2016年9月15日木曜日

<日記>グルジの新しい一歩

私が初めてヨガ・ティーチャーのコースを取ったとき、
たまたまそのスタジオでトレーニング講師だったのが
現在、シンガポールのUnion Yoga Ayurveda を経営しているドクター・サティアムでした。

当時彼はまだインドの病院に在籍中で、
トレーニングの時だけシンガポールにやってくる若いアーユルヴェーダ医師でした。
私もまだヨガがなんなのかよくわからないうちに受けたので、
彼の熱く語る哲学や浄化法など、毎日が驚きの連続でした。
他数人の講師の方々に学び、ながーい実習を終え約半年かけて
やっとお免状がインドから届いた日は本当に嬉しかったことを思い出します。

それから数年たって、ドクターはシンガポールでビザを取得し
アーユルヴェーダセラピーのクリニックであり、セラピストを育てるための Union をオープンしたのです。
オープンしてすぐ、ティーチャー・トレーニングでも一緒だった友人とともに
彼のもとへ行き、すぐにVYASAのヨガセラピストのコースを受けることにしました。
(事情により、現在はVYASAのコースは行われていません)

彼は、年齢こそ若いものの努力家で知識も豊富で頼りがいがあり、
何よりもその笑顔がものすごく優しく温かい人物なのです。
そんな彼なので、商売上手というわけでもなく、私が実習に携わっていたころは、
良心的な値段にも関わらずそんなに忙しいというわけでもありませんでした。

そのころ、来られていた何人かの患者さんの中に、パーキンソン病の男性がおられました。
脊椎がだんだん湾曲してきており痛みもあり、歩くのもやっとでしたが
絵やギターがとてもうまく、いつも冗談を言っておられる明るい方で
私も何度かセラピーにお付き合いしながら笑ってお喋りをしたものです。
そんな明るい彼がある日、身体の症状のことでドクターと話していた時、突然、泣き崩れてしまったのです。それを受け止めたドクターは、
「大丈夫、僕が(症状を)よくしてあげるから安心してください」と言いながら彼をそっと抱きしめました。そうしてしばらくそこに抱き合って立ったままの二人を見ていて、私は涙が出そうになりました。
医者というのは、こうやって患者に寄り添って安心させてあげるものなのだということを目の当たりしたのです。ドクターに全てを委ねてしまいたいという患者さん側の気持ちも伝わってきました。
その日以降、私の中の何かも少し変わったような気もします。

そんなこんなで結局、約9か月もかかってしまったのですが、
無事にカリキュラムを終えてお免状をもらって日本に帰ってくることができました。

帰国後、クリニックは口コミでどんどん患者さんも生徒も増え、
セラピールームも増築し、香港にもブランチができ、
そして今週末、シンガポールでもうひとつブランチがオープンすることになりました。
それに立ち会うことができないのが残念なのですが
こうして、彼の温かい想いが広がっていくのを見るのは本当にうれしく思います。
そして、昨年から今年にかけて再度アーユルヴェーダを学びに行った際に出会った新しい仲間たちも頑張っています。

Union の詳細はこちらのホームページからどうぞ。
英語ですが。。。
ちなみに、インドに行った時の写真に私もちらっと写っています。 ^^


さて、私も(マイペースで)頑張らねばなあ、と。





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