アサナができない時、柔軟性が足りないのだとみんな思いがちだ。しかしバーニー・クラークは、全ての人に向いたポーズはないと説く。自分自身の特性を解剖学的に捉え、そのポーズができないのは実際的に何が原因なのかを見つける地図を、彼は示してくれる。
個性を賞賛し抑えきれない衝動でセルフィーを撮るこの時代は、不自然で歪んだ次元へと入ってしまった。テクノロジーは、常に新しい製品を生み出し、我々の外観を騙し本当の自分をピクセルのフィルターの影に隠してしまう。だから、高尚なるダンサーのポーズをしようとしてつま先が頭頂につかない時、自分の組織と骨の形状という事実があなたを襲うのだ。あなたの体は、ただそれができない。これは、能力がないとかヨギっぽくないということではなく、人間なだけだ。冷静に人は皆違うということを気づかせてくれるものだ。「あなたは唯一であり、その唯一性によって『誰もができる』ようなものとあなたができるものの違いを作っている。ヨガには全員ができるポーズはないし、誰も全てのポーズができるわけでもない」バーニー・クラークはいう。ヨガの実践においては、あるポーズが全員に適しているわけではない。
ヨガのアナトミーはユニークだ -- 学ぼう
違いと唯一性を統合することは、全ての社会が適合するわけではないという複雑性を示している。5人の生徒がいるヨガクラスでは、全員のニーズに応えるのは簡単だが人数が増えるにしたがってそれは難しくなる。つまり、一般化とは塩をひとつまみしなければダメになってしまう可能性があるということだ。ヨガクラスにおいては不安があるが。もっと適した体が欲しいと思ったり、「正確なポーズ」ができなければ目立ってしまい欠陥品だと非難されると恐れてしまうかもしれない。
「違いは欠陥ではない」クラークは遺伝学者テオドシウス・ドブザンスキーの言葉を引用し、違いを認め受け入れることを勧めている。「なぜ、他の人ができないから自分も失敗すると考えるのか?今の自分にできることがあり、そのうちにできることもあり、そして永遠にできないこともある」
好奇心があれば、徐々に自分の身体のユニークな機能を最も理解する者になれる。ほとんどの先生はあなたのことをそんなには知らないし、自分で理解できるほどには理解してくれない。
あまりにも熱心すぎる先生などは、あなたに怪我をさせてしまうような間違った憶測さえするかもしれない。家でもクラスでも自分のマットの上で自分の練習をすることが不可欠なのだ。つまり自分の強さ、弱さ、限界、技術を探求することに時間をかけるということだ。
なぜできないのか?
クラークは、様々なヨガポーズで感覚を系統的に記録することで自分の体の限界を知る効果的な方法を勧めている。まずは質問から始める。「なぜできないのか?」言い換えれば、何が可動域を限定しているか?二つの要素があると彼はいう。第一は伸張で、ストレッチに対する組織(筋肉、靭帯、筋膜)の抵抗であり、もう一方は圧迫で、骨と骨(硬い圧迫)、肉と肉(柔らかい圧迫)、骨と肉(中間の圧迫)など接触によって起きる。
つまり、ヨガの練習で伸張か圧迫かの感覚に注意を向けることで自分の体の特別なアナトミーと限界を探ることができる。今度は、与えられたポーズではなく自分の体と向き合うことを可能にするのだ。このプロセスのため、クラークはアナトミーを探りどこで圧迫と伸張が起こっているかを観察するため彼の著書の中でどの抵抗でどんな感覚を感じるかを説明している。以下は、彼のYour Body, Your Yoga からの引用で、「止まってしまう」3つのポーズを探っている。
バックベンド
あなたの最大可動域は、骨がお互いに当たるか他の組織を圧迫するかにかかっている。例えば、上にある腰椎の二つの例を見てみよう。見るからに左側の人は右の人のように脊椎を伸展(バックベンド)することができないが、他の点は一緒だ。しかし、抵抗のあろう場所を見てみると、右の人はどんどん伸展を深めていける一方で、左の人は圧迫点にすぐ到達してしまう。
スクワット
スクワット(マラーサナ)を邪魔しているのは何だろう?膝が足の前方に行きながら踵をがずっと地面に着けておくためには、足首の背屈を最大にする必要がある(B)。足首の背屈の限界のせいで、この点でかかとが床から浮き始める(C)生徒も多い。かかとをあげると背屈はそんなにしなくてもいい。Dの位置では、背屈ではなく股関節屈曲が最大であり、足首が原因でないことがわかる。
三角形のポーズ
(出典)https://www.yogajournal.com/teach/why-inflexibility-may-not-be-whats-stopping-you-from-doing-that-pose
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