有酸素的に健康であり続けること、ランニングなどの運動を続けることは脳と総合的な健康によいことです。しかしアルツハイマーから脳を守りたい人にとって、そしてもう少し穏やかな運動を楽しみたい人には、ヨガが選択肢となることを新しい研究が示しています。
ストレッチや柔軟、強化とマインドフルネスを含むインドを起源とする古代の実践法であるヨガは、11の研究の最近の見直しにより、脳の健康を保持し記憶力を高め、アルツハイマーなどの神経変性疾患のリスクを下げる可能性がわかりました。
ヨガの脳への効能は結論を得ないままの研究が多い中、より決定的な結論に到ることを目指しヨガと脳の関係性を深く調べるために見直しが行われました。
有酸素運動と脳
ニューヨーク大学の神経科学者、ウェンディ鈴木氏によれば、軽度から中程度の運動であっても認知症リスクを30%下げることができるといいます。過去のBeing Patient のインタビューで鈴木氏は、とても活動的である女性達は認知症の発症率が最も低いという結果が出た研究について言及しています。
「とても丈夫であれば、認知症を発症する可能性は90%も低くなる」鈴木氏は言います。「つまり、できる範囲の運動をすること、(これはオリンピック選手の話ではありません)ウォーキングでは30%、そしてとても健康で丈夫であり続けることで90%という確率で認知症リスクを変えることができるのです」
ヨガのアルツハイマーへの効果
神経変性疾病という分野において、有酸素運動やフィットネスがこれまで大変多くの研究が行われてきた一方で、ヨガに特化してこれほど研究されたことはありませんでした。この最新の分析では、ヨガには脳に記憶を維持させるという効果もあるというさらなる証拠も示されています。
11の研究のうち5研究では、ヨガを全く経験したことのない被験者が10〜24週間の期間、毎週ヨガ・セッションを受けました。ヨガセッションの10〜24週間の前後で、彼らの脳の状態が比較されました。他の研究では、定期的にヨガをしている人とそうでない人の脳の変化を測定しています。
総体的な結果、脳の中で記憶に結びつく海馬と感情を司る扁桃体によい効果をヨガがもたらすことが明らかだと結論づけられました。その研究ではまた、ヨガが前頭前野、帯状回皮質、デフォルトモードネットワークを大きく保つことも示しました。
「これら11の研究から私たちは、恒常的に現れる脳のいくつかの部分を特定しましたが、驚くべきことにこれまでの運動の研究の結果とあまり変わらない結果でした」研究の責任者であるイリノイ大学の運動生理学と公衆衛生の教授であるネハ・ゲーテ氏はニュース・リリースでそう語りました。
「例えば、ヨガの実践により海馬の体積が増えました」続いてゲーテ氏は、脳のこの部分は記憶に関連しており「認知症やアルツハイマーの研究では最初に影響が現れる」ところだと特に言及しています。
人が老化すると、海馬や扁桃体は縮小する傾向にあります。ヨガがこれらの部位を大きく保つのならばそれ以降の認知低下を防ぐ可能性があります。
ゲーテ氏は、どのようにヨガが脳に影響を与えているのかを理解しようとしています。「本来ヨガは有酸素運動ではないので、こうした脳の変化につながる他のメカニズムがあるはずです。現在のところ、このメカニズムが何なのかを特定する証拠はありません」
しかしひとつの可能性として、ヨガはストレスを減少させることができるので、それが脳の健康にプラスの効果を持つと考えられます。ゲーテ氏の前回の研究では、8週間ヨガを行った人たちは、ストレスに対するコルチゾールの反応が低く、意思決定や注意テストにおいてよりよい結果を出しました。
しかしひとつの可能性として、ヨガはストレスを減少させることができるので、それが脳の健康にプラスの効果を持つと考えられます。ゲーテ氏の前回の研究では、8週間ヨガを行った人たちは、ストレスに対するコルチゾールの反応が低く、意思決定や注意テストにおいてよりよい結果を出しました。
「ヨガの実践は、感情のコントロールを高め、ストレスや不安、鬱を減少させるのに役立ちます。そしてそれが脳の機能を高めているようなのです」とゲーテ氏。
研究者らの目標は、ヨガの脳への影響をより深く調査することです。しかし、現段階で、日々の運動にヨガを組み合わせると脳にも体にも効能があると言っても過言ではないでしょう。
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