前回からの続きです。
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
編集註:下記はヨガの実践者や指導者のための一般的な助言を目的としています。医療従事者による個別の助言の代替ではありません。ヨガの指導者は自身の役割の範囲にとどまるべきであり、生徒に対して診断や治療、医学的アドバイスを行わないようにしてください。
してはいけないこと
腰椎管狭窄症の人が最も気をつけていただきたいのは、症状が強くなっていくことに気づかないほどの速い動きでポーズを深めないようにすることです。
これまで見てきたように、狭窄症の多くは背骨の屈曲で緩和されることがあります。リーフ氏によれば、かなり軽症の人であれば、「これらの動きで症状が起きたり悪化しなければ」側屈や回旋、または緩やかな伸展でも可能なポーズがあるかもしれません。しかし、ニュートラル状態から大きく外れると、椎間板を圧迫されてより狭窄し神経繊維を損傷する可能性もあり、またこれらの動きで痛みを感じる人も多いでしょう。
リーフ氏のアドバイスは、痛みが強くなったり痺れを感じたらどんなポーズでもすぐにやめることです。「ポーズや動きで症状がでたり、強くなるなら、それは『してはいけないこと』なのです」
けれども、これらの「してはいけないこと」は、決して変わらないものではありません。「時間と共に、全ての機能を取り戻すことができるようになり、症状を悪化させることなく背骨をあらゆる方向に動かすことも可能になるかもしれません」
1. 完全な逆転ポーズは練習しない
「どの逆転のポーズも、より体重が重く上からかかって腰椎を圧迫するため、神経が自由に通らなければならないスペースがより狭くなってしまう可能性があります。また、逆転ポーズでは、ニュートラルの背骨を保つのが人によって難しくなってしまうこともあります」
頭立ち、肩立ち、上腕のバランスポーズやハンドスタンドは、こうした逆転ポーズでニュートラルな背骨を保つことができる、あるいは、ポーズに入ったりポーズから出るときにコントロールできるほどの長い経験のある実践者でない限りは避けるべきです。もっと穏やかな、ダウンワードフェイシングドッグや壁に脚を上げるポーズなどを試しましょう。
2. 症状が悪化するなら、自然な曲線を越えた背骨の伸展をしない
「ここで言うのは、通常の前弯での伸展ではありません」リーフ氏は注意を促します。腰のゆるやかな前弯は、ニュートラルな背骨であるための重要な要素です。しかし、狭窄症の人にとっては、背骨のそのあたりの湾曲を大きくすることは良いこととは言えません。
「腰椎の伸展は、脊柱管を狭める可能性があり、腰椎狭窄の人が気持ちいいと感じることはほとんどありません」
彼は、上向きの犬や車輪、バッタ、ラクダなどのポーズは避けた方が良いと言います。症状が悪化しないのであれば、もっと穏やかな後屈、つまりスフィンクスや橋など、腕を使って背中の真ん中あたりから上部にかけての後屈の方が適しているでしょう。
3.心地が良くないなら、極端な捻りや、背中を丸めた捻りをしない
「捻りは大抵の場合、症状を引き起こすか悪化させます」リーフ氏は述べています。ジャヌシルシャアサナの深いバージョンや、捻った椅子のポーズ、また腰を丸めた捻りなどのツイストは、腰部に不快な圧迫を引き起こす可能性があるため、症状が悪化する場合は避けるべきです。
狭窄が軽い場合は、ある程度の捻りも可能だろうとリーフ氏も認めています。
狭窄が軽い場合は、ある程度の捻りも可能だろうとリーフ氏も認めています。
「おすすめできる捻りポーズは、ニュートラルな腰椎で行えるものだけです」彼が推奨するのは、四つ這いからの「針に糸を通すツイスト(パリヴリッタ・バラサナ、捻った子供のポーズとも呼ばれます)」や、車のフロントガラスのワイパーのような両脚の動きです。戦士のポーズI や II もまた若干の捻りがありますが、狭窄のある人にも行える方も多いでしょう。
より深刻な症状の人は、 ほんの少しの捻りにしておくか、左右片側だけにしておいた方がいいかもしれません。狭窄が背骨の右側にある場合は左への回転が圧迫されている部分の圧迫を緩和する可能性があり、圧迫されている右への回転は症状を悪化させる可能性があります。もし痛みが起こるならそちら側に捻らないようにしましょう。
4. 症状が悪化するなら深い側屈をしない
穏やかな側屈は背骨を強化し圧迫を緩和することもありますが、「ここでも、極端な動きは症状を悪化させる恐れがあります」リーフ氏は言います。捻りと同じように、心地よいと感じる範囲でのみで行い、片側への側屈に圧迫を感じるようならやめておきましょう。
カンヌキのポーズや立位の側屈などでは、心地よくいられるようにできるだけ体を高く保ちましょう。
5. 立ち上がる時に体を丸めない
前屈で楽になることがある一方で、前屈から背中を丸くして立ち上がる時は違うメカニズムが関係するとリーフ氏は指摘しています。これは、急な症状が起こるか起こらないかに関わらず、狭窄症や背骨に問題のある人には絶対に避けるべき動きです。上半身の重みを重力に逆らって持ち上げるのは、既に脆弱な腰に大変な負荷を与えることになるからです。
「お尻やお腹の筋肉の助けを得ずに背中の筋肉だけに頼ると、腰椎の筋肉や多裂筋、脊柱直立筋、椎間板にストレスを与えます」
前屈から起き上がる時は、両手を腿に置いて背骨をできるだけ長くしたまま立ち上がりましょう。
毎日の生活
あなたが納得できた「すべきこと」と「してはいけないこと」に従うのと同時に、できる限りマインドフルなヨガの練習で培った自分への気づきに戻りましょう。日々のどのような動きでどのように感じるかに気づく。どんな動きが有益だとも終えるのか?どれがあまり有益でなさそうなのか?
もし症状を悪化させる動きがあるなら、やり方そして体の位置を変えて、腰のストレスを少なくしましょう。あるいは、少し休みをとって座ったり、肘を腿に載せて前屈みになったりできそうですか?または、もっと呼吸を多くしてみる、その動きを慌てないで取り組めそうでしょうか?
毎日、そして夜間も、背骨の健康へ意識を向けることが徐々に容易になっていくのに気づくかもしれません。そして、動きそのものも楽に感じられるようになるかもしれません。
(出典)https://yogainternational.com/article/view/adapting-yoga-for-lumbar-spinal-stenosis/
(出典)https://yogainternational.com/article/view/adapting-yoga-for-lumbar-spinal-stenosis/
0 件のコメント:
コメントを投稿