普通のお店でも徐々に増えてきている気がするグルテンフリー表示のパッケージ。
そもそもなぜグルテンが問題なのでしょう。なぜ突然食べられなくなるのでしょうか。
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理解その1. グルテンの消化
グルテンは消化し難いタンパク質で、胃の強力な胃酸である塩酸、つまり「消化の火」で分解しなければなりません。もしグルテンが消化されずに小腸に向かえば、皮膚や腸壁の絨毛に炎症を起こす原因となります。多くの研究によれば、未消化のグルテンタンパクは腸の絨毛を炎症させたり分離させたりするほど刺激が強く、グルテンや他の未消化タンパクや毒素が消化管の周りにあるリンパに入っていきます。膨満感や疲労感、頭のモヤモヤ、免疫低下、アレルギーなど、グルテン関連の消化不良によるリンパの詰まりは多くの症状をもたらします。
理解その2. 消化の火を点ける
これはもう一度グルテンを楽しむための大切な過程ですが、ただ火を点ける、あるいは消化剤を飲む前に問わなければなりません。「そもそもなぜ火が消えてしまったのか?」
以下はいくつかのよくみられる原因です。
- 胃の乾燥
- 肝臓や胆液のつまり
- 胃の癒着
- 便秘
- ストレス
理解その3. 胃の潤いを取り戻す
アメリカ人のほとんどは脱水状態で、特に胃は脆弱です。胃はとても多くの酸を作りますが、胃壁の保護がなければ、胃に穴を開けてしまうか潰瘍を作ってしまいます。それを防ぐため、胃壁は80%が水分の重炭酸塩細胞の保護膜に覆われています。この保護膜が乾燥すると、胃の中の酸を中和することができなくなり、胃は消化の酸の生成を減らすよう信号を受け取ります。結果として、小麦や乳製品、大豆やナッツ類など消化しにくい食べ物などは消化不良となります。
胃の保護膜を潤わすために、毎食15-30分前に 200ー350cc のお水を飲みましょう。食事中にたくさん水分を取ると胃酸を薄めてしまうので、食前に飲むようにします。
理解その4. 肝臓の詰まりを除いて胆汁の流れを高める
肝臓が作る胆汁の役割は、 脂肪を分解すること、そして小腸に入る時に胃酸を中和させることです。胆汁は不足して停滞したり濃くなることが多いのですが、胃の消化の火を強くするためにはそれを改善する必要があります。小腸への胆汁の流れが足りなくなると、胃酸の中和が滞ります。すると胃酸は胃の中に残り続け、胸焼けの原因となるのです。時間と共に、少ない胆汁の流れに合うように、胃は酸の分泌を減らしていきます。
胆汁の流れを増やす方法:
- 赤カブを毎日食べる
- 食事の半分は緑黄野菜にする
- 就寝前に大さじ1-2杯のオリーブ油と小さじ1-2杯のレモン果汁を、1ヶ月間続ける。
- フェヌグリーク茶を飲む
- ココナツ油やオリーブ油など良質の油の摂取を増やす
理解その5. ストマック・プリングで胃の癒着を解消する
胃の癒着は、胆汁の停滞や胸焼け、長期間のストレスなどの原因となります。ストレスがあると、胃は横隔膜の方へ引き上げられます。そのうちに、胃は横隔膜壁の下面に文字通り癒着してしまい、消化不良や呼吸困難などの症状の原因となります。その解決法は、私が「ストマック・プリング」と名付けたエクササイズが良いでしょう。
ストマック・プリングのやり方
背にもたれて椅子に座ります。背中をまるめて親指を肋骨の下のお腹に差し込みます。かなり強い圧力で両サイドを押しましょう。痛みを感じたら、その場所を押し続けて息を深く吸い込みながら後ろへもたれていき、おへそに向かって親指を下ろしていきましょう。1日に2回、肋骨の下の痛みが全てなくなるまでこの動きを2分続けます。
理解その6. 便秘を解消する
腸の動きが悪いと内臓に毒素が蓄積されて、肝臓へと戻っていきます。そして、こうした毒素はゆっくりと肝臓を詰まらせて胆汁が濃くなっていきます。良い腸の排泄を保つことは重要なのです。それを助けるため、腸を整えきれいにする働きをするトリファラと呼ばれるアーユルヴェーダのハーブがあります。最良の効果を得るには、就寝前に2-4カプセルのトリファラをコップいっぱいの水で摂りましょう。
理解その7. ストレスに対処する
消化力を衰えさせる最も大きな原因は、おそらくストレスでしょう。現代社会では、ストレスを内臓から取り除くために毎日の瞑想は重要です。ストレスは腸全体で処理されること、そして体が作るセロトニンの95%は腸内で作られることが知られています。
理解その8. リラックスして食べる
慌ただしく、立ったまま、電話しながら、映画を見ながら、あるいはトレッドミルを走りながら食事することは、まさに悪い呪いのようなものです。古いヴェーダに「立ったまま食べるなら、死が後ろから忍び寄る」という格言があります。これは、食べ物の味と嗅いが胃で作られる消化の酸や酵素の間で起こる関係性にあります。グルテンのような難消化性のタンパク質を消化しようとする時、私たちの力を総動員しなければなりません。食べ始めるのは、本当に落ち着いて、穏やかで、一咬み一咬み気づきを持って食べられる準備ができてからにしてください!
理解その9. 消化の炉に火を点ける
なぜ小麦をうまく消化できないのかについて多くの根本的な原因を見てきましたが、消化の火を点けるテクニックのいくつかをご紹介しましょう。
- 小さじ1/8の塩と小さじ1/8の胡椒を加えた室温の水を、食事の、あるいはレストランで注文する15分前に飲む。
- 生姜を一円玉サイズに切る。その上にレモン果汁を搾り塩を少量かける。毎食前に2切れ食べる。
- サラダは昔ながらのオリーブ油と酢で食べる。酢の酢酸は消化の火を高める。
- 消化の火を増大させるため食前にトリカトゥと呼ばれるハーブ(長胡椒、生姜、黒胡椒の混合)を摂る。
理解その10. グルテンを消化できることが重要である理由
最適な健康のために、グルテンを食べなければいけないわけではありません。もう食べる必要もありませんが、グルテンに対する問題を抱える人は消化力が衰えてしまっていることが多いのです。興味深いことに、消化の経路は解毒の過程と同じであるため、グルテンをうまく消化できないという時は解毒もうまくできていないかもしれません。ええ、難消化性の食べ物なら避ければいいのですが、自然環境にある毒素を避けることはできません。グルテンに耐えられる消化力を上げることができれば、それは消化と解毒の過程がうまく働いているという明らかなサインなのです。