とはいうものの、年齢に限らず更年期は誰にでもやってくるもの。知っておいて無駄ではないでしょう。今回は、更年期とアーユルヴェーダについてです。
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更年期っていつ始まる?
閉経は、卵巣機能の「自然な」停止であり、生殖ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが減ることでわかります。
エストロゲンは、身体の組織の維持を助け、妊娠に向けて毎月身体の準備をします。プロゲステロンは、受精卵の着床のために子宮の準備をし、着床がなければ量が減り月経開始のきっかけを与えます。これがこの生殖ホルモンの働きであり、更年期の症状は月経がなくなるだけであることもあります。
若者指向の私たちの文化では、35歳を超えた女性にとって「更年期」ほど不安になる言葉があるでしょうか?更年期の始まりは恐ろしくできる限り遅らせたいものです。生体時計が時を刻み、更年期というアラームが鳴るのです。
自然に寄り添って生きていれば、この変化を恐れることはありません。年齢を重ねることに向き合う、人生のこの時期を喜んで受け入れるという能力を私たちは備えているからです。
40代、50代の女性にとって、更年期は究極の自由ととらえられるでしょう。出産を終え、子育て以外のプロジェクトに集中し、自分の時間を満足いくように自分のために使えるのです。
閉経とは?
閉経とは、卵巣の成長可能な卵子がなくなることで月経が自然に止まることです。卵巣は、その誘因ホルモンに反応しなくなり、エストロゲンとプロゲステロンが減少します。閉経すると出産はできなくなり、月経もなくなります。しかし、生理のある間にきちんとケアをしておけば、閉経による変化はそれだけなのです。
そのあたりの年齢になれば、そろそろ更年期かなと思うでしょう。更年期とは、大抵の場合、閉経の前後約4年くらいで、更年期の特徴的な症状を経験することがあります。閉経時は、卵子のエストロゲン生成が止まります。更年期になると、卵子がホルモンに反応しにくくなり、これが月経前後のあらゆる症状を起こします。月経が不規則になることが普通で、月経が少なかったり長期間だったりもします。月の周期に顕著な変化を感じないで更年期を終える人は、女性のたった1割以下なのです。
これらの生理学的な原因は、もちろんホルモンです。毎月剥がれ落ちる子宮内膜は、排卵前にはエストロゲン、排卵後にはプロゲステロンに応えて作られます。出産年齢の女性では、濾胞細胞が毎月周期的にこれらのホルモンを作ります。更年期には、この周期が乱れるのです。
不規則な月経で、卵巣が不規則に反応します。排卵が起これば月経があります。卵巣が脳下垂体ホルモンに反応しなくなれば、排卵もなく月経も起こりません。
更年期のサイン:不規則な月経
月経が減るのは、プロゲステロンの生成が減少するからです。プロゲステロンがあれば子宮内膜が厚くなり、なくなれば月経がはじまります。プロゲステロンのレベルが下がれば、内膜の生成が少しになり、よって量が減ります。
ある程度月経が長くなるのは、月経が不規則になるせいです。周期が乱れて排卵が行われないと、エストロゲンのせいで子宮内膜が作り続けられます。やがて卵胞が脳下垂体ホルモンに反応してその周期に達すると、次の月経はそれまで作り続けられていた内膜をはがすことになり、疲れを感じるほど長い月経になってしまうのです。
こうしたホルモン変化は自然であり、こうした生殖ホルモンの変化に対して身体がどのように調整していくか、食事や生活スタイルによって助けることができます。
アーユルヴェーダによれば、閉経は「ヴァータ」ドーシャが悪化する時期です。組織の不規則で不完全な生成は、ヴァータが関係している確かなサインです。月経の長期化はより「ピッタ」や「カパ」に表面上は関連しているように見えますが、不定期性の原因要素は、ヴァータです。
つまり、更年期の症状を管理するには、ヴァータ・ドーシャを管理することが不可欠だということです。ストレス、栄養不足、カフェインは、不規則な月経の3つの引き金であり、食事やライフスタイルで対応可能なのです。アーユルヴェーダ的なライフスタイルで、規則正しく適切なセルフケアを行っていれば、更年期の影響を小さくすることができます。毎日のエクササイズや自然に身を置くこと、そして瞑想は、よりよい食事を選ぶ土台とのあります。よい食物と健康的な食べ方で、栄養不足は解消できます。自然に身を置き、エクササイズをし、プラナヤマを実践すると、一日中刺激物を必要としなくなります。
有名なアーユルヴェーダのことわざがあります。「間違った食事をしていれば、薬は役に立たない。正しい食事は、薬を必要としない」食事と生活スタイルをちょっと変えることで、身体の他の部分のバランスを取るためにエストロゲンへの依存を転換することができます。これによってエストロゲンが急に減少することでおこる症状の重症度が下がります。
症状がもっと深刻な健康問題だと思われる場合は、必ず医師に相談してください。
更年期とアーユルヴェーダ
アーユルヴェーダはインドの古代からの自然療法で、ヨガとは姉妹関係にあります。アーユルヴェーダ理論によれば、私たちと周り全てが5要素(空、風、火、水、地)から成り、身体と精神の原理としての3つのドーシャとして表れています。これら5元素やドーシャが、多すぎたり少なかったりバランスが崩れると、病気になります。
異なるドーシャ
あなたの中には「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」ドーシャの組み合わせがあります。みんながそれぞれ、異なる比率でこれらを持っているのです。- ヴァータは、風と空から成る。動き、創造、敏捷
- ピッタは、火と水から成る。知性、代謝、体温
- カパは、水と地から成る。身体の構造、癒着、愛、共感、堅実
幼少期、また成人早期は、カパ・ドーシャと呼ぶものに特徴づけられています。例えば、成長はカパの特徴です。成人期は、生産性などのピッタの性質に大きな影響を受けます。年配になれば、縮小などのヴァータの性質に影響されます。
各段階の後半は、次の段階のエネルギーが集められます。これは、成人早期にすべての人の身体と心に、ピッタ体質でなくても、ピッタが増えることを意味します。思春期のピッタ的反抗にこれを見ることができます。
女性が年を重ねると、30代から40代にはヴァータが蓄積され始めます。身体はまだピッタの段階で活発に生産的で、出産に対する十分な能力もありますが、ヴァータが少しずつやってきます。代謝の変化やエネルギーの変動などで身体の微細な変化を感じるはずです。
この微細なヴァータ増加の嵐に対応すれば、身体や精神、感情に大惨事を起こす前にヴァータを鎮静できます。これができれば、激変ではなく、自然な変化として更年期を過ごすことができるでしょう。
一日を過ごす間に、食事や睡眠、エネルギーなどの習慣を通して、ヴァータを鎮めましょう。
アーユルヴェーダの自然の更年期治療:食事、睡眠、エネルギー
他のアーユルヴェーダのアドバイスと何ら変わらないように見えるかもしれません。これらの基本に沿って過ごしていれば、ヴァータの蓄積を遅らせることは事実です。ヴァータを調整すると、否定的になるほどの鋭く圧倒的な変化ではなく、適応が可能な自然で緩やかな変化になります。思春期につける魔法の薬がないように、更年期を準備するための魔法の薬はありません。何がやってくるのか、その変化に準備する身体を作っていくと、無理なくその変化に乗れるでしょう。
以下の食事、睡眠、エネルギーの提案は、日常生活を良い影響を与える賢明なヒントです。
食事
- 食事には特に気を付けて。未加工で新鮮、オーガニックのものを摂りましょう。
- エストロゲン優勢になるものを含む可能性があるので、加工品やオーガニックでないものはやめましょう。
- プラスチック容器に入った食物や飲み物を避けましょう。プラスチックはエストロゲンを模倣し正常なホルモンバランスを妨げます。
- 意識して食事しましょう。
- 食事を味わい、自らに栄養を与える時間を持てることを味わいましょう。これによって得られる栄養は高まり、神経が鎮静します。
- 身体の声を聞きましょう。
- 空腹時のみ食べ、空腹感がなくなれば食べ終わりましょう。アーユルヴェーダでは、満腹の75%を薦めています。
- 代謝は少しずつ変化します。以前の食事量が必要以上の量になっている兆候を見逃さず、それに沿って調整しましょう。
- 水をたっぷりとりましょう。
- 朝、約400ml程度の白湯を飲みましょう。レモンを少し入れてもいいでしょう
- 日中は水を少しずつ飲みましょう。
- 湿り気のある食物を摂り、食事の時は少量のぬるま湯かお茶だけを飲むようにしましょう。
睡眠
- 十分な睡眠を取りましょう。
- 十分な夜の睡眠をとるため早寝をしましょう。
- 眠りにつく時や眠り続けたい時にメラトニンのサポートを受けられるよう、少なくとも一時間前には電子機器の使用を止めましょう。
- 寝室は暗く静かで快適にしましょう。安らかな睡眠が取れます。
- コーヒーや砂糖などの刺激物、アルコールなどの鎮静剤を摂らないようにしましょう。
- できれば戸外で、日中何らかのエクササイズを行いましょう。
- 睡眠障害がある場合は、睡眠時間を取り戻すために瞑想誘導やヨガニードラのCDを聞きましょう。
エネルギー
- エネルギーを温存しましょう。
- 活動的な時は、食べたものからエネルギーを引き出します。そのエネルギーがなくなれば、蓄えたエネルギーを使います。疲れを感じる時は、そうしたエネルギー源が枯渇しています。エネルギーを使い続けると、アーユルヴェーダで言う生命力の蓄えであるオージャスが枯渇します。
- エネルギーをどのように使うかを気にかけて、常に使うより少し多いエネルギーを蓄えるようにしましょう。蓄えたエネルギーでできることだけを行います。疲れたらやめましょう。日々を過ごすのに何らかの刺激物が必要なら、あなたの生命力の蓄えは枯渇します。
- 日課を作りましょう。浄化、ストレッチ、呼吸、瞑想など効果的な日課で一日を始めましょう。
- 気をつけましょう。日中の活動と休息のバランスを取りましょう。エクササイズを取り入れましょう。疲れて休息をとり、刺激よりも滋養をとっている時を意識しましょう。午後、エネルギーがなくなっているのを感じたら、短い散歩をして深呼吸しましょう。果物やナッツなど栄養の高い食物を摂りましょう。
次回に続きます・・・
(出典)https://www.theayurvedaexperience.com/blog/menopause-age-symptoms-signs-treatments/
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