2022年4月8日金曜日

月の満ち欠けに同期したヨガをするには vol.2
How to Sync Your Yoga Practice with the Phases of the Moon

 前回からの続きです。

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三日月(新月と上弦の月の間)


三日月にアップルビーが薦めるのは、新たな習慣を構築し新たな可能性に体を開くのに集中することです。


「体内の感情を解放する優しいヒップオープニングが、この時期には効果的でしょう」


三日月の実践法:
  • 体力強化を取り入れる
  • 少しエネルギッシュな動きで心身の成長を促してみる
  • 足で立ち、立位ポーズをより長く組み合わせる
  • 熱を作るプラナヤマを行う

三日月に最適のポーズ:
  • ダンダヤマナ・ジャヌシルシャサナ(立位の頭を膝につけるポーズ)
  • ウトゥカタサナ(椅子のポーズ)
  • ヴィラバドラサナI、II、III(戦士のポーズI、II、III)

テーマ:
  • 火と熱
  • 体力強化
  • 開く



上弦の月


上弦の月は半月です。新月の1週間後にあたり、満月の1週間前。クレイグによれば、体のエネルギーがまさに放出され始める時です。


「この時期は、自身や社会のために新しい何かを作り上げる決意に満ちていて、新しい形を実現させるという目標を達成するために最大の努力ができる時です」


上弦の月の実践法:
  • 体に熱を作る力強く火のようなフローを行う
  • 新月で立てた目標を実現させるよう行動を始める
  • 力強いバックベンドや胸を開くポーズを取り入れて、新たな成長を促す

上弦の月に最適のポーズ:
  • ナヴァサナ(船のポーズ)
  • アルダ・チャンドラサナ(三日月のポーズ)
  • ブジャンがサナ(コブラのポーズ)

テーマ:
  • 強さ、成長、努力
  • 障害を取り除く
  • 個性



上弦の月と満月の間


満月の直前の時期です。体と心の潜在能力を最大に広げるのに最適な時です。


上弦の月と満月の間の実践法:
  • 月のエネルギーが最大になる間の練習はおすすめ
  • ダイナミックで有酸素的、ダンスのような動きを取り入れる

上弦の月と満月の間の最適のポーズ
  • 太陽礼拝
  • 月礼拝
  • ウシュトラサナ(ラクダのポーズ)
  • ダンダヤマナ・ダヌラサナ(立位の弓のポーズ)
  • ヴィパリタ・ヴィラダドラサナ(天を仰ぐ戦士のポーズ)

テーマ:
  • 身体的な動き
  • エネルギー
  • 解放性



満月


クレイグによれば、満月は頂点、「たっぷり充電された」エネルギーを象徴しています。
「また、太陽の陽と月の陰のエネルギーが調和しているので、バランスの時期でもあります」

そのため、内省には理想的になります。アップルビーによれば、これまでの月の周期を振り返って、もう一度目標を見定める時です。

アシュタンガでは、満月の日は練習を休みます。


満月の実践法:
  • エネルギーが高まっている間、瞑想や内省に集中する
  • この時期はリストラティブや陰ヨガを行う

満月に最適のポーズ:
  • バッダコナサナ(合蹠のポーズ)
  • バラサナ(子どものポーズ)
  • シャヴァサナ(尸のポーズ)
  • ヨガ・ニードラ

テーマ:
  • 取り除く、解放する、手放す
  • 女性的な癒しのエネルギー
  • 気づきと理解



満月と下弦の月の間


この時期には「落ち着きがなく、時には不安を感じることもあります」とクレイグは言います。スピードを落として内側に向いていくのに最適な時です。


満月と下弦の月の間の実践法:
  • エネルギーを少し取り戻しつつスピードを落として月のエネルギーを感じるような陰陽クラスを試してみる
  • ポーズ間の移行をマインドフルに
  • 内に集中する

満月と下弦の月の間の最適なポーズ:
  • カマトカラサナ(ワイルド・シング)
  • ダヌラサナ(弓のポーズ)
  • エカ・パダ・ラジャカポタサナ(ハトの王のポーズ)

テーマ:
  • 内省
  • スピードを落とす
  • 内側を見る



下弦の月


下弦の月は、満月の後の1週間と新月の1週間前あたりです。月の周期に身を委ねて次の満月の新たな決意のために過去を精算していきます。


けれど、下弦の月は、目標にややお別れをしながらも、マインドフルな練習で最後にもう一度受け止めるのに良い時期です。



下弦の月の実践法:
  • れまでの月の周期を通して培ったエネルギーを使って、ゆっくりと広がるような、マインドフルなフローを行なってみる
  • より多くの陰の要素を取り入れ始める

下弦の月に最適のポーズ
  • チャクラヴァカサナ(キャット・カウ)
  • ウパヴィスタ・コナサナ(開脚のポーズ)
  • パリヴリッタ・アルダ・チャンドラサナ(反転した三日月のポーズ)

テーマ:
  • 身を委ねる
  • 受け入れる
  • お別れする



逆三日月


新月に戻る前、月の周期の最後の段階です。クレイグが言うように、熟考・瞑想の時期です。

内的な現実は、夢や覚めている間のビジョンを通して現れます。新たな目標が現れる豊かな基盤となります」

また、「最後の周期で得た知恵を消化し理解する」のに良い時期でもあります。

この時期はまた「暗い」「香油のような」段階とも言われます。


逆三日月の実践法:
  • 低いエネルギーのフローやレストラティブなヨガで、ゆっくりと行う
  • 陰ポーズでしっかりと解放させるため、プロップスで体を支持する
  • 消化に集中する練習をしてみる

逆三日月に最適のポーズ:
  • スプタ・マツエンドラサナ(横たわったツイスト)
  • シャヴァサナ(尸のポーズ)
  • プロップスを使うスプタ・カポタサナ(横たわったハトのポーズ)

テーマ:
  • 消化
  • 休息と回復
  • 未来のための内省と顕在





最後に


ヨガは、心身を宇宙の自然なリズムに合わせることです。ヨガの練習をより深めたいと思うなら、あなたのエネルギーを月の周期に同期させることがよい始まりとなるかもしれません。





2022年4月4日月曜日

月の満ち欠けに同期したヨガをするには Vol.1
How to Sync Your Yoga Practice with the Phases of the Moon


ヨガは、身体的なワークアウトを遥かに超える古代の実践法です。マットの上で過ごす時間をより深める方法のひとつは、月の満ち欠けに同調することです。


ヨガの伝統には、数多くの実践法や教え、そして月に関連する知識に満ちています。ヨガポーズの多くは、月の満ち欠けに当てはまっています。


アシュタンガの伝統では、心身を自然のリズムに効果的に合わせるには、月の周期を通して身体的な実践を理想的に変化させます。


それでは、月とヨガがどのようにつながっているのか、また、月の満ち欠けと実践をどうリンクさせるかを見ていきましょう。



ヨガと月の関係とは?


ハタヨガは、ヨガの中で最もよくあるタイプのヨガの一つです。「ハタ」という言葉はより「強い意志を持つ」と訳されますが、サンスクリット語の「太陽(ハ)」と「月(タ)」とも訳されます。


ハタヨガのこの解釈は、ヨガによって、内側にある両極のエネルギーのバランスを取ることができることを指しています。火のような活動的な太陽のエネルギーは「男性的」と表現され、一方で安らかで反射するような月のエネルギーは「女性的」だと考えられています。



実践と月の周期をリンクさせる


月の満ち欠けを尊重することは、多くの実践者が今も継続する古代ヨガの伝統です。


ヨガアラインアンス登録シニアヨガティーチャーのルイーザ・クレイグは、LKYヨガスクールのディレクターでもあります。


「始まりから維持、そして解放という命の自然な周期があります」クレイグは言います。「月の満ち欠けなど自然周期のリズムに合わせることで、その周期の元である内なる叡智を活用することができます。ヨガは自己実現であり、月の周期とつながれば自身の本質に意識を向けることになります。」


クレイグは、科学的な裏付けはさまざまではあるものの、実際に月の周期には私たちのエネルギーレベルに影響力を持っていると信じています。


「月の引力が潮の干満に影響を与えているのと同様に、その60%が水である人間の体にも影響を与えています」と彼女は言います。


ヨガティーチャーのパール・アップルビーもまた、月の満ち欠けに沿ったヨガを実践しています。


「月のそれぞれ異なる段階により意識を向けるようになれば、本当に自分の感情を理解しヨガをより発展させることに役立ちます。言い換えれば、月の周期を通して変化する自身のエネルギーとリンクさせるために実践を変えていくことが、自身と自然界との関係性をより理解するのに役立つのです」



科学が示すもの


科学的には、月の周期は地球からみて8段階があると言われています。地球の周りの軌道を約27日で回る間に月の見かけの形は変化し、太陽光の反射が増減しています。


いくつかの研究によれば、月と人体には関連性がある可能性があります。


2013年の大学生による研究では、新月と満月には、心拍と血圧が低くなることがわかりました。


しかし、月の満ち欠けと人の生理機能に関する研究の多くは様々です。これはまた女性の生理周期についても同様です。


2006年の再調査では、月の引力がマウスの神経ホルモン分泌に関係があるかもしれないと示唆されましたが、2021年には、女性の生理周期と月の満ち欠けには関連がないということがわかりました。


しかし、2021年の同じ研究とその他の研究では、月の満ち欠けと睡眠の関連性がわかりました。

科学の意見は様々ではありますが、それでもヨガを月とリンクさせることは、月とその神秘に敬意を表する有意義な方法と言えるでしょう。







ヨガを月と同期させるヒント


アップルビーとクレイグからの、月の周期に沿ったヨガの提案です。


新月


新月は変化と再生の時です。「次の創造的な周期のために種をまくスペースをとる」のに良い時間となります」とクレイグは言います。


アシュタンガでは、新月の日は実践を全て控えます。それ以外の伝統でも、リストラティブや優しい陰の練習などが好まれます。


新月の実践法:
  • 次の月周期のための決意に集中する
  • ゆっくりと瞑想的なヨガを行う
  • 視点を変えて新しい始まりを思い浮かべることに集中する
  • アジュナ・チャクラ(第三の目)の実践を取り入れてみる

新月によいポーズ:
  • シルシャアサナ(ヘッドスタンド)
  • タダアサナ(山のポーズ)
  • ヴィパリタ・カラニ(両脚を壁に上げるポーズ)
  • 木のポーズや、他のバランスポーズ(戦士のポーズIII、踊り子のポーズ、ワシのポーズ)

テーマ:
  • 新しい始まり
  • 目標をたてる
  • 優しい動き


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