2022年2月28日月曜日

アグニ・サラ入門 Vol.2
Guide to Agni Sara

 前回の続きです。


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禁忌

アグニ・サラは、生理中や妊娠中、あるいは、裂孔ヘルニア、潰瘍、心臓疾患、高血圧などの場合は避けてください。避妊リングを使用している方には不快感があるかもしれません。これは空腹時に、つまり通常の食事の後は3時間あけるようにしてください。

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アシュヴィニ・ムードラ


次に、うつ伏せになって組んだ腕の上に心地よく額をを休ませます。息を吸う時に腹部が床を押しているのを感じましょう。息を吐きながら、左右のお尻を引き寄せて、できるだけ強く深く収縮します。息を吸い込んで、解放します。前回のように、上半身は穏やかにリラックスしておきましょう。たっぷりと深く呼吸します。この動きを5回以上繰り返しましょう。


それから、さっきのようにお尻を締めながら、息を吐く時に、括約筋と骨盤底も引き上げましょう。息を吸い込んで、やわらげて解放し、十分にリラックスします。括約筋と骨盤底(会陰)を働かせながら、これを5回以上繰り返します。何度か息をして休んでから、チャイルドポーズで、骨盤底、臀部、腰、下腹部に意識を向けたまま1、2回息をしましょう。







四つ這いで骨盤を傾ける


今度は、四つ這いになり、股関節の真下に両膝、肩の真下に両手を置きます。すねと足の甲を下に押して、腿の骨を中心線から遠ざけるように押します。息を吐いて、尾骨を下げ、下腹部を引き込み、お腹をくぼませます。上半身は動かさず安定させておきます。これは、背骨を動かすキャット・ポーズではありません!骨盤だけを動し、胸と上半身は動かしません。息を吸い込んで、恥骨を腿の間に引き込み、尾骨を持ち上げ、坐骨を開いて持ち上げます。下腹部にたっぷり息を吸います。そして、息を吐いて、おへそと腹壁を背骨に向かって締めながら、尾骨を下方に丸めます。5回繰り返しましょう。




次の段階は、骨盤を傾けたり回したりせずに、腹部を締めたり緩めたりします。息を吐いて、骨盤底や下腹部を収縮し、そして息を吸って骨盤底をゆるめて柔らくリラックスさせ、下腹部を大きく膨らませましょう。数回繰り返して、深く強く、骨盤底と腹部の動きを切り離しましょう。それから、踵に座ってチャイルドポーズになり、穏やかな呼吸を1、2回下腹部や背中へと行います。








A & P (アクンチャナ・プラサラナ)


それでは、骨盤底や内腿、下腹部、腰が目覚めたところで、アグニ・サラの練習を始めましょう。骨盤幅よりやや広く両足を開いて心地よく立ちます。両膝を曲げて両手を腿におきましょう。少し前に屈んで腕に胴体の重みを預けて、腰椎を支えている腹部の深層筋をリラックスさせましょう。首の後ろを伸ばして顎を引き、下腹部を見下ろします。




まずは息を吐きだしてお腹をくぼませ、尾骨をひき、括約筋と骨盤底を引き締め上げましょう。それから、息を吸ってやわらげ、尾骨を後方へ伸ばして恥骨を腿の間に下ろし、骨盤がまた大腿骨の上でやや回転するようにしましょう。骨盤の動きを切り離し、背中の他の部分はじっとしておきます。何度か繰り返してから、腹部や骨盤底をより引き締め、骨や外側の動きを少なくしていきましょう。息を吐いて骨盤底やお腹を収縮し、骨盤は動かさないでおきます。5回繰り返しましょう。息を吐いて、腹部を背骨に向かって引き込み、骨盤底と臀部、内腿を引き締めます。息を吸ってやわらげ、しっかりとリラックスしましょう。これがアクンチャナ・プラサラナ(A&P)です。アサナの初心者であったり、少し落ち着かない、やりにくいという場合は、これをしばらく練習しましょう。A&Pがしなやかで滑らかに行えるようになれば、アグニ・サラは楽にできるでしょう。




アグニ・サラ


アグニ・サラの完全な練習をするために、もう少し調整をしましょう。それには、腹筋の連続的な収縮と解放が必要です。まずは骨盤底とお腹の一番下の部分(恥骨のすぐ上)を、吐きながら引き締めます。そして、下腹部を収縮させて引き上げましょう。吐き続けて上腹部を収縮します。腹壁全体が強く収縮して引き上げられたら、完全に息を吐き出し、横隔膜を肋骨の下に吸い上げます。


お臍の上にある腹壁上部を解放して、すぐに横隔膜をゆるめ、息を吸いましょう。そして下腹部を解放し、息を吸い続けて、吸い切った時に骨盤底を解放します。止まらずに、息を吐いて骨盤底とお腹の下の方を引き上げます。息を吐き続けながら、下腹部を締めます。吐き続けて、上腹部を締めて横隔膜を引き上げます。そして、横隔膜をゆるめ、息を吸いながら、上腹部を解放してから下腹部、最後に骨盤底を解放しましょう。





横隔膜が肋骨の下へ動くのを感じなくても心配要りません。スムーズに深く、波のように収縮させることに集中し、下腹部を引き締めたまま吐く息を吸う息へと変えていきます。ここが重要なポイントです。息を吸ってお腹の上の方を緩める時も、下腹部と骨盤底を締めて引き上げ続けます。横隔膜は、下腹部や骨盤底とは無関係に働かせられることに気付きましょう。


基本的な練習ができるようになったら、より深く体に意識を引き込みましょう。より深く感じられるほど、より良いのです。前後は中心に向かって引き込まれ、中心は力強く上へ動きます。力強い気づきによって、腿や臀部にある活力の貯蔵庫から、エネルギーを中心へと向かわせ、背骨を通って上へと引き上げます。また、体が必要としているところへと意識が移ることにも気づくでしょう。そのようにして、必要と感じる場所へとエネルギーを向けましょう。背骨のこわばった場所、詰まって冷たく動かない場所、へとエネルギーや意識を移すことができ、内側から外へ軽さと暖かさを感じることができます。動きをクリエイティブにしても良いでしょう。両腕を真ん中へと振り下ろして頭上に振り上げたり、片方にツイストします。そして、この動きをアサナや、プラナヤマ、瞑想に取り入れます。


アグニ・サラの訓練は時間がかかるので、毎日の練習が必要です。胃腸が空っぽである早朝が最適の時間です。また、食前、就寝前、アサナの練習の間も可能です。まずは5ー10回、あるいは体力や能力に応じて快適に行える回数から始めましょう。40-50回の繰り返しを、1日に1回以上行いましょう。





その次は?


アグニ・サラは、腰椎を支え、脚や骨盤を胸、首、頭と統合することで、全ての姿勢に力を与えます。この活力とアライメントを、座位のバランスポーズに取り入れましょう。


まずは、腿の骨が骨盤からまっすぐ伸びるように、両足を数センチ離して床に置き、座りましょう。両手を骨盤の近く後方の床に置きます。両手両足を床に押して、背骨が骨盤底からまっすぐ引き上がるのを感じます。背骨の前方を持ち上げましょう。会陰と恥骨の上にある下腹部が引き上がるのを感じます。この背骨のニュートラルな姿勢は、アグニ・サラで使われる腹部の深層筋で保たれています。楽で締め付けない呼吸を続けましょう。





もう少し挑戦するには、片方ずつ手を床から持ち上げて、まずは両膝の下に移動し、最後には、背骨のアライメントを変えずに両脚の横まで持ち上げます。背中が曲がったり、引き上げ続けられない場合は、両手を床に置いたままより内側へと持ち上げて、少しずつ両手の重みを緩めていき、両腕で体重を支えないようにしましょう。意識を下腹部に向けたままで、スムーズで安定した、無理のない呼吸を続けます。顎や肩を和らげましょう。そのまま5呼吸しますが、アライメントが維持できるところまでにしておきます。数回繰り返しましょう。





そして、膝を緩めて、瞑想やプラナヤマの座位になりましょう。そして、違いを感じます。力を抜いて、意識を呼吸へ向け、呼吸が下腹部や骨盤底の引き締まりに支えられていることを感じます。あなたは今、喜びにあふれた瞑想や効果的なプラナヤマ、人生のあらゆる面における活力や安定性を得る道を歩んでいるのです。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/guide-to-agni-sara


2022年2月21日月曜日

アグニ・サラ入門 Vol.1
Guide to Agni Sara

今回はアグニ・サラの練習法についてです。
以下の注意事項を読んでから行ってください。

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禁忌


アグニ・サラは、生理中や妊娠中、あるいは、裂孔ヘルニア、潰瘍、心臓疾患、高血圧などの場合は避けてください。避妊リングを使用している方には不快感があるかもしれません。これは空腹時に、つまり通常の食事の後は3時間あけるようにしてください。


プラナ(体の微細なエネルギー)に働きかけるあらゆる実践と同様、あまりにも速すぎることは変化をもたらすのではなく負の傾向を強める可能性があります。行った後に、怒ったりイライラしたりぼんやりしてしまわないよう、穏やかで元気に感じられるようにしましょう。通常は熱を感じます。熱は体の中心奥深くから湧き上がり、内臓や微細エネルギーの経路を浄化します。ジョギングやテニスなどの有酸素運動で得られる熱とは全く異なる質を持っています。

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ヨガにはクラクラしそうなほど数多くの実践法があるので、こんな風に思うこともあるでしょう。一番大事なのは何?本当に必要な練習は何?少ない時間で一番効果を得るにはどうしたらいい?こうした質問への答えは一人ひとりで異なりますが、ハタヨガには欠かせない実践がいくつかあります。そのひとつがアグニ・サラです。プラナヤマの要素とアサナの訓練を組み合わせたアグニ・サラは、ハタヨガの真髄です。ハタの最終的な目的は、点在する本能的な生命エネルギーを集めて、それを自分の内面を旅するために利用することですが、アグニ・サラはまさにそれを可能にしてくれるものです。


アグニ・サラは、腹部と骨盤底の深い収縮で、腹部の内臓、そして体内の本能的な生命力を制御し活動させる意識の中心(チャクラ)を対象としています。つまり、身体的な健康だけでなく、生命力や感情にも影響を与えることができます。最終的には、精神的な成長と変化を促進します。言葉の意味としては、「アグニ」は火を意味し、消化や識別、変化を起こす要素的な質で、「サラ」は本質を意味します。


ヨガの秘教的な解剖学では、それぞれのチャクラは、全身の機能に特定の働きをすると考えられています。最も根底にあるチャクラは「地」要素の特徴を持ち安定性を象徴しており、身体的な存在の基礎となっています。「水」は、骨盤の中心にある第二チャクラの要素です。感情的な流動性、私たちの周囲の世界を味わう欲望を象徴しています。「火」であるアグニは、おへそのあたりに存在する要素で、体と心をつなげるエネルギーであるプラナの中心です。さまざまな種類のプラナを通して腹部の中心と共に働き、身体に栄養を与えて持続させます。


これらの3つのチャクラの活動を考えれば、アグニ・サラが、体の主な生理学的機能に素晴らしい効果をもたらすのは驚くことではありません。第一に、骨盤底や腹壁の筋肉組織を強化し、すなわち、腹部の内臓を正しい位置に維持します。それにより、内臓にかかる下向きの重力に抵抗することができ、誰にでも起こりうる腹部の筋肉や結合組織の緩みにも抵抗できます。体内では、アグニ・サラは、消化器官や排泄器官を整えて活性化し、浄化します。病気の多くが消化管の不調から起こるため、アグニ・サラを習慣的に行えば、その効果の範囲は広大です。


アグニ・サラは、その他の臓器が健全に機能するのにも役立ちます。下腹部の腹壁の収縮は膀胱をマッサージし、骨盤底の収縮が排尿を制御するのに使われる筋肉を強化します。腹部に蓄えられがちなリンパ液は腹壁の動きで上方へ圧迫され、それが健康的な免疫機能を活性化させます。アグニ・サラは、生殖器など腹部の臓器への血流を促進します。つまり、この重要な練習によって、腹部の生理学的機能の全てが強化されるのです。


アグニ・サラは、身体的な効果に加えて微細な変化をも伴います。アグニ・サラにより活力が高まると、感情的には不安が減り困難に直面しても安定したままでいることができます。習慣的に練習をすることで、より感情の苦悩にうまく対処できるようになり、やる気や精神的な自信が高まります。アグニ・サラは、身体的エネルギーだけでなく、精神的、感情的なエネルギーの枯渇を防ぎ、また、全ての面において私たち自身の活力を維持してくれます。


こうしたかすかな効果を感じる鍵は、実践に向ける気づきを次第に洗練させていくことです。最初は、ポーズの機能的仕組みに働きかけることで十分でしょう。それが、自身の体への理解のはっきりとした変化につながります。しかし徐々に、アグニ・サラは、エネルギーの上方への強い動きと意識の内面に向かう動きを、産みだします。肉体の強さがより活発なエネルギーにつながり、そうして、バランスの良い安定した精神が現れるのです。


この効果を得るためには、体系的に働きかけなければなりません。基本的な練習でも難しいかもしれませんが、それは、集中しなければ、下腹部の深層筋を分離したり使ったりするこはほとんどないからです。ですから、両脚上げや腹筋運動などに慣れてるとしても、対象としているのが弱く反応しにくい場所のため、アグニ・サラはやや難しいと思うかもしれません。そこで、まずは神経と心と筋肉組織を訓練する練習から始めましょう。この準備によって、下腹部の深層筋にアクセスすることができます。それから、実際のアグニ・サラへと進んでいきましょう。




横たわった骨盤底を傾ける


仰向けに横たわり、両足は数センチ離して床に置き、手のひらを下にして腕を床に置いておきます。両足で床を踏み込み、内腿が活性するのに気づきます。顔や顎、お腹をやわらげます。無理のない均等な呼吸をし、呼吸を深く体の中へ送ります。背中を和らげて床に下ろし、意識を骨盤やお腹に向けます。そして、深くゆっくりと吐き出して、あらゆる腹筋を収縮させます。たっぷりと息を吸い込みながらお腹をやわらげ、膨らませます。そしてまた、強く深く吐き出して、ゆっくりと下腹部やおへそを背骨に向かって引き込み、腰を床に押し付けて、お腹を空っぽにします。息を吸い込んで収縮をやめて、またお腹が空気で満たされるとともに腰が自然に床から離れるままにします。


繰り返しながら、深く呼吸して、ゆっくりと穏やかに行い、腿や脚を床に安定させます。骨盤は優しく前後させ、大腿骨の骨頭あたりで回転させるように気をつけてください。息を吐きながら、尾骨を両腿の間から持ち上げ、腰椎を床に下ろします。息を吸いながら、恥骨を腿の間に下ろし、尾骨を床に向かって下げて、腰椎を解放します。次は、筋肉と軟組織に意識を向けましょう。息を吐いて、収縮し、引き締めて、下腹部を引き上げます。恥骨と尾骨の間のスペースを感じて、そこを締めたり緩めたりします。これが骨盤底で、骨盤内にある臓器を支えています。


それでは、骨盤を動かさず安定させて、腹部と骨盤底だけを収縮し、より微細な練習を行いましょう。胸や顎、顔、をして腕をリラックスさせます。両脚を通して優しく地面とつながり、骨盤を安定させ続けます。5回繰り返しましょう。






この動きのエネルギーを感じながら、体の背中側に意識を向けましょう。気づきを内側に向かわせて、動きに少しだけ勢いを足しましょう。女性は、膣に沿って引き上げて、できるだけ深く行い、そしてできるだけリラックスしましょう。エネルギーを感じられるよう、少し強めに引き締めて収縮させましょう。







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次回に続きます。



2022年2月2日水曜日

<日記>オンラインでトレーニング



コロナ禍が始まって早2年。
この頃は、感染対策も浸透して、マンボウになっても借りている会場が閉鎖されることなく
通常のクラスを行っています。
が、これまで何度もオンラインクラスしかできないこともありました。
いろいろ試行錯誤をしながら、ZOOMやLINE、Chromeを使ってみたり、今ではすっかりアプリの使い方にも慣れました。翻訳お仕事もクラウド上でやり取りするのが普通のこの頃です。


そんなこんなで、通っていたヨガスタジオが一時閉鎖されていた間、
アメリカのオンラインヨガクラスの会員となり、それが普通になりました。
直に会ったり同じ部屋で一緒にヨガをすることは難しくなったかもしれないけれど、
海外の素晴らしい先生たちのクラスを自宅で安価で受けられるようになって
こうした変化も嬉しい変化です。


というわけで今回は、ふと目についたアーユルヴェーダのオンライントレーニングを受けることにしました。


アーユルヴェーダに特化したトレーニングは、2015年にシンガポールで受けてはいるのですが、短期間だったこともあり、なんとなくあまり頭と体に染み込んでいない気がずっとしていました。で、改めてもう一度ということで。


分厚いテキストを読みつつ復習・・・と、
こんなこと習ったっけ?と昔のテキストを引っ張り出してみてみたら
あれれれれ、同じことがちゃんと書いてあって、自分で下線を引いた後まであったり。
6年以上経って、すっかり忘れているようです。。。年のせいかしら、、、こわいこわい。


それにしても
マインドフルネス関連のお仕事が舞い込んだり、今回のトレーニングに惹かれたり、
やっぱり
受け入れる準備が整った時にチャンスや教えが目の前に現れるんですね。


今回のトレーニングは10月まで続きます。
じっくり、何度も読み返して、染み込ませていきたいと思っています。
最近、アウトプットが多かったので、インプットできることがとても楽しみです。