2018年2月5日月曜日

冬を快適に過ごす方法 
Your Winter Wellness Guide

千年以上前の私たちとは全く違った文明の中でアーユルヴェーダは栄えました。その頃は人間の生活も自然世界と密接に結びついていました。ヴェーダの聖者たちは、昼夜、季節など自然の雄大なリズムと力が、人生のサイクルや期間と同じように私たちに影響を与えることを理解していました。また、自然と調和することは自分の体質(プラクリティ)と調和することだと知っていたのです。プラクリティは、3つの微細なエネルギーでできています。動きのエネルギーであるヴァータ、消化と代謝のエネルギーであるピッタ、そして潤滑と構造のエネルギーであるカパです。



冬に適応する最善の方法


プラクリティと同じく、季節もまたヴァータ、ピッタ、カパのサイクルによって特徴づけられています。一年を通して健康でいたいなら、食事やエクササイズの種類や量、ハーブの使い方などを通して環境の変化に適応し、自然のサイクルと調和して生活するようにしましょう。気候はコントロールできないですが、健康や活力、病気に対する抵抗力をつけるこれらの要素をコントロールできます。冬に関して、アーユルヴェーダはどのように見ているのでしょうか。この季節にバランスを保つためにどうすればいいかを見ていきましょう。

冬の空は曇りがちで、気候は寒く湿って重く、都会でも生活のリズムはゆっくりになります。カパのシーズンです。バランスが取れていると、カパは体と心の両方に強さ、勢い、安定をもたらします。この微細なエネルギーは、関節を潤滑させ、皮膚に潤いを与え、免疫を維持します。しかし増えすぎると、不活発で、粘液関連の病気、体重過多、または執着や嫉妬、強欲などの否定的な感情につながることもあります。

概して、冬にはカパを鎮静させるようにするべきです。しかし、乾燥して寒く、風の強い気候はヴァータをも呼び起こし、関節炎、消化不良などの問題にも繋がります。気温が下がった時ヴァータとカパ両方を鎮めるためには、以下を読んでください。



アーユルヴェーダの朝の習慣


アーユルヴェーダでは、冬の間は他の季節よりも少し遅めに(午前7時くらい)に起きることを勧めています。起きたら、夜の間に蓄積したバクテリアや菌の死骸を除去するため、そして消化器への血流を促すために舌をこすりましょう。そしてシナモン、クローブ、ビルヴァ(からたち)、ハリタキなどのハーブから作ったペーストで歯を磨きます。次に、腸の動きを刺激するために白湯をコップ一杯飲みます。それから、短いマッサージを自分に行います。温めたごま油を体全体にすり込みます(温まるので冬は全ての体質の人によいでしょう)。5〜10分間油をしみこませたら、温かいシャワーを浴びて肌の角質を取ります。

朝の習慣は、ヨガ、プラナヤマ、瞑想で完結します。スリヤ・ナマスカラ(太陽礼拝)、胸や喉、副鼻腔を開き、呼吸器の詰まりを取り除くポーズです。魚のポーズ、船のポーズ、バッタ、ライオン、ラクダのポーズ、そしてもしできれば肩立ち、頭立ちのポーズを行いましょう。そのあと、体系的なリラクゼーションと「火の呼吸」バストリカを数回行います。この呼吸は熱を作り、呼吸管から粘液を取り除きます。

瞑想をしたら、栄養のある朝食を取ることが重要です。朝に消化の火に燃料を与えなければ、体の組織が乾燥してヴァータを誘発します。オートミールや大麦、コーンミール、タピオカやシナモンを少し加えたポハ(バスマティライスのフレーク)を楽しみましょう。朝食の1時間後には、生かパウダーの生姜小さじ1/2、シナモン小さじ1/2、砕いたクローブひとつまみを1カップのお湯で5分煮出しましょう。このお茶は、消化を助け、血流をよくし、余分な粘液を除去します。(潰瘍やその他の炎症がある場合はこのお茶は飲まないでください)



エクササイズ(室内でも!)


寒いのが嫌なら、ジムに行くとか、ワークアウトのビデオをやるとか、トレッドミルに乗るとかして、血流を高め冬のカパを静めましょう。日光を浴びるのもよいです。窓際に座って早朝や夕方の光を浴びましょう。太陽光線は、筋肉をリラックスさせ、ビタミンDを作り、季節性情動障害を鎮めるとともに健康的な睡眠リズムの維持を助けます。


冬に食べるべきもの


イーストの入っていない全粒粉のパン、バターミルク、カッテージチーズ、蒸し野菜、ギー(精製バター)を入れたスープ、スパイスを取り入れましょう。冬には食欲が増すので、豆類や豆腐、卵などタンパク質を多く取りましょう。厳格なヴェジタリアンでなければ、鶏肉、ターキー、魚なども。シナモン、クローブ、黒胡椒など温めるスパイスを加えて消化を促しましょう。少量のワインを食事に足すと、アグニ(消化の火)を活性化させ、食欲が増進し、血流がよくなります。冷たい飲み物はやめて(カパとヴァータを悪化させます)温かいお湯、お茶、また時にはココアやチャイにしましょう。



暖かくして


冷たい風を避けて、温かい服を着て、外では帽子を忘れないで。(おばあちゃんは正しい。体の熱の半分以上は頭から失われるんです)また、耳や首を覆ってヴァータやカパを増やさないように。



風邪を治す


アーユルヴェーダ的には、風邪はカパとヴァータの不調です。体に、冷たく湿ったカパの質が増えて鼻づまりの原因になり、同時にヴァータが増えてアグニが減少し寒気がして食欲がなくなり消化力がなくなります。では、その方法は?

  • 生姜
    生姜は風邪に一番いいお薬です。ジンジャーティーをのみ、生姜と炭酸を入れたお風呂に入る(重曹1/3カップに生姜パウダー1/3カップをお風呂に入れ、首から下を浸かります)、または生姜のスチームを試しましょう。小さじいっぱいの生姜パウダーを500ccの水で煮ます。火を消したら頭の上にタオルを置き、約5分、鼻腔からその蒸気を吸いましょう。鼻づまりが治り、すっきりするでしょう。


  • ビタミンCを取る
    最長3ヶ月間、毎日500mg摂ってみましょう。


  • 自然の点鼻薬を使う
    ナシヤで鼻腔を潤し、風邪の炎症やくしゃみを解消しましょう。頭が後ろに倒れるように肩の下に枕を置いて仰向けに横たわり、鼻腔が天井を向くようにします。溶かしたギー3〜5滴を両鼻腔に垂らし、優しくオイルをすすり込みましょう。このナシヤは朝と夜に行えます(空腹時に、そして入浴前後最低1時間はあけましょう)。


  • お白湯を飲む
    日に数回お白湯を飲むと、体から毒が出されて治癒が早まります。


  • 乳製品を断つ
    ヨーグルト、チーズ、牛乳、アイスクリームなどの乳製品は、鼻づまりがなくなるまで絶対にやめましょう。




どうして冬になると食欲が増えるの?


寒い気候に応じて、熱を失わないように体は汗腺や表面の結合組織を収縮させます。それによって周りの組織の熱が胃など体の中心に集まります。ですからアグニ(つまり食欲)は冬に強くなります。しかし、カパやヴァータが悪化すると、アグニは急落し、風邪をひきやすくなり、血流が悪くなり、関節が痛み、悪い感情が出てくるのです。




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