2015年11月10日火曜日

ヨガセラピーとヨガクラスってどう違う
Yoga Therapy vs. Yoga Class

Huffington Post からの記事です。
ヨガセラピーっていったい何なのか、ということを説明しています。
http://www.huffingtonpost.com/jennie-lee/yoga-therapy-vs-yoga-clas_b_8247372.html

-------------------------------

ヨガセラピーは「個人」単位で、健康や癒しに効果のあるヨガの総合的な知識を使って行うホリスティック代替治療です。歴史の古いとても広範なシステムであるヨガに個人に合わせて取り組むことで、身体だけでなく、精神、感情など様々な問題に対応しています。

ヨガセラピーを受ける理由は様々です。身体を若返らせる、ストレスを軽減する、感情の安定性を養う、心を落ち着かせる、自己の内面の本質にもう一度繋がる、などです。それが何であれバランスが崩れていると感じている人にとって、ヨガセラピーは生命力と自己認識を広げるツールを与え、プラスに影響を与えることができます。多くのホリスティックのアプローチと同じように、ヨガセラピーは、その症状や問題が同じであっても、個人それぞれにあわせた治療を行います。

標準的なヨガクラスは、動き、そして時には瞑想といった汎用的なアプローチを提供しますが、「ヨガセラピーは、そのヨガの練習をグループクラスでは通常行わない具体的で慢性的な健康の問題を抱える人々のニーズに応えます」とロヨラ・メリーマウント大学のヨガセラピーRXプログラムの責任者であるラリー・ペイン医師は言います。

要約として、それぞれが相互関係を持ちますが、ヨガセラピーは通常3つのカテゴリーに分けられます。ひとつは、基本的は動き(アサナ)で怪我のリハビリや慢性痛を和らげる、機能向上などといった身体的セラピーです。ヨガが身体的な効果があるという証拠に裏付けられた科学的研究は数え切れないほど存在しています。

ヨガセラピーのふたつめの側面は、心理療法に類似しており、精神的、感情的な法則や実践を使って、環境の変化や喪失感、不安など内面の葛藤に対処するのに役立ちます。感情面での経験は身体に影響を持つため、この治療は神経と内分泌、免疫系間の相互作用を研究する心理学のひとつである精神神経免疫学に関連しています。これは、心身医学の機微、そして考えや感情といった内面の状態が身体にどう影響するのかを明らかにしてくれます。

身体の臓器や組織の生体機能における特定の変化にヨガのテクニックを応用することで、人が緊張したり困難な状況にある場合の無意識に反応する状態から選択して反応する状態へと導いてくれます。そのひとつの例は呼吸の練習(プラナヤマ)で、副交感神経系の「闘争・逃走反応」をリセットして安定させ、不安症や欝に効果があるのです。

身体と心は相互関係を持っているので、ヨガセラピーの分類の最初の二つはこれらになります。多くの身体の症状は、解決が必要な潜在的な感情の問題が現れているのです。「生き方が身体を作る」といわれているように、ヨガセラピーは身体レベルの解放と精神レベルの探求を与えてくれるのです。身体の自然な英知に近づくことができれば、感情は解放され、深いレベルでの癒しが始まります。

ヨガセラピーの三つ目の側面は、私達の本質の霊的要素に働きかけます。全ての精神修養法や宗教などの聖典は、人間は内に霊魂のエネルギーを持つと認めています。ヨガ哲学では、人生の様々な問題は真の霊的本質に認識していない、あるいは知らない(無明)せいだと明言してます。これは、なんとなく塞がれたような、限られたような気分であることに言い換えられます。鍼灸などのエネルギー療法と同様に、ヨガセラピーは生命力(プラナ)の流れを活性化させてエネルギーの滞りを取り除き、本来の健康と目的意識を取り戻すのです。
「私は『心臓病患者』とか『癌患者』とは呼びません。彼らは偶然身体的バランスを失った神聖な存在なのです」 心臓病のためのディーン・オーニッシュ・プログラムでのヨガ・プロトコルを開発した「The Healing Path of Yoga」の著者であるナシャラ・ジョイ・デヴィ、2013年のヨガセラピー・トゥデイ・マガジンのインタビューで。
この本当の自分を知り、内側の精神と繋がる方法を紹介することで、ヨガセラピーはより深いレベルでの変化に対応する機会を与えてくれます。どっぷりとはまってしまったり一体化してしまうことなく、人生を客観的に経験する能力を作ります。
穏やかさと精神的な安定性は、内観と瞑想を通して得られ、過度に刺激された心は休まります。ヨガセラピーは、深い安らぎと無条件の愛をもたらす意識の広がりへの扉を開けます。
「ヨガセラピーは、精神、自分の本質の覚醒というヨガの基本概念の経験に基づいた理解を通し、身体と心の安定をもたらす癒しの旅であるヨガの生き方に焦点をあてている」インテグラティブ・ヨガ・セラピーの創始者、ジョセフ・ルパージュ
ヨガセラピーの実践は、全ての年齢のあらゆる人に快適さと解放をもたらします。個人に合わせたプログラムなので、経験や特別な能力は全く必要ではありません。クライアントのニーズや問題、目標を定めた後、ヨガセラピストは、姿勢や呼吸法、リラックス方法や瞑想のテクニックなどひろい範囲の心と身体の練習方法を用います。個別のプログラムが様々な状況に対処し、クライアントの身体的能力のレベルやライフスタイルなどを考慮し、プラクティスの種類や量を処方します。

ホリスティックな代替治療としてのヨガセラピーは、人々の症状を抑え、痛みに対処し、バランスを取り戻し、体力をつけ、心理的回復力を増加し、精神的意識を広げます。身体的な活力、感情の解放、深い魂の繋がりを同時に得たいと思っている人にとって、とても素晴らしい癒しの方法と言えるのです。

2015年11月3日火曜日

依存症再発を防止するヨガと瞑想の効用
The Benefits of Yoga and Meditation to Prevent Relapse

Press Release Rocket からの記事です。
http://www.pressreleaserocket.net/the-benefits-of-yoga-and-meditation-to-prevent-relapse/359585/

依存症治療に関する内容ですが、身体に悪いとわかっているのについついやってしまう不健康な習慣(食事や飲酒、運動など)についても同様だと思います。

-------------------------
選択できる依存症治療に取り組む方法は様々あります。
ヨガと瞑想は、身体的にも精神的にも多くの効果があると証明されています。治療を通して健康的な心を持ち続けることが回復においてとても重要です。この2つのツールは、依存症と闘う人が持ちがちな回復を邪魔するネガティブな強い思いを排除するのに役立ちます。治療を通して、身体と心は試され、思考をコントロールすることで依存症からの回復に大きな効果を得ることができます。
治療を通したヨガセラピーと瞑想の効用は、強靭な身体を作り、同時に強い精神を作ります。瞑想は、呼吸法によって即座といっていいほどストレスを解き放つことができます。心を他の場所に送ると共に呼吸のコントロールの方法を獲得すると、ネガティブな状況への対処の仕方が変わります。これが再発防止に役立つのです。
ヨガセラピー

ヨガセラピーで獲得した行動の変化は、状況への反応が反発ではなく積極的なものへとすることができます。ヨガセラピーは心の健康や過体重を大幅に改善し、また柔軟性や体力を高められます。こうしたセラピーは、長期間に渡り、身体力や精神力、健康への自然な感覚(判断力)を身につけることができると言われています。

瞑想

瞑想によって内面の変化は、心や精神、身体に穏やかな安らぎを与えることができます。瞑想をすることで、ネガティブな行動の根本的原因を深く探ることができます。一歩下がって怒りを解き放ち、過去の行動に対する煩わしい考えを手放すと、それ以降の人生を通して立ち直りの道を歩むことができるのです。内面の治癒だけでなく、瞑想は免疫機能を高め、体内に酸素がいきわたり、総体的に気分がよくなります。

瞑想やヨガがもたらすツールが、再発の可能性を下げ、正しい解決法を探す健康的なアプローチを与えてくれます。心をコントロールすることで、過去の依存症のために起こる困難な状況に対処できます。





2015年11月1日日曜日

ヨガについての5つの「ウソ」
Five Untrue “Facts” About Yoga

今回は、Yoga International からよくありがちな「ヨガって○○なんでしょ」とか「私は○○じゃないからヨガできない」についての記事です。
(https://yogainternational.com/article/view/five-untrue-facts-about-yoga




----------------

1.「ヨガするには超柔らかくないとダメ」

例えばこんな会話。

最近知り合った人:「それで、あなたのお仕事は?」
私:「ヨガを教えています」
最近知り合った人:「ああ、私はヨガできないんです。硬いもんで」
私:(礼儀正しく頷く、心で泣く)

以下は、バットマンの中のセリフ。
OK、わかった。これは確かに「アヒムサ(非暴力)」を謳ってはいないけれど、いい点をついてる。例えば、確かに、自分に柔軟性がないと思ってたらストレッチするのはいいことだ。だが、それ以上のものがある。「ヨガするほど柔らかくない」と思うのはよくない。なぜなら、柔軟であることの方が当然よくて、ヨガに適しているというありがちな前提に根ざしているからだ。もし、自分が柔軟な方の人間だとしてら、ウッタナサナで床に手を着いたり、ダウンドッグで踵を床に着けたりするのが楽だろうが、実は特に最初は、可動域が大きいと有利というより不利なことに気づく。本来ストレッチするために作られていない靭帯でストレッチすることになるから、関節が不安定になり怪我をする危険が高い。だから、ビギナーや妊娠中(妊娠ホルモンが靭帯を緩める)、そして生まれつき柔らかい生徒にとっては、柔軟性よりも安定性を優先することが重要なのだ。
ヨガは単に柔軟性だけのものではないということを覚えていて欲しい。強さというのも大きな要素なのだ。ランジや立位ポーズ、プランクなどを考えてみれば、安全に練習すると途方もない強さが作られるし、また必要でもある。
つまり、どういうことか?超柔らかいとか板みたいに硬いとか関係なく、誰にでも最初から「得意」なポーズはあるし、大きな挑戦となるポーズもあるのだ。

2. 「ツイストは『デトックス』して肝臓を『絞る』」


ヨガを長くやっているときっと出くわすであろう「雑巾絞り。」「雑巾を絞るようにツイストして!」この言葉を聞いたことがないという人に説明しよう。つまり、雑巾は内蔵を意味し、絞るのはツイストの動き、そして長い間溜め込んできたいろんな毒素を絞り出すという感じだ。確かに、肝臓など内蔵をきれいにしデトックスするのは、ツイストポーズの効用だ。しかし、肝臓は汚い雑巾ではない。単に肝臓なのだ。そして、肝臓自体に自然なデトックス作用があり、「大部分は」細胞レベルで行われる。しかしこれは、ツイストが臓器に全く意味がないというわけではない。おやつを食べ過ぎた翌朝にちょっと多めにアルダ・マツエンドラサナをするとしたら、ツイストはバランスの練習に重要だし、血流をよくして内蔵にとても効果がある。けれど、パリブリッタ・トリコナサナをするたびに、実際に肝臓を絞っているわけではない

3. 「ホットヨガでかく汗は大量の毒素を出している」


残念ながら、直接的に毒素をただ汗で出すことなんてできない。汗をかくことに意味がないわけではない。だんだんと心地よくなり38度以上の室温(誰にでも適当というわけではない)の中、汗をかく激しいエクササイズはその効果がある。血流という意味で、激しい運動のいろんな効用がある、なぜなら、それは、激しい運動だからだ。でも、ヨガマットに落ちた汗は毒素が身体から出て行った結果ではない、なら身体でなにが起こっているのか?もしかしたら、汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の二種類があることを思い出す人もいるかもしれない。アポクリン汗腺は身体の一部に集中している(腋や股間)。ストレスにさらされるとそこが活性化され(だから人前でスピーチすると腋汗が出たりする)、主に水分を脂肪(皮膚のバクテリアと接触して匂いを出す)からなる汗を出す。

エクリン汗腺は、反対に、体中にあって体温が上がると活性する(ホットヨガなどで)。この汗腺は、主に水分と塩分からなる汗を出す。だから、ヨガで身体から出る汗というのは、水と塩なのだ。エクリン汗腺の汗は、体温を調整するものであって毒素を出すものではない

4. 「ヨガをするにはやせていなくてはならない」 (とか、逆に、「ヨガは痩せる」)


おそらく、最も苛立たしい通説のひとつは「ヨガっぽい身体」についてだろう。アサナの練習をするには、ヨガ雑誌の表紙やDVDのラベル、無脂肪ヨーグルトの広告に載っているような美しい身体にならなければならない、というような。そうじゃないのなら?ええと、少なくともそうなりたいとは思っているよね?ああ。「そういう人、ものすごく多いのよ」とヨガ実践者であるブロガー、ジェサミン・スタンレイは言う。「私が本当に集中してヨガを練習し始めたころは、それを人に言うのも嫌だった。『へえ、ヨガやってるの?』的な目で見られることが重荷だったから。経験上、大抵の人は、いわゆるヨガの身体をしてない人が『ヨガしてます』って言うと、体重を減らすためにやっているビギナーだと思うのよ。そんな反応に、だいたいは(気分にのいい日は)ちょっとイラつくか、チョーむかつく!というレベルまでいく日もあるの」と付け加えた。こういった推測は、ヨガ実践者を侮辱するだけでなく、練習自体を矮小化している。そして大抵は、生理学に関してかなり間違った理解をしていることからきている。「健康に関する推測はまた、頻繁に不適切にされることが多い」とCurvy Yogaの創設者アナ・ゲスト・ジェリーは指摘する。「例えば、人が大きな身体の人は不健康で柔軟性がないと推測するのは珍しいことではない。しかし、当然ながら、(本当は)曲線がきれいに見える状態が理想の体重なのです」

「私達が見ている(ヨガの)姿というのは、大抵は圧倒的に白人で、若く、スレンダーな女性です。その結果、そのカテゴリーに入らない人はみんな、西洋メディアが現れる何千年も前から存在する精神的実践であるヨガから疎外された気分になる。では、どうすればいいのでしょう?理想の自分と今の自分を切り離すことです。私達の内面を理解し、他人の身体への愚かな欲望を止める方法としてヨガを実践し、ボディ・ポジティヴィティ運動を利用するのです。自分の身体にここちよさを感じるようになり常に完全な状態にいることに気づくと、目標を達成していないと自分を軽視する必要もなくなるのです」

5. 「わかった。でも、難しいアサナを練習するには『もちろん』痩せてないといけないんでしょ?」


たくさんあるヨガ関係のメディアを見てみると、ヨガっぽくない身体の人が、チャイルドポーズやレストラティブなアサナ、たまにシンプルな立位ポーズをしているのに比べ、もっと難しいポーズ、アームバランスや逆立ち、深いバックベンドなどはほとんどいつも痩せた人ばかり。これが、大きい身体の人は「ビギナーレベル」のアサナしか練習できないのだという問題のある基準ができてしまう。もちろん、実際には人のBMI値や脂肪率が、どれだけ上級のアサナを練習しているかの指標にはならない。「正直なところ、ヨガ界のこの側面が、私が家での練習を(Instagramで)記録し始めた理由です。」スタンレイは言う。「ヨガ界にはふっくらタイプが確実にたくさんいるのに、誰も上級のアサナをしていないのに気づいたのです。基本的に、ヨガ関連メディアがいろんなタイプの人が上級アサナをしているのを見せれば、もっといろんなタイプの人が上級アサナを練習するでしょう」

「誰のいつ撮った写真を使うかは、常にヨガをどう表現するかの選択です」ゲスト・ジェリーは付け加える。「日々、痩せた身体でより複雑なポーズをするというステレオタイプが生み出されます。その逆もしかり。だから、大きな人にそういったポーズをする自由を与えると思うのです。でも、全ての人が、プロップスを使ってそれぞれの身体に本当に合ったポーズをしてるのも見たいと思います。ヨガの本当の自由というのはそれだと思うのです。そうすれば、もっと多くの人が、どちらも可能だと知り、練習に歓迎されていると感じるでしょう」