2025年11月17日月曜日

股関節のためのヨガ Vol.1 
Help for the Hips

アサナの練習をすることで、理想的には心身のバランスと心の穏やかさを得られ、健康で幸せでいられるようなります。しかし練習を重ねていくと、体のある部分に「行き詰まり」を感じることもあります。そうした症状がよく現れるのが、特に瞑想やプラナヤマの座位の姿勢を練習する人にとっては、股関節や骨盤の辺りです。また股関節は、体重を支え全身を構造的に安定させている一方で、歩く、走る、ジャンプする、前屈みになる、座るを同時に可能にしていますが、それを考えればそこに問題が生じるのも不思議ではありません。骨盤は上半身全体の基盤であり、体内全てが健康的に機能するには骨盤を調整することが不可欠です。現状を評価して、股関節や骨盤周りのバランスと柔軟性を得られるよう練習を調整するために、少し解剖学を見てみましょう。






骨盤、脊椎下部、股関節は上半身の重みを支えており、胴体と両脚の関係を安定させ、歩く、走る、ねじる、あらゆる方向へ曲げるために必要な体系を形作っています。骨盤と脊椎下部は仙骨の左右にある仙腸関節で繋がっていて、比較的あまり動きません。この半固定された構造により、背骨の下端をしっかりと支え、多くの場合は脊椎下部と骨盤は一体で機能しています。


それに比べ、腿は骨盤と球関節で繋がっており、体の中で最も動く関節です。これによって股関節での広範囲の動きが可能になっています。腿は、前後左右に動かせることができ、また内外に回転させることもできます。そうした異なる機能を包含するこの場所に想像できるように、柔軟性と強度に多くの筋肉群が関係しています。腿裏のハムストリングス、前の大腿四頭筋、内腿の内転筋、後ろと横にある外転筋、回転筋、そして股関節屈筋(腸腰筋)、これらは骨盤の奥深くにあり、骨盤との関連で腿を動かせます。最後に、腹筋が体の前を支えて骨盤と脊椎下部の正しい位置関係を保っています。


股関節はあらゆる方向に定期的なエクササイズをしなければ、大抵は、凝り、痛み、慢性的な筋肉の短縮が起こります。以下のエクササイズは、この部分を強化して開くよう考えられています。股関節の動きにくさとともに、ハムストリングスや腰の凝りがある場合は、その辺りも一緒に動かす必要があるでしょう。筋肉が硬くなるのは多くの場合は弱い筋肉を補っていることを覚えておいてください。強化エクササイズを含んだ包括的なプログラムの方が、特定の一部分をストレッチするよりも、より早く筋肉バランスをとり戻し正常な可動域を得ることができます。


以下のポーズは、股関節の柔軟性制限への対処法です(ハムストリングス以外)。流れに沿う場所があるならば、これらのポーズのいくつか、あるいは全てを、毎日のアサナのどこかに取り入れてみてください。例えば、立位ポーズに体側を伸ばすポーズをする、あるいは三角形のポーズ(トリコナサナ)の代わりにするなど。腿の付け根のストレッチをうつ伏せのポーズに取り入れるなどです。いつも同様、定期的な練習は不可欠です。




体側を伸ばすポーズ (パールシュヴァコナサナ)


立位ポーズは、股関節や骨盤に良いポーズです。強さや柔軟性を養い、意識がポーズでの動きと統合するからです。このポーズでは、股関節の深い場所の可動域が高まり、四頭筋など脚や骨盤の筋肉が強化、体側全体に沿った筋肉がストレッチされ、胸が開きます。






両足を脚の長さ程度に開いて立ちます。右足を外に90度開き、左足はやや内側へ、股関節と胸は前に向けます。息を吸い込んで、両腕を手のひらを下にして肩からまっすぐ外に伸ばし、両肩を広げたまま耳から遠ざけるよう下げます。息を吐き出して、右膝をちょうど足首の真上にくるまで曲げます。ポーズを安定させて、呼吸をリラックスさせましょう。


胴部は前に向けたまま、息を吐き出し、背筋を伸ばして右へ曲げ、右前腕を膝にのせて、左手のひらを上に向けながら左腕を頭と並行に挙げます。そして、尾骨を少し引き込み肩甲骨を内側に引くことで胸と腹部をより開きます。両足をしっかりと床に押し付け、左かかとから左指先まで伸ばします。安定させるため、右膝は足首の真上に置き、左足の外側で床を押しましょう。


ポーズを深めるには、内腿どうしを遠ざけるように伸ばします。それから右腕を膝から離して、手を右足の外側の床に置きます。左腰を伸ばした脚や腕と一直線になるまで下げて、左側全体のストレッチを深めましょう。右腕と右脚を近づけたまま、胸郭と腹部を回して開き、胸を骨盤から離れるよう持ち上げます。左腕を伸ばし、左肩を開き、首を長く、まっすぐ前を見るか頭を回して上を見ます。そして、ポーズをしながら集中して安定した呼吸をし、そのまま3-5回呼吸するか、準備ができたと思ったらポーズを終えます。右足の指の付け根を押し、胴体を持ち上げ、脚を伸ばします。左右の足の位置を替えて、反対側で繰り返しましょう。



ーーーーーーーーーーーーー

次回に続きます。


0 件のコメント:

コメントを投稿