2015年8月25日火曜日

鬱からの脱出 ヨガの提案
Moving Out of Depression: 10 Yoga-Related Self-Care Suggestions

YogaInternational からの記事です。

身体だけでなく、ヨガは心の健康にも効果があります。
心の病気が身体に症状をもたらすのと同じく、
身体が原因で心に変化が起こることは誰もが気付いていることでしょう。
ヨガや瞑想は、薬ほどの即効性はないかもしれませんが
そうした原因に焦点を当てアプローチしていきます。

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ヨガ(アサナ)の練習の終わりに、シャヴァサナ(最後のリラクゼーションのポーズ)の静けさに心も身体も委ねているとき、日常に戻る道のりがまた始まります。欝と闘う多くの人にとって、この時間は、外界から身を守るマスクを再び着けることを意味するでしょう。ヨガクラスは、人生においてやらなければならないとされる事柄から逃れる避難場所であり、コミュニケーションの必要がない、行動や反応が他人に見られたり解釈されたりすることの無い場所なのです。

深刻な欝の患者には、ヨガをやろうという意思もエネルギーも持ち合わせていないことがあります。しかし、他方では、ヨガは欝患者が健康な状態に戻る、そして予防する手助けとなってきました。


症状を和らげたり、ストレスが与えるダメージを癒すというヨガのストレス解消の力はよく知られています。これまで多くの欝に悩まされる人々にとってヨガがよい効果をもたらすことはわかっているのですが、こうした効果はあまり注目されていません。もしかすると、「ストレスを受けている」というのは、私達の多くがプライドを持って身に着けているレッテルだからなのかもしれません。忙しくてストレスが溜まりすぎだと言う友人や同僚達の話をよく聞くことでしょう?仕事などで忙しい社会では、深く考える時間はほとんど残っておらず、多くの人が睡眠不足で悩まされ、「ストレス」は私達が払う代償となっています。ストレスは21世紀のライフスタイルただと同意語なのかもしれません。ストレスがないとしたら、あなたは成功者ではない!というように。

しかし欝は別物です。患者は自分の状況を誰かと分かち合うものだとは考えず、また現代のライフスタイルの結果にすぎないということもわかっていません。ひとりぼっちで世界からずれていると感じています。そして彼らが必要とする助けを求めようとするエネルギーも意欲も感じないことが多いのです。

「憂鬱」「落ち込んだ」気分というのは多種多様にある感情のうちの一部です。喪失、病気、災難やいろんな問題が私達みんなにふりかかり、人生のある時点で落ち込んだ気分になるのは当然のことです。しかし、欝というのは、それがいつまでも残り、また心や身体を無制御に蝕み始めます。よく理解し注意を払う必要があるのです。





症状を理解する


欝の標準的な症状に、無関心、孤独感、恐怖、怒り、不安などといった感情があります。こうした感情があると、ほんの小さなことにでも対処するのが難しくなります。そしてさらに日常生活から乖離し結果的にさらなる喪失に繋がります。つまり同僚や家族、友人などがあなたに拒否されたと感じて助けることができなくなるのです。欝の人々に多いのが、仕事や家庭、学校などで対応できるよう、対処メカニズム(精神的苦悩や問題に対処するために働くしくみで、さまざまな身体的病気や行為となって表れることもある)ができることです。涙を隠し、怒りを押さえ込み、孤独を飲み込み、それが疎外感を生み孤独感が強まります。ヨガは、こうした感情を和らげ、健康な心の状態に戻す手助けが出来るのです。

欝患者が医療診断や支援を求めることは重要である一方で、ヨガは、回復や長期的な健康への道のりの途中で充実した人生を作る場所や道、そして未来への信念を与えてくれるのです。
理解し、助けを求めることが健康を取り戻す第一歩となります。医師たちは欝の段階を以下のように分類しています。

  • 軽い欝: 日常生活にある程度の影響がある
  • 中程度の欝: 日常生活にさらに顕著な影響がある
  • 重度の欝: 日常生活を送ることが困難であり、精神病の症状を訴える者もいる

また、欝が現れやすい特有の時と場合があります。出産後欝(いわゆるベイビーブルーとは異なる)や、一般に冬に現れる光の不足による悲しい感情や無気力に感じる季節性情動障害(SAD)などがあります。



欝から脱出するためには


睡眠: 欝の多くの人が疲労感を感じベッドから出られないと訴える一方、よく眠れていないことが多いのです。よく眠れないでいると、乗り越えられないと感じる恐怖や不安に朝早くから長時間悩まされることになります。そして疲れて不眠のせいでイライラすると、毎日が辛いと感じるようになり、感情的にも身体的にも健康が損なわれ始めます。

ヨガを行っている多くの人は、始めて参加したクラスの後でさえ、睡眠の質が向上したと言います。

不眠や睡眠障害の原因はいろいろありますが、リラックスする方法を使って、睡眠を妨げる不安やストレスをやり過ごすことを心や身体に覚えさせることができます。


環境: 季節性情動障害(SAD)は多くの場合、屋外に出る時間を作ったりまわリの環境とつながりを持ち続けることで改善が期待できます。自然光から出るマイナスイオンが、心と身体の健康に不可欠な自然との繋がりを促します。昼間の自然光のもとで行うヨガは、健康を促進し、エネルギーや自信をもたらします。


触れるという癒しの力: 落ち込んだり自分を無価値だと思う時、欝は人間関係に影響してきます。ハグなどスキンシップが本当に必要なのに、拒否されてしまいます。ヨガは、身体を受け入れること、そして全ての存在それぞれが個性的であることの称賛を勧めています。触れることで感情や身体の緊張を解き、心と身体を刺激します。優しいソフトな握手でさえ、身体がそこにあるということを知らしてくれます。


マッサージ: アーユルヴェーダのマッサージは、感情を調和させ、心の痛みを癒す手助けをしてくれます。何世代にもわたり、アーユルヴェーダの専門家たちは、眉間にあるアジナ・チャクラ(直感力の中心)に関連のある場所に暖かいオイルを流す聖なる治療法「シロダーラ」によって、手で行うマッサージや伝統的な調合油で欝患者を支援してきました。この治療法は深いリラクゼーションをもたらし、ストレスを取り除き、神経系を沈静し、安心や静寂の感情を促進します。


栄養: 欝は食に対する興味を失わせたり、過食になったりさせます。脳が疲労してくると、高カロリーで甘いものを欲しがります。これは、ファーストフード依存や段階的な栄養不良を意味します。欝の要因として食事の重要性が知られるようになってきています。例えば、砂糖の消費量が欝、そして肥満に関係することがわかっています。脂肪、ミネラル、ビタミンなどバランスの取れた適量の食事は長期間の効能があるでしょう。栄養価を考慮して食物を選び正しいサプリメントを摂取することが、欝症状の軽減や防止に役立つでしょう。


哲学: 時折、自分の欝に対して大きな罪悪感や責任を感じることがあります。例えば、今自分に起こっていることが過去の過ちに対する結果であり、罰せられていると感じたりします。ヨガ哲学は、人生の浮き沈みを受入れることで、こうした思いに対する解毒剤を与えてくれます。何世紀もの間ヨガ哲学は、身体と心のバランスを保つためのシンプルな指針を示してくれています。集中力が無いときに分厚い本を読むのは大変ですが、パタンジャリの「ヨガ・スートラ」は、インスピレーションと理解の素晴らしい書物で、その中に書かれている「ヤマ」「ニヤマ」は充実した人生のためのシンプルな助言と希望を与えてくれます。


ヨガクラス: ヨガクラスのアサナ(ポーズ)は、集中が必要となり、1-2時間の間、心を鎮める効果があります。心を「スイッチオフ」し、欝状態に作られる不安や心配から離れることが出来ます。そして、身体へのよい効果、精神的刺激、仲間の支援、思いやりの環境など、素晴らしい効果を得られるあらゆるものがあります。


サポート: ヨガは自尊心を高めます。欝では、長時間集中することができなくなり、注意が散漫になるといつしかネガティブなことばかり考えていることに気づきます。アサナを少しの間行うことで、先生と生徒間だけでなく、自分自身の可能性に関しても信頼できるようになるのです。


リラクゼーション: リラックスすると感情の爆発が起こることがあります。深いリラックス状態では、感情や不安が表面に出てくることがよくあります。感情を解放することが、前に進む手助けとなり、この浄化が欝症状からの解放感を与えてくれることをがわかっています。初めてのときは短く行い、日常に戻る時間をたっぷり取ることです。目を開けたまま行う方が安心できるという人もいます。クラスの最後に、それぞれが感じたことを話しあう時間をとってもいいでしょう。


メディテーション: メディテーションは、適切な管理のもとで行えば素晴らしい効果を与えてくれる強力なツールです。最初は短く、肯定的に始めるのが最良です。呼吸に集中するか音に集中することで、心と呼吸の微細な関係を理解するのを容易にしてくれます。気持ちが昂揚するメディテーションがいいという人もいますが、お天気の日が時に欝患者をさらに孤独に感じさせることもあるのと同じ効果をもつ可能性もあります。



最近の研究で、中度の欝の治療においてヨガの効能が立証されています。ヨガは呼吸やストレッチに注目しており、それが身体の酸素レベルを上げ、身体や心の健康に導きます。ヨガはまた、心の中の雑音から意識をそらし、心を落ち着かせ、欝によって生じるネガティブな考えから遠ざかることに焦点を合わせているのです。



(出典)https://yogainternational.com/article/view/moving-out-of-depression-10-yoga-related-self-care-suggestions

2015年8月19日水曜日

生理痛のためのヨガ
Yoga for Menstrual Cramp Relief

毎月やってくるこの痛みにウンザリしている方もいらっしゃるかもしれません。
私も、かつてはそうでした。
ほぼ毎月痛み止めを服用しないと、痛みで夜中に目が覚めることさえありましたから。

ところが、ヨガを始めてから
基礎体温が上がり、風邪をひきにくくなり、同時にほとんど生理痛がなくなりました。
痛みがないってこんなに楽なことなんだと、驚くほどです。

ただ、痛みが無いからと言って生理中の身体は普段とは違います。
自然に逆らわず、あまり無理をしないことが
翌月のコンディションにも関わってくるのです。
また、この時期は
流れを妨げる逆立ちや、捻るなど腹圧のかかる動作は控えて下さい。


ところで、痛みの原因について、
私の師であるアーユルヴェーダ医師がすごくわかりやすく説明してくれたことがあります。

「普段運動しない人が急に運動すると筋肉痛になるよね。
 それと同じで、普段動いていない臓器が月に一度だけ急に動こうとするから痛みがでるんだ。
 だから、普段から、子宮廻りを動かしてあげることが大事だよ」と。




下記は、生理痛解消のためのヨガのビデオのリンクです。(You Tube, Yoga International)

ビデオの 3:42 辺りから実際のポーズに入りますので、
言葉がわからなくても真似をすればいいと思います。

ビデオで使用しているようなボルスターがなければ
畳んだブランケットや枕などを使ってもよいです。

腰周りを緩め、股関節を開き、骨盤全体の緊張を解いて、副交感神経を優位にしましょう。
痛みがひどいときは、呼吸を使って緊張を解きましょう。

では、ごゆるりと。。。


https://www.youtube.com/watch?v=VPquG8Oi3AU#t=32








2015年8月17日月曜日

<日記>アーユルヴェーダって?

食べて、寝て、だらだら・・・になりがちなお盆休みが終わって今日のクラス。
気温が高くて、毎日汗をかくけれど、運動でかく汗とは違うものです。
久しぶりに呼吸筋を目一杯つかって呼吸して、身体をしっかり伸ばしました。
ちゃんと身体を動かすことで、睡眠の質もよくなります。
だらだら・・・ではなく、しっかり休息が取れると、また元気に活動できるようになるのです。

ところで今日のクラスでも話題にのぼりましたが、アーユルヴェーダといえば
まだまだ日本では、オイルマッサージだけが知られているようです。
が、本来アーユルヴェーダ(「生命の科学」という意味)とは、
古来より伝わるインドの伝統的な「医学」。
単なる病気の治療・予防だけでなく、心のメンテナンスをも含み
身体や心のバランスを保ち健康を維持するための知識なのです。
どちらもインド発祥ということもあって、基本的な考え方はヨガアーユルヴェーダも同じです。
アプローチが少し違う、と言った感じでしょうか。

もっとアーユルヴェーダの良いところを
みなさんに知ってほしいなーと思った今日のクラスでした。






2015年8月6日木曜日

ヨガの効能についての新しい科学
The New Science on the Health Benefits of Yoga

健康に関するサイト SONIA からの記事です。

http://www.sonima.com/yoga/health-benefits-of-yoga/?utm_source=huffingtonpost&utm_medium=syndication&utm_campaign=site


記事は、国際ヨガセラピスト協会(IAYT)のディレクターである Dilip Sarkar氏の逸話から始まっています。昨年、岐阜県であった学会を訪れた私は、彼と少しだけ話すことができました。「米国に来ることはありますか?」と聞かれ「予定はありません」と答えて別れたのですが、実際あれから渡米する機会はありません。もし、予定があると答えたなら何をおっしゃろうとしていたのか、今になって気になりますね。

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それまで病気をしたことがなかった血管外科医の彼が、51歳で突然倒れて心臓バイパス手術を受けることになります。そしてその後、アーユルヴェーダやヨガ・セラピーに魅了されたといいます。

65歳のSarkar氏は、毎朝1時間ヨガを行っています。現在彼は、医療の現場を引退しヨガ・ティーチャー、そしてヨガの研究者で、2010年に立ち上げた医師向けのヨガセラピーコースで年間3回以上教鞭をとっています。

「ヨガセラピーの研究でわかったのは、日々の練習によって無理なく自然にライフスタイルを変えることができることです。健康的な食事、質の良い睡眠、規則正しい生活など」

ヴァージニア州ハンプトンのタクシャ大学統合医学部の学部長でもある彼の言葉は、下記のような数多くの研究に裏付けられています。

心臓血管の健康促進

ヨガセラピーでリラックスすることで、血管が緩んで血圧が下がり、心筋への血流が増加。
メタボリックシンドロームの中年の中国人182人が一年間ヨガをしたところ、血圧が下がっただけでなく大幅に体重を減らすことができた。


慢性的な首や腰の痛みを抑える

正しい姿勢が首痛・腰痛を緩和。
「椎間板ヘルニアや脊椎狭窄自身に痛みはない。筋肉の収縮が神経を刺激する。筋肉の緊張や痙攣が痛みを生じさせる」ので、腰痛には筋弛緩剤が処方されることが多い。
「ヨガセラピーでは、ポーズをとるとき呼吸に合わせて筋肉がゆっくり緩むことで腰痛が消える」


脳の活性化

53-96歳の133人を対象にした研究で、週2回30分間のヨガを一ヶ月以上行うことで認知機能が向上することがわかった。
「呼吸に集中することで酸素を最大に取りこむことができ、脳や身体への血流が増える」
記憶力の大幅な向上や欝症状の減少もみられた。


糖尿病の抑制

「ヨガの練習は、アグニと呼ばれる『消化の火』を増やす。ヨガの見地からいえば、身体が糖分を消化しきれないせいで血糖値が上がる。消化の力が上がれば血糖値も改善され糖尿病の防止や抑制になる」

II型糖尿病の男性30人に6ヶ月ヨガの練習をさせたところ、血液グルコースレベルが著しく低下した。


ストレスや不安の回避


ヨガは、特に精神衛生の問題の危険がある女性の、ストレス・ホルモンであるコルチゾールのレベルを下げたという研究がある。


抑鬱症の改善

産後欝症の女性に、たった8週間のヨガが著しい効果をあらわした。24週間毎日60分のヨガが、手術や放射線治療、化学療法を受けている乳癌患者の抑鬱症状を改善。「戦士のポーズ」は病と闘う力をくれる。


癌の危険性を低下

習慣的なヨガが遺伝子変異発現を防止。病気の症状と闘う強い武器ともなる。
女性の癌患者への週二回三ヶ月のヨガで、炎症を抑え体力向上、気分が明るくなる効果があった。


自己肯定を促進

セルフコントロール、自己認識、幸福感、身体の認識、バランス、心身、反射性に関して、ポジティブな感情を持つことができるようになる。

「ヨガという言葉は『調和』。心、身体と魂を調和させる。ヨガの練習では、ポジティブな感情を取り込み、ネガティブな感情を吐き出す」


長寿と若さ

ヨガやメディテーションが老化の兆候を消し、酸化的ストレスや炎症が主な原因である生活習慣病を防止する。


PMS(月経前症候群)の改善

シャヴァサナなどのポーズが、リラックス効果を与え症状を和らげる。




(各研究の詳細は、原記事にリンクからジャンプできます)