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2025年9月13日土曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.1 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis


今回は、骨関節炎を患った著者の記事です。
痛みや腫れの緩和法やヨガポーズについて書かれています。
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振り返れば、あの腕の痛みを感じたのはラッキーだったと実感します。それはゆっくりではありましたが、最初の一年で容赦なく段々とひどくなっていき、とうとう水の入ったコップを持ち上げることもできなくなって病院へ行きました。検査をした医師は、同じ位置で繰り返し行う癖が原因で筋肉が緊張し続けてしまい、痙攣を起こしているのだと言いました。医師の説明では、筋肉が痙攣するのは普通の動きが摩擦となって関節が過度に摩耗してしまうとのことでした。そして今起こっていることは、骨関節炎の初期だと私に伝えたのです。



関節炎とは文字通り関節の炎症です。それにはさまざまなタイプがあります。私が直面している骨関節炎は摩耗する種類です。これまでのところ最もよくあるタイプの関節炎で、多くの場合は老化の自然な一部だと考えられています。アメリカの高齢者の85%が骨関節炎を患っています。大抵は、健診や患者情報で見つかったり、レントゲンで関節内の影、骨の劣化やカルシウムの堆積が見られて診断されることが多いです。骨に影響がある一方で、多くの場合は骨関節炎は筋肉から起こり始めます。


私たちの体が動けるのは、筋肉が収縮・弛緩して関節が屈曲・伸展するからです。この同じ収縮・弛緩が血流を作って関節機能の健康を維持します。弛緩するたびに、筋肉代謝に不可欠な栄養たっぷりの新鮮な血流が細胞に運ばれます。収縮のたびに、筋肉細胞から古い血液が押し出されて、細胞代謝の老廃物を取り除きます。筋肉が痙攣すると血流が減ってこうした老廃物が細胞内にとどまります。血流不足とその結果の毒素の蓄積こそが炎症を引き起こし、それが骨関節炎へとつながるのです。



よりはっきりした骨関節炎の兆しが現れると、筋肉の痙攣によって関節内が狭まって滑らかな軟骨に圧力がかかり、それが骨の末端を覆います。筋肉の痙攣と合わさって、関節が腫れて硬直、動きが制限され、この状況が改善されなければストレスと摩擦により滑らかだった軟骨がでこぼこになります。そして、その部分を強化しようとして、体はでこぼこ部分で脆くなった骨にカルシウムを溜めていきます。そうするうちに関節内は絶えず狭まって、続く摩擦で痛みが強くなり、関節の劣化によってより痛みが増します。長期の関節炎は、やがて関節の変形を引き起こし、永久的に動かせなくなります。ついには、我慢できない痛みが何年も続いた後、外科手術(骨の融合か関節のリプレイス)だけが痛みのない生活へ戻る最後の望みとなるかもしれません。



けれど、必ずしもそうなるというわけではありません。私の場合、私の骨関節炎は早期発見できたため治る可能性があると医師に伝えられ安心しました。そして、すぐに次の方法を始めるよう勧められました。筋肉の痙攣の原因となる習慣的な繰り返す動きや位置を見つけて止めること、腕や肩の筋肉をリラックスさせるため優しいストレッチをして血流を増やすこと、腫れと痛みを緩和するため抗炎症剤を2週間飲むこと。以前したヨガのケガで、やさしいストレッチも抗炎症剤のどちらもが、血流を増やして腫れを緩和し治癒を促すことがわかっていました。ですから、医師の3つの推奨と問題の原因を見つけて取り去ることが、私の1番の目的となりました。



シャーロック・ホームズの気持ちを着込んで、自分の毎日の日課や癖を入念に調べました。原因となる癖になっていた動きは小さく無意識で、とても普通だったので、見つけるまで時間がかかりました。けれどある日、電話をしている間、片方の腕でもう一方の腕を支えていることに気づきました。指を上に向けたまま手首をしっかりと曲げて、もう一方の肘を支えていたのです。また、この同じ姿勢でいろんな動作をしていることにも気付きました。そうして長い間手首を強く曲げた状態で1日を過ごしていること、これが犯人だと気づいたのです。



この繰り返す動きをただ止めれば原因を取り除くことができて、そのうち炎症も痛みも少なくなるとわかっていました。が、時間をかけずに早く治したかったので、体の治癒プロセスを強化する概念やテクニックを取り入れて、ホリスティックなアプローチをすることにしました。そうした結果、とてもよい結果を得ました。もし痛みがあったり、すでに骨関節炎だと診断されているのなら、こうした方法が役に立つことを願っています。





骨関節炎を緩和するコツ


自然の抗炎症剤で、腫れや痛みが緩和します。
プリムローズやサーモンオイルの錠剤、生の生姜やにんにくを食べるかカプセルで飲む、エキナセア、ゴールデンシール、レッドクローバー、ナツシロギク、ユッカなど。ターメリックやシナモン、生姜など抗炎症効果があり血流を促すスパイスを料理にふんだんに使う。



温めたゴマ油で辛い部分をマッサージします。特に関節の痛みを和らげてくれます。
お風呂に入る前に体にオイルを擦りこんでみましょう。そして睡眠中に関節に染み込んでいくように寝る前に少しオイルをつけます。温めたごま油やひまし油で10-20分パックすることでも、痛みを和らげるオイルが関節に染み込みやすくなります。


毎日食べるもの全てが、骨関節炎の状態に影響します。私たちの体は、健康を取り戻し維持するため定期的な水分補給が必要です。少なくともコップ8杯の水(できれば蒸留水)とジュースやハーブティを。私たちの体は、3-5人分の新鮮な果物(柑橘やトマトは避けましょう)、少なくとも3人分の生野菜(ピーマン、じゃがいも、ナス以外)が必要となります。毎日のカロリー摂取の40-55%を、体のエネルギーレベルを維持してくれる全粒の穀物で摂りましょう。特に重要な食べ物は、卵や玉ねぎ、アスパラガス、緑の葉野菜、玄米、魚などです。コーヒーなどのカフェイン、赤身の肉、砂糖を使用したもの、塩、コーラ類、漂白した小麦粉、タバコ、唐辛子、パプリカ、ジャンクフードは避けましょう。



サプリメントで治癒を早められる可能性もあります。コエンザイムQ10は、組織に送り込む酸素を増やし結合組織の修復に重要です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の組み合わせで、軟骨の再生に役立つ可能性もあります。



ビタミンのサプリメントもまた役立ちます。亜鉛とビタミンC、バイオフラボノイドは治癒を促し、炎症を制御、腫れを緩和します。ビタミンEは強い抗酸化物質で関節の動きを助けます。ビタミンBは治癒を助けます。鉄の入っていないビタミンのサプリメントを摂り、酵素やブロッコリ、芽キャベツやカリフラワー、魚、ライ豆、えんどう豆などを摂りましょう。



筋肉の痙攣の原因となっているであろう無意識で繰り返す動きや位置を、探偵のように探し出しましょう。体をどう使っているかを意識し、筋肉のあるグループをその反対のグループを犠牲にして、いつどこで使っているのかを特定しましょう。



血流は筋肉や関節の健康に不可欠です。数時間おきに症状のある関節を最大可動域の2割程度で回して血流を増やしましょう。こうした動きは小さすぎて効果がないように思うかもしれませんが、実際は強力な治癒力となります。



優しいストレッチは血流を増やし、疲れや筋肉にいつもある緊張を緩和します。また、長期間の筋肉痙攣の結果に失われた通常の可動域を取り戻します。覚えていてほしいのは、ストレッチの際に関節に負荷をかけすぎないこと、痛みを感じないことです。


ヨガポーズを練習しましょう。以下のポーズは、手や背骨、股関節の骨関節炎に対処するための一例です。こうした緩和したポーズは、関節の制限をやさしく取り除き、可動域を最大まで戻します。時間をかけて、優しいけれど根気よく、呼吸をしながら行いましょう。






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ポーズの練習法は、次回にご紹介します。







2025年8月29日金曜日

キルタン・クリヤ:ヨガとアルツハイマー予防としてのメディカルメディテーション Vol.2 
Yoga and Medical Meditation As Alzheimer's Prevention Medicine


キルタン・クリヤの実践法


キルタン・クリヤは何千年も実践されてきた12分間の歌うエクササイズです。呼吸、歌やチャンティング、指の動き(ムードラ)、心に思い浮かべるなどいくつかの動きが組み合わされています。ですので、多面性のある多感覚のエクササイズで、脳全体を使って脳内血流を増加します。


姿勢:椅子に心地よく座り、両足をぴったりと床につける
または、足を組んで床に座っても良いですが、高齢者は床に座りたがらないかもしれません。重要なのは心地よいこと、背骨が自然な湾曲のみを残してまっすぐにして座ることです。

両目:目は閉じます

チャントやマントラ:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」の音を使います。続けて言うと古代の言葉で「真我」あるいは「最高の自己」という意味になります。
メロディーは、みんなよく知っている「メリーさんの羊」の最初の4音で歌います。つまり「メーリさんの♪」までです。

指の動き、ムードラ:親指で他の指に順番に触れます。両手で同時に同じ形を作ります。
• 「さぁ」の時は、親指と人差し指をつけます
• 「たぁ」の時は、親指と中指をつけます
• 「なぁ」の時は、親指と薬指をつけます
• 「まぁ」の時は、親指と小指をつけます
常に人差し指から始めて、中指、薬指、小指と続けて逆行しません。





心に思い浮かべる:エネルギーが頭上から頭頂の中心に降りてきてくるのを思い浮かべます。そして、頭の中に真っ直ぐおりたら、方向が垂直に変わって眉間の鼻のちょうど上の一点(いわゆる第3の目)へと進むのをイメージします。つまり、エネルギーはL字にたどっていくのを思い浮かべるのです。まるでほうきのようにすうっと流れるのをイメージできるかもしれません。




順序:「さぁ」「たぁ」「なぁ」「まぁ」と歌いながら、両手の指でそれぞれムードラを作りましょう。同時に、その音が頭頂から流れてL字に額の中心から出ていくのを思い浮かべます。

1. 2分間、声を出して歌います

2. 次の2分間、ささやき声で歌います

3. 次の4分間、心の中で歌います

4. そしてささやき声で2分間、声を出して2分間、合計12分間歌いましょう

エクササイズを終えるには、とても深く息を吸って、両手を頭の上に伸ばし、弧を描くようにゆっくりとおろしながら息を吐きます。




脳全体を活性化


ヨギ・バジャンによるクンダリニ・ヨガの伝統では、キルタン・クリヤが持つ効果にはいくつかのメカニズムがあります。キルタン・クリヤのチャンティングで舌を使うことは、口蓋の84のツボを一定の順序と組み合わせで刺激し、視床下部や松果体、脳そのものに信号を送っていると考えられています。また、アセチルコリンやノルエピネフリン、ドーパミンなど脳の重要な化学物質が増加することで脳のシナプスを若返らせる可能性もあります。


また、指先や唇、舌にある密集した神経末端は、脳の運動野、感覚野での高レベルの表現に関連しています。ですから、音を組み合わせて指先を使うと、脳の特定の部分が活性化します。私たちの最新の発表では、キルタン・クリヤの各面で脳の異なる部分が刺激されていることがわかりました。キルタン・クリヤで思い描くことがどのような効果をもたらすのかが謎でした。今では、この思い浮かべるテクニックで、身体的レベルでもより大きな面においても、脳の後頭葉が実際に活性化していることがわかっています。そしてまた、目的を持つことがアルツハイマー病予防効果を持つことも示されてきているのです。



(出典)www.alzheimersprevention.org

2020年8月19日水曜日

陰ヨガの芸術:創始者ポウリー・ジンクのインタビュー Vol.1
The Art of Yin Yoga: An Interview With Its Founder, Paulie Zink

今回は陰ヨガの創始者のインタビューです。彼の言葉には、陰ヨガに限らずヨガをしている人全てが気付くべき深い真実が含まれています。

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「陰ヨガ」といえば何が頭に浮かびますか?あなたはおそらく、生徒たちが受け身の長く深いストレッチに耐えている間、ヨガの先生が教室の前の方で静かに座っている光景を思い浮かべるでしょう。これが私たちの多くが知っていて、そしておそらく定期的に練習している陰ヨガでしょう。


しかし、ますます人気のこのヨガの創設者ポウリー・ジンクは、陰ヨガを全く異なる形で40年間教えてきました。ジンクの教えの背景にあるヴィジョンとこの芸術的な練習の総体的効果を探りましょう。彼の陰スタイルが他とどう違うのかを知れば、陰ヨガが全く異なったものに見えるようになるでしょう。



あなたの陰ヨガの定義は?


陰ヨガは、中国の古代シャーマンの伝統、そして他とひとつであり自身の本質との調和にあるという中国の道教哲学に起源しています。陰ヨガのポーズは、動物の特徴、そして私たちの周りと私たちという宇宙の生命力を作り上げている五行に基づいています。気やプラナとして知られる生命力は微細ですが、自然界に影響力を与えるほどとても力強いエネルギーです。陰と陽、女性と男性、宇宙の満ち引きの脈動なのです。


(中国伝統医学では)五行とは「地」「金」「水」「木」「火」です。これらの全てのエネルギーが、安定や堅牢、流動、弾性、明度などの異なった質を表します。陰ヨガは、身体と心を目覚めさせ、行っているポーズのエネルギーとなることです。ポーズを深め、ポーズの五行を活性させることで柔軟性が高まります。


例えば、毎日数分間カエルのポーズをしたとすれば、ついにはポーズが深まりとても弾力のある質を持つカエルの本質あるいは魂となります。陰ヨガの目的は、生物や五行のエネルギーを取り込むことでポーズの本質を備えるようになることです。


陰ヨガの目的は、流れるように動くという私たちの生まれ持った能力を取り戻すことです。
これが、身体中の気の流れを養います。私にとって最も重要なのは、安定したポーズができるようになることではなく、それよりもポーズの本質を掴み取ることです。もし動物や五行のポーズをしていてそのポーズのエネルギーを取り込んでいなければ、生命のない死んだポーズとなるでしょう。しかし、ポーズの五行や動物のエネルギー質とともに流れることができれば、そのポーズを理解したということです。


楽譜に例えてみましょう。ある一音だけを弾き、そして次の音を弾き、それが歌の一部とならなければその楽譜は良い物と言えるでしょうか?ポーズそのものは練習の中では全く重要ではありません。最も大切なのは、ポーズの移行と流れをもたらす魂を、メロディを奏でることです。これが、動物のように自然に本能的に動くことがポーズの意味なのです。私たちは動物だからです。




あなたが最初に道教的なヨガを学び始めた頃から、陰ヨガはどのように発展してきたのでしょう?


私はハタヨガを14才で始めました。道教の先生に出会った時にはハタヨガを練習して9年が経っていました。先生は、導引と呼ばれる古代中国の医術や他の気功を教えてくれました。いくつかの動物や各元素のためのポーズ1、2種を学びました。そして、自発的に動物園などに出かけて動物を観察し、他の動物たちについてやかれらの動きについて学び始めたのです。そうして先生から教わったポーズを練り上げていくつかのバリエーションを作りました。また、より多くのポーズやバリエーション、フローや動き、瞑想、エネルギーの理解を深めていきました。


ある動物が動いているのを見るとその動物のエネルギーを体現したくなり、よく見て私の精神とを融合させ、私の身体の中でそのエネルギーを感じることで一体になるのです。こうすることで、何かを象徴的に示すものというより生きている物を基にしたポーズをつくることができるのです。それは、自然や私たちのまわりの動物たちを鋭く観察することと、彼らと意識をエネルギー的に結合することで一体となることです。


私たちは実際に他のものとは切り離せないものであり、だからこそ、この世界のあなたの周りにある何かを体現したければそれは可能なのです。私の先生はこれを教えてはくれませんでいた。自分で見つけたのです。私自身の芸術だと言えるでしょう。不思議な力については先生はあまり教えてくれませんでしたが、私が学んだことのほとんどは自分自身の内なる経験によるものです。



西洋では多くの場合、ヨガは精密な科学として解剖学などに重点を置いて教えられています。あなたは陰ヨガは正確な科学というよりは芸術だと表現しています。これについて詳しく説明していただけますか?


私は解剖学は教えません。ヨガを練習している体験を感じることに完全に集中するよう教えています。生まれ持った能力のまだ使われていない可能性を開くことを教えています。私は理論と練習は別のものだとわかりました。本の理論は実際には機能しません。なぜなら理論とは分析的な心から出た複雑な思考プロセスの塊だからです。


野生の動物は理論など使いません。彼らはそんなことに興味を示さないのです。ただ本当の本質であるだけ。身体をどのように使っているのかという分析も現実というあいまいな概念もなく感じたり行動したりします。だから、ヨガを練習しながら解剖学や理論を考えるなら、その流れを感じることなどできません。今何をしているか完全に集中し感じることなく、考えることに心が忙しいからです。


動物たちは流れるような動きの本当の達人であり、行動に理論を使ったり考えたりはしません。しかし私たちも動物、霊長類ですから、彼らのようにできるはずです。でも私たちの心は、どうするべきかを判断したり様々な考えに邪魔され気が散ってしまうのです。もし私のヨガの練習の中で、本や講義から学んだ伝統的なヨガの理論や魔法の力を使おうしていたら、それは芸術ではなく頭脳の公式になるでしょう。


例をあげて教えるのが本来の方法でしょう。私がポーズを見せながらそのエネルギーを体現すれば、どのようにできるのかどう感じるのかがわかります。しかし、その方法を講義を聞いて誰かの解釈を聞いても、あなた自身の本当の方法で行うことはできません。やっているところを見る方が、それについて聞くよりもずっと効果的です。


自然界の動物のように動こうと思うなら、何かの体系の法則や理論に沿ってもできません。他の霊長類たちは科学的理論など考えません。しかし彼らは流れと動きの達人です。どんな理論も必要ないと彼らが証明しています。限界や概念に沿うことを教える理論は、あなたの邪魔になりかねません。ヨガとは何か、何がヨガでないかという誰かの考えに賛同するのは、ポーズの中で成長し動きと流れを行うことを妨げます。というのも、あなたは限られた信念体系の虜になっているからです。そして、知性に集中することは、直接体験を感じるという直接性を遠ざけることになります。


西洋の科学モデルは、私たちの文化の中で広く受け入れられているパラダイムです。西洋の科学や分析に公認されない限り、どんな分野や修養も正しくはないというイデオロギーに私たちは閉じ込められています。ヨガが西洋社会に取り入れられてから、私はそれをずっと見てきました。しかしヨガは、西洋科学を全く学んだことのない他の文化の中で多くの師たちに何世紀にもわたって非常に素晴らしく実践されてきています。しかしながら、ヨガは今では、ヨガについての哲学や理論、科学的解釈など様々な研究に人々が関わっているという意味で、学問的に組織化されています。ですから指導者養成は、講義や本でより多く行われ、ヨガの実践や技術の開発方法などは少なくなりがちです。昔は、多くの真のヨガ・マスターたちが心頭しただ実践していました。


実践するということが最も重要なことです。生徒たちの健康や幸福は、誰かが話すのを聞くことよりも、ヨガの練習に時間を使い、呼吸や感覚に注意を向けることでより多くの効果が得られるのです。




ヨガの実践者が科学としてではなく芸術としてアプローチすると何が違うのでしょう?


個々人には個性がありそれが陰ヨガを練習すると心を通して現れるので、陰ヨガは科学でななく芸術なのです。つまり、自己表現の唯一性です。あなたがある動物のポーズしても他の人のポーズとは同じではありません。しかし、その時のあなたの状態はあなたにとって本当なのです。


もしヨガを科学として捉えたなら、揺るぎなく変化のない機械的な枠組みの中に封じ込めることになります。芸術の自然にわき起こる創造的表現は生きています。しかし、何度も何度もただ先生のやることを繰り返して真似をするなら、あなたはただ誰かの方法のレプリカを作り上げているだけです。私は生徒たちに私を真似して欲しくはありません。自身の内にある芸術的表現と動きとともに流れる能力を発見して欲しいのです、私と異なる方法で。このように、ヨガとは常に進化し続ける生きた芸術なのです。


科学とは、客観的観察が基本です。知的な構造物です。しかし芸術は、生命のように主観的です。私たちの、感じたり受け止めている「生きている」という体験は有機的で直感的です。


私たちは有機体であり機械ではありません。変化し適応する能力が重要なのです。


私たちは、形が変わる容器に注がれる水のように、生きていて全体的でそこに存在しなければなりません。水のように身体や意識の中で流れれば、周囲の環境により簡単に適応できます。もっとしなやかに力強く優雅に動くことができます。自然界の高まった気付きを感じ、自身の中、身体の中でより安らげるでしょう。


多くの人は、自分は類人猿ではないと考えています。私たちが何なのかという生まれ持った基本的な側面への気付きを忘れています。このような芸術を練習すれば、それぞれの内にある原始的な自分を解き放ち、その生命力と陽気さを表現する助けになります。そしてそれが起こった時、自分が霊長類なのだとわかり、そして霊長類として理論や組織的に規定された方法は必要ないと気付くのです。


それは、ライブ音楽を聞くことと録音を聞くことの違いに似ています。録音はいつも同じです。しかしプロ音楽家のライブを聞きに行けば全く同じ演奏は二度とありません。そこには革新と自発性、感情やテンポの揺れがあります。それこそが私が教えてきたことです。同じクラスやワークショップは二度とはやりません。公式や前もって書かれたセリフでは教えません。また、自身の練習も全く同じ方法ではしません。どんな規制にも従わないのです。いつも異なるのは、一瞬一瞬がいつも新しいものだからです。



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次回に続きます。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/the-art-of-yin-yoga

2020年5月11日月曜日

足裏のサポート 
Sole Support

ヨガをするときは裸足で行います。それは足の裏を感じきちんと使うためです。
窮屈な靴下を履き続け靴の中に足を閉じ込めていると、足裏の感覚を忘れて足指を使わなくなってしまいます。血流も妨げられますし、使うべき筋肉がどんどん弱っていきます。
今日の記事は、「足裏」です。

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足というのは大抵の場合目につかないし忘れられている、痛みを感じ始めるまでは。さていいニュースだ。地面から身体に力を与える強い土台を作るというヨガとアーユルヴェーダで緩和できる。


ヴェーダでは、足は「行動の臓器」と言われる。足は身体の土台で、体重を支えるための構造をした、様々な地形で動くことのできるプラットフォームだ。想像してみて欲しい。家の基礎が弱ければ全ての構造が軋み、壊れ始める。同様に、足の土台が弱ければ脚、膝、腰、背中、肩、首などに問題が起こり、筋肉の緊張、姿勢バランスの崩れ、疲労に繋がる。


アーユルヴェーダやリフレクソロジー、その他伝統的な治療法では、足は身体の他の部分の鏡とされている。今、足に緊張があるとしたら、きっと身体の他の部分でも緊張があるだろう。そして足が疲れているなら、体全体が疲れている。つまり、なぜヨガの実践者が、位置やアライメント、足にかかる体重のかけ方にこんなにも気をつかうのかということを説明できる。姿勢の土台としての機能だけでなく、足はまた身体全体のエネルギーの流れに影響している。木が枝を伸ばすため根から栄養を取り入れるのと同様に、私たちもまた地面からエネルギーを引くのに足を使うことができる。足の筋肉を引き上げ骨格を通して地面からの跳ね返りを感じることで活気のある姿勢となり、心が軽く、繋がって支えられているという感覚を得ることができる。


この跳ね返りの感覚の鍵となるのが足のアーチだ。骨そのものからと同様にアーチの下のスペースが作り出すその特有の構造や弾性のある支持なしでは、私たちの足は地面に崩れ落ち、歩くたびに関節の痛みを引き起こすことになるだろう。この足の自然な跳ね返りが足りない時は矯正用のアーチを使うこともできるが、アーチの正しい引き揚げができている人にとっても、身体の重要なこの部分に対する気付きを新たにすることができるだろう。


目標を定めた ハタヨガの練習は、足の強化と正しい使い方を知る完璧な機会となる。しかし、足に直接働きかけるには、シンプルで効果的な集中が必要だ。あなたの努力によって足の痛みを緩和できると気づくのに時間はかからないだろう。また、呼吸や血流を向上することもできるし、より微細なレベルでは内臓の健康と全体的なバランス、幸福感をも向上する。



軽やかな姿勢への鍵


ヨガに深い関連のある科学であるアーユルヴェーダでは、身体のエネルギーの点をマルマと呼ぶ。身体中のエネルギーの流れをコントロールする電源スイッチだと考えればいい。電機が正しく機能するために完全に機能している電源スイッチが必要なように、私たちの筋肉や内臓もエネルギーの妨げのない経路が活性化しているときに最適に働く。マルマ・ポイントは私たちの「電源スイッチ」なのだ。


足の重要なマルマ・ポイントのひとつであるクルチャシラ・マルマは、姿勢を左右し、身体全体そして特に足の筋肉システムの調和を作る。このマルマは踵の前にあり、アーチの高い部分にある立方骨の下だ。中医学では、湧泉と呼ばれるツボだ。足の裏でエネルギーが元気よく湧き出るのを示唆するこの名前を私は気に入っている。


クルチャシラ・マルマは、ちょっと探るようにマッサージすれば見つけられる。親指を使って踵のまっすぐ前の皮膚が少し柔らかい場所を探ろう。足指を上げると堅くなる2つの腱の間にある小さな窪みだ。土踏まずが弱かったり一日中足で立っていた時などは特に、親指でそこを触るととても柔らかいことに驚くかもしれない。鋭い痛みは、足裏から足首の後ろを通って脛骨へと走る深い筋肉、後脛骨筋が緊張しているか疲労している兆候だ。この筋肉の引きつれはまた、過労性脛部痛のよくあるタイプの原因となる。(ジョギング、ハイキング、スポーツなど、爪先の方へ体重が移動し足が平らになって足裏を疲労させ、土踏まずを撃ちつけることで起こる脛の骨の間の痛み)


クルチャシラ・マルマを親指でマッサージすることで足の緊張を解くことができるが、この痛みは姿勢の問題の症状のひとつでしかなく、この影響は足そのものにまで及ぶ。このマルマ・ポイントを手がかりとして使うなら、体全体を整えあなた自身に軽さとエネルギーを与えてくれる。以下がその方法だ。


足を床に付け、クルチャシラ・マルマの場所がわかるまで中指を土踏まずでなぞる。そして足指を床から持ち上げて土踏まずを引き上げる。このマルマ・ポイントで土踏まずの真ん中を意識的に特に力を入れて引きあげよう。土踏まずを目覚めさせるために指で上方に押す。もし足が回内しがちなら、そして特に膝を過伸展するくせがあるなら、このエクササイズは最初は難しいかもしれない。しかし、これは努力の甲斐がある。この場所への気付きと引きあげは過伸展の傾向を正すからだ。


このマルマ・ポイントから土踏まずを引き上げると、かかとにエネルギーの「輪」ができる。土踏まずが上がると踵骨の前が持ち上がり、踵骨の後ろが下がってアキレス腱が伸びる。かかとの高い靴(特にハイヒール)は大抵の場合土踏まずのアーチを逆方向へと促し、踵骨の前を落ち込ませ、踵骨の後ろが足首の方へ押し込まれてアキレス腱が短くなる。同様に、三角形のポーズ(トリコナサナ)のようなアサナでは、踵の前が落ち込み足首の後ろが締め付けられて膝が過伸展になる。こうした問題は脚の中心となる筋肉が弱いために起こるのだが、これはまさに土踏まずの中心が弱くなることから始まる。


クルチャシラ・マルマにおいて土踏まずを引き上げ軽くすることに敏感になることが、毎日の姿勢を正し、脚だけでなく腰や首の緊張を解くための最も重要なツールだ。ではいくつかの立位のバランスポーズの中でどのように働くのか見ていこう。足の感受性を高め強さとバランスを作るのに役立つはずだ。



中心を見つける


両足を快適な股関節の幅にして山のポーズ(タダサナ)で立ち、両手は腰に置く。膝をロックしたり過伸展しないよう、やや曲げておこう。足指を持ち上げて土踏まずに力を入れる。かかとの前から、脚の中央と身体の中心軸を通ってまっすぐ引き上げることに集中しよう。足の四隅 ー つまり母趾球と小趾球(親指と小指の根元にある肉厚のところ)とかかとの内側と外側だ ー は地面に向かってしっかりと均等に根付かせる。土踏まずの中央は軽く引き上げ、まるで木が栄養を土から吸い込むようにエネルギーを引き上げる。腰が自然に後ろに下がり、足で作られた土台の上で、よりよい姿勢になるのを感じてみよう。



正しいアライメント:
クルチャシラ・マルマから両脚の中心を通って引き上げると
尾骨が下へと伸び腰と首の緊張を解く




クルチャシラ・マルマの微細な引き上げによって踵骨の前側が上がり後ろ側が下がると、尾骨が下方へ長くなり、下腹が引き上がるのを感じ、仙骨のちょうど前にある骨盤のコアが引き上がり軽くなるだろう。これが腰の緊張を解いてくれる。また首の後ろが楽になって、頭は背骨の上でごく自然に浮き上がり始める。


では比較のため、足を緩めてかかとの前にあるクルチャシラ・マルマを下げてみよう。ゆっくり動かして、その連鎖反応を感じてみよう。腰は前方に動き、骨盤が重く押しつぶされた感覚があるだろう。腰はやや緊張し、腰椎に圧迫を感じるかもしれない。また頭の基部の辺りの骨まわり、首の後ろの筋肉も少し詰まった感じがするだろう。



悪いアライメント: 土踏まずの中心が押しつぶされ腰骨が前傾、
 骨盤に重さが生じ、腰と首を圧迫している



このように足が潰れると、中心がわからなくなる。それで、身体の後ろの姿勢を保つ筋肉(足裏、ふくらはぎ、ハムストリングス、腰や上背部、首)が、姿勢を維持するために詰まって堅くなり、同時に身体の前面(特にお腹、胸、腿)が崩れてしまう。 どちらの場合も、始点はクルチャシラ・マルマだ。もう一度このマルマを優しく引き揚げて姿勢の中心軸を見つけよう。どれくらいの引き上げが必要なのか探ってみよう。過ぎたるは及ばざるの如し。この「スイッチ」の「電圧」が低すぎると姿勢は消えてしまうし、高すぎると筋肉が刺激され過ぎて堅くなる。その間のちょうどいい場所を探そう。リラックスしているけれど目覚めているという姿勢だ。この姿勢の根から始まる中心軸を見つけ引き上げることが、体全体にエネルギーを与え、姿勢を保つ筋肉の慢性的な緊張や痛みを緩和する最も重要で最もシンプルなことなのだ。



強さを作る:木のポーズ


クルチャシラ・マルマを活性化させる足と脚の筋肉は、十分使われていないことが多く、エクササイズが必要だ。しかしこれらの深いコアの筋肉はなかなか使いにくい。腹筋や大腿四頭筋、二頭筋のようには使えない。とはいえ、特に木のポーズ(ヴリクシャサナ)などのバランス・ポーズなどハタヨガで鍛えることができる。木のポーズで根づき、引き上げ、開くようにイメージすることは、深いコアマッスルを活性させるのに特に適している。

木のポーズ:壁に膝を預けてポーズを安定させ
クルチャシラ・マルマから引き上げる



このポーズでバランスを取りながら同時に中心軸を見つけようとするのは難しいこともあるので、壁を使おう。まず、開いて持ち上げた膝が壁にちょうど支えられる程度の距離を開けて、足が壁に並行になるように立つ。左足を右の内腿のやや後ろ側に置き、大内転筋(坐骨に向かって走る長い内腿の筋肉)を押す。曲げた膝は股関節よりやや前にして、骨盤が左右並行にそして壁に直角になるようにする。もし軸足の膝がロックしていたら、少し曲げて爪先をやや持ち上げ脚の前方からエネルギーを引き上げるようにする。その間、腰は後方へ、かかとへと体重を移す。ヒップ・ポイント(両手を腰の前に置いた時に感じられる寛骨の骨張った点)が少し前に傾き背中のアーチが強くなることもあるが、それは構わない。 
 

軸脚の上でよりよいアライメントへと腰を動かしたら、軸足の四隅を根付かせながらクルチャシラ・マルマで中心を探ってみよう。母趾球とかかとの外側の間で体重のバランスを取り、小指を使って安定させる。根が地面から栄養を引き込むようにエネルギーを引き上げる。このエネルギーの繋がりと引き上げを感じられたら、ポーズは安定するはずだ。そして花が咲くだろう。 
 

下腹部を引き締め、恥骨のすぐ上の筋肉を内側そして上へと引くことで、胴部全体を引き揚げ続けよう。その引き上げと足の土踏まずの引き上げの間の関係を感じてみよう。下腹部を働かせると、尾骨が下がり曲げた脚の股関節が開く。同じように、胸が胸骨から引き上がって、肩もリラックスして広がる。喉の上を(顎のすぐ下)後ろ斜め上に引いて、頭頂に向かって首を長く伸ばす。これが口蓋の根元のスペースを開き、首の後ろのあらゆる緊張を解いてくれる。このポーズの名前の通り、あなた自身が木のように安定ししなやかになる。身体が徐々に開くとともに、その安定性を維持するために必要な筋肉を探し使おうとして立っている方の足が強く働らくだろう。ポーズから出る準備が出来たら、反対側の脚で繰り返そう。 



ハーフムーン・ポーズ


木のポーズと同じように、ハーフムーン・ポーズ(アルダ・チャンドラサナ)もまた土踏まずを活性化させ、その強さが膝や股関節、腰のアライメントへと繋げる。残念ながら、私たちは習慣的に体重を爪先に移動し立っている脚の膝をロックしてしまうのでこの効果を得ることは少ないのだ。 ハーフムーンの準備:右膝を曲げて前へ移動してポーズに入る。右足の指を引き揚げて土踏まずを活性化させて体重をかかとへと移動する。


 以下の傾向があるかどうか簡単なテストをしてみよう。アルダ・チャンドラサナをしている時、床を掴もうと足指を丸めて白くなっていないか?その場合はこれを試してみよう。右膝を曲げてポーズに入ろうと前に移動するときに、少し止まって足指、そして土踏まずを引き上げる。この調整が体重を右かかとの後ろへと移動させ、クルチャシラ・マルマを見つけやすくする。右の土踏まずの中央で引き上げ続けながらポーズに入ろう。

ハーフムーン・ポーズ: 右足の土踏まずの中心から
右脚のコアを通して引き上げ続ける



そして腹部から両脚へと外に向かって伸びる。 足指を使ってバランスを取ってもいいが、握る必要はなくなる。クルチャシラ・マルマをバランスの中心とし、右脚にそってエネルギーを引き上げると、膝のロックや脚の付け根の骨間の筋肉の締め付けを防ぐことができる。みぞおちから両脚に沿って伸び、ポーズをしながら先端まで伸展するようにしよう。 



クルチャシラ・マルマは全ての立位のポーズ、そしてマットの外での姿勢でも使える重要なエネルギーのスイッチだ。このマルマはエネルギー、アライメント、そして足と身体全体に活力をもたらし、内なる深みにある静かな気付きの中心を敏感に感じられる助けとなる。