2018年10月11日木曜日

脳には静寂が不可欠 科学が証明 
Science Says Silence is Vital for Our Brains


騒音は害、静寂は癒しだという証拠


静寂の価値というのは、人生の中で誰もが感じることだ。静寂は、快適で居心地の良いものだ。インスピレーションを与え、心や体、魂を育む。その一方、騒々しい世界は私たちの創造性や内なる繋がりを押し流し、回復力を奪う。私たちの疲れ切った脳や体を再生するために必要なのは静寂だということを、現代の科学は示している。

研究によれば、騒音は私たちの脳にとても強い身体的影響を持ち、ストレス・ホルモンレベルの上昇を引き起こす。音は、耳を通して電気信号として脳に伝わる。私たちが寝ている時も、この音波によって体が反応しており、記憶や感情に関係する脳の扁桃体を活性化しストレス・ホルモンを分泌する。つまり、常に騒音のある環境で暮らすと、こうした有害なホルモンがとてつもなく高いレベルになるということだ。

興味深いことに、「noise(騒音)」という言葉はラテン語の「nausia (不快感、吐き気)」、あるいは痛み、損傷、怪我という意味のラテン語の「noxia」からきていると言われている。騒音は、高血圧、心臓病、耳鳴り、睡眠障害などに繋がる。私たちは皆、騒音公害の有害な影響を経験している。過剰な騒音は体の感覚に大きなストレスとなり、今日では、神経質で秩序のない騒音環境下で正常に活動できないとより多くの人が言われるようになっている。しかし現代の科学によって、騒音は有害だが静寂が癒しとなるとなると証明している。



静寂の効果


2011年、世界保健機関(WHO)は欧州における健康問題を調査し規模を測った。それにより、西ヨーロッパの3億4000万人(アメリカの人口にほぼ相当)が、騒音が原因で毎年1000年分の健康的な生活を失っていると結論づけられた。WHOはまた、3000件の心臓病死の根本原因は過剰騒音だと述べた。Psychological Science誌で公表されたコーネル大学のゲイリー・W・エヴァンズ教授の研究では、ミュンヘン空港近くの児童たちへの空港騒音の影響をグラフにした。騒音にさらされた子供達は、騒音の無視というストレス反応を起こしたと示した。子供たちが空港の有害な騒音だけでなく、人の話す言葉など日常の騒音もまた無視するということを、教授は発見した。
この研究は、(聴覚障害を起こすレベルでなくても)騒音がストレスを作り人に有害であるという最も強固でおそらく最も信頼できる証拠である。 :ゲイリー・エヴァンズ教授
静寂の効果の研究は科学者らが能動的に始めたわけではなく、たまたまその効果を発見したのである。最初は、科学的研究において騒音や音楽の効果を比較するため、科学者らが基準として静寂を使い始めた。2006年、ルチアーノ・ベルナルディ医師が騒音と音楽の生理学的影響を研究、驚くべき発見をした。彼の研究の被験者らは騒音や音楽の間に任意の長さの静寂を与えられ、大きな効果を経験したのである。リラックスさせる音楽や実験が始まる前のより長時間の静寂よりも、脳にとっては2分間の中断の方がずっと大きなリッラクス効果があったのだ。実際、ベルナルドの「無関係」の中断が研究の最も重要な側面となったのだ。彼の重要な発見のひとつは、静寂は差異によって強められるということだった。

The brain responds to silence
脳は静寂を認識し力強く反応する


多くの瞑想の指導者や実践者はこれが事実だと言えるし、スピリチュアルな指導者は生徒たちに1日のうちに何度も瞑想的な小休止を取るように指導する。静寂には意味がないと考えがちだが、科学は逆を示している。脳は静寂を認識し、力強く反応するのだ 。デゥーク大学の再生生物学者イムケ・キルストののちの研究では、1日2時間の静寂が記憶生成や感覚に関係する脳の海馬の細胞発達を促すことを発見した。



スイッチを切る時間を取る


注意回復理論(Attention Restoration Theory)によれば、知覚インプットが低いレベルの環境にあると脳はその認識能力のいくらかを「回復」することができる。デジタルな世界ではなかなか脳のスイッチを切ることがない。常に膨大な情報を処理している。現代社会の絶え間ない注意の必要性が、私たちの前頭葉(意思決定や問題解決などを司る脳の部分)に大きなストレスを与えているという研究がある。ひとり静寂の中で過ごす時は、脳はリラックスしてこの絶え間ない集中を解放することができる。

研究者らが発見したのは、静寂のもとでは新しい細胞がニューロンを二分化しシステムに統合するのを助け、また静寂を体験している時の私たちの脳は内外の環境をよりよく理解することができるということだ。私たち全体の幸福に欠かすことのできないこと、つまり人生の意味の理解と総体的な見方が可能になるのだ。


Silence relieves stress
静寂は、脳と体のストレスと緊張を解く


騒音がストレスを作る一方で、静寂は脳内と体のストレスと緊張を解く。静寂は私たちの認識能力を回復し活性化する。騒音は集中力と認識能力を奪い意欲と脳の機能を下げる(騒音影響の研究に裏付けられている)、しかし様々な研究によれば静寂に身を置くことで過剰な騒音にさらされて失ったものを驚くほど回復することができる。古代のスピリチュアルな師たちはこれら全てをよく知っていたのだ。静寂は癒しである、静寂は私たちの内面深くへと導く、静寂は心と体のバランスを取る。今や科学が同様のことを言っている。

自然や静寂の癒しの効果は十分に立証されているが、この探求もまた健康と幸福、そして脳の活性化のために付け加えることができるだろう。静寂という簡単だが古代からの経験は、現代の狂ったライフスタイルを鎮めるのに必要な鎮痛剤となりえるのだ。


静寂は空。空は目覚めた精神の拠り所である。– ブッダ




(出典)https://upliftconnect.com/science-says-silence-is-vital-for-our-brains/

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