2021年1月29日金曜日

加齢に最も影響される脳領域をヨガが強化する可能性 
Yoga May Bolster the Brain Regions Most Affected by Aging

脳スキャンの研究が、記憶、感情、思考に関する領域への伝統的な実践の効能を示唆



ヨガは、伝統的な東洋医学に深く関連しており、身体をエネルギー経路と結びつきのシステムだと捉えています。そしてそれは西洋医学とはなかなか一致するものではありません。しかし、今世紀の始めから、ヨガの科学研究が格段に増えました。近年の多くの研究が、ヨガを、腰痛や鬱、不安症や神経痛などの治療の「代替療法」として使われていることを評価してきています。しかしまだ、ヨガの研究の質は偏っており、多くは自身で報告する統計データに依存しています。そういったことから、より客観的な測定、脳スキャンに焦点をあてた2019年の論文に私は驚嘆しました。決定的ではないものの、その結果はヨガが脳の健康を向上させることを示唆しており、ヨガと科学がともに歩める道を表しています。


イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のスポーツ心理学研究所のディレクターであるナハ・ゴテが率いた論文では、ヨガの脳に与える影響を評価するためにあらゆるタイプの脳をスキャンした11の査読された論文を調査しました。ゴテと研究者たちは、ヨガに関して次の三つの要素を含んだ研究に限定しました。身体的なポーズ、呼吸法、そして瞑想とマインドフルネスです。おおむね年齢や健康状態、運動レベルなどが一致している被験者で、長期間の実践者とヨガ初心者の脳を比較していたのは6つの研究でした。5つの研究が、ランダムに特定期間のヨガの実践をさせ、その前後で被験者の脳をスキャンし、コントロール・グループと比較調査していました。


ゴテは、これはまだ「初期分野」であり、ほとんどの研究が小規模だと認めています。しかし、さまざまな母集団ではあるものの、3つのパターンが一致して浮かび上がっています。ヨガの実践は、記憶の鍵となる海馬の灰白質の体積増加、高次認知機能がある前頭葉の特定部分の体積増加、そして、デフォルト・モード・ネットワークの相互連結の拡大に関係している可能性があるのです。このネットワークは、記憶や感情を処理すること、そして「自己反映プロセスと呼ぶ、自分自身についての情報処理」を行っていると、ウェイン州立大学の認知神経学者であり共同執筆者であるジェシカ・デモワソーは説明しています。彼女によれば、これらの領域の灰白質が多いことの意味は完全に明らかではないけれど、「より高度な機能であることを示すかもしれないニューロン間の関係がより密接になっているのかもしれません」


デモワソーの研究は、脳内の加齢に関連する変化に焦点を置いており、加齢とともに、特に認知症の場合は収縮しがちである構造がヨガによって強化されているようだと言及しています。ヨガの結果増えた体積は、有酸素運動の研究で見られるものをよくにています。これはこんな問題を提起しています。これは本当に瞑想の要素をもつヨガに特別に見られるものなのか、あるいは他の脳を維持させる運動と同じなのでしょうか?


現時点で断言することは困難です。「ヨガの素晴らしいところは、自分にとって良いことさまざまなこと全てを組み合わせるということです」しかし「それは研究するにはやっかいなこと」と、国立衛生研究所の一部、国立補完統合衛生センターの上級研究者であるキャサリン・ブッシュネルは述べています。これまでの小規模の研究観察では、脳の構造や機能の変化とヨガの因果関係を立証するのは困難です。例えば、ブッシュネルの研究では、経験豊かなヨガ実践者はヨガをしない人と比べて痛みに対する耐性が大きく、その耐性は島皮質と呼ばれる領域の灰白質の増大に関係があります。しかし、ヨガがその直接の原因だとは言えません。「ヨガをしたいと思うのは人格が関連しているのかもしれませんし、その人格が灰白質の増大に関係しているのかもしれません」




小規模の実験を基礎としたより良い研究とともに、より明確な答えが出てくるでしょう。例えば、ゴテが最近政府の補助金受けた研究では、任意に選んだ168人の高齢者に6ヶ月間、ヨガ、エアロビ、ストレッチや筋トレを行わせる予定です。各活動が脳の構造と認知機能に与える影響の違いを比較することが目的です。ブッシュネルはこう言及しています。「まさに私たちが必要としているのはこうした試験です」

2021年1月2日土曜日

頭痛のための5つのポーズ
5 Poses for Headache Relief



どのようにして「頭痛の危険要因」を避けるのか
ストレスを緩和するヨガポーズがいかに頭痛を持続的に緩和してくれるのか




私は子供の頃から頭痛に悩まされてきました。毎年の健診で私は医師にどうすればいいのかを尋ねたものです。先生は「方法はあまりないね」と答えるのです。「アスピリンを飲んでごらん」大人になった今でも、医師たちは同じアドバイスをします。数年前、偏頭痛の薬を処方されました。頭痛はノックアウトできましたが、その後1日中私自身もノックアウトされてしまったのです。


私が本当に聞きたかった助言は、薬が必要になる前に頭痛を止める方法でした。私が気づいていたのは、頭痛が起こりやすいのはストレスを感じた時、一日中きちんと食べなかった時、赤ワインを飲んだ時、そしておかしく聞こえるかもしれませんが雨の日です。これらのは頭痛を防ぐヒントになったのでしょうか?


ジョンズ・ホプキンス大学の準教授である神経学者であり、「Heal Your Headache: The 1-2-3 Program for Taking Charge of Your Pain(あなたの頭痛を癒す:痛みのための1-2-3プログラム)」の著者であるデイヴィッド・バックホルツ博士は、頭痛に対処するこのような防止法を主張しています。最近、私はバックホルツ博士と頭痛の原因、そしてヨガや健康的な習慣がどのように頭痛の辛さを防いだり緩和することができるかについて話をしました。彼は、頭痛に関するアドバイスを初めて私の直感で理解できた初めての医師でした。


頭痛は、ストレスやホルモンの変動、不眠、天気の変化、特定の薬品などのトリガーに晒された時に起こります。


頭痛がやってくるときは、大抵私にはわかります。肩や首が緊張して硬くなります、なので、硬くなった筋肉が頭痛の原因かと考えていました。そうではない、とバックホルツ博士は言います。顔や首の血管の腫れや圧迫が頭痛の原因だというのです。


ストレス性、緊張性、そして偏頭痛を区別している多くの医師とは異なり、バックホルツ博士は、偏頭痛を最大とする痛みの連続系だと考えています。彼によれば、緊張性やストレス性の頭痛と一般的に考えられているものは、単に同じ病気の弱いバージョンです。


頭痛は、どの強度であっても、ストレスやホルモンの変動、不眠、天気の変化(特に気圧)、特定の薬品、特に避妊ピルやホルモン補充療法などのトリガーに晒された時に現れます。食事、睡眠習慣、そして女性には月経周期などずべていつでも頭痛の「トリガー負荷」に関係しています。トリガー負荷の閾値が他の人より低い人がいて、そういう人たちにはより頻繁に頭痛が起こります。しかし、これらのトリガーのいくつかを減少させることで頭痛をコントロールすることができます。



”頭痛の「トリガー負荷」を減らす


バックホルツ博士によると、頭痛を起こす特定の食べ物を排除することは大きな違いをもたらします。残念なことに、原因となる食べ物には大好きなものも含まれます、チョコレートやチーズ(特にブルーチーズや熟成したチェダーなど)、ヨーグルト、バナナ、柑橘系や果物のジュース、ピーナツバターなどです。多くの場合はパッケージに「天然うまみ調味料」と書かれ、レストラン(中華だけでなく)でも使われているMSG(グルタミン酸ナトリウム)は、頭痛の原因のひとつとして知られています。硝酸塩(肉の保存に使用)やアルコールもまた、アルコール飲料と同様、原因のひとつです。他のものよりもよくないアルコールもあります、赤ワインやシャンパンは最も耐えがたく、頭痛に対してはウォッカが最も扱いやすく、白ワインやビールはその中間になります。頭痛をコントロールするためには、これらを排除し、ひとつずつ取り入れてみてどれが頭痛の原因かをさぐるといいと博士は勧めています。



頭痛のリバウンドを防止する


その他の頭痛の原因はカフェインです。最初は、腫れた血管を収縮させることで頭痛をすぐに緩和してくれます。しかし、最初の効果がなくなれば、血管はさらに腫れ上がり、「跳ね返り」頭痛の周期を作ってしまいます。それを踏まえ、カフェインを完全にやめることも有効ではないかと博士は言います。数日から1週間の頭痛を耐えて、そのあとの長期間の頭痛の回数や強度が下がるかを見てみるのです。


同様に、エキセドリン、タイレノールなどカフェインが含まれる市販薬は短期間緩和してくれますが、薬への依存の周期を促進します。処方の偏頭痛薬も同じ効果があります。アスピリンやタイレノールの使用は安全ですが、市販薬を日常的に使うなら、全体的なトリガー負荷を減少させることで防止する必要があると博士は忠告しています。



緩和法を見つける:ヨガはどのように役立つのか


頭痛の主なトリガーのひとつがストレスですから、ストレスを緩和し管理する方法を見つけるのは防止するためには必要な部分です。バックホルツ博士は、頭痛持ちには、定期的で継続的なヨガの練習を、そして週数回の早足や水泳などの有酸素運動で補うことを勧めています。夜間の十分な睡眠とともに、これらがストレスを緩和し、エクササイズ中に分泌されるエンドルフィンが頭痛の防止に役立ちます。頭痛の最初の兆候が現れたら、仕事や家事などを一旦やめて鎮静するヨガのポーズを練習する時間を作ると良いと博士は助言しています。




では特に私に効いたポーズをいくつか紹介しましょう。可能なら、頭痛が始まりそうな時にこのシリーズを練習し、またとてもストレスの多かった日の防止法として利用してみましょう。



チャイルド・ポーズ(アド・ムカ・ヴィラサナ)


体の前にボルスターを水平に置き床に膝をつきます。つま先を揃え、両膝を広く開いて、胴部と両腕を前方に伸ばします。反対の肘をつかんで額をボルスターに置きましょう。目を閉じて完全にリラックスし、そのまま3ー5分間ポーズを続けましょう。



上向きの合蹠のポーズ(スプタ・バダコナサナ)



ボルスターの上に折り畳んだブランケットを置きます。顔がボルスターと逆を向くようにボルスターの前に座り両足を揃え、両膝は開いて床へ下ろしましょう。必要なら、それぞれの膝の下にサポートとして折り畳んだブランケットを追加します。仙骨にストラップをかけ、腰、脛、そして足の下に回します。しっかり支えられていると感じるまで、ストラップを締めましょう。ボルスターの上に横たわって頭をブランケットに載せましょう。そこでリラックスして5-10分間休みます。




ボルスターを使ったブリッジ・ポーズ(セツバンダ・サルバンガーサナ)


ボルスターふたつを並べましょう。ひとつは壁に水平に、ふたつ目は数センチ離して縦に置きます。仰向けで横たわり、両肩と頭は床に下ろし、足は壁につけておきます。両腕を快適な場所に休ませ、横に開くか、肘を曲げて手のひらを上に向けておきます。このポジションで5-10分間ホールドします。



壁に脚をあげるポーズ(ヴィパリタ・カラニ)


ボルスターを壁から数センチ離して水平に置きます。床に座って右へ向き両手で体を支えます。下半身をボルスターの上に載せましょう。両脚をあげて、脚の後ろ側が壁につくまで壁に寄ります。(このポーズの入り方は最初は落ち着かないと思うかもしれません。)ボルスターの上で腰が持ち上がって支えられていると感じるまで、位置を調整しましょう。首や頭の下に折り畳んだブランケットを置きたいと思うかもしれません。(このポーズは逆転のポーズなので、生理の時はやめておきましょう)



椅子を使った屍のポーズ(シャヴァサナ)


ブランケットを載せた折り畳み椅子を用意し、その前に折り畳んだ2枚のブランケットを縦にして置きます。ブランケットの上に横たわり、膝を曲げ膝下を椅子のシートにおきましょう。目を閉じて、体全体をリラックさせ、5-10分間休みます。






(出典)https://yogainternational.com/article/view/5-poses-for-headache-relief