前回からの続きです。
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習慣的な(そして計画的な)運動
消化力の弱いヴァータ型の人には太陽神経叢の強化が効果的で、ハタにおいては最もよいエクササイズはアグニ・サラ。このエクササイズでは、骨盤底筋を閉めて体の基部を「ロック(締める)」する。そして恥骨から胸へと上方へ息を吐いた後、顎を胸骨に引いて顎も「ロック」する。このロックは、エネルギーであるプラナを保つ方法だが、アグニ・サラは、このエネルギーを作り、保ち、凝縮するのを助ける。毎日の短時間の練習でも消化力が高まり熱を作る。より強い練習をすれば、エネルギーを引き起こして精神が明晰になる。
ヴァータ型の関節は弱く不安定になりやすいので、ポーズを強化することに集中する必要がある。立位のポーズ(ランジ、戦士、三角形、角度など)や、バランス・ポーズ(木、踊り子)などは、両足から地に着かせるので特に有効だ。またヴァータ・タイプは、温めて消化力を強くする有酸素運動が必要となる。強度の低い運動、例えば水泳やウォーキング、自転車、ダンス、スケート、ローラーブレードなどがよいだろう。
ジェニファーは、フォークダンスを続け、もっと歩くよう勧められた。ヨガセラピーのセッションの間、セラピストと一緒に立位とバランスのポーズとともに、柔軟性を維持するポーズも行った。セラピストは、呼吸に意識をむけて動くことが大事だと強調する。初めのうち、ジェニファーはこれが難しいと思ったが、数日のうちに呼吸に集中できるようになり、頭の中だけでなく体の中に自分が確かにいるという心地のよさを感じている。
ヴァータを鎮める食事
ヴァータは、火を通した暖かく汁気の多い、少しスパイスを効かせた、栄養のある、やや油分の多い食事でバランスを取り戻す。甘く塩気のある味付けが特に重要だ。甘い食物(穀類や乳製品、果物、自然の甘味料)は滋養がある。塩分は水分を保持し乾燥を防ぎ、また消化の火もつけてくれる。ヴァータの人は消化力が弱くなりがちなので、消化の火を増やすハーブがよい。生姜、ニンニク、クミン、ターメリック、コリアンダー、シナモン、クリーブ、ローリエ、フェヌグリークなど。消化力が十分強くなれば、乳製品も取り入れられる。ブロッコリーやキャベツ、カリフラワー、ほとんどの豆のようなガスっぽい野菜は、当然のことながら避けるべきだ。冷たく、軽い、乾いた食物はヴァータのバランスをさらに乱す。サラダ、生のもの、パフにした子曇る、炭酸の飲み物、軽くてサクサクしたスナック、さらにイーストのパン(空気がいっぱい入っている)も、食べるのは少量にする方がよい。
ジェニファーは、こうした考え方の説明を受けた。滞在期間の彼女の食事は、全粒穀物(米、オーツ麦、スペルト麦、全粒小麦)、水気の多い根菜(スクワッシュ、カボチャ、ヤムイモ、人参)、甘い果物(オレンジ、梨、火を通した林檎)、ナッツ、豆腐、そして乳製品からなる。サラダやキャベツ科の野菜、ほとんどの豆は含まれない。午前中、人参と林檎のミックスジュース(甘く滋養があり、浄化する)を飲み、午後はスパイスの効いた温かいミルクと甘いスナックが出される。彼女は乳製品に軽いアレルギーがあるが、このリトリート・センターで作られた新鮮なチーズや、スパイスを入れたミルクはガスの問題を引き起こさなかった。
またジェニファーは、何をどのように食べるかに気づきを持つよう指導され、意識を向けて味わい、噛み砕き、飲み込む。参加する料理教室では、こうした食事を自分で作る方法を学ぶ。教わる食べ物の繊細な味わいに感謝し、家でのメニューが増えることにワクワクしている。
新しいハーブ・トニックを試す
一般的にヴァータタイプは、体を作り、力がつく滋養のあるハーブを摂る必要がある。最も強力なアーユルヴェーダのハーブ・トニックは、アシュワガンダ、シャタヴァリ、プナルナヴァだ。これらのハーブは甘い味で免疫、力、エネルギーを高める。
腸管にとっては、水溶性繊維(オオバコの種殻)は不可欠で、少なくとも腸の調子が再びよくなるまでは必要。水溶性繊維は、下剤としても下痢止めとしても働く。水分を吸収して下痢を止める一方で、その粘性と膨張性が整腸効果を持つ。トリファラもまた、腸機能を強化するのに良い。フスマのような不溶性繊維は乾燥しており、腸壁を刺激して下剤として働くが、ヴァータのバランスが崩れがちな人は避けるべきである。
ジェニファーは、毎朝オオバコの種殻を大きなコップ1杯の水かジュースに入れて飲み、就寝前にトリファラのお茶をカップ1杯飲む。また、上記の体力をつけるハーブ・ミックスの錠剤を1日2回、タツナミソウ、リコリス、五味子とともに飲む。
その次は?
帰宅してから、ジェニファーはこの養生法を最低2ヶ月続けることになる。腸が正常になればオオバコを摂るのを止め、3-6ヶ月の間にトリファラ・ティーや他のハーブを徐々に止めて症状が出た時だけ使うことにする。
家に帰ってから、毎日をきちんと整えるためのスケジュールの立て方を教わっている。決まった時間に、起床し、食事をし、寝て、運動(ストレッチ)をし、休憩をとるよう助言された。彼女の自由奔放な毎日を変えるのは難しいとわかっているが、症状がずっと改善しているので習慣を変えようと決心している。
やや不安に感じながらリトリート・センターを出た。本当に覚えたことをできるだろうか?スタッフは、それがどんなに小さくても、ずっと変わっていけばよい効果を生み、そしてそれが結局のところ他の変化への動機になるのだと彼女を安心させた。質問や心配があればいつでも電話で答えてくれるし、6-8週間は評価と促進のためフォローアップしてくださいと言われた。
(出典)https://yogainternational.com/article/view/gut-reaction-ayurveda-for-ibs
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