前回の続きです。
具体的なグライドの方法をみていきましょう。
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正中神経のための神経グライド
タイピングをたくさんする、マウスを使う、手首の柔らかい側に圧力がかかる活動をする、手首や前腕、肘に硬さを感じている人などは、正中神経のストレッチが必要です。
1. 体の右側を壁に向け腕の長さの距離で立ち、右肘を曲げ、指を上にして右手を肩の高さで壁におきます。頭を右に傾け、そこで数呼吸します。この位置では正中神経が短くなるのでストレッチは感じにくいでしょう。
2. ゆっくりと頭を中央に戻し、右手を壁に押しつけ腕を完全に伸ばし正中神経を伸ばします。
次に、伸ばした腕から遠ざけるように頭を左に傾け、左耳を左肩のほうに動かしましょう。これは正中神経をより伸ばすのでストレッチの感覚がするでしょう。そのまま2回呼吸しましょう。
3. ゆっくり頭を右に傾け、もう一度右肘を曲げもとの位置に戻ります。ここで2回呼吸します。
頭を左へ、肘を伸ばし、頭を右に、肘を曲げ・・・を数回行います。それぞれの位置で2回ずつ呼吸しましょう。この頭の左右の動きと肘の曲げ伸ばしを組み合わせが、必要な「フロス」効果を生み出します。
4. そこから、頭を右へ傾けながら右肘を曲げ、右手を壁につけたままゆっくりと指先が後ろに向くまで時計回りに回します。
疲労感なくもっとできそうなら、指先が下向きになるまで回しましょう。無理は禁物。ピンや針のような感覚を感じる前に止めましょう。(注意:この段階になると掌の付け根は壁から離れているでしょう)
5. 手を壁に押しつけ、腕を完全に伸ばし、頭を中央に戻します。
再度、頭を左に傾けて数呼吸します。
そして頭を右に傾け、肘を曲げ、手は壁につけたまま指先を上に戻します。ここで数呼吸休んだあと、繰り返しましょう。
6. 右側で4番と5番を5-10回繰り返し、反対側で1番から全てのシーケンスを行いましょう。
尺骨神経のための神経グライド
コンピューターのマウスを使ったり、手首を左右に繰り返す動きをする仕事をしている人、あるいは前腕に硬さを感じている人は、尺骨神経のストレッチが必要でしょう。
1. 両腕を左右に置いてひじを曲げ、掌を自分に向けて両手を胸の前に持ってきます。人差し指と親指をくっつけ(OKサイン、あるいはジナナ・ムードラを作ります)あとの指は伸ばしましょう。
2. 二呼吸しながら両手を持ち上げ、ゆっくり手首を小指の方向へ回しながら掌をまず天井にむけ、次に顔の方向へ向けましょうジナナ・ムードラを作ったままマスクを作るように、人差し指と親指の輪を目の周りに、他の指は顎の方向に伸ばしてを頬に載せましょう。。
(リーフからの注意事項「親指が顔につかなかったら無理にストレッチをしないで、快適な位置で留まりましょう。ストレッチは優しく行うことを忘れないで。可動域は時間と共に広がります」)
3. 「マスク」状態で数呼吸します。
4. 二呼吸しながら両手を元の胸の前の位置まで戻しましょう。
このスーケンスを最大10回行います。ストレッチを感じるのが片手だけの場合は、そちらの方だけ片手で上記の動きを繰り返し行いましょう。
橈骨神経の神経グライド
コンピューターをよく使う人(タイプをするとき手首を下ろす人)には、橈骨神経のストレッチが効果的かもしれません。
1. 右腕を掌を内側にして横に置いて立ちましょう。右手指は床の方向に伸ばして右肩を下げておきましょう
右肩を内に回転させ、右腕を内側に掌が外に向くようにします。掌は上向きに指は遠くを指すように右手首を曲げましょう。
2. 頭を左へ傾け、そこで二回呼吸します。
3. 次に、右腕の角度を数度右に動かしましょう。
4. 掌を腿に向けて右腕を体の横に戻し、頭を垂直に戻しましょう。
ここで1、2回呼吸したら、動きを繰り返します。
5. より強度を高めるには、上記のグライドを繰り返した後、頭を左に倒し右腕を体の少し後ろ側の右へと動かしましょう。
ここで二回呼吸し、腕を下げて頭を戻します。ここでもう数呼吸行ったら、繰り返しましょう。
このシーケンスを右側で最大10回行ったら、反対側に移ります。
坐骨神経のための神経グライド
デスクに座る、運転する、走る、自転車に乗るなどを長時間行う人、または腰や臀部、膝の後ろなどに緊張を感じる人は、坐骨神経のストレッチが必要かもしれません。
1. 仰向けに横たわり、膝を曲げて両足は床に着け(坐骨から数センチ離して骨盤幅に開きます)、両腕は体の脇におきましょう。右側で親指を掴むポーズの準備をするように、右膝を引き寄せます。背中に痛みがあるようなら左足はずっと床に着いておきます。
腰に痛みを感じなければ、左脚も床へ伸ばしましょう。
2. 右腿の後ろの膝に近いところ両手で掴み(届かなければストラップやベルトを使いましょう)、ゆっくりと右脚を伸ばします。足の裏が天井に向き爪先がまっすぐ後ろに向くよう足首を曲げましょう。腿を両手に向かって押し、両手で腿を押し返します。
3. ゆっくりと爪先を伸ばしましょう。ここで数呼吸します。そして足首を曲げ踵を上に引きあげながら数呼吸します。右足首の曲げ伸ばしを数回ずつ呼吸しながら繰り返します。
4. s神経グライドを強めるには、少し頭をあげ(脊柱神経を伸ばします)、3番のように足首の曲げ伸ばしを繰り返しましょう。
5. 何度か呼吸を繰り返したら、ゆっくりと頭と脚を下げて両腕も体の横に戻しましょう。
このシーケンスを右側で最高10回行ったあと、反対側にうつりましょう。
可能なら、こうした神経グライドを活動的に行ったあとは、受動的なシャヴァサナで神経を鎮めましょう。今開いた神経の経路を通って、脊椎から両手両足までリラックスしていくのをイメージしましょう。
(出典)
https://yogainternational.com/article/view/nerve-stretching-for-yogis