2017年5月22日月曜日

高血圧のためのヨガ 
Yoga for High Blood Pressure


高血圧の原因は様々ありますが、多くの場合ストレスからくると言われます。
今回は、高血圧の方に効果のあるヨガを紹介します。

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高血圧とは




正確に言えば血圧とは何か?血圧を測る際に記録する数字は、ふたつの測定値の割合だ。高い方の値は(水銀の高さ)、心臓が鼓動し動脈や細動脈に血液を押し出す時の測定値。低い方は、心臓の鼓動の合間に循環器系が作り出す圧力で、これが血管系の健康を計る主な値のひとつである。

どちらも心臓血管の健康状態を示す重要な数字である。医師は120/80は「正常」だというが、血圧は低かったりときにbは少し高かったりもするがそれは健康に害はない。全ての生理学的測定値を同様、血圧の測定も状況をふまえて読み取るべきである。年齢、性別、運動のレベル、病気、姿勢、長期にわたるストレスなどの要素を考慮すべきである。しかし、拡張期血圧(低い方)90以上が続くときは医師の診断を受けるべきだ。

高血圧は、心臓そのものの問題で起きることもあるし、腎臓や肺の異常で起こる場合もある。しかし、ほとんどの高血圧は「本態性高血圧」といい、基本的に何が血圧をあげているのかわからない。おそらく、遺伝的な素因が一因であろう。

高血圧患者は大抵、塩の摂取を控えるようにと言われるが、最近のいくつかの研究では危険な状態にある患者のうち約15パーセントしか血圧が下がらなかった。必要ならば体重を減らすのは通常効果があり、私たちがよく耳にするライフスタイルの変えるの(エクササイズ、ストレス軽減、禁煙など)もいい。家族に高血圧の者がいるいないに関わらず、35歳を過ぎたら、専門家にたまには血圧をチェックしてもらうのは良いことだろう。

現在の高血圧の逆症療法は、様々な処方薬を含む。カルシウムチャンネル遮断薬、利尿薬、ACE抑制剤、血管拡張剤、アルファ、ベータブロッカーなどだ。血圧を下げる自然療法は、ニンニクなどのハーブ、ホメオパシー療法、鍼灸などがある。

ヨガも効果的だ。10分間のリラックスした深い呼吸が血圧を下げその後30分間効果が続くという研究がある。最も効果的なポーズは、支えのある橋のポーズ、足を壁に挙げるポーズ、そしてシャバアサナ(屍のポーズ)だ。また、毎日、瞑想の時間をとることは、多くの研究が効果的であると示している。


支えのある橋のポーズ


血圧を下げるのに優れたポーズは支えのある橋のポーズだ。ヨガ用のボルスター二つか、硬めのブランケット6枚、あるいは大きめのクッション二つ、またはこれらの組み合わせを使おう。タオルも必要かも。

端をそろえて二つ折りにしたブランケットを、ボルスターかクッションの上に置く。人の身体はそれぞれ違うし身長も異なるが、両肩が床に軽くあたるくらいに調整する。

ボルスターを両脚でまたぎ、両肩が軽く床に触れるよう横たわる。もし高すぎるか低すぎたら、横に転がってから腕を使って起き上がり、ブランケットを足すか減らすかして調整しよう。

位置が定まったら首に注目しよう。顎が下がりすぎていると感じるなら、上記のようにポーズを出る。タオルを折って、首元の椎骨の下に置き、首を後ろを持ち上げ自然なアーチを作る。



このポーズで腰が不快だったら、両膝を折って両足をクッションか床の上に置いてみよう。両腕は、横に伸ばし快適な位置に置く。目を閉じて、優しく静かな呼吸を続ける。このポーズを5-15分行う。終わったら、横に転がるかボルスターの端に移動する。ど地らの場合も、1,2分間横たわって休もう。それから、腕を使って起き上がる。


このポーズは、妊娠中、あるいは腰に椎間板疾患がある場合は、行わない。


ヴィパリタ・カラニ


高血圧シリーズの次のポーズは、足を壁に挙げるポーズ「ヴィパリタ・カラニ」だ。硬めのブランケット3枚かヨガ用のボルスター1つとブランケット1枚を使おう。

硬く折りたたんだブランケット2枚かボルスターを、壁から20-25㎝くらいの場所に置く。3枚目のブランケットを90度の角度で置く。両肩が壁に向くようにボルスターの端に座り、ボルスターの上に寝転んで両脚を壁に振り上げる。これは脚をストレッチするポーズではないので、リラックスできるようにボルスターと壁の距離を十分にとるようにする。腹部が床と平行になるよう、ブランケットかボルスターの端で尾骨が下がるようにする。腰は自然な場所に置くようにしよう(脊柱が少しカーブしている)。

肋骨の下端が背中側でしっかり支えられるよう横たわり、両肩が軽くブランケットにのるようにしよう。目を閉じ、必要ならば眼を覆い、自然な呼吸で3-10分間休む。ポーズから出るには、両膝を曲げ横に転がりボルスターかブランケットから注意して下りる。1,2分間横向きで休んでから、腕を使って起き上がる。次のポーズや日常に戻る前に、少し休もう。



このポーズは、妊娠3か月以降、あるいは裂孔ヘルニアや腰椎の椎間板疾患がある場合は行わない。


圧受容器と血圧


医療専門家でもあるヨガ・ティーチャーらによる実験では、ヴィパリタ・カラニを行った生徒らの拡張期血圧(低い方の数字)が8ポイント下がった。これと支えのある橋のポーズは、同様に血圧を下げる効果がある。どちらも顎を胸に動かすことで首の両側にある頸動脈にある圧受容器と呼ばれる構造に同様の効果があるからだ。この器官は、事実上同量の血液(すなわち酸素)が常に脳内に保持されるよう、脳に血液が送られる際の圧を高くなりすぎないように維持する。

全ての神経組織を同様、脳は酸素欠乏に極めて敏感で、座ったり立っている際に脳内の血圧が下がりすぎるとおそらく気を失うことになる。これは、身体を水平にして脳に血液を送り通常の血圧や酸素を送るための適応機構だ。

この二つのポーズにおける首の位置が、圧受容器を刺激し、頸動脈の血圧上昇を感知する。神経系は、この情報に対して全身の血圧を反射的に下げる反応をする。すなわち、このポーズが圧受容体を「だまし」て血圧が高すぎると「思わせ」、それが血圧の反射性低下を引き起こす。


シャヴァアサナ


最後に、このセッションだけでなく全てのヨガの練習がこの基本的なリラクゼーションのアサナで素晴らしく終わるーシャヴァアサナ。ブランケット2枚と目を覆うものを用意する。まず、ラグやブランケットなどを置いた心地よい床の上に座る。1枚のブラン家とtを大きく巻いて膝の下に置こう。もう1枚のブランケットは四角に折り、端がもう一方の端から約15センチくらいの位置になる様にもう一度折る。薄い方を肩甲骨の下に、厚い方を頸椎(首)の自然なカーブを支えるように置く。




アイピローや柔らかいタオルで目を覆い、プロップス(ブランケットなど)の上で心地よいことを確認してから、数分横たわる。両腕と両脚は体の中心軸から等距離に置く。顎を少しだけ引き、軽く飲み込んで顎を緩め、口を少し開ける。腹部の内臓を床に下ろすようにしてお腹をリラックスさせよう。鼻から、ゆっくりとした均等な呼吸を行う。そして、自然な呼吸に戻そう。そのまま15-20分リラックスする。準備ができたら、ゆっくり膝を曲げて片側に寝転がる。そのまま1,2分間横たわってから、腕を使って起き上がる。日常の活動に戻る前に少し時間をとろう。

シャヴァアサナの主な効果は2つ。ひとつは全身のリラックスで、ふたつめは毎日行う20分間の練習で得られる精神的な効果だ。現代社会ではリラクゼーションは重要な要素となっている。ほとんどの人は2つのスピードで動いている。誰もが持っている無数の課題を遂行しようとがむしゃらになっている時、そして死んだように眠る時。時々、退屈なテレビの前でぼおっとする。リラックスの方法を教えてくれる活動はそんなに多くはない。しかし、シャヴァアサナを日常的に行えば、他の在り方を知ることができる。このポーズは、血圧を下げる機会をくれるだけでなく、副交感神経を優位にすることもできる。深いリラクゼーションでは、身体的なパラメータは我々が休息していることを示す。呼吸のリズムが遅くなり、消化、治癒、組織の生長が始まり、血液のpH が変わる。

妊娠3か月以降は、身体を横にしてこのポーズを行う。


独創的に


昼下がりや、仕事からの帰宅後、夕食を作る前などにシャヴァアサナの休息を行うのもいい。都合のいい時間でいいので、このポーズを行おう。独創的になろう。店から出てくる誰かを車の中で待っている間に「座って」シャヴァアサナするのもいいし、飛行機が離陸・着陸するときに行うのもいいだろう。昼食後、職場のソファでリラックスするのもいいかもしれない。(この場合は、消化を助けるために左側を下にして横になってみよう)



このヨガのポーズは、どんなポーズよりも最も重要だと信じている。血圧を下げるだけでなく(その他の効果もある)、瞑想への入口にもなる。毎日15分の間、我々ができるこれ以上良いことがあるだろうか?




(出典)https://yogainternational.com/article/view/yoga-for-high-blood-pressure

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