健康な人が息を吸うと、自然に、交感神経系が刺激されて心拍数がやや上がります。息を吐くと、副交感神経系が刺激されて心拍数はやや下がります。この心拍数の変異性は、全体的な健康の目印となります。一般的に、交感神経系と副交感神経系の間を素早く簡単に変動できる方が、全体的に、より健康的な神経系であると考えられます。


慢性的にストレス反応から「抜け出せない」人は、心拍数変異性に乏しいため、心拍数はおそらく慢性的に高いままでしょう。反対に、自律神経の健康的なバランスを保っている人は、心拍数変異性が高いため、ストレスの多い状況の後でもすぐに下げる調整が行えます。


ストレスにすぐに反応することが大切です。しかし、ストレスが過ぎたら容易に落ち着けることも大切なのです。ここで、ヨガの出番です。




ヨガが自律神経系に与える影響とは?


ヨガを通して自律神経系に影響を与える方法はたくさんあります。以下は、ヨガが自律神経系の異なった部分を刺激するのに役立つ方法のうちのいくつかにすぎません。


ダイナミックなヨガ


アシュタンガやパワーヨガ、ヴィンヤサなどのダイナミックなスタイルのヨガやエクササイズは、すでに言った通り、交感神経系を刺激できます。  これは激しい動きへの健康的で普通の反応であり、免疫の強化、呼吸機能の改善、循環器の健康増強などに役立ちます。


リストラティブ・ヨガ


リストラティブ・ヨガには反対の効果があります。その名の通り、リストラティブ・ヨガは、心身ともにとても穏やかでリラックスさせるものです。いわゆるリラクゼーション反応を刺激し、神経を副交感神経モードに移し、穏やかさや安心感、心地よさ、健康的な消化などを促進します。


プラナヤマ


プラナヤマは、自律神経系に作用する実に早く効果的な方法です。実際、上記のように、毎回呼吸をするたびに自律神経に影響(心拍数変異)を与えています。

迷走神経の一部が、喉頭や呼吸横隔膜を通っているため、呼吸はまた瞑想神経緊張にも影響を与えます。瞑想神経の活動量が迷走神経緊張です。迷走神経には多くの副交感神経繊維があ流ため、迷走神経が受ける刺激が強いほど副交感神経系が活性化されます。

呼気を長くするなどの特定の呼吸法は、特に副交感神経系と関係が深く、体を「休息と消化」反応へと移すことができます。反対に、吸気を強めると反対の効果があります。


シャヴァサナ


シャヴァサナで練習を終えるのもまた、自律神経系に影響を与えます。このポーズは落ち着きや内省を促すため、心拍数や呼吸速度などをゆっくりにし、特に刺激のある動的な練習の後には効果的です。その簡単な外見にもかかわらず、副交感反応を開始し神経系を鎮めるために大変効果的な実践法です。


瞑想


瞑想は、鎮静効果のあるもうひとつの実践法です。心身が平穏な時、私たちは慢性的に抱えている緊張を手放し始め、副交感神経系を刺激します。




ヨガの練習と総合的な健康の鍵はバランス


私たちにの体内の全ては、常に、総合的なホメオスタシスのために適合と調和を得ようと働いています。

ストレスの多い世界に生きる私たちは、副交感神経系を刺激するような練習から効能を得ることができます。しかし、それは交感神経系を全く無視していいというわけではありません。忘れないでください、本当の健康の指標は、どちらの神経系が活性化しているかではなく、どれほど効率的、効果的に素早くそれぞれの間を移り変わることができるかです。

結局のところ、生きている中で前進するには、アクセルとブレーキの両方が必要なのです。全速力で壁にぶつからないよう、適切な道具を適切なタイミングで使うことがでければいけません。そして幸いなことに、その道を進むために役立つヨガが、私たちにはあるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/how-yoga-affects-our-nervous-system

2020年11月12日木曜日

ストレス反応を変える方法 Vol.2 
How to Change Your Stress Response

横隔膜呼吸


赤ちゃんや幼い子供は、肺の空気を出し入れするための胸腔と腹腔を隔てたドーム型の横隔膜を使って、深くたっぷり呼吸しています。お腹はリラックスしていて呼吸とともに動きます。これが自然で健康的な呼吸の方法です。しかし、成長するにしたがい、お腹を引き締めるように教えられ(お腹を引いてまっすぐ立ちなさい!)、そしてストレスを感じると腹部を無意識に緊張させる癖がつき、自然な呼吸の流れを邪魔するようになります。腹部を引き込むと呼吸は肺の上部でのみ行われます(乳首より上)。そのため、体はその呼吸パターンをストレス反応と理解し、ますます闘争逃走反応が強まります。





その一方で横隔膜呼吸は、副交感神経の主要な調整者である迷走神経を刺激して、休息消化反応を活性化させます。迷走神経は脳から胸部腹部のほぼ全ての内臓を通り、鎮静効果の連続を誘引します。ほとんどの場合、私たちは何か心地よいものやたまたま起こる効果によって活性化されることを待っている状態なのですが、この神経(つまり副交感神経全体)は横隔膜呼吸によってスイッチが入ることを気づかずにいます。


自立神経によって調整されている全ての作用(心拍数、血圧、消化液分泌、蠕動、体温など)のうち、意識的にコントロールできるのは呼吸だけです。呼吸で、横隔膜(迷走神経の他の部分や脳にメッセージを送る)に刺激を与える迷走神経の一部を刺激し、休息消化反応の全体を活性化することができます。ですから、慢性的なストレス反応を逆転させる第一歩は、生まれつきしていたはずの呼吸の方法をもう一度覚えることなのです。


もし横隔膜呼吸の訓練をしたことがないのなら、経験豊富な先生を見つけてそれがまた習慣になるまで毎日練習しましょう。そして、毎日の活動を通して横隔膜から呼吸するスキルができれば、自身の呼吸が神経システムのバロメーターだということを体験するでしょう。横隔膜から深く呼吸している限り、もし不快な状況に立ち向かったとしても、落ち着いてバランスの取れた感覚になれると気づくはずです。そしてまた、呼吸を胸で浅く行うと不安が忍び寄って筋肉が緊張し、心も焦って廻りはじめることに気づくでしょう。この動揺した呼吸が長く続くと、毎日が落ち着きのない防御的なものになるでしょう。一旦これを体験から学ぶことができれば、違う選択ができるはずです。



体系的なリラクゼーション


副交感神経を活性化するためには、横隔膜呼吸からはじめると良いでしょう。しかし、特に何年間も無意識に虎のオリを開けっぱなしにしている時には、さらに必要でしょう。毎日、リラクゼーションの時間をとることが必然です。私がこう言うと、患者たちは皆「テレビをみながら」「本を読みながら」「編み物をしながら」「みんなと過ごしながら」リラックスしていると言います。問題は、こうした活動は常にそこにある不安から気を逸らす(そのためいくららの解決にはなります)ことができる一方で、筋肉の収縮や緊張として持っているストレスを解消することはほとんどできないと言うことです。


体に緊張感を持ち続ける癖を直すには、ヨギが「プラナマヤ・コーシャ(エネルギー鞘)」と呼ぶものに働きかける必要があります。頭から爪先へと順番に緊張を解く体系的なリラクゼーションの練習です。他のヨガの練習と同じようにこのテクニックもたくさんありますが、最も良い方法は経験豊かな指導者から学び、磨きあげていくことです。その種類は、簡単な緊張・弛緩の練習や点から点への呼吸の練習から、エネルギー鞘の様々な点をはっきりと区別することが必要となるテクニックにまで及びます。しかし全ては、順序だって身体中に注意を移動させていくもので、大抵の場合はシャバサナで休みながら行います。そして日常の出来事から注意をそらしていくことも必要となります。練習の間は、記憶や予定や不安、空想などをやめ、今ここで行っていることに集中し、気付きを静かにやさしく体の一点から他の一点へと移動させていきます。



横隔膜で呼吸し、体系的に体のある部分から他の部分へと全ての注意を向ける事は、注意の向いている場所の緊張や疲労を解消するだけでなく、それらの点の間のエネルギーの流れを増大させます。これが、癒しと浄化を促進します。さらに、体系的なリラクゼーションの練習に全ての集中を集めるには、心を明快にし今という瞬間に完全に注意を払う必要があるため、瞑想への扉を開く技術を磨くこともできます。



瞑想


ストレスが私たちの生命(あるいは少なくとも私たちの幸福感)が危険だと認識することで始まるため、この認識を変えるよう心に働きかけることがストレス反応を鎮める最もパワフルなテクニックなのです。闘争逃走反応を活性化するもののほとんどは、生きるか死ぬかと言うものではありません。ある課題を達成するプレッシャーを感じたり、明日のミーティングで何が起こるのか心配したりしますが、その結果私たちの生命がどうなるわけでもありません。レアケースを除いて、ストレスを作り出す思考パターンは大抵の場合日常の出来事への過剰反応です。体中にアドレナリンを流すような反応ではなく、ストレスを少なくするだけでなく実際に起こっていることを正しく認識するよう(「渋滞に巻き込まれただけで、死にかけているわけではない」「この人を喜ばせたいけれど、もしできなくてもクビになることはない」)組み直すことができます。これが闘争逃走反応を徐々に鎮めていき、瞑想で得られる体験とともに得られるスキルです。


瞑想は、心の癖を中庸な視点から観察する機会をもたらすことでその癖を理解するのに役立ちます。ですから、私はストレス管理の方法として瞑想を処方するのです。私は瞑想を霊的な変移の手段として軽視したくはありません。が、その初期の段階においては、瞑想の最も素晴らしい高価のひとつは心のおしゃべりの狂乱や揶揄に引き込まれていくのを回避することができることです。瞑想はそうした揶揄の最中へ激突しないで、公平な目で観察することを可能にしてくれます。それはまるで、暖かく乾いた部屋から豪雨を見ているようなものです。思考とともに動くより心を見つめることで感じる平穏は、私たちの中心にある平穏なのです。


瞑想を始めたばかりの間は、瞑想の対象から心があちこち動いて他の思考に止まったりするでしょう。これは何度も何度も起こります。あなたがするべきことは、優しくそして何度も注意を瞑想の対象へと戻し、善悪の判断なしに辛抱強く行うことです。時に、この邪魔をする思考が心のスクリーンにうつされた映画のように見えるかもしれません。変だったり激しかったりするかもしれません。しかし、あなたは休息消化モードにあって、面白いことにその心の映像は闘争逃走反応を起こさないのです。ただそれらを観察できるということは、それがあなたでないという証拠です。そしてあなたの内にいる観察者と心の混沌を区別できるということは、あなたは体いっぱいのストレス・ホルモンで反応しているのではなく、冷静に反応しているということを意味します。



瞑想を練習すればするほど、どれが現実でどれがそうでないかを区別できるようになります。つまり、どれが生命を危険にさらすものでどれが過剰反応なのか。そして、交感神経を活性化させるほとんどのことはただの習慣的な過剰反応であるとわかってくれば、違った選択ができるようになります。不快な出来事に反応するのではなく、意識的に横隔膜から呼吸し、そして瞑想で心のおしゃべりを観察するのと同じ方法で観察することで、神経に触る影響を緩やかにすることができるのです。



最初は難しいかもしれません。パートナーや同僚があなたに怒鳴ったら、おそらくあなたも怒鳴り返そうとして胸で呼吸しているのに気づくかもしれません。そうしたら、横隔膜から呼吸し中庸の視点から見るのだと思い出しましょう。でも時間とともにそのスキルが身についていくでしょう。特に習慣的に瞑想の練習をしたり、横隔膜で呼吸したり、毎日リラクゼーションの練習をしていれば。そして、休息消化反応を意識的に続けて活性化させることを選択すれば、闘争逃走反応が起こるのは、運転している車が氷の上でスリップしたり、猫がキャンドルを倒してカーテンに火がついたときくらいになっているのに気づくはずです。健康になって、毎日も楽しくなるでしょう。正しい扉を選ぶことを学んだのです。

2020年11月1日日曜日

アレルギーの自然な治療法 
Natural Allergy Relief

春だけでなく、秋も花粉症が多い季節です。
辛い症状を自然に緩和する方法をみていきましょう。
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Q:花粉症なので春になるのが怖くなりました。花の季節が始まるとすぐにクシャミが出始めて目が赤く涙目になり、何週間も、時には何ヶ月も怠さが続きます。抗ヒスタミン剤を試しましたがとても乾燥します。なにか自然療法はないでしょうか?



あります。自然の医療法は、アーユルヴェーダ、ホメオパシー、自然療法、ハーバリズムなど多数ありますが、その症状を緩和するだけでなく、ホリスティックな視点でアレルギーの根本原因に働き始められる多くのハーブやサプリメント、ライフスタイルの調整を勧めています。グズグズいわない春を過ごすための毎日の方策をお教えしましょう。でもその前に、アレルギーがどのように始まるのかをみていきましょう。


生理学的には、アレルギー反応は、あなたの免疫システムが無害な物質(花粉やほこり、鱗屑など)に過剰に反応してまるで危険な侵略者でるかのように攻撃することで起こります。この免疫の間違った反応は、体を守ると言うより病気のような症状を作り出してしまうのです。


アレルギー反応に多いのは、鼻詰まり、クシャミ、目の痒み、疲労感などです。その他、咳、喘息、頭痛、痒み、蕁麻疹もあります。こうした反応を引き起こす物質をアレルゲンと言います。春に最も多いアレルゲンは木や草などの植物から放たれた花粉です。アレルゲンは、ヒスタミン受容体と結びつくヒスタミン化合物を分泌する原因となり、アレルギー症状に繋がる免疫反応を刺激します。対処療法のほとんどは抗ヒスタミン剤(ベナドリルやクラリチン、アレグラ、ジルテックなど)で、アレルギー反応を作り出すヒスタミンをブロックします。こうした薬品は症状をコントロールしますが、眠気や頭痛、口の乾きや食欲減退、めまい、疲労感などの副作用があり、そしてアレルギー状態を治療するわけではありません。




問題の根本にはたらきかける


アーマを減らしアグニと免疫を強化する


いくつかのホリスティック医療では、アレルギーを起こす人には三つの要因があると言われています。免疫システム不全、弱い消化システム、毒素の過負荷です。結果として、自然療法は一般的にこうしたシステムを強化して毒素を取り除くことを中心に行われます。アーユルヴェーダ用語では、私たちのアグニ(消化の火)が免疫をサポートしています。しかしアグニが弱くなると、消化が不完全となり、処理仕切れなかった残留物(アーマ)が体の中で毒のゴミとなるのです。


ヨガやアーユルヴェーダは、太陽神経叢と腹筋を強く保ってアグニを燃え立たせ、アーマを減らして免疫を向上させるよう助言しています。私のお勧めは、脚上げ、腹筋運動、アグニ・サラと呼ばれるクリヤ・ヨガの浄化法(腹部の深層筋と骨盤底筋群を活性させる呼吸法)です。アグニ・サラの初心者バージョンでは、呼気でお臍を背骨へと引きながら腹壁を引き締め、吸気でスムーズにリラックスしましょう。




浄化するあるいは免疫をサポートするサプリメントを取ることも可能


チャワンプラシュ


この回復のためのアーユルヴェーダの調合はアムラ・ベリーから作られており、30種類以上のハーブや果物とッジャムを加熱したものです。ビタミンCが豊富でアグニと免疫を強化します。冬の間の免疫をサポートするために温かい飲み物(ミルクやハーブ・ティー)でティースプーン一杯を1日に1、2回摂りましょう。

レンゲ草(キバナオウギ)

この中国のハーブはアレルギーの季節が始まる前に摂るとよく、免疫を強化し健康を保ちます。粉末にした根をティースプーン一杯、あるいは500mgのタブレット1日に3回摂りましょう。

エキナセア、ヒドラチス、ゴボウ、ムラサキツメクサ

これらの血液浄化ハーブを、アレルギーの季節前後に1日に2、3回液体かカプセルのものを摂る。容器に書かれた服用量に従いましょう。




過剰なカパを取り除く


アーユルヴェーダでは、「地」と「水」のエネルギー要素であるカパは、冬から初春にかけて増えます。雪が溶け、雨が降り始め、地面が湿気で重たくなると、カパの冷たく湿った質を見ることができます。私たちの中のカパもまた液化し、無気力感や体重増加、鬱などのカパに関する問題とともに風邪やアレルギー、気管支炎などに悩まされます。カパを鎮める温め、乾燥させ、活動的なアーユルヴェーダのトリートメントで、カパの冷たく湿った思い質とのバランスをとります。



  • 1日30分背骨に沿ってと腕の下に汗をかくまで激しい運動をする。
  • サウナに入る 
  • キノアや雑穀などデンプンのない軽い穀類、たっぷりの野菜(根菜や瓜科を除く)、そして暖かく、火を通したスパイシーな乾いた食べ物を摂ってカパを鎮める。また、小麦や乳製品(特にアイスクリーム)などを避けることも効果がある。
  • ガジャ・カラニ(治癒的嘔吐のテクニック、訳注:ヴァマナ・ドゥティという名前で教わりました)と呼ばれるヨガの浄化法を覚える。抗カパの治療法としては大人気と言うわけではないが、アレルギーの治療には大変効果的。これは、朝の起床後に塩水を2リットルをガブガブと飲みその後すぐに吐き出すと言うもの。胃の過剰な粘液を洗い流し、鼻や気管支から粘液を導き出し、鼻詰まりを解消、熱を作り出し、そしてカパを鎮める。(この浄化法の禁忌:食道炸裂ヘルニア、逆流性食道炎、高血圧、心臓疾患)
  • カパラバティなど強いプラナヤマをして内なる火を強くする。それが、過剰なカパを溶かし粘液を溶かす。カパラバティは予防として行うのが最善。すでに鼻や鼻腔のつまりがある時は行わないこと。

 

こうしたカパを鎮めるセラピーを冬の間に行っておけば、花粉の季節が来た時にもいつもの症状を作り出すカパの蓄積を少なくすることができます。そしてアーマを取り除きアグニや免疫を強化する方法としてハーブやサプリメントを付け加えておけば、アレルギーの根本原因を取り除くことを始めることができ輝かしい春を謳歌できるでしょう。



自然のヒスタミン・ブロッカーを試す


もしどうしても抗ヒスタミン剤が必要だと思ったら、全て自然由来のバイオフラボノイド、ケルシチンを試してみましょう。予防作として使用するのが良いのですが(アレルギーの季節が始まる6-8週間前から始めます)、出てしまったアレルギー症状を緩和することもできます。1日に3回400-600mgを摂り、必要に応じて量を調整しましょう。


イラクサは何世紀にもわたって抗アレルギーのハーブとして使われてきています。薬草の分野で主要な国際的ジャーナル Planta Medica に発表された任意の偽薬コントロール研究では、60パーセントの被験者がイラクサがアレルギー症状の緩和に効果的であると報告、およそ半数(48パーセント)がアレルギー薬と少なくとも同様の効果があると言及しています。推奨される服用量は300-350mg、あるいはフリーズドライにしたエキスのカプセルをひとつ1日三回の摂取です。しかし、イラクサのハーブティーを毎日2-3杯を飲むだけで症状に著しい改善があったという私の患者もいます。


さらに、治験ではビタミンCが血中にヒスタミンをさげるという科学的研究が多くあり、臨床でも同様であるといういくつかの研究もあります。推奨される服用量は、1-3g を1日2、3回アレルギーの季節の間飲み続けます(春、夏、秋)。軟便になったら量を減らしましょう。






アレルギーのトリガーを最小に


花粉症になりがちであれば、乾燥して風の強い日は窓を閉めて室内にとどまること、シーツや服をこまめに洗うこと、花粉の粒子を排除するため家の中で空気清浄機を使ことなどをアレルギー専門医は推奨しています。塩分を含んだ液でネティ・ポットを使用し、鼻腔の汚れや菌、花粉、過剰な粘液を流し洗いましょう。最良の結果を得るためには、この鼻うがいを1日に数回繰り返しましょう。