2020年9月21日月曜日

下位交差症候群のためのヨガ 
Yoga for Lower Crossed Syndrome

今回は上位交差と逆のパターンについてです。
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重力が下方と前方にかかると、腹筋の力が抜けて骨盤が傾きます。座った状態でこうなると骨盤は大抵の場合(必ずではない)後傾し(坐骨が前方に回り込む)、立った状態では骨盤は大抵の場合(必ずではない)前傾します(坐骨が持ち上がる)。どちらの場合も、上体が沈み背筋の下部により大きい圧力がかかり、背骨(脊柱起立筋)の屈曲を妨げ、その結果より多くの緊張を股関節屈筋にかけることになります。この姿勢は、座位の場合は特に臀筋を十分に使うことができず、腰筋や股関節屈筋が受動的に短くなります。そのため、慢性的に臀筋と腹筋が弱まり股関節屈筋と腰の筋肉が固まるのです。


体を横から見て「X」の字を書いてみましょう。片方が弱い場所でもう一方が緊張している場所です。上半身で同様の問題が起こっている上位交差症候群に似てますよね?これはご想像通り「下位交差症候群」と呼ばれます。




弱くなった腹筋      固くなった胸腰椎伸筋
固くなった股関節屈筋     弱くなった大臀筋


股関節は背骨を支えるベースです。股関節や周囲の筋肉の動きや強さに制限がかかると、腰椎への負荷が増えます。私たちの多くが腰痛を持っているのも不思議なことではないのです!この場合、腰の筋肉と股関節屈筋は「ヒーロー」となり、本来担うよりも多くの仕事を行います。例えば、ウトカタサナ(椅子のポーズ)を姿勢を正さずに後方へ座った時のことを想像してみましょう。全ての悪いバランスが強調され、臀筋と腹筋は使われないまま股関節屈筋と腰がもっと働きます。




パターンがわかりましたか?運動連鎖に沿って起こることは、周りの関節や部分に影響を及ぼすのです。弱かったり使わなかったりすると、その関節の上下にある筋肉が緊張したり使いすぎが起こったりします。つまり埋め合わせです。この観点はあらゆる関節に適用します。膝と足首を例にしてみましょう。私たちの多くは、大腿四頭筋とふくらはぎが硬くハムストリングスと脛が弱く、もうひとつの「X」を作りながら弱さと緊張を体に作っています。多くの場合、関節や特定の部分の痛みはその場所の上下の関節や部分の動きの欠落に原因があります。腰が痛い?おそらく、腰や足首の動きが少ないための埋め合わせでしょう。これは物を極端に単純にみていますが、私たちの体を、繋がったひとつの機能単位や「運動連鎖」としてみなすことから始めるのはよいことではないでしょうか。



私たちの体は、埋め合わせと効率の達人です。では、特に無意識の場合はこうしたバランスの崩れを克服するためにどうすればよいのでしょうか?まずは、マインドフルネスから始めましょう。あなたは車や机の前でどのように座っているのでしょう?スーパーで列に並んでいる時、どんな姿勢で立っているのでしょう?ヨガクラスでタダサナ(山のポーズ)や座位のポーズをしているときどう感じるのでしょう?今はどうですか?この記事を読みながら座っていますか?立っていますか?首や肩、腰、股関節はどうなっているでしょう?左右対照に感じていますか?体のある部分に頼りすぎて他の部分を無視していませんか?より安定して強くなれば(スティラ)、あるいはより可動性や柔軟性が高まれば(スッカ)よいと思われる場所はどこでしょう?



この下位交差症候群の崩れたバランスを正すために、まずは股関節屈筋を開く動きから始めましょう。後ろの膝をおろして腰を開くランジのバリエーションや、パヴァナムクタサナ(膝を胸につけるポース)が良いでしょう。また、プランクなどの腹筋の強化や動きのためのポーズやウトゥカタサナなどの臀筋を強化するポーズも行いましょう。



ヨガの練習を、あなたの体とその癖を知るよい機会だと考えてください。一度わかれば、それをつかって安定と弛緩のバランスを取ることができるようになり、ヨガの練習がよりバランスの取れた、楽しめる、痛みのない、体に効果的なものとなるでしょう。そして、おそらく、そのバランスがあなたの人生に違う観点を与えることになるかもしれません。






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