2020年9月17日木曜日

上位交差症候群を正す練習 
Correcting Exercises for Upper Crossed Syndrome

それでは、具体的にみていきましょう。
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上位交差症候群の崩れたバランスを構成しているのは何か覚えていますか?
固まった胸筋や前三角筋、弱くなった僧帽筋中下部、菱形筋、前鋸筋、硬くなった僧帽筋上部、肩甲挙筋、そして弱くなった首の屈筋です。この上部交差症候群のせいで硬くなった筋肉に対処するため、胸や前三角筋(肩の前)、僧帽筋上部、肩甲挙筋を開き、同時に首の屈筋、僧帽筋下部、菱形筋、前鋸筋を強化しなければなりません。


ではどこから始めましょうか?正しい場所の可動性を広げることから始めましょう。安定性は、正しい固有受容性感覚(体の動きや空間位置の認識)から得られますが、動きに制限がかかっていると、この感覚は正常に機能できません。正しい動きができるようになれば関節の制限が減り、より効果的に強化することができます。では、上位交差症候群のバランスを正すのに役立つ動きと強化ポーズ、エクササイズを行いましょう。




可動性


胸部:三角筋前部のストレッチ

背骨(仙骨から頭骨)が完全に支持されるようにフォームローラーの上に横たわります。(長いものがなければ半分のものでも、または巻いたブランケットやタオル、マットでもOK)膝を曲げて両脚の裏を床につけます。肘と肩で90度に曲げ、上腕がローラーと直角に、前腕が並行になるようにします。肘と手首の力を抜いて床に下ろしましょう(床につかなくてもいい)。前腕を床と並行に保ち、肘よりも手首が床から高くなろうとするのを防ぎます。胸筋が左右に、そしてもしかすると肩の前も伸びるのを感じるでしょう。肘や手首が床につかなくても大丈夫です。肋骨の下部が突き出ないようにしましょう。体の力を抜いて胸と肩を開いて5呼吸以上行います。
フォームローラーがない場合は、戸口に立って腕を横に伸ばし90度曲げてみましょう。肘と前腕をドア枠につけたまま一歩前に出て、ストレッチを感じましょう。






腕:牛の顔のポーズ(ゴムカアサナ)

このポーズはどこでも座っても立っても行える素晴らしいストレッチです。
息を吸って右腕を天井に向けて伸ばし、左腕を床に向けて下ろします。息を吐きながら、両肘を曲げて指を伸ばしましょう。右肘は天井へ向け、左肘は床の方へ向けます。左掌は顔と反対方向に、右掌は背中の方向に向けます。指同士がつかなくても心配しないで。ほとんどの人はつかないものです。その場合は、ストラップかタオルを使ってつなげましょう。顎が下がらないよう、胸は引き上げ続けて肋骨下部が突き出ないように気をつけてください。肩は床と並行になるようにして、片方がもう片方よりも高くならないようにしましょう。


このストレッチでは右腕を(上の腕)伸ばすのだと思っている人が多いのですが、実は左の肩(下の肩)、特に前の三角筋に効果があります。左肩は、内側・前に巻き込み肩甲骨が「羽のように」突き出てしまう傾向があります(つまり最も抵抗のない道)。しかし、三角筋に本当に効かせるためには、肩甲骨を後方下方に下げ、肋骨に対して肩甲骨が並行になるようにし、左肩の前を伸ばしましょう。

両サイドで 5〜7呼吸ホールドしこのストレッチを味わいましょう。






頸部:僧帽筋ストレッチと筋膜リリース

座っても立っても構いません、右の耳を右肩の方へ力を抜いて下ろしましょう。両肩はどちらかが高くなってしまわないよう床と並行に保ちます。左手で床の上の何かに向かって伸ばすように、左腕の力を抜いて下ろします。ストレッチを強めるには、右手を頭の左側において優しく押しましょう。顎を少し下げたりあげたりしてよりよいストレッチを探しましょう。特に固まった場所を見つけたら、そこで数回リラックスして呼吸しましょう。反対側も行います。





テニスやラクロスのボールがあれば、壁に押し当てて首や僧帽筋上部のトリガーポイントを見つけてみましょう。壁を背にして立ち、ボールを首や僧帽筋上部と壁の間に入れます。優しくボールに寄りかかって固まった筋肉により圧をかけましょう。固まったスポットは探さなければならないかもしれません。特に酷い場所が見つかったら、そこにボールをあてたままリラックスした呼吸を5回以上行いましょう。固まった場所やトリガーポイントに圧をかけることで、脳に緊張を解いていいんだよと伝えます。このテクニックは床でも行えますが、やや強いものになります。







強化


頸部のうなづき

床に横たわるか壁を背に立ち、後ろの床や壁に首の後部をつけるような動きをします。首の後ろは付きませんが、顎が少し引かれて頭頂部分が持ち上がるのを感じるでしょう。二重顎のような感覚です。首の後ろに巻いたタオルを置くと押し付けることができるので良いかもしれません。この動きは、首の前にある筋肉を強化し、頭骨底部の筋肉を伸ばし、頸椎に最適な長さと強さのバランスを作ります。そのままリラックスし他呼吸を7回行うか、10-15回繰り返しましょう。この動きはまた、特にパヴァナムクタサナ(膝を胸につけるポーズ)や仰向きの4の字ストレッチなど仰向きで横たわったポーズなど、ヨガの練習の間に簡単に行えます。









レジスタンス・バンドを引く

およそ腰の高さ(ドアノブがよいでしょう)で何かの周りにレジスタンス・バンドで輪を作ります。ドアノブなど回した場所の方をむいて、背筋を伸ばし肘を入れ(外に開かないよう)レジスタンス・バンドを自分の方へ両腕をつかって引きましょう。バンドの強さによって立つ距離を調整します。肩甲骨どうしを寄せ肘を後ろに引きましょう。胸は引き揚げたままコアを使います。バンドに引っ張られないようにより安定して立つために脚を前後に開いても良いでしょう。疲れるまでできるだけ多くの回数を、良い姿勢を保ったまま行いましょう(15-40回)









これらのエクササイズは上位交差症候群に関連する悪いバランスを正すのと同時に、不快感や怪我を防ぎ姿勢を改善します。こうした姿勢の改善はまた、呼吸を効率的に行えることにつながり、体により多くの酸素を取り込むことでより多くの酸素を筋肉へ供給することができます。それにより、体力や気分が上昇します。心や体をバランスのよい形(スティラでスッカ)になるよう訓練すればするほど、関節や体はより健康になるということを忘れないでくださいね!












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