ヴィンヤサヨガにおいて不可欠なプランク・ポーズは、さまざまな効果のある力強いポーズですが、多くの場合は既に強く短く使うのが容易な体の前の筋肉を対象にしています。それに比べてサイドプランク(ヴァシシュタサナ)は、ヨガにおいてだけでなく日常生活でも忘れられがちな筋肉群に働きかける機会を与えてくれます。
プランクで使われる筋肉は、大胸筋や前部三角筋(肩の前)、腹直筋(表層の腹筋)、四頭筋などです。これらを強化することは良いことですが、ほとんどの人が、歩く、走る、自転車をこぐ、チャトゥランガ(四肢で支えるポーズ)や戦士のポーズ、椅子のポーズ、船のポーズなどでも強化することができます。
でもサイドプランクは、以下のような日常であまり使われない筋肉を活性することができます。
• 肩の先を胸から遠ざけて引きながら上腕骨を外旋する棘下筋や小円筋(肩の後ろ)
• 捻ったり側屈するのに使われる内・外腹斜筋
• ウェスト周りを囲んで背骨の負荷を減らす、最深部にある腹筋群、腹横筋
• 腰椎の側面を支えるのに使われる腰方形筋
• 股関節の外転、そして骨盤側面の安定のための中臀筋、小臀筋
これらの筋肉群は、動きだけでなく関節の支持や安定のためにも大切な役割を担っています。これらを活性し強化する機会はとても少ないため、プランクポーズのいくつかをサイドプランクに置き換えることに意味があるのです。
プランクの代わりにサイドプランクを練習する3つの理由
1. よりよいバランス
プランクからサイドプランクに移る時は、床に触れている部分が減るのでよりバランスを取ることが難しくなります。難しくなったバランスを取ろうとして、背骨や股関節、肩の周りにある深層部の安定を作る筋肉群の使い方を知ることは、マットの上でも外でも力強い利益をもたらしてくれます。
第一に、サイドプランクで培う筋肉で深く微細にサポートすることで、主要な関節の損傷を軽減できます。さらに、バランス運動は神経と筋肉の繋がりを目覚めさせ、より優雅にコントロールしながら動くことができるようになり、また心の明晰さや集中力を養います。バランスに挑めば挑むほど取ることが上手くなります。人生の困難に直面した時も平静を保つことがより楽になるのです。
2. 健康的な姿勢
座る、立つ、歩く、走る、漕ぐ、自転車に乗るなど、日常の活動のほとんどはプランクと同様に体の前面の筋肉を使います。そしてそうした筋肉が何度も使うことで短くなると、前屈みの姿勢になっていきます。頭は前に、背骨と肩は丸くなり胸はくぼみます。
プランクが猫背と同じ筋肉を収縮させる一方で、サイドプランクでは腹横筋や腰方形筋(腰椎支持に必要)、中臀筋(骨盤を安定させる)など重要で役に立つ筋肉を使うことになります。サイドプランクを良いアライメントで行えば、棘上筋や小円筋など肩の後部を使うこともできます。そうした筋肉は、腕の骨頭を肩関節の中心に収まるよう後ろへ引き、胸を開きます。これらの動きをうまく組み立てた時、背骨や肩を自然な位置に保つ筋肉の支持が得られて、いつの間にかより高く垂直に立てるようになっています。
3. 多様性!
座った姿勢の多い現代では、ほとんどの時間を両腕を前に出して前を向いた姿勢で過ごしています。どれほどの時間、PCの前に座ったり電話していたり運転したりしているか、少し考えてみてください。けれど、私たちの軟組織はいろんな動きや姿勢や速度、負荷に対応することができます。ですから、いつも繰り返すプランクのような姿勢から離れてあまり馴染みのない動きをすると、より強くしなやかな筋肉や筋膜を得ることができます。
全てのヨガポーズにはそれぞれの効果がありますが、現代社会の影響のバランスを取り直すことに関しては、他のポーズよりもより効果的なものもあります。サイドプランクによって、肩や股関節、背骨のより強固な安定が作られ、前屈みの癖をやめることができます。こうした理由から、いつものプランクポーズのいくつかをサイドプランクに置き換えることによってヨガの練習に多様性を与えることに大きな意味があるのです。
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次回に続きます。
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