2024年2月3日土曜日

ヨガクラスで腰痛を防ぐ5つのヒント 
5 Tips for Preventing Back Pain in Yoga Class



多くの成人にとって腰痛はよくある問題ですが、世界的にも腰痛は身体障害の主な原因でもあります。腰痛の原因や治療法を人々が探し続けるにしたがい、ヨガが再度注目されています。2017年「Annals of Internal Medicine(内科論文集)」で発表された研究では、医師の腰痛治療は、薬を処方する前にヨガなどのエクササイズを薦めるべきだと書かれています。


しかし、他の運動などと同様に、ヨガにもリスクはあります。ヨガで腰痛を防ぐ(怪我ではなく癒しを得る)5つの方法をご紹介しましょう。


1. 繋がる


さまざまなバージョンの「Dry Bones(乾いた骨、つま先の骨は足の骨に繋がってる、といった歌詞」という古い歌がありますが、ご存知の方も多いかもしれません。私は、ヨガクラスでこの歌詞の一部を使って、全ては繋がっているということをみんなに思い出してもらいます。ミシェル・エドワーズは著書 YogAlign の中で、人体を全体的に見る重要性について述べています。「体の全ての部位は全身に影響するため、体の前側の短縮や収縮は体の後ろ側にとてつもなく大きなストレスや牽引を与えます。体はそれぞれ繋がり合っています。他の部位に影響を与えることなくどこかを動かすことはできません」


体はひとつのシステムであり、それぞれの部分の集まりではないと認識することが練習の中で腰痛を防ぐ基本となります。エドワーズが特に問題とするのは、背中の健康と「シックスパックの腹筋」との関係です。彼女が言うには、固まった腹筋で体の前面が縮まると背中の痛みや筋力の低下につながり、そのためにバランスが崩れて腰痛を引き起こします。腰痛には腹筋運動というよりは、解剖学的に理解されたアサナや深い呼吸の練習、そして活動的なライフスタイルを続けることでマインドフルに体幹を作り上げることを薦めると彼女は言います。


エドワーズはまた、彼女のクラスに全身のマッサージを取り入れています。私は、大抵クラスの初めに彼女の「足指組み」と足裏マッサージをして、生徒たちにすべては繋がっている(そして体の後ろ側の筋膜は足裏から背中に繋がっていて頭骨までずっと通っている)からだと思い出してもらい、足をケアすることは腰の健康にもよいと伝えます。数分間そうして左右の足をマッサージしてから、右手で左足指を組んで指どうしを握り合って足指を強くします。これをまた反対側の足でも繰り返します。


練習するときは、繋がっているということを頭に入れることが腰痛を防ぐために不可欠なのです。




2. 自身の限界を知る


亡きT.K.V.デシカチャー氏は、現代の最も尊敬されるヨガ指導者の一人で、いまも彼の教えは何千もの生徒や指導者たちに影響を与え続けています。彼の最も素晴らしいヨガへの功績のひとつは、自身の練習を作り上げることを強調したことです。著書 The Heart of Yoga の中でデシカチャーはこう述べています。「自身の原点を認識し受け入れることを学ばなければ、アサナに不可欠な性質を見出すことはできない」自身の限界を見つける大切な第一歩は原点を知ることなのです。


Living Yogaで「A Nonviolent Approach to Extending Your Limits(自身の限界を越えるための非暴力的アプローチ)」と題されたエッセイの中でケン・ダイヒウォルドは、自身の限界を探る重要性について考察しています。限界にとどまり続けない一方でそれを越えることが悪影響になることもあり得ます。ダイヒウォルドはそうした限界のことを、ある意味「自己破壊と自己改善のの微妙な差」と定義しています。練習での腰痛など他のどんな痛みでも避けるには、自分がどこにいるのかから始め、その場所を尊重し、そしてマインドフルに自分の限界を探求することが必要です。


実際には、マットの上でどんな鋭い痛みをも避けることが、自分の限界を超えない確実de
最も明確な方法だと言えます。そしてデシカチャーは、練習の一体感を保つのに呼吸が有益な方法になりうると信じていました。彼はウッジャイ呼吸(「音を出す呼吸」「海の呼吸」とも言われます)の提案者です。「練習の中で、穏やかで均等、かつ静かな音が維持することが難しいなら、それはもう自分の限界を過ぎてしまっている」限界の内側にとどまるためのツールとして呼吸を使いましょう。背中を守り、障害続けられる練習にむかって進みましょう。



3. 補助具をたくさん使う


私が主に教えているのは優しくレストラティブなスタイルのヨガです。クラスを始める時はたいてい、練習の中でより心地よくできる場所を探るよう生徒たちに尋ねます。「もっとスピードを落とせるのはどこでしょう?和らげられるでしょうか?」私はそう聞きます。全身そして特に背中をいたわる素晴らしい方法は、ヨガの補助具をうまく使うことです。


ヨガクラスの間、どこで補助具を使うかを生徒と先生が伝え合うことが理想的です。けれど、補助具を使うことが正しいポーズに役立つかは見た目ではわからないポーズが二つあります。一つ目は、呼吸の練習をしたり集中したりできるよう、多くのクラスで始めにやる足を組んだスカアサナ(安楽座)というポーズです。けれど、安楽座が安楽でなかったらどうでしょう?もしそうなら、お尻の下に折り畳んだブランケットを置いたり、ブロックやボルスターの上に座ってみましょう。補助具を使ってもまだスカアサナが心地よくなければ、ヴァジュラサナ(稲妻のポーズ、正座)を試しましょう。股関節と腰とは複雑に関係しているので、多くの人にとってスカアサナで必要となる股関節の外旋を避けることが腰に優しい座り方になります。もうひとつは、ほとんどの人がヨガの練習で数分以上を過ごす休息のポーズ、シャヴァサナです。これは私が生徒にぜひ補助具を使って欲しいと薦めるところです。この最後の至福のポーズに辿り着いて背中にただ緊張感を感じるだけなんてがっかりですよね。まっすぐに横たわって腰に痛みや緊張感があることに気づいたら、大きいボルスター(あるいは折りたたんだブランケット2枚)を両膝の下に置いてみましょう。これを試した後は、ほとんどの生徒がいわゆる普通のシャヴァサナではなく、腰にもっと心地よい姿勢を選んでいるようです。



4. 前屈に気を付ける


ヨガ界では前屈についてはやや異論が多く、腰痛や怪我の原因となるという人もいれば、誰もがすべきヨガの練習だと信じる人もいます。またここで、デシカチャーの言葉が鍵となるようです。「ヨガの練習は、誰にでも合うように作り上げるべきである」前屈はあなたの練習に合っていますか?どうしてそうなんでしょう?あなたの体が必要としているものにぴったり合った前屈をするにはどうすればいいのでしょう?例えば、今は前屈をする時間を短くする、あるいは前屈をするときはいつも膝を曲げるなどでしょうか。


ジュリー・グッドメスタッドは、私が頼りにしているヨガ解剖学と前屈の専門家です。ヨガジャーナルの解剖学コラムでは、「前屈は素晴らしくリラックスでき内省的なポーズである一方で、特に脚の裏側が硬い人には腰のストレスや怪我となり得ます」と彼女は書いています。


私自身の練習では、立位でも座位でもたっぷりと膝を曲げることが、私のしつこい腰痛をマットの上でも外でも和らげてくれています。再度デシカチャーの引用です。「前屈を強めようとして腕の筋肉を使うべきではない」


ここでもまた、前屈にどう体が反応するか実験してみましょう。前屈が良くないと感じるなら、数週間やめておくか、腰の健康や軽さに影響があるかを注意深く検討して、最も優しいものから少しずつ行なっていきましょう。前屈での腰の痛みや引かれる感覚は、ポーズを調整するか他のポーズをする時だという強い指標になります。また、呼吸が前屈でストレスを受けるようであれば、あなたの体がもう一度考えてみてちょうだいと伝えているのかもしれません、最後に、ヨガの先生にあなたの前屈を分析してもらうようにお願いすることが、あなたの腰を守り癒す洞察になるかもしれません。



5. マットの上でも外でも「養うように」動く


私のヨガの教え方や練習にとても影響を与えたもののひとつが、ケイティ・ボウマンが「養う動き(nutritious movement)」と呼ぶ概念です。生体力学者ボウマンは、健康や幸福への全体的アプローチの提唱者です。毎朝1時間ヨガをすることはとても良いことですが、その日の後の時間のためにどのように動くでしょうか?座りがちでしょうか、よく動く方でしょうか?マインドフルに動くのでしょうか、体や姿勢の悪い癖を強めるのでしょうか?ヨガは腰痛のたったひとつの解決法というわけではなく、パズルの1ピースのようなものだと考えるのがより現実的なアプローチだと私は思います。また、腰痛が再発したときのたったひとつの解決法というよりは、より広い心身の鍛錬の1ピースだと考えて練習のプレッシャーをやや緩めるといいように思います。マットの外で過ごす23時間をよりマインドフルに「養うように」動くと、マットの上でも痛みを感じることが少なくなります。



ヨガ哲学の「アヒムサ(非暴力)」を念頭において、私たちは、より大きな全体像の一部として腰痛を防ぐ方法を探ることができます。より高みにあるものの役に立つ力を与えてくれる癒しのヨガを作り上げるのです。ヨガクラスで腰痛を防ぐことで、これから何年間も続けれられる練習が確実にできます。



慢性の腰痛はありますか?
ここでヨガクラスで腰痛を防ぐ方法を見つけられたでしょうか?









(出典)https://yogainternational.com/article/view/5-tips-for-preventing-back-pain-in-yoga-class/

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