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2026年1月30日金曜日

ヨガセラピー:今も生きる癒しの伝統
Yoga Therapy: A Living Healing Tradition

ヨガセラピーの背景にある哲学、考え方についての記事です。
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ヨガセラピーは現代社会の新しい新興の職業ではありますが、その起源はヴェーダの教えや科学など数千年前にさかのぼります。古人は自らの深い精神の旅から、人の健康状態の本質への深淵な洞察を生み出し、またその理解や全てのレベルにおける苦痛を変換することについての広範囲の教えや力強い実践法をも生み出しました。



この伝統によればヨガセラピーとは、ヨガとアーユルヴェーダを合成したヨガの一種であり、多くの場合、ジョティシュ(ヴェーダの占星術)やさまざまな派閥の信仰から派生した儀式慣習の概念を含みます。この療法におけるヨガの手法やテクニックの応用はヨガ・チキッサと呼ばれていました。新興の職業としてのヨガ・チキッサは伝統的な治療法であり、体調や感情、考え方、食事、行動パターン、ライフスタイルや人間関係、生活し働く環境など全てが密接に関係し合っており私たちの健康にも関係しているいう認識のもとに成り立っています。



ヨガセラピーは、現代の西洋医学における問題のいくつかを改善するためにきわめて重要な役割を持っています。その役割とは、ひとつには、病気や医師中心の枠組みから、ウェルネスやホリスティックなセルフケアに基づいた枠組みへの移行を促すことです。ヨガのコミュニティは、こうした教えを信頼できる合法的な方法で伝えていくという素晴らしい機会と責任の両方を担っています。その責任を果たすには、こうした教えを研究し続けること、伝統の深い洞察を熟慮すること、そして変換の可能性を実践を通して経験することなどによって可能になります。ヨガセラピーの幅広さ深さ、ヨガ哲学との本質的な関連性を解明するために、基本的な見識や中心にある教え、ヨガセラピーの真の伝統のための基礎を築いている元となる実践法を、私はよく垣間見ています。






ヨガの起源は、シュルティと総称されているインド亜大陸に発生した古代文化の文献ヴェーダの中にあります。ヴェーダから、文化や文脈に関係なく全ての人間に永遠に関連すると考えられ発展した、現存する一連の教えが生まれました。こうした教えは、人生のあらゆる場面での体験すべての局面を網羅する深い洞察と実践法を与えてくれます。



ヴェーダの文献は、論証的な哲学様式で編纂されてはいません。詩的であり非直線的で、つまり理解するには複雑で困難です。それらを説明するために偉大な指導者らが解説しました。こうした解説文は哲学的な散文形式をとり、総じてシュルティを呼ばれる口頭で伝えられ、そのように記憶されました。こうしたシステムの最古のものがサンキャで、偉大なる聖カピラによって作られました。サンキャのシステムは、ヨガスートラに記録されたパタンジャリのヨガ哲学の形而上の基礎を形作りました。このように、ヨガは実用的なサンキャ哲学だと考えられるでしょう。



ヨガの観点を伝えるヴェーダ文献にある最も基本となる洞察のいくつかは、アートマン(純粋意識)とブラフマン(絶対的真実)の概念を含みます。ドゥーカ(苦痛)の真実、苦痛を乗り越えるためのヴィディヤ(知識)の探究、そして人間の多次元的モデルなどです。
ヴェーダの哲学的解説の中には、万物の基本要素の法則を列挙するサンキャによる形而上の宇宙論があります。このシステムの中にカピラが示すのは二元性であり、見る者プルシャ、そして見られる者プラクリティです。基本的な前提は、見る者と見られる者を識別することで私たちは苦痛から解放されるということです。



この基本の上に築かれたヨガの伝統が主張するのは、私たちは本質的には変化し続ける多元的な宇宙の中に存在する純粋な意識の変化しない源だということです。純粋意識の中心はヴェーダではアートマンと呼ばれ、サンキャ哲学やヨガではプルシャと呼ばれます。文字通り「街に住む者」であるプルシャは多元的宇宙に住んでいますが、その宇宙とは、思考や感情、身体など自分自身の一部だと通常思っているもの、そして家族や社会ネットワーク、自然界など自分自身の外側にあると思っているものという観念を含みます。この視点から見ると、この見える存在全ては変わり続ける広大さの中のはかない収束現象としてのみ存在しています。基本的にヨガは、私たちはこうした変化するものではなく、間違って自分を認識しそれに執着することで苦痛が起こるのだといいます。



実際的レベルでは、プルシャから生じる知性の応用を通して、そして正しい方法で行うことで、これらの次元すべての変化の方向に影響を与えることができるとヨガは教えてくれます。それぞれの次元での関係性を向上すれば、誤った識別をし続け苦痛を感じ続けるよりも、自分が何なのかを明らかに見られるようになるのです。






2026年1月9日金曜日

ヨガと認知症 Vol.2 
Yoga and Dementia

前回からの続きです。

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認知症の方にヨガを指導する際の秘訣


SPECALの黄金律


1. 直接的な質問をしない


「認知症の方の対応でひとつだけ覚えておくとすれば、直接的な質問をしない、ということです」とペニーさんは言います。ヨガティーチャーもそうでない人も、「今朝はどうですか?」から「今、三角のポーズをしたいですか?」まで、情報を得ようとしたり、思いやりを示したり、関係性を築き始めようとして質問をします。けれど、認知症の人は質問されると、それに応えるために必要な事実情報がわからないことで、急に苦痛を感じてしまいます。


「その人のアルバムにある今日のページには多くの事実が欠けていて、そのため簡単な質問であっても答えるのが難しいのです。結局は、三角のポーズをしたいかどうかは、三角のポーズとは何なのかなどアルバムの中の事実情報に依存します。さらに複雑なのは、今した質問が保存されないことです」その場合、答えを待っているというあなたの期待した表情そのものもより深い混乱の原因となり得ます。「どちらにとってもあっという間に困難な日になってしまう可能性があります」ペニーさんはそう認めました。


しかしながら、認知症の生徒と会話するのは不可欠であるため、例えばあなたが言ったことをすぐに理解できる方法で普通に会話するとか、もし会話を始めたら相槌を打つなど他の方法を試しましょう。「まるで釣り人が擬似餌を変えるように」ペニーさんは勧めました。「魅力を感じたら魚は来ます」また彼女の「質問のない質問テクニック」を試すこともできます。例えば「今、三角のポーズをするのはいい感じかしら?」といった感じです。「多分」とか「・・かしら」とか、「・・するのもいいかも」など生徒を困らせない方法で参加を促しましょう。



2. 専門家(つまり認知症の生徒)の声を聞いて学ぶ


「生徒の声を聞いてそこから学ぶ必要があります。彼らが話し始めたらすぐ、自分は話すのをやめてその話や質問を聞けば、それは金の粒のようなもので、どんな言葉を使うべきなのか、彼らは何が知りたいのか、何を話したがっているのかなど、とても価値のあるヒントが得られます」ペニーさんは述べました。


また、認知症患者の介護者から、ペニーさんが言う「最高の出来事」を聞くことができるかもしれません。彼らが最も話したがる体験であり、彼らのアルバムの一番好きなページです。(もし介護者からは何も聞いたことがなければ、そうした記憶を質問のない質問テクニックで聞き出してみましょう)


こうした話をするときは、あなたの生徒は馴染みのあるしっかりとした土台の上にいます。あなたの生徒が不安そうだったり自信をなくしたように見えたとき、また彼らとただ繋がりを強くしたいと思ったときはいつでも、大好きな話の中でよく使うキーワードを言ってそのお話に導きましょう。






例えば、あなたが「ずっとインドに行きたいと思っています」と言ったら、インドに旅行した時の大好きな話しを急に始めるかもしれません。(しかし、『あなたが以前したインド旅行は楽しそうでしたね』など直接的な旅行の話には注意しましょう。あなたにその話をした事実は記憶していないかもしれず、どうして個人的な情報を知っているのか不思議に思って困ることになる可能性があります。『だれでも自分のことを知られすぎている感じたり、アルバムの中にあなたの情報が見つけられないと不安に思うものです!』ペニーさんは注意を促しました。)



3. 否定しない


認知症の生徒は、時々事実に反する内容を言うこともあります。ペニーさんによれば、それを正さない方がいいです。「『それは正しいか間違いか』という質問でなく、『誰のアルバムについて話しているか』です。話している時は自分のアルバム、自分の体験に基づいています。だから彼らが選んだ写真について議論しないでください。注意深く聞いてそこから始めます」


例えば今やったばかりなのに、生徒が「まだ肩回しをしていない」と言ったら、否定しないで彼女の言う通りまた肩回しをしましょう。


(もし、例えば『逆立ち(あるいは体の能力を超えたポーズ)をしましょう』などと生徒に不適切だったりかなり危険なことを提案されたら、彼らではなく自分自身の能力不足のせいにして一旦休憩を促すことをペニーさんは勧めました。「本心から、先に進む前に少し休憩しようと言うことに全く問題はありません。逆立ちをする提案などはきっと時系列的に記憶されていないことをふまえて、休憩のあとは全く新しい章が始められます。このように認知症患者の障害に前向きに対応しましょう」)





さらに・・


4. 複雑な言葉による指示ではなく、実演やジェスチャーを最大限に活用


私たち指導者が実演をするのは大抵はほんのちょっとだけで、多くを長く細かい指示を言葉で伝えます。「足指の付け根とかかとに向かって根付かせて、膝関節は2番目の足指先に向けて。今度は背骨を伸ばして頭頂へと持ち上げて。肩は後ろへ回します・・」いうように。


直近の事実情報の記憶がどんどん不確かになっていく困難認知症の生徒には、もっと単純な方法が必要です。たくさんの指示を与える代わりに、「足で下に押して」など動きを身振りで伝えながらできるだけ簡単なフレーズを使います。


可能なときはいつも実演し、連帯感を作るための視線を合わせることを優先し、ジェスチャーを使いましょう。「ジェスチャーは1000の言葉を伝えます」とペニーさんは言いました。
「ジェスチャーは気もちを伝え、それが新しい写真すべてに保存されますが、言葉は事実であり言った後からすぐに消えてしまいがちです」おそらく「胸を引き上げて」とか「頭頂へ持ち上げて」という意味の言葉の指示に代わるエネルギーにあふれたジェスチャーがあるでしょう。


もし、より細かいアライメントを整えなければ安全とはいえないポーズがあれば、そのポーズは省きましょう。



5. 良いニュースだけ伝える


あなたの認知症の生徒が通常通りに事実情報を記憶できないと感じたなら、否定的な情報を伝えれば落ち着いて見えても不安にさせるかもしれないことは理解できるでしょう。ペニーさんは例を挙げました。「あなたがクラスに遅れて、事故渋滞のために時間がかかったと説明します。まあ、認知症でない人は理解します。『ああ、渋滞ね、あなたが無事に来れてよかった』と思うでしょう。けれど認知症の人は事故のところだけ記憶して、後で不安が引き起こされて『誰が事故にあった?何があった?誰が?何をするべき?』と自問するかもしれません。これは良い写真ではありません。あなたが到着したら心から笑顔で『ああ着いてよかった!』とただ言って練習を始める方がずっといいのです」


あなたの生徒はやる気があるふりに気づくかもしれないので、状況の中で肯定的な面を見るようにするのが大切で、それが自然にあなたの感情に影響します。否定的なニュースや沈んだ感情で認知症の人を困らせないでください。「結局のところ、あなたが遅刻してひどい事故を見たとしても、無事に到着して生徒と会えたら嬉しいでしょう?」


悪いニュースを伝えないのは事実と違う話を作っていると思うかもしれませんが、ぺニーさんが言うには「彼らはもう一生分も悪いニュースを聞いてきたんです!」認知症であるためにすでに耐えている困難のことを忘れないでください。余計なストレスを避ける理由がわかるでしょう。あなたが見た自動車事故やニュースで見た大災害のことは話さないでください。クラスの間ずっと、今練習している部屋の中も外の広い世界も、全ては大丈夫だというサインを出してください。「『大丈夫』という信頼感は記憶されて説明のない不安よりもずっと役に立ちます」ペニーさんは確認しました。


6. 惜しみなく賞賛を送る


ヨガの間はずっと「これ上手ですね!」などと褒め言葉を散りばめましょう。2、3種類の褒め言葉があればより良いです。「完璧!すごい!最高!」


「認知症の診断は、生徒のウェルビーイングを左右します。記憶力の変化に直面しているという明白な兆候があり、それは不安に感じさせるものです」ペニーさんは言います。「自信が低いとき、認知症の人はアルバムの中を探るのが特に難しくなります。自信の低さが、認知症前のアルバムから役に立つ組み合わせを見つける能力が下がることに繋がります」あなたにはヨガティーチャーとして、生徒にうまくやっていると感じさせることで、彼らの自信や自尊心を引き上げる力があります。


ペニーさんが指摘したのは、良いニュースだけを伝えるのと同様に「親切にするのと上に立った態度をとるのとの間には小さな違いがあります」重要なのは本心からということ。信じられないほど困難な状況であなたの生徒はよくやっているということに気づき、何度も心から賞賛を与えてください。ペニーさんは言います「いつも筋の通った事実が記憶されるわけではありませんが、ずっと感情は記憶し続けていて、新しい事実の記憶が小さくなるにつれて感情のスペースが大きくなります。事実よりも感情により依存しているので、そのためあなたの不誠実さにはすぐ気づくのです」



7. 言葉とジェスチャーで生徒との関係を築く


ペニーさんは彼女の言うところの「私たち」関係を築くことを推奨しています。「あなたと生徒はここで一緒にいて、二人ともヨガクラブのメンバーだという印象を作ってください」この連帯感を、「私たち」「一緒にしましょう」などの言葉やフレーズを使って、そしてしっかり目を見て、彼らのジェスチャーやポーズを真似て、彼らの発言や提案に熱心に耳を傾けましょう。


もし生徒がポーズをしたがったら、ポーズをやめたいと思ったら、水を飲むために休みたがったら、賛成してください。「私もそう思っていたところです!」



8. 生徒を専門家として扱う


「ふさわしい話し方をする必要があります。彼らよりもいくらか能力が低いと考えてください。可能な限り、生徒をティーチャーだとしてください」ペニーさんは助言します。


自尊心を上げるために、生徒から受ける指示や確認は快く受け入れましょう。例えば、「三角のポーズはこんな感じかしら」と言ったらきっと「そう!」「その通り!」などコメントが帰ってくるでしょう。


「側から見たら誰が教えていて誰が教わっているのかわからないかもしれません」ペニーさんは言います。もしやろうとしているポーズを生徒がやろうとしなかったら、そんなときは、忘れましょう。彼女のやっている形を真似して、そのリードについて行きましょう。それもまた生徒の肯定感や二人の連帯感を築くのに役立つかもしれません。「そこから、その良い感情を踏み台にして、まるで独り言を言うかように変えることをさりげなく提案します」例えば、指示したり質問するのではなく、「それはいいポーズですね。肩をもうちょっと後ろに回したらどうなるかしら」と言えるかもしれません。


9. 異なる言葉、ジェスチャー、戦略を試して何がベストかを探る


会話や練習の間、いろいろ試して何に効果があって何にないかに気をつけましょう。会話を始めるのに良い天気の話は効果がない?あなたのお母さんや夫がヨガをしてくれたらいいのにという話は?会話は続きましたか?一歩下がるのは効果がありませんか?もう一方の足を前に出すとポーズに入れますか?生徒がシャヴァサナでじっとしていられませんか?肩に手をおいたら少しは長く休んでいられそうですか?質問をするのでなく、どんなときどんなことがうまくいってうまくいかないのかを観察してください。「できるだけ早く見つけられたら、最悪を最小限に最高を最大限にすることができます」ペニーさんは勧めます。


10. 生徒のウェルビーイングを高めるものは何でも喜んで繰り返すことを学ぶ


ヨガティーチャーは、新しいクラスを作ろうと大抵の場合は考えますが、認知症の生徒を教えるなら新しいものを考える重荷から解放されます。新しいポーズを教えるのではなく、よく知っているものを尊重します。


“One of the joys of working with individuals with dementia is that they will never tire of the repetition of what they enjoy,” assured Penny. The shoulder rolls they enjoy will delight them 「認知症の人に対応する際の喜びのひとつは、彼らが楽しんでいることを何度繰り返しても決して飽きないところです」楽しんでいる肩回しに何度でも何度でも大喜びします。ハッピーベイビーのポーズを「死んだ虫」と呼んで彼らが大笑いしたら、毎回大笑いします。生徒から肯定的なリアクションを引き出す言葉を見つけたら、繰り返し同じものを使い続けましょう。


11. 可能性を信じる


本当に効果があることは何かといえば、生徒の手を握ることです。手を握りましょう。好きなポーズがシャヴァサナだけだったら、ヨガクラスはそれに集中させましょう。もし生徒が本当にやりたいことは、お茶を飲みながら好きな話しすることなら、一緒にお茶を飲んで興味をもって喜んで話を聞きましょう。できる限り、ヨガクラスとは何かというあなたの概念を広げることになるにしても、彼らに寄り添いましょう。ペニーさんが言うように「SPECALのヨガは、SPECALを知らないひとにとっては『伝統的な』ヨガには見えないかもしれません。けれど、それは無駄なセッションというわけではありません。反対に、SPECALの基準で測れば、生徒のウェルビーイングを高めるものであるので成功なのです」


認知症の生徒とのヨガクラスの終わりには、新しいポーズも覚えていないし、膝とつま先の向きを合わせるのがうまくなりもしていないかもしれません。汗をかいたかどうか、最後のシャヴァサナでリラックスできたかどうかもわかりません。けれど、生徒の自己肯定感、自立性、社会的快適性、安心感に対して、価値のある貢献ができるはずです。「彼らの声を聞いて、『私たち』関係性の中で一緒に練習することを探ることで、持続的な方法で彼らの生活の質を高められるのです」ペニーさんはそう締めくくりました。「それが値段のつけられない非常に価値のあるもので、SPECALのすべてのケアが目指すところなのです」








2025年12月29日月曜日

ヨガと認知症 Vol.1 
Yoga and Dementia



現在アメリカ人の500万人がアルツハイマー病を患っており、高齢者の三分の一が亡くなる際にアルツハイマーなどの認知症にかかっています。近年、認知症は全体的に減少しましたが、アメリカの人口でこの障害に最もかかりやすい世代である90歳以上の数が最も急速に伸びているため、今後の罹患数は増えることが予想されます。


近年の研究では、ストレスを軽減し記憶機能を向上させるヨガの可能性が、老人ホームで暮らす人々の認知機能を改善することを示唆しています。瞑想とヨガを使ったある多面的プログラムでは、記憶機能をいくらか取り戻すことに成功しています。また、英国の小規模試験プログラムでは、認知症患者が優しいヨガを介護人と一緒に行うことで、より行いやすくまた参加者に受け入れられやすいことが分かりました。


ヨガの効果を考えれば、ヨガは認知症の家族や友人、患者に良いのではと考える人もいるでしょう。


「そうかもしれないし、そうでないかもしれません」と電話インタビューでペニー・ガーナー氏は言いました。ペニーさんは、英国バーフォードの中核的研究拠点にあるコンテンテッド・デメンシア・トラストの創設者であり医療ディレクターです。


この施設は、統合されて開発改良されたペニーさんの「SPECAL(スペックル)法」を用いており、現在ロンドンのキングスカレッジで科学的に研究されています。SPECALという頭字語が初めて使用されたのは約27年前で、ペニーさんがアルツハイマー病と関連する認知症のための特別な早期ケアを開発し始めたころです。ヨガが認知症患者に良いかもしれないしそうでないかもしれない、というペニーさんの言葉を理解するには、この手法の中核にある類似点をまず理解する必要があります。それは、「SPECALフォトアルバム」というものであり、通常の記憶がどのように機能しているかの概念、歳をとると何が起こるのかということ、そして認知症によって起こるある変化についてです。



SPECALフォトアルバム ー 記憶の象徴


この進行性の障害の、基本的に記憶システムに新しい出来事を保存する際の問題だというペニーさんの洞察は、1970年代にアルツハイマー病を患った母親の介護を通して得られました。「私たちは記憶システムを持って生まれます。それがフォトアルバムで、体験したものは全て写真として自身のアルバムに無意識に保存されます。このアルバムは、私たちの基準点であり大切な資産です。今何をしていたかが全て保存され続け、事実やそれに関する感情が含まれます。「ええっと」という度に、私たちは「アルバムを見てみよう」としているのだとペニーさんは説明しました。


「いつも自身のアルバムを参照して、光速でこの簡単に繋がれるデータベースから情報を取り出して、今何を、誰と、どこで、いつ、なぜしているのかの意味を理解するのです。そうやって今ここで何が起きているかのスピードについて行っている訳です。歳をとると、アルバムの写真を無意識に取り出したり保管するプロセスは変わりませんが、必要な時にアクセスする速さが遅くなります。遅くなることは普通のことで認知症とは関係がありません」そうペニーさんは指摘しました。「しかし認知症患者には、新しいタイプの写真が現れるのです。この新しい写真は、日常生活で今起きたことに関係のある現実は含まれないのですが、それに関連する感情だけは感じます。この認知症に関連した写真を『ブランク』と呼んでいます。まず、ブランクは現実の情報が途切れたほんの数秒に現れますが、ランダムで散発的に、そしてより頻繁にブランクが起こるようになり、やがて認知症と診断され、アルバムの半分が感情だけの写真となり、ブランクの長いリボンとなっていきます」


認知症患者は理性を失っているわけでもなく、少し前の現実を判断する能力を失っているわけでもないと、ペニーさんは強調しました。「アルバムのずっと昔のページは、現実もその時の感情もとても理性的に開くことができて、今日見たことをちゃんと説明することができます」


SPECAL法は、この対処手法でプラスに効果を出すことを探っています。その人にとってどの古い写真が最も卓に立つのかに注目し、そうした古い写真と毎日の日課との間に有用なリンクを作るのです。SPECALが尊重するのは、その人の過去の活動や体験を試すことであり、新しい活動には挑戦しません。「私たちのモットーのひとつは『新しいことは何も無い!』」だとペニーさんは言います。「新しい活動をするには順序立った新しい現実が必要ですが、認知症患者の新しい現実の保存機能はどんどん損なわれて行くことがわかっています」


何か新しいことを日課に取り入れると、自分のアルバムに役立つものをあまり見つけられないことの多い認知症患者は、自問して不安になってしまう傾向があります。「答えのない自問は疲弊しますし恐怖です」認知症の人は苦痛が起こる前にこう感じているのだろうとペニーさんは述べました。「ええっと、自分のアルバムを見てみよう、確かめなきゃ、私はどこにいる?どれくらいここにいる?どうやってここに来た?おやまあ、今していることの情報があまりない、本当に不安になってしまう、知ってるはずだけど・・?」






「鳩の群れに猫を投げ入れるようなことはしていないと願います」ペニーさんは続けました。「けれど、認知症患者が初めてヨガをしようとしたら、ヨガクラスですることは彼らのアルバムに筋が通るものは何一つないのです。今日の現実という情報のいくつかは今日のページにばらばらの順番で保存されます。認知症が進行するに従ってそれも少なくなっていきます。そして、少し時間が経って確認しても意味が通らなくなってしまいます。今の体験の内容が明確とは程遠いものになるのです」


「認知症にもかかわらずヨガの体験を楽しめる人を見つけることはできないという意味ではありません。けれど、ヨガをしたいという気持ちは、認知症患者自身から出てこなければなりません。楽しめたかどうかがはっきりとわかっていなくても、ヨガをした後も『あれをもっとやりたいからあの場所に戻りたい』と言うようであるべきです。患者からしか知ることができないこと、つまり患者と患者が記憶している感情に導かれない限り、うまく行うためにはあるべきでない余計なプレッシャーを与えてしまうことになります」


ヨガに効果がると介護人が確信していたら?「そうですね、ヨガをすべきなのは介護人のほうでしょう。けれどヨガは、認知症になる前にヨガをしていた人にとってはとても良い考えかもしれません。つまり、ヨガの写真がすでにアルバムに入っていたら、認知症以前の場所にあるものを参照することができるからです」


当初ベビーブーマー世代のアメリカ人に広く行われていたヨガは、それ以降ますます人気となり認知症になる可能性のある人の写真アルバムの大切な部分となっているかもしれません。ペニーさんによれば、そうした生徒たちにとって、特にウェルビーイングを高める技術に精通している指導者や仲間がいれば、人生を通してヨガを練習することには価値があるでしょう。



認知症の生徒のためのヨガへのアプローチ


もし長期間ヨガを実践してきた認知症の人から、もう一度練習をしたいと言われたらどこから始めればいいでしょう?


最初のステップは目標を明らかにすることです。「認知症を克服するという目標はありえません」ペニーさんは助言しました。「認知症はすでにそこにあります。それよりも、どのように寄り添えるかです。何がプラスで何がマイナスか。私たちの目標は、彼らの状況にかかわらず、生涯を通して24時間週7日間ウェルビーイングを維持することです。そしてそれは可能です」


SPECAL法が目指すところは、オリバー・ジェームズ氏によって Contented Dementia という本の中でより明らかにされていますが、ペニーさんが考えているウェルビーイングの要素、すなわち全ての人間に不可欠であり認知症患者の介護者がとても注意深く認識する必要があることを養うことです。価値があるという感覚(自己肯定感)、自立性(決断能力とそれが行われるのを目撃する)、社会的快適性(他者とのつながり)、そして安心感(基本的に全ては大丈夫だという信頼感)です。


「これらウェルビーイングの4要素がきっちりとあるべき場所にあれば、人は自信を持つことができます。その自信によって最大の能力が引き出されます」とペニーさんは述べました。(注:この4要素は、患者中心の認知症ケア分野の先駆者であるトム・キットウッドさんとの1990年代初期に行われた対話に基づいています)


以下のSPECAL法にから得られる助言は、認知症患者個人や患者グループに対応するヨガインストラクターに対応するためのものです。ペニーさんは、全参加者がSPECALの方針に馴染みがあるのでなければ、認知症患者が通常のグループに参加すること、またその生徒のために作った練習に介護者が参加することもお勧めはできないと言います。


というのは、認知症はさまざまな身体的要求を伴い、アプローチよりも内容が懸念されるからです。身体的に兼好でハタヨガの立位ポーズをたくさんすることができる人もいるでしょう。また運動により制限があったり空間的関係性に困難がある人もいるでしょう。そうした人にはリストラティブヨガやチェアヨガの方が良いかもしれません。以下の8番で説明しているように、「ヨガ」という概念を広げるような、認知症患者らの提案に敏感にオープンでありながら、彼らの能力を尊重した練習を作り、彼らが導いていくようにすることが重要です。


ペニーさんは、SPECALの基本原理である(以下の)3つの黄金律は、直感に反したものかもしれないと認めています。彼女の言うように「『根底を覆せと言われている!』と思うかもしれません。しかし、私たちには認知症患者の言葉を学ぶ必要があります。その人を変えようというわけではありません。彼らとどう関わるかを変えることができ、それこそが私たちが人のためにただすべきことです」



認知症患者に対応できるヨガティーチャーとは?


ペニーさんによれば、より高度なヨガの訓練を受ける必要はありませんが、SPACAL写真アルバムや3つの黄金律、以下のコツなどに精通した人であり、Contented Dementia Trust などによるコースを使ってSPECAL基本原理の理解をより深めた人が適していると言えるでしょう。また、認知症患者とのさまざまな交流のなかでその理解を練習に活かしていける経験を持つ必要もあります。



「SPECALのアプローチを基本理念を理解するには、ヨガの範疇外で開発し実践する必要があります。そうすることでのみ、ヨガティーチャーはそうした基本原理を、長期間慣れ親しんだヨガの練習を続けたいと思っている認知症患者に、最もうまく適用する方法を考慮できるのです」



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次回に続きます

2025年11月13日木曜日

2分で骨盤底筋を整える 
Tone Your Pelvic Floor (in 2 Minutes)



骨盤底筋は解剖学の中でも軽視されやすい場所です。調子よく活性されている時は、恥骨と尾骨の間を薄く覆っているこの筋肉は、おどろくほど様々な面で健康を支えています。膀胱機能の向上、規則正しい大腸の動き、痔の予防や緩和、生殖機能のバランスを整える、交感神経を鎮めるなどです。しかし、骨盤底筋が弱くなると、時と重力に負けて、次第に多くの問題が起こるようになります。





シンプルなエクササイズ



骨盤底の筋肉は、他の筋肉と同様、定期的に繰り返し使いながら、強化したり整える必要があります。以下のエクササイズはそうしたものです。

  1. 仰向きに横たわって、骨盤の近くに両足を置きます。身体と呼吸をリラックスさせて目を閉じます。

  2. 骨盤底に意識を向けます。恥骨と鼻骨の間にある筋肉を、尿道と肛門の括約筋、その間にある会陰も含めて全て収縮させます。(男性は会陰の中心を収縮、女性は子宮頸部も収縮しましょう)息を吸い込んでリラックスします。

  3. 息を吐き出し、エクササイズを繰り返します。できるだけ深く強く締めましょう。息を吸い込んで解放します。25回繰り返しましょう。呼吸が途切れないよう、そして顎や腹部、内腿など体の他の部分はリラックスし続けるよう確認します。

  4. できるだけ長く収縮を保ったまま普通の呼吸を続けて、終わります。

  5. もし疲れを感じたら可能な範囲で練習し、25回の収縮が楽にできるまで徐々に回数を増やしていきましょう。



練習する時間


筋力を維持するため、週に4回は練習しましょう。一度テクニックをマスターしたら、歯医者の待合室や、信号待ちの間、つまらない会議の間など、空いた時間に練習できます。やがては、ヨガポーズや呼吸法、瞑想を深めるために骨盤底筋を使うことができるようになるでしょう。



次の段階へ


強靭で柔軟な骨盤底は、霊的、精神的、肉体的にも生命力の貯蔵庫を支える基盤です。ヨガを練習している人は、このエクササイズがムーラ・バンダ(根元の鍵)の準備だと気づくでしょう。ムーラ・バンダはアーパナ(心身にある生命力の下向きの流れ)をコントロールするための微細な実践です。マスターすれば、心の安定が得られ直感や創造性が目覚めます。







https://yogainternational.com/article/view/tone-your-pelvic-floor-in-2-minutes/

2025年9月13日土曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.1 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis


今回は、骨関節炎を患った著者の記事です。
痛みや腫れの緩和法やヨガポーズについて書かれています。
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振り返れば、あの腕の痛みを感じたのはラッキーだったと実感します。それはゆっくりではありましたが、最初の一年で容赦なく段々とひどくなっていき、とうとう水の入ったコップを持ち上げることもできなくなって病院へ行きました。検査をした医師は、同じ位置で繰り返し行う癖が原因で筋肉が緊張し続けてしまい、痙攣を起こしているのだと言いました。医師の説明では、筋肉が痙攣するのは普通の動きが摩擦となって関節が過度に摩耗してしまうとのことでした。そして今起こっていることは、骨関節炎の初期だと私に伝えたのです。



関節炎とは文字通り関節の炎症です。それにはさまざまなタイプがあります。私が直面している骨関節炎は摩耗する種類です。これまでのところ最もよくあるタイプの関節炎で、多くの場合は老化の自然な一部だと考えられています。アメリカの高齢者の85%が骨関節炎を患っています。大抵は、健診や患者情報で見つかったり、レントゲンで関節内の影、骨の劣化やカルシウムの堆積が見られて診断されることが多いです。骨に影響がある一方で、多くの場合は骨関節炎は筋肉から起こり始めます。


私たちの体が動けるのは、筋肉が収縮・弛緩して関節が屈曲・伸展するからです。この同じ収縮・弛緩が血流を作って関節機能の健康を維持します。弛緩するたびに、筋肉代謝に不可欠な栄養たっぷりの新鮮な血流が細胞に運ばれます。収縮のたびに、筋肉細胞から古い血液が押し出されて、細胞代謝の老廃物を取り除きます。筋肉が痙攣すると血流が減ってこうした老廃物が細胞内にとどまります。血流不足とその結果の毒素の蓄積こそが炎症を引き起こし、それが骨関節炎へとつながるのです。



よりはっきりした骨関節炎の兆しが現れると、筋肉の痙攣によって関節内が狭まって滑らかな軟骨に圧力がかかり、それが骨の末端を覆います。筋肉の痙攣と合わさって、関節が腫れて硬直、動きが制限され、この状況が改善されなければストレスと摩擦により滑らかだった軟骨がでこぼこになります。そして、その部分を強化しようとして、体はでこぼこ部分で脆くなった骨にカルシウムを溜めていきます。そうするうちに関節内は絶えず狭まって、続く摩擦で痛みが強くなり、関節の劣化によってより痛みが増します。長期の関節炎は、やがて関節の変形を引き起こし、永久的に動かせなくなります。ついには、我慢できない痛みが何年も続いた後、外科手術(骨の融合か関節のリプレイス)だけが痛みのない生活へ戻る最後の望みとなるかもしれません。



けれど、必ずしもそうなるというわけではありません。私の場合、私の骨関節炎は早期発見できたため治る可能性があると医師に伝えられ安心しました。そして、すぐに次の方法を始めるよう勧められました。筋肉の痙攣の原因となる習慣的な繰り返す動きや位置を見つけて止めること、腕や肩の筋肉をリラックスさせるため優しいストレッチをして血流を増やすこと、腫れと痛みを緩和するため抗炎症剤を2週間飲むこと。以前したヨガのケガで、やさしいストレッチも抗炎症剤のどちらもが、血流を増やして腫れを緩和し治癒を促すことがわかっていました。ですから、医師の3つの推奨と問題の原因を見つけて取り去ることが、私の1番の目的となりました。



シャーロック・ホームズの気持ちを着込んで、自分の毎日の日課や癖を入念に調べました。原因となる癖になっていた動きは小さく無意識で、とても普通だったので、見つけるまで時間がかかりました。けれどある日、電話をしている間、片方の腕でもう一方の腕を支えていることに気づきました。指を上に向けたまま手首をしっかりと曲げて、もう一方の肘を支えていたのです。また、この同じ姿勢でいろんな動作をしていることにも気付きました。そうして長い間手首を強く曲げた状態で1日を過ごしていること、これが犯人だと気づいたのです。



この繰り返す動きをただ止めれば原因を取り除くことができて、そのうち炎症も痛みも少なくなるとわかっていました。が、時間をかけずに早く治したかったので、体の治癒プロセスを強化する概念やテクニックを取り入れて、ホリスティックなアプローチをすることにしました。そうした結果、とてもよい結果を得ました。もし痛みがあったり、すでに骨関節炎だと診断されているのなら、こうした方法が役に立つことを願っています。





骨関節炎を緩和するコツ


自然の抗炎症剤で、腫れや痛みが緩和します。
プリムローズやサーモンオイルの錠剤、生の生姜やにんにくを食べるかカプセルで飲む、エキナセア、ゴールデンシール、レッドクローバー、ナツシロギク、ユッカなど。ターメリックやシナモン、生姜など抗炎症効果があり血流を促すスパイスを料理にふんだんに使う。



温めたゴマ油で辛い部分をマッサージします。特に関節の痛みを和らげてくれます。
お風呂に入る前に体にオイルを擦りこんでみましょう。そして睡眠中に関節に染み込んでいくように寝る前に少しオイルをつけます。温めたごま油やひまし油で10-20分パックすることでも、痛みを和らげるオイルが関節に染み込みやすくなります。


毎日食べるもの全てが、骨関節炎の状態に影響します。私たちの体は、健康を取り戻し維持するため定期的な水分補給が必要です。少なくともコップ8杯の水(できれば蒸留水)とジュースやハーブティを。私たちの体は、3-5人分の新鮮な果物(柑橘やトマトは避けましょう)、少なくとも3人分の生野菜(ピーマン、じゃがいも、ナス以外)が必要となります。毎日のカロリー摂取の40-55%を、体のエネルギーレベルを維持してくれる全粒の穀物で摂りましょう。特に重要な食べ物は、卵や玉ねぎ、アスパラガス、緑の葉野菜、玄米、魚などです。コーヒーなどのカフェイン、赤身の肉、砂糖を使用したもの、塩、コーラ類、漂白した小麦粉、タバコ、唐辛子、パプリカ、ジャンクフードは避けましょう。



サプリメントで治癒を早められる可能性もあります。コエンザイムQ10は、組織に送り込む酸素を増やし結合組織の修復に重要です。グルコサミンやコンドロイチン硫酸塩の組み合わせで、軟骨の再生に役立つ可能性もあります。



ビタミンのサプリメントもまた役立ちます。亜鉛とビタミンC、バイオフラボノイドは治癒を促し、炎症を制御、腫れを緩和します。ビタミンEは強い抗酸化物質で関節の動きを助けます。ビタミンBは治癒を助けます。鉄の入っていないビタミンのサプリメントを摂り、酵素やブロッコリ、芽キャベツやカリフラワー、魚、ライ豆、えんどう豆などを摂りましょう。



筋肉の痙攣の原因となっているであろう無意識で繰り返す動きや位置を、探偵のように探し出しましょう。体をどう使っているかを意識し、筋肉のあるグループをその反対のグループを犠牲にして、いつどこで使っているのかを特定しましょう。



血流は筋肉や関節の健康に不可欠です。数時間おきに症状のある関節を最大可動域の2割程度で回して血流を増やしましょう。こうした動きは小さすぎて効果がないように思うかもしれませんが、実際は強力な治癒力となります。



優しいストレッチは血流を増やし、疲れや筋肉にいつもある緊張を緩和します。また、長期間の筋肉痙攣の結果に失われた通常の可動域を取り戻します。覚えていてほしいのは、ストレッチの際に関節に負荷をかけすぎないこと、痛みを感じないことです。


ヨガポーズを練習しましょう。以下のポーズは、手や背骨、股関節の骨関節炎に対処するための一例です。こうした緩和したポーズは、関節の制限をやさしく取り除き、可動域を最大まで戻します。時間をかけて、優しいけれど根気よく、呼吸をしながら行いましょう。






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ポーズの練習法は、次回にご紹介します。







2025年6月4日水曜日

関節に焦点を当てた関節炎のためのヨガ・シーケンス Vol.1
A Joint-Focused Yoga Sequence for Arthritis


注: 以下はヨガ実践者や指導者のための一般的な助言を与えることを目的としています。医療従事者による個人への助言の代替ではなく、ヨガの指導者はその範囲にとどまるべきです。つまり、生徒に対して診断や治療、医学的な助言をしようとはしないでください。



ヨガにおいて関節炎と向き合う場合の最優先事項は、そうした関節にかかる負担を減らすことです。ただ動きを減らすというだけではなく、もっと複雑なことです。



「The Back Pain Secret: The Real Cause of Women’s Back Pain and How to Treat It(腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の原因と対処法)」の著者である理学療法士のビル・リーフ氏によれば、関節の動きが減れば減るほど、「時間とともに」維持できる可動域は狭くなるのです。「関節周りの筋肉が短くなって、動きを制限」するようになります。


関節リウマチや変形性関節炎の患者の多くは、可動域を維持し痛みを軽減するのに、罹患した関節をストレッチしたり強化したりすることで恩恵を受けることができます。「一般的に変形性関節炎は股関節や膝関節に現れます、関節リウマチは手足のより小さな関節に影響を与えることが多いです」関節炎はまた特に腰など背中にも現れることもあります」とリーフ氏は付け加えます。


以下のシーケンスは関節炎に優しく穏やかで、床から立ち上がったり座ったりの動き(膝に関節炎のある人には不可能あるいは不快である可能性がある)を最小にし、両手への荷重を無くし(関節炎は手や手首に現れることが多い)、バランスを取るためのサポートを使用(膝や股関節の関節炎の人にとってバランスを取ることは困難)しています。荷重を減らす、つまり足や膝、股関節へのストレスを緩和するために、壁や補助具を使うことをお勧めします。


リーフ氏が関節炎の人に推奨するのは、このシーケンスを週に数回行うこと、罹患している関節に最も効果的なポーズを書き留めて毎日練習することです。


「全てのポーズは不快を軽減するためであり、増加させてはいけません。痛みではなく、穏やかな伸びを感じる点までストレッチしてください。 もし不快感が増すようなら、ルーチンを控えましょう」


関節炎の方はまた、主治医医に十分な検査をしてもらい、信頼できる診断、また個々人にあった治療の提言を得ましょう。それには、ヨガの練習をする際に圧迫を制限できるよう関節を固定することも含まれるかもしれません。



🟠 練習法


始める前に、入浴や温かいシャワーを浴びる、サウナやスチームバスに入る、温湿布をする、歩いたりサイクリングマシンに乗るなどしてウォーミングアップをしましょう。シーケンス前にそうすることで、より動きやすくなります。壁、ヨガストラップ、ブランケットやバスタオル4、5枚が必要です。


もし重ねたブランケットに立ったり座ったりするのが不快であれば、椅子を使いましょう。最初の5ポーズはまっすぐ座ったままでも練習できます。椅子のポーズ(5番)では、上半身を前に倒して両腕を上へ伸ばし、少しだけ椅子の端から腰を持ち上げましょう。瞑想(11番)でも、よければ椅子に座って行うこともできます。



1. 山のポーズ(タダアサナ)のツイスト




リーフ氏によれば、この優しいツイストは「肩や肘、股関節、膝をゆるめて、関節のスペースを広げます」また、動きをなめらかにするには、「まず視線を動かしてから、胴体、そして体の他の部分を動かすようにしましょう」


足をおおよそ並行に股関節幅に開いた山のポーズで立ち、耳は肩の上に、肩は股関節の上に、股関節は踵の上にと並べます。腕は、手のひらを内側に向けて体のわきに置いておきます。つま先と膝の向きを揃えたまま、胴体から右へ、そして左へと捻りましょう。腕は揺れるままにしておきます。この動きを、深く優しい呼吸を数回分繰り返します。



2. 肩の回転




この動きは、三角筋や胸筋をストレッチすることで肩関節を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を肩の高さ位で開きます。両手は緩く握って、親指側を上に向け、親指をリラックスさせます(あるいは、快適で行えるほどの柔軟性があるなら、親指を後ろ向きに回して肩の外旋を深めます)。


体の他の部分を安定させたまま、深く数呼吸しながら、ゆっくりと両腕を一方向に動かし大きな円を描きます。そして反対方向へもう数呼吸動かしてから体のわきへと下ろしましょう。



3. 手首の回転




この動きは、手首の屈筋や伸筋などの筋肉を強化することで、手首を自由に動かすのに役立ちます。


山のポーズのまま、両腕を体のわきに下ろし、手をもう一度ゆるく握り、親指をリラックスして前に向けます。両腕を動かさないで、両手首をゆっくりと一方向へ回し2、3回呼吸してから、反対方向へ回しながら数呼吸しましょう。



4. 両手のグーパー





このエクササイズは、手の関節をストレッチし強化するのに役立ちます。


両手でグーを作る時に腕はさまざまな位置になることがあるでしょうが、肩の高さで並行に腕を前に伸ばすと、腕を優しく強化することができます。


山のポーズから、両腕を肩の高さで体の前に持ち上げて、親指側を天井に向けてゆるく握り(親指はリラックスさせて上に乗せる)、手首は自然な向きにしておきます(前腕から手の甲までが直線になるよう)。息を吸って、手首を自然な向きにしたまま両手を開き、指を大きく広げます。息を吐いて、手首はそのままゆっくりと手を握って拳を作ります。この動きを、呼吸とともに数回繰り返してから、腕を体のわきでリラックスさせましょう。



5. 椅子のポーズ(ウトゥカタサナ)と壁際のかかと上げ


このポーズはハムストリングス、四頭筋、臀筋、腓腹筋を強化し、股関節や膝、足首の可動性を促進します。股関節や膝、足にかかる荷重を最小にし、かかとを上げる際のバランスを補助するために壁を使います。


壁から30cmほど離れて立ち、背中と臀部を壁にもたれかけます。(後頭部も壁についていることが理想です。ですが、そうすることで下顎が不快なほど持ち上がるようであれば、下顎を床と並行に、そして首の後ろを長くしたまま、心地よく行えるまで後頭部を壁から離してください)。両手を腰に置きます。膝を曲げて足を前に歩かせながら、腰を壁でスライドさせ、辛いけれど安定させられる程度まで膝を曲げたところで止まります。リーフ氏は「最初な数センチしか曲げられないでしょうが、そのうち四頭筋が強くなると、90度まで曲げられるようになるかもしれません」




より強度を得るには、両腕を頭上に上げます(あるいは心地のよいところまで)。そのまま数呼吸します。





それからまっすぐ立って、壁にもたれて1、2呼吸のあいだ休みます。


壁を使って椅子のポーズに戻ります。今度は、ふくらはぎを強化するため、膝を曲げたまま両かかとを持ち上げられるか試してみましょう。




ひと呼吸ごとに両踵を持ち上げるところから始め、そのあと徐々に数呼吸へと延ばしていきましょう。


かかとをおろして、両脚への荷重を減らすため、壁に背中を滑らせながら立ちあがります。




6. 壁際のランナーのストレッチ


これは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋とヒラメ筋)、アキレス腱のストレッチで、足首の可動性を促進します。後ろの膝を曲げたバリエーションでは、ストレッチをヒラメ筋へと繋げます。


壁に向かって立ちます。30cmほど離れて立ち、両手を壁に胸の高さ位で置きます。左足を後ろへ60〜90cm下げます。両足先は壁に向けておきましょう。背骨を伸ばしたまま(股関節から曲がり背中は丸めない)で上体を斜め前に倒し、後方の踵を地面に着けまま、左ふくらはぎの筋肉にストレッチを感じるまで肘を曲げます(ストレッチを感じなければ、左足をもう少し下げます)。そのまま数呼吸します。





今度は、左足の中心と直線に並べたまま左膝を曲げます。左足の指の付け根で根付かせて、左踵を後方へと下げます。このまま数呼吸しましょう。




ポーズから出て、反対側で繰り返します。


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