2017年9月13日水曜日

汗をかくヨガは間違い 最高齢インドのヨギニが語る 
India’s oldest yogini says you’re doing yoga wrong if you’re working up a sweat

今回は、インドで長く伝統的なヨガを教えてきた女性とその家族についての記事です。
米国に渡ってどんどん新しくなっていくヨガ、そしてインド古来のヨガについて彼らの意見が書かれています。
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太陽礼拝(スリヤナマスカラ)を一度に100回できるような、パワーヨガのファン、ホットヨガの愛好者に対し、インドの最高齢のヨガ・ティーチャーは、それは間違いだと主張する。

インドの南、タミルナドゥ州の98歳になるヨガのエキスパートV・ナナンマルは、ヨガは正しくやれば過酷な運動ではなく汗をかいたり息が上がったりするものではないと信じている。それは平和的でリラックスするもので、それこそが彼女が1世紀近く実践してきているものである。

その年齢にも関わらず、何事もなくどんなアサナもやってしまうその才能で、ナナンマルは称賛とを得てきた。食事とエクササイズのおかげで、彼女は今日まで病院に行ったこともなく大抵の若者よりも健康そうに見える。現在、ヨガ界や健康関連の有名人となり、複雑なアサナをとっているビデオは人気を博し何百万人もの視聴者を魅了している。

ヨガに関しては、ナナンマルと子供達、孫たち、ひ孫たちをも含む家族は、世代を超えて受け継がれてきた伝統に従っている。1972年に設立されたコインバトールにあるオゾン・ヨガセンターで、プラナヤマ(呼吸法)に焦点を当てた伝統的スタイルのヨガを教えている。

しかし、ここではルルレモンのヨガパンツもヨガマットもない。ナナンマルは伝統的な服装でシンプルなカーペットの上でヨガをする。彼女のスタイルはミニマリストに近く、雑穀粥の朝食に野菜と米の昼食、牛乳と果物の夕食といったシンプルな食事をとる。また、生徒たちにも肉やタバコ、アルコールを取らないよう勧めている。

これらは、インドの都市部や世界中にある10億ドル規模のヨガ業界とは大きくかけ離れている。強く速い動きのパワーヨガ、高湿度で行われるホットヨガの人気は、特に米国で衣類やアクセサリー、クラスの人気にますます火をつけている。しかし、ナナンマルや彼女の家族のような伝統主義者にとって、これらは単なるエクササイズであり本当のヨガの形とは程遠いものである。例えば、ナナンマルは、太陽礼拝のアサナは伝統である12回以上行うべきではないと主張する。しかし、ヨガ愛好者の中にはそれをエクササイズとして行い、できる限りの回数を行うこともある。


セレブなどではない 


ナナンマルにとって、ヨガで世界的に有名になることは意識したものではなかった。彼女と子供達がヨガを「フルタイムの職業」にする前は、それは単なる家族の行動であり、107歳まで生きた母親ポナンマルを含む家族で行うものだった。

「父と祖父はどちらもインドの登録医師で、家族以外にヨガを教えることもなかった」息子でヨガ・ティーチャーであるV・バラクリシュナンは語った。「家族の伝統であり外に出ることはなかった」当時、ケララの主要産業は農業であり、カシューナッツとココナツの農場を持ちながら伝統的なシダ医療を行なっていた。

ヨガが人助けになる可能性があるとナナンマルに気づかせたのは、義母が関係する事件だった。
「義母が農場にいた時に脚をくじいた」ナナンマルはタミル語で説明した。「医者に見せる代わりにヨガのポーズをいくつか教えたら、脚が治った」

それからというもの、義母は彼女の最初の生徒となった。その後、近所の人や子供たちに教えるようになり、1970年代にはもっとたくさんの人に教えたいと思うようになっていた。そこでオゾン・ヨガを設立しナナンマルと家族はその後10万人以上の人を教えてきた。しかしその規則は厳しく(例えば裸足でヨガを行うなど)、それに従わなければ帰るようにと遠慮なく生徒に言う。

約20年前、ヨガを教える人を訓練することも始めた。資格を与えるため、インド政府イニシアチブであるバーラット・セヴァク・サマジと手を組みプログラムを開発した。オゾンが提供した自然療法ヨガ・サイエンスのプログラムは1000人以上が修了し、その多くが中国やシンガポール、マレーシアなど様々な国でヨガを教えているとバラクリシュナンは言う。

しかしもちろん、時とともに変化していくものだと彼は付け加えた。今や、授業はナナンマルが望むよりもだんだん甘くなり、クラスで伝統的でない服装をしたりプログラムに喫煙者がいることもある。そして、ナナンマルがヨガはブラフマ・ムフルタム(吉兆の時間)である午前3〜5時だけに行うべきだと固く信じている一方で、仕事を持つ人や生徒たちのためにオゾンでは一日中クラスが行われている。そして、以前そうであったようにヒンズー教徒に限らず、インド全域や海外からのすべての宗教を信じている人々へとクラスを開放している。

「もっと多くの人にヨガを学んでもらいたいので、厳しくはしない」とバラクリシュナンは言う。しかし、彼らの原点であるヨガの形は変わることはなく、ビールヨガゴートヨガなどといった流行りとは一線を画している。

「次の世代が私たちの伝統を学び引き継いでいけるよう、今まで行ってきたものを教えるということに集中している」ナナンマルは言った。


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