2023年5月18日木曜日

グルテンとその消化を理解する 
Understanding Gluten and How to Digest It



普通のお店でも徐々に増えてきている気がするグルテンフリー表示のパッケージ。
そもそもなぜグルテンが問題なのでしょう。なぜ突然食べられなくなるのでしょうか。

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理解その1. グルテンの消化


グルテンは消化し難いタンパク質で、胃の強力な胃酸である塩酸、つまり「消化の火」で分解しなければなりません。もしグルテンが消化されずに小腸に向かえば、皮膚や腸壁の絨毛に炎症を起こす原因となります。多くの研究によれば、未消化のグルテンタンパクは腸の絨毛を炎症させたり分離させたりするほど刺激が強く、グルテンや他の未消化タンパクや毒素が消化管の周りにあるリンパに入っていきます。膨満感や疲労感、頭のモヤモヤ、免疫低下、アレルギーなど、グルテン関連の消化不良によるリンパの詰まりは多くの症状をもたらします。



理解その2. 消化の火を点ける


これはもう一度グルテンを楽しむための大切な過程ですが、ただ火を点ける、あるいは消化剤を飲む前に問わなければなりません。「そもそもなぜ火が消えてしまったのか?」
以下はいくつかのよくみられる原因です。

  • 胃の乾燥
  • 肝臓や胆液のつまり
  • 胃の癒着
  • 便秘
  • ストレス



理解その3. 胃の潤いを取り戻す


アメリカ人のほとんどは脱水状態で、特に胃は脆弱です。胃はとても多くの酸を作りますが、胃壁の保護がなければ、胃に穴を開けてしまうか潰瘍を作ってしまいます。それを防ぐため、胃壁は80%が水分の重炭酸塩細胞の保護膜に覆われています。この保護膜が乾燥すると、胃の中の酸を中和することができなくなり、胃は消化の酸の生成を減らすよう信号を受け取ります。結果として、小麦や乳製品、大豆やナッツ類など消化しにくい食べ物などは消化不良となります。


胃の保護膜を潤わすために、毎食15-30分前に 200ー350cc のお水を飲みましょう。食事中にたくさん水分を取ると胃酸を薄めてしまうので、食前に飲むようにします。



理解その4. 肝臓の詰まりを除いて胆汁の流れを高める


肝臓が作る胆汁の役割は、 脂肪を分解すること、そして小腸に入る時に胃酸を中和させることです。胆汁は不足して停滞したり濃くなることが多いのですが、胃の消化の火を強くするためにはそれを改善する必要があります。小腸への胆汁の流れが足りなくなると、胃酸の中和が滞ります。すると胃酸は胃の中に残り続け、胸焼けの原因となるのです。時間と共に、少ない胆汁の流れに合うように、胃は酸の分泌を減らしていきます。


胆汁の流れを増やす方法:

  • 赤カブを毎日食べる
  • 食事の半分は緑黄野菜にする
  • 就寝前に大さじ1-2杯のオリーブ油と小さじ1-2杯のレモン果汁を、1ヶ月間続ける。
  • フェヌグリーク茶を飲む
  • ココナツ油やオリーブ油など良質の油の摂取を増やす



理解その5. ストマック・プリングで胃の癒着を解消する


胃の癒着は、胆汁の停滞や胸焼け、長期間のストレスなどの原因となります。ストレスがあると、胃は横隔膜の方へ引き上げられます。そのうちに、胃は横隔膜壁の下面に文字通り癒着してしまい、消化不良や呼吸困難などの症状の原因となります。その解決法は、私が「ストマック・プリング」と名付けたエクササイズが良いでしょう。

ストマック・プリングのやり方

背にもたれて椅子に座ります。背中をまるめて親指を肋骨の下のお腹に差し込みます。かなり強い圧力で両サイドを押しましょう。痛みを感じたら、その場所を押し続けて息を深く吸い込みながら後ろへもたれていき、おへそに向かって親指を下ろしていきましょう。1日に2回、肋骨の下の痛みが全てなくなるまでこの動きを2分続けます。



理解その6. 便秘を解消する


腸の動きが悪いと内臓に毒素が蓄積されて、肝臓へと戻っていきます。そして、こうした毒素はゆっくりと肝臓を詰まらせて胆汁が濃くなっていきます。良い腸の排泄を保つことは重要なのです。それを助けるため、腸を整えきれいにする働きをするトリファラと呼ばれるアーユルヴェーダのハーブがあります。最良の効果を得るには、就寝前に2-4カプセルのトリファラをコップいっぱいの水で摂りましょう。



理解その7. ストレスに対処する


消化力を衰えさせる最も大きな原因は、おそらくストレスでしょう。現代社会では、ストレスを内臓から取り除くために毎日の瞑想は重要です。ストレスは腸全体で処理されること、そして体が作るセロトニンの95%は腸内で作られることが知られています。



理解その8. リラックスして食べる


慌ただしく、立ったまま、電話しながら、映画を見ながら、あるいはトレッドミルを走りながら食事することは、まさに悪い呪いのようなものです。古いヴェーダに「立ったまま食べるなら、死が後ろから忍び寄る」という格言があります。これは、食べ物の味と嗅いが胃で作られる消化の酸や酵素の間で起こる関係性にあります。グルテンのような難消化性のタンパク質を消化しようとする時、私たちの力を総動員しなければなりません。食べ始めるのは、本当に落ち着いて、穏やかで、一咬み一咬み気づきを持って食べられる準備ができてからにしてください!



理解その9. 消化の炉に火を点ける


なぜ小麦をうまく消化できないのかについて多くの根本的な原因を見てきましたが、消化の火を点けるテクニックのいくつかをご紹介しましょう。

  • 小さじ1/8の塩と小さじ1/8の胡椒を加えた室温の水を、食事の、あるいはレストランで注文する15分前に飲む。
  • 生姜を一円玉サイズに切る。その上にレモン果汁を搾り塩を少量かける。毎食前に2切れ食べる。
  • サラダは昔ながらのオリーブ油と酢で食べる。酢の酢酸は消化の火を高める。
  • 消化の火を増大させるため食前にトリカトゥと呼ばれるハーブ(長胡椒、生姜、黒胡椒の混合)を摂る。



理解その10. グルテンを消化できることが重要である理由


最適な健康のために、グルテンを食べなければいけないわけではありません。もう食べる必要もありませんが、グルテンに対する問題を抱える人は消化力が衰えてしまっていることが多いのです。興味深いことに、消化の経路は解毒の過程と同じであるため、グルテンをうまく消化できないという時は解毒もうまくできていないかもしれません。ええ、難消化性の食べ物なら避ければいいのですが、自然環境にある毒素を避けることはできません。グルテンに耐えられる消化力を上げることができれば、それは消化と解毒の過程がうまく働いているという明らかなサインなのです。







2023年5月13日土曜日

プランクの代わりにサイドプランクを練習する3つの理由  Vol.2
Three Reasons to Practice Side Plank Instead of Plank

 

7つのサイドプランクのオプション



以下のサイドプランクのオプションを試して、深いコアと体側を強化しましょう。標準的なヴィンヤサでプランクの代わりとしてのサイドプランクを行う場合は、1、2呼吸の分だけホールドすることになりますが、時間があるなら少し長めにホールドするのも効果的です。
ヴィンヤサの途中以外で行うなら、安定したサイドプランクを1分間以内でホールドしたり、動きをつけて8ー10回繰り返すのも良いでしょう。そして、左右どちらも行うことを忘れないでくださいね!



1. 膝つきのサイドプランク


下方の膝をマットに下ろすと、バランス、つまりポーズを維持するのに必要なコアの負荷を減らすことができ、下方の肩のアライメントを細かく調整したりヒップにある中臀筋を使うことに集中しやすくなります。





2. 前腕のサイドプランク


下の前腕を土台に使うと、手首のストレスを減らしたり、コアや体側の負荷を減らすことなくより大きな支持を得ることができます。





3. サイドプランクの腕立て


支持している腕の付け根をしっかりと肩関節の中心に維持したまま、腰をマットの方へ下げながら、上の腕を体の横に下ろします。そして、力強く体側を使って腰を床の方から天井へと持ち上げ、上の腕を頭上に振り上げましょう。これは、腹横筋や腰方形筋、中臀筋を鍛えながら肩の安定性を強化する良い方法です。





4. サイドプランク・スクープ


腹横筋に焦点を当ててみましょう。支えている方の肩の付け根を関節ソケットの中心に引き戻します。腰は横の壁に向けたまま、上の腕をウェストの下に引き寄せながら胸をややマットの方に向け、マット側のウェストを収縮させます。そして、ウェストの上方を収縮させながら上の腕を天井の方に引き戻して胸を壁の方向に戻します。






5. 上方の脚上げ


上の脚を持ち上げるには、左右の中臀筋が使われます。腰を持ち上げ続けるために下方の脚の横側、そして重力に逆らって脚を上げるために上方の足の横側を使います。





6. 下方の脚上げ


中臀筋を外転させるのと同様、内転筋(骨盤を安定させるための内腿の筋肉)もまた、日常生活の中ではあまり注目されません。下の脚の膝を曲げ胸の方向へ持ち上げると下側の脚の支えがなくなり、負荷が上の脚の内転筋へと移ります。腰を高く保つためにそうした内転筋を使わざるを得なくなるのです。




下側の脚の内転筋や股関節屈筋にも負荷がかかっていることに気づくでしょう。よりポーズを強くするには、股関節から90度に脚を伸ばしてみましょう。






7. ワイルド・シング


サイドプランクから、下側の肩甲骨を引き込んで胸を天井の方へ回していきます。上の脚を曲げ、つま先を下の脚の後ろ側の床へと、膝の真下にくるように下ろしましょう。このバリエーションでは、サイドプランクのバランスを取るという面が減りますが、胸を開くという効果を与えてくれます。上の腕を頭上に伸ばして、胸や体側のストレッチを加えてみましょう。





視線は上の腕を追っていくこともできますが、ポーズから出る時は支えている手の方を見ると、サイドプランクに戻る時に安定感を得ることができます。







(出典)https://yogainternational.com/article/view/three-reasons-to-practice-side-plank-instead-of-plank/

2023年5月8日月曜日

プランクの代わりにサイドプランクを練習する3つの理由  Vol.1
Three Reasons to Practice Side Plank Instead of Plank



ヴィンヤサヨガにおいて不可欠なプランク・ポーズは、さまざまな効果のある力強いポーズですが、多くの場合は既に強く短く使うのが容易な体の前の筋肉を対象にしています。それに比べてサイドプランク(ヴァシシュタサナ)は、ヨガにおいてだけでなく日常生活でも忘れられがちな筋肉群に働きかける機会を与えてくれます。


プランクで使われる筋肉は、大胸筋や前部三角筋(肩の前)、腹直筋(表層の腹筋)、四頭筋などです。これらを強化することは良いことですが、ほとんどの人が、歩く、走る、自転車をこぐ、チャトゥランガ(四肢で支えるポーズ)や戦士のポーズ、椅子のポーズ、船のポーズなどでも強化することができます。



でもサイドプランクは、以下のような日常であまり使われない筋肉を活性することができます。

• 肩の先を胸から遠ざけて引きながら上腕骨を外旋する棘下筋や小円筋(肩の後ろ)

• 捻ったり側屈するのに使われる内・外腹斜筋

• ウェスト周りを囲んで背骨の負荷を減らす、最深部にある腹筋群、腹横筋

• 腰椎の側面を支えるのに使われる腰方形筋

• 股関節の外転、そして骨盤側面の安定のための中臀筋、小臀筋


これらの筋肉群は、動きだけでなく関節の支持や安定のためにも大切な役割を担っています。これらを活性し強化する機会はとても少ないため、プランクポーズのいくつかをサイドプランクに置き換えることに意味があるのです。







プランクの代わりにサイドプランクを練習する3つの理由


1. よりよいバランス


プランクからサイドプランクに移る時は、床に触れている部分が減るのでよりバランスを取ることが難しくなります。難しくなったバランスを取ろうとして、背骨や股関節、肩の周りにある深層部の安定を作る筋肉群の使い方を知ることは、マットの上でも外でも力強い利益をもたらしてくれます。


第一に、サイドプランクで培う筋肉で深く微細にサポートすることで、主要な関節の損傷を軽減できます。さらに、バランス運動は神経と筋肉の繋がりを目覚めさせ、より優雅にコントロールしながら動くことができるようになり、また心の明晰さや集中力を養います。バランスに挑めば挑むほど取ることが上手くなります。人生の困難に直面した時も平静を保つことがより楽になるのです。



2. 健康的な姿勢


座る、立つ、歩く、走る、漕ぐ、自転車に乗るなど、日常の活動のほとんどはプランクと同様に体の前面の筋肉を使います。そしてそうした筋肉が何度も使うことで短くなると、前屈みの姿勢になっていきます。頭は前に、背骨と肩は丸くなり胸はくぼみます。


プランクが猫背と同じ筋肉を収縮させる一方で、サイドプランクでは腹横筋や腰方形筋(腰椎支持に必要)、中臀筋(骨盤を安定させる)など重要で役に立つ筋肉を使うことになります。サイドプランクを良いアライメントで行えば、棘上筋や小円筋など肩の後部を使うこともできます。そうした筋肉は、腕の骨頭を肩関節の中心に収まるよう後ろへ引き、胸を開きます。これらの動きをうまく組み立てた時、背骨や肩を自然な位置に保つ筋肉の支持が得られて、いつの間にかより高く垂直に立てるようになっています。



3. 多様性!


座った姿勢の多い現代では、ほとんどの時間を両腕を前に出して前を向いた姿勢で過ごしています。どれほどの時間、PCの前に座ったり電話していたり運転したりしているか、少し考えてみてください。けれど、私たちの軟組織はいろんな動きや姿勢や速度、負荷に対応することができます。ですから、いつも繰り返すプランクのような姿勢から離れてあまり馴染みのない動きをすると、より強くしなやかな筋肉や筋膜を得ることができます。


全てのヨガポーズにはそれぞれの効果がありますが、現代社会の影響のバランスを取り直すことに関しては、他のポーズよりもより効果的なものもあります。サイドプランクによって、肩や股関節、背骨のより強固な安定が作られ、前屈みの癖をやめることができます。こうした理由から、いつものプランクポーズのいくつかをサイドプランクに置き換えることによってヨガの練習に多様性を与えることに大きな意味があるのです。

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次回に続きます。