2017年7月29日土曜日

更年期、その兆候とアーユルヴェーダ自然療法 Vol.2 
Menopause Age, Signs Of Menopause, Natural Menopause Treatments

ホット・フラッシュと寝汗


更年期に起こりうることを知っていたとしても、初めてのホットフラッシュには驚くことでしょう。更年期の約85%にのぼる女性がホットフラッシュを経験しており、数年続きます。ほとんど起こらず少し面倒だと感じるだけの人もいます。それ以外の人にとっては、ホットフラッシュは毎日のように起こり何年も続くのです。


ホットフラッシュが起こる原因


よく起こることにも関わらず、これはまだ医学的に解明されていません。現在の理論では、エストロゲンの減少により引き起こされ、体温の上昇だと視床下部が勘違いしていると考えられています。そして恒常性保持のため表面の血管を拡張させて汗が出るのです。もし本当にオーバーヒートしているのなら、これは適切な反応です。オーバーヒートしていないのなら、余分な熱が体内を巡り、ホットフラッシュとなるのです。

エストロゲンの減少に身体が慣れると、大抵は回数も強度も低下して来ます。閉経前にはエストロゲンのレベルが上下し、これが「エストロゲン不足」の状態を起こして何度もホットフラッシュが起こるのです。


寝汗


閉経期に起こる寝汗も、同じ原因ががあります。

閉経期の女性が朝起きるとパジャマや寝具が汗だくということがあります。寝汗は睡眠を妨げ、不安を引き起こし、ホットフラッシュや寝汗の原因ともなってしまいます。この悪循環は、米国や他の先進国の更年期女性のかなり高い割合で起こっています。興味深いことに、ホットフラッシュや寝汗は世界中の閉経期の誰もが経験することではないのです。こうした症状に悩む女性のいる場所で何が起こっているのかを詳しく見る前に、その原因を探りそれらを取り除くことから始めましょう。


アーユルヴェーダの観点


アーユルヴェーダの観点から見れば、ドーシャの体内のアグニのバランスが崩れることでこうした症状が起こると考えられています。閉経期へ移ることは、人生のヴァータの時期に入ることなのです。ホットフラッシュや寝汗は、この信号が誤解されているというサインで、大抵はヴァータドーシャによって起こります。しかし、通常は熱に関連するピッタは現れません。ピッタのバランスが崩れると熱くなったらそのまま熱い状態に止まります。ピッタが組織の深いところに保持されている女性もいますが、ホットフラッシュの症状は、保持された熱というよりヴァータに原因があることが多いのです。


肝臓


アグニは、消化の火と呼ばれますが、ここでは、消化器官の火と代謝の火のある場所である肝臓の両方をさします。消化器官のアグニが変動すると食物を消化するのが困難になりアーマが形成されます。アーマは不完全あるいは不適切な消化の有毒の副産物のことを言います。うまく対応する言葉がないのですが、アーマは通常、不規則なホルモン分泌や体内の組織、内臓、体系の損傷を起こす原因となります。

このアーマは、消化器官から肝臓へと食物の栄養とともに運ばれていきます。肝臓の体内での役割はとてもたくさんありますが、アーマを取り除くのもそのひとつです。肝臓は5つのアグニのある場所で、それらが摂取した食物を身体が使える形に変えることです。

アーマが消化管内に形成されるとそれが肝臓に運ばれ、肝臓が持つ無数の働きをする能力を弱めることになります。それによってアーマは血流に入り、最終的には身体中の組織や細胞へとたどり着くのです。細胞レベルでは、身体が内臓のホルモンに対し適切に対応する働きをアーマが弱めるのです。

ホルモンバランスが崩れる時、それはアーマが細胞の受容体をブロックしていることが原因である高い可能性があります。この場合、肝臓を見てみましょう。肝臓を健康に保つには消化器系が健康でなければなりません。この点では、アーユルヴェーダではシンプルなのですが簡単なことではありません。「食事と生活習慣を変えれば、やがて体内のアーマが全て取り除かれる」と言うのは簡単ですが、行うことは容易ではないのです。


消化が更年期障害に与える影響


消化管、肺、皮膚から体内に入ったものは、肝臓を通らなければなりません。しかし、もしそれらが不純物だったり、質の低いものだったり、あるいは量が多すぎると、肝臓は疲れてしまいます。外因性エストロゲンや化学物質など身体がエストロゲンと間違って反応してしまうものを多く含んだ食物は、より深刻な症状を起こします。

消化器官は何を、いつ、どのように食べたかに影響されます。食べたものが新鮮で、オーガニック、旬のものであれば、それらを質の良い組織へと変換することができるでしょう。使ったエネルギーに応じて、アグニが最も強い日中に食べることで、アーマの形成を少なくすることができます、穏やかな気持ちで意識を持って食事をすると、身体が食べ物を完全に消化するのを助けてくれます。

なぜ、米国のこんなにも多くの女性が更年期障害に悩まされているかわかるでしょう。ストレスもまた消化を妨げます。新鮮でオーガニックのものを食べていないかもしれません。季節外れのものを食べるために輸入された食品を食べる贅沢をしているかもしれません。多くの食物が売られていますが、大抵はそんなに体を動かしてはいません。片手に電話、または近くの画面を見つめながらなど、「ながら食べ」をしていることも多いでしょう。

更年期障害に対抗するために、消化の火のバランスを整え、効率的に毒素を排出できるよう肝臓をいたわり、血液やリンパに流れるアーマを取り除きましょう。簡単なことではありませんが、不可能ではありません。


更年期障害のための食事法


次は、食べるべきものとバランスを崩す避けるべきものを見ていきましょう。外因性エストロゲンは有機でないフルーツや野菜、肉や乳製品に含まれることがあります。有機のものを購入することは、農薬や除草剤、防カビ剤などのホルモンバランスを乱しうる物質に触れる機会を少なくする良い方法です。

使ったエネルギー量に応じて食べましょう。余分な食物を脂肪に変えるのを抑えるため、1日で消化できる分量だけを摂ります。脂肪細胞はエストロゲンを作るため、エストロゲン・バランスの乱れが長く続き、それが症状に現れます。つまり、たくさん体を動かした日はたくさん食べ、あまり体を動かしていない日は少なめに食べるということです。エストロゲンによる代謝促進がなくなるため、閉経期には多くの場合、規則的に月経がある時よりも消費カロリーが500カロリー少なくなります。つまり、閉経期の女性は500カロリー少なめに摂取するべきだということです。これだけでも、肝臓の負担を長期に渡って減らすことができます。


肝機能をサポートする療法


気づきを持って食事をすることが、身体が食べ物を完全に消化するのを助けます。アーユルヴェーダでは、健康的な食事のための多くの指針が存在しますが、それは全て、食事の間、自己に気づき今を感じるということにつきます。そうすることで、自然と食べ過ぎなくなり、消化の火を保つことができるのです。

肝臓をサポートするために、何をどのように「与えているか」に注目しましょう。オーガニックで自然なものを肌につけ、肝臓が取り除かなくてはならない化学物質を体内から排除しましょう。上記のように食べれば、肝臓を使いすぎることはありません。他に肝臓をサポートする方法は、日中は十分な水分を摂り、アルコールやコーヒー、砂糖の入った飲み物など熱をあげる酸性の飲み物は避けましょう。メインの食事を昼間にとり、日が沈んだら食べないようにします。そうすれば、就寝するまでの間、食べたものが消化される十分な時間ができます。夜は「肝臓の時間」と考えて、安心して肝臓が働けるよう、夜には肝臓に新たな負荷をかけないようにしましょう。

肝機能をもっと高めるには、寝る前にターメリックを入れたアロエベラ・ジェルを摂ります。おおさじ約2杯のアロエベラ・ジェルに大さじ1/4のターメリックと200〜250ccの水を加えます。これが、肝臓の熱をとるので、ホットフラッシュを鎮める効果がある場合があります。

アーマを血液やリンパから取り除くには、汗をかく必要があります。毎日、水を飲みながらのエクササイズを増やし、身体が毒素を排出するのを自然に助けましょう。身体に栄養を与えながら浄化するお茶も良いでしょう。

同量のフェンネル、クミン、カルダモン、コリアンダーシードで淹れたお茶が浄化を助けます。これらを混ぜたもの大さじ1杯を2カップの水で5分間煮出して冷まします。冷めたら漉して飲みます。血液やリンパのアーマを取り除いてくれます。

健康的な食事やライフスタイルに代わるハーブはありません。シャタヴァリやヴィダリ・カンドはフェトエストロゲンやプロゲステロンを含むので良いとされますが、この場合これら植物がある程度はホルモンバランスを整えてくれます。これらを含んだハーブなど、短期的に症状を緩めてくれるものを試しても良いでしょう。ホットフラッシュが起こりにくくなるかもしれませんが、もし原因が消化と肝臓にあると気づいたら、直接それらに対処する治療を行ってアーマを取り除く方が良いでしょう。




(出展)https://www.theayurvedaexperience.com/blog/menopause-age-symptoms-signs-treatments/

2017年7月22日土曜日

夏のアーユルヴェーダ 夏の健康習慣をレベルアップ 
Summer Of Ayurveda… Take Your Summer Wellness Regime To The Next Level

この夏、アーユルヴェーダの習慣を試してみましょう。感情や体、精神の完全なクールダウンとシンプルな食事とライフスタイルのヒントから、健康的な生活のための賢明な科学だとわかるでしょう。


バランスを見つけよう


アーユルヴェーダでは、健康とはバランスが取れていることです。人は皆、アーユルヴェーダのドーシャであるヴァータ、ピッタ、カパの3つの組み合わせでできています。バランスが取れていると、これらのドーシャは完全な健康状態になります。バランスが崩れると、症状が現れ始めます。放っておくと、症状は病気へと向かいます。

夏はピッタの季節です。ピッタは、「火」と「水」の元素でできています。ヴァータ(秋)は「風」と「空」、カパ(冬)は「水」と「地」でできています。夏には、太陽の熱が私たちの周りの環境と暖かく乾燥させます。私たちの内側もまた乾いて暖かくなります。では何に気をつければいいのでしょう?


夏の健康トラブル


夏は、発疹、もちろん日焼け、短気、脱水がよく起こります。潰瘍や胸焼けなどの消化に関する問題も起こります。他に消化不良、胃酸逆流、めまいなどがピッタの症状としてあげられます。全体的に、体内の熱であるピッタが増えるのです。感情的には、怒りやイライラ、欲求不満などが起こります。

健康であるために何をするべきでしょう?アーユルヴェーダの体質であるドーシャによって、アーユルヴェーダの食事やライフスタイルを行い、5元素のバランスを取りましょう。


夏のアーユルヴェーダの食事法


体質に関わらず、夏は涼しく保たなければなりません。ピッタを鎮静させる食事をしましょう。ピッタを鎮める冷やす軽食を選び、アルコールは避け、冷やして栄養のある飲み物で水分を取りましょう。消化器官に大問題を起こすスムージーはやめましょう。酸っぱい果物、発酵した飲み物や食物、そして辛い食物は身体をオーバーヒートさせます。

対策や冷やす飲み物としてアロエベラを試してみましょう。また、目のエクササイズをして疲れ目を落ち着かせましょう。

薔薇は夏のよいパートナーです。感情を落ち着かせ、様々な使い方があります。ローズ・ラッシーやローズペタル・ミルク(リンク先は英語です)を作りましょう。トウモロコシやオクラなどの季節の野菜を楽しみ、スイカで体を冷やしましょう。


夏のアーユルヴェーダの肌とボディのケア


鎮静効果のあるアーユルヴェーダのセルフ・マッサージでピッタ・ドーシャを冷やし、昼間の暑い太陽を避けましょう。夜の就寝前には足の裏を冷やすクリームを塗ってみましょう。

髪のケアをしましょう。ハーブを使った洗浄剤を使い、洗いすぎによる乾燥を防ぎましょう。




夏はリラックスと楽しみの季節です。頑張りすぎず、競争を避けてクールでいましょう!






(出展)https://www.theayurvedaexperience.com/blog/summer-ayurveda/

2017年7月19日水曜日

更年期、その兆候とアーユルヴェーダ自然療法 Vol.1 
Menopause Age, Signs Of Menopause, Natural Menopause Treatments, Hot Flashes, Night Sweats

シンガポールに住んでからどうも暑がりになった私ですが、そんな私に「更年期じゃないの?」という友人が多くいました。確かにそんな年齢になってきましたが、この暑がりはおそらく食べ物のせいではないかと思っています。かの南国では、ニンニク、ショウガ、チリを日本とは比べ物にならないほど摂取しますから。かなり辛いものも平気になりました。
とはいうものの、年齢に限らず更年期は誰にでもやってくるもの。知っておいて無駄ではないでしょう。今回は、更年期とアーユルヴェーダについてです。

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更年期っていつ始まる?


人によって異なりますが、女性の更年期は一般的に40代後半から50代半ばに始まります。
閉経は、卵巣機能の「自然な」停止であり、生殖ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが減ることでわかります。
エストロゲンは、身体の組織の維持を助け、妊娠に向けて毎月身体の準備をします。プロゲステロンは、受精卵の着床のために子宮の準備をし、着床がなければ量が減り月経開始のきっかけを与えます。これがこの生殖ホルモンの働きであり、更年期の症状は月経がなくなるだけであることもあります。


若者指向の私たちの文化では、35歳を超えた女性にとって「更年期」ほど不安になる言葉があるでしょうか?更年期の始まりは恐ろしくできる限り遅らせたいものです。生体時計が時を刻み、更年期というアラームが鳴るのです。
自然に寄り添って生きていれば、この変化を恐れることはありません。年齢を重ねることに向き合う、人生のこの時期を喜んで受け入れるという能力を私たちは備えているからです。


40代、50代の女性にとって、更年期は究極の自由ととらえられるでしょう。出産を終え、子育て以外のプロジェクトに集中し、自分の時間を満足いくように自分のために使えるのです。


閉経とは?


閉経とは、卵巣の成長可能な卵子がなくなることで月経が自然に止まることです。卵巣は、その誘因ホルモンに反応しなくなり、エストロゲンとプロゲステロンが減少します。閉経すると出産はできなくなり、月経もなくなります。しかし、生理のある間にきちんとケアをしておけば、閉経による変化はそれだけなのです。

そのあたりの年齢になれば、そろそろ更年期かなと思うでしょう。更年期とは、大抵の場合、閉経の前後約4年くらいで、更年期の特徴的な症状を経験することがあります。閉経時は、卵子のエストロゲン生成が止まります。更年期になると、卵子がホルモンに反応しにくくなり、これが月経前後のあらゆる症状を起こします。月経が不規則になることが普通で、月経が少なかったり長期間だったりもします。月の周期に顕著な変化を感じないで更年期を終える人は、女性のたった1割以下なのです。

これらの生理学的な原因は、もちろんホルモンです。毎月剥がれ落ちる子宮内膜は、排卵前にはエストロゲン、排卵後にはプロゲステロンに応えて作られます。出産年齢の女性では、濾胞細胞が毎月周期的にこれらのホルモンを作ります。更年期には、この周期が乱れるのです。

不規則な月経で、卵巣が不規則に反応します。排卵が起これば月経があります。卵巣が脳下垂体ホルモンに反応しなくなれば、排卵もなく月経も起こりません。


更年期のサイン:不規則な月経


月経が減るのは、プロゲステロンの生成が減少するからです。プロゲステロンがあれば子宮内膜が厚くなり、なくなれば月経がはじまります。プロゲステロンのレベルが下がれば、内膜の生成が少しになり、よって量が減ります。

ある程度月経が長くなるのは、月経が不規則になるせいです。周期が乱れて排卵が行われないと、エストロゲンのせいで子宮内膜が作り続けられます。やがて卵胞が脳下垂体ホルモンに反応してその周期に達すると、次の月経はそれまで作り続けられていた内膜をはがすことになり、疲れを感じるほど長い月経になってしまうのです。

こうしたホルモン変化は自然であり、こうした生殖ホルモンの変化に対して身体がどのように調整していくか、食事や生活スタイルによって助けることができます。

アーユルヴェーダによれば、閉経は「ヴァータ」ドーシャが悪化する時期です。組織の不規則で不完全な生成は、ヴァータが関係している確かなサインです。月経の長期化はより「ピッタ」や「カパ」に表面上は関連しているように見えますが、不定期性の原因要素は、ヴァータです。

つまり、更年期の症状を管理するには、ヴァータ・ドーシャを管理することが不可欠だということです。ストレス、栄養不足、カフェインは、不規則な月経の3つの引き金であり、食事やライフスタイルで対応可能なのです。アーユルヴェーダ的なライフスタイルで、規則正しく適切なセルフケアを行っていれば、更年期の影響を小さくすることができます。毎日のエクササイズや自然に身を置くこと、そして瞑想は、よりよい食事を選ぶ土台とのあります。よい食物と健康的な食べ方で、栄養不足は解消できます。自然に身を置き、エクササイズをし、プラナヤマを実践すると、一日中刺激物を必要としなくなります。

有名なアーユルヴェーダのことわざがあります。「間違った食事をしていれば、薬は役に立たない。正しい食事は、薬を必要としない」食事と生活スタイルをちょっと変えることで、身体の他の部分のバランスを取るためにエストロゲンへの依存を転換することができます。これによってエストロゲンが急に減少することでおこる症状の重症度が下がります。

症状がもっと深刻な健康問題だと思われる場合は、必ず医師に相談してください。


更年期とアーユルヴェーダ


アーユルヴェーダはインドの古代からの自然療法で、ヨガとは姉妹関係にあります。アーユルヴェーダ理論によれば、私たちと周り全てが5要素(空、風、火、水、地)から成り、身体と精神の原理としての3つのドーシャとして表れています。これら5元素やドーシャが、多すぎたり少なかったりバランスが崩れると、病気になります。

異なるドーシャ

あなたの中には「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」ドーシャの組み合わせがあります。みんながそれぞれ、異なる比率でこれらを持っているのです。
  1. ヴァータは、風と空から成る。動き、創造、敏捷
  2. ピッタは、火と水から成る。知性、代謝、体温
  3. カパは、水と地から成る。身体の構造、癒着、愛、共感、堅実
アーユルヴェーダは、人生の各段階におけるドーシャの影響を示しています。それはどういう意味でしょうか?

幼少期、また成人早期は、カパ・ドーシャと呼ぶものに特徴づけられています。例えば、成長はカパの特徴です。成人期は、生産性などのピッタの性質に大きな影響を受けます。年配になれば、縮小などのヴァータの性質に影響されます。

各段階の後半は、次の段階のエネルギーが集められます。これは、成人早期にすべての人の身体と心に、ピッタ体質でなくても、ピッタが増えることを意味します。思春期のピッタ的反抗にこれを見ることができます。

女性が年を重ねると、30代から40代にはヴァータが蓄積され始めます。身体はまだピッタの段階で活発に生産的で、出産に対する十分な能力もありますが、ヴァータが少しずつやってきます。代謝の変化やエネルギーの変動などで身体の微細な変化を感じるはずです。

この微細なヴァータ増加の嵐に対応すれば、身体や精神、感情に大惨事を起こす前にヴァータを鎮静できます。これができれば、激変ではなく、自然な変化として更年期を過ごすことができるでしょう。

一日を過ごす間に、食事や睡眠、エネルギーなどの習慣を通して、ヴァータを鎮めましょう。


アーユルヴェーダの自然の更年期治療:食事、睡眠、エネルギー


他のアーユルヴェーダのアドバイスと何ら変わらないように見えるかもしれません。これらの基本に沿って過ごしていれば、ヴァータの蓄積を遅らせることは事実です。ヴァータを調整すると、否定的になるほどの鋭く圧倒的な変化ではなく、適応が可能な自然で緩やかな変化になります。思春期につける魔法の薬がないように、更年期を準備するための魔法の薬はありません。何がやってくるのか、その変化に準備する身体を作っていくと、無理なくその変化に乗れるでしょう。

以下の食事、睡眠、エネルギーの提案は、日常生活を良い影響を与える賢明なヒントです。


食事

  • 食事には特に気を付けて。未加工で新鮮、オーガニックのものを摂りましょう。
  • エストロゲン優勢になるものを含む可能性があるので、加工品やオーガニックでないものはやめましょう。
  • プラスチック容器に入った食物や飲み物を避けましょう。プラスチックはエストロゲンを模倣し正常なホルモンバランスを妨げます。
  • 意識して食事しましょう。
  • 食事を味わい、自らに栄養を与える時間を持てることを味わいましょう。これによって得られる栄養は高まり、神経が鎮静します。
  • 身体の声を聞きましょう。
  • 空腹時のみ食べ、空腹感がなくなれば食べ終わりましょう。アーユルヴェーダでは、満腹の75%を薦めています。
  • 代謝は少しずつ変化します。以前の食事量が必要以上の量になっている兆候を見逃さず、それに沿って調整しましょう。
  • 水をたっぷりとりましょう。
  • 朝、約400ml程度の白湯を飲みましょう。レモンを少し入れてもいいでしょう
  • 日中は水を少しずつ飲みましょう。
  • 湿り気のある食物を摂り、食事の時は少量のぬるま湯かお茶だけを飲むようにしましょう。


睡眠

  • 十分な睡眠を取りましょう。
  • 十分な夜の睡眠をとるため早寝をしましょう。
  • 眠りにつく時や眠り続けたい時にメラトニンのサポートを受けられるよう、少なくとも一時間前には電子機器の使用を止めましょう。
  • 寝室は暗く静かで快適にしましょう。安らかな睡眠が取れます。
  • コーヒーや砂糖などの刺激物、アルコールなどの鎮静剤を摂らないようにしましょう。
  • できれば戸外で、日中何らかのエクササイズを行いましょう。
  • 睡眠障害がある場合は、睡眠時間を取り戻すために瞑想誘導やヨガニードラのCDを聞きましょう。

エネルギー

  • エネルギーを温存しましょう。
  • 活動的な時は、食べたものからエネルギーを引き出します。そのエネルギーがなくなれば、蓄えたエネルギーを使います。疲れを感じる時は、そうしたエネルギー源が枯渇しています。エネルギーを使い続けると、アーユルヴェーダで言う生命力の蓄えであるオージャスが枯渇します。
  • エネルギーをどのように使うかを気にかけて、常に使うより少し多いエネルギーを蓄えるようにしましょう。蓄えたエネルギーでできることだけを行います。疲れたらやめましょう。日々を過ごすのに何らかの刺激物が必要なら、あなたの生命力の蓄えは枯渇します。
  • 日課を作りましょう。浄化、ストレッチ、呼吸、瞑想など効果的な日課で一日を始めましょう。
  • 気をつけましょう。日中の活動と休息のバランスを取りましょう。エクササイズを取り入れましょう。疲れて休息をとり、刺激よりも滋養をとっている時を意識しましょう。午後、エネルギーがなくなっているのを感じたら、短い散歩をして深呼吸しましょう。果物やナッツなど栄養の高い食物を摂りましょう。



次回に続きます・・・

(出典)https://www.theayurvedaexperience.com/blog/menopause-age-symptoms-signs-treatments/

2017年7月11日火曜日

<日記>ガムランでヨガ 

インドネシア、ジャワ島はジョグジャカルタ出身のガムラン奏者、
そしてワヤンクリの演者である茨木在住ユニット、Hanajoss さんと
ヨガとガムランのコラボイベントを行いました。
浄土真宗のお寺の会館をお借りしてのイベントです。

普段、週末のクラスは行っていないのですが、
お仕事の都合で週末しか参加できない方や、遠方の方など
初めましての方から、馴染みの顔まで多くの方にお集まりいただきました。

不眠症に悩まれている方、腰椎のすべり症と診断された方、
生理不順だったり、過敏性腸症候群だったり、
糖尿で高血圧、はたまたリウマチの持病をお持ちだとか。
全くの健康体!という方は逆に珍しいのかもしれません。

当日は、ガムランに合わせてマントラを唱えて心を落ち着けた後
プラナヤマで呼吸と気を整えて、少しずつ身体を緩めていきました。
緊張と弛緩を繰り返し行い、そのたびにリラックスが深まっていきます。
この方法は、シンガポールのインド人ドクターのもとで私が習得してきたもので、
実際に、様々な症状の方がその効果を感じられているのを目の当たりにしてきました。

また、ガムラン楽器の金属の周波数は脳をリラックスさせる効果があるそうです。
Hanajoss さんは、他に弦楽器と唄、シンギングボウルに、蛙や牛の声が出る楽器まで駆使されて、それはそれは素敵な温かいのんびりとした空間を作り出してくださいました。
インストラクションをしている私までもがどんどん心地よくなってくる感覚。

瞑想に近い形のヨガとガムランの音、相乗効果が間違いなくあったのでしょう。
すっかり寝てしまった方もいらっしゃいました。



約1時間はあっという間に過ぎてしまいました。
最後のSavasanaの後、「起き上がって一緒にマントラを唱えてもいいし、そのまま寝転がっていても結構です」と言ったところ、下のような状態となり・・・(笑)



静かに Closing Prayer を独唱した後、ガムランの音色にしばし耳を傾けました。
そもそも現地のガムランは、戸外や半戸外で行われ
寝たり食べたりお喋りしたりと、のーーーーんびりと聞くものだそうです。

普段のクラスでは、ポットにハーブティーを作っていって皆さんと一緒にティータイムをするのですが、当日は時間がなかったので
お土産にネパールのお茶とカルダモンをおすそ分けしました。




翌日、不眠症の方から昨夜はよく眠れたと感謝のメールをいただきました。
お金とか人気とか有名になるとかじゃなく、こんなことが本当に嬉しいと思うのです。
一人でも多く、悩みを解決したり楽しく平和に暮らすための、ちょっとしたお手伝いができればいいなと思うのです。

そしてこんな機会をもてたことに感謝です。
会場を貸していただいた方、演奏してくださったHanajossさん、
こういうヨガのありかたを教えてくれた先生がた、
好きなことを勝手にやらせてくれている家族に、
そして何よりお越しいただいた方々に。


2017年7月4日火曜日

ヨガとエネルギー 
Yoga and Energy

物理学者にとって、エネルギーとは運動の容量だ。運動とは、与えられた力によって物体が動くことのできる距離だと数学的には定義される。
とても退屈な定義だ。ヨガにおいてエネルギーはどのように働くのか、というのはずっと興味深いものだ。何に使われ、それをするためにどうやって得るのだろう?

さて、ヨガの視点から見たエネルギーを理解する簡単な方法は、「エネルギー 2-3-4」と覚えればいい。


エネルギーに関してヨガを通してできる2つのこと


ヨガの実践により得られる生理学的な効果は、エネルギー的に次の2つだと言える。
  1. スイッチを入れる
  2. 詰まりをとって流す
庭のホースに例えるといい。美しい森のアシュラムにヨガと瞑想のリトリートに一年間行ったとしよう。家に帰ってきたら庭はぼうぼうだ。注意して枯草を刈り、1年間庭に放ったらかしだったホースで芝に水をやる。蛇口をひねるが水は出ない。ホースに泥や虫が詰まっているのだ。そこで、君はホースにちょっとしたヨガをさせる。詰まりが取れて水が流れるまで、曲げたり捻ったりするのだ。
エネルギーを使うためには、繋がっている必要がある。ホースは、川岸のごとく水の流れに繋がっている。電線は電気の流れにつながっている。そして、身体もまた多くのものと繋がっている。電気的エネルギーのための神経、科学的エネルギーのための血管が存在するが、もっと微細な経路(インドのヨギはナディと、中国では経絡と呼ぶ)もある。これらが詰まっている時は、流す必要があるのだ。
これがヨガでやっていることだ。スイッチを入れてエネルギーの流れを刺激する。そして閉塞や障害を取り除いてエネルギーを流す。この閉塞をサンスクリット語では「グランティス」と呼ぶ。幸いなことにヨガはグランティスを打ち砕くことができる。


エネルギーの3つの使い道


ヨガではエネルギーを次の3つの働きに使っている。
  • 運搬
  • 変換
  • 伝達
物質は身体の中である場所から別の場所へと移動する必要がある。これがエネルギーの運搬機能だ。食べ物を摂り、その残余物を排出し、栄養を内臓から血流へと(そして全細胞へ)、または手足を動かしたりと運搬は大変な量のエネルギーを必要とする。

同様にエネルギーを要するのが変換に関する働きだ。身体は、食物の栄養と空気を燃料としてのグルコースに、またはあらゆる組織へと変換する必要がある。全ての細胞は、栄養をタンパク質、酵素、メッセンジャー分子へと変換する小さな工場である。そして変換されたものは必要な場所へと運搬される。

メッセンジャー分子とは、体内の伝達系の一部である。しかし、メッセージを伝達するのには電気信号などのさらに洗練された方法もある。そして伝達に使われるエネルギーは、運搬や変換に使われるものよりはずっと少ない。実際、このエネルギーを「微細」と呼んでいるのだから!

運搬や変換に使うエネルギーを計るのは、基礎代謝という形で見られるので簡単なことだ。熱は、こうしたエネルギー使用の一般的副産物で、身体がどれくらい熱を持っているかも体温計を使えばすぐわかることだ。しかし、伝達に費やされるエネルギーはかなり少ないので感知するのがもっと困難だ。

体内の様々な伝達系が理解がすすんだのは、他のエネルギー使用状況を把握した後だったのは当然である。医学のある新分野が、「細胞内シグナル伝達」というたったひとつの側面に割り当てられている。身体的ストレスや組織への圧迫がどのように伝達されるのかの研究が「メカノバイオロジー」と呼ばれている。「エネルギー療法」と呼ばれる分野もある。これらの医療分野は、細胞がお互いに様々な技術で伝達しあっているということを発見している。電気や化学物質、PHレベル、圧力、触覚、音、光や電磁場などだ。


スイッチを入れる4つの方法


ヨガのアサナで作るストレスや動きは、エネルギーの流れを刺激しその流れの詰まりを減らしたり取り除いたりしている。

動きやストレスは、微小な電流や電磁場を体内に作りだす(圧電気という)。また、メカノトランスダクションというプロセスを通し、筋膜から筋膜内細胞へと加わる身体的ストレスが、そうした細胞を刺激する信号を作り出す。筋膜内では、組織の治癒を助けたり栄養を与えたりするために、または瘢痕組織や癒着を解消するため、成長因子や酵素が活性化する。

スイッチを入れエネルギーの流れを刺激する東洋の4つの方法がこれだ。
  1. 鍼治療
  2. 指圧
  3. 気づきの移動
  4. 呼吸法
私はこれらの方法をサラ・パワーズから教わった。残念ながら、サラも私も生徒に鋭い針を刺すライセンスは持っていないし、ヨガで鍼を使ったりはしない。ほかの3つは間違いなくヨガでも使える。ストレスと圧力は伝達の形だ。ヨガをするときは、伸組織に与える長と圧縮のストレスを両方作り出している。こうした指圧は、細胞が反応する別の信号でもある。「感じているなら、やっていることだ」と言えるのだ。

マインドフルネス瞑想である気づきの移動は、ヨガの練習でよく行われるが、これの体への影響も測定できる。自分でやってみるとよい。1分間、手の親指の先に意識を集中する。1分後には、親指が感知できるほど温かくなっているだろう。意識は血管を拡張させ、集中した場所に多くのエネルギーを送るのだ。

呼吸は言わずもがな命である。しなければすぐに死んでしまう!古代の言語では呼吸は命と空気の両方の意味を持っている。ラテン語の Spiritusin は魂と息の意味であり、プラナも同様に生命力と呼吸という意味を持つ。呼吸は、酸素を送るだけでなく(細胞が燃料を燃やしエネルギーを放出するため)、呼吸自身が刺激となる。ゆっくりとした安定した呼吸を一定の場所に意識をもって行うと、そこのエネルギーの流れを強化することができる。もちろん、身体中に肺があるわけではないが、身体全体に張り巡らされた筋膜のネットワークがある。一呼吸一呼吸がそのネットワークにストレスを与え、集中していれば、それぞれのポーズの中でそのストレスをその場所に感じることができるのだ。


(出典)https://yogainternational.com/topic/practice