2015年11月1日日曜日

ヨガについての5つの「ウソ」
Five Untrue “Facts” About Yoga

今回は、Yoga International からよくありがちな「ヨガって○○なんでしょ」とか「私は○○じゃないからヨガできない」についての記事です。
(https://yogainternational.com/article/view/five-untrue-facts-about-yoga




----------------

1.「ヨガするには超柔らかくないとダメ」

例えばこんな会話。

最近知り合った人:「それで、あなたのお仕事は?」
私:「ヨガを教えています」
最近知り合った人:「ああ、私はヨガできないんです。硬いもんで」
私:(礼儀正しく頷く、心で泣く)

以下は、バットマンの中のセリフ。
OK、わかった。これは確かに「アヒムサ(非暴力)」を謳ってはいないけれど、いい点をついてる。例えば、確かに、自分に柔軟性がないと思ってたらストレッチするのはいいことだ。だが、それ以上のものがある。「ヨガするほど柔らかくない」と思うのはよくない。なぜなら、柔軟であることの方が当然よくて、ヨガに適しているというありがちな前提に根ざしているからだ。もし、自分が柔軟な方の人間だとしてら、ウッタナサナで床に手を着いたり、ダウンドッグで踵を床に着けたりするのが楽だろうが、実は特に最初は、可動域が大きいと有利というより不利なことに気づく。本来ストレッチするために作られていない靭帯でストレッチすることになるから、関節が不安定になり怪我をする危険が高い。だから、ビギナーや妊娠中(妊娠ホルモンが靭帯を緩める)、そして生まれつき柔らかい生徒にとっては、柔軟性よりも安定性を優先することが重要なのだ。
ヨガは単に柔軟性だけのものではないということを覚えていて欲しい。強さというのも大きな要素なのだ。ランジや立位ポーズ、プランクなどを考えてみれば、安全に練習すると途方もない強さが作られるし、また必要でもある。
つまり、どういうことか?超柔らかいとか板みたいに硬いとか関係なく、誰にでも最初から「得意」なポーズはあるし、大きな挑戦となるポーズもあるのだ。

2. 「ツイストは『デトックス』して肝臓を『絞る』」


ヨガを長くやっているときっと出くわすであろう「雑巾絞り。」「雑巾を絞るようにツイストして!」この言葉を聞いたことがないという人に説明しよう。つまり、雑巾は内蔵を意味し、絞るのはツイストの動き、そして長い間溜め込んできたいろんな毒素を絞り出すという感じだ。確かに、肝臓など内蔵をきれいにしデトックスするのは、ツイストポーズの効用だ。しかし、肝臓は汚い雑巾ではない。単に肝臓なのだ。そして、肝臓自体に自然なデトックス作用があり、「大部分は」細胞レベルで行われる。しかしこれは、ツイストが臓器に全く意味がないというわけではない。おやつを食べ過ぎた翌朝にちょっと多めにアルダ・マツエンドラサナをするとしたら、ツイストはバランスの練習に重要だし、血流をよくして内蔵にとても効果がある。けれど、パリブリッタ・トリコナサナをするたびに、実際に肝臓を絞っているわけではない

3. 「ホットヨガでかく汗は大量の毒素を出している」


残念ながら、直接的に毒素をただ汗で出すことなんてできない。汗をかくことに意味がないわけではない。だんだんと心地よくなり38度以上の室温(誰にでも適当というわけではない)の中、汗をかく激しいエクササイズはその効果がある。血流という意味で、激しい運動のいろんな効用がある、なぜなら、それは、激しい運動だからだ。でも、ヨガマットに落ちた汗は毒素が身体から出て行った結果ではない、なら身体でなにが起こっているのか?もしかしたら、汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の二種類があることを思い出す人もいるかもしれない。アポクリン汗腺は身体の一部に集中している(腋や股間)。ストレスにさらされるとそこが活性化され(だから人前でスピーチすると腋汗が出たりする)、主に水分を脂肪(皮膚のバクテリアと接触して匂いを出す)からなる汗を出す。

エクリン汗腺は、反対に、体中にあって体温が上がると活性する(ホットヨガなどで)。この汗腺は、主に水分と塩分からなる汗を出す。だから、ヨガで身体から出る汗というのは、水と塩なのだ。エクリン汗腺の汗は、体温を調整するものであって毒素を出すものではない

4. 「ヨガをするにはやせていなくてはならない」 (とか、逆に、「ヨガは痩せる」)


おそらく、最も苛立たしい通説のひとつは「ヨガっぽい身体」についてだろう。アサナの練習をするには、ヨガ雑誌の表紙やDVDのラベル、無脂肪ヨーグルトの広告に載っているような美しい身体にならなければならない、というような。そうじゃないのなら?ええと、少なくともそうなりたいとは思っているよね?ああ。「そういう人、ものすごく多いのよ」とヨガ実践者であるブロガー、ジェサミン・スタンレイは言う。「私が本当に集中してヨガを練習し始めたころは、それを人に言うのも嫌だった。『へえ、ヨガやってるの?』的な目で見られることが重荷だったから。経験上、大抵の人は、いわゆるヨガの身体をしてない人が『ヨガしてます』って言うと、体重を減らすためにやっているビギナーだと思うのよ。そんな反応に、だいたいは(気分にのいい日は)ちょっとイラつくか、チョーむかつく!というレベルまでいく日もあるの」と付け加えた。こういった推測は、ヨガ実践者を侮辱するだけでなく、練習自体を矮小化している。そして大抵は、生理学に関してかなり間違った理解をしていることからきている。「健康に関する推測はまた、頻繁に不適切にされることが多い」とCurvy Yogaの創設者アナ・ゲスト・ジェリーは指摘する。「例えば、人が大きな身体の人は不健康で柔軟性がないと推測するのは珍しいことではない。しかし、当然ながら、(本当は)曲線がきれいに見える状態が理想の体重なのです」

「私達が見ている(ヨガの)姿というのは、大抵は圧倒的に白人で、若く、スレンダーな女性です。その結果、そのカテゴリーに入らない人はみんな、西洋メディアが現れる何千年も前から存在する精神的実践であるヨガから疎外された気分になる。では、どうすればいいのでしょう?理想の自分と今の自分を切り離すことです。私達の内面を理解し、他人の身体への愚かな欲望を止める方法としてヨガを実践し、ボディ・ポジティヴィティ運動を利用するのです。自分の身体にここちよさを感じるようになり常に完全な状態にいることに気づくと、目標を達成していないと自分を軽視する必要もなくなるのです」

5. 「わかった。でも、難しいアサナを練習するには『もちろん』痩せてないといけないんでしょ?」


たくさんあるヨガ関係のメディアを見てみると、ヨガっぽくない身体の人が、チャイルドポーズやレストラティブなアサナ、たまにシンプルな立位ポーズをしているのに比べ、もっと難しいポーズ、アームバランスや逆立ち、深いバックベンドなどはほとんどいつも痩せた人ばかり。これが、大きい身体の人は「ビギナーレベル」のアサナしか練習できないのだという問題のある基準ができてしまう。もちろん、実際には人のBMI値や脂肪率が、どれだけ上級のアサナを練習しているかの指標にはならない。「正直なところ、ヨガ界のこの側面が、私が家での練習を(Instagramで)記録し始めた理由です。」スタンレイは言う。「ヨガ界にはふっくらタイプが確実にたくさんいるのに、誰も上級のアサナをしていないのに気づいたのです。基本的に、ヨガ関連メディアがいろんなタイプの人が上級アサナをしているのを見せれば、もっといろんなタイプの人が上級アサナを練習するでしょう」

「誰のいつ撮った写真を使うかは、常にヨガをどう表現するかの選択です」ゲスト・ジェリーは付け加える。「日々、痩せた身体でより複雑なポーズをするというステレオタイプが生み出されます。その逆もしかり。だから、大きな人にそういったポーズをする自由を与えると思うのです。でも、全ての人が、プロップスを使ってそれぞれの身体に本当に合ったポーズをしてるのも見たいと思います。ヨガの本当の自由というのはそれだと思うのです。そうすれば、もっと多くの人が、どちらも可能だと知り、練習に歓迎されていると感じるでしょう」


0 件のコメント:

コメントを投稿