このポーズだけでなく、ヨガをしていると「空間(スペース)」がいかに大事か思い知らされることが多いです。
-----------------------------------------------------------------
ヨガクラスはスムーズに流れて行きます。ツリーポーズもしっかり立てたし(ちょっとフラフラしただけ)、チェアポーズも耐えた(ちょっと顔が歪んだだけ)、呼吸もちゃんと続けられている。ではなぜ、先生が太陽礼拝に入りますと言うとイヤーな感じになるのでしょう?
おそらく、太陽礼拝のBやCに出てくるダウンドッグからランジへの移行が心配でそんな感じになってしまうと言う人が多いのではないでしょうか。きっと、隣のヨギの足が滑らかにお腹の下で浮いて、その足が両手の間に蝶のようにそっと降りるのを横目で見ながら、自分は足をようやっと持ち上げてまるで花壇に置いた砂袋みたいに下ろしたらまだそこはマットの端よりはるか遠く後ろだったり、前のかかとが床から浮いて膝がつま先より前に出てしまったり。まるでまだビギナーみたいだと感じたり(初心者を見下げたり上手になることへ執着はないのだけれど)、膝が正しい位置にないと(足首の皺より前にある)関節を痛めることもわかってる。でもどうやって前の足をあるべき場所に降ろせるのだろう?
ヨガでの移行の多くにあるように、ダウンドッグからランジに入るには強さと柔軟性だけではなく技術が必要なのです。では、ダウンドッグで先生が「足を前に」と言った時のイヤーな感じを消すことのできる簡単な方法をお教えしましょう。この3つの方法はマインドと呼吸と身体に関係しています。
この動きを試す前にウォームアップすると(特に腰回りとハムストリングス)やりやすいことを覚えておいてください。ダウンドッグーランジの移行の前に、キャット&カウ、前屈からランジ、好きな3本脚ドッグなど簡単な準備運動をしておきましょう。
1. マインド
まず、マインドの準備をします。どんな挑戦も最良の結果を得るためには、それに達するところをイメージすると効果的です。
子供の頃、体育の時間にみんなで大きな円に座り、大きなパラシュートにそれぞれが掴まったりしたことがありませんか?(訳注:無いですよねー?)このゲームは、パラシュートの下をあっちからこっちへと、交代でくぐり抜けることです。でもその下をくぐるためには、空に飛んで行ってしまわないようにしながらパラシュートをふわっと持ち上げて空間を作らなければ、向こう側へは行けなかったはずです。ダウンドッグ-ランジの移行を、こんな空間を自分の体で流れるように作って行うとイメージしてみましょう。
移行をイメージしましょう(まだやらないでただイメージするだけ)。ダウンドッグから右足を伸ばして3本脚のドッグに入り、そこから右膝を曲げて胸に引き込む、猫のように背骨を丸めて床を自分から遠ざけるように押す。背骨が「パラシュート」のように膨らみ、体育の時間のパラシュートのように軽く足を前に出す空間を作ります。
この移行であなたが作る空間をイメージすることが、簡単に前へ足を出せる第一歩です。
2. 呼吸
実際に踏み込もうとする前に、この呼吸を交えたシンプルな練習を試してみましょう。
ダウンドッグから、息を吸って右脚をあげ3本脚のドッグになり、息を吐きながら膝を胸に引き込み、プランクに入るかのように少し前に移動、左踵を床から持ち上げ(もしまだだったら)左足の指の付け根で支えます。そのまま数呼吸して腰を持ち上げて平行に保ち、キャットのストレッチのように背骨を丸め、頭はリラックスします。空間をもっと作るために吐く息ごとに床を押してお腹をもう少し縮めて、もう少し丸まります。右脚をまた後ろへ伸ばして、吸う息とともに3本脚のドッグに戻ります。吐いて、ダウンドッグに戻り反対側も繰り返します。
3. 身体
マインドと呼吸ができたので、身体に行きましょう(ここで実際に前に足を出す練習です!)。ダウンドッグから息を吸って、右脚をあげ3本脚のドッグへ。お腹に集中して吐く息で膝を胸に引き込み、背中を丸め、両手で床を押し、左足の指の付け根でも床を押すと、右膝がもっと胴体に近づき足を出すための空間がもっと広がります。そこで右足を前にさっと出し(サッカーボールを蹴るように)、ゴール(両手の間の空間)に向かって足を出し、そして優雅に、そう優雅に、です、足の裏全体を地面に下ろし、ランジに入りましょう。
この移行を両サイド何度か繰り返しコツを掴みましょう。
最後に、人の体はそれぞれ違うことを思い出しましょう。長い腕、比較的短い脚、長い胴の人がいますが、そうした人は他の人よりも足を出すのが簡単でしょう。腕と胴が長くて脚が短いということは、体と床の間の空間が広く足を通しやすいからです。なので、これらのコツを試してもまだできない場合は、両手の下にブロックを一番低い状態で置いてみましょう。体と床の間の空間が広いといかに簡単に足が出せるかを感じてみてください。
この移行を練習する方法は他に、ウォームアップしてから四つ這いから練習することもできます。左脚を後ろに伸ばし、左踵を腰の高さ(これ以上高くしない)に上げ、そして吐く息で左膝を胸に引き、キャットのように背中を丸めて床を押します。吸う息でもう一度脚を伸ばします。これを数回繰り返し、四つ這いに戻ったら反対側も繰り返します。
ウォームアップし、イメージし、呼吸し、練習すれば、足を出す時に感じるイヤーな「ひざカクカク反応」が「膝がランジにするっと出る」にあっという間に変わり、思考と呼吸のバランスが取れて練習を楽しむことができるようになります。もしかしてまだこの移行が全然無理だと感じていますか?おそらく、今のあなたにとってのヨガの練習は、達成することへの執着を手放すことで、そして練習の中での成長に感謝することかもしれません。抗うより応えること、感謝を持って一瞬一瞬に呼吸するのです、マットの上でもそうでなくても。
0 件のコメント:
コメントを投稿