2025年3月10日月曜日

ヨガはがん治療をサポートする
だが、この「すべき・してはいけないこと」は心に留めておくこと
Yoga Can Support Cancer Care But Keep These Do’s and Don’ts In Mind

今回は、インドのCNN系メディアNews18からの記事です。

私がトレーニングを受けたシンガポールのドクターのもとにも
がんで苦しむ患者さんが来られていました。
残念ながら、数年後に旅立ってしまわれましたが
ヨガセラピーで痛みや苦しさ、死の恐怖を緩和できていたならいいなと今でも思います。
ーーーーーーーーーーーーーーー


サミーナががんと診断された時、彼女は冷静に受け止め、落ち着いて自分に必要なことにとりかかりった。腫瘍を取り除く手術を受け、免疫療法と経口化学療法を行なった。がんの代替医療の役割について聞いたことがあったので、手助けしてくれそうなヨガの指導者に連絡を取った。


ヨガを練習して数日のうちにサミーナの疲労は酷くなり、動悸やめまい、ホットフラッシュ、息切れをするようになった。調べてみると、そのヨガ指導者は動きが多く刺激の強いスリヤ・ナマスカラを彼女に練習させていることがわかった。


もう一人の元がん患者であるクシュブーの場合はこうだ。がんだと確証を得た時、化学療法や他の医療行為を拒否し、彼女は様々な代替医療を探し始めた。食療法、ホメオパシー、マントラ治療法、アーユルヴェーダ、自然療法、瞑想、そしてヨガの呼吸法だ。しかし、2年も経つと彼女の数値は急激に高まってついには入院しなければならなくなり、ICUで命からがら数週間を過ごすことになる。そうして入院中からその後10年にわたって標準的な医療と化学療法を受けることになり、がんを克服した。


二人とも間違っていたのである。一人は間違ったヨガ指導者を選んでしまった。もう一人はヨガや代替療法が「包括的に」体を元に戻してくれるから従来の治療は必要ないと考えてしまったのである。



ヨガは役にたつが、どのようにかが大切


ヨガはがんのための効果的な支持的療法として証明されていると、エビデンスに基づいた研究で示されてきている。正しくーつまり習慣的に、正しく理解したうえで、長期間ー行えば、炎症を抑え、免疫を高め、がんの進行につながる悪い行動さえも変える可能性を持っている。


しかし、がん治療にヨガを利用する時には、理解しなければならないことがある。がん治療は倦怠感、筋肉の弱体化、めまいや末梢神経の障害などを引き起こし、その結果、いくつかの動きは安全ではなくなる。また、転移や骨粗鬆症、疼痛などがある場合があり、ヨガポーズはそれを悪化させる恐れもある。従来の治療とヨガセラピーどちらも行う医師や専門家らが、最近の学会でこの重要な問題に対する彼らの経験を共有した。


以下は、彼らの意見と実用的なガイダンスである。



医師の意見


ムンバイにあるタタ・メモリアル・センターのディレクター、パンカジュ・チャトゥルヴェディ氏はこう述べる。「治療の養生の後、正しい段階の正しいヨガに導いてもらうため、医師に相談してください。YouTube やインスタグラムのビデオをみながらの練習はやめてください。また、ヨガは我々が行なっている今の治療の代わりには絶対にならないこと、だからこそ練習は治療と並行して行うのだということを忘れないでください。そして処方や指示は医師から受けてください」


米国ヒューストンの MD・アンダーセンがんセンターの統合医療プログラム・ディレクターのロレンツォ・コーエン氏はこう付け加える。「がんケアにおいて、病院側が他の治療と同様にヨガセラピーを提供する必要があります。しかし、私が特別に『ヨガセラピー』という言葉を使う理由は、医療の現場では単なるヨガの指導者やヨガの訓練を受けた者ではなく、その疾病や健康状態における専門知識を持つ者である必要があるからです」


CCRYN(インド・ヨガ自然療法研究中央委員会)の Ayush 省ディレクターであるラガヴェンドラ・ラオ博士は「私の肺に転移した肺がん患者は、彼女自身ヨガティーチャーでもありますが、ヨガの練習中のハイパーベンチレーションで倒れました。彼女は気胸になっていたのです。ですから、乳がんの転移が肺に到達している場合、ハイパーベンチレーションはしないようにしてください」


AIIMS (全インド医学研究所)の長であり、シュリシュリ先端研究所の顧問である有名な腫瘍学者のヴィノッド・コチュピライ博士はこう付け加えている。「そうです。私たちの(ヨガ関連の)研究では、肺領域への放射線治療を受けているなど特定の患者を除外しています。または、脳に転移がある患者にもこうした練習は勧めていません」


SRHU(スワミ・ラーマ・ヒマラヤン大学)がん研究所のディレクターである腫瘍外科医のシュニル・サイニ博士によれば、「ヨガは素晴らしい支持療法ですが、患者はそれぞれ異なるため治療にあたる医師らと相談するべきです。また、患者は病気の各ステージで異なりますし、治療のタイミングも異なります。全てのがんもまた異なります。例えば、乳がんの骨転移では、骨折の危険や痛みが増す危険もあります。急性の状態では、具合がとても悪い時にはただリラックスさせる練習法の方が良いでしょう。回復が必要な時は、身体的な側面も追加することもできるでしょう。ですので、治療チームと緊密に取り組む必要があるのです」





がんの治療としてのヨガ:すべきこととしてはいけないこと



• ヨガを始める前に、一次医療の医師や治療チームに相談すること

• がんを専門とするヨガセラピストの元で練習する。個人に合わせた指導を得ること

• 激しいポーズをしない。やさしくレストラティブなヨガをすること

• 自身が心地よく感じられる補助具を使う。薄いクッションや折り畳んだシーツ、椅子など

• 後屈、逆転など体を大きくねじるポーズをしない。その強度から太陽礼拝は推奨しない。速いペースで動かない。

• 各ポーズ、一回ごとに十分な休憩をとる。

• 全体を通して瞑想や深いリラクゼーション、深呼吸などは取り入れることが可能

• 息を止めたり、力強い呼吸はしない。ゆっくりとコントロールした呼吸に集中する。

• 患者がかなり弱るため、放射線治療や化学治療のあとは一週間あけること。化学療法後は血液の値が下がるので、7、8日間待って値が戻った時にのみ特別なテクニックで練習する。外科手術の場合、身体的なエクササイズは1ヶ月後から始める。

• 患者が自身の能力を理解していることが必要。心地よさが感じられる範囲を超えて体をストレッチしない。

• 感染などのリスクがあるため、大勢いる場所を避けグループでは行わない。

• 高温での練習をしない。また、体内の熱が上がりそうな練習は避けること。

• 水分補給をすること。空腹の状態では行わない、が、食事の後は2時間あけること。








(出典) https://www.news18.com/lifestyle/yogmantra-yoga-can-support-cancer-care-but-keep-these-dos-and-donts-in-mind-9228198.html



0 件のコメント:

コメントを投稿