2016年12月4日日曜日

瞑想で脳が変わる
How the Brain Changes When You Meditate

マインドフルネスは脳を確実に変える



以前から、生まれ持った脳は変わらないと私たちは思っている。ある年齢を過ぎると長期間使える神経回路のカードは一枚だけだと。
10-20年先を見越し、それは逆だと考え始めている者がいる。「脳は常に適応するように作られている」のだ。世界に知られたウィスコンシン大学の精神健康調査センター(Center for Investigating Healthy Minds)の神経学者リッチー・デヴィッドソンが私たちに知ってほしいことが次の3つだ。
  1. 脳は鍛えれば変わる
  2. その変化はかなり大きい
  3. 新しい考え方は良い方向へ変えることができる
これが可能だということを理解するのは難しいものだ。マインドフルネスを実践することは、薬のように、すぐに効いて血流に入り、即効性が必要ならば血液脳関門を通り過ぎていくものではないからである。しかし、練習を通してピアノの弾き方を覚えるのと同じように幸福感を養うことは可能だ。この8月、デヴィットソンはMindful誌に、脳は一生変化し続けると語った。彼によればそれはとてもいい知らせであるという。

脳がどのように変化するのかは意図的に行うことが可能である。有益な思考に焦点を合わせたり、例えばそういった方向に思い向けることで、脳の塑性に潜在的に影響を与え、有益な方向に形作ることができる。これは、思いやりや幸福感などというものは能力とみなすべきだという必然的な結論へとつながる。

神経可塑性の研究が瞑想の研究の枠組みとなると、デヴィッドソンは付け加えた。また、一日30分程度の「短い瞑想であっても(脳スキャナで感知できる程度まで)脳を変えることができる」とセンターでは考えられている。

最近の研究では、マインドフルネスの実践時には次のように脳が変化すると考えられている。
まず、下記の場所における灰白質、皮質厚が増加する。
  • 前帯状皮質: 前頭葉の後ろにある前帯状皮質という構造に灰白質の増加がみられる。ここは、注意葛藤の監視能力を含む自動調整プロセスなどの機能に関わり、さらなる認識の柔軟性を可能にする。
  • 前頭前皮質: 主に計画や問題解決、感情制御などの高度な機能に関係している前頭前皮質の灰白質の密度が上がることがわかっている。
  • 海馬: 海馬の皮質厚が増加することも知られる。海馬は、辺縁系の一部で、学習や記憶などを司り、鬱やPTSDなどのストレス疾患やストレスに大変影響を受けやすい場所である。

偏桃体の縮小


複数の研究により、脳の「闘争・逃走」の核であり、恐れや不安といった感情が起こる場所である偏桃体は、マインドフルネスの実践後に細胞数が減少することがわかっている。


ネットワークや結合の機能性が減少・強化


マインドフルネスの実践後は、偏桃体が収縮するだけなく、偏桃体と前頭前皮質間の機能的な結合が弱くなる。これによって反応が弱くなり、もっと高度な脳機能に関連する結合(注意や集中など)が強化するために道を譲るのだ。


脳内の「我」の中心部の活動が減少


マインドフルネスの実践は、とりとめのない「猿の思考」と呼ばれることもあるデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)の活動の抑制や沈静に関連している。DMNが活性化するのは、思考があちこち方向性がない時であり、その反応は「反芻」になぞえられ、幸福感に関しては常に適応するとは言えない状態である。

マインドフルネスが脳に作用する影響は習慣的に繰り返されるもの(ルーティン)から生まれる。ゆっくりと安定し、一貫性をもった事実認識、そして一歩下がって気づき、受け入れ、断定せず、過剰に反応しない能力だ。何度も何度も長い時間ピアノを練習すると脳内のピアノを弾くネットワークが強化されていくように、長期間のマインドフルネスは脳を作る。そして、不注意に反応することなくその前に少し立ち止まるという習慣により効率的な調整が可能となっていくのだ。



(出典)http://upliftconnect.com/brain-changes-when-you-meditate/

0 件のコメント:

コメントを投稿