前回の続きです。
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禁忌
アグニ・サラは、生理中や妊娠中、あるいは、裂孔ヘルニア、潰瘍、心臓疾患、高血圧などの場合は避けてください。避妊リングを使用している方には不快感があるかもしれません。これは空腹時に、つまり通常の食事の後は3時間あけるようにしてください。
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アシュヴィニ・ムードラ
次に、うつ伏せになって組んだ腕の上に心地よく額をを休ませます。息を吸う時に腹部が床を押しているのを感じましょう。息を吐きながら、左右のお尻を引き寄せて、できるだけ強く深く収縮します。息を吸い込んで、解放します。前回のように、上半身は穏やかにリラックスしておきましょう。たっぷりと深く呼吸します。この動きを5回以上繰り返しましょう。
それから、さっきのようにお尻を締めながら、息を吐く時に、括約筋と骨盤底も引き上げましょう。息を吸い込んで、やわらげて解放し、十分にリラックスします。括約筋と骨盤底(会陰)を働かせながら、これを5回以上繰り返します。何度か息をして休んでから、チャイルドポーズで、骨盤底、臀部、腰、下腹部に意識を向けたまま1、2回息をしましょう。
四つ這いで骨盤を傾ける
今度は、四つ這いになり、股関節の真下に両膝、肩の真下に両手を置きます。すねと足の甲を下に押して、腿の骨を中心線から遠ざけるように押します。息を吐いて、尾骨を下げ、下腹部を引き込み、お腹をくぼませます。上半身は動かさず安定させておきます。これは、背骨を動かすキャット・ポーズではありません!骨盤だけを動し、胸と上半身は動かしません。息を吸い込んで、恥骨を腿の間に引き込み、尾骨を持ち上げ、坐骨を開いて持ち上げます。下腹部にたっぷり息を吸います。そして、息を吐いて、おへそと腹壁を背骨に向かって締めながら、尾骨を下方に丸めます。5回繰り返しましょう。
次の段階は、骨盤を傾けたり回したりせずに、腹部を締めたり緩めたりします。息を吐いて、骨盤底や下腹部を収縮し、そして息を吸って骨盤底をゆるめて柔らくリラックスさせ、下腹部を大きく膨らませましょう。数回繰り返して、深く強く、骨盤底と腹部の動きを切り離しましょう。それから、踵に座ってチャイルドポーズになり、穏やかな呼吸を1、2回下腹部や背中へと行います。
A & P (アクンチャナ・プラサラナ)
それでは、骨盤底や内腿、下腹部、腰が目覚めたところで、アグニ・サラの練習を始めましょう。骨盤幅よりやや広く両足を開いて心地よく立ちます。両膝を曲げて両手を腿におきましょう。少し前に屈んで腕に胴体の重みを預けて、腰椎を支えている腹部の深層筋をリラックスさせましょう。首の後ろを伸ばして顎を引き、下腹部を見下ろします。
まずは息を吐きだしてお腹をくぼませ、尾骨をひき、括約筋と骨盤底を引き締め上げましょう。それから、息を吸ってやわらげ、尾骨を後方へ伸ばして恥骨を腿の間に下ろし、骨盤がまた大腿骨の上でやや回転するようにしましょう。骨盤の動きを切り離し、背中の他の部分はじっとしておきます。何度か繰り返してから、腹部や骨盤底をより引き締め、骨や外側の動きを少なくしていきましょう。息を吐いて骨盤底やお腹を収縮し、骨盤は動かさないでおきます。5回繰り返しましょう。息を吐いて、腹部を背骨に向かって引き込み、骨盤底と臀部、内腿を引き締めます。息を吸ってやわらげ、しっかりとリラックスしましょう。これがアクンチャナ・プラサラナ(A&P)です。アサナの初心者であったり、少し落ち着かない、やりにくいという場合は、これをしばらく練習しましょう。A&Pがしなやかで滑らかに行えるようになれば、アグニ・サラは楽にできるでしょう。
アグニ・サラ
アグニ・サラの完全な練習をするために、もう少し調整をしましょう。それには、腹筋の連続的な収縮と解放が必要です。まずは骨盤底とお腹の一番下の部分(恥骨のすぐ上)を、吐きながら引き締めます。そして、下腹部を収縮させて引き上げましょう。吐き続けて上腹部を収縮します。腹壁全体が強く収縮して引き上げられたら、完全に息を吐き出し、横隔膜を肋骨の下に吸い上げます。
お臍の上にある腹壁上部を解放して、すぐに横隔膜をゆるめ、息を吸いましょう。そして下腹部を解放し、息を吸い続けて、吸い切った時に骨盤底を解放します。止まらずに、息を吐いて骨盤底とお腹の下の方を引き上げます。息を吐き続けながら、下腹部を締めます。吐き続けて、上腹部を締めて横隔膜を引き上げます。そして、横隔膜をゆるめ、息を吸いながら、上腹部を解放してから下腹部、最後に骨盤底を解放しましょう。
横隔膜が肋骨の下へ動くのを感じなくても心配要りません。スムーズに深く、波のように収縮させることに集中し、下腹部を引き締めたまま吐く息を吸う息へと変えていきます。ここが重要なポイントです。息を吸ってお腹の上の方を緩める時も、下腹部と骨盤底を締めて引き上げ続けます。横隔膜は、下腹部や骨盤底とは無関係に働かせられることに気付きましょう。
基本的な練習ができるようになったら、より深く体に意識を引き込みましょう。より深く感じられるほど、より良いのです。前後は中心に向かって引き込まれ、中心は力強く上へ動きます。力強い気づきによって、腿や臀部にある活力の貯蔵庫から、エネルギーを中心へと向かわせ、背骨を通って上へと引き上げます。また、体が必要としているところへと意識が移ることにも気づくでしょう。そのようにして、必要と感じる場所へとエネルギーを向けましょう。背骨のこわばった場所、詰まって冷たく動かない場所、へとエネルギーや意識を移すことができ、内側から外へ軽さと暖かさを感じることができます。動きをクリエイティブにしても良いでしょう。両腕を真ん中へと振り下ろして頭上に振り上げたり、片方にツイストします。そして、この動きをアサナや、プラナヤマ、瞑想に取り入れます。
アグニ・サラの訓練は時間がかかるので、毎日の練習が必要です。胃腸が空っぽである早朝が最適の時間です。また、食前、就寝前、アサナの練習の間も可能です。まずは5ー10回、あるいは体力や能力に応じて快適に行える回数から始めましょう。40-50回の繰り返しを、1日に1回以上行いましょう。
その次は?
アグニ・サラは、腰椎を支え、脚や骨盤を胸、首、頭と統合することで、全ての姿勢に力を与えます。この活力とアライメントを、座位のバランスポーズに取り入れましょう。
まずは、腿の骨が骨盤からまっすぐ伸びるように、両足を数センチ離して床に置き、座りましょう。両手を骨盤の近く後方の床に置きます。両手両足を床に押して、背骨が骨盤底からまっすぐ引き上がるのを感じます。背骨の前方を持ち上げましょう。会陰と恥骨の上にある下腹部が引き上がるのを感じます。この背骨のニュートラルな姿勢は、アグニ・サラで使われる腹部の深層筋で保たれています。楽で締め付けない呼吸を続けましょう。
もう少し挑戦するには、片方ずつ手を床から持ち上げて、まずは両膝の下に移動し、最後には、背骨のアライメントを変えずに両脚の横まで持ち上げます。背中が曲がったり、引き上げ続けられない場合は、両手を床に置いたままより内側へと持ち上げて、少しずつ両手の重みを緩めていき、両腕で体重を支えないようにしましょう。意識を下腹部に向けたままで、スムーズで安定した、無理のない呼吸を続けます。顎や肩を和らげましょう。そのまま5呼吸しますが、アライメントが維持できるところまでにしておきます。数回繰り返しましょう。
そして、膝を緩めて、瞑想やプラナヤマの座位になりましょう。そして、違いを感じます。力を抜いて、意識を呼吸へ向け、呼吸が下腹部や骨盤底の引き締まりに支えられていることを感じます。あなたは今、喜びにあふれた瞑想や効果的なプラナヤマ、人生のあらゆる面における活力や安定性を得る道を歩んでいるのです。