2021年2月19日金曜日

平均以上の可動域が必要な4つポーズ(追加) 
4 More Common Poses That Require Greater-Than-Average Mobility

前回に続き、可動域に関する追加の記事です。
こうなってくると、よく出てくるポーズのほとんどが、インスタで見るような形にはなれないかもしれないと気づくかもしれません。
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人はみな、形もサイズも違っていて、プロポーションが違い、生活スタイルも習慣も違うということを私たちはわかっています。けれど、ヨガマットの上に立った途端、なんとなくその違いを忘れてしまい、全てのポーズで同じ形、角度になると期待してしまいます。


教科書通りのアライメントは、多くのポーズで、(下記のように)基本的だと思われているものでさえ、平均以上の可動域を必要とします。けれど、「平均」とは計算して出てきたものであり、誰も実際に「平均」な人はいません。一般的に、私たちは平均よりも可動域が大きいか小さいのです。肩には大きな可動域があるかもしれないし、股関節では小さいかもしれません。もしくは、左右に可動域に差が出るような姿勢や仕事、スポーツが原因の筋肉の緊張を抱えているかもしれません。


なぜなら、私たちはみなユニークで、全てのヨガポーズで理論的に理想的にするために自分の体に無理をさせることは意味がありません。ですから、練習を探求と調査の機会ととらえ、自身の関節や筋肉、筋膜などのユニークな組み合わせを知る機会としましょう。


では、「平均」の可動域とよくあるヨガポーズの「伝統的な」バージョンを比べていきましょう。




1.戦士のポーズ1(ヴィラバドラーサナ1)


後ろの足首背屈 20−30° (平均 12-20°)
後ろ足の内反30-45°  (平均 5-35°)
肩の屈曲 180°   (平均 165-180°)

 
戦士のポーズ1(ヴィラバドラーサナ1)は、集中とエネルギーを上にもち上げて、力強い土台を作ります。後ろ脚の股関節屈筋をストレッチし、胸を開き、肋骨の横から広背筋を伸ばします。この基本的なポーズが、太陽礼拝Bの鍵となることを踏まえれば、このポーズは誰でもが可能なものだと考えるかもしれません。しかし、両腕を頭上に伸ばすことが困難な体がある一方で、多くの人にとって、このポーズの伝統的なアライメントを妨げているのは後ろの足首関節の可動域です。後ろの踵を地面においたまま、骨盤を前に平行にするのは心地よいものではなく、多くの生徒にとっては不可能ですらあり、前の膝を曲げ得るとその難しさはより深まります。このポーズで多くの人が追求しているアライメントは、足首の通常の可動域を超えているため、難しいのは当たり前なのです。


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2. 戦士のポーズ2(ヴィラバドラーサナ2)



後ろ足の内反 35-45° (平均 5-35°) 
前の股関節の外旋 70-90° (平均 40-50°)
前脚の外転 70-90° (平均 40-50°)  



戦士のポーズ2(ヴィラバドラーサナ2)は、安定した、固い決意を持った、力強い立位のポーズです。両足がしっかり床について、両腕は肩の高さ、これはこのリストの中で最もやりやすいものです(股関節の通常の可動限界という条件があれば)。


しかし、「教科書通り」のアライメントは、前脚を真っ直ぐ前に向けて90度に曲げ、股関節をマットのサイドに向けていますが、これは、特に前の股関節と後ろの足首に、ほとんどの体型の人よりもずっと広い可動域が必要となります。戦士のポーズ1のように、前膝を深く曲げるにつれ、後ろの足首の可動域がより必要となります。


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3. 牛の顔のポーズ(ゴムカアサナ)



上の肩関節屈曲 180° (平均 165-180°)
上の肩関節外旋 80-90° (平均 80-90°)
下の肩関節内旋 60-90° (平均60-90°)
股関節外転 30° (平均 20-30°)
下の股関節外旋 60-85° (平均 40-50°)
下の股関節外旋 50-70° (平均 40-50°)





牛の顔のポーズ(ゴムカアサナ)に関連する動きの組み合わせは、体のさまざま部位の効率的なストレッチとなります。腕の位置は、胸と肩のほとんど全ての筋肉に影響し、慢性緊張のよくある原因(三頭筋、広背筋、三角筋)をも含みます。そして、股関節を開くヨガポーズの多くが股関節を外転する一方で、ゴムカアサナは、両脚を体の中心線で交差させます。しかし、このポーズの複雑さはまた、どうして多くの人にとってこのポーズが難しいのかを説明しています。ひとつの局面では可能でも、他のところで伝統的アライメントの達成が難しいのかもしれないからです。


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4. 弓のポーズ(ダヌラアサナ)


股関節伸展 20-30° (平均 10-30°)  
肩関節伸展 80-90°(平均 40-50°)  
脊椎伸展(胸椎・腰椎) 50-75° (平均 35-55°)



胸を開く後屈は、肩を前に引いて胸を圧迫するという日々の姿勢への強力な対抗策です。そうした理由から、姿勢と呼吸の両方に効果があります。仰向けの後屈はより効果的かもしれませんが、頭と肋骨を重力に逆らって持ち上げることは、忘れられている体の背面を強化しることができます。弓のポーズ(ダヌラアサナ)は、この分類に入ります。しかし、両腕と両脚が繋がっているため、コブラ(ブジャンガアサナ)やバッタ(シャラバアサナ)のようなものより大きな可動域が必要となります。


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気づいていようと気づいていないであろうと、私たちはすでにそれぞれのヨガポーズを行う自分自身の道を見出しています。私たちの体は、私たちが理解しているよりも適応性と弾性がありますが、同時に限界もあります。全ての人に、全ての関節の動きに限界点があり、ヨガポーズでは、他の日常の活動以上にその限界点に直面することが多くあります。それは、基本とされているこうしたポーズにおいても、言えることです。その知識が、理論的な理想を手放し、肉体的な練習を変化させてくれるでしょう。心を開いて、私たちの練習の行く先にあるものに好奇心を持って、マットの上に立ちましょう。

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