2015年10月25日日曜日

ヨガとストレスの科学
The Science behind Yoga and Stress

オーストラリアの情報サイト UPLIFT からの記事です。
http://upliftconnect.com/yoga-and-stress/
By Dr M Storoni MD PhD on Tuesday July 14th, 2015

ヨガには様々な種類がありますが、
それぞれに別の効果があり、個人の嗜好も色々です。
が、ストレスに注目する場合、どういったヨガがいいのでしょう。
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ヨガのポーズをすると脳内物質と神経間結合に何が起こるのか?

脳には、ストレスにおいて重要な役割をもつ場所が二ヶ所ある。これらは、感情や認識に関わる機能を果たしている。ここではこれらを「感情脳」(扁桃体とその結合部、内側前頭前皮質を含む内側前頭皮質)、「論理脳」(背外側前頭前皮質、前頭全皮質の他の部分、帯状皮質や海馬各部)と呼ぶことにしよう。




感情脳は、私達の血中にアドレナリンとコルチゾール駆け巡らせる交感神経により「ストレス反応」を引き起こす。論理脳は常に、このストレス反応を「停止」させようとし、また感情脳を抑制しようとする。論理脳が強ければ強いほど、これらの二つはよく機能することになる。ストレス反応が「停止」されれば、副交感神経系の信号が「作動」する。この信号は、身体を「弛緩」させる。よって、強い論理脳はリラックスと密接に関係しているのだ。

ストレス反応と「弛緩」信号は特定の経路を通って身体中を巡るのだが、この経路のある箇所には小さな「スイッチ」がたくさんあり、こうした信号の作動・停止を物理的にコントロールできる。首は、こうしたスイッチが存在する(頚動脈)よい例である。



ストレス回路を訓練する

ヨガは、このストレス回路全体を二段階で訓練することができる。まず、じっと静止して集中したり、バランスを取ったりしてポーズを「保持」する度、論理脳が活性化される。前屈すると、「弛緩」信号が首の「スイッチ」で作動する。従って、集中して前屈すると、同時に論理脳と弛緩信号が始動する。

後屈は、首のスイッチを通してストレス反応信号を始動させる。筋肉の収縮もまた、ストレス反応信号を誘発する。従って、静止しバランスに集中しながら後屈して筋肉を収縮させると、論理脳はまた「余分」の仕事をしなくてはならなくなる。静止してポーズに集中する前に、この2方向からきたストレス反応信号に耐えなければならないのだ。この論理脳に反する働きをする「余分」な妨害が、脳を筋肉のように「訓練」する。

神経を繫ぎ直す

一連のヨガが終わるころ、論理脳は「訓練」されている。すっかり活性化されているのだ。感情脳が静かになって、精神的な穏やかさを感じる。このように論理脳を長期間訓練すると、論理脳内の神経を繫ぎ直すことができる。考えを制御することが容易だと感じる新しい回路が作られる。おそらく、自分の考えを行きたい方向に導き、ネガティブな考えや経験にこだわらないようにすることが以前よりも容易に感じられるだろう。これが、ネガティブな出来事にこだわる傾向がある欝や不安症において、ヨガに効能があるように見える理由のひとつであろう。論理脳内の強い結合が、感情脳とストレス反応を抑えこみ続けるのだ。だから、ヨガはストレスと闘うのにこんなにも効果があるのである。

重要なことは、各ポーズのホールドが長く、うまく編成されたシークエンスに組まれたヨガポーズを行うことである。そうすると、ヨガとストレスはうまくバランスを取り始めるのだ。


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