2018年1月14日日曜日

陰ヨガ5つの質問 
5 Common Questions About Yin Yoga

今日は陰ヨガについてです。
基本的には陽のヨガを行うことの多い私ですが、身体や感情の様子をみて陰ヨガがいいなと思うこともあります。ヨガの目的は身体だけではないので、バランスを見極めて落ち着かせるのには陰ヨガはいいと思います。
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陰ヨガは多くのヨガスタジオで定番になっています。陰ヨガを試したことがなければ、いったいどんなものかと思うことでしょう。あるいは、何回か出てみたけれどまだ陰ヨガについてわからないことがある!という人もいるでしょう。

よく知られている「陽」の練習(ハタ、フロー、パワースタイルなどもっと動くタイプのもので、呼吸と身体の両方の動的な動きにフォーカスしている)と比べると、陰のクラスはもっとゆっくりとしています。

陰ヨガのポーズは、基本的に受動的な性質があり、筋肉群ではなく身体の結合組織に働きかけるため1分から5分くらいまでも保ちます。比較的に簡単そうでしょ?そうでもないかも。陰のポーズを保持するには身体的なある程度の努力が必要となる場合もありますが、長く保持する心を持つことが時には本当に大変なのです。

陰ヨガを始めたい、練習を深めたい、そしてもっと知りたいと言う方に、以下の陰ヨガに関するよくある質問への答えが役に立てばと思います。


陰ヨガの効果って何?


身体の観点から見て、陰のポーズの全ては解放にあります。ポーズや呼吸は概して筋膜(個々の筋肉や筋膜群の周りを鞘のように沿う深い結合組織)を操ることに焦点をあてています。

腱(骨格の動きを助ける筋肉と骨を結合)や靭帯(全体的な安定性のため骨同士を結合)などの結合組織もまた、陰ヨガではその中心となります。これらの組織は筋肉や関節を支持し安定させるために頑張っているため、激しい身体の動きで起こる変化に本質的に抵抗します。しかし、あまり使われなかったり(座りがちの生活をすると起こります)、また加齢によっても、結合組織は弾力性を失います。それが、凝り、関節の痛み、関節が動きにくいなどの症状としてあらわれます。

さまざまなタイプの結合組織にゆっくりと重力をかけ、長く静止したまま保持することで、より強く関節を支持することのできる筋膜や靭帯をより柔軟に訓練することが陰ヨガの目的です。これによって、陽の練習でより筋肉を伸ばしたり、日々の生活で安全に関節の可動域を広げたりするためのスペースを作ることになるのです。

そして、陰ヨガの定期的な練習により、長時間快適に座ることが身体的に容易になってくるでしょう。瞑想に役立つのです!


ポーズを保持している間は何を考えればいいの?


陰の練習では、例えば「1呼吸で1動作」のビンヤサクラスなどより「精神的な時間」が少し多いことに気づくかもしれません。

この時間にどのように心を操るかを決めることが、陰クラスに入るための作業の一部です。この時間を使って自分の思考や感情によりそい、ヨガの基本的要素である自分自身とより繋がり理解しましょう。


定期的に瞑想をしたい、瞑想を始めたい人にとって、陰ヨガは理想的な機会となるでしょう。何も考えない何もしない動いてもダメと無理をせず、単に「そこにある」ためのほとんどの人がするべき少ない機会のひとつを、ポーズの保持によって得られます。

例えば、鈍っているとか固まっている、あるいはゆったりとして広がった感覚を身体に感じるでしょう。そうした感覚に関係する日常の動作パターンがあるでしょうか?あるポーズを続けていると、時間とともに最初は「粘って」「動きにくい」場所が徐々に柔らかくなってくるのを感じることでしょう。続けて陰ヨガの練習をすることで徐々にわかりやすくなってくるとても緩やかな変化かもしれません。

陰ヨガをしていると精神的に快適だとか不快だとか感じることもあるでしょう。この快適さや不快感の理由は何かあるでしょうか?

あるいは、今目指している個人的、職業的な目標があるかもしれません。陰ヨガのポーズを保持する時間は、1日を通してあなたを攻め続ける邪魔から離れて、ただ目標へと心のエネルギーを集中するのに良い時間となるでしょう。


目は閉じた方がいいの?


陰を始めたばかりなら、目を閉じた方がより深く自分の心と身体に落ち着いて行くことができるかもしれません。陽クラスよりも陰クラスの方が静止する時間が長いので、内的にも外的にも集中の妨げになることが多く浮かんできます。

目を閉じると、猿心の(落ち着かない)おしゃべりに繋がる視覚から入る集中の妨げを排除するのに役立つでしょう。(「どうして隣の人はもっとリラックスしてるのかしら?」「マット・スプレーどこにあるのかな?」「5分間ポーズしてる間、先生は何するつもりなんだろう?」なんて)

けれど、目を開けていた方が、精神的、感情的、身体的により快適なら、そうした方が全くよいでしょう。


アライメントは大事?


陰ヨガでのアライメントの概念は、陽ヨガのそれとは異なります。

陽ヨガにおいてアライメントは、ストレッチしすぎを防止したり、身体のある部分を直接強化したり伸ばしたり、また靭帯や関節の損傷を防ぐ意味があります。速いペースの陽ヨガでは、こうした心がけが身体のストレスや怪我を防止するのに役立つのです。

陰ヨガでは、ポーズをとるのに重力に頼ったり、陽ヨガでアライメントで守るべき箇所(靭帯など)をターゲットにするため、そのルールが少し違うのです。

例えば、背骨を伸ばして股関節から曲げることに慣れているポーズで、(例えばバダコナサナなど前屈)上半身を完全にリラックスし、背骨を丸くするように指導されるでしょう。

また、慣れたポーズも違う名前で呼ばれます。例えばバダコナサナは、陰では「バタフライ(蝶々)」これは、陽の練習と同じ先入観を持って筋肉を働かせてしまうことを防止するためです。




また、陰ヨガでは、各人はそれぞれに怪我やトラウマの経験、骨格、関節のつき方が異なりこうした要素がどのようにポーズに向かうかに強い影響を及ぼすことを重要視しています。「正しい」アライメントとはつまり、人によって異なるということです。もし対象にした箇所に何か感覚があれば(痛みではなく!)、そのポーズにおけるあなたのアライメントはあなたの身体にとっておそらく正しいというサインなのです。

バダコナサナ、あるいはバタフライをもう一度みてみれば、このポーズでどれくらいの可動域があるかは、各個人の筋骨格の柔軟性に左右されます。大腿骨頭の形状やその骨盤への付き方によって、多かれ少なかれ外転が難しくなり得ます。両膝が床に近いか、かかとが鼠蹊部に近いかを心配するよりも、腿内側と外側の臀筋にある内転筋に沿って感じる感覚に気づきましょう。気持ちのいいストレッチを感じるなら、あなたの身体にとって正しい位置にあるはずです。

また、ハムストリングが硬かったり、脚の後方にある結合組織をターゲットにするなら、バタフライで踵を鼠蹊部から遠ざける方があなたのニーズには効果的です。より内転筋に働きかけるのなら両踵は身体に近づけるべきです。


では、不快なら上達していること?それとも心配すべき?


もし「自分の限界を知る」という考えをヨガの練習で行なっているなら、陰ヨガでそのコンセプトにとても詳しくなるでしょう。

ポーズのあなたにとっての完成形を見つけるのにまだまだ長い時間があると知れば、「限界」に突き進む理由などありません。最初の限界に届いたら、マインドフルネスの練習のときのようにそこでしばらく感覚や思考を探求するのです。

そのポーズがターゲットとしている箇所(例えば、バナナサナでの体側)に強いストレッチ感を感じていても呼吸は楽だというとき、おそらくあなたは「快適な不快」の中にいます。これは、あなたの限界を通り抜けるのによい場所です(そして、陰クラスでは、深く入れば入るほどそのポーズでのいくつかの限界を経験し通り抜けるでしょう)。静の中で起こる思考や感覚とともにあるという精神的なよい練習となるでしょう。




狭い範囲に感じる鋭い痛みや、呼吸の乱れは、緩めろという警告です。

もちろん、怪我があればインストラクターに伝えるべきです。精通した陰ヨガ・ティーチャーなら、目的としている場所を安全にストレッチして解放させるよう違うポーズやプロップスを提案してくれるはずです。陰ヨガでは、みんながもっとも効果的にポーズに入れるよう、プロップスをよく使用します。



ますます「イケイケ!(つまり、もっと「陽」)」な世界で、陰ヨガはより必要なバランスを与え、ヨガで得たいと思う多くの人に休養と静寂を与えてくれます。始めたばかりなら、複数回受けてみましょう。陽スタイルのヨガとの違いは調整ですが、陰ヨガがどのような効果があるかに気がつくまで数回必要かもしれません。そして、結局のところ大昔の道教は正しいと気づくでしょう。陰と陽のエネルギーは、それぞれ完璧に補完し合っていると。




(出典)https://yogainternational.com/article/view/questions-about-yin-yoga

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