さて、ボストン大学医学部の研究者らが、ヨガの秘密を発見したと考えている。クリス・ストリーター博士と彼女のチーム、2012年5月のMedical Hypotheses journal にありえないほど長い題名の論文を発表、神経系を調整することでヨガが機能していると仮定した。それはどのようなものだろうか?それは、ストレスにうまく対応できる身体機能である迷走神経を強めることである。
その研究とは、「てんかん、鬱、心的外傷後ストレス障害における自律神経系、ガンマアミノ酪酸、及びストレス反応のヨガの効力(原題:The Effects of Yoga on the Autonomic Nervous System, Gamma-aminobutyric-acid, and Allostasis in Epilepsy, Depression, and Post-traumatic Stress Disorder)」である。
迷走神経とは?
調整が必要である迷走神経があることすら我々のほとんどは知らないが、間違いなく体内に存在する。体内の最も大きな脳神経である迷走神経は、頭骨の基部から始まり身体全体を通っており、呼吸、消化、神経系に影響を及ぼす。身体の「管制塔」と考えられておる、身体の主な機能を調整するのに役立っている。呼吸や心拍、消化など、そして体験を理解して処理し意味をなすことなども、迷走神経に直接関係しているのだ。
異なったレベルでそれを感じることができるので、迷走神経が調整させてうまく機能していること自分で感じることができる。消化力が高まり、心臓は最適に機能し、気分が落ち着く。活動的であったりストレスのある状態からもっとリラックスしたものに移行するのが容易になる。そういうことがうまく機能すると、人生の困難に正しいエネルギーと努力で簡単に対応できるようになる。つまり、常に柔軟性を保っているとき、われわれは「迷走神経の調子がよい」状態にあるといえるのだ。
一方「瞑想神経の低調」は、疲弊感をもたらす。消化力が落ち、心拍数が上がり、気分がころころ変わって対応できなくなる。当然のことながら、迷走神経がうまく調整されていない状態は、鬱やPTSD、慢性疝痛やてんかんなどの病気と関連性がある。それは、ヨガの実践で著しい効果を示す症状と同じである。研究者らは、ヨガが瞑想神経を刺激してそれらの症状を緩和すると仮定しているのだ。
その理論を試すため、迷走神経を調整すると考えているヨガの練習について詳しく調べた。例えば、ウジャイ・プラナヤマなどの抵抗力を加えた呼吸が弛緩反応の増加と心拍変動(回復力の指標)を観察した。また予備研究では、長い経験を持つヨガ実践者が「オーム」と声を出して唱えると、心の中で唱えるよりも迷走神経がより調整されてより弛緩反応がみられた。こうした研究が、様々なヨガの実践が、いかに人間の生理に様々な形で影響を与えているのかを明らかにし始めているのである。
https://yogainternational.com/article/view/scientific-research-how-yoga-works
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