夏の暑さにイライラしていませんか?怒りに顔が赤くなったり、ホットフラッシュに悩まれていませんか?昔々のヨギは、コップ1杯の水を飲む間に体を落ち着かせることができる、涼しくするプラナヤマ(調気法)を見つけました。
ヒマラヤの山奥で古代の聖人たちは、体や呼吸、精神を制御しようという壮大な試みのため、周りの世界を観察して模倣しました。鳥の曲がったクチバシ、新芽が伸びる様子、コブラのシューっという声に気づき、こうした形状と音を真似てシタリという実践(涼しくなる呼吸)を行いました。このプラナヤマでは、吸気は丸めた舌を通って湿り気を帯び(鳥のクチバシと新芽)、水分で飽和した空気を「飲む」ことになります。
この実践は、呼吸への気づきを確立する以外にも空腹感や喉の渇きを落ち着かせ、一人で過ごす時間への愛を養うと言われています。また、シタリは体を冷やすとともに水分を与え、そしてそれはアーユルヴェーダ的に言えば夏によくみられるピッタバランスの崩れを落ちつかせます。さらに、この呼吸法は、疲労感、口臭、熱、高血圧を軽減します。
シタリの実践法
- 頭と首、背骨をまっすぐにして心地よい姿勢で座ります。
- 目を閉じて数分間、腹式で呼吸してから、口を開けて口元を「O」の形にします。
- 舌を縦に丸めて口から突き出します(約2cmほど)。
- ストローで飲む時のように、舌から口の中へと深く息を吸います。
- お腹と胸の下が膨らむと同時に、呼吸の涼やかな感覚に注意を向けます。
- 舌を引き込んで口を閉じ、鼻腔から息を吐き切りましょう。
- シタリを2、3分間続けたら、腹式呼吸に戻ってまた数分、そしてまたシタリを2、3分間長く繰り返します。そうやって徐々に10分間まで延ばしていきましょう。
舌を丸められない?シトカリを試しましょう
- 目を閉じて心地よく座ります。
- 上下の歯を優しくくっつけて、心地よい範囲で唇を開き、歯が空気に触れるようにします。
- 歯の隙間から息をゆっくりと吸い込み、呼吸のシューっという音に意識を向けます。
- 口を閉じて息を鼻からゆっくりと吐きましょう。
- 20回まで繰り返します。この実践をシトカリと呼びます。ハタヨガ・プラディピカによれば、シトカリには冷やす効果に加えて内分泌系のバランスを取り活力を高めます。
シタリとシトカリの注意点
シタリやシトカリは体温を下げるため、暑い季節や力強いアサナの後、または熱をつくるプラナヤマ(バストリカなど)の後に行うのが最適です。
ヴァータやカパの体質の人にとっては、冬季のシタリやシトカリは適切ではないかもしれません。また、いつ練習するかにかかわらず、体温に近い温度の空気を吸い込むようにしましょう。息が鼻腔で温められないため、冷たい空気は肺を害する可能性があるからです。
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