2020年4月24日金曜日

自然のチカラで頭痛と首の緊張を解く 
self-healing tips for alleviating head and neck tension




頭痛は本当に全く辛いものです。ストレスの多いスケジュールや、一日中電話やコンピュータの画面の前で過ごすことで、私たちは頭痛になりやすくなります。


うっかり身体が脱水したり、なんとか動こうとして糖分を取りすぎることもよくあります。頭痛の時は、ただただ静かな場所に引き篭もりたいと思うでしょうが、シャッターを閉めてベッドに倒れ込む前に、お風呂を試してみましょう!以下は、こめかみの緊張を解くコツです。


お風呂は、毛穴を開いて、頭部の血液と酸素を循環させることで頭痛を緩和します。様々な痛みにそれぞれレシピがあります。


あらゆる頭痛に:ペパーミント・オイル2滴を額に押し当て、お風呂に5滴

首と目の疲れに:ラベンダー・オイル2滴を額に、お風呂に5滴

消化器官や神経の緊張に;カモミール・オイル2滴を額に、お風呂に5滴

その他:副鼻腔炎性頭痛にはユーカリ・オイルを3滴足します



入り方:お風呂に入る前にラベンダー・オイル少しを首の後ろに塗ります。お湯に浸かったら、氷を包んだタオルを額か頭の上に載せます。痛みに合ったオイルを手指に1滴ずつのせて、額と頭骨の下をマッサージしましょう。


鼻からゆっくりと息を吸いこみ、口から息を吐きましょう。呼吸が白く透明であるようイメージし、痛みや否定的なものを全て手放します。要らないものが徐々に消えていくのを感じ、お風呂の後はゆっくり休みましょう。




(出典)https://www.yogitimes.com/article/relieve-yourself-from-headaches-with-this-natural-remedy-bath-oil-life-beauty

2020年4月16日木曜日

公衆衛生のヤマとニヤマ 
The Yamas and Niyamas of Public Health


しばらくの間は物理的な距離を置くことが、私たちの最も病気に弱い 人々をCOVID-19から守るための方法であることが明白になってきましたが、ヨガの実践にはどう向き合えばいいのでしょうか?ヨガを実際に実践するためのこのような特別な機会は、今後の人生の中で再び経験する人は少ないのではないでしょうか。


今の公衆衛生の優先事項は、ヨガの実践において私たちが行っている性質にうまく寄り添うことです。思いやり、協力、そして自分自身よりも自分自身を心配するよりももっと大きなもののために生きるということ。どのようにヤマとニヤマ(パタンジャリのヨガスートラに書かれた倫理原則、してはいけないこととするべきこと)を、先の見えない荒波の中を航海するためのコンパスとすることができるのでしょうか?





公衆衛生のヤマとニヤマ


ヤマ(してはいけないこと)


アヒムサ(非暴力):たとえあなたと近い関係がなくても、最大の保護を必要とする人たちへの非暴力を実践しましょう。


サティヤ(誠実):自身の専門の範囲内から出ないでおきましょう。誤った情報を広めたり、公衆衛生の責任者の努力を軽視しないでください。あなたが事実だと確信できる信頼できる情報源からの情報だけを共有しましょう。


アステヤ(不盗):他者の健康を盗まないでください。社会的距離を保ち検疫ガイドラインに従いましょう。本当に必要出ない限り病院や医師のもとに行かないで、弱い人たちのために供給量を残しておきましょう。


アパリグラハ(不貪):他人のものをむやみに欲しがったり他の状況と比較したりせず、寛大でいましょう。


ブラフマチャリヤ(抑制):ウィルス封じ込め戦略を行いましょう。




ニヤマ(すべきこと)


タパス(勇気のある情熱):私たちの今の方策が崩壊した時に、利用できるニーズを持ってヨギのための解決法を提案するため、活動的かつ創造的になりましょう。


サントーシャ(知足):打ちのめされそうな時は、抑えきれない感情が湧き上がっても友情や共感を思い出して配慮のある思いやりを自分自身に向けましょう。そんな時は、前向きな感情や感覚に感謝して味わいましょう。大好きな友人に向き合うように自身の神経系や精神に向き合いましょう。


ソーチャ(清浄):正しい衛生状態を保ちましょう。手洗いが最善です。手や物の表面の除菌剤の正しい使い方を覚えましょう。


スワディヤヤ(独修):医療制度に対する自身の先入観について自問しましょう。人種差別や外国人差別の感情が起こったら自問しましょう。あなたの言葉や行動は、そうした違いに関係なく全人類に影響することを心に置いて、追いやられてゆく人々に特別の配慮をしましょう。


イシュワラ・プラニダーナ(より高みにいる力に身を委ねる):より大きなものに貢献しましょう。今こそ、生命という広大な海のひとつひとつの波として一体となる輝かしい瞬間です。





(出典)https://yogainternational.com/article/view/the-yamas-and-niyamas-of-public-health

2020年4月13日月曜日

ストレスを減らす6つのリラクゼーション・テクニック 
Six relaxation techniques to reduce stress

一日に数分だけでも精神的な平穏を与えてくれる


私たちは皆、道の渋滞などの小さな苛立ちから家族の深刻な病などさらに大きな不安まで、様々なストレスに直面します。原因が何であれ、ストレスはホルモンとともにあなたの身体の中で溢れます。心臓が強く打ち、呼吸が早くなり、筋肉が緊張します。


この「ストレス反応」というものは脅威を感じる状況での正常な反応です。動物の襲撃や洪水などの脅威から生き残るために発達したものです。現代では、このような身体的な危険に直面することは少なくなりましたが、毎日の困難な状況がストレス反応を引き起こすことがあります。生活の中でストレスの原因全てを避けることはできませんし、そうしたいとも思わないでしょう。しかし、これらに反応するより健康な方法があります。


「リラクゼーション反応」を引き起こす方法のひとつは、ハーバード大学医学大学院のレポート「ストレスマネージメント:ストレスを回避、削減するためのアプローチ」の編集者で心臓学者のハーバート・ベンソン博士によって1970年代に最初に開発されたテクニックです。リラクゼーション反応はストレス反応の正反対です。深い休息の状態で、これを誘発するには多くの方法があります。日々の練習により、必要な時に入れる平穏の泉を作ることができるのです。






以下はリラクゼーション反応を誘発してストレスを削減するのに効果的な6つのリラクゼーション・テクニックです。


1. 呼吸に集中する

このシンプルで強力なテクニックでは、長くゆっくりとした深い呼吸(腹式呼吸)をします。呼吸とともに、不快な考えや感覚から意識をゆっくりと解放していきます。呼吸への集中は、特に摂食障害の人がより肯定的な方法で自分の身体に集中するのに役立ちます。しかし、呼吸器障害や心不全など呼吸が困難な人にはこのテクニックは適切ではない場合があります。


2. 身体をスキャンする

このテクニックは、呼吸への集中と徐々に行う筋肉弛緩を融合しています。数分間の深い呼吸のあと、身体の一部や筋肉群に集中しそこに感じる緊張を精神的に解放していきます。身体のスキャンは、心と身体の繋がりへの気付きを高めてくれます。自分の身体のイメージに変化を与えるような手術のすぐ後であったり、他に身体のシメージが困難な場合は、このテクニックはあまり役立たないかもしれません。


3. 心象の誘導 

このテクニックでは、リラックスし集中するために、心の中で心を静めるような場面や場所、体験などを思い浮かべます。無料のアプリや落ち着く場面の動画などをオンラインで探してもいいでしょう。個人的に落ち着くと思えるような心象を選ぶことが大切です。心象の誘導は、自身の肯定的な像を促進するのに役立ちますが、余計な思考が邪魔したり心の中で思い浮かべられないと言う人には難しいかもしれません。


4. マインドフルネス瞑想

これは、呼吸に集中し、過去や未来の心配 事に彷徨う事なく、心を今の瞬間に置いて快適に座る方法です。この瞑想法は近年ますます人気が高まっています。研究では、不安症や鬱、疼痛の人に効果がある可能性があると示唆されています。


5. ヨガ、太極拳、気功

これらの伝統的な方法は、リズミカルな呼吸と一連のポーズや流れるような動きを組み合わせたものです。これらの身体的な動きにより、忙しく動き回る思考から離れて精神的な集中をもたらします。また、柔軟性やバランスを高めます。しかし、身体が動かない、健康的な問題がある、痛みがあるなどの場合、このリラクゼーション法は難しいかもしれません。始める前に医師に確認しましょう。


6. 祈りを繰り返す

このテクニックでは、呼吸に集中しながら短い祈りや祈りの一部を静かに繰り返します。この方法は、あなたにとって宗教や信仰が意味のあるものである場合に特に興味をひくものになるでしょう。




ひとつだけを選ぶよりは、いくつかを試してみてどれが自分にとって有効かを見てみると良いと専門家は勧めています。数分だけでは役に立たなくても、少なくとも一日に20分間試してみましょう。しかし、これらのリラクゼーションのテクニックは、より長くより頻繁に行えば行うほど、その効果は大きくなりストレスをより減らすことができます。






(出典)https://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/six-relaxation-techniques-to-reduce-stress

2020年4月6日月曜日

免疫は高められるのか 
How to boost your immune system

今回は、Harvard 大学のサイトの記事(2014年9月)からです。
特にこんな時ですので免疫がどうのという表示はあちこちでみられますが、この記事によれば、実際のところその仕組みがあまりわかっていないようです。5年以上経っているので、もっと進歩しているのかもしれませんが。。
いろんな商品の宣伝文句に惑わされず冷静に判断したいものです。
ちなみに今回のCOVID-19の症状として「免疫の暴走」というのもあり、自分で健康な組織を壊してしまうそうです。

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免疫を高め病気と闘う効果的な方法


どうすれば免疫を高められるのでしょう?全体として、免疫システムは病気の原因となる微生物からあなたを守る驚くべき仕事をしています。もし免疫がうまく働かなくなれば、細菌が体に入り込んで病気になってしまいます。それを防いで免疫を高めることは可能なのでしょうか?食事を改善すればどうでしょう?ビタミンや薬草を摂るというのは?完璧に近い免疫反応を得るためには、ライフスタイルを変えるといいのでしょうか?



免疫を高めるためにできること


免疫を高めるという考えは魅力的ですが、その能力というのはいくつかの理由によりなかなか困難だとわかっています。免疫システムというのは、システムであってたったひとつで成り立つわけではありません。免疫がうまく働くためには、バランスと調和が必要です。研究者でさえも、免疫反応の複雑な相関性についてはわからないことがまだ多いのです。現在のところ、ライフスタイルと免疫機能の強さの直接的な関係性は科学的には証明されていません。

しかし、ライフスタイルの免疫システムに対する影響が興味深くなく研究するに値しない、というわけではありません。食事や運動、年齢、心理ストレスなどの免疫反応に対する影響は、人と動物の両方で研究者らによって調査されているところです。その間は、一般的な健康的な暮らし方というのが、免疫システムの働きをよくするのに良い方法ではないでしょうか。



免疫システムを強化する健康的な方法


防衛の最前線は、まずは健康的なライフスタイルを選択することです。一般的は健康へのガイドラインが、免疫システムを強く健康であるよう自然に保つため行えるたったひとつのベストの方法です。免疫システムを含む体の全ての部分が良く働くには、環境の攻撃から守られ、下記のような健康的な暮らしをしなければなりません。

  • 喫煙しない
  • 果物や野菜の多い食事をする
  • 定期的に運動する
  • 健康的な体重を維持する
  • アルコールはほどほどに飲む
  • 充分な睡眠を取る
  • 頻繁に手洗いをする、肉は完全に火を通すなど、感染症を防ぐ対策をする
  • ストレスを最小限にする


健康的な方法で抵抗力を高める


免疫を増やしサポートすると謳う商品がたくさん売られています。しかし、免疫を増大するというのは科学的にはあまり意味をなしません。実際、免疫細胞であれ何であれ、体の細胞の数を増やすというのは必ずしも良いことではありません。たとえば、「血液ドーピング(血液細胞の数を増やしパフォーマンスを高めるため血液を注入)」をするアスリートには、脳卒中の危険が伴います。

免疫システムの細胞を増やそうとすることが特に複雑な理由は、免疫システムにはとても多くの異なる微生物にとても多くの方法で反応するとても多くの異なる細胞があるからです。どの細胞をどれくらい増やすというのでしょう?今の段階で、科学者はその答えを知りません。わかっているのは、体が免疫細胞を作り続けているということだけです。体が使うであろう数よりずっと多くのリンパ球を作ります。余分な細胞は、アポトーシスと呼ばれる自然の方法で自らを殺します。活動する前のものもあれば、闘いに勝利した後のものもあります。免疫システムが最高レベルで機能するための細胞の数と各細胞の比率は誰にもわかりません。



免疫システムと年齢


年齢を重ねるにつれ免疫反応の能力は減少し、それにより感染しやすく癌になりやすくなります。先進国での寿命が伸びるにつれ、加齢性の病気になるケースも増えます。
健康的に歳をとる人もいますが、多くの研究の結論では、若年者に比べて高齢者はより感染症にかかりやすく、そしてより重要なのはそれによって死亡する可能性が高いということです。呼吸器感染、インフルエンザ、とくに肺炎は、65才以上の死亡原因が世界中で最多となっています。なぜそうなるのかは確認されていませんが、危険が高まるのはT細胞の減少に関係すると見る科学者がいます。加齢に伴う胸腺萎縮で感染と闘うT細胞の生産が減っている可能性があります。この胸腺機能の縮小がT細胞の減少であるのか、それとも他の変化が原因なのかは完全にはわかっていません。また骨髄が、免疫システムの細胞の元となる幹細胞を十分には作れなくなっているのではと考える人もいます。

感染への免疫反応の減少は、ワクチンに対する高齢者の反応によって証明されています。例えば、インフルエンザ・ワクチンの65才以上に対する研究では、健康な子供(2才以上)に比較して効果がかなり低いことがわかっています。しかし効果が低くなるものの、インフルエンザや肺炎球菌のワクチン接種により、高齢者の疾病率や死亡率はワクチンを接種しなかった人と比べて大きく下がっています。

高齢者においては、栄養と免疫に関連があるようです。豊かな国においても「微量栄養素栄養失調」として知られる栄養失調が驚くほど多く存在します。食事で得られたり補えたりする必須ビタミンや微量ミネラルなどの不足という「微量栄養素栄養失調」は、高齢者において多く見られます。高齢者は食事の量が少ない傾向があり、また多くの場合に種類が少なくなります。栄養補助食品が高齢者の健康的な免疫システムを維持するために効果的かどうかは、重要な問題です。高齢者は、この問題を老人栄養学に詳しい医師とともに検討するべきでしょう。栄養補助食品が高齢者に効果的で可能性がある一方で、この年代には小さな変化も深刻な悪影響を及ぼす可能性もあるからです。



免疫と食事


どんな兵士もそうであるように、免疫の軍隊も腹が減っては軍は出来ません。健康な免疫兵たちも一定のよい栄養が必要です、貧しい地域の人や栄養不良の人たちが感染症により脆弱だということは、以前から科学者らによって認識されています。しかし、病気の率が増加するのは免疫の栄養不良のせいかどうかは確かではありません。人間の免疫に対する栄養状態の影響は依然として比較的少なく、栄養状態が(治療に対して)病気の発生に直接影響するかに関連する研究はさらに少ないのです。


様々な微量栄養素(例えば、亜鉛、セレン、鉄、銅、葉酸、ビタミンAやB6、C、Eなど)の不足が免疫反応を変化させるという証拠は、動物実験や試験管実験でいくつか見つかっています。しかし、こうした免疫の変化の動物の健康に対する影響は明らかではなく、同様の栄養不良の人間の免疫反応に対する影響はまだ見極められていません。


では、何ができるのでしょう?もしあなたの食事が必要となる微量栄養素を満たしていないのではないかと思うのなら(例えば野菜嫌いだとか)、マルチビタミンやミネラルのサプリを毎日取ることで、免疫やその他の健康に対する効果 が得られるかもしれません。あるビタミンひとつを大量にとっても効かないでしょう。量が多ければいいというものでもありません。



ハーブやサプリで免疫は上がる?


お店に行けば「免疫サポート」とか免疫を上げるなどと謳った錠剤や薬草などがたくさん売られています。そのいくつかは免疫機能のある部分を変化させるということが知られていますが、それらが感染や病気から守れるほど免疫を実際に強化してくれるのかという証拠は今のところありません。その薬草(そういう意味での物質)が免疫を高められるかどうかを示すというのは、とても複雑なのです。例えば、血液の抗体レベルを上げるらしき薬草が実際に免疫全体になんらかの効果があるかは、科学者にもわかりません。



ストレスと免疫機能


現代医学は、肉体と精神の密接な関連性を正しく理解するところにまできています。胃の不調や蕁麻疹、また心疾患など広い範囲の病気が、精神的ストレスに関係しています。困難ではありますが、科学者らはストレスと免疫機能の関係性について積極的に研究をしています。


まず、ストレスは定義するのが困難です。ある人にとってはストレスの多い状況かもしれませんが、他の人にはそうでないこともあります。ストレスが多いと思う状況に晒された人が、どれくらいのストレスを感じているのかを計測することは困難であり、その人の主観的なストレス量への印象が正確なのかどうかを科学者は知ることができません。1分間の心拍数などのストレス反応を計測することしか科学者にはできず、そうした計測も他の要因の結果かもしれないのです。


しかしながら、ストレスと免疫機能の関係を研究している科学者の多くは、急な一時的のストレスの原因については研究していません。それよりも、家族や友人、同僚との人間関係から生じるストレスや仕事でよい結果を出すための持続的な難題など慢性ストレスとして知られるより不変の頻繁なストレスについて研究しようとしています。科学者の中には、長く続くストレスが免疫システムに影響を与えるかどうかを調査しているものもいます。


しかし、科学者が言うところの「管理された実験」を人間に対して行うのは困難です。管理された実験では、あるたったひとつの要因だけを変化させ(例えば、特定の化学物質量など)、その変化の影響を他の計測可能な事象として計測します(例えば、その化学物質に晒された時に特定のタイプの免疫細胞が作り出す抗体量など)。生きた動物、特に人間では、測定が行われる際にその動物や人間に起こることがあまりにも多すぎて、そのような管理はとても不可能です。


このようにストレスと免疫の関係性を計測する避けることのできない困難があるにもかかわらず、科学者らは前進し続けています。




寒さの中で免疫は弱まる?


ほとんどの母親はこう言ってきました。「上着を着ないと風邪をひくよ!」それは正しいのでしょうか?これまでのところ、この問題を研究してきた研究者らは、適度の寒さに通常の状態で晒されることで感染しやすくなるわけではないと考えています。多くの医療関係者らもまた、冬が「風邪やインフルエンザの季節」なのは寒いからではなく、細菌をうつす他の人との距離が近い状態で多くの時間を室内で過ごすからだらだと賛意を示しています。


しかし研究者らは、様々な母集団でのこの問題に興味を持ち続けています。いくつかのマウス実験では、寒さに晒されることが感染に対応する能力を下げる可能性があることを示唆しています。しかし人間ではどうなのでしょう?科学者らは、人々を冷たい水に浸けたり、裸のまま氷点下で座らせました。南極に住む人やカナディアン・ロッキーに遠征している人について調べました。結果は様々でした。例えば、冷気の中で激しい運動をする競争心旺盛なクロスカントリーのスキーヤー達に上気道感染の増加がありましたが、それが冷気のためなのか他に原因があるのか(例えば強度の運動のせいなのか、乾燥した空気のせいなのか)わかりませんでした。


同じ目的で行われた自らの研究など数百の医学研究を見直したカナダの研究者グループは、適度の寒さに晒されることに何の心配もないと結論付けました。つまり人間の免疫システムに悪い影響がないということです。外の寒さの中にいる時は着込んで暖かくするべきでしょうか?もしあなたが不快ならば、あるいはもし凍傷や低体温症の危険のある場所に長時間出かけるのであれば、答えは「イエス」です。けれど免疫のことは心配しなくていいのです。




エクササイズ:免疫にいいのか悪いのか?


健康的な生活のための柱のひとつが規則的なエクササイズです。循環器の健康を高め、血圧をさげ、体重を管理し、あらゆる病気から守ってくれます。しかし自然に免疫機能を高めて健康に保つのに役立つのでしょうか?健康的な食事と同様、エクササイズは一般的な健康に寄与するので、健康な免疫システムにも役立ちます。血流を高めるというより直接的な効果もあり、それによって免疫の細胞や物質が体内を自由に動きまわり能率的に仕事をしてくれるでしょう。


運動に感染しやすさへ直接の影響があるのかを明らかにしようとする科学者もいます。例えば、激しい運動を極限まで行うアスリートはより頻繁に病気になるのか、また免疫機能を悪化させるのかを調べる研究者がいます。そうした研究では、アスリートに運動を激しく行わせ、運動前後で血液と尿を調べて免疫システムに変化があるのかを調べます。いくつかの変化は記録されてはいますが、こうした変化が人間の免疫反応という意味でどういう意味を持つのか免疫学者にもまだわかりません。


しかし、これらは強度の運動を行う選ばれたアスリート達が対象となっています。普通の人の適度の運動はどうなのでしょうか?免疫を健康に保つのに役立つのでしょうか?現在のところ直接の効能は認められてはいませんが、適度で定期的なエクササイズが健康的な生活のひとつだと考えるのは理にかなっているでしょう。免疫だけでなく身体の他の部分も健康に保つ重要な方法である可能性があります。


エクササイズのようなライフスタイルの一要素が免疫を高めるのに役立つのかのより完全な答えを得るために役立ちそうなものが、ヒトのゲノム配列を利用するアプローチです。最新の生物医学技術を基にした研究が免疫に関するこの問題や同様の問題に対する答えを与えてくれるかもしれません。例えば、ヒトゲノムを基にした「遺伝子チップ」により、何千もの遺伝子配列が特定の生理学的条件(例えば、運動前後のアスリートの血液細胞)の反応でどのように同時にオン・オフするかを見ることができます。同時に多くの経路がどのように複雑に働くのかをより理解できるようパターンを分析するため、研究者らはこうしたツールを用いたいと期待しています。








(出典)https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/how-to-boost-your-immune-system



2020年4月1日水曜日

ブレスワークを裏付ける科学とその5つの効能 
The Science Behind Breathwork + 5 Benefits Of The Practice

今回はブレスワークについてです。
ブレスワークって何?早い話が呼吸法です。
プラナヤマのひとつだと考えていいでしょう。
これまでどちらかといえばアサナに焦点をあてたヨガのクラスがほとんどと言ってもいいくらいだったので、その反動で呼吸に注目されるようになったのかもしれません。

伝統的なヨガは、呼吸も身体の運動も精神的な瞑想も全て含んでいるものです。
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お腹を大きく膨らませてたっぷりと息を吸いましょう。次に深く吐きましょう。


おめでとう、古代の実践法で休息に広まっているブレスワークを、あなたは今行いました。「待って。生まれてこの方ずっと吸ったり吐いたりしてきた。この間ずっとブレスワークを実践してきたってことじゃないの?」と考えているなら、残念ながら答えはノーです。ほとんどの時間、私たちは呼吸をしていることさえ気づいていません。毎日の暮らしの中で無意識に呼吸しています。そうした呼吸は生命を維持するためにとても重要なものですが、本当のブレスワークというのは意図的な呼吸の操作なのです。多くの人がヨガや瞑想で呼吸に集中するのに精通している一方で、ブレスワークの精神や肉体に対する強い効果を近年の研究が立証しています。



ブレスワークが注目される理由


多くの人が、最初のブレスワークをヨガマットや瞑想枕の上で経験するでしょう。現在、ますます多くのひとが、健康のために呼吸のためだけのクラスを求めています。


Googleトレンドによれば、「ブレスワーク」の検索数はここ5年間で6倍に増えています。ヨガとブレスワークの指導者であるエミリー・リドートは、この2年間でブレスワークをリクエストする顧客が多くなったと言っています。その汎用性と有効性のために支持を集め続けているのではと彼女は考えています。「簡単な実践で大きな目に見える結果がすぐにでます。健康のためやマインドフルネス、元気になるためなど動機は何であれ、それに効果のある呼吸法があります」


「米国でヨガが成熟期を迎え、今はブレスワークがトレンドです。その活動が成熟する時は、その活動の個々の部分が認識されそれ自体が重要視され始めるものです」ニューヨークでブレスワークのクラスを開催する瞑想とウェルネススタジオのOHMセンターのオーナーである鍼灸士のスザンヌ・ヒルは付け加えます。


クラスだけでなく、スタジオや指導者は全国で呼吸に集中したリトリートや企業セミナー、デジタル・クラス、ブライベートのワークショップなどを通して、ブレスワークに対する高まる関心に応えています。ペアで音楽に合わせて動くクラスもあれば、呼吸の正しいやり方だけのクラスもあります。



ブレスワークと瞑想の主な違いとは


では、簡単で気楽にできるブレスワークが私たちの健康に与える効果の研究の一部をご紹介しましょう。


1.(即効で)ストレスの解消になる


意識的な呼吸は、毎日のストレスをなくすための最速の方法のひとつとなり得ます。2017年にthe journal Frontiers in Psychology に掲載された研究では、8週間で20のブレスワーク訓練を完了した被験者らは、受けなかった者と比較してストレスホルモンのコルチぞールのレベルがかなり低くなっていました。コルチゾールは、私たちの体のストレス反応であり、そのレベルが高いと慢性の炎症の原因となります。


「ストレスに大して様々なことを試していますが、今はリラックスする時だと神経系に伝える呼吸をしていないと、リラックスはできません」ストレスや不安を解消する呼吸の能力について精神科医でブレスワークの指導者であるベリサ・ヴラニク博士は説明します。



2. ゆっくり深い呼吸の訓練となり、それが血圧を下げる


2001年のある研究では、一日に10分間の音楽でのブレスワークの練習が、薬を使わず血圧を下げる効果的な方法だとわかりました。この結果をもとにした2015年の研究では、ゆっくりと深い呼吸をした後、高血圧患者の血圧が大きく下がることを発見しています。ゆっくりと深い呼吸をするために作られた持ち運びのできた電子機器のひとつが、現在FDA認可の血圧を下げるツールとなっています。Resperate と呼ばれる機器の臨床調査では、「副作用なく外来血圧を著しく下げる」ことがわかり、「血圧コントロールのよりよい効果を得るため、高血圧抑制投薬や非薬理学的治療に対する効果的な補助となる」と判断されました。



3. 他の治療と一緒に行えば鬱症状を緩和できる


2017年、アイアンガーヨガと同時に行う呼吸の鬱への効果が研究者によって観察されました。結果は?12週間それらを実践した人々には鬱症状のはっきりとした減少と臨床的向上がみられました。その結果は、2016年のペンシルヴァニア大学のレポートの結果(呼吸を元にした瞑想が抗うつ剤に効果のなかった患者の深刻な鬱を緩和することができるという証拠を発見)とも一致しました。


瞑想的な呼吸の気分高揚のパワーはおそらく、恐怖を感じる脳の部分で体の「闘争逃走反応」の引き金となる扁桃体の縮小効果によるものでしょう。そして結果的に、複雑な思考をする前頭前野を増大させます。



4. 集中力が高められる


タスクに集中できない?ブレスワークを試してみてください。2018年のConsciousness and Cognitionに掲載された研究では、呼吸に集中したヨガが被験者の注意持続時間を伸ばすことがわかりました。同年のTrinity College Dublin の研究では、コントロールした呼吸が、注意や特定の感情に影響する科学伝達物質であるノルアドレナリンの脳内量のバランスを取り、結果的に集中を高めることがわかっています。




5. 疼痛管理に有効


オピオイドの蔓延からくる深刻な問題をうけ、医師や患者らは疼痛管理のための処方薬により安全な代替品を求めています。ブレスワークがその答えとなり得ます。ゆっくりとした深い呼吸が慢性疼痛の認知を減少させ、患者が身体的不快によりよく対処するのに役立つことが複数の研究でわかっています。痛みはノルエピネフリンに影響されるので、コツリゾールのバランスを取り炎症を抑えることができれば、痛みの認識もまた下がります。


ブレスワークはまた、特に腰痛を緩和してくれるとヴラニクは言います。「横隔膜は、腰痛を起こす脊椎の部分に直接ついています。呼吸で横隔膜を使わなければ、その場所の血流や動きが減ります」背骨に沿ったトリガーポイントはまた、先のようなコルチゾールの急増によって作動し痛みを悪化させます。2017年のある文献レビューもこの考えを支持しています。「慢性の非特異性腰痛の患者をケアするアスレチックのトレーナーや理学療法士は、治療に呼吸エクササイズを取り入れることを考えた方がいい」と書かれています。






ブレスワークを始めるのにあたって多くのテクニックがあります。ヴラニクが勧めるのは、呼吸の際にお腹を膨らましたり凹ましたりする横隔膜呼吸です。他には、ボックス呼吸4-7-8呼吸2-1-4-1呼吸片鼻交互呼吸などがあります。どれが自分に向いているが試してみましょう。


より多くの人が効果のある簡単なセルフケアを探している現在、ブレスワークが人気になるのは不思議ではありません。その効果の科学的な裏付けがあるだけでなく、いつでもどこでもただで行えるものです。新鮮な空気を吸うのに及ぶものなどありませんね。







(出典)https://www.mindbodygreen.com/articles/the-benefits-of-breathwork