2022年8月5日金曜日

デトックス?浄化?アーユルヴェーダではどう考える? 
Detox? Cleansing? What's Ayurveda's Take?


昨日、私はスーパーマーケットで、3日間「肝臓をデトックスする」と書かれた商品を見つけました。くすっと笑ってしまいました。嘘の広告だとは言いませんが、「デトックス」という言葉はさまざまな意味を持っているので、デトックス商品がいうところのデトックスにどんな根拠があるのか私にはよくわかりません。私が言えるのは、こうしたデトックス・プログラムを始めて、結局、以前よりも気分が悪くなってしまう人が世の中にはたくさんいるということです。そして、こんな一体型のデトックス・キットを買い物かごに入れる前に、そもそも体の何を「デトックス」しようとしているのかを理解する方がいいでしょう。季節的なアレルギー?頭がぼんやりする?太り過ぎ?むくみ?シミや肌荒れ?関節のこわばり?頭痛?セルライト?取り除きたいもののリストはどこまでも長いでしょう。



ほとんどのアーユルヴェーダの浄化法は、体の系統(腺など)、内臓(肝臓など)、アーユルヴェーダで組織のひとつと考えられている血液などの組織を浄化したり、余分の水分を体から取り除くために作られています。そして、体が溜め込んでいる老廃物を無毒化すると、気分が良くなって、より効率的に機能し、全体的な健康や幸福感を支えます。アーユルヴェーダ医師のジョン・ドゥイヤールによれば、浄化においては、「消化力や体の自然な浄化の経路をリセットする方法を知る必要があります」ここでの問題は、私たちには、色々な健康問題を助けると謳う何にでも効くデトックス・プログラムや浄化の商品を買う傾向があり、大抵の場合それはサプリやジュースを摂取することになります。けれど、それ以外はいつもと同じように過ごしているのに、どうやってハーブや錠剤の箱が、内臓や組織や脂肪細胞を本当に浄化することができるのでしょう?炭酸飲料を飲んだり、チップスを食べたり、コンピューターの前に座り続けたり、睡眠習慣に気を配らなかったりし続けていたとしたら、そんなデトックス法など本当に効くのでしょうか?


答えは明らかです。そもそも、疲労感やだるさ、不安定さや膨満感などの原因となる問題を紐解いてはどうでしょう?アーユルヴェーダは、一年に2回の解毒を推奨しています。実践者として、私たちは季節に従い、積極的に体内をきれいに保つようにしています。その考え方は、半年に一週間、簡単で優しい浄化や活性化をすれば、一年中健康でいられるということです!半年に一度の浄化と解毒で、私たちの体は、老廃物の蓄積や疲労感、不活性に悩まされることがなくなります。


浄化とともに、体に滋養を与えたり活性させる実践法を一緒に行うと良いでしょう。深いリラクゼーションや瞑想、健康的な食事、そして疲れたり浄化後の病気にならないよう消耗した体を回復させるためのハーブを摂るなどの毎日の習慣です。時間や気づきは、デトックス・キットには含まれませんが、アーユルヴェーダの浄化プログラムにおいては大切な役割を担っています。アーユルヴェーダのスペシャリストや実践者に相談したり、アーユルヴェーダの原則を徐々に毎日の習慣に取り込んでいけば、何を浄化しているのか、そしてなぜなのかということが(一気に全てに取り組むのでなく)わかってくるでしょう。


では、デトックスと滋養のピログラムはいつ始めるのが良いのでしょう?アーユルヴェーダでは、最適の時期が年に2回あります。春と秋です。この季節が変わる時期には、心と体の状態を見極めてケアするための時間をとると、大いにその恩恵を授かることができます。


5日から3週間かけて、食事、睡眠、心の状態、そして日々どのように生活しているかに注意を向けることは極めて健康的です。一切合切をデトックスして、その効果を得られるのは間違いありません!日々あれこれのスピードを落として、毎日の習慣に浄化と滋養を取り入れましょう。ヨガや毎日のエクササイズをして、消化の火を調整し続け、内臓を機能させ、筋肉を活性し、老廃物の経路を整えます。季節の食べ物を薬として消化を支えましょう。例えば、春には浄化してくれる軽い芽野菜を、秋には6味を入れた栄養たっぷりのキチャリ(スパイスを入れたレンズ豆と米の粥)を食べます。毎日、自然の中で練習して、魂と繋がり続けましょう。自然の力は私たち自身よりもずっと大きいのです。起床、就寝、食事の時間を整えましょう。


秋のデトックスは、暑い季節から寒く乾いた辛い季節へと入っていくので、活性化の方により焦点を当てます。暑く軽い性質の夏は自然とデトックスされていきますので、浄化はあまり必要ありません。けれど、自然のヴァータ段階である冬になる前に、熱を下げて自身を落ち着かせなければなりません。クラウディア・ウェルチ博士によれば、「体からピッタを除去してヴァータを鎮めると良いです。秋のアーユルヴェーダ浄化はこれを促し、体のギア・チェンジをして消化のボタンをリセットしてくれます」


冬から春へ季節が変わる時のデトックスでは、より集中した食べ物の浄化を試みます。一年のうちで活力が溢れる季節に入っていきます。自然界の全てが春の再生のために浄化、活性します。それは私たちも同じです!春のクレンジングについては、アーディル・パルキヴァラが言うように「感じられる最も劇的な変化は、精神的な明晰さです。肌は輝き、ゆったりとした深い眠りを得られるでしょう」


そうです。これは箱に入ったデトックス製品とは全く異なります。アーユルヴェーダのデトックスに関係した浄化や活性化のハーブも存在しますが、これらは体の一部だけを分離してではなく、体を全体として浄化することを助ける穏やかな方法で使われます。アーユルヴェーダの原則は、生理学的な体が全て一緒になって働くことで私たちは生きているということを思い出させてくれます。ですから、その効果を存分に得るには、体の一部だけでなく、特に消化に焦点を当てながら全身を浄化することが必要なのです。


デトックス製品には全く意味がないとは言いません。ただ、1週間程度、意識をライフスタイルや食事、睡眠、精神的な気づきなどに向ければ、体や心にもっと有益な浄化の効果が得られるということをおすすめしたいのです。次に季節が移り変わる頃、自身に滋養を与えるために何が必要かを、今、確認してみましょう。箱に入ったデトックス製品の代わりに、季節のリセット、つまり心と体の浄化と滋養の実践で、バランスをとり戻し健康的な一年にしましょう。






(出典) https://yogainternational.com/article/view/detox-cleansing-whats-ayurvedas-take


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