2025年9月19日金曜日

骨関節炎を緩和するホリスティックなアプローチ Vol.2 
A Holistic Approach for Relieving Osteoarthritis

 それでは、実践編です。

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両手


手のストレッチで、関節にスペースができ血流が増えます。始める前に両手を温めておきましょう。ゆっくりと行い、湾曲した指や手のひらを正常な位置にもどすよう優しく動かすことに集中します。


レベル1:胸の前で合掌して(ナマステ、お祈りの形)山のポーズで立ちます。この位置で手首が痛むようなら、前腕どうしを近づけましょう。息を吐いて、左右の指や手のひらを優しく押し合います。息を吸って肩を後方へとリラックスして、指先を付けましょう。息を吐いてもう一度手指と手のひらを押し合います。この動きを、少しづつ押す力を強めながら1-2分間続けましょう。




レベル2:同じく合掌の位置から始めます。指先は天井に手首は床に向けるようにし、息を吸い込みます。息を吐いて、両手を押し合います。力を入れたまま、優しく両手を引いて手首をまっすぐ下げます。手のひらが徐々に床の方へ開いていきますが、指は押し合い続けたままにしておきましょう。力を少し抜いて息を吸い、力を入れて息を吐きます。関節に負担をかけないように、ゆっくりとストレッチしましょう。




背骨


血流を良くすることが、背骨の健康の鍵です。このネコのストレッチは、背骨全体の血流を増やすための素晴らしいポーズです。スムーズで楽な動きを続けましょう。動きが背骨本来の可動域の20%であろうが100%であろうが構いません。大切なのは、背骨の血流を増やすことだけです。


膝をついて、両手を肩の真下に、両膝は股関節の真下におきます。息を吸うたびに猫のように背中を丸め、天井に向かって押し上げましょう。息を吐くたびに背骨を床の方へ下ろし(凹の形)、尾骨と頭を上げます。呼吸とともに動きながら1-2分間続けます。必ず痛みや緊張を感じないようにしましょう。


注意:両手や手首、膝などに制限のある場合は、立ったまま、両手を椅子やテーブル、カウンターなどに置いてこの動きを練習してみてください。



股関節


全ての立位ポーズや緩和バージョンは股関節に健康に役立ちます。可能な場合は、毎日の運動にいくつかを取り入れて、筋肉を強化・リラックスさせたり関節を整えましょう。ヴィラバドラサナ1もランナーズ・ランジも股関節にとても良いポーズです。ここではランナーズ・ランジの緩和バージョンを2つご紹介しましょう。


レベル1:まずは、5段以上ある階段を見つけます。左足をしっかり床に着けます。前屈みになって左手を階段の4段目に置きます。できそうなら、右手を使って右足を3段目まで持ち上げます。そして両手を1段上に置いて、左脚と上半身を伸ばし、左臀部に力を入れながら、階段方向へ(右膝を曲げながら)左脚が着くまで一直線にのばしていきます。股関節の前を持ち上げて、腿の筋肉をもっとストレッチします。可能なら、左かかとを床につけたままにしましょう。呼吸をしてこの位置に留まります。ここまでと同じように姿勢を戻して、反対側も行いましょう。



メモ:この姿勢は、比較的荷重をかけずしっかり曲げることができるため、膝にも良いです。





レベル2:ソファが右側になるように立って、両手を肘掛けにおきます。右膝を曲げて右膝、脛、足をソファの座面にのせましょう。左足を数センチ前に出します。両手で肘掛けを押して、右膝をソファに沿って、右腿に心地よいストレッチが感じられるまで後方へすべらせます。股関節は前に向けたままで右脚をできるだけ伸ばしましょう。必要なら、左脚をもう少し前に出して、左脚を90度に曲げます。呼吸しながらストレッチしましょう。




反対側に移るには、右脚を曲げ、右足の上に座ります。左足を引き込んで左足の上に立ち上がりましょう。ソファの反対側を使って反対側の脚で繰り返します。




ヨガのアサナ全ては、体を柔らかく、強く、そして長く保つのに役立ちます。その鍵は、どんなポーズもやりすぎず、可能な範囲でしっかりと伸ばすことです。痛みや炎症、固まった関節とともに残りの人生を過ごす必要はありません。が、自身の体のケアはしなければなりません。現代の人はこれまでの歴史上で一番長く生きているのですから、体を優しく扱ってあげれば「痛み無く」より遠くへとあなたを運んでくれます。


ヨガのガイドライン


なんらかの関節炎がある場合は、練習する際の以下のガイドラインに従うことが重要です。

  • 練習前には必ずウオームアップし、セッションを通して温かくしておくこと。21〜23°C の部屋で行うか、体温を保てるよう厚着をすること

  • 関節を正しい位置に戻すためには、正しいアライメント(整列)が不可欠

  • 可能なときはいつも、各関節のスペースや可動式をできるだけ広くすること

  • ポーズを入るための時間はたっぷり取ること。ポーズがどう見えるかではなく、変化を作ることに集中する

  • 関節の脆さを減らすために強化することは必要ですが、ポーズを長い時間、維持しようとするのは賢明ではありません。そのかわり、緩和ポーズひとつひとつを短く繰り返しましょう

  • 呼吸は、滑らかで均等に、たっぷりと行うこと。呼吸が短くなったり乱れたら、もう少し楽な姿勢を試しましょう








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