2016年12月19日月曜日

アーユルヴェーダで免疫を高める+6つの自然療法  Vol.1
Boost Your Immunity With Ayurveda + 6 Natural Remedies

今回は ayurveda next door からの記事です。

免疫の働きやアーユルヴェーダの考え方についてかなり詳しく述べられています。
ちょっと難しいかもしれませんが、アーユルヴェーダ体系における免疫や健康維持の考え方が述べられていますので興味があれば読んでみて下さい。

なお、記事が長かったので3分割しました。
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免疫システムは人の活力を示す最も重要なもののひとつです。免疫系は、身体的、心理的、そして環境の変化に対し身体を守る能力なのです。活力というのは、健康に関する様々な指標で表すことができます。それはかなり複雑なもので、食物から得た栄養やエネルギーを取り込み、毒素を排出し、身体を汚れなく健康的に維持する「消化、排泄、活力」が、身体の代謝機能の効率を示す解かりやすい例といえます。

2種類の免疫


免疫科学において、免疫システムは大きく二つに分けられます。自然免疫と獲得免疫です。

自然免疫


自然免疫は身体の防衛の第一線であり、外界から身体を守る働きをします。この免疫システムは、物理的なバリアと非特異性免疫細胞からなり、以下のものがあります。
  • 皮膚
  • 鼻、口、鼻腔、消化管の粘膜
  • 汗と涙
  • 好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞など、これら物理的バリアの監視をする非特異性免疫細胞

獲得免疫


獲得免疫は二番目の防衛機能です。適応免疫ともいいます。外部からの病原体や抗原が自然免疫を通り抜けたときに活性化します。自然免疫と異なり適応免疫は、その目標を見つけることに限定されています。適応免疫システムは下記のとおりです。
  • B細胞リンパ球と樹枝状細胞:外部の病原体や抗原を認識する循環細胞。認識と免疫反応のため外敵の襲来を区別し抗体を作る働きをする。
  • T細胞リンパ球: 抗体によって区別された病原体や抗原を攻撃し排除する。
  • マクロファージ: 抗体を認識する。病原体を見つけると飲み込んで破壊する。

これら身体の機能は、身体を安全で健康的な生存の場とするために調和をもって働く必要があります。自然免疫と適応免疫が一体となり、外界の攻撃から健康な身体を維持しています。これが健康で適切に発達した免疫システムの機能なのです。しかし、この身体を守る武器は諸刃の剣でもあり、免疫機能のバランスが崩れたり制御が利かなくなると、身体に少なくない不利益を与えかねないのです。

免疫システムの科学的解明はいまだ途中段階です。免疫システムは極めて客観的で構造的、機械の様に見えるかもしれませんが、実際は栄養や私達が息をする空気、飲む水、住んでいる環境とともに、精神的、感情的状態に対しても行動、反応していると考えられています。

アーユルヴェーダのような東洋医学は、命と免疫システムの間に量的なエネルギーの関係性があると考えています。


アーユルヴェーダを理解する


アーユルヴェーダによれば、人はそれぞれ5元素(空、風、火、水、地)の独自の組み合わせの特徴を持ちます。5元素はトリドーシャと呼ばれる3つの性質を作ります。これらはヴァータ、ピッタ、カパ(図1)と呼ばれます。例えば、ヴァータ(空・風)は動きを司り、ピッタ(火・水)は消化と代謝機能を調整します。カパ(地・水)は構造と安定性を司ります。

この3つの性質は各個人のゲノム特性を意味し、バランスや病気、行動や気質などの傾向を含むと認識しています。


図1

アーユルヴェーダにおける免疫システムの概念は、西洋科学で認識する生理学的及び細胞的成分を超えたものです。健康的な免疫システムは、身体的、精神的、そして霊的な回復力に現れます。この回復力は、3つの性質の浄化によりもたらされるのです。免疫システムは、下記の「プラナ」「テージャス」「ソーマ」という3つの微細なエネルギーがバランスの取れた機能であるといえます。


プラナはエネルギーの普遍原理です。宇宙にあるエネルギーの総計であり、自然にあるエネルギーや私たちの内にある力です。動くもの、生命のあるものすべてはプラナの現れなのです。眼の中で輝いているものはプラナです。耳が聞くもの、眼が見るもの、肌が感じるもの、舌が味わうもの、鼻が嗅ぐもの、脳や知能が機能を果たすのもすべてプラナの力を通しています。ほほえみ、音楽の旋律、演説者の力強い言葉、愛する人の言葉に感じる魅力もまたプラナのおかげでです。この感覚の世界で見るものすべて、動くものすべて、命あるものすべて、プラナの現れなのです。

プラナは、尿濾過系などニューロンを通して細胞膜を越えたイオンの移動という形で現れる身体の生体電気活動を調整している「風の元素」を司っています。常に動き続けるイオンは、生命の活動を持続させる電気極性を維持するのに役立っています。細胞の動き、細胞間の信号や循環などもまた、免疫システムの活動に寄与するプラナの現れなのです。

テージャスは内的な輝きであり微細な火のエネルギーで、それを通して私たちは気持ちや思考を消化します。視覚的な印象でのテージャスは、食物や太陽光から吸収した熱の本質です。精神が認識し正しく判断することを可能にしています。より高度な知覚を発達させる働きをし、意識の最も深いレベルにあるテージャスは、私たちの意志や精神的願望の蓄積といえます。

概して、消化機能または個人の知性という形で現れる代謝活動と聡明さだともいえるでしょう。アーユルヴェーダでは、知性とは叡智を内的にも周囲の環境においても理解する能力です。健康的なテージャスは、総体的な消化(腸)から微細な消化(細胞)に至る全レベルにおいて消化を強化することで身体の最適な栄養状態と効率的な消化を支えます。消化プロセスで得た栄養とエネルギーは身体全体、そして免疫システムに力を与えます。

テージャスはまた、集中力や学習、記憶や意思決定を強化し認知力に寄与します。こうした性質は免疫システムの活動にも表れます。

眼を持たない免疫細胞は、他の細胞を認識するのに信号を使いますが、その相互作用において信号にどう反応するのか決定しなければなりません。免疫細胞は、センサーを使って常情報を集め監視を行っています。異物を見つけると、さらに信号を送り始めます。これは他の免疫システムを活性化させる知性(テージャス)なのです。プラナは循環の中で信号を伝え、遠くにある細胞と意思疎通をする信号の機能を持つのがテージャスです。免疫細胞はこうした信号によって、見たこともない脅威をどう認識するのかを学習します。脅威が去れば、免疫細胞は特定の病原菌の信号を記憶し、それ以後の素早い攻撃に備えます。


ソーマ・オージャス: オージャスは身体と精神と心を統合して機能させるための微細な接着剤です。また、カパの本質であるともいわれ、安定させる水と地の元素です。ランプのオイルのように、オージャスは燃えるような身体と精神のエネルギー、そして活力や情熱を維持します。オージャスが定期的に満たされることで、外的には輝く肌、輝く眼や絹のような髪として現れます。内的には、生殖、神経、免疫システムが機能し、感謝や満足といった安定した感情をはぐくみます。もっとも重要なのは、オージャスは気分を安定させ、ストレスの処理を容易にさせることです。

オージャスは、健康的で効率的、満ち足りた生理機能の副産物なのです。食物が正しく消化吸収された後に残る「ジュース」といえます。オージャスを作るというのは、内臓が活力を統合し身体と心が必要とする栄養を受け取ることです。痛みではなく至福を感じることで起こる良いバイブレーションが自分全体に伝わるためです。しかし、アグニ(消化の火)が正しく働いていないと、オージャスを作ることができません。それどころか、食物や思考、感情はアーマという毒素になってしまいます。


プラナテージャスオージャスの間には極めて複雑な相互作用があります。そのバランスが取れていると健康であり、バランスが壊れると病気になるのです。

アーユルヴェーダの叡智ではこう言われる「Yatha pinde, tatha bramhande (人間はブラフマン(宇宙)の投影である)」、すなわち身体の中に起こることは宇宙でも起こっているということです。
この言葉は、人間が宇宙から切り離せないということを示しています。同様に免疫システムは個人の活動と人生における経験とは切り離せないのです。


(次回に続きます)


(出典)http://ayurvedanextdoor.com/boost-your-immunity-with-ayurveda/


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