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編集者注記:以下の提案は一般的なヨガの実践者や指導者のためのものです。医療従事者による個人的なアドバイスに代わるものではありません。
足の「土踏まず」に沿った軟組織や筋膜の微小な断裂や痛みのある炎症、足底筋膜炎は稀なものではありません。成人の10人に1人に見られ、特に40台から60台の年齢に現れます。ほとんどの場合は、非侵襲性の治療で一年以内に治癒しますが、稀に注射や外科手術が必要となる場合もあります。
ほとんどの人では、足底筋膜炎は同様に起こります。「大抵の場合、初めは親指側の踵の前あたりが痛み始めるが、治療をしないと土踏まずにまで及ぶこともある」と「腰痛の秘密:女性の腰痛の本当の原因と治療法(The Back Pain Secret: The Real Cause of Women’s Back Pain and How to Treat It)」の著者で理学療法士のビル・リーフは言います。
リーフのクリニックでは、足底筋膜炎は距離を急激に長く走った初心者のランナーに多く、大抵の場合はマラソンのトレーニングが原因です。足底筋膜炎は、伸ばしすぎや使いすぎで起こり、土踏まずのアーチが高すぎたり低すぎたりという構造的な要因、または下記にあるような間違った走り方との組み合わせが原因となります。アスリートによく見られ、特に硬い面に長時間立っている人に多いのです。バレエや長距離走など足に大きな負担を与えるタイプの運動は、この症状を起こすリスクを高めます。他に、妊娠、肥満、また足に合わない靴やあまりに古い靴でもその要因となります。
足底筋膜炎は、足裏の組織だけでなく、ふくらはぎやハムストリングスの硬さ、また足首の背屈(訳注:つま先が脛に近づく曲げ方)角度の減少に関連しています。
ふくらはぎのストレッチ(例:アキレス腱−腓腹筋−ヒラメ筋)が、足底筋膜炎に効果的だと知られています。ふくらはぎが柔軟になれば、大抵は足の痛みが治まります。つまり、多くのヨガのストレッチで足底筋膜炎の患者に直接的な効果を得られ、特に正しい身体の構造に気をつけながら行うと良いでしょう。
腓腹筋(外側頭) - - 腓腹筋(内側頭) ヒラメ筋- -アキレス腱 |
アキレス腱−腓腹筋−ヒラメ筋(左脚)
しかし、まずは足底筋膜炎の人がヨガクラスでしてはいけないことを見ていきましょう。
ヨガでしてはいけないこと
足裏の組織の悪化は、正しくないアライメントの結果であることもあります。主に、足と足首がそのニュートラルなポジションから繰り返し逸脱することによるもので、大抵の場合は膝が正しいとは言えない位置にあることが多いです。リーフによれば「ヨガはこうした最適以下のパターンを正すことも強めることもあり得」ます。
ニュートラルな足とは、かかとの骨(踵骨)が内側でも外側でもなく垂直であるものです。足がこのポジションにあるときは、足の内外の踵だけでなく、内外の指の付け根に健康的に体重負荷がかかります。足はニュートラルの位置から二方向に逸れます。足首同士がお互いに内側に傾斜し、内側のアーチが床に近づきます(回内)。あるいは、足首同士が離れ、内側のアーチが大きくなります(回外)。
回内(右足) ニュートラル(右足) 回外(右足) |
どちらの動きもそれ自体が「悪い」わけではなく(実際のところ、私たちが歩く度に起こっています)、どちらも動きも多すぎる時に問題となり得るのです。リーフが説明するように、「歩く際に足が、あまりに強く、またはあまりに長いあいだ回内していると体重が親指側にかかりアーチが壊れ、踵から土踏まずまでの足底筋膜が伸展しすぎて、僅かに裂け」ます。
歩くときや走るときに回外しすぎていることも問題を引き起こします。その場合、踵が十分に内に回らず外に回ってしまうこともあります。「この傾向は、ハイ・アーチやアキレス腱が硬い人によく見られる。歩くときに回外しすぎていると足が一歩一歩の衝撃を十分に吸収できなくなり、それが足底筋膜炎を悪化させることがある」とリーフは言います。
このどちらの場合も生理学的な影響があります。過度の回内では、腿や膝は内側に倒れており足を揃えたときに親指側に向いているでしょう。過度の回外では、腿や膝は外側に向かってたわみ小指側を向いています。
足をニュートラルの位置に置くことは膝の位置を整えることにつながり、下記のように、膝の位置を整えると体重を効果的に支えるニュートラルな足を築くことが容易になります。例えば、両膝が外に向いていると母趾球を床につけることが困難になることがわかると思います。
足底筋膜炎の生徒が、足の過度な回内や回外して両膝の位置を整えていないでヨガをしていると、症状に関連した原因を作っているパターンを続けることになってしまいます。練習後に足が悪化しているかもしれません。しかし、そうした生徒が下記に詳しく書いてあるように足や膝のニュートラルなアライメントを保っていれば、練習後の足は回復している可能性があります。
両足、両膝の位置を整える
以下のヒントは、通常のヨガポーズでの足や膝のポジショニングをよりよくするのに役立つでしょう。マットの前の方で立位を取りこの改善方法を練習しましょう。理想的には鏡の前が良いでしょう。
タダーサナ (山のポーズ)
足首が内側に倒れて、アーチがマットの方に沈んでいませんか?その場合は「回内」で、踵の内側で立っています。あるいは、足首が外側に倒れていて、アーチが持ち上がり親指の付け根がマットから(下の写真のように)離れていませんか?その場合は「回外」で踵の外側で立っています。(ヨガの先生など誰かに後ろに座って踵を見てもらうと良いでしょう)
どちらの場合も踵を持ち上げ、踵の「中心」でマットに立てるよう調整しましょう。
足の四隅で下に押します(足を根付かせることを概念化するのにいくつかの方法がありますが、ここでは「四隅」を使い内外の指の付け根と踵の内外を根付かせることを練習しましょう)。回内気味であれば、踵の外側と小指の付け根を根付かせることが大事です。回外気味なら(アーチが持ち上がって親指の付け根がマットから浮くなど)、踵の内側と親指の付け根を根付かせることが重要です。かなり難しいでしょうが、四隅を通して根付かせたら体重をそれらの四隅に送っていきましょう。
そのまま深い呼吸を数回行い、両足と両足首がニュートラルの位置にある感覚を覚えましょう。
ウトカタサナ(椅子のポーズ)
タダーサナから、両手を腰に置きます。息を吸って両膝を曲げ、自分の癖を観察しましょう。
両膝が内側に向き足の親指の方向に向いているたり(おそらく過度の回内)、それとも外側と小指側に向いて(過度の回外でしょう)いませんか?両膝を両足の中心線の方向に向け、足の人差し指か中指方向に調整しましょう。
両足を床に押し付けて息を吐きながら両膝を伸ばし、その間も人差し指か中指側に向け続けます。
この動きを何度か繰り返します。
どんなヨガポーズでも、また毎日の生活の中でも、このニュートラルな足や膝の練習をすることで足底筋膜炎の症状は軽くなり始めるでしょう。膝を健康的に調整することで、足底筋膜炎からくるハムストリングスの固さも解消するでしょう。
足底筋膜炎の症状にもっと直接的に対処したいときは、上記の練習で行った足と膝のアライメントを保ちながら次のポーズを試して見ましょう。
次回に続きます。
(出典)https://yogainternational.com/article/view/yoga-for-plantar-fasciit
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