この新しく発見されたジカ・ウィルスに関する健康レポートが、米国や南アメリカの国々に波を起こしています。このフラビ・ウィルスはネッタイシマカによって伝染します。
ネッタイシマカはまた、デング熱やチクングンヤ熱の原因にもなっています。感染者の約80%に症状がない一方で、ジカ・ウィルスの症状は、急な発熱、斑状丘疹性発疹、関節痛や非化膿性結膜炎などです。こうした症状は最長一週間続き、入院したり死亡することは稀です。
しかし、最近の報告では、ジカ・ウィルスと胎児の小頭症発症の関連性を主張しています。
頭の外周が小さくなる小頭症は、たいていの場合、脳の発達異常の結果で、脳性まひなどの精神、運動障害を含む長期の発達障害の原因となります。他に、染色体異常、麻薬やアルコール暴露、環境有害物質、頭蓋骨早期癒合(頭蓋骨癒合症)や、代謝条件によって起こります。
ジカ・ウィルスは、黄熱病ためのネッタイシマカ研究中に偶然それが発見されたウガンダのジカという森の名前からきています。ジカ・ウィルスはサルに感染することがわかっています。
2015年の初め、ブラジル北東部の二人の妊婦の羊水から北東ジカ・ウィルスのRNAが発見されました。そして超音波健診で胎児の小頭症が認められました。このウィルスと胎児の発達異常に関連性はあるのでしょうか?
歴史的に、ブラジルの小頭症発症例は1万人の生児出生に0.5人であることに注目すべきです。2015年の下半期にブラジルの保健省へ報告された小頭症の疑いは、3000件にのぼります(1万人の生児出生に対し約20件)。この急な増加により、その原因のさらなる追究が必要です。
ブラジル保健省の調査の結果、2015年8月から10月に生まれた小頭症35例のうち25件(71%)が重度である、17件(49%)が少なくとも一か所の神経異常がみられ、神経画像検査を受けた27人すべての胎児に神経異常がありました。これはジカ・ウィルスと妊婦の関連性を示唆しています。
CDC(米国疾病対策センター)は、ジカ・ウィルスの存在が認められた小頭症のケース2件と流産した妊婦から摂った2件のサンプルを試験しました。この4件にジカ・ウィルスがみられ、胎児が子宮内でウィルスに感染したことを示しています。これらの母親らには妊娠中、熱性発疹があり、そのうち2件は流産してしまいました。
近年、アメリカ大陸の20か国でジカ・ウィルスの感染が確認されています。また、感染媒体であるネッタイシマカがウルグアイやアルゼンチンにも存在し、さらなるウィルスの拡散の可能性をもたらしています。
ジカ・ウィルスの予防
- ジカ・ウィルスの流行している地域への旅行を控える
- 蚊の温床を排除する (水たまりなど)
- できるだけ肌を出さない服装をする
- 蚊帳を使用
- エアコンの効いた部屋にいる
- 虫よけスプレーなどで咬まれないようにする(妊婦及び授乳中の母親への虫よけには注意すること)
予防と治療のためのアーユルヴェーダと自然療法
アーユルヴェーダ体系の概要
食糧生産や大気環境など、私達は常に環境の変化にさらされています。最も微細な形で予期しない変化が現れるのです。アーユルヴェーダでは、プラクリティ(遺伝的体質)とヴィクリティ(現在のバランス状態)がこれを表しており、周りの状態により常に私たちは肯定的にも否定的にも流動的なのです。
この世界の微細な、そして巨大な存在と常に私達は影響しあい、母親の子宮に初めて存在してから新しく異なるものへと成長しています。健康や病気というのは、絶え間ない変化や私たちの存在に影響を与える「菌」の変異といえるでしょう。そうした菌は他のものと同じく、常に私達と影響しあい、私たちの組織に入り込み、身体のバランスを崩すのです。
ジカ・ウィルスに話を戻すと、西洋の医学ではウィルス感染には最小限の治療しか行いませんが、東洋や代替医療では感染の間、予防や治療にありとあらゆるツールを使って取り組みます。
ハーブ
蚊媒介性の病気のハーブを使った治療では、駆虫薬、抗原虫薬、抗マラリアの特性をもったものに注目します。駆虫するハーブは寄生虫を殺し、抗原中のものは原虫を効果的に狙い、抗マラリアハーブはマラリアを作る種を効果的に根絶します。幼虫を殺すものも多く使われます。ニーム
ニームは、特に血液をきれいにし解毒する作用をもつ広い薬効成分でアーユルヴェーダでは広く知られています。葉や種から抽出されるニームエキスは、防腐、防虫(抗マラリア作用も)作用があります。しかし、ニームは血糖を下げる効果があるので、食事と一緒にとるよう注意が必要です。局所使用は安全で妊娠中でも大丈夫ですが、服用は避けなければなりません。ニームの強い殺虫力が、いくつかの研究で明らかにされています。ある研究では、アセトンで抽出したニームオイルの濃縮液に浸した木片を入れておくと、水中のハナダカラとネッタイシマカの成長と繁殖が45日間にわたり抑制することがわかりました。
ニームオイルの殺幼虫効果のある研究では、ニームオイルが最長7日間幼虫を100%抑制する効果があり、ネッタイシマカの幼虫に対して第1日と第2日でそれぞれ95.1%、99.7%の減少がみられました。
こうしたニームは、蚊に関連する病気の抑制に効果があるでしょう。ネッタイシマカに対するニームの各部の効果を調べた研究では、葉のアセトンエキスが100%幼虫を死滅させることに成功し、48時間目には根のクロロホルムエキスがさらに効果を示しました。
ソディ博士の虫よけ対策
感染地に行く10日前、滞在期間、滞在後10日間の間、1日3回500mgのニームエキスを摂取すると、抑止、防止、治療することができます。ニームはまた、防虫スプレーとしても使用できます。
イランイラン
カナンガの木としても知られるフィリピン原産の熱帯木です。そのよい香りで知られ、エッセンスオイルは医学的に数多い応用がされ、妊娠中や授乳中だと考えられています。ネッタイシマカによく効きます。ネッタシマカ、ハマダラカ、コガタアカイエカに対する様々はエッセンシャルオイルの効果を比較した最近の研究では、ネッタイシマカ(99.4%)、ハマダラカ(97.1%)、コガタアカイエカ(100%)の産卵に対して、イランイランの花の10%濃縮液に効果がありました。
ヨモギ
ヨモギはセスキテルペン・ラクトンが含まれており、マラリア予防に効果があるとハーブ界ではよく知られています。事実、マラリアの治療のためにこのハーブが処方されている薬品もありますが、最近ではヨモギ抵抗力のあるものが懸念されています。妊娠初期のヨモギの内服は、奇形の可能性があるため避けるべきです。初期でなくても注意が必要です。媒介によっておこるマラリアやデングへのヨモギの影響を調査する最近の研究では、葉のクロロホルムエキスがそれぞれの媒体の死滅、または幼虫の活動の抑止に強い効果があることを示しました。
乾燥ヨモギのヘキサンエキスが、コガタアカイエカと比較してネッタイシマカとハマダラカに用量依存で効果的だとわかりました。ヨモギはネッタイシマカに有効でしょう。
蚊媒介のウィルスの予防や治療にこうした自然療法が効果的なテクニックだということは明らかです。また、これらは副作用が少なく外用には妊娠中も概して安全です。しかし、妊娠中は注意が必要ですので、医師に相談してください。