ヨガのストレッチが背すじを伸ばして立つのに役立つ
加齢と椎間板の変形
椎間板の水分や弾力性が失われるにつれ、脊柱の長さは3センチ以上も縮むことがあります。そのように、多くの人は歳をとると背が縮みます。この重力の圧力に抵抗するため、段階的なストレッチを行うと、反重力の筋肉を神経的に目覚めさせ縮んだ身長を元に戻すのに役立ちます。
テント状のテンセグレティ構造が 脊柱の主な緩衝材として働く |
オックスフォード大学の研究者チームによる「椎間板の栄養状態」という研究では、栄養供給の減少が細胞の死につながり、基質の分解や椎間板の変形の増加も見られました。
椎間板は、人体の中でも、それ自身の独立した血液供給をもたないというあまりない組織です。歯や爪、髪の毛にさえ栄養供給の血管がそれぞれありますが、椎間板にはありません。環状繊維は生存するためにグルコースを必要とし、中心部は液体を取り込み、同化という複雑なプロセスを経て老廃物(主に乳酸)を排出します。通常の日中活動では、水分の同化が脊柱の個々の部分の収縮、伸展、回転、屈曲として起こります。
一般に受け入れられているのとは異なり、椎間板は、脊柱の主な緩衝材として作られてはいません。この役目は、素晴らしく設計された筋膜のバネ構造が担っています。上の画像では、筋肉や靭帯を示す柔軟性のあるカラーバンドがテント状のテンセグレティ配列になっています。健康であれば、椎間板が完全に取り除かれたとしても、これらの軟組織が椎骨の間隔を保つことができます。この事実を鑑みると、こうした質問が出てきます。反重力機能を取り戻すことが椎間板の老化を遅らせる鍵ならば、椎間板を鍛える最善の方法は何なのか?
胎児の姿勢と同化
椎間板と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのは、ホイールキャップを支えるラジアル・タイヤのような、ジェルが詰まった中心部を支える丸くつながった輪の形の環状繊維かもしれません。しかし、椎間板の同心の年輪状繊維は繋がってもおらず、丸くもありません。
母なる自然は、如才なく前方と側方を厚くし、後方の薄い繊維が日中の活動中も寝ている間も滑りを良くする液体を吸収できるように作ったのです。この液体同化の80%は、就寝の最初の1時間に行われます。そのため、椎間板の水分補給には、ひざを曲げて顎をひき腰椎湾曲がない胎児の姿勢で横向きに寝るのが最も適していると研究者は考えているのです。この胴体と股関節を曲げた胎児の姿勢では、後ろ側が開くので、椎間板の薄い方が水分を吸収しやすくなります。
この椎間板の形状の短所は、後方の繊維構造が弱いためヘルニアの危険が高いことです。それでも、傷ついた椎間板にも希望があります。2017年の研究では、保守的な治療に突出部分の引き戻しを促進させることができ、坐骨神経の圧迫を解消するのに役立つ可能性があることがわかりました。穏やかな無痛の超伸展運動(たとえばブジャンガサナ、コブラのポーズなど)は、脊柱中心部を前方に動かすことで後方の圧迫を緩和するために用いられています。
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