そもそも私がヨガを教えたいと思ったきっかけが、高齢者や疾患を持った人でもヨガを行うことができ、また彼らの健康促進に役立つと知ったからです。通常のヨガ・インストラクターのトレーニング(全米ヨガアライアンスが定めた、一番最初の資格)は200時間で、まずは基本的なことを教わるためシニアなどに教える訓練は含まれていません。その後、ティーチャーとしての経験を積みながら子供に教えるキッズヨガ、高齢者対象のシニアヨガ、道具の使い方を学ぶリストラティブヨガなどの勉強を続けていくのです。
ありがたいことにシンガポールで200時間を終えた後、ヨガセラピーやアーユルヴェーダなど素晴らしい先生から教わることができ、現在、シニアヨガも教えています。経験年数はまだまだ少ないですが、そもそも自分がシニアになりつつあって自ら老化を感じられるようになりそれがまた教えることに役立っているのが面白いなあと思っています。
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ヨガにはうまく歳を重ねる鍵があり、より多くの研究機関がその体と心への期待できる効果について注目してきています。その効果には、心拍数や血圧の減少、不安症や鬱、腰痛の軽減などが含まれています。最近のある研究は、ヨガを行う人の加齢やストレスの生理学的指標に良い変化をもたらす可能性さえ提唱しています。
だから、ヨガ・ジャーナルとヨガ・アライアンスのために行った昨年の「Yoga in America Study」によれば、米国におけるヨガ実践者は過去10年で倍増して367万人に達し、その動機の多くは健康への効果だということは驚くことではありません。
ヨガに熱中している人といえば若くてやわらかい人を想像しがちですが、実際は、Yoga in America によれば、17%が50歳代で21%が60歳以上だそうです。
この急激な広がりに伴い、特に高齢のヨギに怪我が急増してきています。「65歳以上の参加者はその他の年齢層に比べ、ヨガの練習中の負傷率が大きい」と、2001年から2014年米国病院救急部門でみられた3,000件に近いヨガ関連の怪我についての昨年の調査には書かれています。「ヨガを実践することには多くの健康利益がある一方で、参加者や参加を望む者は身体活動を行う以前に医師に相談すべきであり、資格のあるインストラクターの指導の下でのみ行うべきである」
20年近く医療の現場で教えてきたヨガセラピストとして、ヨガクラスで起こってきた残念な経験や怪我について悲しいほどよく聞くようになっています。私の生徒たちの話では、難しすぎるクラスだったとか、経験が少なく十分な訓練を受けていないインストラクターのクラスだったようです。若くて能力のある若い生徒をきちんと教えられるよう訓練を受けているインストラクターでも、中年以上の身体や肩関節の怪我、関節炎、緑内障、高血圧や心臓疾患などの症状を抱える人との練習には不可欠である安全上の注意に対する理解というのは限られていることが多いのです。
ありがたいことに、ヨガ界のプロを作る現場で安全にヨガを行う重要性についての認識は高まってきています。リスクを減らしながらヨガを練習するために、高齢者と健康問題を抱えている人がヨガでうまく歳を重ねるのを助ける5つの方法がこちらです。
1「どうあるべきか」ではなく「今どうなのか」から始めましょう。
もしヨガが初めてなら、あなたがどんなに健康で活動的であってもまずビギナークラスを試してください。ヨガは何をするかということだけではなくどうするか、だからです。西洋のエクササイズと違い、ヨガのアプローチをいうのは、努力と休息のバランスを取ることであり、励み、競い、勝つために努力することに重みを置く文化に慣れてきた私たちの多くには驚くほど難しいものです。実際、自分を許し、急がず、何らかの方法を探そうと躍起にならずにいることを身につけるのは、練習の中でももっとも難しい(そして心が落ち着く)ことの1つと言えるでしょう。緊張するのではなく困難に立ち向かっていると感じるところまで、ポーズにどのように入っていくかを学ぶ時間を自分にあげましょう。
2 ヨガの種類の幅はとても広いと理解しましょう。
ハタヨガというのは、体のポーズを教えるどんなタイプのヨガにも当てはまります。つまり、実際的には西洋でのどんなヨガクラスもハタヨガです。しかし、ハタヨガと書かれているクラスならおそらく、人目をひくあれやこれやでなく、基本的なポーズや呼吸法を行うもので始める人にも良いでしょう。ヴィニヨガとクリパルヨガは、比較的優しいスタイルで、健康問題を抱える人にも適しているでしょう。リストラティブ・ヨガは、体を支えてくれる道具を使って(ブランケットやブロック、ボルスターなど)深い休息を得るための受動的なポーズを取 ります。病院の健康施設や統合医療センターなどは、ガンや腰痛など特定の疾患をもつ人用のクラスを提供していることがあります。
3 訓練された経験のある先生を探しましょう。
4 かかりつけの医師と相談しましょう。
健康問題があるのなら、注意すべき動作などについて指導を受けましょう。例えば、緑内障の人には「頭を下げる」のを避けるように言われるでしょう。眼圧を上げる可能性があるからです。ホットヨガは、高い温度が心肺負荷を上げるので心疾患のある人には向きません。しかし、ヨガを知っている医師は少ないので、頭で逆立ちをしようとしていると考えるかもしれません。簡単な動き、ストレッチと呼吸をする優しいヨガをしようと思っていると伝えましょう。
5 歳を取っているから、という言い訳はやめましょう。
ヨガをするのに、若くて健康で、柔軟である必要はありません。呼吸ができるなら、ヨガを実践することはできるのです。
Krucoff氏は、ノースカロライナ州ダラムの Duke Integrative Medicine のヨガセラピストで、"Relax Into Yoga for Seniors: A Six-Week Program for Strength, Balance, Flexibility and Pain Relief." の共著者です。
(出展)https://www.washingtonpost.com/
national/health-science/more-older-people-are-doing-yoga-but-they-are-also-racking-up-injuries/2017/12/08/270ce406-ca2e-11e7-b0cf-7689a9f2d84e_story.html?utm_term=.4d6eb1c5b41a
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